昭和54(行コ)30 法人税更正処分等取消請求控訴,同附帯控訴事件

裁判年月日・裁判所
昭和55年6月27日 大阪高等裁判所 租税
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【DRY-RUN】○ 主文 一、本件控訴及び附帯控訴をいずれも棄却する。 二、控訴費用は控訴人の負担とし、附帯控訴費用は被控訴人の負担とする。 ○ 事実 第一、当事者の申立て 一、控訴人 (控訴の趣旨) (一) 原判決

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判決文本文4,053 文字)

○ 主文一、本件控訴及び附帯控訴をいずれも棄却する。 二、控訴費用は控訴人の負担とし、附帯控訴費用は被控訴人の負担とする。 ○ 事実第一、当事者の申立て一、控訴人(控訴の趣旨)(一) 原判決中、控訴人敗訴部分を取消す。 (二) 被控訴人が昭和五〇年一一月二九日付で控訴人に対してした、控訴人の昭和四八年一月一日から同年一二月三一日までの事業年度分法人税の更正処分及び過少申告加算税賦課決定処分のうち、所得金額一億三、一一五万八、五六七円を超える部分を取消す。 (三) 訴訟費用は一、二審とも被控訴人の負担とする。 (附帯控訴につき)(一) 本件附帯控訴を棄却する。 (二) 附帯控訴費用は被控訴人の負担とする。 二、被控訴人(控訴につき)(一) 本件控訴を棄却する。 (二) 控訴費用は控訴人の負担とする。 (附帯控訴の趣旨)(一) 原判決中、被控訴人敗訴部分を取消す。 (二) 控訴人の請求を棄却する。 (三) 訴訟費用は一、二審とも控訴人の負担とする。 第二、当事者の主張・証拠関係一、原判決の引用当事者双方の主張・証拠関係は、左記のとおり付加するほか、原判決の事実摘示と同じ(ただし、原判決九枚目裏六行目から八行目までを全部削除し、原判決中「精算」とあるのをすべて「清算」と訂正する)であるから、これをここに引用する。 二、控訴人の主張(一) 被控訴人主張の本件和解金(裁判上の和解金)一、五〇〇万円は、税法上、控訴人の固定資産である本件土地の取得価額に算入されるべきではなくて、損金に計上すべきである。 (二) 仮に、本件和解金に損金処理の許されないものがあるとしても、訴外Aらが本件土地について支払つた固定資産税等の額を、本件和解時の額に換算する方法については、消費者物価指数の比率や地価上昇率によるべきではなくて、固定資産課税標準額の変動率によ があるとしても、訴外Aらが本件土地について支払つた固定資産税等の額を、本件和解時の額に換算する方法については、消費者物価指数の比率や地価上昇率によるべきではなくて、固定資産課税標準額の変動率によるべきである。 三、被控訴人の主張(一) 控訴人が本件和解に基づき訴外Aらに支払つた和解金一、五〇〇万円は、控訴人が本件土地の完全な所有権を取得するための対価であり、その金額は本件土地の取得代金の追加支払として支出されたものである。 (二) 本件和解金のうちには、本件土地代金のほかに、訴外Aらが本件和解時以前に支払つた本件土地に課せられた公租公課の本件和解時における換算額(金九四万四、二七二円)は、含まれていない。この理は、本件和解調書六項において、本件土地にかかる和解時までの固定資産税の負担区分について、控訴人の負担分を昭和四八年度第四期分以降、すなわち本件和解時以降と明記されていることからみても、明らかである。 四、証拠関係(省略)○ 理由一、当裁判所も原判決同様、被控訴人が昭和五〇年一一月二九日付で控訴人に対してした、控訴人の昭和四八年一月一日から同年一二月三一日までの事業年度分の法人税の更正処分及び過少申告加算税賦課決定処分のうち所得金額一億四、五二一万四、二九五円を超える部分を取消すべきであると判断する。その理由は、左記のとおり付加するほか原判決の理由説示と同じ(ただし、原判決一〇枚目表四行目に「法人税」とある次に「法」を、同末行に「第一九号証」とある次に「(第一六ないし第一八号証は原本の存在も争いがない)」を、同一五枚目表末行に「本件」とある次に「に」を、同一九枚目裏二行目に「ても」とある次に「、通常の売買のような場合と異なり前示認定のような事情のもとにおいては」を、同一九枚目表一行目に「円」とある次に「余」を各加入し、同一〇枚 ある次に「に」を、同一九枚目裏二行目に「ても」とある次に「、通常の売買のような場合と異なり前示認定のような事情のもとにおいては」を、同一九枚目表一行目に「円」とある次に「余」を各加入し、同一〇枚目裏一二行目、同一四枚目表五行目及び七行目から八行目にかけて各「昭和一九年」とあるのを各「昭和二〇年」と、同別表第二(9)欄末行に「9、776、438」とあるのを「2、776、438」と原判決理由中「精算」とあるのをすべて「清算」と各訂正する)であるから、これをここに引用する。原本の存在及び成立に争いのない甲第五三号証(当審提出)によるも、右認定を左右するに足りない。 二、控訴人は、本件和解金一、五〇〇万円は本件土地の取得価額に算入すべきではなくて、損金に算入すべきである旨反論するので、判断する。 およそ裁判上の和解は、私的紛争について当事者双方の互譲により成立するものであり、土地の売買契約による代金の一部未払の場合における土地所有権の譲渡の成否をめぐつて紛争となつた訴訟の係属中において成立した和解であつても、その和解金は常に固定資産たる係争土地の取得価額であるとは限らないけれども、和解において、係争土地の所有権を取得時効により終局的確定的に当事者の一方たる買主に帰属させることによつて、多年にわたる紛争をすべて解決するため和解における所有権帰属者が相手方に和解金を支払うのと引換えに、相手方が係争土地の右時効取得を原因とする所有権移転登記手続をする旨の和解が成立し、和解条項が履行されたような場合には、その和解金はその不動産取得の対価としての取引代金それ自体ではなく、不動産の帰属に伴う紛争解決のための費用を包含するものであるけれども、なお不動産取得に付随する費用として支出したものであり、法人税法二二条二項にいう益金に該当するものと解すべきである。こ 体ではなく、不動産の帰属に伴う紛争解決のための費用を包含するものであるけれども、なお不動産取得に付随する費用として支出したものであり、法人税法二二条二項にいう益金に該当するものと解すべきである。これを本件についてみるに、前示引用の原判決挙示の証拠、とくに甲第三、第一二、第一三号証、乙第一、第三号証により認められる、控訴人が訴外Aらの先代との間に昭和一八年六月一四日成立した本件土地の売買契約による売買代金二万円のうち金一万円を支払つたのみで、残代金一万円の支払をしないまま長期間経過し、本件和解時たる昭和四八年一一月一日に至つた事実、別件訴訟の控訴審判決及び本件和解裁判所の原審判決において、控訴人が本件土地の所有権を時効により取得した旨認容された事実、右売買契約の当事者ないしその承継人間において本件土地をめぐる多年の紛争を本件和解により解決することとし、その方法として本件土地を控訴人の完全な、かつ終局的な所有に帰属させ、訴外Aらにおいて支出した固定資産税等の清算をする意味も含めて、控訴人が訴外Aらに本件和解金一、五〇〇万円を支払うのと引換えに右訴外人らから本件土地の所有権移転登記手続をうける旨の本件和解が成立しその履行を終つた事実、昭和四五年九月当時において控訴人が本件土地を買取るものと仮定した場合の適正価額が金三、七九二万余円であつた事実等、本件和解に至るまでの経緯に本件和解条項を合わせ考えると、本件和解金(ただし、前認定の固定資産税等の換算額を控除した後の金額)は損金ではなくて、資産たる本件土地の完全かつ確定的な譲渡をうけるために支出した益金であると認めるのが相当である。 なお、控訴人は、本件和解金のうち本件土地について訴外Aらにおいて支払つた固定資産税等の額を、本件和解時の額に換算する方法としては、固定資産課税標準額の変動率によるべ であると認めるのが相当である。 なお、控訴人は、本件和解金のうち本件土地について訴外Aらにおいて支払つた固定資産税等の額を、本件和解時の額に換算する方法としては、固定資産課税標準額の変動率によるべきである旨反論するけれども、右反論のような方法によるべきことの法的根拠がないから、合理的にして相当と認められる方法であれば他の方法によることも許されると解すべきであるところ、固定資産課税標準額は徴税目的のために決定される額であり、その変動上昇率は現実の土地価額や一般物価の変動上昇率に比例するものではなく、その限りにおいて消費者物価指数による変動上昇率の方が合理的妥当性があるから、被控訴人の採用した消費者物価指数比率方式が不当であるとはいえない。 従つて、控訴人の反論はいずれも失当であつて採用できない。 三、次に被控訴人は、本件和解金には、和解時までに訴外Aらが支払つた公租公課(固定資産税等)の換算額が含まれていない旨主張するけれども、前掲証拠によれば、本件和解においては、控訴人と訴外Aらとの間に本和解条項以外になんらの債権債務がないことを確認するとともに、控訴人が右訴外人らに本件和解金一、五〇〇万円を支払うことに合意したものであり、右和解の趣旨は金額の内訳が示されていないけれども本件和解時までに右訴外人らが本件土地について支払つた公租公課(昭和四八年度第三期分までの固定資産税等)を清算する趣旨も含めて本件和解金額の合意をしたものと解されるから、被控訴人の右主張は失当であつて採用できない。 四、そうすると、本件更正処分及び過少申告加算税賦課決定処分の一部取消を求める控訴人の本訴請求は、右の限度で理由があり、その余の請求は棄却すべきであるところ、これと同旨の原判決は相当であつて、本件控訴及び附帯控訴はいずれも理由がないからこれを棄却し、訴訟費用の負 消を求める控訴人の本訴請求は、右の限度で理由があり、その余の請求は棄却すべきであるところ、これと同旨の原判決は相当であつて、本件控訴及び附帯控訴はいずれも理由がないからこれを棄却し、訴訟費用の負担について民訴法九五条、八九条を適用して主文のとおり判決する。 (裁判官下出義明村上博巳吉川義春)

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