昭和32(オ)188 約束手形金請求

裁判年月日・裁判所
昭和36年11月24日 最高裁判所第二小法廷 判決 棄却 名古屋高等裁判所
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【DRY-RUN】主    文      本件上告を棄却する。      上告費用は上告人の負担とする。          理    由  上告代理人田中長三郎の上告理由第一点について。  本件手形は、上告会社が昭和二

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判決文本文1,210 文字)

主文 本件上告を棄却する。 上告費用は上告人の負担とする。 理由 上告代理人田中長三郎の上告理由第一点について。 本件手形は、上告会社が昭和二九年六月八日受取人をD商事株式会社名古屋出張所と記載して振り出したものであること、右手形中第一の裏書欄には、裏書人としてD商事株式会社名古屋出張所取締役所長、E、被裏書人として被上告会社と記入してあり、右Eの名下に同人の印を押したものと思われる印影のあることは、原判決の引用する第一審判決が確定したところであり、同判決が手形面における叙上の記載から、裏書の連続に欠けるところはなく、被上告人は右手形の適法な所持人とみなされる旨判示するところは、当裁判所も正当としてこれを是認する。 ところで、手形法一六条一項に「みなす」というのは、所論のごとく「推定する」との意味に解すべきであり、したがつて、上告人は被上告人が真実の権利者でないことを証明すれば、権利の行使を拒みうるのであるが、被上告人は、後に論旨第二点についで判示するごとく、本件手形を同条二項により善意取得し、実質上の権利者となつたものと認めるべきであるから、上告人は、被上告人の権利の行使を拒みえないのであり、論旨は、結局理由なきに帰する。 同第二点について。 上告人が原審において、抗弁として主張するところによれば、上告会社はD商事株式会社の名古屋出張所取締役所長と自称するEなる者に資金の調達を依頼し、同人の求めに従い本件約束手形をD商事株式会社名古屋出張所宛に振出し交付したのであるが、D商事株式会社は、名古屋出張所を設けたこともなく、同会社取締役にEという者もない。Eと自称する者が濫りに「D商事株式会社名古屋出張所取締役- 1 -所長E」なる事実上存在しない名称をもつて裏書したものであるとい 、名古屋出張所を設けたこともなく、同会社取締役にEという者もない。Eと自称する者が濫りに「D商事株式会社名古屋出張所取締役- 1 -所長E」なる事実上存在しない名称をもつて裏書したものであるというのである。 とすれば、本件手形に受取人として記載されているD商事株式会社は、手形上の権利を取得したものではないことは上告人の主張自体からあきらかであり、被上告人は、とりもなおさず、手形上の無権利者から本件手形を取得したものに該当するのである。そして、上告人は、被上告人の本件手形の取得が悪意又は重大な過失によるものであることを立証していないのであるから、被上告人は、手形法一六条二項により本件手形の実質上の権利者となつたものといわなければならない。されば原判決の判示するところは、結局正当であつて、論旨は採用し難い。 よって、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。 最高裁判所第二小法廷裁判長裁判官藤田八郎裁判官池田克裁判官河村大助裁判官奥野健一裁判官山田作之助- 2 -

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