主文 原告の請求を棄却する。 訴訟費用は原告の負担とする。 事実及び理由 第1請求 被告が,平成9年12月11日付けでした,原告の平成9年10月24日付けの都市計画法43条1項に基づくクラッシャープラントの新設の許可を求める申請を許可しないとの処分を取り消す。 訴訟費用は被告の負担とする。 第2事案の概要本件は,原告が被告に対し,都市計画法43条1項に基づき,クラッシャープラントの新設の許可を求める申請をしたところ,被告がこれを許可しないとの処分をしたので,その取消しを求めた事案である。 法令の定め何人も,市街化調整区域のうち開発許可を受けた開発区域以外の区域内においては,都市計画法(以下「法」という。)43条1項但書きに規定するものを除き,都道府県知事の許可を受けなければ,第一種特定工作物を新設してはならない(法43条1項本文)。 なお,法は,第一種特定工作物とはコンクリートプラントその他周辺の地域の環境の悪化をもたらすおそれがある工作物で政令で定めるものをいうとし(法4条11項),これを受けて,都市計画法施行令1条1項2号は,クラッシャープラントを第一種特定工作物に該当すると規定している。 そして,都市計画法施行令36条1項は,都道府県知事は,次の各号に該当すると認めるときでなければ,法43条1項の許可をしてはならないとし,その3号イは,当該許可の申請に係る第一種特定工作物が法34条1号から8号の2までに規定する第一種特定工作物に該当することと規定している。 法34条6号は,市街化調整区域内において現に工業の用に供されている工場施設における事業と密接な関連を有する事業の用に供する第一種特定工作物で,これらの事業活動の効率化を図るため市街化調整区域内において建設することが必要なものの建設の用に供する目的 に供されている工場施設における事業と密接な関連を有する事業の用に供する第一種特定工作物で,これらの事業活動の効率化を図るため市街化調整区域内において建設することが必要なものの建設の用に供する目的で行う開発行為と規定している。 前提事実(証拠を摘示していない事実は争いがない。)(1)原告は,平成3年9月3日,山口県知事から,産業廃棄物処理業の許可を受け,コンクリート,アスファルト・コンクリート等建設廃材の破砕による処分業,廃プラスチック類,金属くず,ガラス・陶磁器くず及び建設廃材の埋立て処分による最終処分業を営んでいる。 被告は,山口県知事から,法43条1項の許可権限の委任を受けていた。 (弁論の全趣旨)(2)原告は,平成9年10月24日,被告に対し,法43条1項に基づき,別紙記載の土地(以下「本件申請地」という。)に,クラッシャープラントの新設の許可を求める申請をした(以下「本件申請」という。)。(乙1の1ないし15)被告は,同年12月11日,本件申請を許可しないとの処分をした(以下「本件不許可処分」という。)。 その理由は,本件申請にかかるクラッシャープラントは,それが密接な関連を有することとなる「市街化調整区域内において現に工業の用に供されている工場施設」が存在せず,したがって,法34条6号に規定する第一種特定工作物に該当しない,というものである。(乙2)なお,本件申請地は,市街化調整区域内にあり,かつ,開発許可を受けた開発区域以外の区域内にある。(弁論の全趣旨)(3)原告は,平成10年1月28日,山口県開発審査会に対して,本件不許可処分の取消を求める審査請求をしたところ,同審査会は,同年3月27日,審査請求を棄却する裁決をした。 原告は,同年4月17日,建設大臣に対して,再審査請求をしたところ,国土交通大臣は, 件不許可処分の取消を求める審査請求をしたところ,同審査会は,同年3月27日,審査請求を棄却する裁決をした。 原告は,同年4月17日,建設大臣に対して,再審査請求をしたところ,国土交通大臣は,平成16年6月24日,再審査請求を棄却する裁決をした。 そこで,原告は,同年9月21日,本訴を提起した。 争点 本件申請にかかるクラッシャープラントが法34条6号に規定する第一種特定工作物に該当するか,具体的には,①法34条6号にいう「現に工業の用に供されている工場施設」が存在するか(争点1),②同号にいう「当該施設における事業及びこれと密接な関係を有する事業の効率化を図るため建設することが必要」との要件を満たすか(争点2)。 争点に関する当事者の主張(1)争点1について(被告の主張)ア法34条6号にいう「工場施設」について,都市計画法施行令,同法施行規則による定義はないから,その意義は,社会通念に従って判断すべきである。そして,「工場施設」と言えるためには,継続的に,一定の業務としての物の製造又は加工のために使用されることを要するというべきである。その場所にいかなる施設がなければならないかは,そこで行われる物の製造又は加工の業務の種類及び性質によって定まるところであるが,業務を継続的に行うために必要な最小限度の工作物が設置されていることを要するというべきである。 なお,法34条6号の趣旨は,市街化調整区域内の既存の工場における事業との関連で,事業活動の効率上特にやむを得ないものを例外的に認めるものであるから,その解釈にあたっては限定的かつ例外的に理解するのが妥当であり,「現に工業の用に供されている工場施設」の解釈も限定的にすべきである。 イこれを本件についてみると,本件申請地における原告の施設(以下「本 件施設」という。) つ例外的に理解するのが妥当であり,「現に工業の用に供されている工場施設」の解釈も限定的にすべきである。 イこれを本件についてみると,本件申請地における原告の施設(以下「本 件施設」という。)は,ふるいを除き,大部分が建設用機械で構成されており,容易に移動が可能なものであり,また,破砕機については,フロントアタッチメントの一部を取り替えることによって,他の用途への転用も極めて容易に行えるのであるから,本件施設は,必ずしも継続的に一定の業務としての物の製造又は加工のために使用されていたとは判断できない。 また,原告の事業は,建築廃材等を破砕し,破砕したがれきをそのまま工事現場に運んで,例えば,路盤工事の際,投入しているにすぎないのであるから,原告が本件申請地で行っていた作業は,「加工」「製造」に当たらない。 すなわち,「加工」とは「人工を加えること」「細工すること」「原材料に手を加えること」とされ,「製造」は「品物を作ること」「原料に人工を加えて製品とすること」をいうので,原告の作業は,このようなものではない。 ウ以上のとおり,本件申請地については,法34条6号にいう「現に工業の用に供されている工場施設」が存在しない。 (原告の主張)ア原告は,従前,本件申請地において,建設廃材等の埋立処分による最終処分業及び建設廃材の破砕による処分業を行っていた。 そして,原告は建設廃材を破砕し,再生資源(路盤材,擁壁の裏込材等)として加工している。 再生資源の加工は,産業廃棄物を再生資源として加工できるリサイクル品とそれ以外の物に分別し,リサイクル品を破砕処分に回し,それ以外の廃棄物を埋め立てによる最終処分に回す一次選別,1立方メートル以上のリサイクル品を小割する一次破砕,1立方メートル以下の大きさのリサイクル品を破砕する二次破砕,破砕された 破砕処分に回し,それ以外の廃棄物を埋め立てによる最終処分に回す一次選別,1立方メートル以上のリサイクル品を小割する一次破砕,1立方メートル以下の大きさのリサイクル品を破砕する二次破砕,破砕されたリサイクル品に混入している鉄くず,廃プラスチック類,ゴムくず等を手作業で除去する二次選別,ふるい によって,40ミリメートル未満の再生資源を抽出し,次いで,ふるいによって,40ミリメートル以上50ミリメートル未満の再生資源を抽出し,50ミリメートル以上の再生資源を二次破砕に回す三次選別の工程を経て,再生資源を加工する作業を行っていた。 一次選別には0.7立米ユンボスケルトンバケツ1台,0.45立米ユンボフォークが使用され,一次破砕には0.7立米ユンボ1台,0.45立米ユンボ1台が使用され,二次破砕には1.2立米ユンボ1台が使用され,二次選別は手作業で行われ,三次選別には幅6メートル,縦4.5メートル,高さ3ないし4メートルのふるい2台が使用されていたが,三次選別のふるいは,平成8年6月に移動式選別ユニットマークⅡに更新された。 また,平成7年10月1日,本件申請地に隣接する「防府市α×××番1」の土地(以下「×××番1の土地」という。)に鉄骨造亜鉛メッキ鋼板葺2階建の事務所兼倉庫(以下「本件事務所兼倉庫」という。)が建築され,前記事業の用に供されてきた。 イ以上によれば,本件申請地には「工場施設」が存在していたというべきである。 すなわち,「工場施設」といえるためにいかなる施設がなければならないかは,そこで行われる物の製造又は加工の業務の性質によって定まるところ,原告の業務は,建築廃材等を選別し,破砕して,再生資源に加工するものであるから,本件施設の大部分が建設用機械で構成されているのは,まさに,その業務の性質によるものである。 そうす って定まるところ,原告の業務は,建築廃材等を選別し,破砕して,再生資源に加工するものであるから,本件施設の大部分が建設用機械で構成されているのは,まさに,その業務の性質によるものである。 そうすると,これらが,簡単に移動でき,他の用途に転用できるとしても,本件施設は,本件処分場において,継続的に,建築用廃材を選別し,これを破砕して,再生資源に加工する業務のために使用されていたのであるから,継続的に一定の業務としての物の製造又は加工のために使用され るものというべきである。 また,本件申請地には,ふるいが2台設置され,×××番1の土地には本件事務所兼倉庫が存在し,原告の業務の用に供されていたのであるから,業務を継続的に行うために必要な最小限度の工作物は設置されていた。 そして,原告は,建築用廃材等を選別し,これを破砕し,破砕後にふるいにかけて,一定の大きさに揃えて,これを再生資源として商品化し,販売しているのであるが,これは,建築廃材等に人工を加えて製品とするものであるから,「加工」又は「製造」に該当することは明らかである。 ウ被告は,平成9年4月17日,原告からクラッシャープラントの設置について相談を受け,山口県と協議した結果,本件申請地は,最終処分場と破砕処分場によって構成され,隣接する×××番1の土地には本件事務所兼倉庫があり,破砕処分場には建築用廃材を再生資源として加工するための人的,物的施設があり,これらの建物及び施設は,法34条6号の「現に工業の用に供されている工場施設」に該当すると判断し,建築許可をすべきものと判断していた。 それにもかかわらず,被告が本件不許可処分をしたのは,以下の理由によるものである。 すなわち,平成9年9月5日,被告が,本件事務所兼倉庫の建築確認申請について,申請の際に拡大解釈をし,原告に対して便 それにもかかわらず,被告が本件不許可処分をしたのは,以下の理由によるものである。 すなわち,平成9年9月5日,被告が,本件事務所兼倉庫の建築確認申請について,申請の際に拡大解釈をし,原告に対して便宜供与をしたと判断し,これを公表したため,建築確認が違法かどうかが問題となり,建築確認が違法であるとして,建築確認を取消して,本件事務所兼倉庫について除去処分等の監督処分をするか,違法でないとして,そのままにするか,いずれかの方針を決めなければならなくなった。 しかし,被告は,建築確認を取消して建物除去等の監督処分をすることには踏み切れず,だからといって,それが違法でないことを説明して,周辺住民を納得させるだけの大義名分もなかかったため,対応に苦慮した。 被告は,平成9年11月12日の山口県との協議の際,本件事務所兼倉庫の存在を前提としないで許可をすることができないか,または,周辺住民の同意なしで開発審査会にかけて許可を受けることができないかと,山口県に相談したがいずれも否定的な回答しか得られなかった。 そのため,被告は,本件事務所兼倉庫の建築確認申請について,これを適法とすることが困難と考えて,本件申請について,本件事務所兼倉庫を除外して判断し,本件不許可処分を行ったものである。 (2)争点2について(被告の主張)本件申請にかかるクラッシャープラントは,本件施設における事業と「密接な関連」を有する「事業活動の効率化」を図るためのものとはいえない。 ア法の目的は市街化調整区域内のスプロール化の防止にあり,法34条6号の場合にも,ただ既存の施設,工場施設があることをある程度尊重した上で,その例外を認めるものであるから,既存施設の有する機能,規模と,新たに建設する工作物の機能,規模であるとか,重要性のバランスを考慮すべきである。 そうする 工場施設があることをある程度尊重した上で,その例外を認めるものであるから,既存施設の有する機能,規模と,新たに建設する工作物の機能,規模であるとか,重要性のバランスを考慮すべきである。 そうすると,新設の設備が既存の施設と比べてあまりにも桁外れに大きいとか,機能が高い場合,これは既存施設に便乗した形での申請ということとなるので,このような申請は事業と「密接な関連」を有する「事業活動の効率化」を図るためのものとはいえないと解するべきである。 イこれを本件についてみると,本件申請時における原告の事業態様は,単に建築廃材等を破砕し,破砕したがれきを地面に置かれたふるいにかけるだけであり,ほとんど工場概念から隔たり,原始的生産に近く,市街化調整区域と矛盾が少ないのに対し,クラッシャープラントは,原動機を使用し,それ自体周辺地域の環境への影響が大きく,市街化調整地域との矛盾が大きいのであるから,本件申請は,既存施設に便乗した形での申請とい わざるを得ない。 ウよって,本件申請にかかるクラッシャープラントは,本件施設における事業と「密接な関連」を有する「事業活動の効率化」を図るためのものとはいえない。 (原告の主張)ア本件申請前,原告は本件施設において一日当たり10トンの再生資源を加工していた。 イ原告は,クラッシャープラント導入後は,従来どおり一次選別,一次破砕,二次選別を経て,1立方メートル以下のリサイクル品をクラッシャープラントに投入し,クラッシャープラントで加工された再生資源を移動式選別ユニットマークⅡによって最終選別して,製品化するものであり,クラッシャープラントには,一次破砕と二次破砕があり,一次破砕から二次破砕への移動はベルトコンベアによってなされ,その移動の過程で磁石により鉄くず等は自動的に除去されるものである。そし ものであり,クラッシャープラントには,一次破砕と二次破砕があり,一次破砕から二次破砕への移動はベルトコンベアによってなされ,その移動の過程で磁石により鉄くず等は自動的に除去されるものである。そして,原告は,クラッシャープラントの導入により,従来の二次破砕,手作業による鉄くずの除去作業の効率化を図ることができるようになり,従来は,一日当たり約10トンの加工量であったが,導入後は,一時間当たり20トン,一日当たり160トンの再生資源を加工できるようになった。 ウこのように,クラッシャープラントは,二次破砕及び二次選別の一部を効率化しようとするものであり,本件施設における事業と「密接な関連」を有する「事業活動の効率化」を図るとの要件を満たすことは明らかである。 第3当裁判所の判断 法は,都市の健全な発展と秩序ある整備を図り,もって国土の均衡ある発展と公共の福祉の増進に寄与することを目的としており(1条),都道府県は,一体の都市として総合的に整備し,開発し,及び保全する必要がある区域を都 市計画区域として指定し(5条),都市計画区域について無秩序な市街化を防止し,計画的な市街化を図るため必要があるときは,都市計画に,市街化区域(すでに市街化を形成している区域)と市街化調整区域(市街化を抑制すべき区域)との区分を定めることができる(7条)。 そして,法43条は,市街化を抑制すべき市街化調整区域においては,開発行為を規制するだけではなく,開発行為を伴わない建築行為等をも許可にかからしめ,市街化調整区域における無秩序な市街化の防止を図ったものであり,法34条6号が「市街化調整区域内において現に工業の用に供されている工場施設における事業と密接な関連を有する事業の用に供する建築物又は第一種特定工作物で,これらの事業活動の効率化を図るため市街 り,法34条6号が「市街化調整区域内において現に工業の用に供されている工場施設における事業と密接な関連を有する事業の用に供する建築物又は第一種特定工作物で,これらの事業活動の効率化を図るため市街化調整区域内において建築し,又は建設することが必要なものの建築」を許可しうるとしたのは,既存の工場施設があることをある程度尊重した上で,既存の工場施設における事業との関連で,事業活動の効率化を図るために必要なものの建築等を認めることにより,市街化調整区域における無秩序な市街化の防止と既存の工場施設における事業活動の調和を図った趣旨と解される。 そして,法34条6号にいう「工場施設」の意義については,法に特段の定義規定が設けられていないことから社会通念に従って決する他ないものの,前記のような法の趣旨にも照らすと,同号にいう「工場施設」といえるためには,継続的に,一定の業務としての物の製造又は加工の作業が行われていることが必要であり,また,その場所にいかなる施設がなければならないかは,そこで行われている物の製造又は加工の業務の性質によって定まるところであるが,当該製造又は加工の作業のために必要な建築物ないし土地に定着した工作物が設置されていることを要するというべきである。 これを本件についてみるに,前提事実,証拠(甲2,7ないし9,37,38,乙1の1ないし15,13,18,26の4,29,31,原告代表者)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 (1)本件申請前,原告は,本件申請地の一部を建設廃材の埋立処分地として埋立処分事業を行っていたほか,その余の部分において,コンクリート,コンクリート・アスファルト等の建設廃材から次のような工程で路盤材等を製造するという再資源化事業を行っていた。 ア一次選別重機(0.7立米ユンボス ていたほか,その余の部分において,コンクリート,コンクリート・アスファルト等の建設廃材から次のような工程で路盤材等を製造するという再資源化事業を行っていた。 ア一次選別重機(0.7立米ユンボスケルトンバケツ1台,0.45立米ユンボホーク1台)を使用して,搬入された廃材をリサイクルに利用できる部分(リサイクル品)とその他の部分(これについては埋立処分する。)に分別する。 イ一次破砕リサイクル品のうち約1立米以上のものを重機(0.7立米ユンボ1台,0.45立米ユンボ1台)を使用して小割及び破砕する。 ウ二次破砕約1立米以下のリサイクル品を重機(1.2立米ユンボ1台)を使用して破砕する。 エ二次選別一次破砕,二次破砕したものの中から出た鉄くず等を手作業で除去する。 オ三次選別本件申請地に設置固定されたふるい(縦4.5メートル,横6メートル,高さ3ないし4メートル,ふるいの目は40ミリメートル)に二次選別後のリサイクル品を入れて選別し,これにより製品として完成する。 残ったものは本件申請地に設置固定された別のふるい(大きさはほぼ同じ。ふるいの目は50ミリメートル)に入れて選別し,これにより製品として完成する。50ミリメートル以上のものは,再度二次破砕から繰り返して製品化する。 カ完成した製品はトラクターショベルで10トンダンプカーに積載し,ヤ ードに搬送して保管する。 キなお,原告は,平成8年6月ころ,従来使用していたふるいに代わるものとして下部にタイヤがついた移動式の選別機(商品名「移動式選別ユニットマークⅡコンベア」,以下「マークⅡ」という。)を導入し,以後,マークⅡを使用して業務を行っている。これに伴い,従来使用していたふるいは撤去した。マークⅡは従来使用していたふるいの約10倍の処理能力がある。 (2)本件申 マークⅡ」という。)を導入し,以後,マークⅡを使用して業務を行っている。これに伴い,従来使用していたふるいは撤去した。マークⅡは従来使用していたふるいの約10倍の処理能力がある。 (2)本件申請地に隣接する×××番1の土地には鉄骨造亜鉛メッキ綱板葺2階建(床面積1階124.02平方メートル,2階124.02平方メートル)の本件事務所兼倉庫(平成7年新築)があり,本件事務所兼倉庫には,1階に倉庫,従業員用トイレ,従業員用休憩室,従業員用更衣室があり,2階には事務所,応接室,トイレ,給湯室,浴室,更衣室があった。また,本件申請地内の山口県防府市α×××番の土地上には,木造藁葺平屋建約40坪の建物(以下「本件木造建物」という。)があり,原告は,平成3年ころから,この建物を休憩室,トイレ,倉庫として使用していた。 上記事実によれば,原告は,本件申請地の一部において建設廃材の埋立処分をする他,その余の部分で建設廃材の再資源化事業を行っていたが,再資源化事業の形態は,本件申請地に搬入された建設廃材を重機を使用して破砕し,破砕したものを申請地上に設置したふるいに入れて(後に移動式の選別機であるマークⅡを使用するようになった。)所定の大きさ以下のものに選別して製品化するというものである。 本件申請地上には本件木造建物があり,本件申請地に隣接する×××番1の土地上には本件事務所兼倉庫があるが,これらの建物は,倉庫,トイレ,事務所等として使用されているにすぎず,物の製造又は加工のために使用されているわけではない。 このような原告の事業形態及び事業の用に供されている設備の機能や使用状 況等に照らすと,本件申請については,法34条6号にいう「現に工業の用に供されている工場施設」が存在しないというべきである。前記認定によれば,本件申請地上にふるいが れている設備の機能や使用状 況等に照らすと,本件申請については,法34条6号にいう「現に工業の用に供されている工場施設」が存在しないというべきである。前記認定によれば,本件申請地上にふるいがあり,これは土地に固定されているが,ふるいは破砕された建設廃材の大ききの選別に用いられているのみであり,その形状及び工程全体でのふるいの果たす役割を考慮すると,ふるいが存在することをもって,工場施設があると認定することはできない。 なお,証拠(乙21の1ないし16)によれば,本件申請に先立ち,原告は,平成9年4月17日,防府市の担当者に対し,クラッシャープラントの新設について事前打診をし,防府市の担当者は,山口県の担当者とも協議した上,同年5月1日,法34条6号,法43条1項本文により許可可能である旨原告に伝えたことが認められる。 しかし,このような事実があったからといって,上記判断を左右するものではない。 よって,原告の請求は理由がないからこれを棄却することとし,主文のとおり判決する。 山口地方裁判所第1部裁判長裁判官辻川昭裁判官坂本智 裁判官右田晃一は,転補につき,署名押印することができない。 裁判長裁判官辻川昭
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