平成20(ワ)219 損害賠償請求事件

裁判年月日・裁判所
平成21年12月24日 仙台地方裁判所
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判決文本文58,949 文字)

主文 原告らの請求をいずれも棄却する。 訴訟費用は原告らの負担とする。 事実及び理由 第1請求 被告は,原告Aに対し,金3480万3830円及びこれに対する平成16年12月3日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 被告は,原告Bに対し,金3420万8235円及びこれに対する平成16年12月3日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 第2事案の概要等 事案の概要,,(「」。)本件は原告Aの亡妻であり原告Bの亡母であるC以下亡Cというが,うつ状態の治療のために,被告が設置する甲病院(以下「被告病院」というに入院していたところ被告病院が亡Cの適切な治療や観察を怠り家。),,,族等への適切な指導や注意を与えないまま,漫然と外出許可を与えたことによって亡Cが自殺をしたとして,被告に対し,原告らが相続により亡Cの債務不履行に基づく損害賠償及び不法行為に基づく損害賠償を請求するとともに,固有の債務不履行に基づく損害賠償及び不法行為に基づく損害賠償を請求し,併せて上記各損害賠償請求に対する遅延損害金を請求した事案である。 なお,以下において,平成16年の事実については,月日のみで表記する。 前提事実(争いがない事実,明らかに争わない事実,後掲各証拠により容易に認定しうる事実),,(「」。)(1)原告Aは亡Cの夫であり宮城県乙町丙診療所以下診療所というの所長(医師)である[争いがない。 ]原告Bは,原告Aと亡Cの長女である[弁論の全趣旨。 ]被告は,条例及び地方公営企業法に基づき被告病院を設置し,病院事業を 営んでいる者である[争いがない。 ]亡Cは,原告Aと結婚するまでは調剤薬局で薬剤師として勤務しており,同結婚後は,主婦として家事をこなしつつ, 方公営企業法に基づき被告病院を設置し,病院事業を 営んでいる者である[争いがない。 ]亡Cは,原告Aと結婚するまでは調剤薬局で薬剤師として勤務しており,同結婚後は,主婦として家事をこなしつつ,毎週月曜日のみ石巻市内の調剤薬局でアルバイトとして働いていた[争いがない,なお亡Cが石巻市内の調剤薬局でアルバイトをしていた事実につき甲A18。 ],[]。 原告A及び原告Bは宮城県石巻市の自宅に居住している争いがない原告Aの実家は仙台市太白区内にあり,原告Aの父及び母が居住している(,「」,「」。)[,以下原告Aの父を義父原告Aの母を義母という甲A19弁論の全趣旨。 ]亡Cの実家は仙台市青葉区内にあり,亡Cの父及び母が居住している(以下,亡Cの実家を「仙台の実家,亡Cの父を「実父,亡Cの母を「実母」」」という[乙A3・5頁,弁論の全趣旨。 。)](2)亡Cは,5月31日,原告Bを出産した[争いがない。 ]亡Cは,原告Bを出産した後,里帰りせず,石巻市内の自宅で原告Aとともに子育てをしていた[争いがない。 ]亡Cは,上記出産後1か月目に亡Cのもとを訪れた保健師に対し,子育ての疲れを伝えたため,同保健師は,宮城県丁診療所(以下「総合センター」という)を紹介した[争いがない。 。 ]亡Cは,7月15日に仙台所在の総合センターに直接出向いて診察を受けた。亡Cは,総合センターでの診療において,産後の「うつ病」と診断された[争いがない]。 亡Cは,8月18日,総合センターから被告病院を紹介され,被告病院にて医療保護入院となった[争いがない。 ](3)亡Cは12月3日午後9時50分頃宮城県石巻市内にある建物の6階,,駐車場において飛び降り自殺を図り,頸椎損傷,脳挫傷,多臓器損傷により即死し 医療保護入院となった[争いがない。 ](3)亡Cは12月3日午後9時50分頃宮城県石巻市内にある建物の6階,,駐車場において飛び降り自殺を図り,頸椎損傷,脳挫傷,多臓器損傷により即死した(以下「本件事故」という[甲A5。 。)] 争点 (1)被告の診療内容及び面接回数の適否亡Cの入院期間中,亡Cに対し,適切な質問を行い,その回答に対しての反応等を観察し,看護師の観察結果と併せてうつ状態の程度や自殺の危険性等を評価し,その評価に従って治療内容を再検討すべきであったにも関わらず,不十分な内容の診療しか行わなかった上,面接の回数も少なかったという被告の過失ないし債務不履行が認められるか。 (2)家族への指導・環境調整等の不履行ないし懈怠の有無亡Cを外泊させる際,家族に対して外泊の意義を説明し,外泊中の家庭生,,活について注意を与えるとともに家族内の不和が生じている原因を分析し改善策を実行すべきであったにも関わらず,これらの行為を怠った被告の過失ないし債務不履行が認められるか。 (3)外泊許可に関する判断の適否及び家族への説明不足の有無亡Cに対し,12月3日に外泊許可を出したことについて,被告の過失ないし債務不履行が認められるか。 仮に,12月3日に外泊許可を出すこと自体は裁量の範囲内であるとしても,家族及び亡Cと合同面接等をして,自殺のリスクを説明し,外泊を含む治療方法についての合意を得ておくべきであったにも関わらず,これらの行為を怠った被告の過失ないし債務不履行が認められるか。 (4)ア争点(1)の過失ないし債務不履行と本件事故との因果関係イ争点(2)の過失ないし債務不履行と本件事故との因果関係ウ争点(3)の過失ないし債務不履行と本件事故との因果関係(5)損害の発生及び損害額 争点に対する当事者 履行と本件事故との因果関係イ争点(2)の過失ないし債務不履行と本件事故との因果関係ウ争点(3)の過失ないし債務不履行と本件事故との因果関係(5)損害の発生及び損害額 争点に対する当事者の主張(1)争点(1)(被告の診療内容及び面接回数の適否)についてア原告らの主張 (ア)D医師以下被告担当医というはチーム医療の下で看護(「」。),,師等が一定の観察をしていたとしても,主治医として十分な質と量の診察及び面談を行うべきであった。 具体的には,亡Cの様子が比較的落ち着いていた9月中旬から11月18日までの間には,少なくとも週1回の面接診療を行い,亡Cが外泊予定を中止して被告病院に戻った11月21日以降は更に頻回の面接を行うべきであった。なお,上記の面接においては,希死念慮の有無等を質問して,回答を得た上で,亡Cの反応や様子を観察し,うつ状態の諸症状の存否や程度を評価し,自殺の危険度をチェックして,必要に応じて治療内容を再検討すべきであった。 また,被告担当医は,11月21日に亡Cと面接を行い,外泊を切り上げた原因等についての質問をして,その回答から亡Cの反応や様子を観察した上,自殺の危険性をチェックし,その評価に従って治療内容を再検討するという作業を行うべきであった。 さらに,11月22日以降12月3日の外泊許可までの間も,亡Cは気持ちが重いうつに波があるかもしれないといった状況が続いた「」「」のであるから,被告担当医は,その原因等についての質問をして,その回答から亡Cの反応や様子を観察した上,自殺の危険性をチェックし,その評価に従って治療内容を再検討するという作業を行うべきであった。 (イ)しかるに,被告担当医は,合理的な根拠がないにも関わらず面談や回診を短時間で済ませる方針を採 ,自殺の危険性をチェックし,その評価に従って治療内容を再検討するという作業を行うべきであった。 (イ)しかるに,被告担当医は,合理的な根拠がないにも関わらず面談や回診を短時間で済ませる方針を採り,11月21日以降も亡Cと2回しか面談をしていない。被告担当医の診療ないし観察が不十分であることは,診療録の記載の少なさからも明らかである。 また,被告担当医は,上記のような観点からの情報収集や検討を怠った結果,11月22日の面接の際の亡Cの愁訴を,病気とは関係のない 問題であるとみなし,休息を勧めただけで,薬の処方の変更等も検討しなかった。 さらに,11月22日以降12月3日の外泊許可までの間も,亡Cの,,状態を病気とは関係のない誰にでもある現実的な悩みであるとみなしうつ状態の諸症状の存否・程度を評価し,自殺の危険度をチェックすることを怠った。 加えて,11月26日に行われた12週間カンファランスでも,亡Cの愁訴を病気とは関係のないものと捉えた結果,自殺の危険性について検討されなかった。 これらの事情は,亡Cの診療記録中に,具体的な記載が極端に少ないことから裏付けられる。 (ウ)以上のような被告担当医の診察の質と量は,通常の精神科医に期待される医療水準を下回っている。 イ被告の主張(ア)本件事故は,何人にとっても全く予想できなかったものであり,外泊中の何らかの事情が契機になるなどして,突発的かつ衝動的に行われたものであるから,被告病院診療時点における予見可能性は認められない。 (イ)被告担当医は,亡Cの入院時,同人に対し,出勤日においては,ほぼ連日,回診その他の方法により,直接の対話による診察を行った。特に,入院精神療法Ⅱに該当する時間をかけた面接については,1週間に1度の割合で行っていた。また,被告病院は,被告担当医のみ いては,ほぼ連日,回診その他の方法により,直接の対話による診察を行った。特に,入院精神療法Ⅱに該当する時間をかけた面接については,1週間に1度の割合で行っていた。また,被告病院は,被告担当医のみならず,看護師等もその補助者として,被告病院全体で,入院生活を通じて対面形式による患者との会話を行っていた。過度の面接は,患者にストレスを与えてしまうことから逆効果であるとされているのであって,面接の時間や回数が多ければ多いほどよいというものではない。なお,原告ら は,看護記録上,亡Cから被告担当医への診察要請が記録されている箇所があることを根拠として,被告担当医が,亡Cの要請があるまで診察をしなかったかのような主張をする。しかし,上記のように,被告担当医は連日の回診をしていたものの,それでもなお何らかの事情で亡Cが被告担当医に話したい場合もあるのであって,診察要請と記載された部分は,そのような場合をたまたま明記したにすぎない。 また,被告担当医は,11月21日の帰院後に亡Cと面接して,亡Cの状態を観察し,家族が作成した「外泊連絡表」により家族からも情報収集をした上で,うつ状態の諸症状の存否や程度を評価していた。 さらに,原告らの主張は,11月22日以降12月3日までの亡Cの症状に関し,状態の悪い部分を作為的に取り上げており,亡Cの正しい状態を前提とした主張ではない。亡Cは,11月24日には「気持ちが重い」と話したものの,状態観察結果からは笑顔を見せる余裕があると判断された。同様に,11月25日には「いつもより気分が落ち込んでいる」と話したものの,応答ができないほど落ち込んだ様子は見られなかった。なお,これらは,被告担当医ないし看護師らが,亡Cに対して様々な質問,回答,観察をしたことを示すものである。 加えて,原告らは,被告担当医が,亡C ,応答ができないほど落ち込んだ様子は見られなかった。なお,これらは,被告担当医ないし看護師らが,亡Cに対して様々な質問,回答,観察をしたことを示すものである。 加えて,原告らは,被告担当医が,亡Cの愁訴を病気とは関係のないものとして捉えたなどと主張するが,被告担当医は,これらの愁訴をうつ病と関連するか否かという観点から検討した上で,なお他の観察結果等を総合して「特段の自殺の恐れはない」と判断したものであり,原告らの主張は誤りである。 なお,原告らは,診療録中医師の記載が少ないとし,これをもって被告の診察がいい加減であったと主張する。しかし,一般的に,精神科医の入院診療においては患者との面談の際には診療録を持参しないこと及び診察ないし会話時の患者の様子をなるべく記憶することが重要である とされている。被告担当医も,上記に従い,亡Cの回診や面接は診療録を持たずに行った。そして,被告担当医は亡Cの診療に係る全状態を把握していることから,観察事項等の記録については,現に自分が把握している事情については詳細に記述せずに,要点のみを記述する方法を採った。また,記載すべき内容が,既に看護記録に記載されている場合にはあえて重ねて同趣旨の記録を残すことはしなかった。そもそも,被告,,担当医は入院患者の診察だけでも相当な時間を取られるのであるから全入院患者について,診察結果を詳細に記録することは不可能である。 以上のような被告の診療は,当時の医療水準にかなったものであり適切であった。 (2)争点(2)(家族への指導・環境調整等の不履行ないし懈怠の有無)についてア原告らの主張(ア)被告は,亡Cの治療方針は「家庭復帰に向けて外泊を体験し,家庭生活を体験した際の状況,疲労・不安の程度等を把握し,克服できてい,,,る点を確認しつつ疲労と不 ついてア原告らの主張(ア)被告は,亡Cの治療方針は「家庭復帰に向けて外泊を体験し,家庭生活を体験した際の状況,疲労・不安の程度等を把握し,克服できてい,,,る点を確認しつつ疲労と不安に対して休息も含めた対応策を検討し不安を軽減し,具体的な家庭生活のイメージを作りながら徐々に自信をつけていく」というものであったと主張するところ,これには家族の協力が不可欠であることに加え,被告担当医は,10月13日の8週間カンファランスの時点で,亡Cが家族関係の不和を心理的負担としていたことを認識していたのであるから,被告には家族関係の調整を図る義務があった。 具体的には,家族に対し,外泊の意義を説明し,外泊中の家庭生活についても注意を与えるとともに,家族関係の不和が生じている原因を詳しく分析し,これを改善させる方策を検討した上で,実際にその方策を実行すべきであった。 (イ)しかるに,原告Aは,亡Cの上記のような治療方針を聞いたことはなかった。また,被告担当医は,亡Cからの情報に依存して,原告Aを高圧的であると判断し,家族関係の調整を図るための行動を何ら取らなかった。 この点につき,被告は,亡Cが家族関係への介入を望んでいなかったため,信頼関係を保持するためにあえて介入しなかったと主張するが,診療録中には亡Cが家族関係への介入を望まないと回答した旨の記載はない。また,家族関係の不和が亡Cのストレスの原因であるならば,家族に対して,それを伝えることの可否や方法について何らかの検討をするはずであるにも関わらず,診療録からは,被告が上記の検討をした形跡が全く窺われない。 (ウ)以上のように,被告担当医は,通常の精神科医に期待される家族調整を何ら行っておらず,行わなかったことに合理的理由はない。 イ被告の主張(ア)本件事故は,何人 した形跡が全く窺われない。 (ウ)以上のように,被告担当医は,通常の精神科医に期待される家族調整を何ら行っておらず,行わなかったことに合理的理由はない。 イ被告の主張(ア)本件事故は,何人にとっても全く予想できなかったものであり,外泊中の何らかの事情が契機になるなどして,突発的かつ衝動的に行われたものであるから,被告病院診療時点における予見可能性は認められない。 (イ)亡Cに対する治療は一貫したものであるから,外泊に関しての注意に関しても,それぞれ全く別個のものと捉えるのではなく,一連のものと捉えるべきである。すなわち,例えば10月30日の外泊に先立って家族に対して注意がなされたのであれば,同じ注意を次の外泊において重ねてする必要はない。また,常識的にみて,家族も注意するであろうと合理的に期待できることについてまで,ことさら注意すべき法的義務はない。 被告担当医は,原告Aに対し,少なくとも,9月21日の面談,10 月7日頃の電話,10月13日から同月29日までの間の電話,10月30日の面談の各機会に,亡Cへの接し方の基本を含めた外泊に際しての家族の留意事項について説明した。また,亡Cは,被告担当医や看護師に対し,10月30日の外泊の結果を「楽しかった」等と説明し,頓服薬の使用もなかったことから,被告担当医は,家族が,亡Cへの接し方について十分理解していたものと評価した。さらに,11月11日の外泊については,原告A自身が「有意義に楽しく過ごせました」とし,外泊中に何ら心配すべき事情がなかったことが重ねて確認された。加えて,11月18日の外泊においても,原告Aの連絡表によれば,亡Cと実母の衝突以外には問題にすべき事情はなかった。そして,被告担当医,,,は家族に対し12月3日の外泊についての注意をしなかったところ同日 18日の外泊においても,原告Aの連絡表によれば,亡Cと実母の衝突以外には問題にすべき事情はなかった。そして,被告担当医,,,は家族に対し12月3日の外泊についての注意をしなかったところ同日の外泊は,自宅への外泊であって実母との衝突は予想されず,家族も,これまでの外泊を踏まえて,亡Cへの接し方等についての注意や配慮をすると合理的に期待されたのであるから,あらためて外泊についての注意をしなかったことが特段責められるべきこととはいえない。 以上のように,被告担当医は,家族に対し,外泊に際して適切な注意をなしたのであり,法的義務違反は認められない。 (ウ)被告担当医は,亡Cが,原告Aから,いつまで入院しているのかなどと言われて焦りを感じていることは認識していたものの,家族関係の不和を認識した事実はなかった。そして,被告担当医は,家族に対し,10月13日から同月29日までの間及び10月30日の面談等において,亡Cに復帰を焦らせないよう,ゆっくりゆとりをもって見守って欲しいこと等を説明した。 また,被告担当医は,11月18日の外泊以降,亡Cの実母と原告Aの不仲を具体的に認識したが,これは亡Cの病気とは関係のない問題であることに加え,被告病院が容易に解決できる問題ではなかったことは 明らかである。仮に,被告担当医が,原告Aに対し,亡Cの実母との不仲をなくしてほしいと言ったとしても,実効性は期待できない。また,亡Cは,被告担当医が,亡Cの実母と原告Aの不仲を亡Cが気にしていることについて,原告Aと話すことを強く拒んでいた。さらに,亡Cの実母と原告Aの不仲が,亡Cの病状自体にどのような影響を与えているか不明であり,少なくとも亡Cの病状の根本原因であり,かつ,病状を左右する決定的な事情であるとは評価されなかった。 以上のように,被告担当医が 告Aの不仲が,亡Cの病状自体にどのような影響を与えているか不明であり,少なくとも亡Cの病状の根本原因であり,かつ,病状を左右する決定的な事情であるとは評価されなかった。 以上のように,被告担当医が,亡Cの実母と原告Aとの不仲に介入したとしても,解決が得られた実効性は乏しく,逆に,被告担当医と亡Cの信頼関係が損なわれる可能性があったのであるから,被告担当医が早急な介入をせず,亡Cの意向を配慮しつつ時間をかけて解決しようと判断したことは適切であった。 (3)争点(3)(外泊許可に関する判断の適否及び家族への説明不足の有無)についてア原告らの主張(ア)被告担当医は,亡Cに対して必要な診療,観察,評価を行わなかった結果,亡Cの症状を見誤ったことから,12月3日に出すべきでない外泊許可を出した。 仮に,外泊許可が医師の裁量の範囲内であると評価されるとしても,被告担当医は,上記外泊許可を出す前に,亡C及び家族と合同面接等をした上で,自殺のリスクを説明し,外泊を含む治療方法についての合意を得ておくべきであった。 (イ)しかるに,被告担当医は,家族に対して,何ら説明や情報提供を行わなかった。この点につき,被告は,亡Cの家族は誰も自殺を予測できなかったと主張するが,それは上記のように被告担当医が家族に対して情報提供をしなかった結果であって,外泊や自殺のリスクについての説 明がなされていれば,本件事故は防止することができた。また,被告担当医が,家族に対し,亡Cが家族に話して欲しくないと思っている内容まで話してしまうと,その結果,亡Cが家族から責められることにもなりかねず,病状の悪化につながる可能性もあったと主張するが,診療録には,そのような検討がなされた形跡は全く窺われない。 (ウ)以上のように,被告担当医は,亡Cに対して外泊許可を出す られることにもなりかねず,病状の悪化につながる可能性もあったと主張するが,診療録には,そのような検討がなされた形跡は全く窺われない。 (ウ)以上のように,被告担当医は,亡Cに対して外泊許可を出す際,家族に対して適切な指導や情報提供をすべき義務を怠った。 イ被告の主張(ア)本件事故は,何人にとっても全く予想できなかったものであり,外泊中の何らかの事情が契機になるなどして,突発的かつ衝動的に行われたものであるから,被告病院診療時点における予見可能性は認められない。 (イ)被告担当医は,12月1日に亡Cから外泊の希望が出されたため,同日に亡Cと面接をした。そして,上記面接において,亡Cの表情からは切迫した様子,焦燥感,不安感等は感じられず,これまでの経緯を併せ検討しても,希死念慮はないと考えられた。また,11月18日の外泊においては予定よりも早く帰院したものの,その後はイライラや不審行動等は全く確認されず,病状は安定していた。さらに,12月3日の外泊は,自宅への外泊であって,原告Aと亡Cの実母との衝突も予想されなかった。加えて,被告担当医は,家族がこれまでの外泊時と同様に亡Cへの配慮をしてくれるであろうと考えた。 以上のような事情に加え,これまでの外泊で何ら自殺企図の問題がなかったこと及び原告A自身が何ら異議を申し立てなかったことを併せ考慮して,被告担当医が,12月3日に外泊許可を出したことは適切な判断であった。 (ウ)被告担当医が,家族に対し,外泊に際して家族が払うべき注意点等 を説明したことについては,上記(2)イ(イ)のとおりである。 (4)争点(4)ア争点(1)の過失ないし債務不履行と本件事故との因果関係に()ついてア原告らの主張被告が上記(1)アに記載された義務を怠らなければ亡Cの自殺念慮は, である。 (4)争点(4)ア争点(1)の過失ないし債務不履行と本件事故との因果関係に()ついてア原告らの主張被告が上記(1)アに記載された義務を怠らなければ亡Cの自殺念慮は,,,,。 軽減し本件事故時点で亡Cが生存していた高度の蓋然性が認められるイ被告の主張亡Cの自殺の原因は不明かつ予測不能であり,外泊中の全く不測の事情を契機にするなどして発作的に自殺に至ったものと考えられる。したがって,被告病院の診療と亡Cの自殺との因果関係は認められない。 (5)争点(4)イ争点(2)の過失ないし債務不履行と本件事故との因果関係に()ついてア原告らの主張被告が上記(2)アに記載された義務を怠らなければ家族において問題,,意識を共有し効果的な治療に協力することができたのであるから,本件事故時点で,亡Cが生存していた高度の蓋然性が認められる。 イ被告の主張上記(4)イと同じ。 (6)争点(4)ウ争点(3)の過失ないし債務不履行と本件事故との因果関係に()ついてア原告らの主張被告が,亡Cに対し,12月3日に外泊許可を与えなければ,本件事故は発生しなかった。 また上記(3)アに記載された義務を怠らなければ外泊許可は出されな,,かった可能性が高く,仮に外泊許可が出されたとしても,家族に対して適正な情報が与えられ,注意が喚起された結果として,本件事故時点で,亡 Cが生存していた高度の蓋然性が認められる。 イ被告の主張上記(4)イと同じ。 (7)争点(5)(損害の発生及び損害額)についてア原告らの主張(ア)死亡に伴う慰謝料2200万円(イ)逸失利益4019万6792円(ウ)葬儀費用54万1450円(エ)相続①原告Aの相続分上記(ア)及び(イ)の各2分の ア原告らの主張(ア)死亡に伴う慰謝料2200万円(イ)逸失利益4019万6792円(ウ)葬儀費用54万1450円(エ)相続①原告Aの相続分上記(ア)及び(イ)の各2分の1及び(ウ)の合計3163万9846円②原告Bの相続分上記(ア)及び(イ)の各2分の1の合計3109万8396円(オ)弁護士費用①原告Aの弁護士費用請求額の10パーセント相当額316万3984円②原告Bの弁護士費用請求額の10パーセント相当額310万9839円(カ)総括①原告Aの損害額合計3480万3830円((エ)①+(オ)①)②原告Bの損害額合計 3420万8235円((エ)②+(オ)②)イ被告の主張全て否認ないし争う。 第3当裁判所の判断 上記前提事実に加え,後掲各証拠及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実が認められる。 (1)被告病院受診までの経過ア総合センターでの受診に至る経緯[甲A1・2頁,弁論の全趣旨]産後1か月目に保健師が亡Cの自宅を訪問した際,亡Cは保健師に対して「私はヘロヘロです」などと出産・育児等で精神的な悩みを生じてい,。 。 ,,,る旨を表現して相談したこれを受けて同保健師は次に訪問した際に亡Cに対して総合センターを紹介し,亡Cは7月15日に総合センターを受診した。 イ総合センター初診時の状況[甲A1・2頁,同6頁,弁論の全趣旨]亡Cは,総合センター初診時において,担当医に対し,以下のような状態ないし症状を伝えた。 (ア)出産・退院の前の4,5日前ころに疲れや不眠があり,出産を契機にいろいろ考えて眠れなかったこと。 (イ)授乳と疲労が重なり,精神的に悪循環となったこと。 (ウ)出産後は実母及び義母が1週間交代で家事・育児をサポートしてくれていた れや不眠があり,出産を契機にいろいろ考えて眠れなかったこと。 (イ)授乳と疲労が重なり,精神的に悪循環となったこと。 (ウ)出産後は実母及び義母が1週間交代で家事・育児をサポートしてくれていたが,実母は高齢なので心配していたこと。 (エ)出産と同時に生活が変わり,何事にも集中できないことから,何もかも中途半端で,結果として何もやりたくないという気持ちになったこと。 (オ)この先,原告Bが大きくなってもうまく対応できないのではないかと不安になり,生活から逃げたいと思うこと。 (カ)今は昼寝の時間がくつろげる時間だが,原告Aも原告Bも寝るが自分はなかなか眠れないことがあり,そのときには自分だけが取り残されたと思ってしまうこと。 (キ)原告Bは予定どおりには行動しないため,原告Bのペースに振り回されてしまい,泣かれると手に汗をかくこと。 (ク)最初に落ち込んだ時に仙台の実家に帰る話もあったが原告Aが我,「慢するよ」と言ったことから,自分が頑張らなければならないと考えて石巻に残ったこと。 ウ7月22日の受診[甲A1・7頁,弁論の全趣旨]亡Cは,7月15日の診療の後,仙台の実家で過ごし,7月22日に再度総合センターを受診した。 亡Cは,担当医に対して,実父から石巻の自宅に帰ったらどうかと言われたことや,実母に負けたくないという気持ちから,石巻に帰ることを伝えた。また,育児がこんなに大変とは思わなかったと話し,自分の現在の状態を「うつ病の状態「自分の眉間にしわがよっているのをよく見る」」,などと説明した。 エ7月30日の受診[甲A1・7頁,弁論の全趣旨]亡Cは,7月30日の受診時において,担当医に対し,以下のような状態ないし症状を伝えた。 (ア)7月29日に仙台の実家に戻っており,日曜日には石巻に戻るが,移動の際に 甲A1・7頁,弁論の全趣旨]亡Cは,7月30日の受診時において,担当医に対し,以下のような状態ないし症状を伝えた。 (ア)7月29日に仙台の実家に戻っており,日曜日には石巻に戻るが,移動の際には原告Aが送り迎えをしてくれていること。 (イ)石巻の自宅にいるときは,原告Aがミルクのことなどを手伝ってくれるものの,食事の支度については仙台の実家では実母らが全てやってくれていたのと違って,土日になると原告Aに食事を出さなくてはいけないという思いに捕らわれてしまうし,3人で昼寝をしても自分は15分くらいで目覚め,心臓の拍動が聞こえる状態になり,落ち込んでしま うこと。 (ウ)体の負担は感じられないが,気持ちの面でいろいろ考えてしまうことに加え,夜に目が覚めたときには心臓の音が聞こえてはかはかしていること。 オ8月9日の受診[甲A1・8,同9頁,弁論の全趣旨]亡Cは,8月9日の受診時において,担当医に対し,以下のような状態ないし症状を伝えた。 (ア)やる気がおきず,何もかもが負担に感じられ,横になっても眠れないこと。 (イ)金曜から土曜に原告Aの実家に行った際には,やるべきことをやらなくてはと自分を奮い立たせていたこと。 (ウ)嫁に行ったにも関わらず頻繁に実家に帰るわけにもいかず,原告Aに配慮していることから,先日,結婚以来初めて自分の実家に行ったこと。 (エ)総合センターを受診するまでは,実母や義母が来てくれて,話をすることで逃げ込めたが,今はそういう状況ではないので,原告Bをうっちゃって,どこかへ逃げ出したくなること。 (オ)外出をしても,原告Bが泣くので自分もぐったりすること。 (カ)おっぱいの出が悪いため,原告Bにミルクを飲ませていることも精神的な負担になっていること。 (キ)仕事をやめてから(3年前の10月から 外出をしても,原告Bが泣くので自分もぐったりすること。 (カ)おっぱいの出が悪いため,原告Bにミルクを飲ませていることも精神的な負担になっていること。 (キ)仕事をやめてから(3年前の10月から)頭痛がすること。 担当医は,負担感を減らすこと及び抑うつ状態を改善することを目的として,デプロメールを処方した。 カ8月16日(1度目)の受診[甲A1・9,同10頁,弁論の全趣旨],,,,亡C原告A及び実母は8月16日総合センターを受診したところ亡Cは,担当医に対し,以下のような状態ないし症状を伝えた。 (ア)気持ちが磨り減って自分が自分でないような感じがすること。 (イ)原告Bの世話をするのが負担で,落ち着かず,原告Bに触れることもできないこと。 (ウ)現実から逃げたい,消えてしまいたいと思ってしまうこと。 (エ)原告Bのことを配慮せず,自分が楽になりたい気持ちがあり,自分は母親失格だと思うこと。 (オ)原告Aや実母,義母に家事や子育ての手伝いをしてもらっていることが心苦しいが,手伝ってもらわないと何もできないのでイライラすること。 (カ)この先どうなってしまうのかと不安になって,8月14日の午前中に,タオルをまいたり包丁を首にあてたりして自殺を試みたこと。 担当医は,亡Cが周囲に迷惑をかけていることを苦慮し,笑顔がなくなっている様子が見られたことから,デプロメール及びロヒプノールを処方した。 キ8月16日(2度目)の受診[甲A1・11頁,同13頁,弁論の全趣旨]亡C,原告A及び実母は,8月16日午後3時から総合センターを受診し,亡Cは,担当医に対し,以下のような状態ないし症状を伝えた。 (ア)一人でいるのが不安で,何でも人に頼りたいと思うこと。 (イ)頑張りすぎてしまう傾向があり,原告Aと結婚してからも里帰 ーを受診し,亡Cは,担当医に対し,以下のような状態ないし症状を伝えた。 (ア)一人でいるのが不安で,何でも人に頼りたいと思うこと。 (イ)頑張りすぎてしまう傾向があり,原告Aと結婚してからも里帰りをしなかったこと。 担当医は,上記診察の結果,亡Cが落ち着きを失っている状態であることに加え,焦燥感もあり,辛さに耐え切れない状態であると判断した。そ,,,,こで担当医は亡Cに対し仙台の実家で原告Bと共に休養をすること土日は原告Bを原告Aの実家に預けること,週2回の通院治療を行うこと等を指示した。 ク8月19日[甲A1・11頁ないし13頁,弁論の全趣旨]実父は,8月19日,総合センターを受診し,担当医に対し,亡Cの経過について以下のとおり説明した。 (ア)亡Cは,8月17日に突然体から力が抜けた状態になり,震えて泣きながら「助けてくれ」などと叫んだことから,実父は,救急車を呼び戊病院精神科を受診させたこと。 (イ)亡Cは,戊病院精神科で点滴を受け,約1時間後に様子が落ち着いたため帰宅し,そのまま翌18日朝方まで寝ていたこと。 (ウ)亡Cは,翌18日,朝方から部屋でふさぎこみ,原告Bを抱きしめ「ごめんね」と泣いていたこと。 担当医は,亡Cの病勢が激しく,家庭での対応が困難なことから,入院が必要であると判断し,被告病院を紹介した。 (2)被告病院における診療ア初診(E医師の診察[乙A1の1・3ないし9頁,弁論の全趣旨])亡Cは,総合センター担当医の診療情報提供書を持参して,実父とともに,8月18日午後2時45分,被告病院を受診し,E医師が診察にあたった。 亡Cは,上記診察において,E医師に対し,家族構成,精神科受診歴がないこと,平成9年に乳腺線維腺腫の手術歴があること,被告病院を受診するに至った事情などを伝えた を受診し,E医師が診察にあたった。 亡Cは,上記診察において,E医師に対し,家族構成,精神科受診歴がないこと,平成9年に乳腺線維腺腫の手術歴があること,被告病院を受診するに至った事情などを伝えた上で,以下のような状態ないし症状を小声でぼそぼそと話した。 (ア)うつ状態になる前の性格は,明るい方ではなく几帳面であり,落ち込んでふさぎこむことや眠れないことは,過去にも何度かあったこと。 (イ)今は何もしたくない状態であり,気持ちを奮い立たせようとすればするほど疲れること。 (ウ)食欲がなく,朝早く目が覚めること。 (エ)早く良くならなければならないと焦ってしまい,落ち着かなくて辛いこと。 (オ)最近は緊張して原告Bに触れることができず,気持ちが沈んでいること。 (カ)自殺をしたくなったため,実父に入院させて欲しいと依頼したが,実際に病院に入院したら病人になりそうで,本当に病院から出られるのか心配であること。 E医師は,同伴していた実父に確認したところ,原告Aも入院については了解しているとのことであった。そこで,E医師は,亡Cは入院が必要であると診断し,同日,精神保健及び精神障害者福祉に関する法律第33条第1項に基づく入院処置が採られた。 イ入院時の診療計画[乙A1の2・1頁。なお,乙A1の2は,左下に○囲みの頁数が記されているものが原本の用紙の裏面にあたるので,以下これを「裏(頁」と表記する])。 亡Cの入院時診断はうつ病(抑うつ状態)であり,薬物療法,個人精神療法及び受持看護等の治療計画が立てられた。また,推定される入院期間は,概ね3か月間とされた。 ,,亡Cの看護計画は心身ともに十分に休息が取れるよう援助を行うことリハビリテーションの計画は,ゆっくり休養し,薬物調整を行って症状を改善させていくこととされた。 は,概ね3か月間とされた。 ,,亡Cの看護計画は心身ともに十分に休息が取れるよう援助を行うことリハビリテーションの計画は,ゆっくり休養し,薬物調整を行って症状を改善させていくこととされた。 ウ入院当日(8月18日)の亡Cの状態等[乙A1の1・10頁,乙A1の2・12裏頁,同13頁,同21頁,証人D4頁,弁論の全趣旨]亡Cは,自殺企図も懸念されたため,閉鎖病棟の隔離室(観察室)に入室となった。亡Cの主治医は被告担当医となり,被告担当医は,亡Cに対して自己紹介をした上で診察した。もっとも,会話刺激に亡Cがどのように反応するか予想しづらかったこともあり,診察は約5分間にとどめた。 担当看護師は,亡C及び実父から,これまでの生活状況等を聴取した。 担当看護師は,亡Cが原告Bの面倒を一人で見られないと思いストレスを感じていたこと等,入院に至る経緯を確認したほか,8月17日に亡Cが聞こえるはずがないのに「子どもの泣き声が聞こえてくる」と言って耳を押さえたこと,被告病院に入院する前に「死にたい」と言っていたことを確認した。 エ治療・看護方針等担当看護師は,被告担当医と協議し,以下のとおり,治療・看護方針等を定めた。 (ア)看護目標[乙A1の2・13頁]精神症状が安定し,安全,安楽に入院生活を送ることができること。 (イ)看護上の問題点[乙A1の2・13頁]希死念慮があり,自殺を企てる可能性があること。 (ウ)観察計画[乙A1の2・13頁]言動・行動・表情の観察,自殺や衝動行為を思わせる言動やサイン,服薬状況確認,夜間の睡眠・休息状況の確認,食事・補食の摂取状況確認,家族や周囲の人への接し方の観察などに留意する。 (エ)療養計画[乙A1の2・13頁]被告担当医や担当看護師等の医療従事者が亡Cとの良好な人間関係を作り,亡Cが悩み 認,食事・補食の摂取状況確認,家族や周囲の人への接し方の観察などに留意する。 (エ)療養計画[乙A1の2・13頁]被告担当医や担当看護師等の医療従事者が亡Cとの良好な人間関係を作り,亡Cが悩みを自ら訴えられる関係を作ること,危険物の取扱いに注意すること,不眠時は医師の指示薬剤を投与すること,不穏時も同様として無効な場合には医師に連絡すること,朝の身支度の介助は朝の与薬時に行うこと,夕の身支度の介助は就寝前与薬時に行うこと,入浴日には介助(誘導)にて入浴させること,医師の指示により時間を決めて施錠を解除すること。 (オ)教育計画[乙A1の2・13頁] 何か困ったことがあった時には,看護師に相談して欲しいと亡Cに対して話しかけること。 (カ)看護度[乙A1の2・50頁]亡Cの看護度は,常時援助を必要とし,身体的又は精神的に全介助を必要とする状態であると評価された。 (キ)薬物療法[乙A1の2・2頁,弁論の全趣旨]アナフラニール(25)3錠,ソラナックス(0.8)3錠,ロヒプノール(2)1錠,CP(12.5)1錠を処方した。なお,頻回に投与内容についての再評価ができるよう,これらは3日分のみの処方とした。 (ク)その他の指示事項[乙A1の2・5頁,弁論の全趣旨]E医師は,不眠時にはロヒプノールを,不穏時にはワイパックス及びホリゾンをそれぞれ用いること,観察室は終日施錠し,散歩,外出及び外泊はいずれも不可とすること,電話及び面会は許可すること,自殺企図を注意事項とすることを入院時の指示事項としており,被告担当医は上記の指示事項を確認した。 オ8月19日(ア)亡Cの状態[乙A1の1・10頁,乙A1の2・21裏頁,同22頁]被告担当医は,亡Cに対し,入院診療計画書を示し,病状,入院見込期間,治療内容及び計画等を説明した 認した。 オ8月19日(ア)亡Cの状態[乙A1の1・10頁,乙A1の2・21裏頁,同22頁]被告担当医は,亡Cに対し,入院診療計画書を示し,病状,入院見込期間,治療内容及び計画等を説明した。亡Cは,上記説明に対して困惑している様子が見られ,ため息をつき,うなだれる様子もあった。被告,,,,担当医は上記診察における亡Cの表情発言の仕方話の内容等から亡Cは行動の抑制状態及び抑うつ状態にあると評価し,亡Cに対し,焦らずにゆっくり休むことが早く治るために必要であると説明した。 亡Cは担当看護師に対し子どもも預けて面倒も見られない自分,,「, 」,のこともできなくなってしまった等と言って涙ぐむ様子も見せたため,「」,同看護師はぐっすり眠って疲れをとって下さいと応対したところ亡Cは同看護師をじっと見て「ありがとう」と言った。 亡Cは,午後0時頃,実母と面会した。 (イ)入院カンファランス[乙A1の2・7頁,弁論の全趣旨]被告担当医,担当看護師及び看護師長等は,8月19日,亡Cの入院診療に関する入院カンファランスを行った。 ,,(),同カンファランスでは亡Cの入院前の生活状況診断産後うつ病入院時症状(抑うつ状態であること)を確認した。また,今後の入院治療に必要な情報として,亡Cのこれまでの仕事や家庭環境を本人や家族から確認すべきであることが提案されるとともに,今後の治療方針として薬物療法や休息が必要であると確認された。 カ8月20日(ア)亡Cの状態[乙A1の1・10頁,乙A1の2・2頁,同22ないし22裏頁,弁論の全趣旨]亡Cは,被告担当医の診察時において,抑制がかなり強く,話も途切れ途切れであった。被告担当医が,亡Cに対し,死にたい気持ちについて質問すると,亡Cは「このまま死んでし いし22裏頁,弁論の全趣旨]亡Cは,被告担当医の診察時において,抑制がかなり強く,話も途切れ途切れであった。被告担当医が,亡Cに対し,死にたい気持ちについて質問すると,亡Cは「このまま死んでしまいたいという気持ちもあるが,原告Aと死なないと約束したから死なない」と答えた。また,薬物療法については,前回の処方をさらに6日間継続することとした。 亡Cは,朝食上膳時に,担当看護師に対し「食欲がない「治そうと,」いう気が起きない」とぽつりぽつりと話し始めたので,同看護師は傾聴した。また,亡Cは,朝薬時に冴えない表情で「息をするのもつらい」など言って,ため息をつく様子が確認されたため,同看護師は,今は十分に休息することが必要であると伝えた。さらに,亡Cは,日中も,担当看護師に対し冴えない表情で何もしたい気持ちにならない自分,「」「 から飲んだり食べたりしたいとも思わない」等と話したため,同看護師は傾聴するとともに,できるだけ水分を摂取するように伝えたところ,亡Cは「はい」と答えた。 亡Cは,午前11時頃,実父と面会した。 (イ)薬物療法[乙A1の2・2頁]アナフラニール(25)3錠,ソラナックス(0.8)3錠,ロヒプノール(2)1錠,CP(12.5)1錠の処方を,なお1週間継続することとした。 キ8月21日の亡Cの状態[乙A1の2・23頁ないし23裏頁,弁論の全趣旨]亡Cは朝薬時に担当看護師に対し何もする気になれないと話し,,,「」た。 亡Cは,午前10時50分頃,原告Aと面会し,穏やかに過ごしながら。 ,,,,昼食を全量摂取したまた亡Cは午後0時25分頃面会終了のため原告Aと別れる際,寂しくなって涙を流し,部屋に戻った後も落ち込んでいたため担当看護師は焦らずゆっくり休息していき ,,,昼食を全量摂取したまた亡Cは午後0時25分頃面会終了のため原告Aと別れる際,寂しくなって涙を流し,部屋に戻った後も落ち込んでいたため担当看護師は焦らずゆっくり休息していきましょうと応対,,「」したところ,亡Cは「はい」と答えた。 亡Cは,午後1時35分頃,実母及び実父と面会した。 亡Cは,午後5時35分頃,原告Aと再び面会し,穏やかに会話をしながら夕食をほぼ全量摂取した。午後6時45分の面会終了の際には落ち込んだ様子は見られなかった。 ク8月22日の亡Cの状態[乙A1の2・24頁,同24裏頁,弁論の全趣旨]亡Cは朝食を全量摂取し下膳時に担当看護師に対しおいしかっ,,,,「たです」と笑顔を見せた。 亡Cは,午前10時30分頃,原告Aと面会し,午前11時45分頃, 実母と面会した。また,亡Cは,午後3時10分頃,原告Aと再び面会した。 亡Cは,担当看護師に対し,寝ている最中に汗をかくことを伝えたこと,,。 から担当看護師は亡Cの熱を測ったところ36度4分と平熱であったまた,担当看護師が亡Cに対して,面会が多くて疲れなかったかと質問すると,少し笑顔になって,面会に来てもらって嬉しいと思っていると答えた。 ケ8月23日(ア)亡Cの状態[乙A1の1・10頁,乙A1の2・25頁,弁論の全趣旨]被告担当医は,亡Cを診察した結果,罪悪感や抑うつ気分はあるものの,徐々に軽減してきていると評価し,同日より,午後に1時間の開錠をする指示を出した。 担当看護師は,上記指示を亡Cにも伝え,被告担当医の指示により午後3時に開錠したところ,亡Cは,デイルームで新聞を読んだり電話をしていた。また,亡Cは表情が良くなり,夜の下剤服用時には自ら担当看護師に話しかけてきた。 亡Cは,午前11時頃,実父と面 示により午後3時に開錠したところ,亡Cは,デイルームで新聞を読んだり電話をしていた。また,亡Cは表情が良くなり,夜の下剤服用時には自ら担当看護師に話しかけてきた。 亡Cは,午前11時頃,実父と面会した。 (イ)朝カンファランス[乙A1の1・10頁]被告担当医及び担当看護師にて朝カンファランスが行われた。同カンファランスにおいて,亡Cは,食事は摂取しているが水分量が少ないため,飲水状況を観察して促すこと,引き続き言動や行動に注意して観察していくことなどが話し合われた。 (ウ)夕カンファランス[乙A1の1・10頁]被告担当医及び担当看護師にて夕カンファランスが行われた。同カンファランスにおいて,午後の1時間の開錠には特に問題がなく,担当看 護師の声かけに対しても自分から積極的に話をしてくるようになっているが,今後も注意をして観察していくことが確認された。 コ8月24日(ア)亡Cの状態[乙A1の1・10頁,乙A1の2・25裏頁,弁論の全趣旨]被告担当医は,亡Cを診察した結果,表情が明るかったことから状態は改善していると評価したため,担当看護師に対して翌日より午前及び午後1時間ずつの開錠を指示し,亡Cにも同内容を説明した。 ,,。 ,,亡Cは午前10時50分頃実父と面会したまた担当看護師が夕方頃,亡Cに対して,眠れるようになったかと質問すると,亡Cは笑顔で「ぐっすり眠った感じはないが眠れるようだ」と答えた。 (イ)夕カンファレンス[乙A1の1・10頁]被告担当医と担当看護師にて夕カンファランスが行われた。同カンファランスにおいて,亡Cの状態について,笑顔も見られて自分の思いを話してくれるようになったことから,翌日より,午前及び午後1時間ずつ開錠する方針が確認された。 サ8月25日(ア)亡Cの状態[乙A1 ンスにおいて,亡Cの状態について,笑顔も見られて自分の思いを話してくれるようになったことから,翌日より,午前及び午後1時間ずつ開錠する方針が確認された。 サ8月25日(ア)亡Cの状態[乙A1の1・11頁,同26頁ないし27頁,弁論の全趣旨]被告担当医は,亡Cを診察した結果,表情は明るく,ふらつきもなかったことから,昨日の方針どおり,開錠時間を1時間延長することとした。 亡Cは,午前10時15分頃,実父と面会した。 亡Cは,検温時も表情が良く,会話も増え,笑顔も見られるようになった。また,補食の希望もあり,担当看護師に対して代理購入を依頼した。 亡Cは,お茶をペットボトルに移し替えている途中,担当看護師に対し,子どものミルクを作っていた時のことを思い出したこと,入院する前はミルクを作るのも辛かったこと等を話したため,担当看護師は傾聴し,少しずつ食事量も増え,表情も変化してきていること,休息を図りながらゆっくりこれからのことを一緒に考えていくことを伝えたところ,亡Cは穏やかな表情で「そうですね」と答えた。 午後の開錠は午後3時から1時間と決まったところ,亡Cは,午後3時になると自らナースセンターのドアをノックして開錠の時間になったことを笑顔で伝える等,開錠を楽しみにしている様子が窺われた。亡Cは,開錠中,デイルームで雑誌や食事のメニューを見ながら,マイペースに過ごしていた。 担当看護師が,被告担当医に対し,上記のような亡Cの状態を伝えたところ,被告担当医は,更に1時間の開錠時間の延長を指示した。担当看護師が,亡Cに対し,開錠時間が午後5時までになったと伝えると,亡Cは嬉しそうな表情を見せ,電話をしたり雑誌を見て過ごしていた。 (イ)看護計画[乙A1の2・13頁]全体としては入院時の看護計画を引き続き行うべきであると評価され 後5時までになったと伝えると,亡Cは嬉しそうな表情を見せ,電話をしたり雑誌を見て過ごしていた。 (イ)看護計画[乙A1の2・13頁]全体としては入院時の看護計画を引き続き行うべきであると評価された。 シ8月26日(ア)亡Cの状態[乙A1の2・27頁]亡Cは朝の会話にて担当看護師に対しようやく自分でやってみ,,,「ようという気持ちになりました」などと笑顔で話した。また,昼には本が読みたいと自発的な希望も伝え,被告担当医は,本の持ち込みを許可した夜には表情がよく担当看護師と話していて笑顔を見せ気持。 ,,,「ちが落ち着いている感じが出てきました」と話した。 亡Cは,午前10時に実父と面会した。 (イ)朝カンファランス[乙A1の1・11頁]被告担当医と担当看護師にて朝カンファランスが行われた。同カンファランスにおいて,昨日に引き続き,午前及び午後2時間ずつの開錠にすることとした。 (ウ)夕カンファランス[乙A1の1・11頁]被告担当医と担当看護師にて夕カンファランスが行われた。同カンファランスにおいて,明日より朝の与薬から夕方の与薬前まで開錠し,本を持ち込み可とすることが決まった。また,タオルの持ち込みは週明けに再検討することになった。 ス8月27日(ア)亡Cの状態[乙A1の2・27裏頁,弁論の全趣旨]被告担当医は,亡Cに対して,明日より朝の与薬から夕方の与薬前まで開錠することを説明した。 ,,。 亡Cは午前10時40分に実父と面会した際にも笑顔が見られたまた,亡Cは,担当看護師に対しても「最近はよく眠れる。今は死にたいと思うことはない。子どもを見てもらっているので家族に悪いと思う気持ちはあるが,以前よりは楽になった」などと話した。 。 (イ)朝カンファランス[乙A1の1・11頁]被 はよく眠れる。今は死にたいと思うことはない。子どもを見てもらっているので家族に悪いと思う気持ちはあるが,以前よりは楽になった」などと話した。 。 (イ)朝カンファランス[乙A1の1・11頁]被告担当医と担当看護師にて朝カンファランスが行われた。同カンファランスにおいて,本日から朝の与薬から夕方の与薬前まで開錠されることから,言動や行動に注意して観察することが確認された。 (ウ)夕カンファランス[乙A1の1・11頁]被告担当医と担当看護師にて夕カンファランスが行われた。同カンファランスでは,亡Cの日中の状態について話し合い,特に心配な事情は見られず,今後も同様の開錠方法を継続していく方針が確認された。 (エ)薬物療法[乙A1の2・2頁] アナフラニール(25)3錠,ソラナックス(0.8)3錠,ロヒプノール(2)1錠,CP(12.5)1錠の処方を,なお1週間継続することとした。 セ8月28日ないし31日(ア)亡Cの状態[乙A1の1・11頁,乙A1の2・28裏頁,同29頁,弁論の全趣旨]被告担当医は,亡Cを診察した結果,表情が明るく,余裕が出てきた様子であると判断した。もっとも,被告担当医は,亡Cに対し,念のため,あと2~3日はこのまま観察室で様子を見る方針であることを説明したところ,亡Cも了解した。 亡Cは担当看護師に対しラジオを聴いてみたいと伝え被告担,,「」,当医は,ラジオの使用を許可した。 亡Cは,この期間に原告Aや実母及び実父と面会し,いずれの面会においても穏やかに会話していた。 (イ)8月30日のカンファランス[乙A1の1・11頁]被告担当医と担当看護師にて朝カンファランス,夕カンファランスが行われた。上記各カンファランスにおいては,亡Cの状態は落ち着いているものの,あと2~3日はこのまま様子 ァランス[乙A1の1・11頁]被告担当医と担当看護師にて朝カンファランス,夕カンファランスが行われた。上記各カンファランスにおいては,亡Cの状態は落ち着いているものの,あと2~3日はこのまま様子を見ることとし,今後も観察を継続することが確認された。 (ウ)8月31日のカンファランス[乙A1の1・11頁]被告担当医と担当看護師にて朝カンファランス,夕カンファランスが行われた。朝カンファランスにおいては,開錠中に観察を十分すること,,,が確認され夕カンファランスにおいては亡Cの様子を観察した結果特に問題もなく笑顔も見られたことが確認された。 (エ)看護度[乙A1の2・50頁]亡Cは,継続治療や看護の必要性があることを自覚し,自らの病気を 受け止めることができるよう援助が必要な状態であると評価され,これに応じた看護をすることが計画された。 (オ)看護計画[乙A1の2・13裏頁]8月31日に入院時の看護計画が見直された結果,以下のとおり定められた。 ①看護目標亡Cとの信頼関係を築き,苦しい気持ちが表現できること。 ②看護上の問題点希死念慮があり自殺を企てる可能性があること。 ③観察計画言動・行動・表情の観察,自殺や衝動行為を思わせる言動やサインへの注意,服薬状況確認,夜間の睡眠・休息状況の確認,食事・補食の摂取状況確認,家族や周囲の人への接し方の観察などに留意する。 ④療養計画被告担当医及び担当看護師等,医療従事者側が亡Cと良好な人間関係を作り,亡C自ら悩みを訴えられる関係を作る,危険物の取扱いに注意する,不眠時は医師の指示薬剤を投与する,不穏時も同様として無効な場合には医師に連絡する,朝の身支度の介助は朝の与薬時に行う,夕方の身支度の介助は就寝前与薬時に行う,入浴日には介助(誘),。 導にて入浴させる医師 指示薬剤を投与する,不穏時も同様として無効な場合には医師に連絡する,朝の身支度の介助は朝の与薬時に行う,夕方の身支度の介助は就寝前与薬時に行う,入浴日には介助(誘),。 導にて入浴させる医師の指示により時間を決めて施錠を解除する⑤教育計画何か困った時には担当看護師に相談して欲しいと話しかける。 ソ9月1日及び2日(ア)亡Cの状態[乙A1の1・11頁,乙A1の2・29裏頁ないし30頁,弁論の全趣旨]亡Cは9月2日の診察の際妙に緊張すると発言し被告担当医,,「」, は,これまでの診察の結果も併せ考慮すると,亡Cは焦燥感が強いタイプであると考え,そのことを亡C自身にも説明し,焦らずゆっくり休むように伝えた。亡Cにも自覚がある様子で「そうします」と答えた。 ,また,亡Cは,9月2日の午後1時頃,担当看護師に対しても,今後のことを思うと緊張してしまうと話したところ担当看護師は将来の,,「ことを考えないわけにはいかないけれども,一人で何でも抱え込まず家」,族にも話して協力してもらうようにした方がよいと思いますよなどとゆとりを持って対応するように促した。亡Cは「わかっていても考えてしまうんです」などと笑顔で答えた。 亡Cは,担当看護師に対し,ロッカーの鍵を開けたままにしてほしいと希望を伝えたことから,被告担当医は,ロッカーの鍵を亡Cの管理とする旨の指示を出した。もっとも,亡Cは,鍵は不要であると言ったため,ロッカーは開けたままの状態にすることになった。 (イ)2週間カンファランス[乙A1の2・8頁,同8裏頁]被告担当医,担当看護師及び看護師長等は,2週間カンファランスを行った。 同カンファランスにおいては,亡Cの診断名と入院時症状を確認した,,,ほか担当看護師から入院当初は臥床がちであまり発語 被告担当医,担当看護師及び看護師長等は,2週間カンファランスを行った。 同カンファランスにおいては,亡Cの診断名と入院時症状を確認した,,,ほか担当看護師から入院当初は臥床がちであまり発語もなかったが,,現在は会話中に自分の思いを表現し表情も明るくなってきていること夜間も良眠していること,今後は行動拡大を図っていき症状の変化がないか観察していく方針であることが報告された。 被告担当医,担当看護師及び看護師長等は,入院後の経過としてはかなり改善していることを相互に確認した。そして,それを踏まえて,今後も観察及び薬物療法を継続するとともに,生活範囲を拡大していくことを治療方針とした。但し,亡Cは,現実に直面すると焦燥感が強くなりやすいと思われることから,徐々に生活範囲を拡大すること,外泊や 外出を初めて行う時には注意して観察すること等が話し合われた。 タ9月3日ないし5日(ア)亡Cの状態[乙A1の1・12頁,乙A1の2・30頁ないし31頁,弁論の全趣旨]被告担当医は,亡Cに対し,他の患者が観察室を使用しなければならない状態になったため,201号室(4人部屋)に転室してほしいことを説明し,亡Cは了承した。被告担当医の9月3日の診察では,亡Cの状態は穏やかで,表情も明るかった。 亡Cは9月4日に担当看護師に対し子どもをかわいいと思えな,,,「い子育てに自信がない旨の話をしたため担当看護師は傾聴した上。 。」,で子どもを産んでかなり疲れて余裕がなかったからではないかゆっ,「。 くり休んで家族に手伝ってもらえることは手伝ってもらい,子どもに対して接する中で徐々にかわいいと思えるのではないかなど現在の気。」,持ちについて焦りを持たずに解決できるよう支援する内容の返答をしたところ,亡Cも頷い らえることは手伝ってもらい,子どもに対して接する中で徐々にかわいいと思えるのではないかなど現在の気。」,持ちについて焦りを持たずに解決できるよう支援する内容の返答をしたところ,亡Cも頷いて聞いている様子であった。 亡Cは,この期間に原告Aや実母及び実父と面会し,いずれの面会においても穏やかに会話していた。 (イ)看護計画[乙A1の2・13裏頁,弁論の全趣旨]9月3日に看護計画の実施状況等を確認し,現在のところ修正は必要なく,実施状況もよいと判断した。 (ウ)看護度[乙A1の2・50頁]亡Cは,継続的(概ね1~2時間毎)の援助が必要であり,生活行動は一般的に一応のまとまりがあるので,それが継続的に実践できるように援助を必要とする状態と評価され,この状態に応じた看護が計画された。 (エ)薬物療法[乙A1の2・2頁] アナフラニール(25)3錠,ソラナックス(0.8)3錠,ロヒプノール(2)1錠,CP(12.5)1錠の処方を,なお1週間継続することとした。 チ9月6日ないし8日(ア)亡Cの状態[乙A1の2・31頁ないし31裏頁,弁論の全趣旨]亡Cは,9月6日,被告担当医に対し,夜に尿漏れがあることを相談したところ,被告担当医はベサコリンを処方した。また,担当看護師が休息を取れているか確認したところ,亡Cは同室者が話し込むことが迷惑であると訴えたものの,笑顔で大丈夫ですと言っていた。 亡Cは,9月7日,夜間覚醒があるものの,すぐに眠りにつくことができるようになり,ぐっすり眠れるということであった。 亡Cは,9月8日に肩こりや頭痛を訴えたため,被告担当医が診察をした上で,セデスを処方した。また,同日,210号室に転室した。亡Cは担当看護師に対しようやく泣く元気が出てきたと笑顔で話し,,「」た。 (イ)看護 痛を訴えたため,被告担当医が診察をした上で,セデスを処方した。また,同日,210号室に転室した。亡Cは担当看護師に対しようやく泣く元気が出てきたと笑顔で話し,,「」た。 (イ)看護状況の評価[乙A1の2・15裏頁]201号室へ転室後,笑顔が見られ表情よく過ごせていること,子どもへの愛情や育児について不安や自身のなさを訴えることがあり,今は十分休息を図れることを目標としているが,201号室では同室者の影響で休息を得にくい状況となっていることから,210号室に転室になったこと等が確認された。 今後,家族関係や育児などのストレス状況下に置かれると症状の悪化を招く恐れがあるため,十分に休息をとり,徐々に不安解消に努めて自信回復につなげていく必要があること,看護計画は継続すること等が確認された。 ツ9月9日 (ア)亡Cの状態[乙A1の2・11頁,同31裏頁]被告担当医が,亡Cを診察した結果,焦りもなく落ち着いた様子が続いていることから,作業療法を開始することとし,作業療法により安心感や身体機能改善,体力向上の獲得を目標とした。 また,被告担当医は,亡Cに対し,看護師等が同伴した上での院内散歩を許可した。 亡Cは,担当看護師と買い物に出かけたところ,亡Cは「気持ちいいです」などと笑顔で話した。 (イ)作業療法[乙A1の1・12頁]亡Cは,作業療法としての手芸を行い,作業療法士とともにビーズブレスレットを作成した亡Cは上記作業中楽しいと時折笑顔も見。 ,,「」せた。 テ9月10日ないし12日(ア)亡Cの状態[乙A1の2・31裏頁,弁論の全趣旨]亡Cは,9月10日,自室で穏やかに過ごしており,担当看護師に対し,睡眠の質が悪い感じであると話した。 亡Cは,担当看護師に対し「9月23日ころ外出したい「子ども 乙A1の2・31裏頁,弁論の全趣旨]亡Cは,9月10日,自室で穏やかに過ごしており,担当看護師に対し,睡眠の質が悪い感じであると話した。 亡Cは,担当看護師に対し「9月23日ころ外出したい「子どもの,」ことが気がかりである」と話し,被告担当医の診察を希望した。担当看護師は,亡Cに対し,一度に外出の範囲は広くならないが,少しずつ段階的に範囲を広げていけるとよいと説明した。これを受けて,被告担当,,,医はあらためて亡Cと面接し外出には家族の協力が必要なことから原告Aが面会に来た際に外出についての相談をすることになった。 亡Cは,この期間に原告Aや実父と面会し,いずれの面会においても穏やかに会話していた。 (イ)看護計画[乙A1の2・13裏頁]9月10日に看護計画の実施状況等について確認し,修正は必要なく 実施状況もよいと判断された(ウ)薬物療法[乙A1の2・2頁]アナフラニール(25)3錠,ソラナックス(0.8)3錠,ロヒプノール(2)1錠,CP(12.5)1錠の処方を,なお1週間継続することとした。 ト9月13日ないし15日の亡Cの状態[乙A1の2・5頁,同32頁,弁論の全趣旨]亡Cは,9月13日,担当看護師が同伴した上で,売店まで買い物に行った亡Cは買い物の際同看護師に対して生理が来て生きていてよ。 ,,,「かったと思った。今リゾート気分でもう少し入院していてもよいかなと思う。いずれ退院するとまた忙しくなるだろう」と話をした。 。 被告担当医は,亡Cを診察した結果,原告A同伴の外出許可を出した。 亡Cは9月14日担当看護師に対してうつ病について自分も知り,,,「たい。家族皆にも自分の病気のことを知ってほしい。これまでの生活では自分の時間が取れない。母親として公園デビューなんかできないと思 月14日担当看護師に対してうつ病について自分も知り,,,「たい。家族皆にも自分の病気のことを知ってほしい。これまでの生活では自分の時間が取れない。母親として公園デビューなんかできないと思う。 人と話すと疲れることが悩みである人との関わりに緊張すると話した。 。」ため,担当看護師は,傾聴した上で,子どもは大事だが自分の時間も大切であること,家族に協力してもらい一人の時間を作ることが大切であると説明し,亡Cに対して「うつ病の分かる本」を貸し出した。 亡Cは,同日,実父と面会し,上記の本を手渡して読んでもらうように話していた。亡Cは,担当看護師に対し,義父,義母及び原告Aにも病気のことを知ってもらうと気が楽になると話した。 亡Cは,9月15日,担当看護師が同伴した上で,売店まで買い物に行き,その後,読書等をして過ごした。 ナ9月16日ないし20日(ア)亡Cの状態[乙A1の1・12頁,乙A1の2・32裏頁] 亡Cは,9月16日,担当看護師と売店での買い物に行く際,今の症状についていろいろ原告Aと相談したいこと,これまでの生活の中のちょっとしたことからストレスが重なり,それが大きくなって病気になったと思うが,原告Aはただの育児疲れだと捉えているので,もっと病気について理解して欲しいこと,原告Aは優しく静養するように声をかけるがそれがプレッシャーになること,原告Aと被告担当医が面談をしてもらいたいこと等を話したため,同看護師は傾聴し,少しずつ休息は図れているのであるから,焦らず段階的に進めていくように伝え,被告担当医との面談を都合の良いときに設定するよう促した。 被告担当医は,これを受けて亡Cと話し合い,9月21日午後に原告Aと面談することにした。亡Cは,被告担当医が原告Aと会うことについて,担当看護師に「さっきはありがと の良いときに設定するよう促した。 被告担当医は,これを受けて亡Cと話し合い,9月21日午後に原告Aと面談することにした。亡Cは,被告担当医が原告Aと会うことについて,担当看護師に「さっきはありがとうございました」などと笑顔で話した。 亡Cは,9月17日ないし20日は,著変なく穏やかに過ごした。 (イ)作業療法[乙A1の1・12頁],(,)亡Cはビーズブレスレットを二つ一つは実母へ一つは原告Bへ作成した。前回の作業療法時より表情も柔らかく笑顔も見られる様子が確認された(ウ)薬物療法[乙A1の2・2頁]アナフラニール(25)3錠,ソラナックス(0.8)3錠,ロヒプノール(2)1錠,CP(12.5)1錠の処方を,なお1週間継続することとした。 ニ9月21日の亡Cの状態[乙A1の2・33頁,同33裏頁,乙A5・9頁,証人D6頁ないし7頁,同30頁,弁論の全趣旨]被告担当医は,被告病院の外来診察室にて,亡C及び原告Aと20分から30分程度面談した。なお,通常は病棟内の診察室等で面談を行うとこ ,,,,,ろ原告Aが医師であること同日以前に亡Cが被告担当医に対して原告Aは内科医で精神科に対して偏見があると話したことから,原告Aが病棟での説明を望まないであろうと考え,外来診察室で説明をすることにしたものである。 被告担当医は,亡C及び原告Aに対して,亡Cの病状とこれまでの経過について説明した。具体的には,亡Cはうつ病で焦燥感が強い状態であったが,徐々に安定してきており,現在では散歩もできる状態であること,今後も薬物療法を継続することが重要であること,焦らせることや励ますことが治療にとっては逆効果になることから,ゆっくり休息を取ってもらうことが大事であること,治療には時間がかかること等を説明した。 亡Cは, 物療法を継続することが重要であること,焦らせることや励ますことが治療にとっては逆効果になることから,ゆっくり休息を取ってもらうことが大事であること,治療には時間がかかること等を説明した。 亡Cは,担当看護師に対して,被告担当医から原告Aに対して治療に時間がかかることを話してもらってよかったと話した。 ヌ9月22日の亡Cの状態[乙A1の2・33頁]亡Cは,原告Aの同伴のもと,午前9時頃から午後5時40分頃まで外出した。 ネ9月23日ないし27日(ア)亡Cの状態[乙A1の2・5裏頁,乙A1の2・33頁,乙A5・10頁,証人D8頁]亡Cは,この期間に実母及び実父と面会し,いずれの面会においても穏やかに会話していた。 被告担当医は,9月27日,亡Cから希望があった10月2日の外出を許可することとした。また,被告担当医は,原告Aの了解が得られれば,随時院内散歩を許可してもよいと考えた。 そこで,被告担当医は,原告Aに架電し,さらに状態が落ち着いてきたことから,亡Cの希望を踏まえて,院内での散歩を許可したいと伝えたところ,原告Aは了承した。 (イ)薬物療法[乙A1の2・2頁]被告担当医は,9月27日,アナフラニール(25)3錠,ソラナックス(0.8)3錠,ロヒプノール(2)1錠,CP(12.5)1錠の処方を,なお1週間継続することとした。 ノ9月28日(ア)亡Cの状態[乙A1の2・5頁,同33頁]被告担当医は,原告Aの了解を得たことから,亡Cに対し,院内散歩を許可することを説明した。また,担当看護師からは,院内散歩許可に,。 ついてのオリエンテーションとして散歩の方法や注意点等を説明したもっとも,亡Cはほとんど自室やデイルームで過ごした。 (イ)看護度[乙A1の2・50頁],(),,亡Cは継続的概ね1~2時 てのオリエンテーションとして散歩の方法や注意点等を説明したもっとも,亡Cはほとんど自室やデイルームで過ごした。 (イ)看護度[乙A1の2・50頁],(),,亡Cは継続的概ね1~2時間毎の援助が必要であり継続治療看護の必要性があることを自覚し,自らの病気を受け止めることができるよう援助を要すると評価され,これに応じた看護計画が立てられた。 ハ9月29日(ア)亡Cの状態[乙A1の2・33裏頁]被告担当医は亡Cが頭痛を訴えたためセデスを処方した。また,亡Cは,夜に泣きながら怒って電話し,イライラした様子が見られたため,担当看護師が看護室で話を聞いたところ同室者の行動が自分勝手なた,「めイライラし,そのことを電話で原告Aに話したら『人のことはほっといて自分の療養に努めなさい』と言われ,原告Aは本当に自分のことを分かっているのかと思った。原告Aは本当に亡Cが病気だということを分かっておらず,退院すればこれまでと同じように生活できると思っている。また,義母が亡Cの友達に勝手に入院していることを話してしまったことが不満である退院することが不安だなどと話したため担。 。」,当看護師は傾聴した上で,同室者の件はその都度相談に乗り,できるだ けの対処をすること,家族に関しても話し合いの機会を設けていくことを伝えた。 (イ)看護計画[乙A1の2・13裏,同15裏頁]亡Cは,希死念慮が消失したことに加え,院内散歩の許可も出ている。 ,,ことが確認されたもっとも表面的には症状の安定が見られるものの病気を家族に分かって欲しいという思いや,原告Aや義母との確執が表面化してきており,これを機に病状が変化することも考えられることから,今後は家族との調整も必要になると評価されたが,看護計画の修正は必要ないと判断され て欲しいという思いや,原告Aや義母との確執が表面化してきており,これを機に病状が変化することも考えられることから,今後は家族との調整も必要になると評価されたが,看護計画の修正は必要ないと判断された。 ヒ9月30日(ア)亡Cの状態[乙A1の2・33裏,同34頁,弁論の全趣旨]亡Cは担当看護師に対し原告Aが病気を理解してくれずいつま,,,「で入院しているつもりなのか」と言われたことを話したため,担当看護,,,,師は傾聴した上で亡Cに対し原告Aの理解にも時間が必要なこと焦らずにゆっくり対応していくべきこと等を説明した。 (イ)作業療法[乙A1の1・12頁]9月16日の作業療法の続きを行い,ビーズのネックレスを完成させた。その後,ビーズのブレスレットを作成し,時折笑顔も見られた。 (ウ)看護度[乙A1の2・50頁],,(),亡Cは前回同様継続的概ね1~2時間毎の援助が必要であり継続治療,看護の必要性があることを自覚し,自らの病気を受け止めることができるよう援助を要すると評価された。 フ10月1日(ア)亡Cの状態[乙A1の2・34頁]亡Cは担当看護師に対し私のことを理解して話を聞いてくれるの,,「は夫だけだと思っていたのにショックです」と泣きながら何度も話した ため,担当看護師は傾聴した上で,亡Cに対し,病気については被告担当医や担当看護師らと協同して時間をかけて理解してもらうべきであることを伝えた。 また,亡Cは,担当看護師に対し,10月2日の外出もどうしたらよいかわからないと話した。担当看護師は,外出について,行くかどうかは自分で決めてかまわないと話した。 亡Cは,その後も冴えない表情であり,実父と面会した際に,原告Aへの不満を言ったが,実父には「またか」という顔をされ した。担当看護師は,外出について,行くかどうかは自分で決めてかまわないと話した。 亡Cは,その後も冴えない表情であり,実父と面会した際に,原告Aへの不満を言ったが,実父には「またか」という顔をされたと話した。 なお,亡Cは,不眠の訴えがあったため,被告担当医は,デパス1錠を内服させた。 (イ)薬物療法[乙A1の2・2頁],(),(. )被告担当医はアナフラニール 3錠ソラナックス 3錠,ロヒプノール(2)1錠,CP(12.5)1錠の処方を,なお1週間継続することとした。 ヘ10月2日の亡Cの状態[乙A1の2・34頁,同34裏頁]亡Cは,午前9時頃から午後3時頃まで,歯科通院と買い物を目的として,原告Aと外出した。亡Cは,帰院時には不機嫌そうな様子であり,担当看護師に対し,2,3日前に原告Aとバトルしてしまい,気分転換も兼ねて歯科に外出したものの,話しているうちに原告Aにあたってしまったこと,緊張からか今日は発汗がたくさんあったこと等を話したため,担当看護師は傾聴した上,亡Cに対し,外出の疲れもあるのでまずゆっくり休むべきこと,落ち着かない時は臨時の薬も飲めること等を説明した。 ホ10月3日の亡Cの状態[乙A1の2・34裏頁,弁論の全趣旨]亡Cは午前1時55分頃看護室を訪れ担当看護師に対し眠った,,,,「感じがしないので追加の薬が欲しい何となく前の状態に戻ったような気」「がする」と話した。被告担当医は,担当看護師に対し,ロヒプノールの投 与を指示した。もっとも,亡Cは,午前6時には起床しており,ロヒプノールを内服しても熟睡はできなかったと伝えた。 亡Cは日中も担当看護師に対して夫に私のことを分かれと言うのは,,「」「。 。」無理なんでしょうかまたもとにもどってしま ており,ロヒプノールを内服しても熟睡はできなかったと伝えた。 亡Cは日中も担当看護師に対して夫に私のことを分かれと言うのは,,「」「。 。」無理なんでしょうかまたもとにもどってしまいそう何もしたくないと,冴えない表情で話した。また,亡Cは,原告Aに対する不満や,実父,。 及び実母との関係について話した上で原告Aとは一緒にいたいと話した担当看護師は亡Cの話を傾聴し夫に100%分かってもらえること,,「は不可能であり,お互いに妥協できるところを探っていくことも一緒に生活していくには必要だと思う」と,病気とは別の問題として,それぞれの夫婦や家庭の問題があり,それは直ちに解決できないこと,病気の治療に専念して家庭の問題については徐々に解決していくべきであることを話した。 これに対し亡Cはくよくよするのは性格なんでしょうかなどと冴,,「」えない表情で話した。また,夜には不眠を訴えて睡眠薬を要求したため,被告担当医は,ロヒプノールを処方した。 マ10月4日の亡Cの状態[乙A1の2・5裏頁,同35頁]被告担当医は,診察室で亡Cと面接し,その結果,不安時及びイライラ時にはソラナックス1錠を服用するよう指示した。 ,,,亡Cは食欲がないと言って夕食を少量しか食べず担当看護師に対し前のようになってきた感じがする不安なので薬が欲しいなどと話し「」「」た。また,被告担当医は,亡Cから不安薬を希望されたため,ソラナックスを処方した。 亡Cは,ソラナックスを服用した後は少し眠れたものの,その後,担当,。 看護師に対し原告Aと電話で話したことによってイライラしたと話したミ10月5日の亡Cの状態[乙A1の2・35頁,同35裏頁,弁論の全趣旨] 亡Cは,午前4時頃,担当看護師に対し,眠れないこと,退院し 対し原告Aと電話で話したことによってイライラしたと話したミ10月5日の亡Cの状態[乙A1の2・35頁,同35裏頁,弁論の全趣旨] 亡Cは,午前4時頃,担当看護師に対し,眠れないこと,退院した後の生活のことを考えると不安なこと,状態が元に戻ったようで心配なこと等を話したため,担当看護師は傾聴した上で,焦らずゆっくりと考えていく。 ,,しかないと答えたまた午前6時20分頃にも同様の訴えがあったため担当看護師は,ソラナックスの服用を勧めた。 亡Cは,日中も,担当看護師に対して,気分が落ち込み,部屋にも居場,,,所がないこと夜も眠った気がしないこと薬を飲んでも効果がないこと原告Aと会うと愚痴の言い合いになるが離れると寂しいこと,原告Aは優しいが自分の病気のことをわかってくれず,すぐに元の生活ができると思っていること,入院は3か月の予定であるが,あと1か月半で状態が好転するのか不安であること等を話した。担当看護師は,傾聴した上で,亡C,,に対し夫であっても100パーセント理解してもらうことは難しいのでできるだけ自分の現状を原告Aに伝えるとともに,時には少し距離を置くこともよいのではないかと話したが,亡Cは「でも会わないとさみしい」などと同じ訴えを繰り返した。また,亡Cは,午後には「落ち着いて過ごせない「何もできなくなった」と訴えた。 」被告担当医は,上記の状態を踏まえ,定期処方に加えてソラナックス1錠の服用を指示した。 ム10月6日の亡Cの状態[乙A1の2・35裏頁,同36頁]亡Cは,午前5時30分頃,担当看護師に対し,落ち着かないと訴えて昨日同様の話をしたため,同看護師は傾聴した。 また,亡Cは,午後3時30分頃,看護師に対して,入院期間が残り1か月半しかなく,元の生活に戻ることが不安なこと,落ち着かないため夜も眠 かないと訴えて昨日同様の話をしたため,同看護師は傾聴した。 また,亡Cは,午後3時30分頃,看護師に対して,入院期間が残り1か月半しかなく,元の生活に戻ることが不安なこと,落ち着かないため夜も眠れた気持ちになれないこと,死にたくなることがあること等を,時折笑みを浮かべながら話した。担当看護師が,亡Cに対し,被告担当医にも上記のようなことを話したか否かを確認すると,亡Cは,4日の診察時に 話したものの,その理由までは言わなかったと答えた。 メ10月7日の亡Cの状態[乙A1の1・12頁,乙A1の2・36頁,乙A5・12頁,証人D10頁,弁論の全趣旨]被告担当医は,亡Cが連日不安を訴えていることから,診察室で亡Cと面接した。亡Cは,被告担当医に対し,原告Aから「早く帰って来い」などと言われるのが辛いなどと話し,不安や焦燥感が強くなっていると自覚していた。そこで,被告担当医は,診察の結果,不安や焦燥感が強くなっ,。 ,ていると診断し朝夕の定期薬にワイパックスを1錠ずつ追加したまた頻回の家族の面会により外の現実社会に直面すると,元の生活に復帰することについての焦りが出ることも懸念されたため,被告担当医は,実母が面会に来院した際,同人に対し,家族との面会は週2回程度にしてほしいと依頼した。その後,被告担当医は,亡Cに対しても同様の説明をしたところ,亡Cは,被告担当医に対して「それしか面会できないんですか」と言い,不安を受け止められず,振り回されている様子であった。 被告担当医は,原告Aに対し,上記のような面会等の制限を伝えるために架電したところ原告Aはわかりましたと返答したため被告担当,,「」,医は,原告Aも上記説明の趣旨を理解したと受けとった。 モ10月8日ないし15日(ア)亡Cの状態[乙A1の2・6頁,同36頁 ろ原告Aはわかりましたと返答したため被告担当,,「」,医は,原告Aも上記説明の趣旨を理解したと受けとった。 モ10月8日ないし15日(ア)亡Cの状態[乙A1の2・6頁,同36頁,同36裏頁,弁論の全趣旨]亡Cは,この期間,表情は冴えなかったものの,特に訴えもなく穏やかに過ごした。 亡Cは,10月14日,被告担当医に対して,原告A同伴で,歯科受診のために外出したいと申し入れたところ,被告担当医は亡Cに対して上記外出を許可した。 (イ)薬物療法[乙A1の2・2頁] 被告担当医は,10月8日,アナフラニール(25)3錠,ソラナックス(0.8)3錠,ロヒプノール(2)1錠,CP(12.5)1錠の処方を,なお1週間継続することとした。 被告担当医は,10月15日,これまでの診察の結果を踏まえ,アナフラニール(25)3錠,ソラナックス(0.8)3錠,ロヒプノール(),(. ),(. 1錠CP 1錠の処方に加えてワイパックス 5)2錠,ベンザリン(5)2錠を追加した。 (ウ)8週間カンファランス[乙A1の2・9頁,同9裏頁,証人D10頁及び11頁,同36頁]被告担当医,担当看護師及び看護師長等は,10月13日,8週間カンファランスを行った。 同カンファランスにおいては,担当看護師から,衝動性はないが退院後の生活や家族の対応への不安ないし焦燥感が強いこと,妥協ができない様子であること,退院への意欲が薄らいだ感じを受けること,薬物の増量等により訴えは少なくなってきたが,表情は冴えないこと,訴えを聞けば聞くほど不安定となる場合もあるため,訴えについては時間を決めた対応も必要と考えられること等の報告がなされた。 被告担当医は上記の報告を確認した上で,一時は外出も可能になったが,退院後の生活な 聞けば聞くほど不安定となる場合もあるため,訴えについては時間を決めた対応も必要と考えられること等の報告がなされた。 被告担当医は上記の報告を確認した上で,一時は外出も可能になったが,退院後の生活などを考えて再度不調になったと評価し,今後の治療方針として,薬物調整と家族調整を中心とすることが決まった。 また,今後の支援目標として,長時間の話は焦りを増長し,逆効果であることから,今後は一回につき5分から15分程度の時間で亡Cの訴えを傾聴し,今後のことについてはゆっくり考えるように伝えていくこ,(,と家族に対しても病気を理解してもらえるように調整すること特に原告Aは亡Cの危機感に対して疎いと思われることから,その都度状態を伝えていくこと)等が話し合われた。 ヤ10月16日の亡Cの状態[乙A1の2・36裏頁]亡Cは,原告A同伴で歯科受診に出かけ,午後5時30分に帰院した。 また,面会室で原告Aとともに夕食を取り,笑顔で過ごしていた。 ユ10月17日ないし18日の亡Cの状態[乙A1の2・36裏頁]亡Cは,この期間,原告A及び実父の面会を受けて,特段変わりなく過ごした。 ヨ10月19日(ア)亡Cの状態[乙A1の2・36裏頁]亡Cは午後6時30分頃担当看護師に対して冬物を取りに石巻,,,「。 ,,。」に外泊したい今は原告A子ども義母の3人で石巻で生活しているなどと話した担当看護師は家のことが気にならずに外泊できるなら。 ,「外泊も考えられるが,先週までの状況からは担当看護師としては了解し。 。 難い途中何かあってもすぐ帰って来られる距離でないので不安である冬物を家族に持ってきてもらってはどうかなどと伝えた亡Cは考。」。 「えてみます。自分としても自信がないし,義母のことや家のことを考えたら無理か すぐ帰って来られる距離でないので不安である冬物を家族に持ってきてもらってはどうかなどと伝えた亡Cは考。」。 「えてみます。自分としても自信がないし,義母のことや家のことを考えたら無理かもしれない」と話した。 。 (イ)作業療法[乙A1の1・12頁,同13頁]亡Cは,体育館クラブに参加してバドミントンに興じ,楽しそうな様子を見せた。 a10月20日ないし22日(ア)亡Cの状態[乙A1の2・36裏頁,弁論の全趣旨]担当看護師は,10月20日,亡Cが石巻への外泊を希望していたことを被告担当医に報告し,被告担当医と担当看護師は,亡Cの外泊の可否を話し合い,検討した。その結果,被告担当医は,外泊によって現実的な不安や焦りが再燃する可能性もあり,もうしばらく安静を保って精神的安定を図った上で外泊することが望ましいことから,石巻への外泊 は当面見合わせた方がよいと判断した。 被告担当医は,同日の診察時に,亡Cに対して,外泊は当面見合わせることを伝え,重ねて焦らず治療していきましょうと促した。亡Cもよく理解している様子であった。 亡Cは10月22日被告担当医に対して明日外出したいと申し,,,出た。被告担当医は診察し,その表情等一切の事情から,原告A同伴で,(,外出することに心配はないと考え外出を許可した乙A1の2・6頁37頁。 )(イ)作業療法[乙A1の1・13頁]亡Cは10月21日ビーズのミサンガを作るとともに習字で再,,,「生」などと書き,褒められて笑顔を見せた。 (ウ)薬物療法[乙A1の2・2頁]被告担当医は,10月22日,アナフラニール(25)3錠,ソラナックス(0.8)3錠,ロヒプノール(2)1錠,CP(12.5)1錠,ワイパックス(0.5)2錠,ベンザリン(5)2錠の処方をな 2頁]被告担当医は,10月22日,アナフラニール(25)3錠,ソラナックス(0.8)3錠,ロヒプノール(2)1錠,CP(12.5)1錠,ワイパックス(0.5)2錠,ベンザリン(5)2錠の処方をなお一週間継続することとした。 b10月23日の亡Cの状態[乙A1の2・37頁]亡Cは,原告A及び原告Bとともに外出し,仙台市内で買い物をして,午後6時10分ころ帰院した。 c10月24日ないし26日(ア)亡Cの状態[乙A1の2・37頁],,。 亡Cは10月24日原告A及び原告Bと多目的ホールで面会したまた,同日夜には頭痛や喉痛等の症状を訴え,当直医の診察を受けた。 亡Cは,10月26日,被告病院スタッフの対応について,投書箱に意見を書いた。亡Cは「私も短気なので」と担当看護師に話した。 ,(イ)作業療法[乙A1の1・13頁] ,,()亡Cは10月25日OTサロン複数患者で行う作業療法の一種に参加し,その際,先に作成したミサンガを解いてやり直し,作業療法士に対し,完璧でないと気がすまないところがあると話した。 (ウ)看護計画[乙A1の2・14頁,同15裏頁]担当看護師は,10月26日,これまでの看護の評価を行い,その結果,亡Cは,希死念慮は消失しているものの,現在は家庭や現状への不満が強く,そのことで病状を悪くしていることに加え,話を聞けば聞くほど悪影響が強いが,亡Cがそのような状況を求めている様子も窺えると評価された。そして,これまでの看護目標を終了し,被告担当医の意見を聞いた上で,あらためて看護計画を立てることとされた。新たな看護計画の内容は,以下のとおりである。 ①看護目標現実の問題をきちんと受け止め,ストレスに対処する方法を身につけることができること。 ②看護上の問題点現実を受容できず,ストレス れた。新たな看護計画の内容は,以下のとおりである。 ①看護目標現実の問題をきちんと受け止め,ストレスに対処する方法を身につけることができること。 ②看護上の問題点現実を受容できず,ストレスに対処できない(不安や不眠が出現する)こと。 ③看護上の問題点を設定した理由自己に対する家族の行動や言動に不満があり訴えが多く,思い通りにならなかったり気になることに対して受け流すことができないためストレスを生じていること。 育児や退院した後の生活に対しても「今は無理」と話すなど,退院に対しても消極的であること。 しかし,このような自己の状況を話すことで,自分を追いつめており,また,その状況に酔いしれている様子も窺えること。 ④観察計画 訴えの内容や程度をよく聴取し,身体症状,不眠の有無をチェックし,不安の程度,他者や家族とのかかわりの様子を確認すること。 ⑤療養計画亡Cの訴えは傾聴しながらも時間を区切って長時間の会話は避けること,具体的問題については自分で解決できるよう促すような会話をすること,自己を見つめられるような冷静な態度で接し,客観的に見えるようにすること,ストレスへの対処について一緒に考える時間を作ること,本人の気持ちに同調しないこと,不安定時には臨時薬を使用すること,効果がないときは医師に診察してもらうこと,不眠時は睡眠薬を使用すること,散歩等の気分転換を促すこと。 ⑥教育計画不安を自分でかかえず,担当看護師に話をするよう説明すること。 d10月27日ないし29日(ア)亡Cの状態[乙A1の2・37頁,同37裏頁]亡Cは,10月27日,病棟内の談話会に参加して,男性スタッフの接遇について要望を出した。同日午後には実母及び実父が来院し,被告。 ,,,担当医と面談したなお亡Cも被告担当医の許可を得た上で は,10月27日,病棟内の談話会に参加して,男性スタッフの接遇について要望を出した。同日午後には実母及び実父が来院し,被告。 ,,,担当医と面談したなお亡Cも被告担当医の許可を得た上で同席し面談後には笑顔も見られた。 亡Cは,10月28日,気温が低いのに暖房が入っていないことへの不満を述べた。 亡Cは,10月29日,担当看護師に対し,翌日に被告担当医と原告Aが面談した後,外泊すると話し,担当看護師は傾聴した。 (イ)作業療法[乙A1の1・13頁]亡Cは,OTサロンに参加し,ブレスレットや刺し子を作成して過ごした。 (ウ)薬物療法[乙A1の2・2頁] 被告担当医は,10月22日,アナフラニール(25)3錠,ソラナックス(0.8)3錠,ロヒプノール(2)1錠,CP(12.5)1錠,ワイパックス(0.5)2錠,ベンザリン(5)2錠の処方をなお一週間継続することとした。 e10月13日から29日の間の原告Aへの連絡[乙A5・13ないし14頁,証人D11頁,同35頁],,,被告担当医は上記期間のいずれかの日において原告Aに電話をかけ亡Cの現状を説明した上で,亡Cから外泊の希望があることを話した。 ,,,被告担当医は原告Aに対し家族の協力があれば外泊に支障はないが負担を軽減させるという観点から,外泊の場所をどこにするか一緒に考えて欲しいこと,仙台の実家の方が精神的負担が少ないと思われること等を,,,「。 伝え仙台の実家への外泊も提案したところ原告Aは当然自宅だろういずれ自宅に戻るんだからと強い口調で話し仙台の実家への外泊を拒。」,絶した。 f10月30日の亡Cの状態[乙A1の2・6頁,同37裏頁,乙A5・14頁,証人D13頁,同31頁,弁論の全趣旨]被告担当医は,20分から30分程度,亡C及 の実家への外泊を拒。」,絶した。 f10月30日の亡Cの状態[乙A1の2・6頁,同37裏頁,乙A5・14頁,証人D13頁,同31頁,弁論の全趣旨]被告担当医は,20分から30分程度,亡C及び原告Aと面談した。なお,被告担当医は出勤日ではなかったが,特に病棟に赴いた。 上記面接では,被告担当医から原告Aに対して,亡Cの現状(うつ病の回復過程にあるが,現実と触れ合う中で焦りが出てくることもあること,但し入院当初などからすれば相当改善していること)を報告し,家族の退院を希望する発言や励ましなどが本人の焦りにつながり,理解されていないという不安を生むことにもなることから,本人を焦らせず,ゆとりを持って見守って欲しいこと等を説明した。また,被告担当医は,原告Aに対して,治る過程で何度か外泊を繰り返す必要があること,ストレスがかからないように配慮してほしいこと,家族のサポートがあれば外泊も可能で あると考えていることを伝えた。原告Aは,上記の説明を理解した上で,外泊を希望した。亡Cも,外泊先は自宅でよいかという被告担当医の質問に対し,自宅でよいと答えた。 被告担当医は,以上の経緯を考慮して,10月30日から31日までの間,自宅への外泊を許可した。 g10月31日の亡Cの状態[乙A1の2・37裏頁,証人D14頁,弁論の全趣旨],,。 ,亡Cは午後5時45分頃原告Aとともに外泊より帰院した亡Cは定期薬は服用したが,不穏時・不眠時の薬剤は使用しなかったことから担当看護師に返品した。 亡Cは,担当看護師に対し,外泊中は楽しかったこと,原告Bと過ごせてよかったこと,11月3日に外泊を希望すること等を話したところ,担当看護師は,亡Cに対して,読書は疲れない程度にしてゆっくり休むようにすること,11月3日の外泊については前日に被告担 告Bと過ごせてよかったこと,11月3日に外泊を希望すること等を話したところ,担当看護師は,亡Cに対して,読書は疲れない程度にしてゆっくり休むようにすること,11月3日の外泊については前日に被告担当医と相談することを伝えた。 h11月1日及び2日(ア)亡Cの状態[乙A1の2・6頁,同37裏頁,弁論の全趣旨],,,亡Cは担当看護師に対して前日までの外泊でゆっくりできたこと家事は義母がしてくれたこと等を話した。また,自分は力の入れ加減がうまくなく,休むタイミングを忘れて頑張ってしまうところがあると話した。 担当看護師は,亡Cに対し,疲れたら休むことが大切であるなどと話したところ,亡Cも今日はゆっくり休みたいと話した。 被告担当医は,11月2日の診察時に,亡Cから11月3日に原告Aとともに外出したいとの希望があったため,外出を許可した。 (イ)作業療法[乙A1の1・13頁,同14頁] 亡Cは,両日ともにOTサロンに参加し,刺し子などを行った。 i11月3日の亡Cの状態[乙A1の2・38頁]亡Cは,原告A同伴で外出し,午後4時50分に帰院した。 j11月4日及び5日(ア)亡Cの状態[乙A1の2・6頁,同38頁]亡Cは11月4日午前2時40分頃気分がうきうきして眠くなく,,「なった」と言って看護室を訪れた。担当看護師は,あれもこれも一気にやると調子を崩しかねないこと,気分が高揚しているように見えることなどを伝え,被告担当医の診察を受けて外出等について相談すべきであると話した。 被告担当医は,同日,亡Cを診察し,これまでの経過を踏まえ,11月6日から8日までの外泊を許可した。 亡Cは,11月5日は著変なく過ごした。 (イ)薬物療法[乙A1の2・2頁]被告担当医は,11月5日,アナフラニール(25)3錠,ソラナッ( 過を踏まえ,11月6日から8日までの外泊を許可した。 亡Cは,11月5日は著変なく過ごした。 (イ)薬物療法[乙A1の2・2頁]被告担当医は,11月5日,アナフラニール(25)3錠,ソラナッ(. ),(),(. ),クス 3錠ロヒプノール 1錠CP 1錠ワイパックス(0.5)2錠,ベンザリン(5)2錠の処方をなお一週間継続することとした。 [,]k11月6日ないし8日の亡Cの状態乙A1の2・38裏頁同53頁亡Cは,11月6日から8日まで,原告Aとともに石巻の自宅に外泊した。この外泊の際も,外泊内容は前回と特に変わりなく,臨時薬や睡眠薬は使用せずに返品した。 被告病院では,外泊時には外泊連絡表を記載することになっていたところ亡Cは11月8日までの外泊については途中で目が覚めたり朝早,,「,く目が覚めたりしたが,家族と食事や買い物をして過ごし,家事は洗濯や。 。」。 ,,布団干しをした困ったことはなかったと記載したまた原告Aは 家族3人が集まり楽しく有意義に過ごすことができたと記載した。 亡Cは,11月8日の帰院後,担当看護師に対し,11月11日から14日まで外泊したいと希望した。 l11月9日及び10日[乙A1の2・6頁,同38裏頁]亡Cは,11月9日,担当看護師に対し,次は同月11日から同月14日まで一人で外泊したいと話したため,担当看護師は,被告担当医に確認したところ,被告担当医は外泊は可能であると判断したことから,担当看護師は亡Cに対しその旨を伝えた。 亡Cは,11月10日には,院内散歩に出かける等して過ごし,表情は明るく穏やかな様子であった。 m11月11日ないし14日(ア)亡Cの状態[乙A1の2・38裏頁,同54頁,証人D14頁]亡Cは1 Cは,11月10日には,院内散歩に出かける等して過ごし,表情は明るく穏やかな様子であった。 m11月11日ないし14日(ア)亡Cの状態[乙A1の2・38裏頁,同54頁,証人D14頁]亡Cは11月11日,一人で石巻の自宅に向かい,外泊した後,同月14日に原告Aの同伴で帰院した。亡Cは表情もよく,疲労感は窺われ,。 ,なかったことに加え臨時薬は便秘薬以外は使用しなかったもっとも亡Cは午後8時30分頃担当看護師に対し家にいると何かしら頑,,,「張るから疲れを感じない。病院に帰ってきたらどっと疲れが出てきました」と話した。 。 上記外泊に関する外泊連絡表には,亡Cは「6時間程度睡眠したが途中で目が覚めた但し毎日昼寝をした子どもを連れて買い物や食事を(),した。家事は洗濯,清掃程度だった(離乳食や大人の食事は義母が作ってくれた。困ったことはなかった」と記載した。また,原告Aは「今)。 回も有意義に楽しく家族で過ごせました」と記載した。 (イ)薬物療法[乙A1の2・2頁,同20頁,同20裏頁],(),(. )被告担当医はアナフラニール 3錠ソラナックス 3錠,ロヒプノール(2)1錠,CP(12.5)1錠,ワイパックス (0.5)2錠,ベンザリン(5)2錠に加えて,ベサコリン散30mg3錠を追加して処方した。 なお,被告担当医は,亡Cの退院まで上記の薬を定期処方をした。 n11月15日ないし17日[,,,(ア)亡Cの状態乙A1の1・14頁乙A1の2・6頁同38裏頁同39頁]亡Cは,11月15日,被告担当医に対し,外泊が有意義であったと伝えた。また,担当看護師に対して,11月18日から同月23日までの外泊許可をもらいたいと話したため,担当看護師が被告担当医に確認した 亡Cは,11月15日,被告担当医に対し,外泊が有意義であったと伝えた。また,担当看護師に対して,11月18日から同月23日までの外泊許可をもらいたいと話したため,担当看護師が被告担当医に確認したところ,被告担当医は特に問題ないと考え,上記外泊を許可した。 亡Cは,この期間,著変なく穏やかに過ごした。 (イ)作業療法[乙A1の1・14頁]亡Cは,11月15日ないし17日,OTサロンで家族へのプレゼントにするブレスレットなどを作成した。 o11月18日の亡Cの状態[乙A1の2・39頁]亡Cは午前8時20分頃,一人で外泊に出かけた。 [,,]p11月21日の亡Cの状態乙A1の2・39頁同39裏頁55頁亡Cは午前7時20分頃被告病院に電話をかけ体調を崩したので,,,「早く帰りたい。昼食から出してもらいたい」と伝えた。 。 亡Cは,午前11時30分頃,原告Aと原告Bとともに帰院した。亡Cは,外泊について多くは話さなかったものの,担当看護師に対し,外泊初日に実母とぶつかったこと,夜間も途中で目覚めてしまい,あまりよい外泊ではなかったこと,同月19日の昼にイライラして頓服薬を使ったことを話した。 上記外泊に関する外泊連絡表には,亡Cは「途中で目が覚めてぐっすり眠れなかった。18日は買い物など楽しく過ごしたが20日は頭痛がひど 。 。」。 く一日中床に着いていた気分の浮き沈みが激しく困ったと記載した,,「,,また原告Aは外泊初日に実母と会いそこでの一言で落ち込んだ様で後を引き,予定を早める結果となりました。しばらくは実母との接触を控えた方がよいのかと思います」と記載した。 。 q11月22日の亡Cの状態[乙A1の2・39裏頁,乙A5・16頁ないし17頁,証人D14頁及び15頁,同36頁及び37頁] ばらくは実母との接触を控えた方がよいのかと思います」と記載した。 。 q11月22日の亡Cの状態[乙A1の2・39裏頁,乙A5・16頁ないし17頁,証人D14頁及び15頁,同36頁及び37頁]亡Cは,午後2時に被告担当医の診察希望を申し出たため,被告担当医が,15分ないし20分程度,面接した。亡Cは,被告担当医に対して,前回の外泊時に原告Bの洋服のことで実母と喧嘩をしたこと,原告Aが原告Bを引き取りに実家に行った際に,実母が原告Aのことを「知らないおじちゃん」と冗談で言ったことから原告Aが実母に敵愾心を持ち絶縁状態になっていること原告Aは亡Cと実母が衝突したことを受けてそれ見,,「たことか,実母とは接触するなと言っただろう」と話したこと,このような状態でイライラし,一度頓服薬を使って,調子も悪くなったことを話した。 ,,,被告担当医は亡Cの状態につき被告病院に入院した当時に比べれば格段に状態は安定していたものの,現実に復帰する中で,現実の問題(病気自体とは関係ない,どこの家庭でもある問題)と向き合い,これに対し,。 てストレスを感じていると評価しまずゆっくり休息を取ることを勧めた被告担当医は,亡Cに対して,原告Aと実母との関係について,自分から原告Aに話してみることを提案したが,原告Aと実母との仲直りの可能性は乏しいことから,亡Cはこれを拒否した。そこで,被告担当医は,亡Cの希望も踏まえて,早急な介入は困難であると評価し,折を見て,必要があれば原告Aに話すこととした。また,実母との面会に関しては,亡Cに対し,支援者は多いほど好ましいことから実母と接触制限をする必要はないこと,焦らずによい解決ができる時期をゆっくり待つことを伝えた。 r11月23日及び24日の亡Cの状態[乙A1の2・39裏頁,証人F6頁] ほど好ましいことから実母と接触制限をする必要はないこと,焦らずによい解決ができる時期をゆっくり待つことを伝えた。 r11月23日及び24日の亡Cの状態[乙A1の2・39裏頁,証人F6頁]亡Cは,11月23日,原告A,原告B及び義母と面会し,その他の時間はデイルームに出るなどして,静かに過ごしていた。 亡Cは,11月24日,担当看護師に対し,気持ちが重いと話したものの,笑顔を見せる余裕があった。また,前回の外泊中に原告Bの衣類のこ,,,とで実母ともめたところ今日実母に面会に来てほしいと言ったものの会うべきかどうか迷っていると伝えた。これに対し,担当看護師は傾聴し,「。 た上で実母との面会は自分で呼んだのだから自分で決めてみましょう今回ぶつかった内容は病気とは別のものである。長く子どもの面倒も見ていないし,家族との衝突は今後もあることなので,どこかで割り切ることも大事だと思う」と話した。 。 s11月25日の亡Cの状態[乙A1の2・39裏頁,同40頁]亡Cは,担当看護師に対し,いつもより気分が落ち込んでいること,実母とのことを考えると冷や汗が出ること等を訴えた。担当看護師は,実母との衝突は病気に起因する悩みではなく現実の問題であり,時間をかけてじっくり見ていくしかないこと,まずはゆっくり休むことが大切なこと,臨時薬を飲むなどして病気の部分は悪化しないように心がけること等の話をした。さらに,家族との関係における悩みは誰にでもある現実的な悩みであり,亡Cだけがそのような悩みを持っているのではないこと,どうにかしようと思っても直ぐに解決できないこと等を伝えた。 t11月26日(ア)亡Cの状態[乙A1の2・40頁,証人D17頁,弁論の全趣旨]亡Cは,前日と同様の話を他の看護師にもした。また,原告Aからの電話が頻回にあり に解決できないこと等を伝えた。 t11月26日(ア)亡Cの状態[乙A1の2・40頁,証人D17頁,弁論の全趣旨]亡Cは,前日と同様の話を他の看護師にもした。また,原告Aからの電話が頻回にあり,原告Aと実母との関係等について,振り回されているような状況にあった。 被告担当医は,診察の結果,今週は外泊せずに休んだ方がよいと判断し,そのように亡Cに勧めた。しかし,亡Cは,原告Aの勧めもあることから外出・外泊すべきではないかと悩む様子が見られた。 担当看護師は,あえて亡Cの決定に委ねたところ,亡Cは外泊をしないで休むこととした。その後は,表情も冴えず,臥床がちではあったものの,切迫した様子はなく,日常身の回りの作業も通常通りこなしていた。 (イ)看護計画[乙A1の2・14頁,同15裏頁,同16頁]担当看護師は,これまでの看護の評価を行い,亡Cは,希死念慮は見られないものの,原告Aや両親の言動に感情が左右されやすく,外泊でも実母との口論や,実母と原告Aの不仲によって不安を感じていることに加え,病気や他者へ逃げ,自己決定を放棄しようとする側面があり,自己決定の場面では本人が思うようなフォローがされないと不満を表出する場面も見られると評価された。また,10月26日に作成された看護計画については,修正は不要と判断した。 (ウ)12週カンファランス[乙A1の2・10頁,同10裏頁,証人D16頁,同42頁,証人F7頁ないし9頁,弁論の全趣旨]被告担当医,担当看護師,看護師長等は,12週カンファランスを行った。 担当看護師から,先日の外泊時に実母と衝突したことから気分の落ち込みを訴えたが,切迫感はない様子なのでこのまま状態を見たいこと,入院三か月となり家に帰るより入院の方がよいという気持ちになってきており,本人の自己決定を促しながら,状態 衝突したことから気分の落ち込みを訴えたが,切迫感はない様子なのでこのまま状態を見たいこと,入院三か月となり家に帰るより入院の方がよいという気持ちになってきており,本人の自己決定を促しながら,状態のよいときを選んで自宅への退院を考えた方がよいと思われること等の報告がなされた。 被告担当医もこれを確認し,全体として安定しつつあるが,家族の一言で不調になることもあることから,今後の治療方針として家族調整を 行うこととした。 亡Cへの接し方としては,長時間の会話は混乱させるので短時間で行うこと,現実的な問題(家庭内の問題)については病気と別の問題なので自己決定を促し,その過程で生じる不安定さについては与薬で対処することや,ストレスに対する力が低いようなので自分自身で対処法を考えられるように支援する等の方針が立てられた。 家族に対しては,義母が亡C宅のサポートをしているが,亡Cからすれば原告A,義母ともに高圧的な態度なため,亡Cが振り回されている,,状態にあること原告Aと実母の関係が険悪で絶縁状態に近いことから家庭内の問題を直ちに解決することは無理な状況であること等の事情を踏まえ,この問題に耐えられる程度に亡Cの調子が回復した際に退院とし,退院してもしばらくは再入院等の受け皿を確保する必要があるとされた。 なお,これまでの診療経過を踏まえ,家族内の問題についての家族教室を開催する必要はないとされた。 u11月27日ないし30日の亡Cの状態[乙A1の2・40頁,同40裏頁]亡Cは,上記の期間,著変なく過ごしたが,日中は家族と頻繁に電話する様子が見られた。 なお,11月29日には同室者が失禁して部屋が臭うため就寝できないとして,ロヒプノールを服用した。 v12月1日の亡Cの状態[乙A1の1・14頁,乙A1の2・6頁,同40裏頁,乙A 子が見られた。 なお,11月29日には同室者が失禁して部屋が臭うため就寝できないとして,ロヒプノールを服用した。 v12月1日の亡Cの状態[乙A1の1・14頁,乙A1の2・6頁,同40裏頁,乙A5・18頁,証人D18頁,同44頁,弁論の全趣旨]亡Cは,担当看護師に対し,12月3日から5日まで自宅に外泊したいと話したため,被告担当医が面接した。被告担当医は,亡Cの表情からは,,,。 切迫感焦燥感不安感等は感じられず希死念慮はないものと判断した また,亡Cが原告Aと実母の関係の悪化という現実問題に直面している様子はあったものの,自宅への外泊であれば原告Aと実母との衝突は予想されず,従前より原告Aに依頼していた注意事項(亡Cを見守り,ゆっくり休ませ,焦らせるような言動をしないこと等)は,今回もこれまでと同様に配慮してもらえると考え,今回の外泊により状態が急激に悪化したり,ましてや自殺することは懸念されないと判断したことから,自宅への外泊を許可した。 亡Cは,原告Aに電話して,自宅への外泊が許可されたが,原告Aの意向を確認したところ,原告Aは,亡Cの外泊には何ら心配ないとしたことから,亡C一人で石巻まで行き,自宅に外泊することになった。なお,被,,。 告担当医が原告Aに対し外泊に関しての連絡をとったことはなかったw12月2日の亡Cの状態[乙A1の2・40裏頁]亡Cは穏やかに過ごし,不眠の訴え等も特に聞かれなかった。 [,,x12月3日の亡Cの状態乙A1の1・15頁乙A1の2・40裏頁乙A5・19頁,証人D18頁,弁論の全趣旨]亡Cは,被告担当医が朝に回診した際には,特に変わった言動等は見られず被告担当医が焦らずにやりましょうと言ったところ亡Cはそ,「」,「うですね」と答えた。 亡Cは,午前 全趣旨]亡Cは,被告担当医が朝に回診した際には,特に変わった言動等は見られず被告担当医が焦らずにやりましょうと言ったところ亡Cはそ,「」,「うですね」と答えた。 亡Cは,午前10時頃に被告病院を出て石巻に向かった(以下「本件外泊」という。担当看護師は,亡Cに対して,自宅に着いたら連絡をする。)よう依頼したところ,午後1時10分ころ「着きました」と亡Cから連絡があった。 (3)本件外泊後の亡Cの行動等[乙A1の2・40裏頁,弁論の全趣旨]亡Cは,12月3日午後,原告Bと義母が在宅していた石巻の自宅で過ごしていたところ,義母が子どもを風呂に入れようとして準備している間に姿を隠し,宮城県石巻市内にある建物の6階駐車場において飛び降り自殺を図 った。 同日夜,本件事故について,石巻警察署から被告病院の当直に亡Cが飛び降り自殺をした旨の連絡が入ったことから,被告病院でその経緯を義母らに確認したところ「子どもを風呂に入れようとして義母が準備している間にいなくなった」ということであった。 (4)本件事故後における被告担当医と原告Aのやり取り[乙A1の1・16頁]被告担当医は,12月5日,本件事故に関して原告Aに架電したところ,原告Aが憔悴しきった様子で,亡Cの自殺についてはまるで予想がつかなかったと述べたのに対して,被告担当医の側でも,亡Cは現実的な問題について不安を口にしていたものの,それほど切迫した様子はなく,以前夫と死なないと約束したから死なないと言っていたことを伝えると,原告Aからも,亡Cと死なない約束をしたことは覚えているとの応答があった。 (5)亡Cと原告Aの携帯メールのやり取り[甲A20,乙A2]亡Cと原告Aは,8月19日から11月28日にかけて,携帯メールをやり取りしていた。その内容は,原告Bや は覚えているとの応答があった。 (5)亡Cと原告Aの携帯メールのやり取り[甲A20,乙A2]亡Cと原告Aは,8月19日から11月28日にかけて,携帯メールをやり取りしていた。その内容は,原告Bや日常生活に関するものが多く,亡Cの深刻な悩みや自殺念慮を窺わせるような内容のものはなく,また,被告担当医の治療に関する内容の携帯メールをやり取りした形跡も窺われなかった。 (6)被告病院の診療体制ア被告担当医の通常業務(ア)勤務体制等[乙A1の1,乙A1の2,乙A5,乙A6,証人D2頁,同20頁,証人F3頁,弁論の全趣旨]被告担当医は,亡Cが入院していた当時,平均して16名ないし20名程度の入院患者を担当していた。 被告担当医は,通常の出勤日においては,朝8時頃,比較的重症患者 が多い閉鎖病棟に行き,午前8時30分頃から行われる深夜勤務看護師から日勤勤務看護師への申し送りに立ち会い,前夜から朝までの入院患者の状態を把握した後,隔離室や観察室に入院している患者を診察した上,午前中か午後のいずれかに隔離室や観察室以外の病室を回診し,患者の状態に応じて,患者を診察室に呼び出して診察(面接)をした。一般的に,隔離室や観察室に入院している患者の診察は合計で30分ないし40分程度,それ以外の病室を回診するために20分ないし30分程度を要した。 また,被告担当医は,病棟では,随時,診療録の看護師の記載部分を確認し,看護師が観察した患者の状態や,患者の訴えを把握するとともに,看護師や他のスタッフ(理学療法士等)から患者に関する報告を受け,状態や治療方針等について相互に意見交換をした。さらに,看護計画立案や評価の状況も確認し,随時,看護師や他のスタッフを交えて特定の患者の状態評価や治療方針について協議するためのカンファランスを行った。 被告担 針等について相互に意見交換をした。さらに,看護計画立案や評価の状況も確認し,随時,看護師や他のスタッフを交えて特定の患者の状態評価や治療方針について協議するためのカンファランスを行った。 被告担当医は,主に看護室で作業をしていたが,同看護室は,患者が日中多く過ごすデイルームの正面にあり,看護室内から同所にいる患者が見られるようになっているため,患者の様子が確認できる状態にあった。被告担当医は,看護室から,病棟内の患者の行動,表情,他の患者や医療従事者との交流の有無やその状況,会話及びその話し方等の一切を観察して,診療の資料とした。 (イ)診療録の記載[乙A1の1,乙A5,弁論の全趣旨]被告担当医は,回診や面接時のほか,病棟内の任意の場所で亡Cと会話した際の観察(亡Cの話しぶりや態度等の一切)は,通常診療録を手元にせずして行った。その理由は,①患者から目を離さず観察することにより,患者の表情や話す際の間,言葉等の一切を余さず観察できるこ と,②会話が記録されると,患者が身構えてしまい,話す内容を制限したりする恐れがあること,③患者自身が記載内容を見て,そこにある医師の自分に対する「評価」等を目にしたり,場合によっては診療録を破棄したりするおそれもあること,④患者を直視して誠実に話を聞き対応しようとする態度から患者との信頼関係が生まれると考えられることにある。 観察事項等の記録については,主治医制が取られており,被告担当医が亡Cの診療にかかる全状態を把握しているという事情から,現に自分が把握している事情については特に詳細に記述せず,要点のみを記述する方法が採られた死にたい気持ちになる等の憂慮すべき発言や事情。「」があれば,何らかの記載を残すことになるが,記載すべき事情が既に看護記録部分等に記載されている場合には,あえて のみを記述する方法が採られた死にたい気持ちになる等の憂慮すべき発言や事情。「」があれば,何らかの記載を残すことになるが,記載すべき事情が既に看護記録部分等に記載されている場合には,あえて重ねて同趣旨の記録を残すということはなかった。 イ被告病院看護師の通常業務[乙A1の1,乙A1の2,乙A6,証人F3頁,同5頁,同12頁,弁論の全趣旨](ア)勤務体制等亡Cが入院している当時,北2病棟では原則として患者ごとに担当看護師が決められており,日勤時間帯においては,原則としてこの担当看護師が看護・診療の補助を行った。一人の看護師が担当する患者は,通常5名ないし10名程度であった。 もっとも,準夜勤務や深夜勤務の夜勤看護師は病棟全体でそれぞれ2名,休日の日勤看護師は病棟全体で4名であることから,これらの時間帯では他の看護師が看護を担当することもあった。また,担当看護師が勤務帯の関係で日勤帯に休暇を取る場合にも他の看護師が看護を担当した。 (イ)日勤看護師の業務 日勤看護師は,午前8時30分頃,深夜勤看護師から,朝までの患者の状態について申し送りを受けた。その後,必要と思われる場合に,医師・看護師・作業療法士などで朝カンファランスを行い,患者情報を共有して治療方針等について協議した。 日勤看護師は午前9時から午前9時30分にかけて,担当患者のもとに赴き,一人ずつ内服薬を服用させるとともに,状態を観察し,訴え等を聴取した。その後,観察室に入室している患者の看護,補水,注射等の処置,患者の観察・会話,外泊や外出に関する作業,入浴の介助,昼食の準備・下膳,昼食後の薬剤の服用,面会者等の取りつぎ,家族等への連絡,検査介助,医師への連絡,カンファランス等による医師や作業療法士等との協議,看護計画立案,看護評価,看護記録記載,準夜勤務 昼食の準備・下膳,昼食後の薬剤の服用,面会者等の取りつぎ,家族等への連絡,検査介助,医師への連絡,カンファランス等による医師や作業療法士等との協議,看護計画立案,看護評価,看護記録記載,準夜勤務帯看護師への引継ぎ等を行った。 (ウ)他の時間帯における看護師の業務準夜勤看護師は,夕食の準備・介助・下膳,食後の服薬,就寝前服薬介助,就寝前身支度の介助,見回り観察,記録,申し送りその他,深夜勤務看護師は見回り観察検温血圧測定朝の身支度の介助朝食の,(),,準備・介助・下膳,記録,申し送りその他を行った。 (エ)看護記録の記載F看護師は,8名の患者を担当していたところ,8名の看護業務の中で看護記録を作成する時間を確保することは困難であり,実際の処置や看護よりも優先順位の低い作業になっていた。そのため,悪い徴候でなければ記載しないことも多く,看護計画に関連する事情や,特記すべき事情を記載するように心がけていた。 後掲各証拠によれば,以下の医学的知見が認められる。 (1)産後うつ病の概要[甲B3・2頁,乙B2]出産後2週間から5週間以内の発症が多いとされる。うつ病と同様,3か 月から6か月で軽快することが多い。 主な症状は,抑うつ気分,集中力や意欲の低下,不眠,食欲の低下,頭痛などの身体症状,希死念慮等である。重症になると,うつ病独特の妄想を持つこともある。例えば,母親として失格の駄目な人間だと考えたり,子どもの些細な症状を大変な病気だと思い込む場合がありうる。また,自殺企図や実際に自殺に至ることもある。 もっとも,うつ状態と,自殺衝動の強弱ないし実際に実行してしまう行為は必ずしも直結しないことから,精神状態から自殺を予測するのは極めて難しいとされる。 (2)うつ病における環境調整のあり方[甲B5]うつ病の患者 態と,自殺衝動の強弱ないし実際に実行してしまう行為は必ずしも直結しないことから,精神状態から自殺を予測するのは極めて難しいとされる。 (2)うつ病における環境調整のあり方[甲B5]うつ病の患者が受診した段階で,治療にあたる医師らとしては,なるべく早期に家族との面接機会を設けて,家族の気持ちを傾聴するとともに,うつ病についての理解を深めることが必要である。家族に定期的に診察に同行してもらい,患者についての意見を聴き,治療に参加する体制を作ることが大切である。 具体的には,急性期・リハビリテーション期などの治療の各段階において見通しを話し,患者の治療方針と家族に協力してほしい部分に言及することが好ましい。特に,患者が社会復帰に向けてリハビリテーションを行う時期になれば,目標設定について具体的に伝え,協力してもらうことが必要になる。 (3)精神疾患のカルテの記載[甲B6]精神疾患に関するカルテは,一般的にわかりにくいと言われている。その原因は,①精神疾患では診断・治療のための生物学的指標が確立されておらず,記載時点での患者の病状がわかりにくいことに加え,睡眠や食欲といった非特異的な症状は必ずしもカルテに書き留められないこと,②精神疾患は時間経過が緩やかなため,治療経過の全体を把握しにくいことに加え,熱心 に記載するとかえってわかりにくくなること,③精神疾患の多くは原因が明らかではなく,対症療法の積み重ねという側面が大きいことから,治療の対象や方向性がわかりくくなることに加えて,④多忙のため患者の全てに詳細な記録を残すことは物理的・時間的に困難な場合もあることにある。 検討(1)総論一般的に,医療従事者は,人の生命及び健康を管理すべき立場にあるのであって,その業務の重要性に照らし,危険防止のために必要とされる最善の注意義 に困難な場合もあることにある。 検討(1)総論一般的に,医療従事者は,人の生命及び健康を管理すべき立場にあるのであって,その業務の重要性に照らし,危険防止のために必要とされる最善の注意義務が要求される。 そこで,精神科医療に求められる注意義務を検討するに,精神科医療の目的は,患者の病的障害や不安定性を種々の療法によって取り除き,かつ,可能な限り患者の自由や人権を尊重することで患者の社会復帰を目指すことにある。このような目的に照らせば,うつ病の患者には一般的に自殺傾向があることは否定できないとしても,患者の自由意思を無視して,自殺傾向が消失するまで,物理的拘束,薬物による鎮静,閉鎖された病棟での治療等,専ら自殺の防止のみを目的とした治療を行うことが好ましいとはいえない。患者の社会復帰には,自殺企図の危険性を踏まえてもなお自由かつ開放的な状態における治療が必要な場合もありうることは明らかである。 他方で,患者が自殺を実行すれば,医療目的はおよそ達成不可能になるのであるから,自殺を回避するための適切な措置を講じることもまた重要な医療行為の内容をなすものであることは否定できない。 このように,精神科医療においては,患者の治療と自殺の危険性という方向性を異にする事情を考慮しつつ,治療方針や治療計画等を定めなければならないのであって,これは,治療目的や患者の状態,自殺の危険の切迫性等の多様かつ複雑な事情を総合的に考慮して医学的見地から検討されるべきものである。すなわち,治療方針や治療計画等は,個々の患者の状況を前提に して,診療当時の医療水準において要求される医学的知見にしたがって判断されるべきものであって,これは医師の合理的な裁量に委ねられるものであるから,上記の裁量判断が不合理であったと認められる場合に限り,医療従事者の過失ない において要求される医学的知見にしたがって判断されるべきものであって,これは医師の合理的な裁量に委ねられるものであるから,上記の裁量判断が不合理であったと認められる場合に限り,医療従事者の過失ないし債務不履行が問題になると解するのが相当である。 (2)争点(1)(被告の診療内容及び面接回数の適否)についてア面接回数の適否について(ア)被告担当医は上記1(5)ア(ア)で認定のとおり夜勤看護師から日,,勤看護師への申し送りに立ち会っていたことに加え,通常の出勤日は午前中か午後のいずれかに隔離室や観察室以外の病室を回診し,必要に応じて患者を診察室に呼び出して面接をした。また,被告担当医は,通常は看護室で作業を行っており,看護室から病棟内の患者の行動等を観察していた亡Cに対しても上記1(2)で各認定のとおり被告担当医は。 ,,適宜診察を行い,必要に応じて投薬等の治療を行っていた(上記1(2)ナ,同マ同メ同a等なお乙A1の1及び乙A1の2以下診療録,,)。 ,(「等というには詳細な診療経過や治療内容等が記載されていないも」。),のの,診療録等に記載がないことをもって,診療がなされなかったとは直ちに評価すべきではないことは後記(ウ)で説示のとおりである。 また上記1(5)イ(イ)で認定のとおり担当看護師は午前9時から,,,午前9時30分にかけて,担当患者のもとに赴き,一人ずつ内服薬を服用させるとともに,状態を観察した上で,注射等の処置,患者の観察・会話,外泊や外出に関する作業,入浴の介助,昼食の準備・下膳,昼食後の薬剤の服用毎日,朝食の上げ膳や朝の投薬,検温を行っていた。亡Cに対しても上記1(2)で各認定のとおり担当看護師が上記の看護業,,務を行い,必要に応じて亡Cの愁 ,昼食の準備・下膳,昼食後の薬剤の服用毎日,朝食の上げ膳や朝の投薬,検温を行っていた。亡Cに対しても上記1(2)で各認定のとおり担当看護師が上記の看護業,,務を行い,必要に応じて亡Cの愁訴や悩みを傾聴していた。 さらに上記1(2)で各認定のとおり担当看護師は亡Cの愁訴や希,,,望を必要に応じて被告担当医に伝え被告担当医の措置を求めている上,( 記1(2)モ,同a,同l,同n等。 )加えて上記1(2)で各認定のとおり被告担当医担当看護師及び看,,,護師長は必要に応じてカンファランスを行い,同カンファランスにおいては,20分から30分の時間をかけて,亡Cの状態や治療計画等が話し合われた上記1(2)オ同ケ同コ同シ同ス同セ同モ同t(,,,,,,,等。 )(イ)以上の事情を踏まえて検討するに,被告担当医は,亡Cを1日に1回は回診し,担当看護師は,日々の看護業務において亡Cの状態を逐一観察した上で被告担当医に対して治療上必要と考えられる情報を伝えていたものであり,カンファランスにおいても被告担当医と担当看護師がそれぞれの立場から亡Cの状態等についての評価を報告し,治療計画等を検討していたことに加え,被告担当医は夜勤看護師から日勤看護師への申し送りに立ち会っていたのであるから,被告担当医は,亡Cの日常生活に関する状態を十分に把握していたものと認められる。 また,精神疾患においては,睡眠や食欲,表情の変化といった日常的な状態の変化が重要な情報となることから,上記のように,被告担当医が自らの回診に加えて,適宜,担当看護師からの情報を得ることは,担当看護師が最も亡Cと接することが多く,また,一般的にみれば同性の人間のほうが話しやすいという面もありうることに照らして,妥当な措置 が自らの回診に加えて,適宜,担当看護師からの情報を得ることは,担当看護師が最も亡Cと接することが多く,また,一般的にみれば同性の人間のほうが話しやすいという面もありうることに照らして,妥当な措置であったと評価すべきである。 (ウ)これに対し,原告らは,週1回以上の頻回の面接を行うべきであった等と主張する。 しかし,どのような方法により患者の状態を把握するかは,患者の状態に応じた医師の裁量に委ねられるべきであるところ,本件全証拠によっても,亡Cについては回診等ではなく面接を行うことが,より効果的な治療方法であったと断じうるほどの事情は窺われない。 また,原告らは,診療録等に記載がないことを理由に,不十分な診療しかなされていなかったと主張する。 しかし上記2(3)で認定のとおり一般的に入院患者の全てに詳細,,,な記録を残すことは物理的・時間的に困難であることに加え,精神疾患については診療録を熱心に記載すると逆にわかりにくくなるとされていることに照らせば,被告担当医が,観察事項等の記録は自分が把握している事情については要点のみを記述し,記載すべき内容が既に看護記録に記載されている場合には重ねて同趣旨の記録を残さなかったとしても不合理であるとはいえない。そうであれば,診療録等に記載がないことを理由に,不十分な診療しかなされなかったと評価することはできないのであるから,原告らの上記主張は採用できない。 (エ)以上の事情を総合的に考慮すれば,被告担当医の亡Cに対する面接のあり方が,医師としての裁量の範囲を逸脱した不合理なものであったとはいえない。 イ診療内容の適否について上記1(2)qで認定のとおり被告担当医は11月22日亡Cと面接,,,を行い,11月18日からの外泊が予定よりも早く終了した原因や,現在の亡C とはいえない。 イ診療内容の適否について上記1(2)qで認定のとおり被告担当医は11月22日亡Cと面接,,,を行い,11月18日からの外泊が予定よりも早く終了した原因や,現在の亡Cの状態を確認したところ,亡Cは,被告担当医に対し,実母との喧嘩や原告Aと実母の不仲が原因でイライラして調子が悪くなったと話したまた上記1(2)pで認定のとおり亡Cは外泊連絡表に11月18。 ,,,日は楽しく過ごしたが,同月20日は頭痛がひどくなり気分の浮き沈みが,。 ,,激しくなったと記載し被告病院に提出しているそして被告担当医は以上の情報に加え,看護室での日常的な観察の結果を踏まえて同月22日の面接を行っていると推認できることから,被告担当医が情報収集や検討を怠ったという原告らの主張には理由がない。 また上記のような亡Cの状態は上記1(2)カで認定したような入院初,, 期の強い抑うつ状態と比べて軽度であったといえることに加え上記1(2),pで認定のとおり,亡Cは11月21日に被告病院に帰院した際にも外泊が予定よりも早く終わった理由を担当看護師に対して自ら伝えることができていることをも併せ考慮すれば,被告担当医が,亡Cの状態はうつ病が再発ないし悪化したものではなく,むしろ,現実の問題に向き合ったことによるストレスを感じた結果であると評価したことについても,不合理な判断であるということはできない。 さらに上記1(2)tで認定のとおり被告担当医は亡Cに対し週末,,,,は外泊せずに被告病院で休んだほうがよいと伝えているところ,回復傾向にある患者に関して,何ら根拠のないまま外泊の可否を判断することは考えにくいことからすれば,被告担当医が,亡Cの状態に関する情報を収集,。 ,・検討した上で外泊 よいと伝えているところ,回復傾向にある患者に関して,何ら根拠のないまま外泊の可否を判断することは考えにくいことからすれば,被告担当医が,亡Cの状態に関する情報を収集,。 ,・検討した上で外泊には適さないと判断したことが推認されるそして上記2(1)で認定のとおりうつ病の患者には一般的に自殺企図の危険性が,あるとされていることに加え上記1(1)カで認定のとおり亡Cは過去に,,自殺を試みたことがあったことに照らせば,外泊には適さないという上記の判断に際して,自殺企図の危険性が考慮されなかったとは考えにくい。 したがって,被告担当医がうつ状態の諸症状の存否・程度を評価し,自殺の危険度をチェックしなかったという原告らの主張には理由がない。同様に,12週間カンファランスにおいても,亡Cの自殺企図の危険性を踏まえて亡Cの状態を検討したことが推認できるのであって,自殺の危険性を検討しなかったという原告らの主張には理由がない。 加えて,11月22日以降12月3日までの間においても,担当看護師は上記1(2)rないしxで認定のとおり亡Cの訴えに耳を傾け必要に,,,応じて励ましたり,アドバイスをしていた。 以上の事情を総合的に考慮すれば,11月22日以降12月3日までの被告担当医の診療が,医師としての裁量の範囲を逸脱した不合理なもので あったとはいえない。 ウ小括以上の検討によれば,亡Cとの面接が不十分で,かつ,診療も不合理であったとする原告らの主張は理由がなく,被告の過失ないし債務不履行は認められない。 (3)争点(2)(家族への指導・環境調整等の不履行ないし懈怠の有無)についてア外泊の意義等に関する説明不足の有無について上記1(2)eで認定のとおり被告担当医は10月13日原告Aに架,,,電し,亡Cの外泊 指導・環境調整等の不履行ないし懈怠の有無)についてア外泊の意義等に関する説明不足の有無について上記1(2)eで認定のとおり被告担当医は10月13日原告Aに架,,,電し,亡Cの外泊の場所を一緒に考えて欲しいと伝え,仙台の実家への外泊を提案したところ原告Aは当然自宅だろういずれ自宅に戻るんだ,,「。 からと強い口調で話し仙台の実家への外泊を拒絶したまた上記1。」,。 ,(2)fで認定のとおり被告担当医は10月30日原告Aに対し亡C,,,,の現状を報告した上で,本人を焦らせず,ゆとりを持って見守って欲しいこと,治る過程で何度か外泊を繰り返す必要があること,ストレスがかからないように配慮してほしいこと,外泊には家族のサポートが必要なこと,,,。 を伝えたところ原告Aは上記の説明を理解した上で外泊を希望したしたがって,被告担当医は,原告Aに対し,10月30日の外泊の際,事前に外泊の意義や注意事項を伝えているのであって,そのような説明を全く受けていないという原告らの主張には理由がない。なお,同主張に沿う原告Aの供述は,亡Cの携帯電話の使用や亡Cとの携帯メール履歴の存在についての記憶の曖昧さに照らして,その正確性に疑問が残るところであるから,同供述は採用できない。 そして上記1(2)gで認定のとおり亡Cは担当看護師に対し ,,,,月30日の初回の外泊が楽しかったと伝えていることに加え上記1(2)h,ないしnで認定のとおり,10月30日の外泊以降の亡Cの状態が良好で あったことに照らせば,被告担当医が,家族が被告担当医の説明及び注意事項に留意してくれたと考えたとしても,それはむしろ自然であるといえる。そして,家族が,被告担当医の説明ないし注意事項を理解したの あったことに照らせば,被告担当医が,家族が被告担当医の説明及び注意事項に留意してくれたと考えたとしても,それはむしろ自然であるといえる。そして,家族が,被告担当医の説明ないし注意事項を理解したのであれば,その後の外泊の度に重ねて同じ説明をする必要はないことに加え,上記のような説明が不要になったことをもって主治医と患者の家族との信頼関係が形成されたと評価できる面もあることからすれば,11月6日,同月9日,同月11日,同月18日の外泊において,被告担当医が事前に原告Aに外泊の意義や注意点を説明しなかったとしても,それをもって不合理であると評価することはできない。 また上記1(2)pで認定のとおり同月18日の外泊では予定よりも,,,早く帰院し,その原因の一つには実母との諍いもあったところ,12月3日の外泊場所は石巻の自宅であり,亡Cが実母に会うことは想定されていなかったのであるから,被告担当医が,原告Aに対し,あえて実母に関しての注意を促す必要性は乏しい加えて上記1(2)qないしtで認定のと。 ,おり,11月22日以降の亡Cは,10月に比べて調子を落としている状態であったものの,本件全証拠によっても自殺念慮等の傾向は窺われないのであって,従前の外泊に比べて自殺の危険性が高まっていたとはいえないことからすれば,原告Aに対し,外泊について特別な注意や配慮を求めるべき状況であったとはいえない。そうであれば,12月3日の外泊において,被告担当医が,事前に原告Aに外泊の意義や注意点をさらに説明しなかったとしても,それをもって不合理であるとは評価できない。 以上の事情を総合的に考慮すれば,被告担当医の原告Aに対する外泊の意義ないし注意事項についての説明に,医師としての裁量の範囲を逸脱した不合理な点があったとはいえない。 イ家族関 とは評価できない。 以上の事情を総合的に考慮すれば,被告担当医の原告Aに対する外泊の意義ないし注意事項についての説明に,医師としての裁量の範囲を逸脱した不合理な点があったとはいえない。 イ家族関係の調整の懈怠の有無について上記1(2)p及びqで認定のとおり亡Cは11月18日の外泊におい,, て原告Aと実母が衝突したことも一因となって,それ以降,10月に比べ,,て調子を落としていたのであるから原告Aと実母の関係が改善されれば亡Cの状態に何かしらの好影響を与える可能性があったことは否定できない。しかし,そもそも亡Cは産後うつ病によって被告病院に入院したのであるから,原告Aと実母の関係が改善したとしても,亡Cの産後うつ病が根本的に完治するか否かは不明である。 また上記1(2)qで認定のとおり被告担当医が亡Cに対し原告A,,,,と実母の関係について調整を図ることを提案したところ,亡Cは仲直りの可能性が乏しいと言って上記提案を拒否した。 さらに上記1(2)t(ウ)で認定のとおり原告Aは亡Cに対して高圧的,,な部分があると評価されているところ上記1(2)eで認定のとおり原告,,Aが被告担当医に対して強い口調で亡Cの実家への外泊を拒否したこと,上記1(2)qで認定のとおり原告Aは亡Cに対して実母とは接触しないよ,うに言っていたこと等の事情を総合的に考慮すれば,原告Aについての上記の評価があながち不合理とまでは言い切れない。そうであれば,被告担当医が,原告Aと実母の関係を調整するために介入した結果,被告担当医と原告Aの関係が悪化することも十分に懸念されるところである。 加えて,亡Cには,11月18日の外泊以降,自殺念慮等の症状や入院した当初のような強い抑うつ状態は見られなかった。 以上の事情を総合考慮 と原告Aの関係が悪化することも十分に懸念されるところである。 加えて,亡Cには,11月18日の外泊以降,自殺念慮等の症状や入院した当初のような強い抑うつ状態は見られなかった。 以上の事情を総合考慮するに,家族調整が亡Cに何かしらの好影響を与える可能性がなかったとはいえないにしても,亡Cの病気が根本的に完治するとは限らず,しかも,亡Cの状態に切迫した危険性がなかったことを併せ考慮すれば,亡Cの意向をことさら無視し,亡Cと被告担当医の間の信頼関係のみならず,被告担当医と原告Aの信頼関係まで損なわれる危険を冒してまで,原告Aと実母の関係調整を図る必要性は乏しいと言わざるを得ないそして上記2(2)で認定のとおりうつ病の治療には家族の協。 ,, 力が必要であることに照らせば,被告担当医が原告Aとの関係の悪化を避けるために,亡Cの状態を勘案しつつ,折を見て両者の関係を調整する機,。 会を窺っていたとしてもそれが不合理な判断であったとまではいえないしたがって,被告担当医が家族調整を行わなかった判断が,医師としての裁量の範囲を逸脱した不合理なものであったとはいえない。 なお,原告Aと実母の関係には感情的な問題があることから,介入によって他の多くの葛藤まで掘り起こすことになり,亡Cのうつ病を悪化させるリスクが高まる危険性があったことに照らせば,被告担当医が,家族関係の問題に介入して問題点を明らかにすることで,亡Cの回復を遅らせることにつながると判断したことは,現実的な治療として妥当なものであったという被告病院長G医師の意見書(乙B5)も,上記判断に沿うものである。 ウ小括以上の検討によれば,家族に対する外泊の意義等の説明が不十分で,かつ,家族調整を怠ったとする原告らの主張は理由がなく,被告の過失ないし債務不履行は認められない。 ( 断に沿うものである。 ウ小括以上の検討によれば,家族に対する外泊の意義等の説明が不十分で,かつ,家族調整を怠ったとする原告らの主張は理由がなく,被告の過失ないし債務不履行は認められない。 (4)争点(3)(外泊許可に関する判断の適否及び家族への説明不足の有無)についてア12月3日の外泊許可に関する判断の適否について上記1(2)pないしxで認定のとおり亡Cは外泊を予定よりも早く終,,えて帰院した11月21日以降,それ以前と比べると状態が悪くなっていたものの,本件全証拠によっても,自殺企図を窺わせるような言動は認められず,入院当初に見られたような強い抑うつ状態も窺われない。 また上記1(1)カで認定のとおり亡Cは被告病院に入院する以前に一,,度だけ絞首による自殺を試みたことがあったものの,本件全証拠によっても,被告病院に入院していた期間に,実際に自殺を図った事実は認められ ない。 さらに上記1(2)g同k及び同mで各認定のとおり過去の外泊にお,,,いては,亡C及び原告Aともに楽しく過ごすことができ,特段の問題はなかったとしていることに加え,12月3日の外泊先は,石巻の自宅であって,実母と接触する機会はなかったことを併せ考慮すれば,外泊それ自体によって亡Cに自殺企図が生じるとは通常想定しがたいところである。 ,,,,加えて上記1(2)xで認定のとおり亡Cは12月3日の外泊の際石巻の自宅まで一人で移動したのであり,移動中には自殺を試みる機会が無数にあったことに照らせば,亡Cが,自殺をせずに石巻の自宅に到着していることそれ自体が,被告病院を出発した時点において,亡Cの自殺念慮が消失していたことを強く推認させるということができる。 そもそも上記1(2)vで認定のとおり亡Cは自ら12月3日 宅に到着していることそれ自体が,被告病院を出発した時点において,亡Cの自殺念慮が消失していたことを強く推認させるということができる。 そもそも上記1(2)vで認定のとおり亡Cは自ら12月3日の外泊,,,を希望したのであり,原告Aもそれに対して何ら異議を述べていなかったものである。 以上の事情を総合的に考慮すれば,被告担当医が,12月3日の外泊許可を出す時点において,亡Cが本件事故により自殺することを具体的に予見できたとは考えがたい。そうであれば,精神科医療の目的が患者の社会復帰を目指すことにあることに加え,亡Cは退院を考え始める時期にあったことに照らして,亡Cが希望し,原告Aも了解していた外泊をことさら拒否すべき理由はないのであるから,12月3日に外泊許可を出した被告担当医の判断が不合理であったとはいえない。 イ12月3日の外泊許可に際しての説明不足の有無について,,,,上記(3)アで説示したとおりそれ以前から被告担当医は家族に対し自殺のリスク等,外泊についての注意点を説明しているのであるから,そのような説明を全く受けていないという原告らの主張には理由がない。 また上記(3)イで説示したとおり外泊許可の前に家族調整を目的と,,, した合同面接等を行わなかったとしても,それをもって不合理な判断であるとはいえない。 ウ小括以上の検討によれば,被告担当医が,亡Cに対し,12月3日に外泊許可を出したことにつき,被告の過失ないし債務不履行は認められない。 また,自殺のリスクを説明することを怠ったとする原告らの主張は理由がなく,被告の過失ないし債務不履行は認められない。 (5)甲B4号証についての検討甲B4号証は,作成者が精神科医になって20年近く経つ40代の医師とされているところ,本件全証拠によっても, 理由 がなく,被告の過失ないし債務不履行は認められない。 (5)甲B4号証についての検討甲B4号証は,作成者が精神科医になって20年近く経つ40代の医師とされているところ,本件全証拠によっても,文書の作成者を特定するに足りる証拠はないのであるから,文書の成立の真正は否定される。 したがって,甲B4号証は形式的証拠力を欠くものであるから,同書証の意味内容を事実認定に用いることはできない。 (6)総括以上の検討によれば,本件においては,被告の診療に過失ないし債務不履行を認めることはできない。 結論 したがって,その余の点を判断するまでもなく,原告らの請求はいずれも理由がないからこれを棄却することとし,訴訟費用の負担につき民訴法61条を適用の上,主文のとおり判決する。 仙台地方裁判所第3民事部裁判長裁判官沼田寛 裁判官安福達也裁判官佐藤雅浩

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