平成16年5月27日判決言渡同日原本交付裁判所書記官平成14年(ワ)第3368号損害賠償請求事件口頭弁論終結日平成16年3月17日判決 主文 1 被告A及び被告Bは,連帯して,別紙被害一覧表の「原告番号」4,12,15,23ないし26,29,35,39,51,52,57,65,66,73,74,77,79,85欄記載の原告らに対し,それぞれに対応する同表の「請求金額(円)」欄に記載の金員及びこれに対する被告Aについては平成14年8月31日から,被告Bについては同月30日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 2 被告Aは,1項に掲記された以外の原告らに対し,それぞれに対応する別紙被害一覧表の「請求金額(円)」欄記載の金員及びこれに対する平成14年8月31日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 3 原告らの被告Cに対する請求及び1項に掲記された以外の原告らの被告Bに対する請求をいずれも棄却する。 4 訴訟費用の負担は,以下のとおりとする。 (1) 1項に掲記された原告らは,各々が,それぞれに生じた費用の3分の1及び被告Cに生じた費用の86分の1を負担する。 (2) 1項に掲記された以外の原告らは,各々が,それぞれに生じた費用の3分の2,被告Cに生じた費用の86分の1及び被告Bに生じた費用の86分の1を負担する。 (3) 被告Aは,原告らにそれぞれ生じた費用の3分の1及び被告Aに生じた費用を負担する。 (4) 被告Bは,1項に掲記された原告らにそれぞれ生じた費用の3分の1及び被告Bに生じた費用の86分の20を負担する。 5 この判決は,原告ら勝訴の部分に限り,仮に執行することができる。 事実及び理由 第1 原告らの請求(被告 じた費用の3分の1及び被告Bに生じた費用の86分の20を負担する。 5 この判決は,原告ら勝訴の部分に限り,仮に執行することができる。 事実及び理由 第1 原告らの請求(被告A及び同Cについては,主位的請求(不法行為に基づく請求)と予備的請求(商法266条の3第1項に基づく請求)とに共通)被告A,同C及び同Bは,連帯して,原告らに対し,それぞれに対応する別紙被害一覧表の「請求金額(円)」欄記載の金員及びこれに対する各訴状送達の日の翌日(被告Aについては平成14年8月31日,同Cについては同年9月13日,同Bについては同年8月30日)から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 第2 事案の概要等本件は,抵当証券等の金融商品の販売等を業としていた大和都市管財株式会社又はその関連会社(以下,前者を「大和都市」,後者を「大和都市関連会社」といい,全体を総称して「大和都市グループ」という。)から同商品を購入した原告らが,大和都市グループの役員ないし従業員であった被告らに対し,大和都市グループは,高利の配当を生み出す財政的基盤が全くなく,抵当証券発行直後から,いわば自転車操業の状態に陥り,その償還等が困難な状況となっていたにもかかわらず,かかる事実を秘して,さも安全有利な投資であるかのように装って抵当証券等の金融商品を販売してきた(以下「抵当証券商法」と総称する。)ところ,①これは会社ぐるみの組織的な詐欺ともいうべき違法なものであり,かつ被告らはそのことを知りながら,同商法を推進し,あるいは金融商品を販売するなどして上記詐欺行為に加担した結果,原告らに合計2億9010万円の損害を与えたと主張して,(共同)不法行為に基づき,連帯して同金額を賠償するよう求め,②役員であったと主張する被告らについては,予備的に,大和都市 行為に加担した結果,原告らに合計2億9010万円の損害を与えたと主張して,(共同)不法行為に基づき,連帯して同金額を賠償するよう求め,②役員であったと主張する被告らについては,予備的に,大和都市グループによる抵当証券商法が上記のとおり組織的な詐欺行為であったにもかかわらず,同人らが悪意又は重過失により役員としての任務を怠ったことにより原告らに上記損害を与えたと主張して,商法266条の3第1項に基づき,連帯して同金額を賠償するよう求めた事案である。 1 前提事実(争いがない事実及び証拠及び弁論の全趣旨によって容易に認定できる事実)(1) 大和都市グループの概要ア大和都市とその代表者(ア) Dは,昭和45年9月ころ,福岡県庁職員を懲戒免職された後,大阪市内で不動産関係の会社に勤務したり,自ら不動産業を営むなどしていたが,昭和55年12月,休眠会社であった株式会社伏見屋(昭和44年11月設立の株式会社エムケイが商号変更されたもの)の全株式を買い取り,新都市計画株式会社に商号変更して自ら代表取締役に就任した。Dは,昭和60年2月,同社を大和都市抵当証券株式会社に商号変更して抵当証券の販売業を開始し,さらに昭和62年7月,大和都市に商号変更して抵当証券その他の金融商品の販売等を行うようになり,昭和63年12月21日,近畿財務局に抵当証券業の登録をした(甲3,4,13,24,25,57の1ないし4,乙ニ1,13)。 (イ) 大和都市は,資本金を4億5000万円とし,大阪市中央区谷町一丁目5番7号のストークビル天満橋7階に本社を構えていたほか,平成3年10月に東京支社(東京都港区新橋一丁目15番7号。なお,登記簿上は,昭和61年4月に新宿区内に設置したのが最初である。),平成7年2月に横浜支店(横浜市中区尾上町三丁目28番地),同年6月に名 年10月に東京支社(東京都港区新橋一丁目15番7号。なお,登記簿上は,昭和61年4月に新宿区内に設置したのが最初である。),平成7年2月に横浜支店(横浜市中区尾上町三丁目28番地),同年6月に名古屋支社(名古屋市中村区椿町7番1号),平成11年4月に大阪支社(大阪市北区梅田一丁目3番1-600号)をそれぞれ設置し,抵当証券等の金融商品の販売拠点としていた。 大和都市の株主構成は,Dが90パーセント,E及びFがそれぞれ4パーセント,G及びHがそれぞれ1パーセントであった。そして,Dは,後記の大和都市関連会社10社を自ら設立し,あるいは買収するなどして実質的に支配,経営していた(甲3,4,13,57の5ないし12)。 イ大和都市関連会社とその事業内容等の概要(ア) ベストライフ通商株式会社(以下「ベストライフ」という。)ベストライフは,昭和56年3月に設立された新都市住宅株式会社が昭和60年9月に商号変更したものであり,設立当初からDが代表取締役を務めていた。最終的に,その資本金は2000万円,その株主構成は,Dが75パーセント,Dの子であるIが20.25パーセント,Eが2.5パーセント,Fが1.75パーセント,G及び被告Aがそれぞれ0.25パーセントであった。 同社は,昭和61年6月,その所有不動産に最初の抵当証券付き抵当権を設定し,以後,昭和62年に取得した奈良市法用町の土地等,平成5年ころにかけて,次々と不動産を取得し,大和都市から融資を受けた外形を採って抵当証券付きの抵当権を設定している。同社は,平成6年ころから,以下のように,飲食店等を経営したり,取得した不動産を賃貸するようになったが,いずれの事業も収益を上げることはできず,決算上,毎期数億円の赤字を計上し,平成12年6月期には,約32億円の債務超過に陥っていた(甲3,4 等を経営したり,取得した不動産を賃貸するようになったが,いずれの事業も収益を上げることはできず,決算上,毎期数億円の赤字を計上し,平成12年6月期には,約32億円の債務超過に陥っていた(甲3,4,7,61の1ないし8)。 a 飲食店経営① 味わいビル(大阪市中央区)② 味わいビル(東京都港区新橋)③ 家庭料理あじわい(大阪市中央区)④ スーパーサンクス(大阪市中央区)b ビル賃貸業c 駐車場経営(イ) ナイス・ミドル・スポーツ倶楽部株式会社(以下「ナイスミドル」という。)ナイスミドルは,昭和62年に設立され,株主構成はIが100パーセントであった。同社は,平成13年4月当時,200名を超える従業員を抱え,以下のような事業を営んでいたが,中心であるゴルフ場経営については収益を上げることができず,決算上,少なくとも平成6年6月期以降,連続7期にわたって,数億円から十数億円の営業損失を出し,平成12年6月期では,約188億円に達する著しい債務超過の状態であった。 同社についても,その所有不動産につき,総額157億円(約5000名)の抵当証券が発行されたほか,抵当権付き債権一部譲渡の名称で販売された同社に対する債権は総額102億円(約1800名)に達している(甲3ないし5,58の1ないし9)。 a ゴルフ場・ホテル経営(a) 那須グリーンコース倶楽部(栃木県那須郡那須町。以下「那須GC」という。)(b) ナイス大原カントリークラブ(岡山県英田郡大原町。以下「ナイス大原CC」という。)(c) 那須グリーンホテル(那須GCに併設)b ゴルフ会員権販売(a) 那須GC 会員約120名,預託金約4億円(b) ナイス大原CC 会員約1200名,預託金約220億円c 那須GCゴルフ・リゾート会員権販売(a) 販売額1口410万円購入者 会員権販売(a) 那須GC 会員約120名,預託金約4億円(b) ナイス大原CC 会員約1200名,預託金約220億円c 那須GCゴルフ・リゾート会員権販売(a) 販売額1口410万円購入者数不明(b) 販売額1口230万円購入者数約1100名d ナイスオーナーズ倶楽部会員権販売(ウ) ナイス函館カントリークラブ株式会社(以下「ナイス函館」という。)ナイス函館は,昭和63年に北海道函館観光株式会社として設立され,平成5年9月にナイスミドルが全株式を取得し,大和都市関連会社となった後,平成6年1月に現在の商号に変更された。主たる事業は,①ゴルフ場(ナイス函館カントリークラブ(以下「ナイス函館CC」という。))やホテル(ナイス函館ホテル)の経営,②ゴルフ会員権の販売(会員約1300名,預託金約65億円)であったが,決算上,平成5年8月期から平成12年8月期までの8年間を通じて,売上高が2億円強から3億円強の間にあって,毎期1億円以上の営業損失を計上し,平成12年8月期においては,資産約192億円(Dやベストライフに対する不良債権約110億円を含む。)に対し負債約237億円で45億円の債務超過の状態に陥っていた。 大和都市グループに入って間もなく,被担保債権額70億円及び10億円とする抵当証券付き抵当権が同社所有のゴルフ場及びホテルの土地建物に相次いで設定されている(甲3,4,6,59の1ないし6)。 (エ) 北海道泊別観光株式会社(以下「泊別観光」という。)泊別観光は,昭和63年に設立され,取得した北海道白糠郡白糠町所在の土地を造成してゴルフ場を開場することを計画し,平成3年2月,北海道自然環境等保全条例に基づく特定の開発行為(ゴルフ場の造成・設置工事)の許可を受けたものの,造成工事の着手には至らないまま,平成5年,ナイスミド ゴルフ場を開場することを計画し,平成3年2月,北海道自然環境等保全条例に基づく特定の開発行為(ゴルフ場の造成・設置工事)の許可を受けたものの,造成工事の着手には至らないまま,平成5年,ナイスミドルが全株式を取得し,ナイス函館と共に大和都市関連会社となった。同社は,その後も上記土地を所有していたが,従業員はなく,営業活動も一切行わないまま,事実上の休眠会社であった。 大和都市は,平成5年12月,上記土地につき,いったん泊別観光に対する貸金3億8000万円を被担保債権とする抵当権の設定を受けたが,平成6年3月には上記被担保債権額を1億9000万円に減額した上で抵当証券の交付を受けた。上記抵当権設定登記は,平成11年8月,弁済を理由に抹消されたが,大和都市は,これと同時に同社に10億円を融資して上記土地等に新たな抵当権の設定を受けた上,抵当権付き債権一部譲渡の名称で,合計約9億8130万円分の金融商品を顧客に販売している。 なお,同社は,平成9年9月期で既に債務超過となっており,毎年,開発工事の着手時期及び完了時期の変更(延期)届を提出するだけで,ゴルフ場の開発目途は全く立っていなかったため,平成12年9月期までの各期を通じて,売上げは0円,経常損失として数千万円を計上していた(甲3,4,10,64の1ないし5)。 (オ) 株式会社美祢カントリークラブ(以下「美祢カントリー」という。)美祢カントリーは,昭和63年11月に設立され,平成元年2月に山口県内の名門ゴルフコースとして知られていた美祢カントリークラブ(山口県美祢市。会長約2400名,預託金約62億円。以下「美祢CC」という。)を買収し,経営していた。同社は,平成7年1月,ナイスミドルによって買収され,大和都市関連会社となったが,その直後に,大和都市は,同社に110億円を貸し付けた外 62億円。以下「美祢CC」という。)を買収し,経営していた。同社は,平成7年1月,ナイスミドルによって買収され,大和都市関連会社となったが,その直後に,大和都市は,同社に110億円を貸し付けた外形を採り,その不動産を担保として抵当証券の発行を得て,顧客に販売している。 美祢CCの営業成績は,平成4年以降,不況等が原因で下降線をたどりつつも,収支のバランスをとっていたが,平成12年に償還期を迎える預託金(約50億円)については,平成11年12月,理事会決議により償還期間延長の手続を採ったものの,代替措置としての優待券の発行や,償還請求する会員の出現などによって,経営環境が悪化した(甲3,4,60の1ないし4)。 (カ) 杜の都株式会社杜の都株式会社は,平成元年9月に資本金2000万円で設立され,宮城県でゴルフ場を開発する計画を有していたが,事業会社としての実体は存在しない(甲4)。 (キ) 株式会社たに・いち株式会社たに・いちは,平成元年11月に紘亜企画株式会社として設立され,平成9年11月に大和都市グループによって買収され,現商号に商号変更された。同社の定款上の目的は,建築・土木工事の企画・設計・調査・施工請負,不動産の所有・管理・賃貸借・売買,鑑定,不動産の高度有効利用計画の企画・立案の受託,貸金業等であるが,実態としては,大和都市関連会社である株式会社リステム化学研究所(以下「リステム化学」という。)の所有する不動産の管理,駐車場経営及びドクターファクタリングと称する病院等への貸付業務(社会保険料等の代理受領を担保とする。)を営んでいたにすぎず,収益として,駐車場賃貸による賃料年間約1600万円を得ていたほか,上記貸付業務による利息金収入が二,三百万円程度あった。 なお,同社は,平成12年8月期に,約6億円で大阪市中央区本町 いたにすぎず,収益として,駐車場賃貸による賃料年間約1600万円を得ていたほか,上記貸付業務による利息金収入が二,三百万円程度あった。 なお,同社は,平成12年8月期に,約6億円で大阪市中央区本町一丁目所在の土地を購入しているところ,大和都市は,同社に10億円を利率年8パーセントの約定で融資した外形を採って,同土地に10億円の抵当権設定を受け,同社に対する債権を分割して抵当権付き債権一部譲渡の名称で顧客に対して販売している。また,同期においては,約69億円を株式会社ゼネラルファイナンスパートナー(以下「ゼネラルファイナンス」という。)から借り受け,そのうちの約50億円をDに,2億5000万円を大和都市にそれぞれ貸し付けたとする経理処理をしている。平成13年8月期(ただし,会社として実際に動いていたのは同年4月15日まで)には,ゼネラルファイナンスからの借入金が103億5000万円に増加する一方で,同社に対する劣後出資として約13億円が流出している。このように,同社は,関連会社に対して仮払名目で資金を移動し,グループの中では資金の単なる通過点にすぎない役割を負っていた(甲3,4,8,62の1ないし3)。 (ク) グレート・ジャーニィ株式会社(以下「グレートジャーニィ」という。)グレートジャーニィは,平成3年3月,被告Cにより,「帯智佳」の商号をもって設立されたが,実際には業務を開始することなく,休眠状態となっていたところ,平成6年5月,Dに譲渡され,本店を大阪駅前第三ビルに移転し,貸金業を追加する定款変更を行った上,同社の代表取締役は,平成6年5月,行政書士をしていたJに変更された。同社は,平成9年になって,DがJに対し,東京で消費者金融業を営むので手伝うよう依頼したことにより,東京都港区に本店を移した上,貸金業の登録をしたものの,実 月,行政書士をしていたJに変更された。同社は,平成9年になって,DがJに対し,東京で消費者金融業を営むので手伝うよう依頼したことにより,東京都港区に本店を移した上,貸金業の登録をしたものの,実際には事業が開始されることがなかった。 しかし,同社は,平成9年8月に至って,本社を東京都豊島区に移転した上で,「貸金業,金券ショップ」として事業を開始したが,その業務の実態は,ナイスミドルが那須GCの会員に対して発行するチケットを利用可能額の70パーセントの価額で買い取り,それをゴルフ場来訪者に80ないし90パーセントの価額で販売するというものであり,実際の業務は大和都市の従業員が担っていた。 同社は,決算上,平成11年9月期及び平成12年9月期においては経常黒字,その他の期は赤字を計上しているが,棚卸資産として計上していた買取りに係るチケットの多くが,短期の有効期間(半年ないし1年)徒過のため,無価値となっていたことを考慮すると,実際は全期を通じて大幅な赤字であったと推定されている(甲3,4,12,66の1ないし9,乙ロ7)。 (ケ) リステム化学リステム化学は,平成4年4月,大和都市の資産を運用することを目的として設立され,株主構成は,D及びIがそれぞれ50パーセントであった。同社は,①自社所有ビル等の賃貸業,②廃棄物処理関連事業(産業廃棄物を粉砕した後にブロック状に固形化して利用する。)を業務としていたが,後者の売上高は平成11年3月期を除いて僅かなものであり,前者については,年間1億円を超える収入があったものの,大和都市からの融資金合計32億2000万円の借入利息(利率年8パーセント)だけで年間約2億円に達するため,経常赤字の状態が続いていた。 なお,同社は,上記融資金によって,不動産(①アニメイト大阪,②コロナール上野西,③コロ 2億2000万円の借入利息(利率年8パーセント)だけで年間約2億円に達するため,経常赤字の状態が続いていた。 なお,同社は,上記融資金によって,不動産(①アニメイト大阪,②コロナール上野西,③コロナール緑地公園,④コロナール甲子園)を取得した上,大和都市を権利者とする抵当証券付き抵当権(合計32億2000万円)を設定し,大和都市は,これらを顧客に販売している(甲3,4,9,63の1ないし6)。 (コ) ゼネラルファイナンスゼネラルファイナンスは,平成11年7月,匿名組合への出資名目で資金を集めることを目的に有限会社として設立され,同年10月,株式会社に組織変更されたものであり,当初はIが代表取締役に就任していたが,平成12年7月,退任している。 同社は,匿名組合を結成してその業務執行者として資金運用するとの触れ込みで,顧客から「G・F・Pシュアーファンド」の名称の出資金を集めた(以下「GFPシュアーファンド」という。組合数13,販売額1口10万円〔5口以上〕,総額約141億円)が,実際の運用先はすべて大和都市関連会社(ベストライフ,グレートジャーニィ,株式会社たに・いち)であり,結局,GFPシュアーファンドは,大和都市グループの資金繰りを支えるためのものであった。 同社は,平成12年6月期で経常損失を出し,平成13年6月決算では約69億円の債務超過となっている(甲1の2・3,3,4,11,24,65)。 ウ大和都市グループによる抵当証券商法の実態大和都市グループは,以下のとおり,全社が一体となって抵当証券その他の金融商品の販売行為を行ってきたが,その実態は以下のとおりである。 (ア) 抵当証券の販売とその実態大和都市の前々身の新都市計画株式会社は,昭和60年ころまで,土地区画整理事業予定地等の不動産売買等を手掛けており,一時的にかな たが,その実態は以下のとおりである。 (ア) 抵当証券の販売とその実態大和都市の前々身の新都市計画株式会社は,昭和60年ころまで,土地区画整理事業予定地等の不動産売買等を手掛けており,一時的にかなりの収益を上げた時期もあったが,全般的には資金が乏しく,事業は低調であった。そこで,Dは,行政書士をしていた関係で不動産取引等に詳しいJに資金調達について相談したところ,同人から無担保の土地であれば抵当証券の販売によって多額の資金を得る方法があるとの話を聞き,さっそく抵当証券を販売すべく,同年2月,新都市計画から大和都市抵当証券株式会社への商号変更を行った。 もっとも,同社には貸付けに必要な資金が不足していたため,Dは,新都市計画株式会社の債権者であった大二産業株式会社の経営者に依頼し,同社に対して大和都市抵当証券株式会社が融資を行ったように仮装するとともに,提供を受けた奈良県生駒市所在の山林に抵当権を設定してもらうことによって,昭和60年4月15日,2億2440万円の抵当証券の交付を受け,これを販売した。 また,Dは,昭和62年夏ころ,ミニゴルフ場開発を目的にベストライフ名義をもって代金約8億円で取得した奈良市法用町の土地について,不動産鑑定士から「熟成度の高い墓地見込地」として60億0300万円の不動産鑑定評価を得た上,大和都市がベストライフに対してその評価額を前提とした融資を行ったように仮装し,奈良地方法務局において,同年12月10日に20億円,昭和63年3月18日に10億円の合計30億円の抵当証券の交付を受け,これを販売した。 その後,大和都市は,別紙抵当証券発行一覧表のとおり,集めた資金で大和都市関連会社名義で不動産を取得し,同物件につき高額の鑑定評価を得て,経理上,この評価額を前提とした金額を大和都市関連会社へ融資した形式を採 都市は,別紙抵当証券発行一覧表のとおり,集めた資金で大和都市関連会社名義で不動産を取得し,同物件につき高額の鑑定評価を得て,経理上,この評価額を前提とした金額を大和都市関連会社へ融資した形式を採ることによって抵当証券の交付を受けた上,これを販売する手法を多用するようになった。例えば,主だったものだけでも,平成4年11月から平成5年11月にかけて,ナイスミドル名義で取得した岡山県英田郡大原町所在の不動産(後にナイス大原CCとなる。)について総額約71億円の,平成7年11月には,ナイスミドル名義で取得した栃木県那須郡那須町所在の不動産(那須GC)について100億円の,平成5年10月から平成6年2月にかけて,ナイス函館名義の北海道函館市所在の不動産(ナイス函館CC)について合計80億円の,平成5年12月から平成6年4月にかけて,リステム化学名義で取得した前記(イ(ケ))記載の各不動産について総額約32億円の,平成7年3月には,美祢カントリー名義の山口県美祢市所在の不動産(美祢CC)について110億円の各抵当証券の発行を受け,顧客に対して販売した。その結果,全体としては,抵当証券の販売残高は約440億円,発行件数が約2万件,買受人が約9000名に上っている。なお,抵当証券の一種として,利率を高めに設定する代わりに,中途の解約を認めない「ベストモーゲージ」の名称を付した金融商品も販売された。 そして,大和都市の大和都市関連会社に対する経理上の融資額は,平成12年3月末時点で,ナイスミドルに対し約179億円,ナイス函館に対し約80億円,美祢カントリーに対し約110億円,ベストライフに対し約71億円,リステム化学に対し約32億円であり,合計約473億円に達している(甲3ないし6,9,24ないし26,31ないし35,乙ハ10の1・2,乙ニ17,2 対し約110億円,ベストライフに対し約71億円,リステム化学に対し約32億円であり,合計約473億円に達している(甲3ないし6,9,24ないし26,31ないし35,乙ハ10の1・2,乙ニ17,21,24)。 (イ) 約束手形の販売大和都市は,抵当証券の販売によって得た資金を有効に運用する手段を持っていなかったため,その資金によって新たな不動産を取得し,その不動産を担保にして発行された抵当証券を新たに販売することによって既発行の抵当証券の利息の支払原資を確保するなどしていたが,バブル経済の崩壊による不動産価値の下落に伴い,不動産鑑定士による鑑定書が必要不可欠な抵当証券の販売による資金獲得が困難となってきた。 そこで,Dは,このような制約を受けない資金調達方法として,大和都市からナイスミドルに対する融資の外形を採った上,ナイスミドルの振出しに係る約束手形(以下「本件手形」という。)に大和都市が裏書きし,これを割引販売(1年サイトの手形では年5ないし8パーセント)することを考えつき,平成6年6月,手形を弁護士(奈良県弁護士会所属のK弁護士)が保管するので確実であるとの触れ込みで,顧客に販売し始めた。 大和都市は,本件手形を約160億円ほど販売したが,平成9年10月,近畿財務局から出資法違反の疑いがあるとの指摘を受け,同月31日には新聞報道もされたため,販売を中止することとし,以後,その回収を図るようになった(甲1の6,2の1ないし5,31,34,乙ハ11の3)。 (ウ) チケット付きレジャー会員権の販売ナイスミドルは,平成7年10月,那須GCを代金約130億円で取得し,そのゴルフクラブ会員権の販売に努めたが,そのころは既にバブル経済が破綻して,その価格が下落傾向にあったため,成果は乏しかった。 そこで,ナイスミドルは,平成9年春ころ,3年又 約130億円で取得し,そのゴルフクラブ会員権の販売に努めたが,そのころは既にバブル経済が破綻して,その価格が下落傾向にあったため,成果は乏しかった。 そこで,ナイスミドルは,平成9年春ころ,3年又は6年後の買取約定付きの会員権に,換金性のあるコース利用チケットを付加し,これをグレートジャーニィが買い取ることによって利息相当の金員(年6パーセント前後)を受け取ることを可能としたチケット付きレジャー会員権(那須GCゴルフ&リゾートクラブ会員権,ナイスオーナーズ倶楽部会員権)を販売し始めた。そして,本件手形を購入した顧客に対しては,元金の償還を避けるべく,チケット付きレジャー会員権への乗り換えを強力に勧めた(甲12,31,35,乙ハ11及び12の各1,乙ニ18)。 (エ) 抵当権付き債権一部譲渡の販売大和都市は,平成5年12月,北海道白糠郡白糠町所在のゴルフ場開発予定地に被担保債権額3億8000万円とする抵当権の設定を受けて同額の抵当証券の発行を申請したが,釧路地方法務局から抵当証券の発行額が高すぎるとの指摘を受け,1億9000万円に減額更正させられた。また,大和都市は,平成7年10月,那須GCの不動産について130億円の抵当証券の発行を申請したが,同年11月,法務局から抵当証券の発行額が高すぎると指摘され,100億円に減額更正させられ,さらに,平成8年6月,同じ那須GCの不動産につき55億円の抵当証券の追加発行を申請したが,平成9年7月ころ,近畿財務局から,担保評価に問題があるとして同申請を取り下げさせられた。このように法務局や近畿財務局の行政指導により,抵当証券の販売枠を拡大することが困難となり,平成8年11月,東京都港区内の土地について7億8000万円の抵当証券の交付を受けたのを最後に,その後,抵当証券を新規に販売をすることはでき 指導により,抵当証券の販売枠を拡大することが困難となり,平成8年11月,東京都港区内の土地について7億8000万円の抵当証券の交付を受けたのを最後に,その後,抵当証券を新規に販売をすることはできなくなった。 そこで,Dは,平成9年12月ころ,抵当証券法の規制を受けることなく,無制限に資金を調達すべく,大和都市が大和都市関連会社(泊別観光,ナイスミドル,株式会社たに・いち,ベストライフ)へ仮装の融資を行い,既に抵当証券が発行されている不動産等に抵当権を設定し,債権とともに分割販売するという抵当権付き債権一部譲渡を開発し,販売し始めた。この商品は,公正証書を作成したり,公証人役場の確定日付を得たりして,抵当証券と同様に法務局が発行に関与しているという体裁をとることで,顧客に対して安全感を与え,その結果,販売総額は約167億円に上った(甲30,31,35,37,乙ニ25)。 (オ) GFPシュアーファンド大和都市グループは,平成11年当時,資産状況が悪化し,金融商品を購入した顧客に対する利払金額が増大してきた反面,現預金残高が減少したため,新たに資金を調達しなければ直ちに破たんを余儀なくされる状態に近づいていた。 このような事態を打開すべく,Dは,同年6月,Jからの助言を得て,匿名組合への出資名目に多額の資金を取得する方法を開発した。すなわち,同年7月に設立されたIを代表取締役とするゼネラルファイナンスが業務執行者となって,医師やベンチャー企業等に年13パーセントで融資して運用益を出資者に配分することを目的とする匿名組合を設立し,仮に損失が出た場合にも一定限度で劣後出資者である大和都市が損失をカバーすることをうたい文句として,同年12月から,GFPシュアーファンドという名称で出資の募集を開始した。もっとも,これまで取引関係のない一般投資 場合にも一定限度で劣後出資者である大和都市が損失をカバーすることをうたい文句として,同年12月から,GFPシュアーファンドという名称で出資の募集を開始した。もっとも,これまで取引関係のない一般投資家に対して担保を伴わない金融商品の購入を勧誘しても成果が上がりにくいことから,既に抵当証券の取引実績がある顧客を中心に勧誘し,抵当証券からGFPシュアーファンドに乗り換えさせる(これによって抵当証券の販売枠を空け,これを新規顧客に販売する)方法が用いられ,その結果,匿名組合の数にして14号(このほか,運用期間の短いS号が4号)まで作られ,総額で141億円の出資金を顧客から得た。 しかしながら,出資金のほとんどは大和都市グループに回され,有効な運用利益を生む融資先はわずかなものでしかなかった(甲1の2・3,3,11,24,31,乙ニ22,23)。 エ大和都市グループの破たんの経緯(ア) 近畿財務局は,平成6年8月,大和都市グループが詐欺まがいの行為をしているとの情報を入手し,立入検査等を実施した結果,大和都市関連会社の財務内容が深刻な状態である上,本件手形の販売は出資法違反の疑いがあるとの判断を得,平成7年8月,抵当証券業の規制等に関する法律23条に基づいて,局長名による業務改善命令を発したところ,Dは,その受取りを拒絶し,強い反発を示した。 その後,近畿財務局は,平成9年6月18日,再び立入検査を実施し,提出された会計帳簿等を検討した結果,問題は解消されていないとの判断に達し,同年10月31日,大和都市に対し,局長名をもって,「平成9年6月18日を基準日として実施した立入検査の結果等によれば,貴社の抵当証券特約付融資に係る審査体制が不備であり,また,貴社の融資先である関連会社はいずれも経営状況が極めて悪く,かつ貴社が自主的に作成した貴 日を基準日として実施した立入検査の結果等によれば,貴社の抵当証券特約付融資に係る審査体制が不備であり,また,貴社の融資先である関連会社はいずれも経営状況が極めて悪く,かつ貴社が自主的に作成した貴社の融資先である関連会社を含めた貴社の経営健全化計画は初年度(平成8年)より大幅未達となっていることから,結果的に貴社の経営が困難となる可能性がある。このような,貴社の業務運営体制及び経営状況により,貴社の抵当証券の購入者は被害を被る蓋然性が高く,抵当証券の購入者の利益を害する事実があると認められるため。」という理由により,融資審査体制の確立,経営状況の改善,抵当証券買戻資金の確保を内容とする業務改善命令を発した(甲2の1・2・4,28ないし30,87ないし89)。 (イ) 朝日新聞は,平成9年10月31日から同年11月2日にかけて,「大阪に本社のある金融会社が,1年後に5-8パーセントの高利息をつけて買い戻す条件で,約束手形を『金融商品』として多数の顧客に販売し,巨額の資金を集めるという出資法にも触れかねない利回り商法を展開していたことが,30日,朝日新聞社の調べでわかった。(中略)販売総額は百数十億円になるとされている。」,「同社は,手形を振り出しているゴルフ場経営会社をはじめ複数の関連会社があるが,グループ全体で多額の負債を抱えている。こうしたことから経営状況を懸念する近畿財務局はこれまで社長から事情を聴くなどする一方,貸金業の規制等に関する法律などに基づいて,6月中旬から立入検査に入った。」,「近畿財務局は,31日,抵当証券業法に基づき同社に業務改善命令を出した。(中略)同社の現在の経営状況が,抵当証券の顧客に被害を与えることを懸念しており,早急に健全化するよう求めている。」,「抵当証券業法では,大蔵大臣は抵当証券の購入者の利益を害 業務改善命令を出した。(中略)同社の現在の経営状況が,抵当証券の顧客に被害を与えることを懸念しており,早急に健全化するよう求めている。」,「抵当証券業法では,大蔵大臣は抵当証券の購入者の利益を害する事実があると認めた時は,購入者の保護のために,販売業者に対して業務改善命令を出すことができる,と定めている。」などの内容の記事を掲載した。 これに対し,Dは,従業員や顧客らの動揺を抑えるべく,朝日新聞社に抗議するなどしたが,この記事に誤りがあるなどの訂正記事が掲載されることはなかった(甲2の1ないし5,18)。 (ウ) 大和都市は,平成9年11月,公認会計士であるLの主導の下で作成された大和都市及び大和都市関連会社の6社全体の経営健全化計画(5か年計画)を近畿財務局に提出し,その中で,平成9年9月時点において大和都市グループでは約144億円の債務超過になっていること,しかし,平成14年3月31日の時点では債務超過が解消され,逆に約22億円の資産を有することが見込まれると主張したが,実際は,L自身,財務内容の改善に関する記述には全く合理的な根拠がないと判断していた。 それでも,上記経営健全化計画の提出を受けて,近畿財務局長は,平成9年12月21日,大和都市に対し,抵当証券業の登録更新を認めた(甲29,30,33ないし37)。 (エ) 平成10年3月31日の時点における大和都市グループの債務超過額は,約180億円となり,平成9年11月時点よりさらに債務超過額が膨らんだ。 このような事態を反映して,大和都市グループの元社員を名乗る者からの内部告発文書が,平成12年6月,近畿財務局長,大阪地方検察庁検事正,大阪府警などに送付された(甲19,20,32)。 (オ) 近畿財務局長は,平成12年12月21日,大和都市に対し,抵当証券業の登録更新を留保し ,平成12年6月,近畿財務局長,大阪地方検察庁検事正,大阪府警などに送付された(甲19,20,32)。 (オ) 近畿財務局長は,平成12年12月21日,大和都市に対し,抵当証券業の登録更新を留保したところ,この事実は翌日の新聞で報道された。 そして,同局長は,平成13年4月16日,大和都市に対し,抵当証券業の登録更新を拒否する処分をした上,商法381条2項に基づき,大阪地方裁判所に対し,同社について会社整理開始原因が存在する旨通告した。 通告を受けた大阪地方裁判所は,即日,大和都市について会社整理手続の開始を命じたほか,以下のとおり,杜の都株式会社を除く大和都市関連会社9社についても民事再生手続開始決定又は破産宣告決定をした(甲3ないし12,15,16,32)。 a ナイスミドル,ナイス函館及び美祢カントリーいずれも民事再生手続開始決定(平成13年7月16日)b ベストライフ,泊別観光,株式会社たに・いち,グレートジャーニィ,リステム化学及びゼネラルファイナンスいずれも破産宣告決定(平成13年8月21日)(カ) 大阪府警は,その後,Dを始めとする大和都市グループの役員又は従業員らに対し,大和都市グループが約定どおりの利息の支払及び元本の償還に応じられる目処がないことを知りながら,これを秘して一般の顧客に金融商品を販売したという詐欺の容疑で強制捜査に乗り出し,大阪地方検察庁は,平成13年11月27日及び同年12月18日,D,E,F,I,J,G及びMを詐欺罪で大阪地方裁判所に起訴した。 他方,被告Aは,同容疑で逮捕されたものの,起訴猶予処分となったほか,同被告C及び同Bも,起訴されることはなかった。 審理の結果,大阪地方裁判所は,平成14年10月10日,E,G及びMに対し,同年12月16日,Iに対し,平成16年3月25日,D及びFに対し,そ ほか,同被告C及び同Bも,起訴されることはなかった。 審理の結果,大阪地方裁判所は,平成14年10月10日,E,G及びMに対し,同年12月16日,Iに対し,平成16年3月25日,D及びFに対し,それぞれ有罪判決を言い渡した(甲42,68,69,当裁判所に顕著)。 (2) 当事者ア原告ら原告らは,いずれも別紙被害一覧表の「購入年月日」欄記載の年月日に,同表の「購入商品」欄記載の金融商品を,同表の「営業担当社員」欄記載の大和都市営業社員を通じて,大和都市(対象金融商品が「抵当証券」又は「抵当権付き債権一部譲渡」の場合)ないしゼネラルファイナンス(同じく「GFP」の場合)から,同表の「購入金額(円)」記載の金額(ただし,対象金融商品が「抵当権付き債権一部譲渡」の場合は,実際の代金額を下回らない金額)をもって購入した者である。 なお,同表10については,原告Nが同Oの,同表11については,Pが原告Qの,同表13の①ないし③については,Pが原告Rの,それぞれ使者ないし代理人として金融商品購入契約を締結しているほか,同表50の②については,原告Sの被相続人であるTが購入したものである(甲22,23の1ないし87,67の1ないし49・50の1及び2・51ないし86,弁論の全趣旨)。 イ被告ら(ア) 被告Aa 被告Aは,昭和60年4月,大和都市に入社し,大阪支社営業部で抵当証券の販売を担当していたが,昭和63年5月,ナイスミドル大阪本社に移り,ゴルフ場予定地(ナイス大原CC)の用地買収交渉等や同CCの会員権販売の業務に従事した。 その後,被告Aは,平成元年7月から平成6年4月まで,岡山県英田郡大原町に設置されたナイスミドルの現地事務所に勤務し,上記ゴルフ場予定地の買収,地元住民等との交渉などを行うかたわら,1週間に2回程度,大和都市大阪本社 成元年7月から平成6年4月まで,岡山県英田郡大原町に設置されたナイスミドルの現地事務所に勤務し,上記ゴルフ場予定地の買収,地元住民等との交渉などを行うかたわら,1週間に2回程度,大和都市大阪本社に戻って現地の報告をするとともに,Dの指示を受けて,同CCの不動産について抵当証券の発行を受けるべく法務局と折衝するなどの準備を行った。その結果,大和都市は,平成4年11月から平成5年11月までの間に4回にわたり,総額71億2000万円の抵当証券の発行を受け,販売している。 同CCは,平成6年7月に正式に開業したが,被告Aは,その直前である同年4月,同CCの支配人に就任してゴルフ場全般の管理や社員教育等の業務に従事し,その後,平成8年6月から9月まで,大和都市横浜支店において,那須GCの会員権販売についての社員教育に従事した(甲1の8ないし10・15,乙イ1ないし4,21)。 b 被告Aは,平成8年10月,ナイスミドルが開業した那須GCの支配人に就任し,平成9年3月ころまでに,顧客二十数人に対して合計約2億1000万円分の大和都市グループの金融商品(ナイス大原CCゴルフ会員権,那須GCゴルフ・レジャー会員権,ナイスオーナーズ倶楽部会員権及び本件手形)を販売した。 被告Aは,平成9年3月,那須GCのゴルフ会員権の販売を促進すべく,那須GC東京営業本部の営業本部長に就任し,ゴルフ会員権販売の責任者として,ゴルフ会員権の販売についての営業社員募集,面接,社員教育,会員権の販売などの業務に従事した。 その後,被告Aは,平成11年3月から同年10月までの間,大和都市大阪支社と那須GCとを1週間交替で往復しつつ勤務することになったが,大和都市大阪支社では,社員教育と新人の電話勧誘員に対する教育などの業務を行っていた(甲1の8ないし10・15,乙イ1ないし 都市大阪支社と那須GCとを1週間交替で往復しつつ勤務することになったが,大和都市大阪支社では,社員教育と新人の電話勧誘員に対する教育などの業務を行っていた(甲1の8ないし10・15,乙イ1ないし4,21)。 c 被告Aは,平成12年1月ころからは那須GCで勤務し,栃木県内のゴルフ場買収のための調査などを行い,同年3月から5月までは大和都市大阪支社で勤務し,同年5月から8月まではナイス函館で支配人の業務を代行した。さらに,同人は,同年8月ころから10月まではナイス大原CCで,同年11月から12月までは那須GCで勤務し,経費削減策や冬季営業中止に対する対策を立てるという仕事に従事した。 被告Aは,平成13年からは,ナイス函館で支配人を補佐する業務に従事したが,同年中,泊別観光の業務に従事したこともあった。 そして,被告Aは,大和都市グループが破綻した後である平成13年6月26日,大和都市を正式に退職した(甲1の8ないし10・15,乙イ1ないし4,21)。 d 被告Aについては,下記のとおり,大和都市グループの役員(代表取締役,取締役又は監査役)に就任していた旨の商業登記がなされている(甲3ないし12,57の4ないし7,58の1ないし9,59の4ないし6,60の1ないし4,61の1ないし6,62の3,63の3ないし6,64の5,65,66の8・9,弁論の全趣旨)。 (a) 大和都市(取締役) 昭和63年1月14日から平成元年9月21日まで(b) 大和都市(監査役) 平成元年9月25日から平成6年10月19日まで(c) ナイスミドル(取締役) 昭和63年1月14日から平成2年9月30日まで,平成5年8月31日から平成11年9月30日まで,及び平成12年2月25日から(d) ナイスミドル(代表取締役) 平成12年6月26日から(e) ナ 和63年1月14日から平成2年9月30日まで,平成5年8月31日から平成11年9月30日まで,及び平成12年2月25日から(d) ナイスミドル(代表取締役) 平成12年6月26日から(e) ナイス函館(取締役) 平成9年7月27日から平成11年11月30日まで及び平成12年2月28日から(f) 美祢カントリー(取締役) 平成7年1月24日から平成10年6月30日まで及び平成11年6月23日から(g) ベストライフ(取締役) 昭和61年3月20日から昭和62年9月30日まで,昭和63年9月1日から平成2年9月30日まで,平成3年6月10日から平成4年9月30日まで及び平成5年8月28日から平成11年9月30日まで(h) 株式会社たに・いち(監査役) 平成12年2月29日から同年7月4日まで(i) 株式会社たに・いち(代表取締役) 平成12年7月4日から(j) 泊別観光(代表取締役) 平成12年6月26日から(k) リステム化学(取締役) 平成6年10月19日から平成10年6月30日まで及び平成11年6月22日から(l) リステム化学(代表取締役) 平成12年6月26日から(m) ゼネラルファイナンス(取締役) 平成11年7月21日から(n) グレートジャーニィ(代表取締役) 平成12年6月19日からe 大和都市グループの役員又は従業員が受ける給与等は,固定給と歩合給から成り,一般には後者の占める比重が高かったが,管理業務に携わる者については,前者が高く設定されていた。 しかるところ,被告Aの受けていた給与は,入社間もない昭和61年では年収411万円であったが,年を経るごとに増加し,平成6年には年収1220万円に達し,以後,その水準を保っていた。そのうち固定給は,月額100万円と比較的高い水準に設定されており,さらに,そのうち は年収411万円であったが,年を経るごとに増加し,平成6年には年収1220万円に達し,以後,その水準を保っていた。そのうち固定給は,月額100万円と比較的高い水準に設定されており,さらに,そのうちでも基本給は10万円にすぎないのに対し,役職手当は68万円であった(甲39,70,乙イ12の1ないし3)。 (イ) 被告Ca 被告Cは,同志社大学文学部を卒業した昭和37年,フランス国営航空会社関西支社に就職し,次いで日立造船トラベル株式会社の大阪支配人,UTAフランス連合航空会社の支配人をそれぞれ歴任した。 その後,被告Cは,UTAフランス連合航空会社を退社したが,求職中であった平成3年ころ,実妹であるFの紹介で,Dがアメリカでの投資案件の交渉のために渡米する際の通訳として同行することになったが,その過程で,同投資案件が不審なものであるとの情報を入手してDに伝えたことにより,Dから信頼を受けるようになった(甲85,乙ロ5,被告C本人)。 b 被告Cは,平成5年9月,ナイス函館に入社し,ナイス函館CCの取締役兼支配人として,同CCの管理,運営等の業務に従事するようになった。 この間,位置的な近接性から,泊別観光に関する事務を処理することがあった。被告Cは,就職当初は,月額約30万円の給与を受領していたが,次第に昇給し,後には月額約50万円の給与を支給されるようになった。 被告Cは,平成10年3月ころ,ウイルス性脳炎に罹患し,約2か月半の入院生活を送った後,退院してナイス函館CCに復帰し,平成11年には同CCの理事長に就任するなどしたが,退院後約1年間以上,後遺症のリハビリのために通院生活を余儀なくされ,従前のようには業務を遂行することはできなかった(甲85,86,乙イ21,乙ロ1,5,被告C本人)。 c 被告Cは,平成12年7月ころ,ナイス 以上,後遺症のリハビリのために通院生活を余儀なくされ,従前のようには業務を遂行することはできなかった(甲85,86,乙イ21,乙ロ1,5,被告C本人)。 c 被告Cは,平成12年7月ころ,ナイス函館における役職をすべて辞任して,大阪府枚方市の自宅に戻った。その後,被告Cは,ベストライフに勤務するようになったが,実際に行うべき業務はほとんどなく,給与もようやく生活できる程度に減額された(甲85,乙イ21,被告C本人)。 d 被告Cは,下記のとおり,大和都市グループの役員(代表取締役又は取締役)に就任していた旨の登記がなされている(甲3,5ないし7,10,12,58の3ないし9,59の3ないし6,60の1ないし4,61の8,64の1ないし5,66の1ないし7,弁論の全趣旨)(a) ナイスミドル(取締役) 平成6年10月19日から平成11年9月30日まで及び平成12年2月25日から(b) ナイス函館(取締役) 平成5年9月27日から平成11年11月30日まで及び平成12年2月28日から(c) ナイス函館(代表取締役) 平成11年1月5日から同年11月30日まで及び平成12年2月28日から(d) 美祢カントリー(取締役) 平成7年1月24日から平成10年6月30日まで及び平成11年6月23日から(e) 美祢カントリー(代表取締役) 平成12年7月25日から(f) ベストライフ(代表取締役) 平成12年6月26日から(g) 泊別観光(取締役) 平成5年10月21日から同年12月31日まで,平成6年10月19日から平成10年12月31日まで及び平成12年6月26日から(h) グレートジャーニィ(取締役) 平成3年3月28日から平成5年12月31日まで,平成6年5月15日から平成8年2月20日まで及び同月23日から平成9年7月31日まで 12年6月26日から(h) グレートジャーニィ(取締役) 平成3年3月28日から平成5年12月31日まで,平成6年5月15日から平成8年2月20日まで及び同月23日から平成9年7月31日まで(i) グレートジャーニィ(代表取締役) 平成3年3月28日から平成5年12月31日まで(ウ) 被告B被告Bは,平成10年10月6日,大和都市名古屋支社に入社し,同社が会社整理開始決定を受けた後の平成13年5月28日まで,営業担当社員として勤務していた。 被告Bは,上記勤務中,別紙被害一覧表の「原告番号」4,12,15,23ないし26,29,35,39,51,52,57,65,66,73,74,77,79,85欄記載の原告らに対し,それぞれに対応する同表の「購入年月日」欄記載の日に,「購入商品」欄記載の金融商品を,「購入金額(円)」欄に記載の代金額で販売した。 被告Bは,大和都市名古屋支社の中では,取締役であったG,営業課長であったUとともに稼ぎ頭であり,平成12年の年収は,固定給418万5313円と外交報酬(歩合給)1047万0799円を合わせて総額1465万6112円であった(甲21,42,67,乙ニ30)。 2 争点及びこれに関する当事者の主張(1) 被告A及び同Cが大和都市グループに属する各社の役員に就任することを承諾していたか(主位的請求及び予備的請求に共通)。 (原告らの主張)ア被告Aについて被告Aが,大和都市グループの代表取締役,取締役等の役員に就任することを承諾していたことは,以下の事実から明らかである。 (ア) ナイスミドルの代表取締役であったIは,役員の就任登記をするに際し,個別に承諾を取っており,かつ,被告Aは,Iからナイスミドルの取締役総支配人の辞令を受領している。 (イ) 被告Aは,総務部長のEから社長であるDの 表取締役であったIは,役員の就任登記をするに際し,個別に承諾を取っており,かつ,被告Aは,Iからナイスミドルの取締役総支配人の辞令を受領している。 (イ) 被告Aは,総務部長のEから社長であるDの命令であるとして実印及び印鑑証明書の交付を求められた際,何に使われても構わないとの意識で交付している。 (ウ) 被告Aは,Dに対し,勝手に役員登記をされたとして抗議をしたり,告発をしておらず,検察官による取調べや管財人からの事情聴取に対しても,そのような供述をしていない。 (エ) 被告Aの給与支払明細には,役職手当の項目がある。 (オ) 被告Aは,大和都市に就職するに際し,同社がどのような会社かを詮索するより,給与を得ることへの願望が強かったから,役員として地位が上がり,給料も上がることに対して積極的な意識を持っていた。 (カ) 被告Aは,大和都市グループの幹部としてゴルフ場の運営に関する責任者の地位にあったものであり,当然役員として登記されていることを承知していたと推認される。 イ被告Cについて被告Cが,大和都市グループの役員に就任することを承諾していたことは,以下の事実から明らかである。 仮に,各取締役等就任登記の中に,被告Cによる個別的な承認に基づかないものがいくつか存在したとしても,被告Cは,大和都市グループの各社の取締役に就任することについて,Dらに対し,包括的な承認(名義貸しの承認)を与えていたと推認すべきである。 (ア) 取締役等の就任登記をするには,本人の承諾書面が必要であり,特に代表取締役の就任登記を行う際には,本人の実印と印鑑証明書が必要とされているから,就任登記が存すること自体から,被告Cが各会社の取締役等に就任することを承諾していたというべきである。現に,被告Cは,少なくとも2回にわたってEに印鑑証明書を交付している 書が必要とされているから,就任登記が存すること自体から,被告Cが各会社の取締役等に就任することを承諾していたというべきである。現に,被告Cは,少なくとも2回にわたってEに印鑑証明書を交付しているところ,使途が全く分からないままこれらを交付することは考えられないから,承諾したことが明らかというべきである。 (イ) 被告Cは,ナイス函館,ベストライフ及び美祢カントリーに対して平成13年4月24日に送付した代表取締役の辞任届の中で,自ら平成12年2月又は同年6月にこれらの会社の取締役及び代表取締役に選任されて就任を承諾したことを自認している。 この点につき,被告Cは,上記辞任届の記載は知人が代筆したため事実に反する内容となった旨弁解するが,このような弁解に至る経緯に照らすと,到底信用に値しない。 (ウ) 被告Cは,その本人尋問において,ベストライフの計画していた事業に古物商の免許が必要であったため,自分が代表取締役となったものであり,その際に作成した名刺の肩書きは代表取締役となっていたことを自認し,さらに,ナイス函館の取締役登記がされていることを平成6年10月か11月ころに知り,泊別観光の取締役登記がされていることを平成6年か平成7年ころに知り,美祢カントリーの取締役登記がなされていることを平成7年か平成8年ころに知ったが,いずれについても異議を述べることなく放置していたことを認めている。 (エ) 被告Cは,本件と同様に大和都市グループの被害者から損害賠償を請求された大阪地方裁判所における別件訴訟(平成13年ワ第8551号,以下「別件訴訟」という。)において陳述した準備書面の中で,ナイスミドルの取締役就任(平成6年10月19日),ナイス函館の代表取締役の就任(平成11年1月5日),美祢カントリーの代表取締役とベストライフの取締役の就任( 。)において陳述した準備書面の中で,ナイスミドルの取締役就任(平成6年10月19日),ナイス函館の代表取締役の就任(平成11年1月5日),美祢カントリーの代表取締役とベストライフの取締役の就任(平成12年7月)をそれぞれ承諾したことを認め,その本人尋問でも,ナイス函館の取締役とグレートジャーニィの取締役への就任を承認したことを自認している。 (被告Aの主張)原告らの主張は否認する。 被告Aは,大和都市グループの役員への就任を承諾したことは一度もない。すなわち,同人は,書面であれ口頭であれ,取締役等の辞令を受け取ったことはなく,役員報酬を受け取ったり,その肩書きを使用したこともない。また,取締役会が開催されることを聞いたことはなく,当然,そのようなものに出席したこともない。 さらに,被告Aは,ナイス大原CCと那須GCの2か所のゴルフ場の支配人の地位を与えられていたが,その仕事の内容は,Dが命令ないし指示するがまま,他の従業員と同様の業務に従事していたにすぎず,到底,取締役等の地位を有していたとはいえない。また,被告Aは,短期間ながら,大和都市グループの営業社員に対して研修教育を行っていたが,その内容はパンフレットの記載をふえんする程度のもので,セールスの手法などは各営業社員の工夫に委ねられていたし,電話勧誘員に対しても一般的な心構えを説明していたにすぎない。 (被告Cの主張)原告らの主張は否認する。 被告Cは,大和都市については,役員就任はもちろん,従業員として入社したこともない。また,被告Cは,ナイス函館,美祢カントリー及びベストライフの大和都市関連会社3社の代表取締役として登記されているが,これらに就任することを承諾したこともない。すなわち,被告Cは,ゴルフ場支配人として勤務したことのあるナイス函館を除き,他の2社へは一度も訪れ 大和都市関連会社3社の代表取締役として登記されているが,これらに就任することを承諾したこともない。すなわち,被告Cは,ゴルフ場支配人として勤務したことのあるナイス函館を除き,他の2社へは一度も訪れたことはなく,業務に従事したこともなく,役員報酬を受け取ったこともない。その上,被告Cは,ナイス函館において勤務中の平成10年3月ころ,ウイルス性脳炎に罹患して療養を余儀なくされており,代表取締役として登記されていた期間中,各社において取締役会が開催された事実は存しない。 被告Cは,北海道から一時帰阪した平成11年3月末ころ,Eから呼び出されて,「職は維持してやる。迷感はかけないから。」と言われ,求められるままに印鑑証明書を手渡したことがあるが,この印鑑証明書を使って,無断で上記3社の代表取締役就任登記がなされたものと考えられる。 もっとも,被告Cは,大和都市グループの破綻を新聞が報道した平成13年4月16日,上記印鑑証明書の交付に不安を感じたので,同グループ各社の商業登記簿謄本を取り寄せたところ,上記のとおり,代表取締役就任登記がなされているのを発見し,友人の助言に従って,直ちに3社あてに辞任届を送付した。その際,被告Cは,上記疾患による後遺症のため,思考能力が低下していたところ,友人が,就任を承諾しない限り,役員就任登記がなされることはあり得ないと誤解したため,辞任届には,「取締役または代表取締役に選任されて就任を承諾し」云々と事実と異なる内容が記載された。 (2) 被告らが,大和都市グループの財政状態が顧客から預かった金員を償還することが不可能であるほど悪化していたことを認識していたか,然りとすればその時期はいつか(主位的請求及び予備的請求に共通)(原告らの主張)本件で被告らに賠償を求める原告らの損害は,別紙被害一覧表41番の原告V( あるほど悪化していたことを認識していたか,然りとすればその時期はいつか(主位的請求及び予備的請求に共通)(原告らの主張)本件で被告らに賠償を求める原告らの損害は,別紙被害一覧表41番の原告V(平成12年12月15日被害発生)を除き,すべて,大和都市が,近畿財務局長から抵当証券業の登録更新を留保された同年12月21日以降,同財務局長が抵当証券業の登録更新を拒絶し,大阪地方裁判所に対し,会社整理開始の通告をした平成13年4月16日までの間に発生しているところ,以下のとおり,被告らは,遅くとも平成12年12月15日までの間に,大和都市グループが顧客から預かった金員を償還できない財政状態にあったことを認識していたものである。 ア被告Aの認識について(ア) 被告Aは,大和都市へ入社した昭和60年当時,小さな事務所に僅かな従業員しかいなかった同社につき,「この会社は大丈夫なのかな」と疑問を抱いていた。 (イ) 被告Aは,昭和62年,Dから奈良市法用町所在の土地における霊園開発事業への出資金名目で資金を集めるよう指示されたことに対し,「出資期間が到来すれば,本当に金を返すことができるのか」という気持ちを抱いた。また,霊園開発許可を受けられないことから同事業計画が頓挫したにもかかわらず,Dは,顧客には何も告げることなくそのままの状態にした上,出資期間が到来した際には,金銭消費貸借契約に切り替えろと指示したことについて,被告Aは,Dが出資期間の満了に伴う資金の流出を食い止めようとしているのだと理解していた。さらに,大和都市が,出資を募ったのと同じ上記土地について抵当証券の発行を受けて顧客に販売した際には,借金の上に更に借金を重ねることにほかならないと思っていた。 (ウ) 被告Aは,昭和63年5月,ナイスミドル大阪本社勤務となり,ナイス大原CCの 地について抵当証券の発行を受けて顧客に販売した際には,借金の上に更に借金を重ねることにほかならないと思っていた。 (ウ) 被告Aは,昭和63年5月,ナイスミドル大阪本社勤務となり,ナイス大原CCの開発準備業務を担当するようになった。しかるところ,ナイスミドルは,平成2年,同CCの開発許可が下りていない上,岡山県条例で要件とされている防災池が完成していない状態であるにもかかわらず,同CCの会員権販売を開始しようとした。そこで,被告Aは,Dに対し,会員権の販売を中止するよう進言したが,Dは,県内での販売を中止したのみで,県外に居住する顧客に対する販売を続行させたため,被告Aは,Dがゴルフ場開発のための資金を会員権販売で賄う意思であることを認識した。 また,大和都市は,平成4年8月,ナイス大原CCにつき相当数の会員権が販売され,かつ同CCはいまだ造成中の段階であるにもかかわらず,更に同CCの不動産について抵当証券の発行を得て販売を開始した。そこで,被告Aは,大和都市グループには資金的余力がなく,会員権の預託期間満了と抵当証券の期限とが重なったときには倍の資金が必要になるから,協力してくれた地元の人たちを裏切りかねないとの認識を持つに至り,このころから,Dのやり方に不信感を抱くようになった。 (エ) 被告Aは,平成7年,ナイスミドルが振り出した本件手形の販売業務に携わるようになったが,その当時,ナイス大原CCは年間7000万円の赤字経営の状態であり,顧客に約束した年8パーセントの利息を支払った上,1年後に決済するだけの資金がナイスミドルにあるとは考えられないことを十分認識していた。 (オ) 近畿財務局は,平成9年10月31日,大和都市に対して,業務改善命令を発し,同日,本件手形の販売が出資法に抵触するとの新聞報道がされた。続けて,翌11月1 られないことを十分認識していた。 (オ) 近畿財務局は,平成9年10月31日,大和都市に対して,業務改善命令を発し,同日,本件手形の販売が出資法に抵触するとの新聞報道がされた。続けて,翌11月1日付けの新聞には,上記命令が発せられた事実と,「財務局は,……複数の関連企業を抱える同社がグループ全体で多額の負債を抱えている実態を把握しており,以前から指導を重ねていた」との記事が掲載され,さらに同月2日付けの新聞には,同社が本件手形販売を始めた直後の1994年秋以降,何度かにわたって近畿財務局から出資法違反の疑いがあると指摘されていたとの記事が掲載された。 被告Aは,上記新聞記事を読み,大和都市グループが100億円くらいの債務超過にあるのではないかとの認識を持った。ちなみに,そのころ,大蔵省幹部や報道関係者に対して,回収を指示された本件手形がチケット付き会員権に買い換えさせられている旨の大和都市の営業社員作成に係る内部告発文書が送付されたが,一社員ですら,このような認識を持つ状態であった。 (カ) 大和都市は,平成9年12月,本件手形に代わる金融商品として抵当権付き債権一部譲渡の販売を始めたが,これは,本件手形の回収により手持資金が減少し,チケット付き会員権への乗り換えだけでは「真水(新規の資金)」が入らないことから,考案されたものであって,被告Aも,平成11年春ころから,この販売に従事している。 (キ) その後,平成12年6月18日及び同月20日,再び内部告発が行われたが,それには,「傘下ゴルフ場にも融資を伴わない架空の水増し抵当証券を発行し,ゴルフ会員権の預託金の資産価値を無価値にし,返還期限の延長を強引に押し進めている。」との内容が記載されている。一社員でも分かることを被告Aが認識していなかったはずはない。 このような経緯を経て,同 ゴルフ会員権の預託金の資産価値を無価値にし,返還期限の延長を強引に押し進めている。」との内容が記載されている。一社員でも分かることを被告Aが認識していなかったはずはない。 このような経緯を経て,同年12月21日,近畿財務局による抵当証券業登録更新留保の事態に至ったものである。 イ被告Cの認識について以下のとおり,被告Cは,遅くとも原告らが被害を被った平成12年12月15日までには,大和都市グループによる抵当証券商法が詐欺行為であり,その販売する金融商品の償還が不可能であることを認識していた(少なくとも容易に知り得た)ことは明らかである。 (ア) 被告Cは,大和都市グループに関わる前に,日立造船トラベル株式会社の大阪支配人,UTAフランス連合航空会社の支配人を歴任し,会社経営,財務に精通していた。Dのアメリカへの出張に同行した際,投資案件が詐欺であることに気づき,Dを説得して断念させ,75億円もの損害を被るのを防止することができたのも,被告Cが,会社経営や財務に精通していたからにほかならない(また,この経験を通じて,被告Cは,大和都市グループの資金運用がいかに空疎で危ういものであるかを実体験として感じ取ったはずである。)。 (イ) 被告Cは,以下のとおり,平成3年からグレートジャーニィの設立に関わるとともに,その代表取締役に就任し,平成5年9月からはナイス函館の取締役兼支配人に就任し,その後も大和都市グループ各社の取締役等を歴任した古参の幹部であり,しかも,被告Cを同グループに紹介した実妹のFは,平成元年から大和都市の取締役に就任し,同グループの財務に深く関わっていた古参幹部であって,被告Cは,同グループの実態につき,自らあるいは実妹を通じて容易に知り得たというべきである。 (ウ) 被告Cは,平成3年からグレートジャーニィの設立に関わ プの財務に深く関わっていた古参幹部であって,被告Cは,同グループの実態につき,自らあるいは実妹を通じて容易に知り得たというべきである。 (ウ) 被告Cは,平成3年からグレートジャーニィの設立に関わるとともに,設立当初の代表取締役に就任しているが,グレートジャーニィが,大和都市グループが開発・取得したゴルフ場のゴルフ会員権を販売することを目的として設立された会社であることに照らすと,同グループの詐欺商法の実態を知っていたと考えるのが自然である。 (エ) ナイス函館,泊別観光及び美祢カントリーは,いずれも大和都市グループが平成5年から平成7年にかけて他企業から買収した会社であり,買収直後に,その所有する不動産を利用して抵当証券の販売がなされているが,被告Cは,これらの会社の法人格及び不動産の取得(買収)に主体的,中心的に関与するとともに,取得直後から各社の取締役に就任しているから,被告Cは,大和都市グループの抵当証券商法の実態を当然知っていたはずである。 この点につき,被告Cは,①ナイス函館等の取得への関与につき,ゴルフ場の売却先を探していた大学の後輩であるWからの情報を不動産業者に提供したところ,たまたま大和都市が買主となったにすぎないこと,②大和都市グループが泊別観光をナイス函館と同時に取得したことは後日知ったこと,③美祢カントリーについては,たまたまナイス函館の不動産鑑定を担当したX不動産鑑定士から美祢カントリーに関する情報を得たので,大和都市に回したにすぎない旨主張し,主体的に関わったことを否定する。 しかしながら,①の主張については,単に先輩であるとの理由だけでゴルフ場売却の話が持ちかけられるというのは不合理であり,偶然にも被告Cが関与している大和都市にその話が回ってきたというのも不自然である上,被告Cは,ナイス函館の売買に関 に先輩であるとの理由だけでゴルフ場売却の話が持ちかけられるというのは不合理であり,偶然にも被告Cが関与している大和都市にその話が回ってきたというのも不自然である上,被告Cは,ナイス函館の売買に関わった不動産業者に対して手数料520万円を被告Cの個人名義で振り込むとともに,自身も大和都市から八,九百万円の報酬を受け取っている事実は,たまたま情報提供した不動産業者が大和都市を買主として見つけてきたにすぎないとの被告Cの主張を前提とすると,説明できないというべきである。また,②の主張も,泊別観光の存在を知るに至った経緯についての説明そのものが不自然である上,前述のとおり,被告Cはナイス函館の買収につき,多額の報酬を受け取るなど主体的な役割を果たしていたことがうかがわれるから,ナイス函館と一体であったはずの泊別観光の買収を知らなかったなどということはあり得ない。さらに,③の主張についても,X不動産鑑定士としては,直接大和都市に話を持っていけば済む話を,わざわざ一個人たる被告Cに対して持ちかける理由はなく,不自然かつ不合理である。 当時,大和都市はゴルフ場の開設や取得に力を入れており,被告C自身も,ゴルフ会員権の販売を目的として設立されたグレートジャーニィの代表取締役に就任し,大和都市グループのゴルフ場取得を担当する幹部として主体的に対象物件を探していたからこそ,被告Cに情報が集まったと見るのが自然である。 そして,被告Cは,ナイス函館の取得直後から同社の取締役に就任しただけでなく,現実にナイス函館CCの支配人としてゴルフ場の売上管理や大和都市への報告などの業務に従事し,ナイス函館が取得前から大和都市グループの破綻まで一貫して赤字経営であったことや,同CCの不動産を基に80億円もの抵当証券が発行されていることを知っていたのであるから,抵当 報告などの業務に従事し,ナイス函館が取得前から大和都市グループの破綻まで一貫して赤字経営であったことや,同CCの不動産を基に80億円もの抵当証券が発行されていることを知っていたのであるから,抵当証券の購入者に対する償還はもちろん,利払も全く行うことができない状況であること,すなわち,大和都市グループからの資金が環流していることを当然認識していた。 (オ) 大和都市グループは,平成6年6月から,本件手形の販売を開始したところ,被告Cは,同年7月ころ,それによって集めた資金の運用方法について協議する目的で招集された同グループの幹部会議に出席し,また,同年10月からは,本件手形を振り出したナイスミドルの取締役に就任しているから,出資法違反になりかねない本件手形の販売にまで手を出さざるを得なかった経緯や,同グループの財務状況を十分理解していたはずである。 (カ) ナイスミドルは,平成7年10月,那須GCを買収し,同年11月,100億円の抵当証券を販売しているが,当時,被告Cはナイスミドルの取締役であったから,この事実を知っていたはずであるし,これによる利払や償還が到底不可能であることも認識していたはずである。 (キ) 大和都市グループは,平成9年8月ころから,チケット付きレジャー会員権の販売を開始したが,その際,ナイスミドルは,那須グリーンチケットやナイスオーナーズ倶楽部の販売主体としての役割を果たしているところ,当時,被告Cはナイスミドルの取締役であったのであるから,同商品の販売目的やこれらの商品が何ら実体のない詐欺的商品の一つであることを知っていたはずである。 (ク) 近畿財務局は,平成9年10月31日,大和都市グループに対して業務改善命令を出し,それに関連して一連の新聞報道等がなされたが,当時,同グループに属する複数の会社の取締役等を いたはずである。 (ク) 近畿財務局は,平成9年10月31日,大和都市グループに対して業務改善命令を出し,それに関連して一連の新聞報道等がなされたが,当時,同グループに属する複数の会社の取締役等を務めていた被告Cが,業務改善命令発令の事実や大和都市グループの財務の実態を知らなかったはずはないし,一連の報道によって,大和都市グループが多額の債務超過の状態にあり,それまで発行してきた金融商品を利息を含めて約定どおりに償還することが不可能な財務状態であったことを改めて認識したはずである。 (ケ) 大和都市グループは,平成9年12月ころから,抵当証券に対する法規制を免れるために新たに抵当権付き債権一部譲渡という金融商品を考案し,販売を開始しているが,これを実行するために,ナイスミドルや泊別観光が所有する不動産が利用されているから,当時,両社の取締役を務めていた被告Cは,当然これらの商品の実態を知っていたはずである。 (コ) 近畿財務局は,平成12年12月21日,大和都市の抵当証券業登録の更新を留保したところ,この事実は,翌22日に大きく新聞報道等されたから,被告Cが,これを認識しなかったはずはなく,それまでに認識していた事実と併せ考えれば,いくら遅くともこの時点には,大和都市グループが多額の債務超過の状態にあり,それまで発行してきた金融商品の利払や償還が不可能な財務状況にあったことを認識するに至ったことは明らかである。 (サ) なお,平成9年秋ころ,大蔵省幹部,マスコミ各社あてに大和都市グループの実態を訴える内部告発文書が送られ,平成12年6月にも,同様の内部告発文書が送られているが,これらは,大和都市の一営業社員によって作成されたものであり,そのような立場の者ですら同グループの実態を把握していたのであるから,その幹部である被告Cがこれを知ら 様の内部告発文書が送られているが,これらは,大和都市の一営業社員によって作成されたものであり,そのような立場の者ですら同グループの実態を把握していたのであるから,その幹部である被告Cがこれを知らなかったはずはない。 ウ被告Bの認識について被告Bは,以下のとおり,大和都市の名古屋支社所属の営業社員として営業活動に携わり,また,営業会議に出席したり,上司,同僚らから営業会議の内容を聞くことにより,大和都市による自転車操業の実態を認識していた。 被告Bは,こうした大和都市の経営実態についての認識を否定するが,営業社員であれば,約定の高金利を生み出す資金の運用先について疑問を抱くはずであるし,現に,他の営業社員らは,いずれも大和都市による償還の可能性を疑問視していたことが明らかであるから,被告Bの上記弁解は到底信用できない。 (ア) 入社時に受けた指導被告Bは,Uらと同時に大和都市に入社し,同人らと共に,取締役であり総務部長であったEから,会社の概要,抵当証券の仕組みや営業方法などについて指導を受けた。 その内容は,抵当証券の販売枠は450億円,利率は3年ものが年4.5パーセントというものであったが,大和都市が他社と比べて極めて高利回りで抵当証券を販売しているにも関わらず,融資先等具体的な話はなく,Uや被告BらがEに質問しても具体的な回答がなかったことから,この時点で,被告Bらが,大和都市の営業実態について疑念を持つに十分なものであった。 (イ) 営業会議での説明その後,被告Bは,Uら他の社員とともに,繰り返し,大和都市で開かれた以下の営業会議(全体会議)に出席している。営業社員は,何よりも優先して営業会議への出席を義務付けられていたので,被告Bもほとんどの営業会議に出席していた。その過程で,入社当初のEの説明によって抱いた上記疑念 議(全体会議)に出席している。営業社員は,何よりも優先して営業会議への出席を義務付けられていたので,被告Bもほとんどの営業会議に出席していた。その過程で,入社当初のEの説明によって抱いた上記疑念は確信へと変わっていき,大和都市グループが,関連会社間で資金を回しているだけで,資金運用の実体は全くなく,顧客への利払のために新たな販売を繰り返す自転車操業の状態であることを明確に認識するに至った。 a 平成10年10月24日の全体会議大和都市の営業社員全員が出席したこの会議で,Dは,この1年間で償還額が96億円に達しており,新規あるいは追加の入金127億円から控除すると,差額は30億円であるが,会社経費として30億円を要するから,会社には金が残らないなどと説明して,償還を食い止め,新規の客を獲得するよう指示したが,顧客から集めた金をいかに運用して収益を上げるかという話は全く出なかった。このことは,会社が自転車操業状態にあることを意味するが,出席者は,かかる状態が十分に理解できた。 b 平成11年3月20日の全体会議Dは,営業社員らに対し,償還を食い止めないと金が会社から流出すること,償還分は,抵当権付き債権一部譲渡と会員権(ナイスオーナーズ倶楽部会員権)の販売代金で補充することを指示した。 この話を聞いた出席者は,大和都市には償還の資金がないことを明確に理解できた。 c 平成11年5月29日の全体会議Dは,従来の抵当証券では集客力に乏しく,新しい客を見い出すことが困難な情勢になっていること,そこで,費用も手間もかからない資金集めの方法として,今後は匿名組合(への出資金販売)を行う方針であることを説明した。 この話を聞いた出席者は,大和都市やその関連会社が顧客の償還に応じる資金に困る状態になっているため,上記のような金融商品を販売しよう 後は匿名組合(への出資金販売)を行う方針であることを説明した。 この話を聞いた出席者は,大和都市やその関連会社が顧客の償還に応じる資金に困る状態になっているため,上記のような金融商品を販売しようとしていることを明確に理解できた。 d 平成11年6月26日の全体会議Dは,産業廃棄物の処理施設を造ることにより多額の利益が見込める旨の話をしたが,産業廃棄物の処理が事業として容易に成り立つものでないことは誰でも理解できることであり,出席者は,Dの話が実現性を欠き,真面目に資金運用を考えていないことが認識できた。 e 平成11年7月31日の全体会議Dは,匿名組合は1号ごとに募集し,運用していくこと,1号の募集で10億円を集めること,資金の投融資の対象は消費者金融業者であり,多額の収益を得られることなどを説明したが,この話も,誰の目からみても実現性のない夢のような話であり,出席者は,大和都市がまともな資金運用を考えていないことが理解できた。 f 平成11年11月13日の全体会議Dは,匿名組合の事業内容について,大和都市がコンサルティングすること,匿名組合が失敗すれば,大和都市の信用が落ちて支障を来すなど,全体に及ぼす影響が大きいので,失敗は許されないことなどを説明した。これにより,出席者は,大和都市の状態が容易ならざることを認識した。 g 平成11年11月27日の全体会議Dは,匿名組合への出資金の運用先として,東京の味わいビルの建設を予定しており,これにより,運用利益年18パーセントを予定していることなどを説明した。しかし,この数字も根拠があるわけではなく,それまでと同様,思いつきのような話であった。 (ウ) 営業部長Mの認識大和都市の営業部長であったMは,G,Yとともに,交替で名古屋支社に出張し,被告Bをはじめとする社員に対し,教育指導を はなく,それまでと同様,思いつきのような話であった。 (ウ) 営業部長Mの認識大和都市の営業部長であったMは,G,Yとともに,交替で名古屋支社に出張し,被告Bをはじめとする社員に対し,教育指導を行っていたところ,同人は,以下のとおり,認識していた。 a 大和都市に入社した新入社員も,大和都市グループで働いているうち,同グループが経営している4つのゴルフ場が全体として赤字経営であり,収益を上げていないことや,他にこれといった事業をしておらず,顧客から金融商品を販売して集めた資金をまともに運用していないことを次第に理解するようになる。それでも,同人らが大和都市グループを辞職しないのは,同グループの営業社員となった社員の多くが中途採用の中高年であり,年齢的なことを考えると,大和都市グループを辞職してもすぐに就職先を見付けることができず,逆に営業社員として金融商品を販売すればするほど,歩合給が増えることから,高い収入を得るために黙って仕事を続けていたものである。 b 大和都市の営業社員に支給される歩合給は,大和都市グループの金融商品を顧客に新規又は追加販売した場合のほか,同グループから資金が流出する元本償還をくい止め,満期を迎えた金融商品をさらに更新させたり,別の金融商品に移行させたことに対しても支給され,逆に,顧客による償還を許した場合には,営業社員にペナルティが課せられる措置も採られており,実績を上げれば上げるほど,歩合給が増える仕組みであったが,このような仕組み自体,正常なものではなく,営業社員をして,大和都市グループが自転車操業により営業を継続していたことを認識させるのに十分なものであった。 (エ) ゴルフクラブの経営状況被告Bは,大和都市の社員として,同グループの経営する4つのゴルフ場で実際にプレイしているはずである。その結果 を継続していたことを認識させるのに十分なものであった。 (エ) ゴルフクラブの経営状況被告Bは,大和都市の社員として,同グループの経営する4つのゴルフ場で実際にプレイしているはずである。その結果,ナイス大原CCについては,中国地方の山間部という交通不便なところにあり,客もほとんど入らず,経営状態は苦しいこと,那須GCは,高速道路を使っても東京から2時間以上かかり,利用者は少なく,赤字であること,ナイス函館CCも,北国の丘陵地にあって,秋口から春先までの間は積雪によってプレーができず,結局,かろうじて収支を保っているのは美祢CCのみであることを認識していた。 そして,営業社員らは,顧客に抵当証券を販売することを通じ,抵当権の目的物がこれらのゴルフ場であることを認識し,大和都市の融資先が収益が上がっていない関連会社であることを十分に知るに至っていた。 (オ) 大和都市の抵当証券業登録の更新留保近畿財務局は,平成12年12月,大和都市の抵当証券業登録の更新を留保し,この事実は,同月22日付けの新聞等によって報道されたところ,この事実については,大和都市名古屋支社においても直ちに話題になったことは間違いなく,被告Bは,遅くとも同日までにはこの事実を知った。その結果,同人は,大和都市グループの自転車操業の実態につき,より深く確信した。 (カ) コマーシャルペーパーの販売被告Bは,遅くとも平成11年11月以降,大和都市の顧客に対し,個人で,コマーシャルペーパー(以下「CP」という。)という名称の商品を販売した。被告Bは,その際,CPが一般には売り出されていない特別の商品であり,利息は1年満期で年7パーセントであるなどと説明したが,実際には,CPは大和都市と関係がないばかりか,何らの運用も予定しておらず,被告B個人の資金調達のために虚偽の説明 れていない特別の商品であり,利息は1年満期で年7パーセントであるなどと説明したが,実際には,CPは大和都市と関係がないばかりか,何らの運用も予定しておらず,被告B個人の資金調達のために虚偽の説明をして金銭を交付させたものにほかならない。 このような販売方法は,被告B自らが独力で考えついたものではなく,抵当証券,抵当権付き債権一部譲渡,GFPシュアーファンド等の大和都市グループによる抵当証券商法からヒントを得たものである。すなわち,被告Bは,同グループが実際には集めた資金をまともに運用せず,償還や金利の支払資金を他の顧客から調達する自転車操業の状態であることを認識し,このような商法により容易に顧客から金を集めることができることから,自らも,その商法からヒントを得て,CPの商法を始めたものにほかならない。 (被告Aの主張)原告らの主張は否認する。 被告Aは,以下のとおり,大和都市に対して会社整理命令が出されるまで,同グループが顧客から預かった金員を償還することが不可能な経営状態にあることを認識することがなかった。 ア被告Aは,前記のとおり,大和都市やその関連会社の役員に就任することを承諾したことはない。被告Aは,平成12年当時,ナイス大原CCの支配人,那須GCの総支配人及び大和都市大阪支社営業部長等を兼務し,岡山,群馬,大阪等を転々として勤務していたにすぎない。 したがって,被告Aは,ナイス大原CCや那須GCの経営が赤字であることは知っていたものの,これを超えて大和都市グループ全体の財務状況を知り得る地位にはなかったし,むしろ,Dから同グループが手がける大規模な事業の説明を受けていたので,同グループ全体の経営状態は良好であると認識していた。それゆえ,顧客に元本が償還できない経営状態であるとは一切考えていなかった。 イ大和都市グルー プが手がける大規模な事業の説明を受けていたので,同グループ全体の経営状態は良好であると認識していた。それゆえ,顧客に元本が償還できない経営状態であるとは一切考えていなかった。 イ大和都市グループにおいては,ワンマン経営者であるDがすべての実権を掌握し,集められた資金がどこでどのように運用されているかについて,従業員らに対して具体的に報告されていたわけではない。そのため,財務に関する情報をどの程度得られるかは,役職の上下に比例するものではなく,具体的にどのような業務を行っていたか,勤務地のいかん,財政状態を把握していた唯一の人物であるDとどの程度の接触があったかなどの要因により左右されるところ,被告Aは,上記のとおり,ナイス大原CCと那須GCの支配人としてゴルフ場運営に関する日常業務に携わっており,ナイスミドルにおいてすら,財務に関連する仕事を担当することがなかったのであって,情報量は,一般の営業社員よりも貧弱であった。 したがって,被告Aは,ナイスミドルが抵当証券を発行するに当たり大和都市から借入れをしたこと,平成9年7月ころ,Dらが近畿財務局に抗議したこと,2度にわたって同財務局に提出した業務改善5か年計画の内容などについては,一切関与していないばかりか,大和都市がナイスミドルに55億円の貸付けを仮装したことや,ナイスミドルからナイス函館に対する198億円の貸付け,美祢カントリーからナイスミドルに対する136億円の貸付けなど,ゴルフ場に関連することでも,資金に関わることにも,一切関与していない。 ウそもそも,被告Aは,大和都市グループの財布はDの統括下にあり,運用はDによって行われ,同グループ外でも行われていると認識していたところ,Dは,抽象的ではあるが,以下のような事業を手掛けていると説明していたため,被告Aは,仮に同グルー 財布はDの統括下にあり,運用はDによって行われ,同グループ外でも行われていると認識していたところ,Dは,抽象的ではあるが,以下のような事業を手掛けていると説明していたため,被告Aは,仮に同グループの経営するゴルフ場の経営状態が悪くなったとしても,同グループ全体ではこれを補填できる資力を有していると信じていた(現に,被告Aが販売した金融商品については,破綻するまで約定どおりの利息が支払われ,希望すれば元本の償還もされていた。)。 すなわち,Dは,平成4年ころ,当時話題になっていたダイオキシンの事業を他の企業に先駆けて始めたこと,ダイオキシンが含まれる灰を利用してレンガや外壁材料等の2次製品の生産を行うための販売権を取得したこと,既に奈良市と契約済みであり,リステム化学を設立したことなどを説明した。平成7年には,D自ら渡米して米国の銀行へ投資し,利ざやを稼ぐとの噂があった。 Dは,平成9年,グレートジャーニィを設立して消費者金融を始めると説明し,平成10年には,ドクターズファクタリング事業を開始するとの説明をした。さらに,平成11年には,米国のベンチャー企業への投資話の噂が流れ,平成12年には,Dは,従業員に対し,アラブ首長国連邦のドバイの石油,天然ガスの輸入・販売の事業の説明をした。 被告Aが,上記のような認識を有していたことは,自分の息子及び妻に合計90万円分の抵当証券を購入させ,その後,更新を繰り返したこと,平成4年ころ,自ら750万円分の抵当証券を購入し,平成12年4月,これをGFPシュアーファンドに切り替えたこと,さらには,平成11年9月,息子を大和都市に入社させたことなどから,明らかである。 エ被告Aは,詐欺容疑で逮捕され,取調べを受けたところ,その際に作成された調書は,以下のとおり,違法に収集された証拠として任意性を欠くもの ,息子を大和都市に入社させたことなどから,明らかである。 エ被告Aは,詐欺容疑で逮捕され,取調べを受けたところ,その際に作成された調書は,以下のとおり,違法に収集された証拠として任意性を欠くものであり,したがって民事裁判においても手放しに実質的証拠力を認めることは,憲法上の権利等を無視した違法,不当な事実認定というべきである。 他の被疑者の調書も,連日にわたって強引な取調べを受けていた以上,大筋において整合しているとしても,同様に実質的証拠力を認めるべきではない。 (ア) 被告Aは,平成13年11月6日,他の関係者18名とともに詐欺容疑で逮捕され,さらに同月27日,同17名とともに同容疑で再逮捕され,同年12月18日に不起訴処分を受けて釈放されるまで,43日間にわたって身柄を拘束された。この間,被告Aに対する取調べが行われなかった日はなく,遅いときには午後11時まで取調べが続いた。 (イ) 捜査当局は,詐欺の自白を引き出し又は相被疑者の自白を補強すべく,強引な取調べを行っていたところ,大阪府警の刑事は,平成13年11月29日及び同年12月7日,詐欺の犯意を否認していた被告Aが「騙した」とか「詐欺をした」との言葉の削除を求めたのに対し,「嘘をつけ。」,「騙しているんや。」,「お前はDと同じやからや。」,「お前には良心があるのか。」などと大声でどなり,削除を拒否した。また,刑事は,同年11月29日及び同年12月9日,被告Aが被疑事実を否認するや,「お前の子供に前科を知らせる。」などと子供を引き合いに出して脅迫し,精神的に追い込んだ。さらに,被告Aは,平成9年からC型肝炎を患っており,身柄拘束時においても薬を服用していたところ,刑事は,「持病の肝臓の薬がほしいのか。場合によっては薬は知らん。」などと言って脅迫した。 (ウ) 捜査当局は,被 Aは,平成9年からC型肝炎を患っており,身柄拘束時においても薬を服用していたところ,刑事は,「持病の肝臓の薬がほしいのか。場合によっては薬は知らん。」などと言って脅迫した。 (ウ) 捜査当局は,被告Aから,大和都市グループの財務状態に関する認識,ひいては詐欺の犯意の自供を得たかったところ,調書に記載されたまとめの文章は,それ自体不自然であり,強引な取調べの状況が推測できる。 (被告Cの主張)原告らの主張は否認する。 ア前記のとおり,被告Cは,平成13年4月,大和都市に関する報道がなされたことから,知人の助言に従って大和関連会社の登記簿謄本を取り寄せたところ,Iの後任として,平成12年からナイス函館,美祢カントリー及びベストライフの3社の代表取締役に就任した旨の商業登記がなされているのを知ったが,これらを承諾したことはなく,終始一貫,ナイス函館CCの管理人として勤務していたにすぎない。 その上,被告Cは,ウイルス性脳炎のため,平成10年3月から約1年間,入・通院するという状態であったので,ゴルフ場が赤字経営であるとか,水増し鑑定をしていたことなどについて知らなかった。 イ被告Cは,大和都市の従業員となったことがなく,函館から帰阪した際に2回ほど同社を表敬訪問したことがあるにすぎないから,大和都市グループの抵当証券商法について全く知らないし,そもそも,抵当証券,チケット付きレジャー会員権,抵当権付き債権一部譲渡,GFPシュアーファンドなどは初めて聞く名称であり,無論,これらに詐欺性があったか否かについて知る由もなかった。 ウ原告らは,被告Cが,大和都市グループの不動産担当役員であったと主張するが,被告Cは,宅地建物取引主任の資格を有せず,過去における不動産業や金融業の経験,知識は皆無であるから,事実に反する。 被告Cは,平成5年6月こ ,大和都市グループの不動産担当役員であったと主張するが,被告Cは,宅地建物取引主任の資格を有せず,過去における不動産業や金融業の経験,知識は皆無であるから,事実に反する。 被告Cは,平成5年6月ころ,大学の後輩であるWからともえCC(後のナイス函館CC)の売却先を探してほしいと依頼されたので,これを不動産業者Zに情報提供したところ,この情報が大和都市に伝わって売買契約が成立したと仄聞している。また,その際に不動産鑑定を担当した不動産鑑定士Xから,美祢CCの売却についての情報が提供されたことから,被告Cは,この情報を大和都市に伝えたところ,間もなく売買契約が成立したことがあった。被告Cが関与したのはこの2件にすぎない。 (被告Bの主張)原告らの主張は否認する。 被告Bは,以下のとおり,大和都市が平成6年に元利金の返済が到底不可能な債務超過の状況に陥っており,抵当証券商法が詐欺であったとの認識を有していなかった。なお,原告らの主張の基となっている供述調書は,起訴しないことを前提に,つじつまを合わせるためにのみ作成されたもので,信用性に欠けるものであることは,その犯意を裏付けるものとして詳細に記述されるはずの資金運用の実態,大幅な債務超過であることの認識などの具体的事実関係について一切述べられていないことから,明らかである。 ア被告Bは,平成10年10月に大和都市に入社しているが,仮に上記のような認識があれば,同社に入社することはあり得ない。 イ被告Bの立場や入社時期からすると,同人は,抵当証券の発行に当たって行われた大和都市から同関連会社への融資が仮装であることにつき,知る由はなかったし,抵当権付き債権一部譲渡,GFPシュアーファンドの販売が開始されたことについても,新規の事業展開であるとの認識を有していたにすぎなかった。 仮に,被告 資が仮装であることにつき,知る由はなかったし,抵当権付き債権一部譲渡,GFPシュアーファンドの販売が開始されたことについても,新規の事業展開であるとの認識を有していたにすぎなかった。 仮に,被告Bが大和都市の破たんを認識していたならば,友人,知人らの顧客に対し,速やかに解約を勧めるなどするのが当然であるところ,そうした行動はとられておらず,同人にとって大和都市の破たんは寝耳に水であった。 ウ近畿財務局長は,平成12年12月,大和都市の抵当証券業登録の更新を留保したに止まり,広告・宣伝,営業活動は行ってもよいという内容であったから,一従業員である被告Bは,近畿財務局が認めている営業活動を行うことにつき,何の疑問も有していなかった。 また,大阪府警が大和都市に対して強制捜査を開始した日,名古屋支社では従業員の採用面接が予定されており,その準備に奔走していた被告Bは,大和都市が破たんしているなど全く認識していなかった。 (3) 被告らによる共同不法行為の成否(主位的請求関係)(原告らの主張)ア被告AについてDは,E,F,Iらとともに,被告Aを大和都市グループの管理業務を行う幹部として位置付け,ナイス大原CC及び那須GCの総支配人兼東京チケット営業部の責任者として起用し,資金の運用先であるゴルフ場の管理運営業務及びチケット付きレジャー会員権の販売業務を担当させ,かつ,ゴルフ場を担保とする抵当証券の水増し発行に寄与することを期待した。 そして,被告Aは,大和都市グループの財政状況等に照らせば,同グループの販売する金融商品が利息を含めて約定どおりに償還されることが不可能であり,顧客に対して金融商品を購入させれば,多額の損害を与える蓋然性があることを十分認識しながら,自ら金融商品を販売したのみならず,大和都市グループの幹部として,抵当証券商法 還されることが不可能であり,顧客に対して金融商品を購入させれば,多額の損害を与える蓋然性があることを十分認識しながら,自ら金融商品を販売したのみならず,大和都市グループの幹部として,抵当証券商法の展開に不可欠であったゴルフ場の開発・運営において中心的役割を果たし,また,あたかも同グループの販売する金融商品については,利払と元本返済が確実に行われるかのように営業社員や電話勧誘員に指導を行うなど,Dの協力者として,同グループの金融商品の販売を促進すべく,重要な役割を果たした。 したがって,被告Aは,大和都市グループの他の幹部らとともに共同不法行為の責任を免れない。 イ被告Cについて(ア) 大和都市グループの抵当証券商法は,大和都市を中心とした全10社が有機的に一体となって展開したものである。すなわち,大和都市関連会社は,大和都市の詐欺商法の道具として利用されたにすぎず,経営面・財務面で不可分一体となっていて,それぞれが独立した法主体たる実体を有していたとはいえないから,不法行為責任を判断するに当たり,大和都市と同関連会社をそれぞれ独立した法人格として個別的に捉えるべきではないところ,被告Cが関与した6社(グレートジャーニィ,ナイスミドル,ナイス函館,泊別観光,美祢CC,ベストライフ)は,いずれも大和都市グループの詐欺商法にとって必要不可欠な役割を果たしており,被告Cも,その設立(グレートジャーニィ)や取得(ナイス函館,泊別観光及び美祢カントリー)に関与したり,自ら取締役等に就任するなど,上記関連会社の取得・存続に大きな役割を果たしており,同人の存在なくして抵当証券商法が成り立ち得なかったことは明らかである。 そして,被告Cは,前記のとおり,大和都市が顧客から預かった金員を償還することが不可能な経営状態にあることを認識しながら,大和都 人の存在なくして抵当証券商法が成り立ち得なかったことは明らかである。 そして,被告Cは,前記のとおり,大和都市が顧客から預かった金員を償還することが不可能な経営状態にあることを認識しながら,大和都市グループの金融商品の販売に関与していたのであるから,大和都市グループの詐欺行為に加担したというべきであり,したがって,被告Cは,大和都市グループの他の幹部らとともに共同不法行為の責任を免れない。 (イ) この点につき,被告Cは,ウイルス性脳炎に罹患して入・通院生活を送っていたから,大和都市グループの抵当証券商法に関与したり,同商法の存在を知り得る状況になかったこと,その後も,後遺症として「記憶減退」,「意識もうろう」,「意識不明」等,事理弁識能力に障害が存するかのように主張するが,被告Cがウイルス性脳炎に罹患したのは,平成10年3月20日のことであり,それまでは健康状態に問題はなかった上,罹患後も,平成11年3月にはナイス函館の代表取締役に就任するための印鑑証明書の発行を受けたり,同年にはナイス函館CCの理事会において理事長として発言したり,大和都市に対して経営状況報告を行ったりしているのであるから,このころまでには業務の遂行ができる程度に体力が回復していたはずであるし,後遺症についても,医師作成の診断書にも被告C作成による辞任届にも何らの記載はないから,虚偽であることが明らかである。 そして,大和都市グループの抵当証券商法は,被告Cが同グループに関わるようになった当初から始まり,同人が脳性疾患に罹患した平成10年3月までにはGFPシュアーファンド以外の全商品の販売が行われているところ,原告らが被害を受けたのは,被告Cの症状が小康を得た後の平成12年12月以降であって,仮に被告Cがウイルス性脳炎に罹患していたとしても,同人の責任の有無につ 以外の全商品の販売が行われているところ,原告らが被害を受けたのは,被告Cの症状が小康を得た後の平成12年12月以降であって,仮に被告Cがウイルス性脳炎に罹患していたとしても,同人の責任の有無について何ら影響を与えるものではない。 ウ被告Bについて被告Bは,平成10年10月6日,大和都市に入社し,同社が会社整理開始決定を受けた後の平成13年5月28日まで,名古屋支社における営業担当社員として勤務していたところ,この間,営業会議に出席したり,上司,同僚らから営業会議の内容を聞くことにより,大和都市による自転車操業の実態を認識していた。 にもかかわらず,被告Bは,大和都市グループの金融商品販売実績に応じて増える歩合給の支給を受けるべく,原告らのうち相当数の顧客に同グループの金融商品を販売し,平成12年には年収1465万6112円(うち歩合給1047万0799円)を得るなど,名古屋支社の中で稼ぎ頭ともいうべき積極的な販売活動を行い,同グループによる詐欺行為に荷担した。 したがって,被告Bは,大和都市グループの他の幹部らとともに共同不法行為の責任を免れない。 (被告Aの主張)原告らの主張は争う。 そもそも大和都市グループにおいては,D一人がすべてを意思決定しており,取締役会も例外を除けば開催されず,しかもDは,自己の意思決定の理由を説明することがなく,その結論のみの説明に終始していた。同グループにおける資金運用に関与し,その実態を知り得たのは,Dを中心とするごく少数の経営陣にすぎない。このように,同グループには組織性などはみじんもなく,顧客に対する欺罔行為に関して何らかの謀議が行われた事実も存在しない。 他方,従業員は,自分に与えられた仕事を日々こなしていただけであり,被告Aも,専らゴルフ場の現場で仕事をしていただけで,Dの補佐などの役割を果 欺罔行為に関して何らかの謀議が行われた事実も存在しない。 他方,従業員は,自分に与えられた仕事を日々こなしていただけであり,被告Aも,専らゴルフ場の現場で仕事をしていただけで,Dの補佐などの役割を果たしたことはなかった。 したがって,被告AがDら幹部とともに共同不法行為責任を負担するいわれはない。 (被告Cの主張)原告らの主張は争う。 前記のとおり,被告Cは,終始一貫,ナイス函館CCに単身で勤務し,ゴルフ場の管理業務を行っていたにすぎず,しかもこの間にウィルス性脳炎に罹患して療養生活を余儀なくされるなどしていたもので,ナイス函館の経営に関する事務はもちろんのこと,大阪にある大和都市についても何ら関係することがなかった。ちなみに,大和都市グループの幹部であるE,G,被告Aらについては,氏名を知る程度であって,同人らがいかなる業務に従事していたのかすら承知していなかった。 まして,被告Cは,本訴の原告らのような中京地区の顧客に対していかなる金融商品がどのように販売されていたかなどについて,地理的にも物理的にも時間的にも知り得る余地はなかったし,販売を担当した名古屋支社の従業員らとは面識すら有していなかった。 したがって,被告Cが共同不法行為責任を負担するいわれはない。 (被告Bの主張)原告らの主張は否認する。 労働契約上,労働者は,労働の内容・遂行方法・場所等に関して使用者の指示に従った労働を誠実に遂行する義務を負い,業務命令に違背することは,最悪の場合,労働契約の終了をもたらすから,労働者はこれに従わざるを得ない。 営業担当社員は,自らの勤務先がどこに投資しているかなど把握していないし,与えられた役割を超えて会社の実情を把握する義務など存しない。 仮に,被告Bに大和都市が債務超過の状態にあるとの認識があったとしても,それのみで営業活動を行う こに投資しているかなど把握していないし,与えられた役割を超えて会社の実情を把握する義務など存しない。 仮に,被告Bに大和都市が債務超過の状態にあるとの認識があったとしても,それのみで営業活動を行うことができないというのであれば,我が国のほとんどの株式会社の営業活動は許されなくなる。債務超過であれば,債務を可能な限り縮減させていくのが企業,従業員の職責であり,債務超過によって破たんしたというのは結果論にすぎない。 したがって,被告Bに上記認識があったとしても,そのことをもって共同不法行為責任を問うことはできない。 (4) 被告A及び同Cは,大和都市グループの取締役としての任務を懈怠したか否か,任務懈怠につき悪意又は重過失があるか否か(予備的請求関係)。 (原告らの主張)ア前記のとおり,被告A及び同Cは,大和都市グループの代表取締役,取締役又は監査役の地位にあったから,大和都市グループが共同して行った抵当証券,ゴルフクラブ会員権,抵当権付き債権一部譲渡,GFPシュアーファンドなどの金融商品の販売に関して,第三者である消費者に損害を与えることのないように,自己が役員を務める会社の業務執行全般を監視し,必要があれば代表取締役に対して取締役会を招集するよう求め又は自ら取締役会を招集して,取締役会を通じて会社の業務の執行が適正に行われるように監視すべき任務があったのに,これを怠った結果,原告らに対して別紙被害一覧表記載の損害を被らせた。 イまた,被告A及び同Cは,平成9年当時,大和都市グループが顧客から預かった金員を償還することが不可能な経営状態にあることを認識していたのであるから,上記の任務懈怠について悪意であったというべきであり,仮にこれを認識していなかったとしても,同被告らの大和都市グループにおける立場からすれば,任務を適正に行っておれ ことを認識していたのであるから,上記の任務懈怠について悪意であったというべきであり,仮にこれを認識していなかったとしても,同被告らの大和都市グループにおける立場からすれば,任務を適正に行っておればそのような経営状態であることを容易に認識することができたから,上記任務懈怠について重過失があったというべきである。 ウなお,被告Cは,大和都市関連会社の役員就任に承諾を与えたことはない旨主張するが,求めに応じて印鑑証明書や実印を交付するなどの積極的な協力を行い,取締役等として登記されていることを知りながら,特に異議を述べたりすることなく漫然と放置し,これを包括的に承認若しくは黙認していたのであるから,仮に取締役等への就任が名目的なものにすぎず,実質的な業務執行に携わっていなかったとしても,大和都市グループが同関連会社の法人格を詐欺商法の必要不可欠な道具として利用したことにつき,責任を免れるものではない。 (被告Aの主張)原告らの主張は否認する。 そもそも,被告Aは,大和都市グループの取締役ないし代表取締役就任を承諾したことがなく,そのような肩書で仕事をしたことは一度もない。同グループの金融商品の販売は,Dが決定,推進していたところ,被告Aは,大阪から離れた遠隔地にて勤務しており,当然のことながら,同グループの取締役会開催を知らされたり,これに出席を求められたりしたことはなく,現に出席をしたこともなかったから,同グループの取締役として監視義務を果たす機会などは全くなかった。 したがって,被告Aが,取締役の任務を懈怠したことに基づく商法上の責任を負担することはあり得ない。 (被告Cの主張)原告らの主張は否認する。 被告Cは,ナイス函館及び美祢カントリーの代表取締役並びにナイスミドルの取締役として登記されていたが,これらの就任を承諾したことはな することはあり得ない。 (被告Cの主張)原告らの主張は否認する。 被告Cは,ナイス函館及び美祢カントリーの代表取締役並びにナイスミドルの取締役として登記されていたが,これらの就任を承諾したことはなかった。 仮にこの点について過失が存在するとしても,被告Cが善管注意義務ないし忠実義務を負うのは,ナイス函館,美祢カントリーであって,これとは法人格の異なる大和都市に対して負うものではないところ,被告Cが代表取締役として登記されていた期間中,ナイス函館及び美祢カントリーの取締役会が開催されたことはなく,被告Cがこれに出席したこともなく,善管注意義務を尽くすべき議案が提出されたこともなかった。 したがって,被告Cが,取締役の任務を懈怠したことに基づく商法上の責任を負担することはない。 (5) 被告らの行為,任務懈怠と原告らの損害との因果関係の有無(主位的請求及び予備的請求に共通)(原告らの主張)ア前記のとおり,被告らの各行為は,大和都市グループによる詐欺行為において,共同不法行為を構成するから,原告らの損害との間に因果関係があるし,被告A及び同Cの任務懈怠がなければ原告らは損害を被ることがなかったと考えられるので,上記任務懈怠と原告らの損害との間にも因果関係がある。 イ特に,被告Aは,大和都市グループの幹部として,自ら抵当証券を販売しただけでなく,同グループのペーパー商法の展開に不可欠であったゴルフ場の開発において中心的な役割を果たすなど,Dの協力者として極めて重要な役割を果たした。すなわち,いかに社長のDがワンマン経営者であっても,社員等の協力なくして抵当証券商法の展開は不可能であるから,Dの協力者として非常に重要な役割を果たした被告Aの行為と原告らの損害との因果関係は十分である。 また,被告Aは,抵当証券商法の展開全体について協力した なくして抵当証券商法の展開は不可能であるから,Dの協力者として非常に重要な役割を果たした被告Aの行為と原告らの損害との因果関係は十分である。 また,被告Aは,抵当証券商法の展開全体について協力したのであるから,原告らに対して直接販売行為を行っていないことは,損害との因果関係の存在に何ら影響を及ぼすものではない。 (被告Aの主張)原告らの主張は否認する。 以下のとおり,被告Aの行為(販売,指導等)及び任務懈怠と原告の損害との間に因果関係はない。 ア原告らのうち,被告Aが実際に大和都市グループの金融商品を販売したことがある者は一人も存在しないし,原告らに対して商品を販売した大和都市名古屋支社の社員のうち,被告Aの指導を受けた者も一人も存在しない(そもそも,被告Aが販売に際して説明した内容は,パンフレットの域を超えておらず,販売員に対する指導内容も,パンフレットの記載や一般的な心構えの域を出ていなかった。)。 イ前記のとおり,大和都市グループには組織性がなく,顧客に対する欺罔行為に関して何らかの謀議が行われた事実もない。被告Aは,金融商品の企画段階において何らの関与をしておらず,Dから,事後的に「新商品を販売する。」と言われて商品内容や販売時期を知らされるだけであった。 ウ Dは,大和都市グループにおいて絶対的な権限,支配力を有しており,自分以外の者は,役員に指名したとしても,経営に関与させず,自ら担当していた。そして,実の息子であるIですら,仮に従業員らが反対意見を述べるようなことがあれば,激高したDによって解雇されて勤務を続けることができなかったと述べているように,Dがやると決めたことを他人が止めることなどできない状況にあった。 したがって,被告Aが金融商品の販売中止を進言していたとしても,Dがそれを聞き入れることは考えられなかった ったと述べているように,Dがやると決めたことを他人が止めることなどできない状況にあった。 したがって,被告Aが金融商品の販売中止を進言していたとしても,Dがそれを聞き入れることは考えられなかった。 (被告Cの主張)原告らの主張は否認する。 仮に,被告Cが大和都市のEに印鑑証明書を交付した結果,ナイス函館及び美祢カントリーの代表取締役並びにナイスミドルの取締役として登記されたものであり,これらの事実を知らなかったことにつき過失が存在するとしても,中京地区に居住する原告らの損害との間に果たして因果関係があるか疑問である。 前記のとおり,原告らの主張を前提としても,被告Cが善管注意義務及び忠実義務を負うべきは,ナイス函館及び美祢カントリーであって,これと法人格の異なる大和都市に対して負うものではないところ,ナイス函館及び美祢カントリーは,Iが全株式を保有する一人会社であるから,被告Cが病をおして取締役会や株主総会に出席しても,重要な議案はIによって適法に決議されることができた。 したがって,被告Cに過失,任務懈怠があるとしても,原告らの損害との間に因果関係は存しない。 (被告Bの主張)原告らの主張は争う。 (6) 損害額(主位的請求及び予備的請求に共通)(原告らの主張)原告らは,別紙被害一覧表のとおり,大和都市グループから金融商品を購入したが,同グループの破たんによりその償還を受けることができず,購入代金相当額の損害を被った。 (被告らの主張)原告らの主張は争う。 第3 当裁判所の判断 1 大和都市グループによる抵当証券商法の評価について(1) 前記前提事実(1)ウ記載の事実によれば,大和都市は,昭和60年4月(当時の商号は「大和都市抵当証券株式会社」)に2億2440万円の抵当証券の発行を受け,これを顧客に販売したのを皮切りに,昭和62年 前記前提事実(1)ウ記載の事実によれば,大和都市は,昭和60年4月(当時の商号は「大和都市抵当証券株式会社」)に2億2440万円の抵当証券の発行を受け,これを顧客に販売したのを皮切りに,昭和62年12月には20億円,昭和63年3月には10億円,平成4年11月から平成5年11月にかけて約71億円,同年10月から平成6年2月にかけて80億円,平成5年12月から平成6年4月にかけて約32億円,平成7年3月には110億円,同年11月には100億円等の各抵当証券を販売し,その総残高は最終的に約440億円に達していたこと,そして,抵当証券発行の原因となる大和都市から同関連会社への経理上の貸付額も,平成12年3月時点で総額473億円に達していたこと,また,大和都市グループは,平成6年6月,ナイスミドル発行の本件手形約160億円の(ただし,これについては,その後に償還されている。),平成7年10月,那須GCのゴルフクラブ会員権の,平成9年春,チケット付きレジャー会員権の販売をそれぞれ開始したほか,平成9年12月,抵当権付き債権一部譲渡約167億円の,平成11年12月,GFPシュアーファンド約141億円の各金融商品の販売を開始したこと,以上の事実が明らかである。 (2) 他方,前記前提事実(1)イ,ウ,エ記載の各事実に,証拠(甲3ないし13,28ないし30,33ないし37,68,69,乙ニ31,32)を総合すると,大和都市グループは,顧客から売買代金ないし出資金の名目で多額の資金を集めていたものの,利益を生む有効な運用をほとんど行っていなかったこと,すなわち,大和都市関連会社所有の4か所のゴルフ場は,美祢CCを除きいずれも大幅な営業赤字を計上しているほか,その他の事業もほとんど成果を上げておらず,Dが大和都市グループの役員や従業員に対して語った霊園経営 和都市関連会社所有の4か所のゴルフ場は,美祢CCを除きいずれも大幅な営業赤字を計上しているほか,その他の事業もほとんど成果を上げておらず,Dが大和都市グループの役員や従業員に対して語った霊園経営,廃棄物処理関係事業,アラブ首長国連邦(UAE)との取引などの新事業も,現実性のないものであったこと,大和都市の顧問公認会計士であったLの取りまとめたところによれば,大和都市グループのうち抵当証券に係る融資を受けた大和都市関連会社6社と大和都市とを合わせた合計7社の連結べースの財政状態は,平成9年9月時点で約144億円の債務超過となっていたこと,また,大和都市グループ全11社の連結べースの財務状態は,有形固定資産等を簿価で評価しても,平成10年度で約263億円,平成11年度で約305億円の債務超過の状態であった(上記金額は,大和都市グループ各社の各事業年度ごとの金額を合計したもので,決算月のずれに伴う調整は行っていない。)こと,さらに,大和都市グループの各社は,金融商品の販売による収入によって営業上の赤字を補填している状況にあり,金融商品の販売に伴う収支に比して投資活動による収支が極めて僅少な状態,すなわちほとんど有効な資金運用をしていない状態にあったのに対し,金融商品を購入した顧客に対する利払金額は,平成8年度で約28億円,同9年度が約32億円,同10年度が約35億円,同11年度が40億円,同12年度が45億円と年々増加したため,平成10年度末には,大和都市グループの現預金残高が10億円を下回る事態に陥り,顧客から得た資金を約定どおり償還することは到底できない状況にあったこと,そのため,大和都市グループは,顧客から集めた資金に対する利払や人件費その他の会社経費を,顧客に新たな金融商品を購入させた代金で賄わざるを得ないという自転車操業状態に 到底できない状況にあったこと,そのため,大和都市グループは,顧客から集めた資金に対する利払や人件費その他の会社経費を,顧客に新たな金融商品を購入させた代金で賄わざるを得ないという自転車操業状態にあったこと,以上の各事実が認められる。 (3) 以上を総合すれば,大和都市グループは,遅くとも平成9年の時点において多額の債務超過の状態にあった上,その状態は,時間が経過するにつれてますます悪化することが確実であったから,同グループから金融商品を購入したすべての顧客に対して約定の利息及び元本の償還を行うことは不可能な状況にあったことが明らかである。したがって,上記時点以降,同グループが効果的な資金運用を行っているとの説明をすることにより,約定どおりの償還を受けられるものと誤信させた上で,同グループの金融商品を購入させる行為は,客観的に観察すれば,虚偽の事実を示して金員を騙取する行為に当たると評価すべきである。 そして,その中心人物は,大和都市のオーナー社長であり,各種の金融商品を開発し,販売を指示したDであったことはいうまでもない。 2 争点(1)(被告A及び同Cの取締役等への就任意思の有無)について次に,被告A及び同Cの責任を論定する前提として,同人らが大和都市グループの中で役員としての地位を有していたかについて判断する。 (1) 被告Aについてア前記前提事実(2)イ(ア)のとおり,被告Aについては,大和都市の取締役及び監査役,ナイスミドル及びリステム化学の各取締役及び各代表取締役,ナイス函館,美祢カントリー,ベストライフ及びゼネラルファイナンスの各取締役,株式会社たに・いちの監査役及び代表取締役,泊別観光及びグレートジャーニィの代表取締役にそれぞれ就任した旨の商業登記がなされている。 イしかしながら,被告Aが実際に勤務し,業務を遂行した会 取締役,株式会社たに・いちの監査役及び代表取締役,泊別観光及びグレートジャーニィの代表取締役にそれぞれ就任した旨の商業登記がなされている。 イしかしながら,被告Aが実際に勤務し,業務を遂行した会社は,①昭和60年4月から大和都市,②昭和63年5月からナイスミドル(平成11年3月から同年10月までは大和都市と兼務状態),③平成12年3月から大和都市,④同年5月からナイス函館,⑤同年8月からナイスミドル,⑥平成13年からナイス函館(泊別観光と兼務状態)であり,②以降の主たる勤務会社はナイスミドルであって,他は短期的,臨時的な勤務であった。 ウまた,証拠(乙イ4,10,20)によると,以下の事実が認められる。 (ア) 大和都市グループにおいては,株主総会や取締役会において決議されることなく,Dの一存で代表取締役,取締役,監査役などの役員の選任が決定され,これらに選任された本人に告知されることなく,その旨の商業登記がなされることが多かった。 もっとも,被告Aに対しては,平成6年7月ころ,ナイスミドルの「取締役総支配人」を命ずる旨の辞令が,当時の代表取締役であるIから交付されている。 (イ) 大和都市関連会社の数社(ナイスミドル,美祢カントリー,ベストライフ,リステム化学,泊別観光,ゼネラルファイナンス)の代表取締役であったIは,平成12年6月ころ,Dのやり方についていくことができず,叱責されたのを契機に,同グループから離れたために,大和都市グループにおいては,急遽,その後任者を選任する必要に迫られた。 (ウ) 取締役や監査役の就任に関する商業登記の申請は,必要書類に被選任者の印鑑証明書を添付しなくても受理される。他方,代表取締役の就任の商業登記の申請には,必要書類に被選任者の印鑑証明書を添付することが必要である。 エ前記認定事実によれば, 請は,必要書類に被選任者の印鑑証明書を添付しなくても受理される。他方,代表取締役の就任の商業登記の申請には,必要書類に被選任者の印鑑証明書を添付することが必要である。 エ前記認定事実によれば,ナイスミドルの取締役を除き,それ以外の大和都市関連会社の取締役や監査役に就任した旨の商業登記が存在するからといって,直ちに被告Aがこれを承諾していたと推認するのは困難であるばかりか,現実の勤務形態も,ナイスミドル以外の各社の役員就任の事実と整合しないというべきである。 もっとも,代表取締役就任の商業登記がなされている以上,被告Aの実印と印鑑証明書が使用されているはずであるが,反面,証拠(乙イ4,12の1ないし3,21)によれば,被告Aは,平成12年6月下旬ころ,大和都市の取締役総務部長であるEの求めに応じて自己の実印と印鑑証明書を交付したこと,しかしながら,Eは,その使途を説明することがなく,被告Aも,代表取締役就任登記に用いられることを予期しなかったこと,役職手当の金額68万円は,大和都市関連会社の役員就任登記と関わりなく,最後まで変わることがなかったこと,以上の事実が認められ,これに,上記交付の直後に各代表取締役就任登記(ナイスミドル,株式会社たに・いち,泊別観光,リステム化学及びグレートジャーニィ)が集中的になされていることを考慮すると,上記の各登記は,Dの意向を受けたEが,Iの後任者を選任する必要が生じたため,被告Aに無断で行ったものと推認することができ,したがって,被告Aが,代表取締役就任について承諾を与えた事実を認めることはできず,他にこの判断を覆すに足りる証拠はない。 よって,被告Aは,平成6年7月以降,ナイスミドルの取締役に就任することを承諾していたと認めることはできるが,これを超えて,それ以外の大和都市関連会社の代表取締役 の判断を覆すに足りる証拠はない。 よって,被告Aは,平成6年7月以降,ナイスミドルの取締役に就任することを承諾していたと認めることはできるが,これを超えて,それ以外の大和都市関連会社の代表取締役,取締役及び監査役に就任することを承諾していたとは認められず,これらは実体のない虚偽の登記というほかない。 (2) 被告Cについてア前記前提事実(2)イ(イ)記載のとおり,被告Cについては,グレートジャーニィ,ナイス函館及び美祢カントリーの各取締役及び各代表取締役,ナイスミドル及び泊別観光の各取締役,ベストライフの代表取締役にそれぞれ就任した旨の商業登記がなされている。 イ他方,前記前提事実(2)イ(イ)記載のとおり,被告Cが実際に勤務し,業務を遂行した会社は,①平成5年9月からナイス函館(この間,泊別観光の事務を担当することがあった。),②平成12年7月すぎからベストライフ(ただし,閑職にすぎない。)であり,主たる勤務会社はナイス函館であったことが明らかである。 ウしかしながら,前記前提事実(1)イ(ク)の事実に証拠(甲79の3の7,80の3の1,84の5の1,85,86,乙ロ2の1ないし3,被告C本人)並びに弁論の全趣旨を総合すると,以下の事実が認められる。 (ア) 被告Cは,平成3年3月,グレートジャーニィ(当初の商号は「帯智佳」)を設立し,本店を自らの自宅としたが,同社は,実際には業務を開始することなく,休眠会社の状態にあったところ,平成6年5月ころ,Dから全株式を譲渡するよう求められ,本店所在地を大阪駅前に移転し,代表取締役はJに変更された。さらに平成8年2月以降は,Iが単独で同社の全株式を保有していた。 (イ) 被告Cは,平成13年4月24日,ナイス函館,ベストライフ及び美祢カントリーに対し,「被告Cが平成12年2月又は同年 された。さらに平成8年2月以降は,Iが単独で同社の全株式を保有していた。 (イ) 被告Cは,平成13年4月24日,ナイス函館,ベストライフ及び美祢カントリーに対し,「被告Cが平成12年2月又は同年6月にこれらの会社の取締役及び代表取締役に選任されて就任を承諾し,代表取締役として登記されたが,ウイルス性脳炎後遺症による歩行困難等のため本日付けで代表取締役を辞任する」旨を記載した辞任届を内容証明郵便にて送付した(この点につき,被告Cは,同辞任届の内容は,相談していた友人が誤解したことにより事実と異なるものとなっている旨主張し,これに沿う証拠(乙ロ5,6,被告C本人)もあるが,同辞任届には被告Cの印章が押捺されており,被告Cもそれを確認した上で発送したとしか考えられないから,上記主張は採用できない。)。 (ウ) 被告Cは,大阪地方裁判所に係属していた別件訴訟の第3回口頭弁論期日(平成14年5月17日)において,以下の内容の準備書面を陳述した。 a 被告Cは,平成6年10月にナイスミドルの代表取締役であったIが辞任したのを機に,Dからナイスミドルの取締役を兼務するよう命じられ,同月19日,ナイスミドルの内情を把握しないまま,ナイス函館と関連するゴルフ場の経営を業とする会社であると聞かされて,勧められるままナイスミドルの取締役に就任することを承諾した。 b 被告Cは,平成11年1月5日,Iがナイス函館の代表取締役を辞任したのを機に,Dからナイス函館の代表取締役に就任することを求められたところ,当時,被告Cは平成10年3月に罹患したウイルス性脳炎の後遺症が完治せず,ナイス函館の取締役としての職務を十分に遂行することができない状況にあったものの,Dの求めを拒絶すれば職を失うおそれがあったことから,これを承諾せざるを得なかった。 c 被告Cは,さらに が完治せず,ナイス函館の取締役としての職務を十分に遂行することができない状況にあったものの,Dの求めを拒絶すれば職を失うおそれがあったことから,これを承諾せざるを得なかった。 c 被告Cは,さらに平成12年7月,Dから,「一切迷惑はかけぬ。仕事はゴルフ場の一般的管理業務にすぎない。」と説明されて,美祢カントリー及びベストライフの代表取締役又は取締役のいずれかに就任するよう求められ,これらの会社が大和都市といかなる関係にあるのかについて正確に理解しないまま,これを応諾した。 d 被告Cは,ナイス函館に就職した当時,月20万円の給与を受けていたが,取締役に就任した後は月30万円の役員報酬を受け取ることになった。 e 被告Cに関する代表取締役の登記手続のほか役員の職務権限に関する一切の業務は,大和都市においてなされていた。 (エ) 被告Cは,別件訴訟の本人尋問において,ナイス函館及びグレートジャーニィの各取締役への就任を承諾していたことを自認する旨の供述をした。 (オ) 被告Cは,本件の本人尋問において,平成6年10,11月ころ,ナイス函館の取締役就任登記がなされていること,平成6,7年ころ,泊別観光の取締役就任登記がなされていること,平成7,8年ころ,美祢カントリーの取締役就任登記がなされていること,以上の各事実を知ったが,特段,異議を述べることなく放置していたこと,さらに,平成12年6月ころ,ベストライフの計画していた事業に必要と考えられた古物商の免許を有していたため,同社の代表取締役に就任し,これを表す名刺を作成したこと,以上のように供述した。 エ以上を総合すると,被告Cは,ナイス函館の取締役(平成5年9月27日から平成11年11月30日まで及び平成12年2月28日から)並びに代表取締役(平成11年1月5日から同年11月30日まで た。 エ以上を総合すると,被告Cは,ナイス函館の取締役(平成5年9月27日から平成11年11月30日まで及び平成12年2月28日から)並びに代表取締役(平成11年1月5日から同年11月30日まで及び平成12年2月28日から),グレートジャーニィの取締役(平成3年3月28日から平成5年12月31日まで,平成6年5月15日から平成8年2月20日まで及び同月23日から平成9年7月31日まで)並びに代表取締役(平成3年3月28円から平成5年12月31日まで),美祢カントリーの取締役(平成7年1月24日から平成10年6月30日まで及び平成11年6月23日から)並びに代表取締役(平成12年7月25日から),ナイスミドルの取締役(平成6年10月19日から平成11年9月30日まで),ベストライフの代表取締役(平成12年6月26日から)については,就任意思があったと認めることができるが,それ以外の大和都市関連会社の役員就任を承諾したことについては,これを認めるに足りる証拠はない。 もっとも,前記のとおり,被告Cにつき,役員たる地位と勤務実態が整合していたのは,ナイス函館だけであり,他は名目的な役員にすぎなかった上,ナイス函館についても,平成12年7月ころ,帰阪した以降は,実体が失われたと判断することができる。 3 争点(2)(財政状況の認識の有無及びその時期)について(1) 大和都市グループにおける情報伝達と社員の認識証拠(甲1の4・5・7・11・13・14・16・23,21,40,41,43,48ないし50,52ないし55,72ないし77)及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実が認められる。 ア大和都市では,営業に関する情報を伝達するとともに,その方針を説明する営業会議を頻繁に開催していたが,これには,主として東京で開催され,全営業社員(約50名) よれば,以下の事実が認められる。 ア大和都市では,営業に関する情報を伝達するとともに,その方針を説明する営業会議を頻繁に開催していたが,これには,主として東京で開催され,全営業社員(約50名)を対象とした全体会議と,地域ごとに開催される会議とがあり,後者は,さらに,東京支社と横浜支店の営業社員を対象とする会議,名古屋支社の営業社員を対象とする会議,大阪本支社の営業社員を対象とする会議の3種類があった。また,これ以外に,臨時的に開催される会議があり,また,正式な会議ではないが,毎日の終礼の際にも,必要な事項が伝達されていた。 イ全体会議はDの主導によって開催されており,被告Aは,ゴルフ場の運営を任されていたので,すべての会議に出席することを要求されてはいなかったが,新商品を販売する直前に開催されるなどの重要な会議には,大和都市の取締役総務部長のEや大和都市関連会社の取締役であるαらとともに出席していた。 他方,被告Cは,函館にて勤務していた関係で,これらの会議に出席することがなく,わずかに平成6年7月に大阪本社で開催された,米国の銀行への投資案件に関する会議に出席した程度であった。 被告Bは,平成10年10月6日,大和都市に入社して以来,名古屋支社の営業社員として,前記の全体会議などに出席していた。 ウ平成10年10月以降に開催された大和都市の営業社員の全体会議は,以下のとおりである。 (ア) 平成10年10月24日の全体会議(東京都港区新橋の末吉ビル)大阪,東京,横浜,名古屋の本社,支社,支店の営業社員など全員が出席したこの会議で,Dは,この1年間で償還額が96億円に達しており,新規あるいは追加の入金127億円から控除すると,差額は30億円であるが,会社経費として30億円を要するから,会社には金が残らないこと,満期を迎えた客の ,この1年間で償還額が96億円に達しており,新規あるいは追加の入金127億円から控除すると,差額は30億円であるが,会社経費として30億円を要するから,会社には金が残らないこと,満期を迎えた客のうち償還率は25パーセントであるが,これは会社にとって危険な状態であること,同年12月25日まで年0.5パーセントの範囲内で利息を上乗せするキャンペーンを行うことなどを説明して,償還を食い止め,新規の客を獲得するよう指示した。 このように,Dの話は,金融商品を販売して集めた金と元本償還や利払や経費として出ていく金の報告だけであり,顧客から集めた金をいかに運用して収益を上げるかという話は全く出なかった。そのため,出席者の多くは,大和都市が果たして集めた資金を有効に運用しているかについて疑念を抱かざるを得なかった。 (イ) 平成11年3月20日の全体会議(東京都港区の一美ビル)Dは,営業社員らに対し,償還を食い止めないと金が会社から流出すること,償還分は,抵当権付き債権一部譲渡と会員権(ナイスオーナーズ倶楽部会員権)の販売代金で補充することを指示した。 この話を聞いた出席者の多くは,大和都市には償還資金がないので,償還請求があれば,他の金融商品の販売代金で穴埋めしなければならず,そうしなければ資金繰りがつかない状態にあるのではとの疑念を抱いた。 (ウ) 平成11年5月29日の全体会議(東京支社)Dは,従来の抵当証券では集客力に乏しく,新しい客を見い出すことが困難な情勢になっていること,抵当証券のように不動産が必要なものについては,費用も手間もかかるが,ファンドの場合はそのようなものが一切必要なく,大蔵省や国税局などの監督官庁への届出の必要もないなどとして,資金を集中させるために今後は匿名組合(への出資金募集)を行う方針であることを説明した。 この ンドの場合はそのようなものが一切必要なく,大蔵省や国税局などの監督官庁への届出の必要もないなどとして,資金を集中させるために今後は匿名組合(への出資金募集)を行う方針であることを説明した。 この話を聞いた出席者の多くは,匿名組合への出資金募集という方法では,抵当証券のような不動産が必要でないので,その購入資金も必要なく,鑑定評価も法務局の審査も不要であるから,今後はこの方法で資金集めをしようとしていること,その理由は,大和都市グループが顧客の償還に応じる資金に困るほどの財政状態になっているためであると推測せざるを得なかった。 (エ) 平成11年6月26日の全体会議(一美ビル)Dは,産業廃棄物の処理施設を造るには時間とお金がかかるが,1か所で500億円以上の利益が見込めること,Jの友人が,大和都市に対してその話を持ち掛けてきていること,地域住民,自治体の同意が得られそうな予定地があり,そのために土地を購入する資金が必要になっていること,広島,大阪,岡山の企業からも融資の申込みが来ていることなどを説明した。 しかし,産業廃棄物の処理がそれほど簡単に事業として成り立つものでないことは常識であることから,この話を聞いた出席者の多くは,Dの話が実現性を欠き,真面目に資金運用を考えていないとの印象を受けた。なお,この話は,その後,立ち消えになり,具体化されることがなかった。 (オ) 平成11年7月31日の全体会議(東京都港区の航空会館)Dは,匿名組合は1号ごとに募集し,運用していくこと,1号の募集で10億集めること,資金の投融資の対象は消費者金融業者であって,年利28パーセントで貸し出すと,1年当たり2億8000万円の運用利益が得られることなどを説明した。 しかし,示された数字の具体的な裏付けについての説明はなく,出席者の多くは,実現性のない あって,年利28パーセントで貸し出すと,1年当たり2億8000万円の運用利益が得られることなどを説明した。 しかし,示された数字の具体的な裏付けについての説明はなく,出席者の多くは,実現性のない夢のような話であるとの印象を抱いた。なお,この話も,そのまま立ち消えになり,具体化されることはなかった。 (カ) 平成11年11月13日の全体会議(航空会館)Dは,匿名組合の事業内容について,大和都市がコンサルティングすること,匿名組合が失敗すれば,大和都市の信用が落ち,同グループ全体に及ぼす影響が大きいので,失敗は絶対に許されないことなどを説明した。 これを聞いた出席者の多くは,匿名組合が失敗すれば大和都市グループ全体が致命傷を負いかねないくらいに,容易ならざる財政状態に陥っているとの印象を抱いた。 (キ) 平成11年11月27日の全体会議(航空会館)Dは,匿名組合への出資金の運用先として,東京の味わいビルの建設を予定していること,同ビルは,地下1階,地上8階の規模のグルメビルであること,どこにも負けないスタッフを用意して,この界隈で有名なビルにする予定であること,来客予定者は1日当たり350人で,1人当たり五,六千円を消費することが見込まれること,運用利益は年利18パーセントで,そのうち投資家への配当が10パーセント,ゼネラルファイナンスの取得分が8パーセントを予定していることなどを説明した。 しかし,ビルの建設期間中は,飲食店の経営ができないから,その間の出資者への利息支払は,別の資金を充てなければならないし,また,数字も確たる根拠が示されなかったことから,出席者の多くは,それまでと同様,思いつきのような話であるとの印象を抱いた。 なお,この話もやがて立ち消えになった。 エ大和都市の経営状態に関する被告ら以外の社員らの認識は,以下のとおり たことから,出席者の多くは,それまでと同様,思いつきのような話であるとの印象を抱いた。 なお,この話もやがて立ち消えになった。 エ大和都市の経営状態に関する被告ら以外の社員らの認識は,以下のとおりである。 (ア) MMは,昭和60年10月ころ,ベストライフに入社し,その後,大和都市の営業部長の地位に就いた者であるが,平成6年からの本件手形販売当時,大和都市は資金不足の状態が深刻で,何とか抵当証券の販売枠を空けて資金を集めなければ大和都市が倒産してしまう危険があると感じるようになった。 また,Mは,大和都市が,顧客から本件手形を回収してチケット付きレジャー会員権に移行させたのは,本件手形の償還に応じる資金がないためであると理解していた。 さらに,Mは,平成10年ころの営業会議で,Dから,大和都市グループの経営状態は窮迫しており,新たに金融商品を開発して販売しない限り償還が困難な状態にあり,利払だけでも年間約30億円が必要であるとの話を聞き,顧客から得た資金のほとんどが他の顧客の利払や償還金,大和都市グループの経費などに充てられている自転車操業の状態であったと認識した。 (イ) GGは,昭和60年に大和都市に入社し,その後,営業本部長の地位にあった者であるが,平成6年,抵当証券が売切れの状態となったことから,大和都市が新たに本件手形の販売を始めたのは,同グループの資金欠亡を補うためであると推測した。 Gは,平成8年ころ,ゴルフクラブ会員権の販売を強引に押し進めていたDの話を聞いて,抵当証券による利払負担がかなり深刻な状態になっていることを認識し,さらに平成9年8月ころ,Dが本件手形を回収してチケット付きレジャー会員権に移行させようと奔走しているのを見て,大和都市グループには本件手形の償還に応じる資金がないと認識するに至った。 また, 識し,さらに平成9年8月ころ,Dが本件手形を回収してチケット付きレジャー会員権に移行させようと奔走しているのを見て,大和都市グループには本件手形の償還に応じる資金がないと認識するに至った。 また,Gは,平成9年11月1日,大和都市グループは多額の負債を抱えているという内容の朝日新聞の記事を読んで,それまで自分が見聞してきたことに照らし,その記事には信ぴょう性があると考えた。 さらに,Gは,平成10年10月ころ以降,Dが全体会議において大和都市グループがいかに新規の資金を必要としているかを強調するようになったことから,同グループの経営が一層悪化していることが明確に理解できた。 (ウ) UUは,平成10年10月,大和都市に入社し,営業社員として名古屋支社に勤務していた者であるが,平成10年10月以降の営業会議において,Dが,購入済みの金融商品の償還を阻止すべきことや新規の資金獲得の必要性を強調したことから,大和都市は資金的に行き詰まりつつあり,その経営は遅かれ早かれ破たんするのではないかと危惧するようになった。 (エ) ββは,平成3年にナイスミドルに入社し,平成4年4月ころから大和都市の営業社員としてゴルフクラブ会員権と抵当証券の販売を担当していた者であるが,平成8年1月ころ,大和都市が抵当証券を販売した顧客への利払が年間数十億円に上る一方,集めた資金のほとんどを大和都市グループのゴルフ場につぎ込んだものの,これを賄うべき収益を上げていないため,同グループの赤字が積み上がって経営状態が悪化しており,この利払の負担を軽減するため,ゴルフクラブ会員権を販売して資金を集めているとの認識を持った。 βは,平成9年11月1日の朝日新聞を読んで,大和都市グループの赤字は50億円程度はあり,さらに今後も利払等が必要となるので,赤字額は膨らむ一方であ 権を販売して資金を集めているとの認識を持った。 βは,平成9年11月1日の朝日新聞を読んで,大和都市グループの赤字は50億円程度はあり,さらに今後も利払等が必要となるので,赤字額は膨らむ一方であり,金融商品を販売するなどして,新たな資金を獲得しない限り,大和都市グループの破たんが表面化してしまうとの認識を有していた。 また,βは,平成10年からの全体会議でのDの発言等から,大和都市グループの経営状態が悪化して自転車操業の状態に陥っていることを十分認識できた。 (オ) γγは,平成4年に大和都市に入社し,その後,東京支社の営業部次長の地位にあった者であるが,平成9年10月31日の朝日新聞で本件手形の販売が批判されたころから,大和都市での資金運用の在り方に疑問を持つようになり,同グループが金融商品の償還や利払をするためには,他から資金を得なければならない状態であり,そのために新しい金融商品を顧客に販売して資金を得ていることを認識した。 また,γは,平成9年11月1日の新聞を読んで,大和都市グループが赤字体質であるとの疑惑が裏付けられたと思い,さらに平成10年9月ころからの営業会議でのDの発言により,大和都市グループの経営状態が悪いことがはっきりと認識できた。 (2) 被告Aの大和都市グループの財政状況等に関する認識ア証拠(甲1の8ないし10・15)及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実が認められる。 (ア) 被告Aは,満46歳になった昭和60年に大和都市に入社したが,当時,同社には,社長のDのほか,E,Fなどわずかな従業員しかおらず,かつ事務所も手狭であったため,この会社の資金面,経営面,人的な面で不安を抱いた。しかし,被告Aは,既に若くはなく,給与を得たいとの気持ちが強かったため,あえて入社を決めた。 (イ) 大和都市は,昭和62年 所も手狭であったため,この会社の資金面,経営面,人的な面で不安を抱いた。しかし,被告Aは,既に若くはなく,給与を得たいとの気持ちが強かったため,あえて入社を決めた。 (イ) 大和都市は,昭和62年,奈良市法用町の土地を用いて,霊園開発事業への出資名目で顧客から資金を集めたが,出資期間が満了する前に,同事業の開発許可を得られないことが確定した。そのため,被告Aは,大和都市が集めた出資金を返還するものと思っていたところ,Dは,顧客に対して何らの説明をすることなく,被告Aに対し,出資期間が満了した際には,出資金を金銭消費貸借契約へ切り替えさせるよう指示したため,Dが大和都市から資金が流出するのを避けようとしているものと理解した。 その上に,大和都市は,上記出資金を集める手段に用いたのと同じ土地で,10億円以上もの抵当証券の発行を受け,顧客に販売したことから,被告Aは,借金の上に更に借金を重ねることにほかならないとの認識を持った。 (ウ) 大和都市グループは,前記の抵当証券販売のころからナイス美作CCのゴルフクラブ会員権の販売を開始したが,同CCは,その当時,ゴルフ場の開発許可を得ていない上に,用地の確保もできていなかったため,上記会員権販売の事実を聞いた被告Aは,いくら資金集めとはいえ,開発許可の取れる見込みの有無を考えずに先に会員権を販売するDのやり方について疑問を抱いた。 なお,ナイス美作CCは,結局,開発には至らなかった。 (エ) 被告Aは,その後,ナイス大原CCの開発の現地責任者に任命され,現地に半常駐して用地買収などに従事していたところ,大和都市グループは,開発許可を得る前から同CCの会員権の販売を開始して資金を集め始めた。しかし,岡山県では,開発許可を得ただけではゴルフクラブ会員権の販売を認めず,少なくとも併設の防災池完成までは 和都市グループは,開発許可を得る前から同CCの会員権の販売を開始して資金を集め始めた。しかし,岡山県では,開発許可を得ただけではゴルフクラブ会員権の販売を認めず,少なくとも併設の防災池完成まではゴルフクラブ会員権の販売を禁止する旨の条例が制定されていたため,被告Aは,Dに対して,上記会員権の販売を中止するよう進言したところ,Dは,岡山県内での販売は中止したものの,県外に居住する顧客に対しては,今まで通り上記会員権の販売を続けさせた。そこで,被告Aは,Dがナイス大原CCを開発するための資金を上記会員権販売で賄おうとしているものと理解し,さらに大和都市グループが上記会員権を販売して資金を集めるほかに資金を工面するあてがない状況にあるとの疑いを抱いた。 (オ) ナイス大原CCの会員権は,バブル経済がはじけた平成4年ころには,ほとんど販売できない状態になっていたところ,大和都市は,同年8月ころ,同CCの土地を利用して抵当証券の発行を受け,これを販売することを始めた。これを聞いた被告Aは,ゴルフ場で抵当証券を販売した例を聞いたことがなく,当時ナイス大原CCはまだ造成中であったことから,Dがその工事費を賄う資金を集めようとしているものと理解したが,上記会員権の販売と抵当証券の販売は,いわば二重に借金を重ねることであり,前者は,将来預託金の償還期が到来すれば会員に償還しなければならず,最悪の場合はナイス大原CCの物件を処分して償還することになるにもかかわらず,さらにその物件に有利子の抵当権を設定して抵当証券を販売することは,会員権の購入者やゴルフ場の開発に協力をしてくれた地元の人を裏切ってしまう結果になるのではないかと考えて,Dに対してやりきれない気持ちを抱いた。 にもかかわらず,被告Aは,Dから命ぜられるまま,所轄法務局(出張所)に赴いて抵 発に協力をしてくれた地元の人を裏切ってしまう結果になるのではないかと考えて,Dに対してやりきれない気持ちを抱いた。 にもかかわらず,被告Aは,Dから命ぜられるまま,所轄法務局(出張所)に赴いて抵当証券発行を促進すべく交渉を行い,その結果,約18億円の抵当証券の発行を得たが,将来,上記会員権の預託期間満了と抵当証券の期限とが重なったときには,倍の償還資金が必要になり,大変だという認識をもっていた。このような状況から,被告Aは,Dの事業のやり方に不信感を抱いたが,反面,償還の具体的方策については,Dの考えるべきことであるとの気持ちから,それ以上考えることはなかった。 (カ) 被告Aは,平成6年当時,オープンしたナイス大原CCの支配人としてゴルフ場に常駐していたが,時には大和都市の本社を訪れ,経営状況などをDに報告していたところ,同年夏ころ,新しい金融商品としてナイスミドル発行に係る本件手形の販売が開始されたことを知った。しかし,被告Aは,当時,ナイス大原CCは約7000万円の赤字であり,那須GCも赤字であることを承知していたため,年8パーセントもの利率で販売していた本件手形を決済するだけの資金がナイスミドルにはなく,これが金融商品としての実体を有していないことを認識していた。 にもかかわらず,被告Aは,平成9年初めころ,大口顧客であるΔに対し,本件手形を販売するなどの営業活動にも従事し,顧客二十数名に対して,残高2億1000万円から2億2000万円に達する金融商品を販売したが,顧客らが,大和都市グループやその金融商品に関する上記の実態を知ったならば,購入に応ずることはないであろうことを認識していた。 (キ) 被告Aは,平成9年夏ころ,那須GCのゴルフクラブ会員権販売を促進すべく,東京でそのための指導業務に従事することになったことから,同人 らば,購入に応ずることはないであろうことを認識していた。 (キ) 被告Aは,平成9年夏ころ,那須GCのゴルフクラブ会員権販売を促進すべく,東京でそのための指導業務に従事することになったことから,同人が担当する顧客については他の営業社員に引き継いだものの,それぞれ5000万円以上の商品を購入していた大口顧客3夫婦については,被告Aが引き続き担当することになったが,その目的は,合計1億5000万円以上の資金が償還されることによって大和都市から資金が流出するのを防ぐためであった。 (ク) 被告Aは,平成9年ころ,大和都市グループの社員らが「ナイス会」と称するゴルフコンペを開催した際などにおいて,同グループが経営する他のゴルフ場などでも抵当証券の販売が行われていることを聞き,さらには,同グループが,ナイス函館CCや美祢CCをゴルフクラブ会員権販売済みの状態で買収したことを知り,その償還債務が極めて多額に上ることを認識する一方,各ゴルフクラブで黒字経営なのは美祢CCだけで,被告Cからナイス函館CCの経営状態が厳しいことを聞き(現に,平成11年には,被告Aも出席した同CCの理事会において,預託金の償還時期を10年間延長する旨決議された。),また買収した北海道白糠町のゴルフ場予定地が全く開発に至っておらず,何らの収益をも生み出さない物件であることなどを認識した。 このように,大和都市グループがほとんど利益らしい利益を上げていないことを知っていた被告Aは,平成9年10月31日付けの朝日新聞の記事を読み,大和都市グループが100億円程度の債務超過にあるのではないかという認識を持ったが,このような認識は,その後も深まることはあっても解消されることはなかった。 (ケ) 被告Aは,平成11年春ころ,大和都市が抵当権付き債権一部譲渡という名称の金融商品を販売 いかという認識を持ったが,このような認識は,その後も深まることはあっても解消されることはなかった。 (ケ) 被告Aは,平成11年春ころ,大和都市が抵当権付き債権一部譲渡という名称の金融商品を販売していることを知ったが,同人は,その当時,大和都市が大和都市関連会社以外に貸付けをしていないこと,債務者とされた大和都市関連会社のうちベストライフ,リステム化学,グレートジャーニィ,泊別観光などは収益を上げるような事業を展開していないこと,ゴルフ場経営などの事業を行っているナイスミドル,美祢カントリー,ナイス函館についても,わずかに黒字経営を維持している美祢カントリーを除いて赤字経営であること,さらに,債務者とされた大和都市関連会社は債務を弁済する能力を欠いているにもかかわらず,大和都市が資金集めのために顧客に金融商品を販売していると認識していた。 なお,被告Aは,GFPシュアーファンドも抵当権付き債権一部譲渡の延長線上にある金融商品であると認識していた。 (コ) 被告Aは,平成11年ころには,Dがこれまで企図した事業はいずれも現実性がなく,途中で立ち消えになるのが常であった上,Dが被告Aの知らないところで大きな収益が出るような事業を展開していることはあり得ないと考えるに至ったが,ここまできた以上,最後はDがその責任において何とかしてほしいとの思いを強くする一方,Dなら何とかするのではないかという漠然とした期待感もないではなかった。もっとも,その期待感は具体的な根拠に裏付けされたものではなかった。 イ上記認定事実によれば,被告Aは,大和都市に入社以来,Dの主導による強引な資金集めに疑念を感ずることがあり,平成4年から平成6年ころになると,大和都市グループによる強引な資金集めに疑問を感じ,果たして同グループが販売した金融商品の償還が行われるか ,Dの主導による強引な資金集めに疑念を感ずることがあり,平成4年から平成6年ころになると,大和都市グループによる強引な資金集めに疑問を感じ,果たして同グループが販売した金融商品の償還が行われるかについて危惧を抱くようになっていたこと,被告Aは,平成9年ころには,同グループがほとんど利益らしい利益を上げておらず,多額の債務超過に陥っていることをほぼ認識するようになっていたところ,平成9年10月31日付けの朝日新聞の報道に接して,これらの認識が誤りでないことを知ったこと,しかしながら,被告Aは,大和都市関連会社であるナイスミドルの役員たる地位にあったことや,生活を維持したいとの思いから,従前と同様の勤務を継続していたところ,平成11年ころには,同グループには,販売した金融商品を償還する能力がなく,新たに獲得した資金で食いつないでいる状態にすぎないことを確信するに至ったが,反面,Dが何とかしてくれるかもしれないとか,ここまできた以上,何とかすべきであるとの漠然とした気持ちも併せ持っていたこと,以上の事実が明らかである。 そうすると,被告Aは,平成9年11月1日の時点では,大和都市グループは多額の債務超過状態にあり,販売した金融商品の償還が困難となっていることの認識を有するに至ったものであり,その後もかかる認識を強めていったと判断するのが相当である。 ウこの点について,被告Aは,①勤務の実態は,ナイス大原CCや那須GCの支配人にすぎなかったから,大和都市グループ全体の経営状態を知る立場になく,他方,資金の運用等をすべて統括していたDから,各種の投資話を聞かされていたため,同グループは,販売した金融商品の償還を行うことのできる資力を有していると信じていたものであり,このことは,自分や家族自身も金融商品を購入したり,切り替えを行っていたことや 話を聞かされていたため,同グループは,販売した金融商品の償還を行うことのできる資力を有していると信じていたものであり,このことは,自分や家族自身も金融商品を購入したり,切り替えを行っていたことや,息子を大和都市に入社させたことから明らかであること,②被告Aの供述調書(甲1の8ないし10・15)は,捜査当局に身柄を拘束された状態で作成された違法な証拠であり,実質的証拠力は存在しないことなどと主張する。 そこで,まず①について判断するに,証拠(乙イ1ないし4,10,20,21)中には,被告Aの主張に沿う部分がある。しかしながら,被告Aが,主としてナイス大原CCや那須GCの支配人として勤務していたとしても,ナイス大原CCや那須GCを利用した資金集め(ゴルフクラブ会員権,抵当証券,レジャー会員権等の販売)の実情を知り,あるいは被告A自身の顧客からの償還請求を阻止すべく,他の金融商品へ切り替えるよう勧誘しているのであるから,それだけでも,その償還が確実であるかについて危惧を抱くのが自然であり,そのほか,前記(1)イで認定したとおり,被告Aは,大和都市が開催した重要な会議のかなりの部分に出席している上,他の社員らも,平成9年10月31日から同年11月2日にかけて報道された朝日新聞の記事によって,大和都市グループが自転車操業状態にあることを認識し,それ以降に入社した社員ですら,全体会議でのDの発言によって,かかる認識を形成していることなどに照らすと,被告Aのみが,大和都市グループの経営実態について認識することがなかったとは考え難い。また,Dがいくつかの事業を新規に開始するとの話をした点についても,前記のとおり,その内容を聞けば,何ら具体性がなく,実現性に乏しいことが一目瞭然というべきであるから,被告Aがこれを安易に信じていたとは考え難い。 なお 業を新規に開始するとの話をした点についても,前記のとおり,その内容を聞けば,何ら具体性がなく,実現性に乏しいことが一目瞭然というべきであるから,被告Aがこれを安易に信じていたとは考え難い。 なお,証拠(乙イ5ないし9,21)によれば,被告Aの妻や子は,昭和61年及び昭和62年,大和都市から抵当証券合計90万円を購入したこと,被告A自身も,平成4年4月,大和都市から抵当証券750万円を購入し,平成12年5月,これをGFPシュアーファンドに切り替えたこと,被告Aの二男は,平成11年9月,大和都市に入社したこと,以上の事実が認められる。しかし,金融商品購入の時期は,いずれも大和都市による抵当証券商法の問題が表面化した時期より相当前のことであり,これを切り替えていることについても,中途でその償還を受けることは,被告Aの置かれた立場からすると容易になし得ることではなかったと認められる(大和都市が必死になって償還を阻止しようとしていたのは前記のとおりであり,また,証拠(甲50)によれば,大和都市においては,償還が行われた場合には,販売員にペナルティが科せられることになっていたと認められる。)し,大和都市グループの経営状態が自転車操業状態にあった以上,いつかは破たんすることは避けられないものの,その時期がいつになるかは,新規の資金獲得がどの程度達成できるかによることはいうまでもないから,前記のとおり,Dがなんとかするのではないか,何とかすべきであるとの思いを抱いていた被告Aが,GFPシュアーファンドへの切り替えをしたり,二男の入社を阻止しなかったからといって,前記の認識を有していなかったことを推測させるものとはいえない。 次に,②について判断するに,証拠(乙イ21)中には,被告Aの主張に沿うかのごとき部分があるが,捜査官が被告Aに対して違法な手段 って,前記の認識を有していなかったことを推測させるものとはいえない。 次に,②について判断するに,証拠(乙イ21)中には,被告Aの主張に沿うかのごとき部分があるが,捜査官が被告Aに対して違法な手段を用いて供述を強要したという状況に関しては具体的な供述がなされていないばかりか,かえって大阪地方検察庁の検察官(検察官事務取扱副検事)による取調べの際に作成された供述調書(甲1の10)には,「……詐欺として評価を受けるのであれば,それはそれで仕方がないことであると考えています。しかしながら,私としましては,それを詐欺をして評価されたくないという気持ちがありましたので,そのことを主張しているのです。」と記載されているとおり,被告Aの弁解も録取されていることが認められ,同供述調書は結論としては詐欺の故意を否認する内容となっていること,上記検察官は,最終的に被告Aを起訴猶予処分にしていること(前記前提事実(1)エ(カ))などの事実に照らすと,上記検察官は,被告Aが詐欺の故意を有していたとの予断を抱きつつ,違法な取調方法を用いて,無理矢理,供述を強要したとは到底認められない。 よって,被告Aの上記各主張は採用できず,他に前記認定事実を覆すに足りる証拠はない。 (3) 被告Cの大和都市グループの財政状態等に関する認識ア被告Cは,前記(第3の2(2))のとおり,ナイス函館の取締役(平成5年9月27日から平成11年11月30日まで及び平成12年2月28日から),同社の代表取締役(平成11年1月5日から同年11月30日まで及び平成12年2月28日から),グレートジャーニィの取締役(平成3年3月28日から平成5年12月31日まで,平成6年5月15日から平成8年2月20日まで及び同月23日から平成9年7月31日まで),同社の代表取締役(平成3年3月28日から平 ャーニィの取締役(平成3年3月28日から平成5年12月31日まで,平成6年5月15日から平成8年2月20日まで及び同月23日から平成9年7月31日まで),同社の代表取締役(平成3年3月28日から平成5年12月31日まで),ナイスミドルの取締役(平成6年10月19日から平成11年9月30日まで),美祢カントリーの取締役(平成7年1月24日から平成10年6月3日まで及び平成11年6月23日から),同社の代表取締役(平成12年7月25日から)並びにベストライフの代表取締役(平成12年6月26日から)にそれぞれ就任することを承諾したと判断することができる。 しかしながら,被告Cが役員として就任していた期間中のグレートジャーニィは,前記前提事実(1)イ(ク)のとおり,ほとんど事業を営んでいない事実上の休眠状態にあったこと,唯一勤務の実体を有していたのはナイス函館であるが,その職務も,前記(第3の2(2)エ)のとおり,専らナイス函館CCの管理業務にすぎなく,これについても,平成12年7月ころに帰阪した以降は,実体が失われたこと,さらに,他の大和都市関連会社については,名目的な役員として名を連ねていたにすぎなかったと認められる。 加えて,被告Cは,大和都市グループが販売していた各種金融商品の企画や営業に関与していたとは認められず(この事実を認めるに足りる証拠はない。),現に,同人は函館市内に単身で勤務し,大和都市が開催した各種営業会議や幹部会議にほとんど出席したことがないこと(第3の3(1)イ)などの事実を総合すれば,被告Cは,その執務を通じて,ナイス函館の経営が赤字であること自体は十分に認識していたものの,これを超えて,大和都市グループ全体の経営が自転車操業状態にあり,金融商品の販売が詐欺行為に当たることまで認識し得たとは認め難い。 イもっとも 経営が赤字であること自体は十分に認識していたものの,これを超えて,大和都市グループ全体の経営が自転車操業状態にあり,金融商品の販売が詐欺行為に当たることまで認識し得たとは認め難い。 イもっとも,前記前提事実(1)エ(イ)のとおり,平成9年10月31日から同年11月2日にかけての朝日新聞が,大和都市が販売していた本件手形が出資法に違反するおそれがあること,同社は,近畿財務局による立入調査を受け,その結果,業務改善命令を受けたこと,大和都市グループ全体では多額の負債を抱えていること,これらの事実を報道したところ,前記(第3の3(1)エ)のとおり,大和都市の営業社員らは,これによって,一様に大和都市グループの経営状態に対して深い疑念を抱いたことに照らすと,函館にて勤務している被告Cといえども,その例外ではなかったと認めるのが相当である(被告Cは,乙ロ7及びその本人尋問において,大和都市が近畿財務局から業務改善命令を受けたことを報じた朝日新聞の記事は知らなかった旨弁解するが,答弁書では,「近畿財務局の命令はマスコミの報道で知った」旨自認している。)。 さらに,前記前提事実(1)エ(オ)のとおり,平成12年12月22日の新聞により,近畿財務局が大和都市に対して抵当証券業の登録更新を留保したことが報道されたところ,この時点では,被告Cは,既に函館を離れて枚方市の自宅に帰り,閑職といえどもベストライフに勤務していたことに照らすと,大和都市グループに関する情報を入手しやすい環境にあったと考えられ,したがって,大和都市グループの経営状態が劣悪な状態にあることを認識することは十分に可能であったと認められる。 そうすると,被告Cは,遅くとも平成12年12月22日以降は,大和都市グループが多額の債務超過の状態にあり,それまで発行してきた金融商品を利息を含 を認識することは十分に可能であったと認められる。 そうすると,被告Cは,遅くとも平成12年12月22日以降は,大和都市グループが多額の債務超過の状態にあり,それまで発行してきた金融商品を利息を含めて約定どおりに償還することが著しく困難な状態であったとの認識を有するに至ったと推認するのが相当である。 (4) 被告Bの大和都市グループの財政状態等に関する認識ア証拠(甲1の5・7・14,41,42,49,53,55,73ないし77,乙ニ30)及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実が認められる。 (ア) 被告Bは,他の社員ら5名とともに,平成10年10月6日,大和都市に入社し,名古屋支社に配属されたが,入社直後に,取締役総務部長のEや営業部長のGらから,会社の概要,抵当証券の仕組み,営業方法などについて指導を受けた。 被告Bらは,その際,大和都市の販売する抵当証券の利回りは3年もので年4.5パーセントであるとの説明を受けたため,指導を受けたUや被告Bらは,このような高利に設定することができる理由を尋ねたところ,Eは,大和都市は年8パーセントで融資しており,融資先は上場会社ではないが,それに準ずる会社であるなどとあいまいな回答に終始したため,社員らは十分に納得せず,大和都市の営業実態に疑念を持つに至った。 (イ) 被告Bは,大和都市の営業社員として,東京で開催された全体会議(前記第3の3(1)ウ)等に出席しており,そこで聞いたDの説明などを通じて,平成11年夏ころには,大和都市が各種金融商品の販売で集めた資金を大和都市関連会社に対してのみ融資していること,さらに平成12年1月ころには,大和都市は,利益を生む有効な資金運用をしておらず,会社の経費や顧客に対する利払に充てる自転車操業をしていることを認識するに至った。 (ウ) このように,被告Bは, ,さらに平成12年1月ころには,大和都市は,利益を生む有効な資金運用をしておらず,会社の経費や顧客に対する利払に充てる自転車操業をしていることを認識するに至った。 (ウ) このように,被告Bは,大和都市や販売する金融商品の実態を説明したならば,顧客の誰一人として購入することはないのを知りながら,販売額に応じて支給される歩合給ほしさに,大和都市の販売する抵当証券は,担保評価額の60パーセント以内の発行額であること,ベストモーゲージは通常の抵当証券と異なって,中途解約は認められないが,その分高利に設定されていること,大和都市は,集めた資金を優良企業に融資して利益を上げていることなどと説明しつつ,いかにも安全有利な商品であるかのように装って,顧客に対する販売活動を積極的に行っており,その結果,前記前提事実(2)イ(ウ)のとおり,平成12年には,1000万円を超える歩合給の支給を受け,固定給を加えた年収は,1465万円余にも上った。 イ以上の事実が認められ,これによれば,被告Bは,遅くとも平成12年1月ころには,大和都市グループはいつ破綻してもおかしくない経営状態にあり,したがってその販売する金融商品も償還の目途が立たないものであって,大和都市による抵当証券商法は詐欺行為に当たることを確定的に認識していたと判断するのが相当である。 ウこの点につき,被告Bは,①原告らの主張の基となっている供述調書(甲42)は,つじつま合わせのために作成されたもので,信用性に欠ける,②大和都市の実態を知っておれば入社することはあり得ない,③各種金融商品の販売は,大和都市による新規事業の展開と考えていたもので,その破たんを認識しておれば,友人らに速やかな解約を勧めていたはずである,④近畿財務局長は,平成12年12月,抵当証券業登録の更新を留保したにとどまり, 和都市による新規事業の展開と考えていたもので,その破たんを認識しておれば,友人らに速やかな解約を勧めていたはずである,④近畿財務局長は,平成12年12月,抵当証券業登録の更新を留保したにとどまり,警察の強制捜査が開始された日も,名古屋支社では社員の採用面接が予定されていたほどであったなどを理由に,被告Bは,大和都市による抵当証券商法が詐欺行為に当たることの認識を有していなかった旨主張する。 しかしながら,①上記供述調書の内容は,新入社員に対するEらの指導内容のあいまいさや,全体会議におけるDの発言内容とこれに対する出席者の認識と極めてよく整合しており,その信用性を疑わしめる事情は何らうかがうことはできないこと,②入社の事実は,平成12年1月時点での知情の事実と矛盾するものではないこと,③前記のとおり,営業社員は,顧客に対する販売額に応じて歩合給の支給を受ける反面,償還や解約などについてはペナルティーを科せられていたから,購入者に解約を勧めなかったとしても当然であること,④証拠(乙ニ30)には被告Bの主張に沿う内容が記載されているが,いつかは必ず破たんすることを避けられない自転車操業状態であるとはいえ,新規の資金獲得によって,これを引き延ばすことは可能であるから,社員の採用面接が予定されていたからといって,名古屋支社の社員らが詐欺行為の認識を欠いていたことにはならないこと,以上のとおり判断するのが相当であるから,被告Bの上記主張は採用できず,他に前記認定を覆すに足りる証拠はない。 4 争点(3)(共同不法行為の成否)及び同(4)(取締役の任務懈怠の有無)について(1) 被告Aの責任ア前記前提事実(2)イ(ア)の事実及び第3の3(1)イの認定事実に証拠(甲1の5・8ないし10・15,39,乙イ20)を総合すると,以下の事実が認められる 怠の有無)について(1) 被告Aの責任ア前記前提事実(2)イ(ア)の事実及び第3の3(1)イの認定事実に証拠(甲1の5・8ないし10・15,39,乙イ20)を総合すると,以下の事実が認められる。 (ア) Dは,大和都市の草創期に入社し,事業の立ち上げに尽力してきた被告榊を,E,F,I,α,G,M,Y及びHらとともに,大和都市グループの幹部社員として認識していた。このような認識は,同グループの中でDに次ぐ地位を占めていたIも共有していた。 このような位置づけから,Dは,被告Aを,同グループが金融商品の販売によって集めた資金を用いて展開していたほとんど唯一の継続的事業ともいうべきゴルフ場経営(4か所)のうち,ナイス大原CCの支配人及び那須GCの総支配人兼東京営業本部の責任者として起用し,同グループが金融商品の販売により集めた資金の運用先であるゴルフ場の管理運営業務及びチケット付きレジャー会員権の販売業務を的確に行うことを期待していた。 (イ) 被告Aも,Dの期待に応えるべく,その指示に従い,大和都市グループによる抵当証券商法に疑問を感じながらも,ゴルフ場の造成,その会員権の販売,抵当証券発行を巡る法務局との交渉,ゴルフクラブの支配人としての管理業務などをこなしてきたほか,平成9年3月,那須GCの会員権の販売を促進するために,同GC東京営業本部長に就任し,ゴルフ会員権販売についての社員募集,面接,社員教育,会員権の販売などの業務や,ゴルフ場の調査,経費削減対策等の立案などの業務に従事し,また,平成11年3月ころからは,大和都市大阪本社で社員教育と新人の電話勧誘員に対する教育をも担当し,平成12年1月ころからは,栃木県内のゴルフ場買収のための調査を行ったほか,同年5月ころからは,ナイス函館で支配人の代行業務に従事し,また泊別観光の業務に と新人の電話勧誘員に対する教育をも担当し,平成12年1月ころからは,栃木県内のゴルフ場買収のための調査を行ったほか,同年5月ころからは,ナイス函館で支配人の代行業務に従事し,また泊別観光の業務にも従事し,同年8月ころからは,ナイス大原CCで,その後も那須GCで勤務してきた。さらに,被告Aは,大和都市グループから資金が流出するのを防ぐために自らの大口の顧客を引き続き担当し,他の金融商品への切り替えを図るなど,大和都市グループの事業展開に尽力してきた。 なお,被告Aは,平成6年7月以降は,ナイスミドルの役員(取締役)にも就任し,その業務の遂行に積極的に取り組んでいた。 (ウ) Dは,平成6年7月ころ,米国の銀行の投資案件については,これが大和都市グループの命運を決めかねない重要な事項であったことから,I,E,G,α,H,J,K弁護士,L公認会計士などの幹部を一同に集めて幹部会議を開いたが,その中には被告Aも含まれていた。そのほか,被告Aが出席した幹部会議の回数は,10回を下回る程度であった。 また,大和都市は,営業社員を対象とする営業会議を頻繁に開催していたところ,被告Aは,Dからゴルフ場の運営を任されていた関係上,すべての営業会議に出席することを要求されてはいなかったが,新規の金融商品を販売する前の重要な会議(例えば,GFPシュアーファンドの販売に向けた平成11年7月下旬ころの会議)には,Dから出席することを求められた。 (エ) 大和都市においては,管理業務に携わる幹部については,原則として歩合給が発生する営業業務に関係しないため,固定給が高めに設定されていたところ,被告Aの年収は,昭和61年で411万円であったが,年を経るごとに増加し,平成6年には1220万円に達し,以後もその水準を保っていた。そのうち固定給は,月額100万円の水準に 設定されていたところ,被告Aの年収は,昭和61年で411万円であったが,年を経るごとに増加し,平成6年には1220万円に達し,以後もその水準を保っていた。そのうち固定給は,月額100万円の水準に設定され,さらにそのうちの役職手当は68万円と3分の2強を占めていた。 イ前記のとおり(第3の3(2)),被告Aは,平成9年11月1日には,大和都市グループが多額の債務超過の状態にあって,それまで発行してきた金融商品を利息を含めて約定どおりに償還することが不可能な財政状態であったこと,したがって,大和都市グループの金融商品を販売すれば,その代金を支払った顧客に対し,同代金相当の損害を与える蓋然性があることを認識していたと認められる。 にもかかわらず,前記認定事実によれば,被告Aは,それまでと同様,大和都市グループの幹部として,ゴルフ場の支配人が果たすべき管理業務に従事したほか,ゴルフクラブ会員権の販売促進責任者として社員教育などの面で主導的な役割を果たしたり,ゴルフ場買収のための調査を担当するなど,同グループの事業に積極的に尽力しており,その抵当証券商法を展開し,促進する上で重要な役割を果たしたものと評価することができる。 このような被告Aの行為は,民法719条2項で定める他人(Dら)の不法行為を幇助することに当たると判断するのが相当であるから,抵当証券商法が詐欺行為に当たるとの認識を得た後に大和都市グループの金融商品を購入した被害者に対しては,被告Aが直接販売したものではないとしても,Dらとの共同不法行為責任を免れないというべきである。 しかるところ,前記前提事実(2)アのとおり,原告らが損害として主張するのは,いずれも平成12年12月以降の金融商品の購入であるから,被告Aは,原告ら全員に対して,共同不法行為責任を負うことに帰する。 (2) ろ,前記前提事実(2)アのとおり,原告らが損害として主張するのは,いずれも平成12年12月以降の金融商品の購入であるから,被告Aは,原告ら全員に対して,共同不法行為責任を負うことに帰する。 (2) 被告Cの責任ア主位的請求(ア) 前記前提事実(2)イ(イ)及び第3の3(1)イの認定事実に証拠(甲39,48,乙ロ3,5ないし7,被告C本人)を総合すれば,以下の事実が認められる。 aDは,前記のとおり,多数の者を大和都市グループの幹部として位置づけ,処遇していたが,被告Cを同グループの幹部と認識することはなく,実際にも,ナイス函館の支配人として,専ら同CCの管理業務に従事することを命じていたものであり,病気療養等の理由により,平成12年7月ころ,被告Cが帰阪してからは,ベストライフの閑職に就かせ,同人の給与もようやく生活できる程度に減額した。 b 前記のとおり,大和都市では,頻繁に営業社員を集めた全体会議や幹部会議を開催していたが,被告Cは,函館にて勤務していた関係で,これらの会議に出席を求められることがなく,わずかに平成6年7月に大阪本社で開催された,米国の銀行への投資案件に関する会議に出席し,Dの米国出張に同伴した程度であった。 c 被告Cは,平成5年6月ころ,大学の後輩であったWからゴルフ場を売却したいので買主を探してほしいと依頼されたため,この情報を不動産業者を通じて大和都市へ伝達し,大和都市がナイス函館CCを買収するきっかけを作った。このことから被告Cは,同CCと泊別観光を買収する案件について仲介することになり,契約締結の際にも同席した。その際,買収に関わった不動産業者に対する手数料は被告Cの名義で支払っている上,被告Cは,七,八百万円程度の報酬を大和都市から受け取っている。 その後,被告Cは,X不動産鑑定士から別件の 同席した。その際,買収に関わった不動産業者に対する手数料は被告Cの名義で支払っている上,被告Cは,七,八百万円程度の報酬を大和都市から受け取っている。 その後,被告Cは,X不動産鑑定士から別件の売却情報(美祢CCの物件)を教えられ,大和都市に伝えるよう依頼されたので,この依頼を果たした。 もっとも,大和都市による不動産売買に被告Cが関与したのは,上記の案件だけで,Dは,被告Cを大和都市グループの不動産部門を担当する責任者と認識したことはなかった。 (イ) 前記(第3の3(3))のとおり,被告Cは,平成12年12月22日には,大和都市グループが多額の債務超過の状態にあり,それまで発行してきた金融商品を利息を含めて約定どおりに償還することが不可能な財政状態であったことを認識するに至ったと認められるところ,前記認定事実によれば,被告Cの大和都市グループ内での役割は,専らナイス函館CCの支配人として管理業務に従事することであり,平成12年7月ころ,帰阪して以降も,ベストライフの閑職に就いていたにすぎないと認められ,これを超えて,各種金融商品の企画,販売促進等の業務に関与したことを認めるに足りる証拠はない。 (ウ) この点につき,原告らは,被告Cが関与した大和都市関連会社6社は,同グループによる詐欺商法にとって必要不可欠な役割を果たしており,被告Cの存在なくして同商法は成り立ち得なかった旨主張するところ,本件証拠上,被告Cが関与した事項のうち,抵当証券商法と何らかの関わりを有すると認められるものは,ナイス函館CC及び泊別観光の買収並びに美祢CCの買収の2件だけであり,しかも,上記2件の買収に対する被告Cの関与の程度は,ナイス函館CCなどの買収の案件については,この契約を仲介するなどそれなりの役割を果たしたものの,美祢CCの案件については, 収の2件だけであり,しかも,上記2件の買収に対する被告Cの関与の程度は,ナイス函館CCなどの買収の案件については,この契約を仲介するなどそれなりの役割を果たしたものの,美祢CCの案件については,不動産鑑定士から買収情報を大和都市に伝えるよう依頼されてこれに応じただけにすぎず,前者についても,大和都市グループによる抵当証券商法が詐欺行為に当たるとの認識を持つに至る時期よりもはるかに前の話である。 (エ) そうすると,被告Cは,民法719条1項前段が規定する「共同ノ不法行為」を行ったとか,同条2項が規定する他人の不法行為を「教唆」又は「幇助」したものとは評価できないから,原告らに対し,Dらとともに共同不法行為責任を負うものではないと判断するのが相当である。 イ予備的請求被告Cは,前記(第3の2(3))のとおり,ナイス函館,グレートジャーニィ,美祢カントリー,ナイスミドル及びベストライフの代表取締役ないし取締役への就任を承諾し(ただし,ナイス函館を除いては,名目的取締役にすぎなかった。),平成12年12月以降の時点においても,ナイス函館,美祢カントリー及びベストライフの代表取締役の地位にあったと認められるが,これに伴う善管注意義務,忠実義務,監視義務は,自社の行う営業活動,具体的にはナイス函館及び美祢カントリーが発行するゴルフ会員権の販売や,ベストライフが取引主体となる飲食店経営,ビル賃貸業や駐車場経営に関するものに限られるというべきであり,例え同じ大和都市グループに属する会社であっても,他社の発行する金融商品の販売,例えば,大和都市が発行する抵当証券や抵当権付き債権一部譲渡,ゼネラルファイナンスが発行するGFPシュアーファンドの各販売に関してまで及ぶものではないというべきである。 しかして,原告らが本訴において損害を受けたと主張して る抵当証券や抵当権付き債権一部譲渡,ゼネラルファイナンスが発行するGFPシュアーファンドの各販売に関してまで及ぶものではないというべきである。 しかして,原告らが本訴において損害を受けたと主張している金融商品は,大和都市が発行した抵当証券及び抵当権付き債権一部譲渡,ゼネラルファイナンスが発行したGFPシュアーファンドのいずれかであり,被告Cが取締役ないし代表取締役の地位にあった会社の関与したものとは認められないから,その余について判断するまでもなく,被告Cの監視義務違反等が問題となる余地はないといわざるを得ない。 そうすると,原告らの被告Cに対する予備的請求も理由がないことに帰する。 (3) 被告Bの責任民法719条1項前段は,数人が「共同ノ不法行為」によって他人に損害を与えた場合,それら数人は共同不法行為者として,損害を受けた他人に対し,連帯して賠償すべき責任を負う旨定めているところ,ここでいう「共同ノ不法行為」とは,必ずしも複数の行為者間に意思共通ないし共謀が成立したことを要するものではなく,各自の行為が客観的に関連し共同して違法に損害を加えることで足りると解すべきである(最高裁判所昭和43年4月23日第三小法廷判決・民集22巻4号964頁参照)。もっとも,上記の客観的関連共同性とは,損害全部の連帯負担を正当化するに足りる実質を有することが必要であり,具体的には全損害発生に対する一個の原因行為として評価されるべき社会通念上の不可分一体性が求められるというべきである。 しかるところ,被告Bは,大和都市名古屋支社の一営業社員にすぎず(証拠(甲42)によれば,被告Bの肩書が,入社後,主任,課長,次長と昇格していった事実が認められるが,これによって会社幹部として多数の部下を指揮する地位に就いたわけではなく,営業社員としての実質は変わるこ 甲42)によれば,被告Bの肩書が,入社後,主任,課長,次長と昇格していった事実が認められるが,これによって会社幹部として多数の部下を指揮する地位に就いたわけではなく,営業社員としての実質は変わることがなかったと認められる。),歩合給の支給を受けることを目的として,個々的な営業活動を行っていたものであり,他の営業社員も同様の営業活動を行っていた上,Dや他の幹部らと協議を重ねたり,抵当証券商法の企画,推進に大きな役割を果たしたわけではないことに照らすと,被告Bの行為と他の者の行為との間に上記不可分一体性を肯定することはできず,結局,共同不法行為の成立を正当化する事情の存在を認めることはできない。 そうすると,被告Bは,同人が大和都市グループの金融商品を直接販売した原告らに対しては,不法行為の成立を免れ難いが,これを超えて,他の営業社員らによる販売についても責任を負担すべきものとはいえないと判断すべきところ,証拠(甲23の4・12・15・23ないし26・29・35・39・52・53・58・66・67・74・75・80・86,67の4・12・15・23の1・23の2・24ないし26・29・35・39・51・52・57・65・66・73・74・77・79・85)によれば,被告Bが金融商品を直接販売した顧客は,別紙被害一覧表の「原告番号」4,12,15,23ないし26,29,35,39,51,52,57,65,66,73,74,77,79,85欄記載の原告らであることが認められる。 5 争点(5)(因果関係の有無)について(1) 前記(第3の4(1))のとおり,被告Aは,大和都市グループの幹部として,ゴルフ場の管理業務に従事したほか,ゴルフクラブ会員権の販売促進責任者たる地位に就いて主導的な役割を果たしたり,ゴルフ場買収のための調査を担当するなど おり,被告Aは,大和都市グループの幹部として,ゴルフ場の管理業務に従事したほか,ゴルフクラブ会員権の販売促進責任者たる地位に就いて主導的な役割を果たしたり,ゴルフ場買収のための調査を担当するなど,同グループの事業に尽力したものであり,その抵当証券商法を維持し,促進する上で重要な役割を果たしたものというべきであるから,被告Aが直接金融商品を販売したものではない原告らの損害についても因果関係の存在を認めることができる。 この点につき,被告Aは,①被告Aは,原告らに対して金融商品を販売せず,名古屋支社の社員を指導したことはなく,金融商品の企画段階で何らの関与もしていないこと,②Dは絶対的な支配力を有しており,被告Aが金融商品の販売中止を進言したところで,効果はなかったことなどを理由に,被告Aの行為と損害との間に因果関係は存在しない旨主張する。 しかしながら,①が被告Aの責任を否定する理由にならないことは,前記(4(1)イ)のとおりであり,②についても,平成9年11月ころ以降,償還が困難であることを認識しながら,販売中止を進言することなく,抵当証券商法の維持,促進に当たっていた以上,因果関係の存在を否定することができないのは明らかである。 よって,被告Aの上記主張は採用できない。 (2) 被告Bは,原告ら(の一部)に対して直接金融商品を販売したものであるから,損害との間に因果関係の存在を認めるべきことは明らかである。 6 争点(6)(損害額)について前記のとおり,原告らは,大和都市グループが大幅な債務超過の財政状態にあり,約定どおりの償還を受けられない蓋然性が存在するにもかかわらず,安全かつ有利な商品であるかのように装った大和都市の営業社員による欺罔行為によって,その金融商品を購入させられたものであるから,その代金名下に金員を交付させられたこ 蓋然性が存在するにもかかわらず,安全かつ有利な商品であるかのように装った大和都市の営業社員による欺罔行為によって,その金融商品を購入させられたものであるから,その代金名下に金員を交付させられたこと自体が損害に当たり,その額は交付した代金額と一致するというべきである(後日,破産財団等からの配当がなされたとしても,損害の填補として請求異議の理由になるにすぎない。)。 よって,原告らが被告A及び同Bの不法行為により被った各損害は,別紙被害一覧表の「請求金額(円)」欄に記載のとおりであると認められる。 7 結論以上の次第で,原告らの本訴各請求のうち,被告Aに対する(主位的)請求は理由があるから認容し,同Cに対する(主位的及び予備的)請求は失当として棄却し,同Bに対する請求は,同被告が金融商品を直接販売した原告らに関する部分については理由があるから認容し,その余は失当として棄却し,訴訟費用の負担につき民事訴訟法65条1項本文,64条本文,61条を,仮執行の宣言につき259条1項を適用して,主文のとおり判決する。 名古屋地方裁判所民事第9部裁判長裁判官加藤幸雄裁判官舟橋恭子裁判官小嶋宏幸は,長期出張のため,署名押印できない。 裁判長裁判官加藤幸雄(別紙添付省略)
▼ クリックして全文を表示