- 1 -令和3年1月27日判決言渡令和2年(行コ)第64号 所得税更正処分等取消請求控訴事件(原審・東京地方裁判所平成28年(行ウ)第462号) 主 文51 本件控訴を棄却する。 2 控訴費用は第1審原告の負担とする。 事実及び理由 第1 控訴の趣旨1 原判決を取り消す。 102 A税務署長が平成27年2月27日付けで第1審原告に対してした平成23年分の所得税の更正処分のうち,総所得金額2009万2050円,納付すべき税額333万4100円を超える部分,及び同処分に伴う過少申告加算税賦課決定処分のうち2万6000円を超える部分を取り消す。 3 A税務署長が平成27年2月27日付けで第1審原告に対してした平成2415年分の所得税の更正処分のうち,総所得金額2204万9034円,納付すべき税額367万6600円を超える部分,及び同処分に伴う過少申告加算税賦課決定処分のうち4万1000円を超える部分を取り消す。 4 A税務署長が平成27年2月27日付けで第1審原告に対してした平成25年分の所得税の更正処分のうち,総所得金額2193万3649円,納付すべ20き税額につき377万8900円を超える部分,及び同処分に伴う過少申告加算税賦課決定処分を取り消す。 5 A税務署長が平成27年2月27日付けで第1審原告に対してした平成22年1月1日から同年12月31日までの課税期間に係る消費税及び地方消費税の各決定処分並びにこれに伴う無申告加算税賦課決定処分を取り消す。 256 A税務署長が平成27年2月27日付けで第1審原告に対してした平成23- 2 -年1月1日から同年12月31日までの課税期間に係る消費税及び地方消費税の各決定処分並びにこれに伴う無申告加算税賦課決定処 務署長が平成27年2月27日付けで第1審原告に対してした平成23- 2 -年1月1日から同年12月31日までの課税期間に係る消費税及び地方消費税の各決定処分並びにこれに伴う無申告加算税賦課決定処分を取り消す。 7 A税務署長が平成27年2月27日付けで第1審原告に対してした平成24年1月1日から同年12月31日までの課税期間に係る消費税及び地方消費税の各決定処分並びにこれに伴う無申告加算税賦課決定処分を取り消す。 58 A税務署長が平成27年2月27日付けで第1審原告に対してした平成25年1月1日から同年12月31日までの課税期間に係る消費税及び地方消費税の各決定処分並びにこれに伴う無申告加算税賦課決定処分を取り消す。 第2 事案の概要(以下,略称は原判決の例による。)1 第1審原告は,神奈川県横浜市で本件クリニック(麻酔科)を個人で開設す10る医師(麻酔専門医)であり,業務委託契約に基づき,静岡県内に所在する本件各病院(原判決10頁の⑵記載のB病院,C病院及びD病院)で実施された手術の麻酔関連医療業務(原判決2頁25行目にいう本件業務。以下同じ。)を行い,報酬を受け取った。第1審原告は,この報酬が措置法26条1項にいう「社会保険診療につき支払を受けるべき金額」(原判決4頁12行目以下)15に該当することを前提に,概算経費率(同4頁21行目)により必要経費を算出して所得税の確定申告をした。また,第1審原告は,麻酔関連医療業務の提供が消費税法6条1項,別表第1第6号の「非課税資産の譲渡等(療養の給付等としての資産の譲渡等)」に該当し,その対価である報酬が非課税となることを前提に,消費税等(消費税及び地方消費税)の確定申告をしなかった。 20処分行政庁は,本件の報酬は「社会保険診療につき支払を受けるべき金額」に当た 該当し,その対価である報酬が非課税となることを前提に,消費税等(消費税及び地方消費税)の確定申告をしなかった。 20処分行政庁は,本件の報酬は「社会保険診療につき支払を受けるべき金額」に当たらないこと,麻酔関連医療業務の提供が「非課税資産の譲渡等(療養の給付等としての資産の譲渡等)」に当たらないことなどを理由に,本件各処分(同4頁2~3行目)をした。 第1審原告は,第1審被告を相手に,本件各処分の一部の取消しを求めて,25本件訴えを提起した。 - 3 -2 原判決は第1審原告の請求を全部棄却した。第1審原告が原判決の全部を不服として控訴したのが本件である。 3 関係法令等の定めの概要,前提事実,本件各処分の適法性に関する第1審被告の主張,争点及びこれに関する当事者の主張の要旨は,原判決「事実及び理由」中の第2の2から5まで並びに原判決別紙2及び3に記載のとおりである5から,これを引用する。 第3 当裁判所の判断1 当裁判所も,第1審原告の請求はいずれも理由がないと判断する。その理由は,原判決を後記2のとおり補正し,当裁判所の補足的判断を後記3のとおり加えるほかは,原判決「事実及び理由」中の第3に記載のとおりであるから,10これを引用する。 2 原判決の補正⑴ 14頁20行目の「乙15,16」を「乙15~17」に改める。 ⑵ 15頁15行目及び23行目の「乙16」を,いずれも「乙16,17」に改める。 15⑶ 16頁10行目の「乙15」を「乙15,17」に改める。 ⑷ 25頁15行目の「各病院」を「本件各病院」に改める。 3 当裁判所の補足的判断麻酔施術の重要性は第1審原告の主張するとおりである。また,本件各病院における第1審原告の担当曜日においては,安全かつ適確な麻酔施術が第1審20原告 院」に改める。 3 当裁判所の補足的判断麻酔施術の重要性は第1審原告の主張するとおりである。また,本件各病院における第1審原告の担当曜日においては,安全かつ適確な麻酔施術が第1審20原告にしか実行できないものであったこと,麻酔医も主体的に患者と接して診療等を行うものであることも第1審原告の主張するとおりである。 しかしながら,療養の給付を行ったといえるかどうかは,医療現場における役割とは異なる角度から,租税関係法令の定めるところにより判断するほかはないものである。 25本件手術(原判決10頁17行目以下)は,本件各病院が主体となって実施- 4 -したというほかはなく,この点については,原審が原判決24頁21行目から26頁11行目までに説示するとおりである。 患者に対する一連の医療サービスを提供したのは,麻酔医のほか,主治医,看護師,栄養士,診療放射線技師,臨床工学技士等であり,これを支える各種の物的設備を含めた有機的結合体である医療機関である。この観点からは,第51審原告の関与は,本件各病院の提供する一連の医療サービスに吸収されているものとみるほかはない。 第1審原告の行う本件麻酔施術が重要な役割を果たしていることを考慮しても,租税関連法規の解釈としては,第1審原告が自ら主体となって,本件各病院と共に,患者に対する療養の給付を行ったというには,無理があるというほ10かはないところである。 第4 結論以上によれば,第1審原告の請求はいずれも理由がないから棄却すべきであり,これと同旨の原判決は正当である。よって,本件控訴を棄却することとして,主文のとおり判決する。 15東京高等裁判所第11民事部 裁判長裁判官 野山 宏 20 裁判官 原 克也 裁判 件控訴を棄却することとして,主文のとおり判決する。 15東京高等裁判所第11民事部 裁判長裁判官 野山 宏 20 裁判官 原 克也 裁判官 土屋 毅25(別表省略)
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