平成24(行ウ)129 政務調査費返還請求事件

裁判年月日・裁判所
平成27年4月8日 大阪地方裁判所 住民訴訟
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判決文本文40,539 文字)

平成27年4月8日判決言渡平成24年(行ウ)第129号政務調査費返還請求事件 主文 1 被告は,補助参加人P1に対し,3万2460円及びこれに対する平成24年10月12日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払うよう請求せよ。 2 原告らのその余の請求をいずれも棄却する。 3 訴訟費用及び補助参加によって生じた費用の負担は,別紙6「訴訟費用等負担一覧表」のとおりとする。 事実 及び理由第1 請求被告は,別紙2の1「請求一覧表(会派)」及び別紙2の2「請求一覧表(議員個人)」の「相手方」欄記載の各相手方に対し,これに対応する「請求額(円)」欄記載の各金員及びこれに対する平成24年7月4日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払うようそれぞれ請求せよ。 第2 事案の概要 1 事案の骨子本件は,茨木市の住民である原告らが,平成22年度(平成22年4月1日~平成23年3月31日)当時茨木市議会議員であった者ら及び同人らの一部が所属していた各会派(以下,同人ら及び同各会派を併せて「本件相手方ら」という。)は,茨木市から交付を受けた同年度の政務調査費(以下「本件政務調査費」という。)の一部を違法に支出したから,茨木市は本件相手方らに対する不当利得返還請求権又は不法行為に基づく損害賠償請求権を有するにもかかわらず,茨木市の執行機関である被告がその行使を怠っている旨主張して,被告に対し,地方自治法242条の2第1項4号に基づき,本件政務調査費から違法に支出された額に相当する金員及びこれに対する平成24年7月4日 (訴状送達の日の翌日)から支払済みまで民法所定の年5分の割合による利息又は遅延損害金の支払を本件相手方らに請求することを求める住民訴訟である。 2 関係法令等の定め 平成24年7月4日 (訴状送達の日の翌日)から支払済みまで民法所定の年5分の割合による利息又は遅延損害金の支払を本件相手方らに請求することを求める住民訴訟である。 2 関係法令等の定め(1) 地方自治法(平成24年法律第72号による改正前のもの。以下,同じ。)の定め地方自治法100条14項及び15項は,政務調査費の交付手続に関し,要旨,以下のとおり定める。 ア普通地方公共団体は,条例の定めるところにより,その議会の議員の調査研究に資するため必要な経費の一部として,その議会における会派又は議員に対し政務調査費を交付することができ,当該政務調査費の交付の対象,額及び交付の方法は条例で定めなければならない(100条14項)。 イ上記アの政務調査費の交付を受けた会派又は議員は,条例の定めるところにより,当該政務調査費に係る収入及び支出の報告書を議長に提出するものとする(100条15項)。 (2) 茨木市議会政務調査費の交付に関する条例の定め(乙2)平成23年茨木市条例第36号による改正前の茨木市議会政務調査費の交付に関する条例(平成13年茨木市条例第12号。以下「本件条例」という。)は,政務調査費の交付手続に関し,要旨,以下のとおり定める。 ア本件条例は,地方自治法100条14項及び15項の規定に基づき,茨木市議会議員の調査研究に資するため必要な経費の一部として政務調査費を交付することに関し,必要な事項を定める。(1条)イ政務調査費は,会派(3人以上の所属議員を有するものをいう。)及び議員の職にある者に対して交付する(2条)。 ウ会派及び議員は,政務調査費を別に定める使途基準に従って使用するものとし,市政に関する調査研究に資するため必要な経費以外のものに充て 議員の職にある者に対して交付する(2条)。 ウ会派及び議員は,政務調査費を別に定める使途基準に従って使用するものとし,市政に関する調査研究に資するため必要な経費以外のものに充て てはならない(6条)。 エ政務調査費の交付を受けた会派の経理責任者及び議員は,政務調査費収支報告書(以下「収支報告書」という。)を作成し,会計帳簿及び領収書等の証拠書類を添えて,議長に提出しなければならない(8条1項)。 オ政務調査費の交付を受けた会派及び議員は,その年度において交付を受けた政務調査費の総額から,当該会派及び議員がその年度において市政の調査研究に資するため必要な経費として支出した総額を控除して残余がある場合,当該残余の額に相当する額の政務調査費を返還しなければならない(9条)。 (3) 茨木市議会政務調査費の交付に関する規則の定め(乙3)平成25年茨木市規則第4号による改正前の茨木市議会政務調査費の交付に関する規則(平成13年茨木市規則第27号。以下「本件規則」という。)は,本件条例に基づき交付される政務調査費に関し,要旨,以下のとおり定める。 ア本件条例6条に規定する政務調査費の使途基準(以下「本件使途基準」という。)は,会派に係るものについては別紙3の1「会派に係る政務調査費使途基準」の,議員に係るものについては別紙3の2「議員に係る政務調査費使途基準」の,「項目」欄記載の項目(研究研修費,調査旅費,資料作成費,資料購入費,広報・広聴費,人件費,事務所費及びその他の経費)に応じ,それぞれに対応する「内容」欄記載のとおりとする(5条)。 イ議長は,上記⑵エにより提出された収支報告書の写しを市長に送付するものとする(7条)。 ウ政務調査費の交付を受けた会派の経理責任者及び議 る「内容」欄記載のとおりとする(5条)。 イ議長は,上記⑵エにより提出された収支報告書の写しを市長に送付するものとする(7条)。 ウ政務調査費の交付を受けた会派の経理責任者及び議員は,政務調査費の支出について会計帳簿を調製するとともに,領収書等の証拠書類を整理しなければならない(8条)。 (4) 茨木市議会政務調査費の支出に関する内規の定め(乙4) 茨木市議会政務調査費の支出に関する内規(以下「本件内規」という。)は,本件規則が規定する使途基準及び証拠書類の取扱い等政務調査費の支出について,会派に係るものと議員に係るものに分けて定めを置いており,本件使途基準の取扱い及びその支出基準を別紙4の1「茨木市議会政務調査費の支出に関する内規会派用」及び別紙4の2「茨木市議会政務調査費の支出に関する内規議員用」のとおり定める(第2)ほか,上記(3)ウの領収書等の証拠書類とは,支払伝票,出張調書,支払調書,支払証明書,支払確認書及び事務所届であり,支払伝票は,原則として,全ての政務調査費の支出に対して作成し,領収書又は支払証明書を添付すべき旨を定めている(第3,第4)。 3 前提事実(顕著な事実,当事者間に争いのない事実並びに証拠及び弁論の全趣旨により容易に認められる事実)(1) 当事者等ア原告らは,茨木市の住民である。 イ被告は,茨木市の執行機関である。 ウ別紙2の1の「相手方」欄記載の相手方ら(補助参加人P1,同P2,同P3,同P4及び同P5)は,いずれも,平成22年度当時,茨木市議会の会派であった権利能力なき社団である。 エ別紙2の2の「相手方」欄記載の相手方らは,平成22年度当時,茨木市議会の議員であった者であり,その任期は,平成25年1月30日まで ,茨木市議会の会派であった権利能力なき社団である。 エ別紙2の2の「相手方」欄記載の相手方らは,平成22年度当時,茨木市議会の議員であった者であり,その任期は,平成25年1月30日までであった。 (2) 本件相手方らは,茨木市から平成22年度に交付を受けた政務調査費(本件政務調査費)から,同年度中に,別紙5の1(上記(1)ウ記載の相手方らに係るもの)及び別紙5の2(上記(1)エ記載の相手方らに係るもの)の「政務調査費支出額(円)」欄記載の各金額を支出した上,その使途基準項目(本件使途基準が定める上記2(3)アの項目)が上記各金額に対応する上記各別 紙の「使途基準項目」欄のとおりであり,その支出対象が,要旨,「支出対象」欄記載のとおりであるとする支払伝票を作成し,それらの内容を前提として作成された収支報告書や領収書等と共に茨木市議会の議長に提出し,その収支報告書の写しが同議長を通じて被告に送付された。 (3) 本件訴訟に至る経緯等ア原告らは,平成24年3月28日,茨木市監査委員に対し,本件相手方らが本件政務調査費の一部につき違法な支出をしたとして,これにより茨木市の被った損害額の返還を被告が本件相手方らに対し求めるよう勧告すること等を求める住民監査請求をした。(甲1)イ茨木市監査委員は,同年5月24日,原告らに対し,原告らの上記アの監査請求は理由がなく,原告らの求める措置を講ずる必要はない旨の監査結果を通知した。(甲2)ウ原告らは,同年6月22日,本件訴訟を提起した。(顕著な事実) 4 本件の争点本件の主な争点は,本件相手方らが平成22年度中に行った本件政務調査費の支出(上記3(2))のうち,別紙5の1・2の各「違法な支出額」欄記載の各金額の支出(以下「本件各支出」という。)が違法 争点 本件の主な争点は,本件相手方らが平成22年度中に行った本件政務調査費の支出(上記3(2))のうち,別紙5の1・2の各「違法な支出額」欄記載の各金額の支出(以下「本件各支出」という。)が違法であるかであり,これに関する当事者の主張は以下のとおりである。 (原告らの主張)(1) 地方自治法2条14項の趣旨に鑑みると,政務調査費の支出は,住民福祉,公共目的に費用が適合していること,最小の費用で最大限の効果を上げることが要求されていると考えられるし,同法100条14項が政務調査費を「議員の調査研究に資するため必要な経費の一部」と規定していること,地方財政法8条が地方公共団体の財産につき「最も効率的に」運用しなければならない旨定めていること等に鑑みると,地方自治法100条14項に基づく本件規則の解釈及び運用は厳格・厳正にされなければならず,政務調査 費は,市政に関する調査研究活動に要する必要最小限の経費について認められるべきものである。 本件各支出は,市政に関する調査研究活動に要する必要最小限の経費とはいえず,これについて政務調査費を支出したことは違法である。 したがって,本件相手方らは,茨木市に対し,同部分に相当する金額について不当利得の返還義務を負い,また,違法な支出となる政務調査費を請求したこと自体について不法行為が成立し,本件相手方らには故意又は過失があるから,上記金額に係る損害について不法行為に基づく損害賠償義務も免れない(本件各支出についての原告らの個別的主張は,別紙5の1・2の「原告らの主張」欄中の「理由」欄記載のとおりである。)。 なお,本件各支出のうちには,クレジットカードで支払がされているものがあるところ,クレジットカードは後払いであるため,現金支払と同視するとしても金利分の利益が生じているし,クレ とおりである。)。 なお,本件各支出のうちには,クレジットカードで支払がされているものがあるところ,クレジットカードは後払いであるため,現金支払と同視するとしても金利分の利益が生じているし,クレジットカードや家電量販店のカード等の利用によるポイントの取得も経済的な利益に当たり,これらについても返還がなされるべきである。 (2) 本件相手方らは,本件各支出が本件使途基準や本件内規に適合するものであるから適法である旨主張するが,以下の本件使途基準及び本件内規の定めは違法,不当な基準というべきであるから,これに適合することをもって本件各支出が適法であるということはできない。 ア本件使途基準について(ア) 広報・広聴費本件使途基準は,市政に関する調査研究活動についての報告とそれ以外の会派・議員個人の活動報告との区別を明確に定めていないことから,市政の調査研究活動と無関係な会派・議員個人の広報・広聴への政務調査費の支出が可能になってしまうため,広報・広聴費に係る本件使途基準の定めは違法,不当な基準というべきである。 (イ) 人件費会派・議員の行う調査研究活動を補助する職員がそれ以外の職務にも従事する可能性を排除できないし,調査研究活動を補助する能力もない親族等を単なる名目上の補助職員として政務調査費を支出するおそれもあるため,人件費に係る本件使途基準の定めは違法,不当な基準というべきである。 (ウ) 事務所費茨木市の市議会会派・議員に,調査研究活動のための事務所は不要であるし,そのような事務所は会派の内部事務や議員の選挙活動に使用されるおそれがあるから,事務所費に係る本件使途基準の定めは違法,不当な基準というべきである。 イ本件内規について(ア) 日当(研究研修費,調査旅費)議員としての 員の選挙活動に使用されるおそれがあるから,事務所費に係る本件使途基準の定めは違法,不当な基準というべきである。 イ本件内規について(ア) 日当(研究研修費,調査旅費)議員としての活動に対しては議員報酬が支払われる以上,研究研修活動に対する日当に政務調査費を支出することは,給与の二重支払となるから,日当への政務調査費の支出を認める本件内規の定めは違法,不当な基準というべきである。 (イ) 講師弁当代(研究研修費)・茶菓子代(研究研修費,広報・広聴費)講師に対しては謝礼の支出が認められているのであるから,これとは別途に講師弁当代に政務調査費を支出することは許されない。また,茶菓子代は調査研究活動に資するものではないから,政務調査費を支出することは許されない。したがって,これらを認める本件内規の定めは違法,不当な基準というべきである。 (ウ) 事務機器購入費等(資料作成費)事務機器は,私的な利用にも供されるものであり,その購入費,リース料,修理代等は,公私の区別が困難な費目であるから,これに政務調 査費の支出を認める本件内規の定めは違法,不当な基準というべきである。 (エ) 新聞等購入費(資料購入費)新聞及び図書は,図書館等に常備されているから購入の必要性がないし,また,新聞等は私的な利用にも供されるものであり,その購入費は公私の区別が困難な費目であるから,これに政務調査費の支出を認める本件内規の定めは違法,不当な基準というべきである。 (オ) 自宅兼事務所の維持管理費(事務所費)自宅の維持管理に必要な経費は議員報酬として支払われる以上,自宅兼事務所の維持管理費に政務調査費を支出することは給与の二重払いとなるから,これを認める本件内規の定めは違法,不当な基準というべきである。 (カ) ガソリン 費は議員報酬として支払われる以上,自宅兼事務所の維持管理費に政務調査費を支出することは給与の二重払いとなるから,これを認める本件内規の定めは違法,不当な基準というべきである。 (カ) ガソリン代(研究研修費,調査旅費,広報・広聴費)自動車は私的な利用にも供されるものであり,ガソリン代は公私の区別が困難な費目であるから,政務調査費を支出することは許されない。 仮に政務調査費を支出することが許されるとしても,個別具体的な使用状況に応じて政務調査費を支出することが許されるのであって,一律50パーセント支出することを認める本件内規の定めは違法,不当な基準というべきである。 (キ) 電話,携帯電話,インターネット使用料及びプロバイダー契約料に係る通信費(広報・広聴費)電話,携帯電話,インターネット等は,私的な利用にも供されるものであり,それらの使用料及びプロバイダー契約料に係る通信費は,公私の区別が困難な費目であるから,政務調査費を支出することは許されない。仮に政務調査費を支出することが許されるとしても,個別具体的な使用状況に応じて政務調査費を支出することが許されるのであって,一 律50パーセント支出することを認める本件内規の定めは違法,不当な基準というべきである。 (被告の主張)(1) 政務調査費の使途については,地方自治法100条14項が「議員の調査研究に資するため必要な経費の一部として」と定めるのみで,具体的な内容を明確にしていないことや,同項が「当該政務調査費の交付の対象,額及び交付の方法は,条例で定めなければならない」と規定していることに鑑みると,政務調査費の使途については,地方自治法の趣旨に反しない限り,各地方公共団体の規模,地域の実情,議員の調査研究活動の実態等の諸事情に応じた運用を図るべく,各地方公共 」と規定していることに鑑みると,政務調査費の使途については,地方自治法の趣旨に反しない限り,各地方公共団体の規模,地域の実情,議員の調査研究活動の実態等の諸事情に応じた運用を図るべく,各地方公共団体の裁量に任されているというべきである。 そして,本件使途基準に定められている項目及び内容は,議会の審議能力を強化し,議員の調査研究活動の基盤の充実を図るという政務調査費制度の趣旨を達成する上で必要・有益な費用を類型化したものであり,全国各市議会の議長を会員とする全国市議会議長会が標準的なひな形として作成した基準に即したものでもあるから,地方自治法100条14項の趣旨を具体化した適正かつ妥当なものである。 (2) また,議会の審議能力や議員の調査研究活動の基盤の充実を図るという政務調査費交付制度の趣旨に鑑みれば,上記使途基準に係る支出の具体的項目やその上限金額等については,各地方公共団体が,それぞれの実情に応じて裁量により設定すべきものである。 茨木市は,政務調査費の趣旨を全うするために会派・議員の自主性を尊重する一方,支出の適正をいかに図るかということについても十分に考慮した上で,本件内規において,本件使途基準の項目のうち通常一般に想定され,調査研究活動にとって必要又は有益な項目を「小項目」として具体化し,「留意事項及び事例」として,支出に当たっての注意事項や具体例を挙げ,金額 の上限や回数制限を設けるなどして支出に一定の制限を加え,支出基準を定めている。 このような基準は合理的なものであり,本件内規の定めは適法である。 (3) 上記のとおり,本件使途基準及び本件内規は適法なものであるから,本件各支出はこれらに合致する限り,適法である。 そして,被告は,本件条例,本件規則及び本件内規の定めに基づいて本件相手方らから提出 上記のとおり,本件使途基準及び本件内規は適法なものであるから,本件各支出はこれらに合致する限り,適法である。 そして,被告は,本件条例,本件規則及び本件内規の定めに基づいて本件相手方らから提出された収支報告書や領収書等を検証し,本件各支出に係る日付,金額,領収者について確認し,本件各支出が,本件使途基準及び本件内規に合致していると判断している。 したがって,本件各支出は適法である。 (補助参加人P1ほか7名の主張)(1) 政務調査費の支出基準の定め方については,議会の自律性を尊重するという観点から,議会に広く裁量が認められているので,議会が定めた基準は,一見して明らかに裁量を逸脱していると認められない限りは,適法であると解すべきである。 そして,本件内規の定めは,いずれも社会通念上相当なものとして是認できる内容である上,議会の審議能力を強化し議員の調査研究活動の基盤の充実を図ろうとした地方自治法の趣旨に合致するものであるから,議会の裁量の範囲内で定められたものとして適法な基準であるというべきである。 (2) そして,地方議員の権能が極めて広範にわたり,各議員及び会派の調査研究活動も多岐にわたるものであることに照らせば,調査研究活動の内容については,議員や会派の自主性,自律性を尊重し,議員や会派に広範な裁量が認められるから,政務調査費の支出が違法となるのは,当該支出の対象が,一見して明らかに市政とは無関係なものである場合や,著しく高額である場合に限られると解すべきである。 本件各支出については,一見して明らかに市政とは無関係である支出や, 著しく高額である支出は存在しないので,いずれも適法である(本件各支出についての補助参加人P1ほか7名の個別的主張は,別紙5の1・2の「被告補助参加人らの主張」欄〔補助参加人 る支出や, 著しく高額である支出は存在しないので,いずれも適法である(本件各支出についての補助参加人P1ほか7名の個別的主張は,別紙5の1・2の「被告補助参加人らの主張」欄〔補助参加人P1ほか7名に係る部分〕記載のとおりである。)。 (補助参加人P2ほか16名の主張)(1) 地方自治法100条14項は,政務調査費が,市政に関する調査研究活動に必要又は有益な経費以外に充てられることを禁止するという趣旨の規定にすぎず,議会の審議能力の強化と,使途の透明性確保をいかに調整するかは,各地方公共団体の自主的な判断に委ねられている。本件使途基準及びこれをより具体化した本件内規は,上記調整を茨木市が自主的に行ったものであって,これらはいずれも政務調査費を市政に関する調査研究活動にとって必要又は有益な経費以外に利用することを許容するものではないから,同項に反するものではない。 (2) そして,本件各支出は,いずれも本件内規に適合するものであるから適法である(本件各支出についての補助参加人P2ほか16名の個別的主張は,別紙5の1・2の「被告補助参加人らの主張」欄〔補助参加人P2ほか16名に係る部分〕記載のとおりである。)。 なお,本件各支出が本件内規に適合するものである以上,これを違法であると主張する原告らにおいて,本件各支出が,政務調査に必要又は有益な経費とはいえないことを推認させる一般的,外形的な事情を主張立証すべきであるが,原告らはそのような事情の主張立証を行っていない。 (補助参加人P6の主張)(1) 政務調査費は,地方議員の調査研究活動の基盤を充実させ,地方議会の審議能力を強化することを目的とするものであるから,直接及び間接に議員の議会活動に反映・寄与する行為については,政務調査費を支出することが認められる。 査研究活動の基盤を充実させ,地方議会の審議能力を強化することを目的とするものであるから,直接及び間接に議員の議会活動に反映・寄与する行為については,政務調査費を支出することが認められる。 そして,政務調査費の支出に関する基準の設定は,市民からの付託を受けた議員により構成される議会に委ねられているところ,本件使途基準及び本件内規の定めには,会派及び議員の自立性を確保しつつ,政務調査費の使途の適切さを確保するという観点に照らして,不合理・不相当なところは見当たらない。 そうすると,政務調査費の支出が,本件使途基準及び本件内規に適合するものであれば,そのような支出は適法なものであると推認されるというべきである。 (2) 本件各支出は,本件使途基準及び本件内規に適合するものであるから,本件各支出は適法な支出であることが推認され,その適法性を否定する原告らにおいて,少なくとも個々の支出ごとに,当該支出が調査研究活動のために支出されたものではないことを合理的に推測させる具体的な事実を主張立証しなければならないが,原告らはそのような主張立証を行っていない。 したがって,本件各支出は適法である(本件各支出についての補助参加人P6の個別的主張は,別紙5の1・2の「被告補助参加人らの主張」欄(補助参加人P6に係る部分)記載のとおりである。)。 第3 当裁判所の判断 1 判断の枠組み等について(1) 政務調査費の趣旨等についてア地方自治法100条14項及び15項の規定による政務調査費の制度は,議会の審議能力を強化し,議員の調査研究活動の基盤の充実を図るため,議会における会派又は議員に対する調査研究の費用等の助成を制度化し,併せてその使途の透明性を確保しようとしたものである。もっとも,これらの規定は,「議員の調査研究に資す 活動の基盤の充実を図るため,議会における会派又は議員に対する調査研究の費用等の助成を制度化し,併せてその使途の透明性を確保しようとしたものである。もっとも,これらの規定は,「議員の調査研究に資するため必要な経費の一部として」政務調査費を交付する旨を定めた上,その交付の対象,額及び交付の方法は,条例で定めなければならないと定め,政務調査費の使途の透明性を確 保するための手段としても,条例の定めるところにより政務調査費に係る収入及び支出の報告書を議長に提出することのみを定めていることから,具体的な政務調査費の交付の対象,額及び交付の方法等並びにその使途の透明性を確保するための具体的な報告の程度及び内容等については,各地方公共団体がその実情に応じて制定する条例の定めに委ねているものと解される(最高裁平成22年4月12日第二小法廷決定・裁判集民事234号1項参照)。 茨木市においては,地方自治法100条14項及び15項に基づき政務調査費を交付することに関し必要な事項を定めるものとして制定された本件条例が,政務調査費の交付を受けた会派及び議員は,政務調査費を別途定める使途基準に従って使用すべき旨を定め(6条),これを受けた本件規則が本件使途基準を定めている。さらに,茨木市議会は,本件使途基準の定めをより具体化するものとして,議院運営委員会等での協議,決定を経て,議長決裁により本件内規を定めている(甲19の2~4,弁論の全趣旨)。 そして,下記(2)のとおり,本件使途基準及び本件内規が上記地方自治法100条14項等の規定の目的や趣旨に沿わないものとみるべき事情はない。 イここで,上記のとおり,本件条例及び本件規則によって,本件使途基準に従い政務調査費を使用すべきことが定められ,また,政務調査費の交付を受けた会派及び議 わないものとみるべき事情はない。 イここで,上記のとおり,本件条例及び本件規則によって,本件使途基準に従い政務調査費を使用すべきことが定められ,また,政務調査費の交付を受けた会派及び議員は,その年度において交付を受けた政務調査費の総額から,当該会派及び議員がその年度において市政の調査研究に資するため必要な経費として支出した総額を控除して残余がある場合には,当該残余の額に相当する額の政務調査費を返還しなければならないものとされていることからすると,政務調査費の交付を受けた会派又は議員が本件使途基準に反して政務調査費を支出した場合には,当該会派又は議員は,法律 上の原因なく,茨木市の公金の損失において利得を得ているものとして,当該支出相当額について,茨木市に対して不当利得返還債務を負うものと解される(なお,本件内規の定めは法規範性を有するものではないが,下記(2)のとおり,本件使途基準の定めを具体化したものとして適法,適正なものであるから,本件各支出が本件使途基準に反するか否かの判断に当たって,参考とされるべきものであると解される。)。 ところで,上記のような不当利得返還請求権の発生を基礎付ける具体的事実(法律上の原因を欠くこと,すなわち,政務調査費の支出が本件使途基準に違反し違法であることを含む。)の主張立証責任は,本来,原告らが負うべきものである。しかし,本件規則において,政務調査費の交付を受けた会派の経理責任者及び議員は,政務調査費の支出について会計帳簿を調整するとともに,領収書等の証拠書類を整理しなければならないと規定されていること,他方,茨木市の住民が,政務調査費の交付を受けた会派及び議員の収支報告書に計上された支出の有無及び内容を逐一把握することは困難であることなどを考慮すると,原告らにおいて,収 いと規定されていること,他方,茨木市の住民が,政務調査費の交付を受けた会派及び議員の収支報告書に計上された支出の有無及び内容を逐一把握することは困難であることなどを考慮すると,原告らにおいて,収支報告書に計上された支出が本件使途基準に違反する支出であることをうかがわせる一般的,外形的事実を主張立証した場合には,被告及び本件相手方らの側において,当該支出が本件使途基準に違反する支出ではないことを相当の根拠,資料に基づき主張,立証する必要があり,被告及び補助参加人らがそのような主張,立証を尽くさない場合には,当該支出が本件使途基準に違反するものであることが事実上推認されるというべきである。 (2) 本件使途基準及び本件内規に係る原告らの主張についてア本件使途基準について原告らは,本件規則の定める本件使途基準につき,広報・広聴費,人件費及び事務所費に係る定めが,市政に関する調査研究活動以外の活動に政務調査費が流用されることを許容する内容となっているとして,本件使途 基準は,違法,不当な基準である旨主張する。 しかし,本件使途基準は,上記のとおり,地方自治法100条14項及び15項を受けた本件条例に基づき,会派や議員が交付を受けた政務調査費を支出する際の具体的基準を,会派又は議員の調査研究活動において一般的に発生すると考えられる経費を類型化することによって定めており,広報・広聴費につき,「調査研究活動,議会活動及び市の施策について住民に報告し,PRに要する経費」等,人件費につき,「調査研究活動を補助する職員を雇用する経費」,事務所費につき,「調査研究活動のために必要な事務所の設置,管理に要する経費」として,いずれも,政務調査費の支出が,市政に関する調査研究活動と合理的関連性を有することを要求しており,「議員の調査研究 務所費につき,「調査研究活動のために必要な事務所の設置,管理に要する経費」として,いずれも,政務調査費の支出が,市政に関する調査研究活動と合理的関連性を有することを要求しており,「議員の調査研究に資するため必要な経費の一部として」政務調査費を交付する旨を定める地方自治法100条14項の趣旨に合致する適法,相当な基準であると認められる(なお,本件使途基準の趣旨に照らせば,研究研修費については,その開催に必要な経費につき政務調査費の支出が認められる研究会等は,市政に関する調査研究活動と合理的関連性を有するものに限られ,また,調査旅費については,その経費に政務調査費の支出が認められる調査とは,市政に関する調査研究活動と合理的関連性を有するものに限られ,資料作成費については,その経費に政務調査費の支出が認められる資料作成とは,市政に関する調査研究活動と合理的関連性を有するものに限られると解され,上記各費目に係る本件使途基準の定めも,同項の趣旨に合致する適法,相当な基準であると認められる。)。 調査研究活動以外の活動に政務調査費が流用される得る可能性があることのみをもって,本件使途基準の上記定めの適法性,相当性が否定されるものではなく,上記各経費が実際に調査研究活動やそれと合理的関連性を有する活動以外の活動に流用されたことをうかがわせるような一般的,外形的事実の主張,立証がない限り,上記(1)イに説示したような事実上の 推認も働かないものというべきである。 したがって,原告らの上記主張は採用することができない。 イ本件内規について(ア) 本件内規は,本件規則が定める使途基準につき,その支出項目ごとに小項目を設け,具体例や留意事項を挙げるなどして,「議員の調査研究に資するため必要な経費」につき,より詳細な定めを置くものであると ア) 本件内規は,本件規則が定める使途基準につき,その支出項目ごとに小項目を設け,具体例や留意事項を挙げるなどして,「議員の調査研究に資するため必要な経費」につき,より詳細な定めを置くものであるところ,その内容(本件内規の別表1・2〔別紙4の1・2〕参照)に,「議員の調査研究に資するため必要な経費」を具体化したものとして格別不合理な点は見当たらない。したがって,本件内規の各定めは,上記の政務調査費に係る地方自治法の規定の趣旨に沿った適法,適正なものというべきである。 (イ) 原告らの主張する違法事由についてa 原告らは,本件内規が日当(研究研修費,調査旅費)に政務調査費を支出することを認めるのは,給与の二重払いを認めるものであり,違法,不当である旨主張する。 しかし,本件内規は,茨木市職員旅費条例(丙A15)の定めを準用し,研究研修費又は調査旅費として,政務調査費を1日当たり3000円の日当に支出することを認めているところ,日当とは旅費,宿泊費に含まれていない出張中の諸雑費の支払に充てるものであり,報酬として支払われるものではないから,その支払が給与,報酬の二重払いに当たるものとはいえないし,上記金額も社会通念上許容される範囲にとどまるものということができる。 したがって,日当に係る本件内規の定めが違法,不当であるということはできない。 b 原告らは,本件内規が,講師への謝金・謝礼に加えて,講師の弁当代(研究研修費)に政務調査費を支出することを認めるのは,必要の ない使途に政務調査費の支出を認めるものであり,違法,不当である旨主張する。しかし,講師に対して謝金・謝礼を支払う場合であっても,これに加えて弁当代を支給することは社会通念上許容されるものであって,調査研究活動に必要のないものとまではい あり,違法,不当である旨主張する。しかし,講師に対して謝金・謝礼を支払う場合であっても,これに加えて弁当代を支給することは社会通念上許容されるものであって,調査研究活動に必要のないものとまではいえないし,内規の定める1回1人当たり3000円以内という金額も,社会通念上許容される範囲にとどまるものということができる。 また,原告らは,本件内規が,調査研究活動に資するとはいえない茶菓子代(研究研修費,広報・広聴費)に政務調査費を支出することを認めるのは,違法である旨主張する。しかし,研究研修等の場に茶菓子を用意することは,社会通念上許容されるものであって,調査研究活動に資する側面がないとまではいえない上,内規の定める1回1人当たり2000円以内という金額も,社会通念上許容される範囲にとどまるものということができる。 したがって,講師弁当代及び茶菓子代に係る本件内規の定めが違法,不当であるということはできない。 c 原告らは,本件内規が,公私の区別が困難な事務機器の購入費,リース料,修理代等(資料作成費)に政務調査費を支出することを認めることは違法,不当である旨主張する。 しかし,事務機器は調査研究活動のために必要性の高いものであるから,その購入費等に政務調査費の支出を認めることは,社会通念上相当なものであるということができる。公私の区別が困難であるからといって,調査研究活動に必要な事務機器の購入を否定することは,かえって,議会の審議能力を強化し,議員の調査研究活動の基盤の充実を図ろうとした政務調査費制度の趣旨を没却することにもつながりかねず,そのような事情が事務機器の購入費等に政務調査費を支出することを一律に否定すべき理由となるものとは考えられない(この点 については,後記d,f,gの公私の区別の困難な費目に係 がりかねず,そのような事情が事務機器の購入費等に政務調査費を支出することを一律に否定すべき理由となるものとは考えられない(この点 については,後記d,f,gの公私の区別の困難な費目に係る原告らの主張にも,妥当する。)。 そうすると,事務機器購入費等に係る本件内規の定めが違法,不当であるということはできない。 d 原告らは,図書館等に常備されている新聞等を購入する必要性はなく,またその購入費は公私の区別が困難な費目であるから,本件内規が,新聞等購入費(資料購入費)に政務調査費を支出することを認めることは違法,不当である旨主張する。 しかし,仮に当該新聞・図書等が茨木市の図書館等に常備されているとしても,適時かつ迅速な調査研究活動のため,会派もしくは議員の事務所に新聞・図書を備え付ける必要性は高いというべきであり,その購入費に政務調査費の支出を認めることは,社会通念上相当なものであるということができる。また,本件内規は,購入する同名新聞,図書等は1部(冊)としており,支出される政務調査費も,社会通念上相当な範囲内にとどまるものであるといえる。 そうすると,新聞等購入費に係る本件内規の定めが違法,不当であるということはできない。 e 原告らは,本件内規が,自宅兼事務所の維持管理費(事務所費)に政務調査費を支出することを認めるのは,給与の二重払いを認めるものであり,違法,不当である旨主張する。 しかし,自宅を調査研究活動のための事務所として使用する場合,その維持管理に要した経費の一部は当該調査研究活動のための経費に当たるから,これに政務調査費の支出を認めることが給与の二重払いに当たるということはできない。また,本件内規が定める1か月1万円以内という額も社会通念上相当な金額であるということができる。 そうす 当たるから,これに政務調査費の支出を認めることが給与の二重払いに当たるということはできない。また,本件内規が定める1か月1万円以内という額も社会通念上相当な金額であるということができる。 そうすると,維持管理費(事務所費)に係る本件内規の定めが違法, 不当であるということはできない。 f 原告らは,本件内規が,公私の区別が困難なガソリン代(研究研修費,調査旅費,広報・広聴費)に政務調査費を支出することを認めているのは違法であるし,仮にそのような支出が許されるとしても,本件内規が一律50パーセントの支出を認めているのは違法,不当である旨主張する。 しかし,議員が市政に関する調査研究活動に自家用車を用いることは,社会通念上許容されるものであるし,本件内規は,自家用車が調査研究活動以外にも用いられること及びその割合を厳密に算出することが困難であることを考慮し,研究研修費,調査旅費,広報・広聴費に係る各ガソリン代を合わせた年額合計額の50パーセントを政務調査費支出の上限額としたものと解され,そのような定めは社会通念上相当なものであるといえる。 したがって,ガソリン代に係る本件内規の定めが違法,不当であるということはできない。 g 原告らは,本件内規が,公私の区別が困難である通信費(広報・広聴費)に政務調査費を支出することを認めるのは違法であるし,仮にそのような支出が許されるとしても,本件内規(議員の通信費に係る部分)が一律50パーセントの支出を認めているのは違法,不当である旨主張する。 しかし,通信機器は,調査研究活動のため必要性の高いものであるし,本件内規は,会派の通信費については,会派控室に設置されており,契約者が会派である電話,ファックス,携帯電話,インターネット使用料,プロバイダー契約料の支払額に限 動のため必要性の高いものであるし,本件内規は,会派の通信費については,会派控室に設置されており,契約者が会派である電話,ファックス,携帯電話,インターネット使用料,プロバイダー契約料の支払額に限り,政務調査費の支出を認めており,そのような定めは社会通念上相当なものであるといえる。 本件内規は,議員の通信費については,契約者が議員本人である電 話,携帯電話,インターネット使用料,プロバイダー契約料(各機器1台に限る。)の支払額を合わせた年額使用料の50パーセントを上限とした額に限って,政務調査費の支出を認めており,通信機器が調査研究活動以外にも用いられる割合を厳密に算出することが困難であることをも考慮すれば,そのような定めは社会通念上相当なものであるといえる。 したがって,通信費に係る本件内規の定めが違法,不当であるということはできない。 (3) なお,被告は,本件訴えのうち,補助参加人P5に対する請求をするよう求める部分について,同補助参加人は解散して実体を喪失し,請求すべき相手方が存在しないから,請求の適格を欠き,不適法なものとして却下すべきである旨主張する。しかし,証拠(乙1の1)によれば,同補助参加人は解散していることが認められるが,権利能力なき社団に当たる同補助参加人は,解散後も,清算の目的の範囲内ではなお存続するから,請求すべき相手方が存在しないものということはできず,被告の上記主張は,前提を欠き,採用することができない。 2 本件各支出について(1) 研究研修費ア認定事実(ア) 補助参加人P3関係証拠(甲2,12の1~5の各1・2)及び弁論の全趣旨によれば,補助参加人P3に所属するP7議員が,いずれも東京で開催された学会等(○研究大会,○セミナー,○シンポジウム,○意見交流会)に 関係証拠(甲2,12の1~5の各1・2)及び弁論の全趣旨によれば,補助参加人P3に所属するP7議員が,いずれも東京で開催された学会等(○研究大会,○セミナー,○シンポジウム,○意見交流会)に参加し,その費用(旅費,日当〔1日当たり3000円。〕,宿泊費〔1泊当たり1万5000円。〕を含む。)に,別紙5の2の同議員に係る「政務調査費支出額(円)」欄記載の金額(使途基準項目が「研究研修費」に 係るもの。)の政務調査費を支出したことが認められる。 (イ) 補助参加人P6関係証拠(甲2)及び弁論の全趣旨によれば,補助参加人P6が,「法律問題研修会」を開催し,その費用(施設利用料及び講師謝礼金)に,別紙5の1の同会派に係る「政務調査費支出額(円)」欄記載の金額(使途基準項目が「研究研修費」に係るもの。)の政務調査費を支出したことが認められる。 (ウ) 補助参加人P5関係証拠(後掲の証拠のほか,甲2)及び弁論の全趣旨によれば,補助参加人P4に所属する下記の各議員がそれぞれ勉強会等に参加し,それらの費用に,別紙5の2の同各議員に係る「政務調査費支出額(円)」欄記載の金額(使途基準項目が「研究研修費」に係るもの。)の政務調査費を支出したことが認められる。 aP8議員いずれも東京で開催された勉強会等(政策勉強会,交流会議及び視察研修)に係る費用(なお,それらの費用には,旅費,日当〔1日当たり3000円。〕を含む。交流会議及び視察研修に関しては,宿泊費〔1泊当たり1万5000円。〕も含む。)。 bP9議員P10例会(東京で開催。)並びに第1回及び第2回○研修会に係る費用(第1回は奈良で,第2回は西宮で開催。なお,それらの費用には,旅費,日当〔P10例会については3000円,○研修会については各 P10例会(東京で開催。)並びに第1回及び第2回○研修会に係る費用(第1回は奈良で,第2回は西宮で開催。なお,それらの費用には,旅費,日当〔P10例会については3000円,○研修会については各1500円。〕を含む。)。(甲8の2)イ検討(ア) 本件使途基準は,議員が研究会等に参加するために要する経費につき,研究研修費として政務調査費を支出することを認めているところ, 上記ア(ア)~(ウ)の各費用が上記経費に当たらず,その支出が本件使途基準に反することをうかがわせる一般的,外形的事実の主張立証はない。 したがって,上記ア(ア)~(ウ)の政務調査費の支出が,本件使途基準に反する違法なものであるということはできない。 (イ) これに対し,原告らは,日当及び宿泊費につき政務調査費を支出することは違法である旨主張する。しかし,日当及び宿泊費が,上記経費に含まれることについては,本件内規が定めるとおりであり(上記1(2)イ(イ)aのとおり,日当に係る本件内規の定めは適法であるし,宿泊費〔研究研修費・調査旅費〕に係る本件内規の定めも,研修や調査が宿泊を伴う場合があることやその額〔茨木市職員旅費条例が準用され,1万5000円である。〕が社会通念上許容される範囲にとどまるものであることに照らし,適法なものであると解される。),上記ア(ア)の日当及び宿泊費の額は,いずれも本件内規の定める額を上回るものではない。 したがって,原告らの上記主張は採用することができない。 また,原告らは,上記ア(イ)の研究会は,市民向け法律相談会であって,市政に関する調査研究活動とは無関係であるとして,その開催費用に政務調査費を支出することは違法である旨主張する。しかし,補助参加人P6は,上記研究会について,弁護士を招き,市民から相談を受けて て,市政に関する調査研究活動とは無関係であるとして,その開催費用に政務調査費を支出することは違法である旨主張する。しかし,補助参加人P6は,上記研究会について,弁護士を招き,市民から相談を受けて,市政の問題点や解決方法を発見して政策化するための相談会である旨主張し,その主張内容に格別不合理な点はなく,上記研究会の開催が市政に関する調査研究活動に関係しないことをうかがわせる一般的,外形的事実の立証もないから,原告らの上記主張は採用することができない。 (2) 調査旅費ア認定事実(ア) 補助参加人P2関係 証拠(後掲の証拠のほか,甲2)及び弁論の全趣旨によれば,補助参加人P2及び同会派に所属するP11議員が,それぞれ,下記の視察を行い,それらの費用に,別紙5の1の同会派及び別紙5の2の同議員に係る「政務調査費支出額(円)」欄記載の金額(使途基準項目が「調査旅費」に係るもの。)の政務調査費を支出したことが認められる。 a 会派同会派所属議員6名が,平成22年11月8日及び同月9日に実施した東京都千代田区の区立図書館及び同杉並区の教師養成塾「杉並師範館」の視察及び香川県丸亀市及び同会派所属議員5名が,同年2月14日及び同月15日に実施した高松市の視察に係る費用(なお,それらの費用には,宿泊費〔各参加議員につき,1泊当たり15000円〕及び日当〔各参加議員につき,1日当たり3000円。〕を含む。)。 (甲4の1,丙B1~6,B8,証人P12)bP11議員同議員が平成23年2月6日に岐阜市において実施した視察に係る費用(なお,その費用には,日当3000円を含む。)。 (イ) 補助参加人P5関係証拠(甲2,甲8の1・3・4)及び弁論の全趣旨によれば,補助参加人P5に所属 施した視察に係る費用(なお,その費用には,日当3000円を含む。)。 (イ) 補助参加人P5関係証拠(甲2,甲8の1・3・4)及び弁論の全趣旨によれば,補助参加人P5に所属するP9議員が,福岡市内の小学校の視察,東京都杉並区役所の視察及び千葉市教育委員会の視察を行い,その費用(日当3000円を含む。)に,別紙5の2の同議員に係る「政務調査費支出額(円)」欄記載の金額(使途基準項目が「調査旅費」に係るもの。)を支出したことが認められる。 イ検討(ア) 上記ア(ア)aの各視察に係る政務調査費の支出について原告らは,上記ア(ア)aの各視察は,市政に関する調査研究活動とい えるものではない旨主張する。 しかし,証拠(甲4の1,丙B2,3,5,6,8,証人P12)及び弁論の全趣旨によれば,千代田区の図書館の視察は同図書館の採用する案内システム等に関し,杉並区師範館の視察は同区が採用する独自の教員養成システムに関し,香川県丸亀市への視察は同市の採用する二学期制等に関し,高松市への視察は同市の行う自転車道整備事業に関し,いずれも,茨木市の施策の参考とするために行われたものであることが認められ,上記ア(ア)aの各視察は,いずれも市政に関する調査研究活動に当たるものというべきである。 そして,会派の行う調査に要する経費については,本件使途基準により,調査旅費として政務調査費を支出することが認められているから,上記ア(ア)aの各調査に係る政務調査費の支出が本件使途基準に反する違法なものであるということはできない。 なお,原告らは,議員活動に対しては議員報酬が支給されている以上,日当に政務調査費を支出することは違法であるとも主張するが,日当が上記の会派の行う調査に要する経費に含まれることは,本件内規が定め なお,原告らは,議員活動に対しては議員報酬が支給されている以上,日当に政務調査費を支出することは違法であるとも主張するが,日当が上記の会派の行う調査に要する経費に含まれることは,本件内規が定めるとおりであり,上記1(2)イ(イ)aのとおり,そのような内規の定めは適法であるから,原告らの上記主張は採用することができない。 また,原告らは,上記各視察に関し宿泊の必要性はなかったとも主張するが,東京ないし香川への移動に要する時間や,視察先とのスケジュール調整の必要性を考慮すれば,上記各視察に関し,宿泊の必要性がなかったということはできない。 さらに,原告らは,1万5000円の宿泊費は実費に照らして過大であり,当該政務調査費の支出は違法であるとも主張する。しかし,本件内規は,茨木市職員旅費条例(丙A15)の定め(宿泊費について,職員級に応じた一律の定めを設けており,特別職にあるものについては, 1泊当たり1万5000円の支払を認める。)を準用し,1万5000円の宿泊費の支出を認めているところ,そのような一律支給の定めには宿泊費の濫用の防止や経理事務の負担軽減等,一定の合理性が認められ,またその額も相当な範囲にとどまるものと解されるから,仮に上記ア(ア)aの各視察に係る宿泊費の実費が,1泊当たり1万5000円を下回るものであったとしても,本件内規に従って1万5000円を支出したことが,本件使途基準に反する違法なものであるということはできない。 (イ) 上記ア(ア)b,(イ)の各視察に係る政務調査費の支出について本件使途基準は,議員の行う調査に要する経費(日当を含む。)につき,調査旅費として政務調査費を支出することを認めているところ,上記ア(ア)b,(イ)の各費用が上記経費に当たらず,その支出が本件使途基準に反することを 員の行う調査に要する経費(日当を含む。)につき,調査旅費として政務調査費を支出することを認めているところ,上記ア(ア)b,(イ)の各費用が上記経費に当たらず,その支出が本件使途基準に反することをうかがわせる一般的,外形的事実の主張立証はない。 したがって,上記ア(ア)b,(イ)の各視察に係る政務調査費の支出が,本件使途基準に反する違法なものであるということはできない。 原告らは,上記ア(ア)bの視察について,調査の必要性が認められない旨主張するが,補助参加人P11は,同視察は,茨木市の府営住宅跡地の利用の参考とするため,岐阜市文化産業交流センターに出張して調査を行ったものである旨主張するところ,その主張内容に格別不合理な点はなく,P11議員による調査が市政に関する調査研究活動と合理的関連性を欠くなど,本件使途基準に反することをうかがわせる一般的,外形的事実の立証もないから,原告らの上記主張は採用することができない。 (3) 資料作成費ア認定事実(ア) 補助参加人P1関係 証拠(後掲の証拠のほか,甲2)及び弁論の全趣旨によれば,補助参加人P1及び同会派に所属する下記の各議員が,それぞれ,事務用品等を購入したり,コピー機のリースを受け,それらの費用に,別紙5の1の同会派及び別紙5の2の同各議員に係る「政務調査費支出額(円)」欄記載の金額(使途基準項目が「資料作成費」に係るもの。)の政務調査費を支出したことが認められる。 a 会派事務用品(印刷用紙,DVD-R,OAケース並びにコピー機のトナー及びドラムカートリッジ)購入費及び会派控室に設置されたコピー機等のリース料。(甲3の1・3の各1・2,丙A13,証人P13)b 所属議員(a) P14議員事務用 のトナー及びドラムカートリッジ)購入費及び会派控室に設置されたコピー機等のリース料。(甲3の1・3の各1・2,丙A13,証人P13)b 所属議員(a) P14議員事務用品(LANケーブル及びファックスインク)購入費。 (b) P15議員事務用品(プリンターインク)購入費。 (c) P16議員事務用品(スクラップブック)購入費及び議会報告(○)の印刷代。(丙A5)(d) P17議員コピー機使用料,写真プリント代並びにデジタルカメラ等及び事務用品(印刷用紙等)購入費。(甲11の1・2,丙A14)(イ) 補助参加人P2関係証拠(後掲の証拠のほか,甲2)及び弁論の全趣旨によれば,補助参加人P2及び同会派に所属する下記の各議員が,それぞれ,事務用品等を購入したり,ホームページに係るサービス等の提供を受け,それらの費用に,別紙5の1の同会派及び別紙5の2の同各議員に係る「政務調 査費支出額(円)」欄記載の金額(使途基準項目が「資料作成費」に係るもの。)の政務調査費を支出したことが認められる。 a 会派印刷用紙購入費。(丙B8,証人P12)b 所属議員(a) P18議員事務用品(ファックスインク及びプリンターインク)購入費及び写真プリント代。 (b) P11議員○及びスキャナー購入費(○については,その購入費の7割に当たる部分)。(甲4の2・3)(c) P12議員事務用品(コピー用紙)購入費。(甲4の4,丙B8,証人P12)(d) P19議員ホームページ管理等に係る料金及び市政報告用の封筒の印刷代。 (e) P20議員ラジカセ及び事務用品(色ケント (コピー用紙)購入費。(甲4の4,丙B8,証人P12)(d) P19議員ホームページ管理等に係る料金及び市政報告用の封筒の印刷代。 (e) P20議員ラジカセ及び事務用品(色ケント紙)購入費並びにホームページサーバー料金。 (ウ) 補助参加人P3関係証拠(後掲の証拠のほか,甲2)及び弁論の全趣旨によれば,補助参加人P3及び同会派に所属する下記の各議員が,それぞれ,事務用品等を購入したり,ホームページに係るサービスの提供を受け,それらの費用に,別紙5の1の同会派及び別紙5の2の同各議員に係る「政務調査費支出額(円)」欄記載の金額(使途基準項目が「資料作成費」に係るもの。)の政務調査費を支出したことが認められる。 a 会派事務用品(コピー用紙)購入費。(甲5の1・2)b 所属議員(a) P21議員事務用品(ファックスインク)購入費。 (b) P22議員ホームページ管理等に係る料金。 (c) P23議員デジタルカメラ及び事務用品(コピー用紙,ファックスインク,プリンターインク等)購入費。(甲15)(エ) 補助参加人P4関係証拠(甲2)及び弁論の全趣旨によれば,補助参加人P4に所属する下記の各議員が,それぞれ,事務用品等を購入したり,印刷機の修理サービスの提供を受け,それらの費用に,別紙5の2の同各議員に係る「政務調査費支出額(円)」欄記載の金額(使途基準項目が「資料作成費」に係るもの。)の政務調査費を支出したことが認められる。 aP24議員事務用品(ラベルシール等)購入費。 bP25議員事務用品(プリンターインク)購入費。 cP26議員ノートパソコン及び事務用品(のり,セロハンテープ等)購入費並びに印刷機修理代。 (オ 品(ラベルシール等)購入費。 bP25議員事務用品(プリンターインク)購入費。 cP26議員ノートパソコン及び事務用品(のり,セロハンテープ等)購入費並びに印刷機修理代。 (オ) 補助参加人P6関係証拠(甲2,7の1~5の各1・2)及び弁論の全趣旨によれば,補助参加人P6が,事務用品(封筒・文具・宛名ラベル等)を購入したり, 印刷機等のリースを受け,それらの費用に,別紙5の1の同会派に係る「政務調査費支出額(円)」欄記載の金額(使途基準項目が「資料作成費」に係るもの。)の政務調査費を支出したことが認められる。 (カ) 補助参加人P5関係証拠(甲2)及び弁論の全趣旨によれば,補助参加人P5に所属する下記の各議員が,それぞれ,事務用品等を購入し,それらの費用に,別紙5の2の同各議員に係る「政務調査費支出額(円)」欄記載の金額(使途基準項目が「資料作成費」に係るもの。)の政務調査費を支出したことが認められる。 aP8議員事務用品(ファックスインク)購入費。 bP27議員紙折り機及び事務用品(プリンターインク)購入費。 cP9議員事務用品(○,印刷用紙及び通信送付用ラベル)購入費。 (キ) 無所属議員(P28議員)証拠(甲2)及び弁論の全趣旨によれば,P28議員が,事務用品(印刷用紙,プリンターインク,電池)を購入したり,サーバーの利用に係るサービス等の提供を受け,それらの費用に,別紙5の2の同議員に係る「政務調査費支出額(円)」欄記載の金額(使途基準項目が「資料作成費」に係るもの。)の政務調査費を支出したことが認められる。 イ検討(ア) 会派に係る政務調査費の支出についてa 本件使途基準は,会派の行う調査研究活動のために必要な資料の作成に要する経費につき,資 もの。)の政務調査費を支出したことが認められる。 イ検討(ア) 会派に係る政務調査費の支出についてa 本件使途基準は,会派の行う調査研究活動のために必要な資料の作成に要する経費につき,資料作成費として政務調査費を支出することを認めている。 ここで,証拠(丙A1,13,証人P13)によれば,補助参加人P1に所属するP13議員が,上記ア(ア)aのコピー機等を用いて,同議員個人の市政報告「○」を,年3~4回,1回当たり5000枚~1万枚印刷していたことが認められるところ,4頁からなる平成22年4月1日付け「○」113号(丙A1)は,1・2頁には概ね茨木市政に関するものと認められる記述があるものの,3頁後半には,子ども手当に関する法案に係るP29党の取組等が,3頁の終わりから4頁にかけては当時与党であったP30党に対する批判等が記載されており,3頁後半以降には,茨木市政に関する直接の記述は見当たらない。 以上のような紙面の記載に照らせば,「○」113号は,市政報告としての性格だけでなく,茨木市の市政に関係しないP29党の国政政党としての活動に関する広報誌としての性格をも併有し,後者の記載部分の作成については,政党活動の一環として行われたものであり,市政に関する政務調査活動と合理的な関連性を有するものと評価することはできないといわざるを得ない。 そうすると,上記ア(ア)aの各費用うち,「○」のP29党の広報誌としての性格を有する記載部分の印刷に係る費用分は,会派の行う調査研究活動のために必要な資料の作成に要する経費であるということはできず(なお,「○」の平成22年度の他の号は証拠として提出されておらず,これらの内容は判然としないが,「○」113号の記載に照らせば,特段の反証のない本件においては,他の号に関しても, いうことはできず(なお,「○」の平成22年度の他の号は証拠として提出されておらず,これらの内容は判然としないが,「○」113号の記載に照らせば,特段の反証のない本件においては,他の号に関しても,同様の記載が含まれていたものと推認される。),上記ア(ア)aの各費用うち,「○」の印刷に係る部分3万2460円(「○」の正確な印刷量やその印刷に要した費用額は証拠上明らかではないものの,上記認定のような「○」の印刷状況,113号の紙面全体に占めるP29党の 広報誌としての性格を有する記載部分の量等に照らせば,その費用額は,上記ア(ア)aの費用額32万4600円〔P1の資料作成費に係る政務調査費支出額2万5336円,27万0664円及び2万8600円の合計額〕の10分の1に当たる3万2460円を下らないものと認められる。)に政務調査費を支出したことは,本件使途基準に反し,違法であるというべきである。 b 他方,上記ア(ア)aの各費用のうちの「○」の印刷に係る部分以外の費用及び上記ア(イ)a,(ウ)a,(オ)の各費用については,それらが会派の行う調査研究活動のために必要な資料の作成に要する経費に当たらず,本件使途基準に反することをうかがわせる一般的,外形的事実の主張立証はないから,これに政務調査費を支出したことが,本件使途基準に反する違法なものであるということはできない。 (イ) 議員に係る政務調査費の支出についてa 本件使途基準は,議員の行う調査研究活動のために必要な資料の作成に要する経費につき,資料作成費として政務調査費を支出することを認めているところ,各議員が支出した上記ア(ア)b(下記のとおり,広報・広聴費として計上すべきであったP16議員の議会報告の印刷代を除く。),(イ)b,(ウ)b,(エ),(カ),(キ)の各費用 とを認めているところ,各議員が支出した上記ア(ア)b(下記のとおり,広報・広聴費として計上すべきであったP16議員の議会報告の印刷代を除く。),(イ)b,(ウ)b,(エ),(カ),(キ)の各費用が上記経費に当たらず,その支出が本件使途基準に反することをうかがわせる一般的,外形的事実の主張立証はない。 したがって,上記ア(ア)b,(イ)b,(ウ)b,(エ),(カ),(キ)の各費用(P16議員の議会報告の印刷代を除く。)に政務調査費を支出したことが,本件使途基準に反する違法なものであるということはできない。 b 原告らの主張について(a) 原告らは,P16議員の議会報告につき,選挙活動に当たり,そ の印刷代に政務調査費を支出することは違法である旨主張する。 しかし,議員の調査研究活動等について住民に報告し,PRするための経費について,本件使途基準は,広報・広聴費として政務調査費を支出することを認めているところ,市政報告の印刷代がこれに含まれることは,本件内規の定めるとおりである(そのような内規の定めは,適法なものであると解される。)。 そして,証拠(丙A5)によれば,同議員の議会報告に選挙活動に当たると解される記載はなく,また,市政に関する調査研究活動と関係のない記載があるとも認められないから,原告らの上記主張は採用することができない(なお,上記の本件使途基準の定めに照らせば,P16議員は,その議会報告の印刷代を広報・広聴費として計上すべきであったと解されるが,そのような計上方法は政務調査費の支出の適法性に影響を与えるものではないと解される。)。 (b) 原告らは,P17議員のデジタルカメラ購入について,既に1台デジタルカメラを保有していたにもかかわらず,在任期間が残り2年に満たない時点で行われたも を与えるものではないと解される。)。 (b) 原告らは,P17議員のデジタルカメラ購入について,既に1台デジタルカメラを保有していたにもかかわらず,在任期間が残り2年に満たない時点で行われたものであり,その購入のために政務調査費を支出することは違法である旨主張する。 しかし,前記前提事実(1)エのとおり,同議員の任期は平成25年1月30日までであったところ,証拠(丙A14)及び弁論の全趣旨によれば,同議員が平成23年3月24日にデジタルカメラを購入したことが認められ,これらの事実に,同議員が,それまで保有していたデジタルカメラを市政相談の際に破損してしまったために新たにデジタルカメラを購入し,視察結果の記録等のために当該デジタルカメラを使用していた旨陳述し(丙A14),その陳述内容に格別不合理な点はなく,これに反する証拠もないことをも併せ考えれば,上記デジタルカメラの購入が,任期満了間近に行われ た不要な支出であったものとまでは認められず,その購入費に政務調査費を支出することが,本件使途基準に反する違法なものであるということはできない。 (c) 原告らは,P19議員のホームページにつき,市政に関する調査研究活動と評価できる情報が記載されていない旨主張する。 しかし,原告らは,上記ホームページにおいて,具体的にどのような情報が記載されているのかについて何ら主張立証をしないのであり,原告らの上記主張をもって,上記ホームページの管理等に係る費用について本件使途基準に反する支出がされたことをうかがわせる一般的,外形的事実の主張があったものと評価することはできず,同主張は,採用することができない。 (d) 原告は,P18議員の写真プリント代について,高額にすぎるし,どのような写真をプリントしたのか不明であり,必要性も認 があったものと評価することはできず,同主張は,採用することができない。 (d) 原告は,P18議員の写真プリント代について,高額にすぎるし,どのような写真をプリントしたのか不明であり,必要性も認められない旨主張する。 しかし,補助参加人P18は,デジタルカメラで記録した現地調査の結果をプリントして資料化したものである旨主張し,その主張内容に格別不合理な点はなく(その代金額1万3142円も,上記主張内容に疑いを生じさせるほどに高額なものということはできないし,調査研究活動との合理的関連性を疑わせるほどに高額なものであるということもできない。),原告らの上記主張をもって,本件使途基準に反する支出がされたことをうかがわせる一般的,外形的事実の主張があったものと評価することはできず,同主張は採用することができない。 (e) 原告らは,P11議員の○購入費について,政務調査に○を使用する必要性があるとはいえず,政務調査費の支出は違法である旨主張する。しかし,○が調査等により収集した情報を保存,整理等す る上で役立つものであることは否定し難く,同議員が上記購入費の7割に当たる部分についてのみ政務調査費を支出していることも併せ考慮すると,上記○購入費に係る政務調査費の支出が,本件使途基準に反する違法なものであるということはできない。 また,原告らは,同議員のスキャナー購入費について,高額であり,必要性が認められない旨主張する。しかし,補助参加人P11は,当該スキャナーは出張先等において,市政に有用な情報を保存する際に使用している旨主張し,その主張内容に格別不合理な点はなく,その費用額4万9800円も不相当に高額なものとまではいい難いから,スキャナーの購入費に係る政務調査費の支出が,本件使途基準に反する違法なものであるという 張し,その主張内容に格別不合理な点はなく,その費用額4万9800円も不相当に高額なものとまではいい難いから,スキャナーの購入費に係る政務調査費の支出が,本件使途基準に反する違法なものであるということはできない。 (f) 原告らは,P12議員のコピー用紙購入費(平成23年3月購入分)の一部について,年度末に大量にコピー用紙を購入したもので,市政に関する調査研究活動とは関係がないから,政務調査費の支出は違法である旨主張する。 しかし,前記前提事実(1)エのとおり,P12議員の任期は平成25年1月30日までであったところ,証拠(甲4の4,丙B8,証人P12)及び弁論の全趣旨によれば,同議員は,平成22年6月7日にコピー用紙5000枚を購入し,平成23年3月4日にコピー用紙2500枚を購入していることが認められる。そして,同議員は,平成22年6月に購入したコピー用紙が平成23年2月の時点で残り500枚を切り,残り少なくなったため,平成23年3月4日にコピー用紙を追加購入した旨証言,陳述し,その証言等の内容に格別不合理な点はなく,上記のコピー用紙の各購入時期,購入枚数等に照らし,同議員がその任期中に使用しきれないようなコピー用紙を追加購入したものとは認め難いこと,政務調査費の交付 を受けた年度内で費消しきれない物品を購入する場合であっても,それが議員の任期中に消費し得るものである限り,その購入によって,次年度以降に必要となる政務調査費の額はその分減少し得るものであり,政務調査費が無駄に支出されていると評価することはできないことからすると,上記コピー用紙購入に係る政務調査費の支出が,本件使途基準に反する違法なものであるということはできない。 (g) 原告らは,P22議員のホームページにつき,市政に関する調査研究活動とは評価 ると,上記コピー用紙購入に係る政務調査費の支出が,本件使途基準に反する違法なものであるということはできない。 (g) 原告らは,P22議員のホームページにつき,市政に関する調査研究活動とは評価できない情報が記載されている旨主張する。しかし,原告らは,上記ホームページにおいて,具体的にどのような情報が記載されているのかについて何ら主張立証をしないのであり,上記主張をもって,上記ホームページの管理等に係る費用について本件使途基準に反する支出がされたことをうかがわせる一般的,外形的事実の主張があったものと評価することはできず,失当である。 (h) 原告らは,P27議員による紙折り機の購入について,政務調査活動との関連が明らかではない旨主張するが,補助参加人P27は,紙折り機は,市政報告の紙を折る時間を短縮するために購入したものである旨主張しており,その主張内容に格別不合理な点はなく,上記紙折り機の購入が市政に関する調査研究活動に関係しないことをうかがわせる一般的,外形的事実の立証もない。 (4) 資料購入費ア認定事実(ア) 補助参加人P1関係証拠(後掲の証拠のほか,甲2)及び弁論の全趣旨によれば,補助参加人P1及び同会派に所属する下記の各議員が,それぞれ,新聞等の資料を購入し,それらの費用に,別紙5の1の同会派及び別紙5の2の同 各議員に係る「政務調査費支出額(円)」欄記載の金額(使途基準項目が「資料購入費」に係るもの。)の政務調査費を支出したことが認められる。 a 会派新聞(○新聞・○新聞を含む。)購読料及び図書(追録代)購入費。 (甲3の2の1・2,丙A13,証人P13)b 所属議員(a) 別紙5の2の「所属会派名」欄にP1とある各議員新聞購読料。(丙A13,A14,証人 む。)購読料及び図書(追録代)購入費。 (甲3の2の1・2,丙A13,証人P13)b 所属議員(a) 別紙5の2の「所属会派名」欄にP1とある各議員新聞購読料。(丙A13,A14,証人P13)(b) P14議員雑誌(「○」の平成22年8月分~平成23年7月分)購読料及び図書(「○」)購入費。(甲9)(c) P31議員雑誌(「○」の平成23年1月分~同年12月分)購読料。(甲10)(イ) 補助参加人P2関係証拠(甲2,丙B8,証人P12)及び弁論の全趣旨によれば,P11議員及びP12議員がそれぞれ新聞を購読し,それらの費用に,別紙5の2の同各議員に係る「政務調査費支出額(円)」欄記載の金額(使途基準項目が「資料購入費」に係るもの。)の政務調査費を支出したことが認められる。 (ウ) 補助参加人P3関係証拠(後掲の証拠のほか,甲2)及び弁論の全趣旨によれば,補助参加人P3に所属する下記の各議員がそれぞれ新聞等の資料を購入し,それらの費用に,別紙5の2の同各議員に係る「政務調査費支出額(円)」欄記載の金額(使途基準項目が「資料購入費」に係るもの。)の政務調査費を支出したことが認められる。 aP32議員及びP23議員新聞購読料。 bP21議員新聞購読料及び図書(「○」,「○」,「○」及び「○」)購入費。(甲13の1・2)(エ) 補助参加人P4関係証拠(後掲の証拠のほか,甲2)及び弁論の全趣旨によれば,補助参加人P4に所属する下記の各議員がそれぞれ新聞等の資料を購入し,それらの費用に,別紙5の2の同各議員に係る「政務調査費支出額(円)」欄記載の金額(使途基準項目が「資料購入費」に係るもの。)の政務調査費を支出したことが認められる。 aP33議員及びP 入し,それらの費用に,別紙5の2の同各議員に係る「政務調査費支出額(円)」欄記載の金額(使途基準項目が「資料購入費」に係るもの。)の政務調査費を支出したことが認められる。 aP33議員及びP24議員新聞購読料。 bP34議員新聞購読料及び雑誌(「○」の平成22年11月分~平成23年10月分,「○」の平成23年1月分~同年12月分及び「○」の平成22年12月分~平成23年11月分)購読料。(甲6の1~3)cP26議員新聞購読料及び図書(道路網図等)購入費。 (オ) 補助参加人P6関係証拠(甲2,7の7~10の各1~3,7の12~23の各1・2)及び弁論の全趣旨によれば,補助参加人P6が,新聞及び雑誌を購読し,それらの費用に,別紙5の1の同会派に係る「政務調査費支出額(円)」欄記載の金額(使途基準項目が「資料購入費」に係るもの。)の政務調査費を支出したことが認められる。 a 新聞(○,○及び○新報)購読料。 b 雑誌(「○」の平成22年6月分~平成23年5月分,「○」の平成22年9月分~平成23年8月分,「○」の平成22年12月分~平成23年11月分,「○」の平成22年12月分~平成23年11月分及び「○」の平成22年11月分~平成23年10月分)購読料。 (カ) 補助参加人P5関係証拠(甲2)及び弁論の全趣旨によれば,補助参加人P5に所属する下記の各議員がそれぞれ新聞等の資料を購入し,それらの費用に,別紙5の2の同各議員に係る「政務調査費支出額(円)」欄記載の金額(使途基準項目が「資料購入費」に係るもの。)の政務調査費を支出したことが認められる。 aP8議員雑誌(「○」の平成23年3月分~平成24年2月分)購読料。 bP27議員新聞購読料。 (キ) 無所属議員 入費」に係るもの。)の政務調査費を支出したことが認められる。 aP8議員雑誌(「○」の平成23年3月分~平成24年2月分)購読料。 bP27議員新聞購読料。 (キ) 無所属議員(P28)証拠(甲2)及び弁論の全趣旨によれば,P28議員が,新聞等の資料を購入し,それらの費用に,別紙5の2の同議員に係る「政務調査費支出額(円)」欄記載の金額(使途基準項目が「資料購入費」に係るもの。)の政務調査費を支出したことが認められる。 イ検討(ア) 本件使途基準は,会派及び議員の行う調査研究活動のために必要な資料の購入に要する経費につき,資料購入費として政務調査費を支出することを認めているところ,新聞,図書,雑誌及び定期刊行物の購入費が,上記経費に含まれることについては,本件内規の定めるとおりである(そのような本件内規の定めが適法であることについては,上記1(2)イ(イ)dのとおりである。)ところ,上記ア(ア)~(キ)の各費用が上記経 費に当たらず,その支出が本件使途基準に反することをうかがわせる一般的,外形的事実の主張立証はない。 したがって,上記ア(ア)~(キ)の政務調査費の支出が,本件使途基準に反する違法なものであるということはできない。 (イ) 原告らの主張についてa 原告らは,上記ア(ア)a,(オ)aの各新聞の購読料につき,自党の 機関紙を定期購読することは政党活動に当たるし,また,図書館等に備えられている新聞を重ねて購入する必要はないなどとして,政務調査費の支出は違法である旨主張する。 しかし,証拠(丙A13,証人P13)及び弁論の全趣旨によれば,○新聞等には,P29党の政策に限らず,国内外の政治経済等に関する情報が記載され,○等にも,P35党の政策に限らず,国内外の政 る。 しかし,証拠(丙A13,証人P13)及び弁論の全趣旨によれば,○新聞等には,P29党の政策に限らず,国内外の政治経済等に関する情報が記載され,○等にも,P35党の政策に限らず,国内外の政治経済等に関する情報が記載されており,市政に関する調査研究活動に資するものであることが認められるから,これを購読することが政党活動に当たるということはできない。また,上記1(2)イ(イ)eのとおり,仮に新聞が図書館等に備えられているとしても,適時かつ迅速な調査研究活動のために会派控室にこれを備え付ける必要性は高いというべきである。 したがって,原告らの上記主張は採用することができない。 b 原告らは,上記ア(ア)b(b),(c),(エ)b,(オ)b,(カ)aの各雑誌の購読料について,平成22年度の本件政務調査費を,年度を超える平成23年4月分以降の購読料に支出することは許されない旨主張する。 しかし,本件使途基準は,その購入費に政務調査費を支出することができる資料を当該年度中に給付がされるものに限定していないこと,政務調査費の交付を受けた年度を超えて購読が継続される場合であっ ても,それが各議員の任期中である限り,その購入によって,次年度以降に必要となる政務調査費の額はその分減少し得るものであり,政務調査費が無駄に支出されているものと評価することはできないことからすると,平成22年年度の政務調査費を平成23年4月分以降の雑誌購読料に支出することが直ちに本件使途基準に反するものであるとはいうことはできず,本件において,上記各雑誌の購読料に係る購読継続期間は,いずれも各議員の任期中であり,これを超えるものではないから,その支出が本件使途基準に反し違法であるとは認められない。 したがって,原告らの上記主張は採用することが 購読料に係る購読継続期間は,いずれも各議員の任期中であり,これを超えるものではないから,その支出が本件使途基準に反し違法であるとは認められない。 したがって,原告らの上記主張は採用することができない。 c 原告らは,P21議員が購入した上記ア(ウ)bの各図書は,議員自身の資質向上を目的とするものであるから,その購入費に政務調査費を支出することは許されない旨主張する。 しかし,補助参加人P21は,上記各図書につき,政策法務に関する知識を得ることにより,市政に関する調査の実効性を高めることを目的とする図書である旨主張し,その主張内容に格別不合理な点はないから,原告らの上記主張は採用することができない。 (5) 広報・広聴費ア認定事実(ア) 補助参加人P1関係証拠(後掲の証拠のほか,甲2,証人P13)及び弁論の全趣旨によれば,補助参加人P1及び同会派に所属する下記の各議員が,それぞれ,通信機器等を使用したり,物品を購入し,それらの費用(ガソリン代及び議員の通信費については,費用総額の2分の1に当たる部分)に,別紙5の1の同会派及び別紙5の2の同各議員に係る「政務調査費支出額(円)」欄記載の金額(使途基準項目が「広報・広聴費」に係るもの。) の政務調査費を支出したことが認められる。 a 会派会派控室において使用された電話,ファックス,インターネットの各料金(以下,電話,ファックス又はインターネットの料金を「通信費」という。)及びDVD対応編集用ソフトの購入費。(甲3の4の1・2,丙A13)b 所属議員⒜ 別紙5の2の「所属会派名」欄にP1と記載のある各議員(P14議員を除く。)ガソリン代。(丙A13,A14,証人P13)⒝ 別紙5の2の「所属会派名」欄にP1と記載のある各議員 属議員⒜ 別紙5の2の「所属会派名」欄にP1と記載のある各議員(P14議員を除く。)ガソリン代。(丙A13,A14,証人P13)⒝ 別紙5の2の「所属会派名」欄にP1と記載のある各議員(P36議員及びP14議員を除く。)通信費。(丙A13,A14,証人P13)(イ) 補助参加人P2関係証拠(後掲の証拠のほか,甲2)及び弁論の全趣旨によれば,補助参加人P2及び同会派に所属する下記の各議員が,それぞれ,物品を購入したり,通信機器を利用するなどし,その費用(ガソリン代及び議員の通信費については,費用総額の2分の1に当たる部分)に,別紙5の1の同会派及び別紙5の2の同各議員に係る「政務調査費支出額(円)」欄記載の金額(使途基準項目が「広報・広聴費」に係るもの。)の政務調査費を支出したことが認められる。 a 会派通信費。(丙B8,証人P12)b 所属議員⒜ 別紙5の2の「所属会派名」欄にP2と記載のある各議員(P11議員及びP19議員を除く。) ガソリン代。(丙B7,B8,証人P12)⒝ P18議員,P12議員及びP20議員通信費。 ⒞ P18議員及びP19議員市政報告の作成・郵送費。 ⒟ P18議員市政報告会開催に係る費用(お茶代〔1536円〕,会場使用料,及び機材使用料)。 (ウ) 補助参加人P3関係証拠(甲2)及び弁論の全趣旨によれば,補助参加人P3及び同会派に所属する下記の各議員が,それぞれ,物品を購入したり,通信機器を利用し,それらの費用に,別紙5の1の同会派及び別紙5の2の同各議員に係る「政務調査費支出額(円)」欄記載の金額(使途基準項目が「広報・広聴費」に係るもの。)の政務調査費を支出したことが認められる。 a 会派通信費。 b 所属議 及び別紙5の2の同各議員に係る「政務調査費支出額(円)」欄記載の金額(使途基準項目が「広報・広聴費」に係るもの。)の政務調査費を支出したことが認められる。 a 会派通信費。 b 所属議員P32議員及びP23議員について,ガソリン代(P32議員について費用総額の2分の1に当たる部分,P23議員について費用総額の5分の1に当たる部分。)及び通信費(上記各議員について費用総額の2分の1に当たる部分。)。 (エ) 補助参加人P4関係証拠(甲2)及び弁論の全趣旨によれば,補助参加人P4及び同会派に所属する下記の各議員が,それぞれ,物品を購入したり,通信機器を利用するなどし,それらの費用に,別紙5の1の同会派及び別紙5の2の同各議員に係る「政務調査費支出額(円)」欄記載の金額(使途基準項 目が「広報・広聴費」に係るもの。)の政務調査費を支出したことが認められる。 a 会派通信費。 b 所属議員(a) P34議員,P24議員及びP25議員通信費(P34議員について費用総額の4分の1に当たる部分,その他の議員について費用総額の2分の1に当たる部分)。 (b) P24議員及びP25議員ガソリン代(上記各議員について費用総額の2分の1に当たる部分。)。 (c) P24議員市議会活動報告の郵送費。 (オ) 補助参加人P6関係証拠(甲2,7の24~28の各1・2)及び弁論の全趣旨によれば,補助参加人P6が,通信機器を利用したり,市政報告書等を作成,印刷,郵送したり,会場を借りて予算要望懇談会を開催し,それらの費用に,別紙5の1の同会派に係る「政務調査費支出額(円)」欄記載の金額(使途基準項目が「広報・広聴費」に係るもの。)の政務調査費を支出したことが認められる を借りて予算要望懇談会を開催し,それらの費用に,別紙5の1の同会派に係る「政務調査費支出額(円)」欄記載の金額(使途基準項目が「広報・広聴費」に係るもの。)の政務調査費を支出したことが認められる。 (カ) 補助参加人P5関係証拠(甲2)及び弁論の全趣旨によれば,補助参加人P5に所属する下記の各議員が,それぞれ,物品を購入したり,通信機器を利用したり,会場を借りて市政報告会を開催するなどし,それらの費用(ガソリン代及び通信費については,費用総額の2分の1に当たる部分)に,別紙5の2の同各議員に係る「政務調査費支出額(円)」欄記載の金額(使途基 準項目が「広報・広聴費」に係るもの。)の政務調査費を支出したことが認められる。 aP8議員,P27議員及びP9議員ガソリン代及び通信費。 bP8議員及びP9議員駐車場代。 cP9議員市政報告の郵送費及び市政報告会開催に係る費用(お茶・お菓子代〔合計3950円〕及び会場使用料)。 (キ) 無所属議員(P28)証拠(甲2)及び弁論の全趣旨によれば,P28議員が,通信機器を利用したり,ガソリンを購入したり,議会報告を郵送し,それらの費用(ただし,通信費については費用総額の2分の1に当たる部分,ガソリン代については費用総額の2分の1に当たる部分)に,別紙5の2の同議員に係る「政務調査費支出額(円)」欄記載の金額(使途基準項目が「広報・広聴費」に係るもの。)の政務調査費を支出したことが認められる。 イ検討(ア) 本件使途基準は,会派及び議員が,その調査研究活動等について住民に報告し,PRするための経費について,広報・広聴費として政務調査費を支出することを認めているところ(そのような使途基準の定めが適法であることについては,上記1(2)アのとおりであ 動等について住民に報告し,PRするための経費について,広報・広聴費として政務調査費を支出することを認めているところ(そのような使途基準の定めが適法であることについては,上記1(2)アのとおりである。),通信費やガソリン代が,各費用総額の2分の1を上限として上記経費に含まれることは,本件内規の定めるとおりである(このような本件内規の定めが適法であることについては,上記1(2)イ(イ)f及びgのとおりである。なお,市政報告開催に伴うお茶代につき,1人1回2000円を上限として,広報・広聴費として政務調査費を支出することが本件使途基準に反 するものではないことは,上記1(2)イ(イ)bのとおりであり,上記ア(カ)cのP9議員によるお茶・お菓子代の支出が上記上限を上回ることを認めるに足りる証拠はない。)。そして,上記ア(ア)~(キ)の各費用が上記経費に当たらず,その支出が本件使途基準に反することをうかがわせる一般的,外形的事実の主張立証はない。 したがって,上記ア(ア)~(キ)の政務調査費の支出が,本件使途基準に反する違法なものであるということはできない。 (イ) 原告らの主張についてa 原告らは,上記ア(ア)aのDVD編集用パソコンソフトについて,使用目的が不明であり,その購入費に政務調査費を支出することは違法である旨主張する。 しかし,補助参加人P1は,上記パソコンソフトは,市政に関する説明資料を編集・作成するために購入され,会派控室内のパソコンにインストールされたものである旨主張し,証人P13は同趣旨の証言をするところ,その主張・証言内容に格別不合理な点はなく,上記パソコンソフトが市政に関する調査研究活動に関係しないことをうかがわせる一般的,外形的事実の主張立証もないから,原告らの上記主張は採用することができな その主張・証言内容に格別不合理な点はなく,上記パソコンソフトが市政に関する調査研究活動に関係しないことをうかがわせる一般的,外形的事実の主張立証もないから,原告らの上記主張は採用することができない。 b 原告らは,上記ア(イ)b(c)の市政報告の作成・郵送費につき,より安い郵送方法があるから80円切手を大量に購入する必要はないなどとして,そのような政務調査費の支出は違法である旨主張する。 証拠(甲2)によれば,P18議員が80円切手を155枚購入していることが認められるが,80円切手による郵送は一般に用いられる方法であってこれを直ちに不相当であるということはできないから,不必要な支出がなされたということはできず,原告らの上記主張は採用することができない。 c 原告らは,上記ア(オ)の予算要望懇談会の会場費は,支持者等との懇談会の会場費であって市政に関する調査研究活動とは無関係であるから,政務調査費を支出することは一切許されない旨主張する。 この点につき,補助参加人P6は,上記懇談会につき,市民から相談を募り,市政の問題点や解決方法を発見して政策化するための相談会である旨主張するところ,その主張内容に格別不合理な点はなく,上記懇談会が市政に関する調査研究活動と合理的関連性を有しないことをうかがわせる一般的,外形的事実の立証もないから,原告らの上記主張は採用することができない。 (6) 人件費ア認定事実証拠(甲2,14の1・2)及び弁論の全趣旨によれば,P37議員,P32議員,P33議員,P24議員及びP38議員が,それぞれ,平成22年4月から平成23年3月までの間アルバイトを雇用し,その賃金に,別紙5の2の同各議員に係る「政務調査費支出額(円)」欄記載の金額(使途基準 33議員,P24議員及びP38議員が,それぞれ,平成22年4月から平成23年3月までの間アルバイトを雇用し,その賃金に,別紙5の2の同各議員に係る「政務調査費支出額(円)」欄記載の金額(使途基準項目が「人件費」に係るもの。)の政務調査費を支出したことが認められる。 イ検討本件使途基準は,議員が,その調査研究活動を補助する職員を雇用する経費について,人件費として政務調査費を支出することを認めているところ(そのような使途基準の定めが適法であることについては,上記1(2)アのとおりである。),上記アの各費用が上記経費に当たらず,その支出が本件使途基準に反することをうかがわせる一般的,外形的事実の主張立証はない。 原告らは,アルバイトの雇用は日常的に必要になるものではないし,調査研究活動以外の目的で雇用された可能性が否定できないなどと主張する。 しかし,議員の調査研究活動は,種々の事項にわたり継続的に行われ得るものであり,そのような調査研究活動を補助するためにアルバイトを年間を通じて雇用することが格別不合理なこととは認められず,アルバイトが調査研究活動以外の目的で雇用されたことをうかがわせる一般的,外形的な事実の立証もなく,原告らの上記主張は採用することができない。 したがって,上記アの政務調査費の支出が,本件使途基準に反する違法なものであるということはできない。 (7) 事務所費ア会派(ア) 認定事実証拠(後掲の証拠のほか,甲2)及び弁論の全趣旨によれば,下記の各会派が,それぞれ,事務機器のリースを受けたり,物品を購入するなどし,それらの費用に,別紙5の1の各会派に係る「政務調査費支出額(円)」欄記載の各金額(使途基準項目が「事務所費」に係るもの。)の政務調査費を支 ぞれ,事務機器のリースを受けたり,物品を購入するなどし,それらの費用に,別紙5の1の各会派に係る「政務調査費支出額(円)」欄記載の各金額(使途基準項目が「事務所費」に係るもの。)の政務調査費を支出したことが認められる。 a 補助参加人P2会派控室に設置された○印刷機のリース料,コピー機のドラムカートリッジ及び○インクの購入費。(丙B8,証人P12)b 補助参加人P3会派控室に設置された○印刷機のリース料,コピー機のカウント料金及び事務用品(○インク,コピー機トナー代)購入費。 c 補助参加人P4コピー用紙及びトナーカートリッジの購入費。 d 補助参加人P5会派控室に設置された電話兼ファックス機に使用する感熱用紙の購入費。 (イ) 検討本件使途基準は,会派が,その調査研究活動のために必要な事務所の設置,管理に要する経費(事務機器の購入費やリース料を含む。)について,事務所費として政務調査費を支出することを認めているところ,上記(ア)a~dの各費用が上記経費に当たらず,その支出が本件使途基準に反することをうかがわせる一般的,外形的事実の主張立証はない。 したがって,上記(ア)a~dの政務調査費の支出が,本件使途基準に反する違法なものであるということはできない。 イ議員(ア) 認定事実証拠(後掲の証拠のほか,甲2)及び弁論の全趣旨によれば,下記の各議員が,それぞれ,電気・水道を利用したり,事務所を賃借し,それらの費用に,別紙5の2の各議員に係る「支出額欄」記載の各金額(使途基準項目が「事務所費」に係るもの。)の政務調査費を支出したことが認められる。 aP12議員,P32議員及びP38議員事務所としても使用している自宅の電気・水道代(1か月1万円として,12か月分12万 「事務所費」に係るもの。)の政務調査費を支出したことが認められる。 aP12議員,P32議員及びP38議員事務所としても使用している自宅の電気・水道代(1か月1万円として,12か月分12万円。)。(丙B8,証人P12)bP37議員,P20議員,P21議員,P34議員及びP25議員事務所賃借料(甲4の5,6)(イ) 検討本件使途基準は,議員が,その調査研究活動のために必要な事務所の設置,管理に要する経費(事務所賃料を含む。)について,事務所費として政務調査費を支出することを認めているところ(そのような本件使途基準の定めが適法であることについては,上記1(2)アのとおりである。),自宅兼事務所の維持管理費が,1か月1万円を上限として,上記経費に 含まれることについては,本件内規の定めるとおりである(そのような本件内規の定めが適法であることについては,上記1(2)イ(イ)eのとおりである。)。そして,上記(ア)の各費用が上記経費に当たらず,その支出が本件使途基準に反することをうかがわせる一般的,外形的事実の主張立証はない。 したがって,上記(ア)の政務調査費の支出が,本件使途基準に反する違法なものであるということはできない。 なお,原告らは,P37議員の事務所賃借料について,同議員の妻が代表取締役である会社に対して支払われており,政務調査費を支出することは許されない旨主張するが,仮にそのような事実があったとしても,それをもって直ちに上記事務所賃借料が市政に関する調査研究活動と合理的関連性を有しないものということはできないから,原告らの上記主張は採用することができない。 また,原告らは,P21議員の事務所賃借料について,他人の事務所を間借りしているものであり,政務調査専用でもない旨主張する。しかし,補 できないから,原告らの上記主張は採用することができない。 また,原告らは,P21議員の事務所賃借料について,他人の事務所を間借りしているものであり,政務調査専用でもない旨主張する。しかし,補助参加人P21は,建物の2階居室を政務調査用の事務所として正式に賃借している旨主張し,その主張内容に格別不合理な点はなく,その事務所が市政に関する調査研究活動以外の活動に利用されていることをうかがわせる一般的,外形的事実の立証もないから,原告らの上記主張は採用することができない。 (8) その他の経費ア認定事実証拠(甲2)及び弁論の全趣旨によれば,補助参加人P1が,会派控室に設置されたファックスのロール紙を購入したり,同会派に所属するP13議員が,ファックスインク及びトナーを購入したりし,それらの費用に,別紙5の1の同会派及び別紙5の2の同議員に係る「支出額欄」記載の金 額(使途基準項目が「その他の経費」に係るもの。)の政務調査費を支出したことが認められる。 イ検討本件使途基準は,議員及び会派が行う調査研究活動に必要な経費(上記(1)~(7)の項目に係る経費以外のもの)について,その他の経費として,政務調査費を支出することを認めているところ,上記アの各費用が上記経費に当たらず,その支出が本件使途基準に反することをうかがわせる一般的,外形的事実の主張立証はない。 したがって,上記アの政務調査費の支出が,本件使途基準に反する違法なものであるということはできない。 3 被告の返還請求権の内容について本件各支出中,政務調査費としての支出が違法となる部分は,上記2(3)イ(ア)aの補助参加人P1の資料作成費に係る支出の10分の1(3万2460円)であるから,被告は,補助参加人P1に対し,不当利 本件各支出中,政務調査費としての支出が違法となる部分は,上記2(3)イ(ア)aの補助参加人P1の資料作成費に係る支出の10分の1(3万2460円)であるから,被告は,補助参加人P1に対し,不当利得に基づき,3万2460円及びこれに対する平成24年10月12日(訴訟告知書の送達日の翌日)から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払請求権を有しており,被告はこの請求権の行使を怠っているものと認められ,同請求権の不行使を正当化するような事情の存在も認められないから,同請求権の不行使は違法である。 4 その他の原告らの主張について(1) 原告らは,本件相手方らは,本件各支出に関し,クレジットカードや家電量販店のカード等を利用してポイントを取得するなどし,経済的利益を享受しているから,これについても返還がなされるべきであるなどと主張する。 しかし,そのようなポイントの取得によって,茨木市に何らかの損害が生じたということはできないから,仮に本件相手方らに何らかの経済的利益が帰属していたとしても,不当利得の成立は認められない。したがって,原告ら の上記主張は採用することができない(そもそも,原告らの上記主張は,ポイント取得に係る利得やその額についての個別,具体的な主張を欠くから,主張自体失当である。)。 (2) 原告らは,本件相手方らが,必要な政務調査費であることの具体的な証明もないまま,茨木市に対し政務調査費の交付を請求することそれ自体が不法行為である旨主張する。しかし,茨木市においては,政務調査費は,会派及び議員に対し四半期ごとに交付するものとされており(本件条例2条,3条),会派及び議員が政務調査費の残余額について返還義務を負っている(同9条)ことに照らすと,会派及び議員が具体的な支出に先立ち政務調査費の交 四半期ごとに交付するものとされており(本件条例2条,3条),会派及び議員が政務調査費の残余額について返還義務を負っている(同9条)ことに照らすと,会派及び議員が具体的な支出に先立ち政務調査費の交付を請求することは,本件条例に基づく適法な行為であることは明らかであるから,原告らの上記主張は採用することができない(上記3のP1の支出を除き,本件各支出は適法であるから,それらについて本件相手方らの不法行為の成立も認められない。)。 第4 結論以上によれば,原告らの請求は,不当利得に基づき,3万2460円及びこれに対する平成24年10月12日から支払済まで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を補助参加人P1に請求をするよう求める限度で理由があるからこれを認容し,その余の請求についてはいずれも理由がないからこれを棄却することとし,訴訟費用及び補助参加によって生じた費用の負担については,行政事件訴訟法7条,民訴法64条,65条1項本文,66条,61条を適用して,主文のとおり判決する。 大阪地方裁判所第2民事部 裁判長裁判官西田隆裕 裁判官斗谷匡志 裁判官狹間巨勝

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