平成15(行ウ)14 運転免許更新処分取消請求事件

裁判年月日・裁判所
平成17年4月26日 千葉地方裁判所 警察関係
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判決文本文26,040 文字)

平成17年4月26日判決言渡平成15年(行ウ)第14号運転免許更新処分取消請求事件判決 主文 1 被告が平成15年2月17日付けで原告に対してした自動車等運転免許証の有効期間の更新に係る処分のうち,平成18年2月21日から平成20年2月20日までの期間につき,有効期間の更新を拒否する部分を取り消す。 2 訴訟費用は,被告の負担とする。 事実及び理由 第1 請求主文同旨。 第2 事案の概要原告は,運転免許証(以下「免許証」という。)の有効期間満了に伴い,被告に対し,免許証の有効期間の更新(以下では「免許証の更新」ということがある。)を申請したが,被告は,更新前5年間に原告に道路交通法(以下「法」という。)の規定に違反する行為(安全運転義務違反)があったことから,原告が法92条の2第1項の表備考一の4に定める違反運転者等に該当するとして,原告に対し,更新後の免許証の有効期間を,更新前の免許証の有効期間満了日後の原告の3回目の誕生日から起算して1月を経過する日(平成18年2月20日)まで(3年)とする,免許証の有効期間の更新をした。 本件は,原告が,被告による前記更新に係る処分のうち,更新後の免許証の有効期間を3年とする部分は,有効期間5年(平成20年2月20日まで)の更新を受けることのできる原告の法的地位を侵害する違法な行政処分であると主張して,その取消しを求めている事案である。 1 前提事実(末尾に証拠等の記載のない事実は,当事者間に争いがないか,明らかに争わない事実である。)(1) 原告の運転免許の取得原告は,昭和63年8月3日に第1種普通自動車運転免許を,同月23日に中型限定自動二輪車運転免許(平成7年法律第74号による改正後の法にいう普通自動二輪車免許)( 1) 原告の運転免許の取得原告は,昭和63年8月3日に第1種普通自動車運転免許を,同月23日に中型限定自動二輪車運転免許(平成7年法律第74号による改正後の法にいう普通自動二輪車免許)(以下,両免許を併せて「本件免許等」という。)をそれぞれ取得し,そのころ免許証の交付を受けた。 (2) 原告の違反行為原告は,平成10年11月28日午後7時45分ころ,千葉県四街道市ab番地c先路上の横断歩道がなく,交通整理が行われていない丁字型交差点付近を,自家用小型乗用自動車を運転し,時速30キロメートル前後で走行中,上記交差点付近で,Aの運転する自転車と接触した(以下,同接触事故を「本件事故」という。)。Aは,本件事故により治療期間15日未満の傷害を負った。 被告は,そのころ,原告に対し,本件事故において法70条の規定に違反する行為(安全運転義務違反。以下「本件違反行為」という。)があったとして,法施行令(但し平成14年政令第24号による改正前のもの。以下「旧法施行令」という。)33条の2第1項,及び,旧法施行令別表第1の1に基づいて,累積点数4点(基礎点数2点,及び,傷害事故のうち治療期間が15日未満であって専ら当該違反行為をした者の不注意によって発生した場合以外の場合にかかる付加点数2点を合計した点数)を付した。 (弁論の全趣旨)(3) 平成13年法律第51号(以下「平成13年改正法」という。)による法改正(以下「平成13年改正」という。)前の免許証の更新後の有効期間等平成13年改正前の法92条の2第1項(以下「旧法92条の2第1項」という。)は,免許証の有効期間の更新を受ける者を,優良運転者と優良運転者以外の者とに区別し,優良運転者のうち70歳未満の者については,更新後の有効期間を,更新前の免 (以下「旧法92条の2第1項」という。)は,免許証の有効期間の更新を受ける者を,優良運転者と優良運転者以外の者とに区別し,優良運転者のうち70歳未満の者については,更新後の有効期間を,更新前の免許証の有効期間満了日後のその者の5回目の誕生日が経過するまでの期間(5年)とし,優良運転者以外の者については,更新前の免許証の有効期間満了日後のその者の3回目の誕生日が経過するまでの期間(3年)と定めていた。 (4) 前回更新原告は,平成12年1月17日,被告に対し,本件免許等に係る免許証の有効期間の更新を申請した。 被告は,そのころ,本件違反行為による累積点数により原告は旧法92条の2第1項所定の「優良運転者以外の者」に該当するとして,原告に対し,更新後の有効期間を原告の平成15年の誕生日である平成15年1月20日までとする,免許証の有効期間の更新(以下「前回更新」という。)をした。 (5) 平成13年改正後の免許証の更新後の有効期間等ア有効期間平成13年改正により,免許証の有効期間の更新を受けようとする者は,優良運転者,一般運転者及び違反運転者等に3分されることとなり,更新後の有効期間は,更新日等における年齢が70歳未満の優良運転者及び一般運転者については,更新前の免許の有効期間満了日等の後のその者の5回目の誕生日から起算して1月を経過する日までの期間(5年)とされ,違反運転者等については,更新前の免許の有効期間満了日等の後のその者の3回目の誕生日から起算して1月を経過する日までの期間(3年)とされることとなった(法92条の2第1項)。 イ優良運転者優良運転者とは,更新日等までに継続して免許を受けている期間が5年以上である者であって,自動車等の運転に関する法の規定等の遵守の状況が優良な者として政令で定める基準に適合す 項)。 イ優良運転者優良運転者とは,更新日等までに継続して免許を受けている期間が5年以上である者であって,自動車等の運転に関する法の規定等の遵守の状況が優良な者として政令で定める基準に適合するもの(法92条の2第1項の表の備考一の2)であり,前記政令で定める基準は,法101条5項の規定により免許証の更新を受けた者の場合,更新前の免許証の有効期間満了日の直前のその者の誕生日の40日前の日前5年間において,違反行為又は法施行令別表第2の2に掲げる行為をしたことがないこと(法施行令33条の7第1項1号)である。 ウ一般運転者一般運転者とは,優良運転者又は違反運転者等以外の者(法92条の2第1項の表の備考一の3)である。 エ違反運転者等違反運転者等とは,更新日等までに継続して免許を受けている期間が5年以上である者であって自動車等の運転に関する法の規定等の遵守の状況が不良な者として政令で定める基準に該当する者,又は,当該期間が5年未満である者(法92条の2第1項の表の備考一の4)である。前記政令で定める基準は,法101条5項の規定により免許証の更新を受けた者の場合,更新前の免許証の有効期間満了日の直前のその者の誕生日の40日前の日前5年間において,違反行為(法施行令33条の2第1項1号),又は,法施行令別表第2の2に掲げる行為をしたことがあること(法施行令33条の7第2項,同条1項1号)である。 オ平成13年改正法の施行平成13年改正法は,平成14年6月1日に施行された。 カ平成13年改正に伴う法施行令の改正等旧法施行令33条の2第1項,及び,旧法施行令別表第1の1は,平成13年改正に伴い,平成14年政令第24号(以下「平成14年改正令」という。)により改正され,平成14年改正令は,同年 行令の改正等旧法施行令33条の2第1項,及び,旧法施行令別表第1の1は,平成13年改正に伴い,平成14年政令第24号(以下「平成14年改正令」という。)により改正され,平成14年改正令は,同年6月1日に施行された。 平成14年改正令附則2条(以下「法施行令改正附則2条」という。)は,経過措置として,施行日(平成14年6月1日)前の平成13年改正前の法の規定によりした処分,手続その他の行為であって,平成13年改正後の法の規定に相当の規定があるものは,平成13年改正法附則又は平成14年改正令に別段の定めのあるものを除き,平成13年改正後の法の相当の規定によりしたものとみなす旨を定めている。 (6) 平成13年改正法の施行による原告の免許証の有効期間の延長原告の免許証の前回更新後の有効期間は,平成13年改正法の施行により,前記(4)の有効期間の末日から起算して1月を経過する日である平成15年2月20日までとされた(平成13年改正法附則2条2項)。 (7) 本件更新手続の経緯等ア更新連絡書の受領原告は,平成14年12月12日,被告が法108条に基づき免許関係事務を委託する財団法人千葉県交通安全協会連合会(以下「交通安全協会」という。)を通じて,被告から,更新後の有効期間を3年とする旨の「運転免許証更新のお知らせ」と題する書面(以下「更新連絡書」という。)を受領した。 更新連絡書には,運転免許証更新のご案内として,概ね以下の記載がある。 手続の期間誕生日の1か月前から2月20日まで手続の場所免許センター更新後の免許証の色ブルー,有効年 3年,講習種別違反講習講習時間 2時間免許証番号 (略)最新の違反平成10年11月28日安全運転義務手数料総額3950円内訳更新 更新後の免許証の色ブルー,有効年 3年,講習種別違反講習講習時間 2時間免許証番号 (略)最新の違反平成10年11月28日安全運転義務手数料総額3950円内訳更新手数料 2250円講習手数料 1700円イ本件更新原告は,平成15年2月17日,法101条1項に基づいて,被告に対し,別紙「運転免許更新・講習申請書」及び別紙「運転免許証更新申請書別紙」を提出して,本件免許等に係る免許証の有効期間の更新を申請(以下「本件更新申請」という。)した。 被告は,更新前の免許証の有効期間満了日の直前の原告の誕生日(平成14年1月20日)より40日前の日前5年間(以下「更新前5年間」という。)において,原告の累積違反点数が前記(2)のとおり4点であったことから,原告が違反運転者等(法92条の2第1項の表備考一の4)に該当するとして,原告に対し,更新後の免許証の有効期間を,更新前の免許の有効期間満了日後の原告の3回目の誕生日から起算して1月を経過する日である平成18年2月20日まで(3年)とする免許証を交付して,有効期間の更新(以下「本件更新」という。)をした。 ウ更新時講習の受講等原告は,そのころ,被告が法108条の2第1項11号に基づいて免許証の更新を受けようとする者に対して行う講習(以下「更新時講習」という。)のうち,違反運転者等の区分に応じた講習を受け,講習手数料3950円を支払った。 なお,講習手数料については,更新手数料を含めて,優良運転者講習は2950円,一般運転者講習は3300円とされている(法112条1項,法施行令43条1項)。 2 争点(1) 本件更新後の原告の免許証の有効期間を3年とする被告の行為の行政処分性の有無(2) 950円,一般運転者講習は3300円とされている(法112条1項,法施行令43条1項)。 2 争点(1) 本件更新後の原告の免許証の有効期間を3年とする被告の行為の行政処分性の有無(2) 訴えの利益の有無(3) 前記(1)の被告の行為について行政処分性が認められる場合における当該行政処分の違法事由の有無ア行政手続法違反の有無イ一事不再理原則違反の有無ウ法施行令改正附則2条違反の有無エ法の趣旨の逸脱の有無 3 争点に関する当事者の主張(1) 争点(1)(本件更新後の原告の免許証の有効期間を3年とする被告の行為の行政処分性の有無)について(原告の主張)ア免許証の有効期間は,原則5年と解すべきであり,免許証の有効期間が5年であると認められるべき更新申請者の地位は,法律上保護されている利益であるということができる。かかる地位を何らかの違法な処分によって侵害された者があるとすれば,その者は取消訴訟によって当該侵害を排除して上記地位の回復を求めることができると解すべきである(東京高裁平成8年6月10日判決・判例時報1588号94頁参照)。 被告の指摘する裁判例(大阪地裁平成15年9月5日判決・乙3号証)においても,違反運転者等に該当するとして,更新後の有効期間を3年間とする免許証の更新を受けた運転者が,その有効期間について不服があるときは,当該更新のうち有効期間を3年間とする部分の取消しを求める取消訴訟を提起することが可能であるとされている。 イ原告の免許証の更新後の有効期間を3年とする被告の処分は,法92条の2第1項及び法施行令33条の7に基づいて,原告を名宛人として,直接に,違反運転者講習として2時間の安全運転教育を受ける行政上の義務を履行させ,かつ,免許証の有効期間を5年から3年 分は,法92条の2第1項及び法施行令33条の7に基づいて,原告を名宛人として,直接に,違反運転者講習として2時間の安全運転教育を受ける行政上の義務を履行させ,かつ,免許証の有効期間を5年から3年に制限するものであるから,「行政庁が,法令に基づき,特定の者を名あて人として,直接に,これに義務を課し,又はその権利を制限する処分」(行政手続法2条4号)であり,不利益処分に該当する。 (被告の主張)公安委員会は,免許証の更新を受けようとする者から更新申請書の提出があった場合,適性検査の結果,その者が自動車等を運転することにつき支障がないと認めたときは,当該免許証の更新をしなければならず(法101条5項),免許証の更新申請に対する公安委員会の更新又は更新をしない処分は,取消訴訟の対象である「行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為」(行政事件訴訟法3条2項)に当たる。 しかし,更新申請の内容は,運転免許証の更新の申請に尽きるのであって,更新後の免許証の有効期間の区分いかんは更新申請の内容に含まれない。そのように解する根拠は,以下のとおりである。 ア法101条5項が更新の要件につき,過去の違反歴等によって異なる更新後の有効期間の区別なく一律に適性検査の結果のみにかかることとしていること,つまり,更新処分について,過去の違反歴等による区分けがなされていないことイ更新時講習及び更新後の免許証の有効期間の区分いかんにつき,更新を受けようとする者からの申請があることを前提とする規定が存在しないことウ免許証の有効期間の区分を定める法92条の2は,免許証の更新等について規定する法第5節とは別の節(第3節免許証等)に規定されていること,すなわち,免許証の有効期間の区分は, ウ免許証の有効期間の区分を定める法92条の2は,免許証の更新等について規定する法第5節とは別の節(第3節免許証等)に規定されていること,すなわち,免許証の有効期間の区分は,更新処分自体とは明確に区別されており,更新処分の内容とはなっていないことエ免許証の更新処分自体は,新免許証の交付に尽きること(法施行規則29条8項)オ更新時講習及び更新後の免許証の有効期間の区分については,法文上一義的に規定されており,被告に裁量の余地はないこと,つまり,上記区分は,更新を受けようとする者からの申請によって被告が決定する行政処分ではないことカ更新申請書に更新後の免許証の有効期間の区分を指定する欄がないこと以上のとおり,更新後の免許証の有効期間の区分は,更新申請の内容に含まれないから,原告が本件訴訟において取消しを求める「有効期間を3年間とした部分」は,国民に権利として認められている申請に対する行政庁の認容・拒否処分に該当しない。したがって,本件訴えは,不適法である。 (2) 争点(2)(訴えの利益の有無)について(原告の主張)被告は,最高裁判決(最高裁平成8年2月22日第一小法廷判決・集民178号279頁)を挙げて,本件訴えには訴えの利益がないと主張する。前記最高裁判決は,本邦在留の外国人が引き続き本邦に在留することができる資格の付与を申請し得る場合であっても,新規入国者がする申請と何ら異なるところはないから,本邦に在留中であるからといって,その者に引き続き在留し得る権利があるとはいえず,従前と同一の在留期間の更新を要求し得る権利が当然に保障されているものではないと説示するものである。 運転免許の効 ,本邦に在留中であるからといって,その者に引き続き在留し得る権利があるとはいえず,従前と同一の在留期間の更新を要求し得る権利が当然に保障されているものではないと説示するものである。 運転免許の効力は,前記最高裁判決の説示する外国人の在留資格の効力とは異なるものであって,外国人の在留資格及び在留期間のように,当初の有効期間の満了とともに免許の効力を完全に喪失し,更新等において従前とは全く別個無関係な新たな免許が効力を生じ,全く新たな免許期間が開始すると解するのは妥当でない(最高裁昭和43年12月24日第三小法廷判決・民集22巻13号3254頁参照)。 争点(1)に関する原告の主張のとおり,免許証の更新後の有効期間は,原則5年と解すべきであり,免許証の有効期間が5年であると認められるべき更新申請者の地位は,法律上保護されている利益であって,かかる地位を何らかの違法な処分によって侵害された者があるとすれば,その者は取消訴訟によって当該侵害を排除して前記地位の回復を求めることができると解すべき(前掲東京高裁平成8年6月10日判決参照)であるから,本件訴えには,訴えの利益があり,これを欠くとする被告の主張は失当である。 (被告の主張)争点(1)に関する被告の主張のとおり,更新後の免許証の有効期間の区分いかんは,更新申請の内容に含まれない。免許証の更新を申請しようとする者に更新後の免許の有効期間を指定する権利が認められているわけではなく,更新後の免許証の有効期間が申請者の希望を下回るものであっても,当該更新処分は申請者の法律上の利益を侵害するものではない(最高裁平成8年2月22日第一小法廷判決・集民178号279頁参照)。 平成13年改正後の現在においてもなお,更新後の免許証の有効期間は,原則3年とみるべきであり,更新後の免許証の有効期 ではない(最高裁平成8年2月22日第一小法廷判決・集民178号279頁参照)。 平成13年改正後の現在においてもなお,更新後の免許証の有効期間は,原則3年とみるべきであり,更新後の免許証の有効期間が5年とされることは,更新を受ける者が享受する,いわばメリットである。 したがって,仮に,被告が原告の更新後の免許証の有効期間を3年とした行為が,行政処分に当たると解されるとしても,当該処分は,原告に利益のみを付与する処分であって,原告の法律上の利益を侵害するものではないから,その取消しを求める本件訴えは,訴えの利益を欠き,不適法である。 (3) 争点(3)ア(行政手続法違反の有無)について(原告の主張)ア被告の処分が不利益処分(行政手続法2条4号)に該当する場合について (ア) 原告の免許証の更新後の有効期間を3年とする被告の処分は,争点(1)に関する原告の主張イのとおり,不利益処分(行政手続法2条4号)に該当する。 (イ) 行政手続法12条違反法ないし法施行令等の法令の規定には,免許証の有効期間を5年とすべきか,それとも,3年とすべきかについての特段の定めはないから,都道府県公安委員会は,行政手続法12条に基づいて,行政上特別の支障があるときを除いて,有効期間を短縮すべきか否かの基準を定めて公にしなければならず,基準を定めるに当たっては処分の性質に照らし具体的なものにしなければならない。ところが,被告の制定する千葉県公安委員会施行細則その他の規則には,このような基準の定めがない。したがって,被告の処分は,行政手続法12条に違反し,違法である。 (ウ) 行政手続法13条違反被告の処分 安委員会施行細則その他の規則には,このような基準の定めがない。したがって,被告の処分は,行政手続法12条に違反し,違法である。 (ウ) 行政手続法13条違反被告の処分は,原告の意見陳述の手続を経ないで行われたものであるから,行政手続法13条に違反し,違法である。 (エ) 行政手続法14条違反更新連絡書には,最新の違反欄に「平成10年11月28日安全運転義務」と記載されているにとどまるところ,この記載から,原告が,どの基準のどの項目を満たさないために一般運転者に該当しないのかを知ることは不可能であるから,被告の処分は,行政手続法14条に違反し,違法である。 イ被告の処分が申請(行政手続法2条3号)に対する処分に該当する場合について(ア) 行政手続法5条違反原告の免許証の有効期間を3年とする被告の処分が,更新申請に対する拒否処分であるとしても,当該処分は,以下のとおり,行政手続法5条に違反するものである。 すなわち,審査基準自体の内容が微妙,高度の設定を要するようなものである等の場合には,行政庁は,審査基準を適用する上で必要とされる事項について,申請者に対し,その主張と証拠の提出の機会を与えなければならず,申請人は,このような公正な手続によって免許の許否につき判定を受くべき法的利益を有していると解される(最高裁昭和46年10月28日第一小法廷判決・民集25巻7号1037頁参照)。 したがって,被告は,当該処分を行うについて原告の意見聴取手続を経なければならないと解されるところ,本件につき被告が,原告の意見を聴取する手続をとった事実はない。 (イ) 行政手続法8条違反理由付記は,いかなる事実関係につきいかなる法規を適用したかを摘示することを要することに止まらず,法 き被告が,原告の意見を聴取する手続をとった事実はない。 (イ) 行政手続法8条違反理由付記は,いかなる事実関係につきいかなる法規を適用したかを摘示することを要することに止まらず,法令所定の適用事由のうちどれに該当するのかをその根拠とともに了知しうるものでなければならず,単に該当規定を示すのみでは相手方において当然知りうるような場合は別として,理由付記としては不十分であると解されている(最高裁昭和60年1月22日第三小法廷判決・民集39巻1号1頁,同平成4年12月10日第一小法廷判決・判例時報1433号116頁参照)。 更新連絡書には「最新の違反平成10年11月28日安全運転義務」と記載されるにとどまり,この記載から,原告が,どの基準のどの項目を満たさないために一般運転者に該当しないのかを知ることは不可能であるから,被告の処分は,行政手続法8条に違反する。 (被告の主張)ア行政手続法12条ないし14条違反の主張について行政手続法上の不利益処分とは,行政庁が特定の者に義務を課し,又はその権利を制限するために,当該者を相手方として行う処分であって,その処分の直接の効果として当該者が義務を負い,又は当該者の権利が制限されることになる処分である。ここに「権利を制限する」とは,処分を行うことの直接の法的効果として,その相手方がそれまで保有していたある具体的な権利の範囲を限定し,又はその内容を相手方に不利益に変更する行為を指す。 ところで,自動車の運転免許は,道路における危険その他社会公共の安全を害する等のおそれがあるため,法が,64条及び84条1項により,原則として禁止している自動車の運転について,特定の要件を備える者に対し,特にその禁止を解除して,適法にその行為を行わせる,いわゆる警察許可に該当するも あるため,法が,64条及び84条1項により,原則として禁止している自動車の運転について,特定の要件を備える者に対し,特にその禁止を解除して,適法にその行為を行わせる,いわゆる警察許可に該当するものである。したがって,運転免許を取得することは,自動車を運転しようとする者にとって,それまで保有していた具体的権利として認められていることではないから,運転免許の取得に関し何らかの制限が課されたとしても,それが行政手続法上の不利益処分に該当することはない。 以上のような運転免許制度の趣旨からすれば,一度免許を取得した者が,当該有効期間経過後も運転を継続するために受ける免許の更新も,実質的には新たな免許の取得と同義であると解すべきであって,公安委員会は,更新を受けようとする者に対し,適性試験を行い,その者が自動車を運転することに支障がないと認めたときに初めて免許証の更新を行うのであり,一度運転免許試験に合格し免許の許否等の事由に該当しなかったからといって,当然に更新が認められるものではない。免許の更新は,免許を取得した者が更新期間内に更新手続をとることによって,運転免許試験に代わる適性検査により,新たな有効期間を定めた免許証の交付を受けられるという便宜を認めるものにすぎず,処分の相手方が,ある具体的な権利として,免許の更新を受ける地位をそれまで保有していたとはいえない。したがって,免許更新に関し何らかの制限が課されたしても,それが行政手続法上の不利益処分(行政手続法2条4号本文)に該当することはなく,原告に対する本件更新も不利益処分に当たらない。 仮に,本件更新が,「行政庁が,法令に基づき,特定の者を名あて人として,直接に,これに義務を課し,又はその権利を制限する処分」(行政手続法2条4号本文)に当たるとしても,免許証の更新を受けようと 仮に,本件更新が,「行政庁が,法令に基づき,特定の者を名あて人として,直接に,これに義務を課し,又はその権利を制限する処分」(行政手続法2条4号本文)に当たるとしても,免許証の更新を受けようとする者は,公安委員会に更新申請書を提出することとされているのであるから(法101条1項),免許更新処分は行政手続法2条4号ただし書きにおいて,不利益処分から除外するものとされている「申請により求められた許認可等を拒否する処分その他申請に基づき当該申請をした者を名あて人としてされる処分」(行政手続法2条4号ロ)に該当し,不利益処分には当たらない。 イ行政手続法5条,8条違反の主張について(ア) 行政手続法2条3号が規定する「申請」とは,法令に基づき行政庁の許可,認可,免許その他の自己に対し何らかの利益を付与する処分を求める行為であって,当該行為に対して行政庁が認否の応答をすべきこととされているものをいう。 争点(1)に関する被告の主張のとおり,免許証の更新申請の内容は,更新の申請に尽きるのであり,更新時講習及び更新後の免許証の有効期間の区分いかんは,これに含まれない。法101条5項は,公安委員会は,適性検査の結果から判断して,当該免許証の更新を受けようとする者が自動車等を運転することが支障がないと認めたときは,当該免許証の更新をしなければならないと規定しており,公安委員会に認否の応答が求められているのは,更新申請自体に対する認否の応答,すなわち,更新をするか否かの応答のみであって,更新申請の内容に含まれていない更新後の免許証の有効期間の区分いかんについて,公安委員会が認否の応答をすることはあり得ず,そのような応答を求める法上の規定も存在しない。 したがって,更新後の免許証の有効期間の区分いかんは,行政手続法2条3号にいう「 の区分いかんについて,公安委員会が認否の応答をすることはあり得ず,そのような応答を求める法上の規定も存在しない。 したがって,更新後の免許証の有効期間の区分いかんは,行政手続法2条3号にいう「申請」には該当しない。原告のように更新申請書のとおり免許証の更新処分を受けた場合,当該更新処分は,そもそも,「申請により求められた許認可等を拒否する処分」に該当しないため,行政手続法8条の適用を受けない。 (イ) 附款については,行政手続法8条にいう理由提示義務が及ぶか否かについて議論があるが,更新後の免許証の有効期間の区分は,このような附款とは,全くその性質を異にする法定附款であり,同条に規定する理由提示義務は及ばないというべきである。 すなわち,行政手続法8条が許認可等の申請に対し行政庁が拒否処分をする場合における理由提示義務を規定した趣旨は,行政庁の判断の慎重,合理性を担保し,申請者の争訟提起の便宜を図ることにあるが,法定附款については,その具体的要件,内容が法令で明示されており,理由提示義務が求められる前提である行政庁の判断の余地が全くないため,その判断の慎重,合理性を担保する必要がない。申請者にとっても,法定附款が付される具体的要件,内容は法令上明らかであるから,争訟提起の便宜を図るという理由提示義務の上記目的を考慮する必要性も認められない。 そして,法92条の2は,主体を示すことなく,単に「(略)の有効期間は,(略)までの期間とする。」と規定し,更新後の免許証の有効期間の区分に関する具体的要件,内容を一義的に規定しており,このような法文の体裁からすれば,更新後の免許証の有効期間の区分は,法定附款であるというべきである。 したがって,附款に対する行政手続法8条の適 区分に関する具体的要件,内容を一義的に規定しており,このような法文の体裁からすれば,更新後の免許証の有効期間の区分は,法定附款であるというべきである。 したがって,附款に対する行政手続法8条の適用という点からみても,本件更新については行政手続法8条に基づく理由提示義務は及ばないというべきであり,同条違反をいう原告の主張は失当である。 (4) 争点(3)イ(一事不再理の原則違反の有無)について(原告の主張)同一の理由,目的,手続により重複して不利益処分を行うことは,法的安定性を損ない相当性を欠くものであり,一事不再理原則に反し許されないと解されるところ,被告が,前回更新時の講習及び本件更新時の講習において,原告をして,本件違反行為に対応して,違反運転者等に対する講習を受講させ,また,前回更新のみならず本件更新においても,原告の免許証の更新後の有効期間を3年としたことは,原告が本件事故を起こしたこと(本件違反行為)を2度にわたって評価し,同一事由について2度の不利益処分を課すものである。したがって,本件違反行為を理由とする前回更新と同一の目的及び内容を有する本件更新は,一事不再理原則に反し,違法というべきである。 被告は,一事不再理原則は刑事上の責任に関する原則であって,行政手続には適用がないと主張するが,憲法の定める手続保障である一事不再理原則は,刑事手続のみならず,行政手続にも及ぶと解すべきである。 (被告の主張)ア一事不再理原則は,刑事上の責任に関する原則であって,国家の刑罰権の発動ではない更新時講習には適用されない。更新時講習は,定期的に安全教育を行うことによって,安全に必要な知識を補うという目的から,免許証の更新を受けようとする全ての者が原則として受講しなければならない ない。更新時講習は,定期的に安全教育を行うことによって,安全に必要な知識を補うという目的から,免許証の更新を受けようとする全ての者が原則として受講しなければならないものであり(法101条の3),何らかの行為に対する法律上の効果として行為者に科せられる処分ではなく,刑罰権の発動とは,著しくその性質を異にする。 法は,優良運転者,一般運転者又は違反運転者等の区分に応じた講習を行う旨規定する(法108条の2第1項11号)が,優良運転者と優良運転者以外の各区分の講習内容との間には,講習事項,講習方法及び講習時間の各項目において,憲法39条が想定する刑罰権の発動に類するような差異はなく,これをもって一事不再理原則違反に相当するような個人の地位の安定性への侵害があったと評価することはできない。上記区分は,更新時講習を受講する間隔を3年とすることにより安全意識を高める必要のある者に該当するか否かの観点に基づくものであって,その者が過去に違反や事故を起こした事実の有無により,これを将来における道路交通法上の危険性推認の資料として判断基準とするほかないため,このような区分がされているにすぎず,本件事故も,原告の将来における法上の危険性推認の判断材料とされたにすぎない。原告は,前回更新時と本件更新時の双方において,本件事故の存在に対応する講習を受講することとされたが,更新時講習と違反行為との間には連動性がなく,違反行為は単に更新を受けようとする者の法上の危険性を推認する判断資料の対象にすぎないのであり,更新時講習は,犯罪行為を構成要件に当てはめた結果として科せられる刑罰とは全くその性質を異にする。 イ免許証の更新も,更新時講習と同様に,国家の刑罰権の発動ではないから,一事不再理原則は適用され 習は,犯罪行為を構成要件に当てはめた結果として科せられる刑罰とは全くその性質を異にする。 イ免許証の更新も,更新時講習と同様に,国家の刑罰権の発動ではないから,一事不再理原則は適用されない。 免許証の更新の主眼は,更新そのものにあり,原告は,本件更新により,その申請どおりに免許証の更新を受けたのであって,本件更新において,国家の刑罰権の発動に対して個人の地位の安定性を確保する必要がある場面に類する事態は発生していない。本件更新は,争点(3)アに関する被告の主張のとおり,行政手続法上の不利益処分にも該当せず,国家の刑罰権の発動に対して個人の地位の安定性を確保させることを目的とする一事不再理原則の適用ないし準用があると解するのは,不自然である。 (5) 争点(3)ウ(法施行令改正附則2条違反の有無)について(原告の主張)前記第2の1(5)カのとおり,法施行令改正附則2条は,平成13年改正前の法の規定によりした処分,手続,その他の行為であって,平成13年改正後の法に相当の規定があるものは,平成13年改正法附則又は平成14年改正令に別段の定めがあるものを除き,平成13年改正後の法の相当の規定によりしたものとみなす旨を定めて,平成13年改正前の法の規定による処分等(前回更新を含む)は,平成13年改正により直ちに効力を喪失するものではないことを明文をもって規定している。 前回の更新時講習は本件事故という固有の事象を対象とし,旧法の規定を適用して行われた交通安全教育であるところ,法施行令改正附則2条は,前回の更新時講習による交通安全教育の有効性を平成13年改正後の法に照らしても否定しないものと解されるから,被告が,前回更新時講習と同様に,本件違反行為を端緒として,前回更新時講習と実体的同一性を有する本件更新時講習を原告に再 教育の有効性を平成13年改正後の法に照らしても否定しないものと解されるから,被告が,前回更新時講習と同様に,本件違反行為を端緒として,前回更新時講習と実体的同一性を有する本件更新時講習を原告に再度受講させることは,法施行令改正附則2条に違反し,許されない。したがって,本件更新は,法施行令改正附則2条に違反する違法な行政処分である。 (被告の主張)原告は,原告が前回の更新時講習における交通安全教育は,法施行令改正附則2条により,平成13年改正後も有効とされるから,前回の更新時講習の受講によって,本件違反行為がなかったことになるか,又は,本件違反行為が,本件更新時に法92条の2の区分を判断する際に違反行為としての評価の対象にならなくなると解して,本件更新時に原告が受講すべき更新時講習は,法92条の2にいう優良運転者及び一般運転者の区分に応じた内容で足り,本件更新後の免許証の有効期間も5年になるはずであると主張するもののようである。 しかしながら,更新時講習は定期的に安全教育を行うことにより運転者の安全意識を高めることを目的とするものであり,免許証の更新を受けようとする者には,更新の都度,更新時講習を受ける義務が課されているのであって,前回更新時講習と本件更新時講習とは全く別個の講習であり,両者の間に同一性はない。また,違反行為に対応する更新時講習を受講することによって,遡って,当該違反行為をなかったものとみなす規定もない。 したがって,法は,更新時講習と違反行為との間に更新時講習を受講することにより当該違反行為をなかったこととする,あるいは更新時講習を受講することによって当該違反行為を本件更新時において法92条の2の区分を判断する際にその有無が問題となる違反行為として評価の対象としないといった関係を想定していないと解さ る,あるいは更新時講習を受講することによって当該違反行為を本件更新時において法92条の2の区分を判断する際にその有無が問題となる違反行為として評価の対象としないといった関係を想定していないと解されるのであって,法施行令改正附則2条を根拠として本件更新が違法であるとする原告の主張は理由がない。 (6) 争点(3)エ(法の趣旨の逸脱の有無)について(原告の主張)法の定める更新後の免許証の有効期間の区分(法92条の2第1項),及び,更新時講習(法101条の3第1項,108条の2第1項11号)の制度趣旨は,道路における危険を防止し,その他交通の安全と円滑を図り,道路の交通に起因する障害を防止するために,免許証更新者に対する交通安全教育をその者の客観的な運転行動に基づいて行うことにあり,免許証の更新は,以上のような法の趣旨を逸脱するものであってはならないというべきである。 ところで,法は,「一般運転者」について「優良運転者又は違反運転者以外の者」(法92条の2第1項の表の備考一の3)とのみ規定し,その要件を明確に定義していないが,更新前5年間に,軽微違反行為1回のほかは違反行為又は別表第2の2に掲げる行為をしたことがない(法施行令33条の7第2項)者,すなわち,更新前5年間における累積点数が3点以下の者は,違反運転者に該当しないと解されているため,このような者は,更新前5年間に軽微違反行為をしたにもかかわらず,違反行為に該当する更新時講習を受けずに5年の有効期間の免許の更新を受けている。 そうすると,更新前5年間に軽微違反行為をした者については,被告がいうところの「短期間の講習の受講の必要性」はないということになるが,軽微違反行為といえども,反則行為(法125条1項)として法の罰則規定の適用を受けるのであって,道路上の した者については,被告がいうところの「短期間の講習の受講の必要性」はないということになるが,軽微違反行為といえども,反則行為(法125条1項)として法の罰則規定の適用を受けるのであって,道路上の危険の防止,交通の安全と円滑の維持,道路交通に起因する障害の防止を阻害するおそれがあり,交通事故を惹起し又は交通事故による被害を拡大しかねない行為であるから,軽視することはできない。そうであるにもかかわらず,更新前5年間に軽微違反行為をした者について「短期間の講習の受講の必要性」がないというのであれば,原告のように,違反行為に該当する更新時講習を既に受講し,次回更新時までに何ら違反行為をせず,直近に行った講習の効果が認められる者は,軽微違反行為をしたが何らの講習も受けていない者に比べ,一層,交通安全教育の必要性に乏しいというべきである。 したがって,前回更新時に本件違反行為に対応する更新時講習を既に受講し,本件更新時まで何らの違反行為がない原告を「一般運転者」とせず,原告の更新後の免許証の有効期間3年とした被告の本件更新は,法の解釈を誤り,法の趣旨を逸脱し,法の委任の範囲を濫用するものというべきであり,違法である。 (被告の主張)原告は,一般運転者の要件が明確に定義されていないと指摘し,その結果,被告は,免許更新の際,法の要件を白地的に判断して根拠規定を適用できることになるので法を適用する行政機関である被告に裁量の余地がないとする被告の主張には相当性がないとする。 しかし,法92条の2及び法施行令33条の7によれば優良運転者,一般運転者及び違反運転者等については法文上一義的に区分されており,被告に裁量の余地がないことは明らかであり,法及び法施行令は一般運転者の要件を明確に定義しているのであるから原告の主張には理由がない。 第3 当裁判 反運転者等については法文上一義的に区分されており,被告に裁量の余地がないことは明らかであり,法及び法施行令は一般運転者の要件を明確に定義しているのであるから原告の主張には理由がない。 第3 当裁判所の判断 1 免許証の更新後の有効期間に関する法の規定の改正の経緯法は,平成5年法律第43号による法改正(以下「平成5年改正」という。)前は,免許証の更新後の有効期間を,更新前の有効期間が満了した後のその者の3回目の誕生日が経過するまでの期間(3年)と定めていた(平成5年改正前の法92条の2)が,平成5年改正後は,免許証の更新を受けた者を優良運転者と優良運転者以外の者とに区別し,優良運転者のうち70歳未満の者については,更新後の有効期間を,満了日等(旧法92条の2第1項の表の備考一の3)の後のその者の5回目の誕生日が経過するまでの期間(5年)とし,優良運転者以外の者については,満了日等(旧法92条の2第1項の表の備考一の3)の後のその者の3回目の誕生日が経過するまでの期間(3年)とした(旧法92条の2第1項)。 その後,平成13年改正によって,免許証の更新を受ける者は,優良運転者,一般運転者及び違反運転者等に3分されることとなり,更新後の免許証の有効期間は,更新日等(法92条の2第1項の表の備考一の1)における年齢が70歳未満の優良運転者及び一般運転者については,満了日等(法92条の2第1項の表の備考一の5)の後のその者の5回目の誕生日から起算して1月を経過する日までの期間(5年)とされ,違反運転者等については,満了日等(法92条の2第1項の表の備考一の5)の後のその者の3回目の誕生日から起算して1月を経過する日までの期間(3年)とされることとなった(法92条の2第1項)。 2 争点(1)(本件更新後の原告の免許証の有効期間を3年とする被 考一の5)の後のその者の3回目の誕生日から起算して1月を経過する日までの期間(3年)とされることとなった(法92条の2第1項)。 2 争点(1)(本件更新後の原告の免許証の有効期間を3年とする被告の行為の行政処分性の有無)について(1) 取消訴訟の対象となる「行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為」(行政事件訴訟法3条2項)とは,公権力の主体たる国又は公共団体が行う行為のうち,その行為によって,直接国民の権利義務を形成し又はその範囲を画することが法律上認められているものをいう(最高裁昭和39年10月29日第一小法廷判決・民集18巻8号1809頁参照)。 (2) そこで,免許証の有効期間の更新を申請する者について,更新後の有効期間を5年とする更新を受ける地位が,法ないしこれに基づく法施行令等の規定により保護されているといえるかについて検討する。 ア平成13年改正後の法においては,更新日の年齢が70歳未満の場合,優良運転者及び一般運転者に該当する者の更新後の免許証の有効期間は5年とされているのに対し,違反運転者等に該当する者の更新後の免許証の有効期間は3年とされている(法92条の2第1項)ほか,法101条の3の規定により更新を受けようとする者に受講が義務付けられている更新時講習の内容及び程度も,優良運転者及び一般運転者に対する講習の方が,違反運転者等に対する講習に比べて簡素なものとされ(法108条の2第1項11号,法施行規則38条12項),また,優良運転者については,一定の場合に,住所地を管轄する公安委員会以外の公安委員会を経由して更新申請を行うことが認められており(法101条の2の2第2項), 優良運転者 良運転者については,一定の場合に,住所地を管轄する公安委員会以外の公安委員会を経由して更新申請を行うことが認められており(法101条の2の2第2項), 優良運転者及び一般運転者については,違反運転者等に比べて,免許証の有効期間の更新に伴う負担の軽減が図られているということができる。 以上のとおりの優良運転者又は一般運転者に対して法が付与する負担軽減措置を受けることのできる地位ないし利益は,法によって保護された利益であるということができるから,このような地位ないし利益を違法な処分によって侵害された者は,当該処分の取消訴訟によりその侵害を排除し,利益の回復を求めることができると解すべきである。 イそこで,次に,法が,免許証の有効期間の更新を受けようとする者に対し,更新後の有効期間を5年とする更新の申請権を与えているといえるかについて検討する。 (ア) 被告の指摘するとおり,更新後の免許証の有効期間の区分を定める法92条の2は,免許証の更新等について規定する法第5節ではなく,法第3節に規定されている。また,法101条5項は,更新の要件として,適性検査の結果,更新を受けようとする者が自動車等を運転することが支障がないと認められることのみを定めるにとどまり,更新の要件について過去の違反歴等による区分けをしておらず,法101条1項も,更新申請者が更新申請において更新後の免許証の有効期間の区分を指定すべき旨を定めていない。また,証拠(乙1の1及び2)及び弁論の全趣旨によれば,同条1項の委任に基づいて定められた平成14年内閣府令第34号の定める更新申請書の様式においても,更新後の免許証の有効期間の区分を指定する欄は設けられていないことが認められ,現在の更新申請手続においては,申請者が,いかな められた平成14年内閣府令第34号の定める更新申請書の様式においても,更新後の免許証の有効期間の区分を指定する欄は設けられていないことが認められ,現在の更新申請手続においては,申請者が,いかなる有効期間の免許証の更新を申請するかについての意思を明示する機会は,設けられていないといえる。 (イ) ところで,前記1のとおり,平成5年改正前の法においては,更新後の免許証の有効期間は一律に3年とされていたのであり,このような法制度の下においては,被告の主張するように,公安委員会には,更新の許否それ自体の決定権限が与えられているのみで,更新を行う場合における更新後の免許証の有効期間については決定権限は与えられていなかったと解することも可能であり,また,実質的にみれば,更新後の有効期間が申請権の内容に含まれるか否かは,更新申請者の法律上の地位ないし利益に大きな影響を及ぼす事柄ではなかったとみることも可能である。 (ウ) しかしながら,前記1のとおり,更新後の免許証の有効期間については,平成5年改正によって,優良運転者と優良運転者以外の者との区分による差が設けられ,更に,平成13年改正によって,優良運転者,一般運転者及び違反運転者等の区分による差が設けられたのであり,これによって,更新後の免許証の有効期間が何年になるかは,更新申請者の更新後の法律上の地位ないし利益を大きく左右する重要な事項になったということができ,また,公安委員会も,更新それ自体の許否を判断し決定する権限のみならず,更新を行う場合に,更新申請者の過去の違反行為の有無を認定し,その結果に応じ うことができ,また,公安委員会も,更新それ自体の許否を判断し決定する権限のみならず,更新を行う場合に,更新申請者の過去の違反行為の有無を認定し,その結果に応じて,法の定める区分に従って,その者の更新後の免許証の有効期間を決定する権限を有するに至ったものと解することができる。 そうすると,少なくとも,優良運転者及び一般運転者と違反運転者等との間で更新後の免許証の有効期間の長さについて差異を設ける平成13年改正後の法の下においては,更新後の免許証の有効期間は,更新申請者の申請権の内容を構成するものと解するのが相当である。 (エ) そして,前記1のとおり,平成13年改正後の法においては,免許証の更新を受ける者で更新日等における年齢が70歳未満の者については,優良運転者だけでなく一般運転者についても,更新後の免許証の有効期間は,満了日等(法92 条の2第1項の表の備考一の5)の後のその者の5回目の誕生日から起算して1月を経過する日までの期間(5年)とされ,違反運転者等についてのみ,満了日等(法92条の2第1項の表の備考一の5)の後のその者の3回目の誕生日から起算して1月を経過する日までの期間(3年)とされる(法92条の2第1項)に至ったのであり,このよう法の改正の経緯からすれば,法は,少なくとも平成13年改正後は,更新後の免許証の有効期間については5年を原則とする政策を採用したものと解することができる。また,このような政策を採る法の下において免許証の有効期間満了に伴い,有効期間の更新申請をする者としては,原則である5年の有効期間による更 たものと解することができる。また,このような政策を採る法の下において免許証の有効期間満了に伴い,有効期間の更新申請をする者としては,原則である5年の有効期間による更新を申請する意思で申請を行うのが通常であると考えられ,特段の事情のない限り,あえて,例外的で自己に不利益な違反運転者等としての3年の有効期間による更新を申請する意思で,申請を行うとは考え難い。 以上のとおりの平成13年改正後の法92条の2第1項の趣旨,更新申請者が,更新後の有効期間について通常有すると考えられる意思の内容に鑑みれば,少なくとも平成13年改正後の法の下においては,免許証の有効期間の満了に伴い,その更新を申請する者で,更新日等(法92条の2第1項の表の備考一の1)の年齢が70歳未満の者に対しては,更新後の免許証の有効期間を5年とする更新の申請権が法によって付与されていると解するのが相当である。 (オ) なお,前記のとおり,現在の更新申請手続においては,申請者が更新後の有効期間についての意思を明示する機会は設けられていないが,前記のとおり更新申請者が通常有すると考えられる申請意思は,有効期間5年の更新を申請する意思であると考えられることに鑑みれば,更新申請は,有効期間3年の更新の申請をする旨を申請者が明示する等の特段の事情が存しない限り,有効期間5年の更新を申請する意思を黙示的に示して行われているものと解することができる。 (3) 以上のとおり,免許証の更新申請者は,法に基づいて,更新後の免許証の有効期間を5年として申請する権利を有するものと解されるから,このような申請に対し,公安委員会が,申請者の過去の違反行為を認定して更新後の免許証の有効期間を3年とする更新を行う 証の有効期間を5年として申請する権利を有するものと解されるから,このような申請に対し,公安委員会が,申請者の過去の違反行為を認定して更新後の免許証の有効期間を3年とする更新を行う行為は,有効期間を5年とする更新申請の一部を拒否する申請拒否処分であると解するのが相当であり,これと異なる解釈に基づいて行政処分性を否定する被告の主張は,採用することができない。 したがって,本件更新後の原告の免許証の有効期間を3年とする被告の行為は,更新後の免許証の有効期間を5年とする原告の本件更新申請を一部拒否した行政処分であるというべきである。 3 争点(2)(訴えの利益の有無)について被告は,更新後の免許証の有効期間は,原則3年であって,5年とされることは,更新を受ける者が享受するいわばメリットであり,被告が原告の更新後の免許証の有効期間を3年とした行為が行政処分であるとしても,それは原告に利益のみを付与する処分であるから,その取消しを求める本件訴えは,訴えの利益を欠くと主張する。 しかしながら,前記2で判示したとおり,原告の更新後の免許証の有効期間を3年として免許証の更新をした被告の行為は,有効期間を5年とする原告の更新申請を一部拒否した処分であると解されるから,その取消しを求める本件訴えには訴えの利益があるということができ,これと異なる解釈を前提とする被告の前記主張は,採用することができない。 4 争点(3)ア(行政手続法違反の有無)について(1) 被告の行為の申請拒否処分(行政手続法2条4号ロ)該当性について前記2のとおり,免許証の更新申請は,法に基づいて,公安委員会に対し,原則として有効期間を5年とする免許証の更新を求める行為であるということができ,公安委員会は,法101条5項及び法92条の2第1項に基 2のとおり,免許証の更新申請は,法に基づいて,公安委員会に対し,原則として有効期間を5年とする免許証の更新を求める行為であるということができ,公安委員会は,法101条5項及び法92条の2第1項に基づいて,この申請に対し,更新の許否,及び,更新をする場合には更新後の免許証の有効期間を5年又は3年とする応答をすべきことが義務付けられていると解されるから,免許証の更新申請は,行政手続法2条3号にいう「申請」に当たり,更新後の有効期間を5年とする免許証の更新申請に対し,更新後の有効期間を3年として免許証を更新する公安委員会の行為は,申請を一部拒否する処分に当たるということができる。 したがって,被告が原告の本件更新申請に対し更新後の免許証の有効期間を3年として免許を更新した行為は,本件更新申請を一部拒否する処分であり,行政手続法8条が適用される「申請により求められた許認可等を拒否する処分」(同法2条4号ロ,8条1項本文)に当たるということができる。 なお,被告は,免許証の更新申請の内容は更新の申請自体に尽きるのであって,更新後の有効期間の区分は,行政手続法2条3号に定める「申請」には該当せず,本件更新は,法定附款付認容処分であって,申請を「拒否」する処分には当たらないと主張する。しかしながら,更新後の有効期間の区分も更新申請者の申請権の内容に含まれると解すべきことは,前記2で判示したとおりであって,公安委員会の行う免許証の更新も,更新のみに尽きるものとはいえず,更新申請に対する応答として公安委員会が行う更新後の有効期間の指定は,行政行為の主たる内容となっているものと解すべきである。したがって,これをいわゆる講学上の附款と解することはできず,被告の前記主張は,採用することができない。 (2) 行政手続法8条違反の有無ア行政 容となっているものと解すべきである。したがって,これをいわゆる講学上の附款と解することはできず,被告の前記主張は,採用することができない。 (2) 行政手続法8条違反の有無ア行政手続法は,行政運営における公正の確保と透明性の向上を図り,もって国民の権利利益の保護に資することを目的としている(同法1条1項)上,一般に法規が行政処分に理由を付すべきものとしている場合において,その趣旨・目的とするところは,行政庁の判断の慎重と公正妥当を担保してその恣意を抑制するとともに,処分の理由を相手方に知らせて不服の申立てに便宜を与えることにあるものと解されるから,申請により求められた許認可等を拒否する処分をする場合に,申請者に対し,当該処分の理由を示すべき旨を規定する同法8条1項も,これと同趣旨に出たものと解するのが相当である。 このような行政手続法の目的,理由提示制度の趣旨等に照らすと,同条に違反する処分は,違法なものとして,取消しを免れないというべきである。 イそこで,本件において,被告が,原告の更新後の免許証の有効期間を3年とすることについて,行政手続法8条1項本文にいう処分理由の提示をしたといえるかについて検討する。 前記理由提示制度の趣旨等に鑑みれば,申請拒否処分が行われる場合に申請者に示さなければならない同項本文の処分理由としては,いかなる事実関係についていかなる法規を適用して当該申請が拒否されたかということを,申請者が,当該拒否処分がなされた時点で,了知し得るものでなければならないというべきであり,本件のように,更新後の有効期間を3年とする免許証の更新については,更新処分時,すなわち,申請者に対し新たな免許証を交付する時点(法101条6項,法施 し得るものでなければならないというべきであり,本件のように,更新後の有効期間を3年とする免許証の更新については,更新処分時,すなわち,申請者に対し新たな免許証を交付する時点(法101条6項,法施行規則29条8項)において,申請者が,いかなる違反行為等(違反点数を含む。以下同じ。)があったことに基づいて,違反運転者等に該当することになったかを了知できる程度の理由提示が行われることが必要であるというべきである。 これを本件についてみるに,本件全証拠をもってしても,被告が,本件更新時,すなわち,原告に新たな免許証を交付する時点で,原告に対し,原告が違反運転者等に該当することについて何らかの理由を提示した事実は認められない。 ウなお,証拠(甲1,2の1及び2)及び弁論の全趣旨によれば,原告は,本件違反行為により本件事故を起こした件に関し,業務上過失傷害罪の不起訴処分を受けていることが認められるから,本件事故に関し警察官又は検察官から取調べ等を受け, その際に被疑事実等について説明を受けたものと推認される。また,前記第2の1(7)アのとおり,本件更新前に原告に送付された更新連絡書には,原告の「最新の違反」として,本件事故発生日における安全運転義務違反が記載され,原告について予定されている更新時講習は違反運転者等に対する講習であることが記載されていたのであり,原告は,前記第2の1(7)ウのとおり,実際に,違反運転者等に対する講習を受講している。以上のことに加え,違反運転者等に該当するか否かについては, 法令により明確な基準が定められていることを勘案すると,原告は,本件更新申請の頃には,本件事故における安全運転義務違反によって違反運転者等に該当すること るか否かについては, 法令により明確な基準が定められていることを勘案すると,原告は,本件更新申請の頃には,本件事故における安全運転義務違反によって違反運転者等に該当することとなったことを推知することができたものということができる。 しかしながら,行政手続法8条1項本文の規定する理由提示義務が,前記のとおり,行政庁の拒否事由の有無についての判断の慎重と公正妥当を担保してその恣意を抑制する趣旨に基づくものであることに照らせば,申請者が当該拒否処分の理由を推知できると否とに関わらず,当該拒否処分がなされた時点で,前記の程度の理由が示されていなければ,同条1項本文に基づく理由提示義務に違反するものとして,当該処分は違法なものとなるというべきである。 そして,本件では,前記のとおり,本件更新時すなわち原告に対する新たな免許証の交付時には,原告に対し,何らの理由提示も行われなかったのであるから,行政手続法8条1項本文に規定する理由提示が行われたということはできない。 エ次に,本件について行政手続法8条1項ただし書きが適用されるかについて検討する。 (ア) 本件更新において原告の更新後の免許証の有効期間が3年とされた理由が,原告が違反運転者等に該当したため(すなわち優良運転者又は一般運転者に該当しなかったため)であることは,法92条の2第1項,及び,法施行令33条の7の規定から明らかであるので,本件は,「法令に定められた許認可等の要件」が「数量的指標その他の客観的指標により明確に定められている場合」(行政手続法8条1項ただし書き)に当たるといえる。 (イ) そこで,本件が「当該申請がこれらに適合しないことが申請書の記載又は添付書類その他の申請の内 められている場合」(行政手続法8条1項ただし書き)に当たるといえる。 (イ) そこで,本件が「当該申請がこれらに適合しないことが申請書の記載又は添付書類その他の申請の内容から明らかであるとき」(同項ただし書き)に当たるかについて検討する。 (ウ)  前記アの行政手続法の目的,理由提示制度の趣旨,同法8条1項本文の解釈及び同項ただし書きの文言等を考慮すると,同項ただし書きは,客観的指標が定められていて,申請がこれに適合するか否かの判断を客観的に行うことができる場合において,申請がこれに適合しないことが,申請書の記載又は添付書類その他の申請の内容から直ちに客観的に明らかであって,あえて理由を示す必要がない場合をいうと解するのが相当である。 (エ) そこで,本件についてこれをみるに,前記第2の1の事実,証拠(乙1の1,2)及び弁論の全趣旨によれば,本件更新申請書及び添付書類の記載内容は,別紙運転免許証・講習申請書及び別紙運転免許証更新申請書別紙のとおりであって,本件更新申請においては,更新申請書及び添付書類には,更新前5年間において原告にいかなる違反行為等があったかについて記載する欄はなかったことが認められる。そうすると,本件においては,申請書の記載及び添付書類によって,直ちに,当該申請拒否処分の理由(原告にいかなる違反行為等があったか)を了知することはできなかったというべきである。また,本件全証拠をもってしても,本件更新申請において,更新申請書の記載又は添付書類以外に認められる申請の内容から,原告が,本件更新申請は,法の定める有効期間5年の更新の要件(申請者が,優良運転 をもってしても,本件更新申請において,更新申請書の記載又は添付書類以外に認められる申請の内容から,原告が,本件更新申請は,法の定める有効期間5年の更新の要件(申請者が,優良運転者又は一般運転者に該当すること,すなわち,違反運転者等に該当しないこと)に適合しないことを,本件更新時において,直ちに了知することができたと認めるに足りる事情は窺われない。 (オ) なお,本件においては,前記ウのとおり,原告は,本件更新申請の頃には本件事故における安全運転義務違反によって違反運転者等に該当することとなったことを推知することができたものと考えられるが,このような事情は,本件更新申請の内容となるものではないから,このような事情をもって「当該申請がこれらに適合しないことが申請書の記載又は添付書類その他の申請の内容から明らかであるとき」(行政手続法8条1項ただし書き)に当たると解することはできない。 オしたがって,本件は,行政手続法8条1項ただし書きが適用される場合に当たるとはいえない。そして,前記ウのとおり,本件更新当時,原告に対し,行政手続法8条1項本文に規定する処分理由の提示が行われたとも認められないから,被告が本件更新において原告の更新後の免許証の有効期間を3年とした処分は,行政手続法8条1項に違反するものとして,取消しを免れないものというべきである。 第4 結論よって,原告の請求は理由があるから認容し,主文のとおり判決する。 千葉地方裁判所民事第3部裁判長裁判官山口博裁判官武田美和子裁判官高石直樹 文のとおり判決する。 千葉地方裁判所民事第3部 裁判長裁判官 山口博 裁判官 武田美和子 裁判官 高石直樹

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