平成14(行ケ)319

裁判年月日・裁判所
平成14年12月19日 東京高等裁判所
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判決文本文2,630 文字)

平成14年(行ケ)第319号審決取消請求事件平成14年12月17日口頭弁論終結判決原告アンドウケミカル株式会社訴訟代理人弁理士江原省吾,田中秀佳,白石吉之,城村邦彦,熊野剛,山根広昭被告タキイ種苗株式会社被告株式会社ティエス植物研究所被告株式会社東海化成被告ら訴訟代理人弁理士廣江武典 主文 1 特許庁が無効2000-35208号事件について平成14年5月21日にした審決を取り消す。 2 訴訟費用は各自の負担とする。 事実及び理由 第1 原告の求めた裁判主文第1項と同旨の判決。 訴訟費用は被告らの負担とする。 第2 前提となる事実 1 特許庁における手続の経緯(1) 本件特許特許権者原告発明の名称  「育苗ポット用樹脂成形体及びその製造装置」特許出願日平成10年3月13日(国内優先権主張日平成9年3月14日)設定登録日平成11年2月26日特許番号特許第2891987号(2) 本件手続無効審判請求日平成12年4月17日(無効2000-35208号)訂正請求日平成12年7月31日審決日(第1次) 平成13年1月9日審決の結論(同) 「訂正を認める。本件審判の請求は,成り立たない。」審決謄本送達日平成13年2月2日(原告に対し)審決取消訴訟提起平成13年2月20日(原告による)(第1次) (東京高裁平成13年(行ケ)第75号)判決言渡日(同) 平成14年1月30日判決の結論(同) 「特許庁が無効2000-35208号 平成13年2月20日(原告による)(第1次) (東京高裁平成13年(行ケ)第75号)判決言渡日(同) 平成14年1月30日判決の結論(同) 「特許庁が無効2000-35208号事件について平成13年1月9日にした審決を取り消す。」審決日(第2次) 平成14年5月21日(本件審決)審決の結論(同) 「訂正を認める。特許第2891987号の請求項1に記載された発明についての特許を無効とする。」審決謄本送達日平成14年5月31日(原告に対し) 2 本件審決の理由の要旨訂正請求は適法でありこれを認める。本件の請求項1に係る発明(本件発明1)は,本件出願日前に出願され当該出願後に出願公開されたものの願書(特願平9-20674号)に最初に添付した明細書又は図面に記載された先願発明と同一であり,しかも,本件発明1と先願発明の発明者が同一でなく,本件出願の時に本件発明1と先願発明の出願人が同一でもないから,本件特許は,特許法29条の2の規定に違反してなされたものであり,同法123条1項2号に該当し,無効とすべきものである。 3 本件審決が判断の対象とした本件発明1の要旨(後記5の訂正審決による訂正前のもの)【請求項1】 ほぼ正方形に開口した上端の上端開口部と,底部と,底部の周縁と上端開口部の周縁との間の側部とを備えたコップ形状を有し,かつ,所定の樹脂材料を主成分とした複数個の育苗ポットを縦横方向に整列させて平面配置したもので,相互に隣接する前記育苗ポットの上端開口部の周縁を構成するそれぞれの隣接対向辺に,隣接する育苗ポット同士を微小な幅寸法でのみ連結する連接部を一体的に形成し,各育苗ポットに土壌を収容した状態で所望の育苗ポットを,隣接する他の育苗ポットから引き千切ることにより前記連接部を破断可能としたこ る育苗ポット同士を微小な幅寸法でのみ連結する連接部を一体的に形成し,各育苗ポットに土壌を収容した状態で所望の育苗ポットを,隣接する他の育苗ポットから引き千切ることにより前記連接部を破断可能としたことを特徴とする育苗ポット用樹脂成形体。 4 後記5の訂正審決による訂正後の本件発明1の要旨【請求項1】 ほぼ正方形に開口した上端の上端開口部と,底部と,底部の周縁から立ち上がって前記上端開口部の周縁に到る側部とを備え,前記上端開口部の周縁の四隅部にのみ鍔部が形成されたコップ形状を有し,かつ,所定の樹脂材料を主成分とした複数個の育苗ポットを縦横方向に整列させて平面配置したもので,相互に隣接する前記育苗ポットの上端開口部の前記四隅部を除く周縁を構成するそれぞれの隣接対向辺に,隣接する育苗ポット同士を微小な幅寸法でのみ連結する連接部を一体的に形成し,各育苗ポットに土壌を収容した状態で所望の育苗ポットを,隣接する他の育苗ポットから引き千切ることにより前記連接部を破断可能としたことを特徴とする育苗ポット用樹脂成形体。 5 訂正審決の確定原告は,本訴係属中の平成14年10月17日,本件特許につき,特許請求の範囲の減縮等を目的として,明細書の訂正をする審判を請求したところ(訂正2002-39222号),同年11月28日,当該訂正を認める旨の審決があり,その謄本は同年12月4日に原告に送達され,訂正審決は確定した。 第3 原告主張の審決取消事由本件審決は,第2の3に記載の本件発明の要旨を認定し,これに基づき,第2の2のとおり,本件特許は,特許法29条の2の規定に違反してなされたものであり,同法123条1項2号に該当し,無効とすべきものであるなどとしているが,第2の5のとおり特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正を認める審決が確定し,本件発明の要旨が 規定に違反してなされたものであり,同法123条1項2号に該当し,無効とすべきものであるなどとしているが,第2の5のとおり特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正を認める審決が確定し,本件発明の要旨が第2の4のとおり訂正されたことにより,本件審決は,結果的に本件発明の要旨の認定を誤ったことになり,瑕疵があるものとして取消しを免れない。 第4 当裁判所の判断第2に記載の事実関係は,本件証拠及び弁論の全趣旨により認めることができ,これらの事実関係に照らせば,原告主張の事由により本件審決は取り消されるべきものであり,本訴請求は理由がある(なお,被告らは,上記訂正を認める審決が出される前において,本訴が不適法であることや審決取消事由の主張がなく本訴は直ちに棄却されるべきであるなどと主張したが,上記事実関係に照らせば,いずれも採用の限りではない。)。 よって,原告の請求は理由があるからこれを認容し,訴訟費用の負担につき行訴法7条,民訴法62条を適用して,主文のとおり判決する。 東京高等裁判所第18民事部裁判長裁判官永井紀昭裁判官塩月秀平裁判官田中昌利

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