上記の者に対する傷害致死被告事件について、当裁判所は、検察官林正章及び同高栁美希並びに国選弁護人野田晃弘(主任)及び同大和田貴史各出席の上審理し、次のとおり判決する。 主文 被告人を懲役4年に処する。 未決勾留日数中100日をその刑に算入する。 理由 (罪となるべき事実)被告人は、令和5年8月1日頃、札幌市甲区(住所省略)被告人方において、実母であるA(当時78歳)に対し、その背部等を多数回蹴るなどの暴行を加え、同人に右側胸部から背部の皮下出血・筋肉内出血、右多発肋骨骨折、右肺挫傷及び右気胸等の傷害を負わせ、よって、同月3日午前11時23分頃、同市乙区(住所省略)丙病院において、同人を前記傷害による外傷性ショックにより死亡させた。 (証拠の標目) (省略)(法令の適用)罰条刑法205条未決勾留日数の算入刑法21条訴訟費用刑訴法181条1項ただし書(不負担)(量刑の理由)被告人は、高齢の被害者に対し、胸や背中等の身体の重要部分に、足蹴りするなどして、多数回の強い暴行を一方的に加え、致命傷となった広範囲にわたる筋肉内出血や多数の肋骨骨折等を負わせている。凶器を用いてはいないものの、犯行態様は執拗かつ悪質といえる。 被告人は、本件犯行に至った経緯について、被害者の体調を心配してもう少し夕食を食べるよう促したものの、拒まれたことから、どうして自分の気持ちを分かってくれないのだろうと思ったなどと述べるが、前記のような暴行を加える理由とし ては、身勝手かつ理不尽といわざるを得ず、酌むべき事情があるとはいえない。 以上によれば、本件の犯情は悪く、親に対する凶器等を用いない傷害致死1件の事案の中では中程度に位置づけられ、一定期間の実刑はやむを得な 手かつ理不尽といわざるを得ず、酌むべき事情があるとはいえない。 以上によれば、本件の犯情は悪く、親に対する凶器等を用いない傷害致死1件の事案の中では中程度に位置づけられ、一定期間の実刑はやむを得ない。 その上で、一般情状についてみると、被告人は、反省と後悔の態度が認められること、遺族である被告人の弟2名がいずれも処罰を望んでいないことは、被告人のために酌むべき事情である。また、被告人は、被害者から救急車を呼ぶことを強く拒まれたため、本件暴行から1日以上後になったとはいえ、救急に電話するなど、被告人なりに被害者を気遣っていたことも、被告人に有利に考慮する余地がある。 これらの事情も十分に考慮して、被告人を主文の刑に処するのが相当と判断した。 (求刑懲役6年弁護人の科刑意見懲役3年執行猶予5年)令和6年3月26日札幌地方裁判所刑事第1部 裁判長裁判官吉戒純一 裁判官藤井俊彦 裁判官小町勇祈
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