- 1 - 主文被告人を懲役13年に処する。 未決勾留日数中280日をその刑に算入する。 理由【罪となるべき事実】被告人は、交際相手のA(以下「被害者」という。)から、被害者と交際する以前の女性関係を度々責められたことなどでストレスを蓄積させていたが、令和3年6月3日の昼過ぎころから、京都市B区(以下略)当時の被告人方において、被害者から同様に激しく責め立てられたことにより激高し、同日午後3時頃から同日午後4時40分頃までの間に、同所において、被害者(当時48歳)に対し、殺意をもって、その頸部を両手で絞め付け、よって、その頃、同所において、被害者を頸部圧迫による窒息により死亡させた。 【証拠の標目】(略)【法令の適用】罰条 刑法199条刑種の選択 有期懲役刑未決勾留日数 刑法21条訴訟費用の不負担 刑事訴訟法181条1項ただし書【量刑の理由】被告人は、当時中学1年生の子の母親であった被害者の生命を奪っている。被害者の無念さは察するに余りある。被害結果は重大であるというほかない。残された遺族の処罰感情が厳しいのも当然である。興奮状態で及んだ突発的な犯行であるが、一定時間、被害者の首を絞め続け、一旦手を緩めたものの再度首を締めて窒息死させたのであり、強固な殺意があったと認められる。 被告人は、被害者と交際を続ける中で、度々、暴言や暴行を受けることもあった - 2 - が、被害者に対する愛情と日常生活上の依存から被害者と別れることはなく、被害者もまた被告人に執着しており、両者は共依存の関係にあった。被害者との関係等によるストレスの蓄積により、犯行当時、遷延性抑うつ反応や死に至る難病であると確信する心気障害に罹患してお ことはなく、被害者もまた被告人に執着しており、両者は共依存の関係にあった。被害者との関係等によるストレスの蓄積により、犯行当時、遷延性抑うつ反応や死に至る難病であると確信する心気障害に罹患しており、犯行直前には「今、このタイミングしかない」という幻聴が聞こえた解離性の症状もあった。もっとも、犯行に及んだのは、自らの意思決定に基づく部分が大きく、精神障害が犯行に及ぼした影響は限定的である。 他方で、被告人が精神障害に罹患するほどストレスを蓄積させたのは、被告人に非のない過去の女性関係を度々被害者に責められたことが主な原因である。また、共依存の関係にあったから、被害者と別れなかったことについて被告人のみを責めることはできない。加えて、犯行当日も、これまで同様、被害者から過去の女性関係を責め立てられ、殴る蹴るの暴行を受けて脅迫めいたことを言われたことが引き金となって、犯行に及んでいる。このような経緯自体は被告人のために一定程度有利に考慮すべきである。 以上を踏まえ、被告人がした罪の重さを検討すると、同種事案(男女関係(DV以外)に起因する殺人1件の単独犯の事案)の中でやや軽い部類といえる。 そして、裁判が始まるまで遺族への謝罪がなかったことや法廷での発言等からすると、被告人が自分の犯した罪と真摯に向き合っているとはいえない。しかし、罪自体は認めて反省の弁を述べていること、本件は被害者との関係から生じた個別性の強い犯行であり、被告人自身に粗暴な傾向はうかがわれないこと等からすると、再犯のおそれは余りないと思われる。 以上より、被告人に対しては、主文の刑を科すのが相当であると判断した。 (求刑 懲役17年、弁護人の科刑意見 懲役8年)令和4年11月11日京都地方裁判所第3刑事部 裁判長裁判官 安永武央 の刑を科すのが相当であると判断した。 (求刑 懲役17年、弁護人の科刑意見 懲役8年)令和4年11月11日京都地方裁判所第3刑事部 裁判長裁判官 安永武央 - 3 - 裁判官 村川主和 裁判官 大野友己
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