平成23(ワ)1432 不正競争行為差止請求事件

裁判年月日・裁判所
平成23年9月7日 東京地方裁判所
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判決文本文3,795 文字)

平成23年9月7日判決言渡同日原本領収裁判所書記官平成23年(ワ)第1432号不正競争行為差止等請求事件口頭弁論終結日平成23年4月20日判決スイス連邦<以下略>原告シャネルエスアーエールエル同訴訟代理人弁護士田中克郎同宮川美津子同菊田行紘同大島正照同佐 々 木達郎東京都町田市<以下略>被告 Y主文 1 被告は,原告に対し,350万円及びこれに対する平成23年2月18日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 2 原告のその余の請求を棄却する。 3 訴訟費用はこれを4分し,その3を原告の負担とし,その余を被告の負担とする。 4 この判決は,第1項に限り,仮に執行することができる。 事実 及び理由第1 請求被告は,原告に対し,1300万円及びこれに対する平成23年2月18日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 第2 事案の概要 1 本件は,原告が,被告に対し,被告がその営業する営業施設において使用す る後記2(1)イの営業表示は原告の周知かつ著名な営業表示と同一又は類似し,被告の行為は不正競争防止法2条1項1号又は2号の不正競争に該当するとして,同法4条に基づき,損害賠償金1300万円及びこれに対する訴状送達日の翌日である平成23年2月18日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める事案である。 2 前提となる事実(証拠等を掲記した事実を除き,当事者間に争いがない。) 日の翌日である平成23年2月18日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める事案である。 2 前提となる事実(証拠等を掲記した事実を除き,当事者間に争いがない。)(1) 当事者ア原告原告は,ガブリエル・シャネル(通称ココ・シャネル)が設立したフランス法人レパルファムシャネル(現在の商号はフランス法人シャネルエスアー)その他のシャネルに由来する法人が製造,販売する商品に関する商標その他の知的財産権を有し,その管理を行うスイス法人である(以下,フランス法人シャネルエスアー及び原告を含むシャネルに由来する法人を総称して「シャネル社」という。)。 イ被告被告は,東京都調布市<以下略>所在の営業施設(以下「被告営業施設」という。)において,「シャネル」,「CHANEL」,「シャネル倶楽部」,「CHANEL倶楽部」及び「シャネルクラブ」の営業表示(以下,これらを併せて「被告営業表示」という。)を使用して,性風俗店を営業している。 (2) 原告の営業表示及びその周知性,著名性シャネル社は,日本において,「シャネル」及び「CHANEL」の表示(以下,併せて「シャネル営業表示」という。)を営業表示として使用している。 シャネル営業表示は,遅くとも昭和30年代の初め頃には,日本においてシャネル社の営業であることを示す表示として周知となっており,また,遅 くとも被告が被告営業表示を使用して営業を開始した昭和59年には,日本においてシャネル社の営業であることを示す表示として著名となっていた。 (3) 被告の行為被告は,昭和59年2月24日から被告営業施設において被告営業表示を使用して営業を開始し,原告が被告営業表示について警告をした後も被告営 示す表示として著名となっていた。 (3) 被告の行為被告は,昭和59年2月24日から被告営業施設において被告営業表示を使用して営業を開始し,原告が被告営業表示について警告をした後も被告営業表示を使用している。(甲10)(4) シャネル営業表示と被告営業表示の類似性被告営業表示のうち,「シャネル」及び「CHANEL」については,原告を含むシャネル社の周知かつ著名な営業表示であるシャネル営業表示と完全に一致している。また,被告営業表示のうち,「シャネル倶楽部」,「CHANEL倶楽部」及び「シャネルクラブ」については,被告営業表示から,政治・社交・文芸・スポーツ・娯楽などで共通の目的を持つ人々によって組織された団体を示す一般名称「倶楽部」,「クラブ」を除いた部分,すなわち「シャネル」,「CHANEL」が,原告を含むシャネル社の周知かつ著名な営業表示であるシャネル営業表示と同一であり,被告営業表示はシャネル営業表示に全体として類似する。 (5) 被告の過失被告には,被告の営業表示として原告を含むシャネル社の周知かつ著名なシャネル営業表示と類似する被告営業表示を使用したことにつき,少なくとも過失がある。 3 争点原告の損害額 4 争点に関する当事者の主張(1) 原告の主張ア被告の行為により原告は営業上の利益を侵害された。 すなわち,被告が被告営業表示を使用する上記2(3)の行為は,原告を含 むシャネル社が築き上げたシャネル社の高級なイメージを侵害すると同時にシャネル社の社会的信用を毀損するものである。また,原告を含むシャネル社が莫大な費用と努力を費やして獲得したシャネル営業表示の顧客吸引力を侵害するものであり,その結果,シャネル営業表示の持つ広告宣伝機能を希釈化し,その知 毀損するものである。また,原告を含むシャネル社が莫大な費用と努力を費やして獲得したシャネル営業表示の顧客吸引力を侵害するものであり,その結果,シャネル営業表示の持つ広告宣伝機能を希釈化し,その知的財産権としての価値を減少させるものであって,シャネル社の今後の多角的な営業活動においても重大な障害となるものである。 イ原告は,昭和59年2月24日から本件訴訟を提起した平成22年12月27日までの間に,少なくとも以下の損害を被った。 (ア) 信用損害 1000万円被告の不正競争によって原告を含むシャネル社が被った損害(シャネル営業表示による営業上の信用利益の侵害による損害)を金銭に評価すると,その金額は1000万円を下らない。 (イ) 弁護士費用 300万円本件訴訟は,不正競争防止法に基づく専門的な事件である上,原告は外国法人であることから自ら訴訟を提起することが困難であり,法律専門家である弁護士に依頼しなければ解決が困難な事案であること,また,原告と原告代理人との連絡に際しては特にフランス語又は英語を理解する弁護士を必要とすること,さらに,関係書類の翻訳等に多大な労力や費用を要することなどを勘案すれば,相当因果関係のある弁護士費用は300万円を下らない。 (2) 被告の主張原告の主張は否認ないし争う。 第3 当裁判所の判断 1 上記第2,2の前提となる事実によれば,被告は,昭和59年2月24日から,被告営業施設において被告営業表示を使用して性風俗店を営業しており, また,シャネル営業表示は,遅くとも被告が被告営業表示の使用を開始した昭和59年の時点で,日本においてシャネル社の営業であることを示す表示として著名なものとなっており,被告営業表示はシャネル営業表示に類似するものであるから,被 とも被告が被告営業表示の使用を開始した昭和59年の時点で,日本においてシャネル社の営業であることを示す表示として著名なものとなっており,被告営業表示はシャネル営業表示に類似するものであるから,被告がその営業を示す表示として被告営業表示を使用する行為は,不正競争防止法2条1項2号所定の不正競争に該当する。 なお,被告は,被告営業表示を自己の営業施設の営業表示として使用する行為は,一般消費者に,原告を含むシャネル社と被告との間に緊密な営業上の関係又は同一のグループに属する関係が存在すると誤信させるものである旨の原告の主張を争うが,これは不正競争防止法2条1項1号所定の不正競争の該当性に関するものであり,被告の行為が同項2号所定の不正競争に該当することを左右するものではない。 2 そして,被告がその営業を示す表示として被告営業表示を使用する行為は,シャネル営業表示の有する高級なイメージを希釈し,シャネル社の知的財産権を管理する原告の営業上の利益を侵害し,その信用を害したものと認められる。 原告の被った損害の額は,原告の事業内容,シャネル営業表示の有するイメージ,被告が経営する事業の業種,内容及び被告営業表示の使用期間等に鑑みると,300万円と認めるのが相当である。また,原告は弁護士を選任して本件訴訟を遂行しているところ,本件事案の性質,上記認容額その他諸般の事情を考慮すると,その弁護士費用のうち50万円を被告の上記不正競争と相当因果関係のある損害と認めるのが相当である。 したがって,被告の上記不正競争により原告が被った損害額は350万円と認められ,原告の請求は,主文第1項記載の限度で理由がある。 3 よって,原告の請求は,主文第1項の限度で理由があるからこの限度で認容し,その余は理由がないから棄却することとして,主文のとおり判 と認められ,原告の請求は,主文第1項記載の限度で理由がある。 よって,原告の請求は,主文第1項の限度で理由があるからこの限度で認容し,その余は理由がないから棄却することとして,主文のとおり判決する。 主文 東京地方裁判所民事第40部裁判長裁判官 岡本岳 裁判官 坂本康博 裁判官 寺田利彦

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