令和3(ワ)4061 特許権侵害行為差止等請求事件

裁判年月日・裁判所
令和5年10月31日 大阪地方裁判所
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判決文本文79,257 文字)

令和5年10月31日判決言渡同日原本受領裁判所書記官令和3年(ワ)第4061号特許権侵害行為差止等請求事件口頭弁論終結日令和5年9月1日判決 原告カード-モンローコーポレイション同代表者同訴訟代理人弁護士山本健策同上米良大輔同福永 聡 同三坂和也同本田輝人同補佐人弁理士橋本卓行同飯田貴敏同田中宏樹 被告道下鉄工株式会社同代表者代表取締役同訴訟代理人弁護士牧野知彦同髙山和也 同訴訟代理人弁理士田村 啓同中嶋宣同奥西祐之同補佐人弁理士稲葉和久主文 1 原告の請求をいずれも棄却する。 2 訴訟費用は原告の負担とする。 3 この判決に対する控訴のための付加期間を30日と定める。 事実 及び理由第1 請求 1 被告は、別紙「被告製品目録」記載1及び2の製品(以下、順に「被告製品 1」及び「被告製品2」といい、これらを「被告製品」と総称する。)の製造、譲渡、輸入、輸出及び譲渡の申出をし、譲渡のための展示をしてはならない。 2 被告は、被 の製品(以下、順に「被告製品 1」及び「被告製品2」といい、これらを「被告製品」と総称する。)の製造、譲渡、輸入、輸出及び譲渡の申出をし、譲渡のための展示をしてはならない。 2 被告は、被告製品及びその半製品(被告製品の構造を具備しているが、未だ製品として完成に至らないもの)を廃棄せよ。 3 被告は、被告製品の製造に供する製造設備を廃棄せよ。 4 被告は、原告に対し、1億円及びこれに対する令和3年5月28日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 第2 事案の概要本件は、発明の名称を「ヤーン色配置システム」等とする3件の特許(以下「本件各特許」という。)に係る特許権(以下「本件各特許権」という。)を有する原 告が、被告が本件各特許の特許請求の範囲記載の各発明の技術的範囲に属する被告製品を製造し、販売等することは本件各特許権の侵害に当たると主張して、被告に対し、特許法100条1項及び2項に基づき、被告製品の製造、販売等の差止め並びに被告製品等及びその製造設備の廃棄を求めるとともに、不法行為(民法709条)に基づき、損害金10億円のうち1億円及びこれに対する不法行為の日の後(本 訴状送達の日の翌日)である令和3年5月28日から支払済みまで平成29年法律第44号による改正前の民法所定年5分の割合による遅延損害金の支払を求める事案である。 1 前提事実(証拠等を掲げていない事実は争いのない事実又は弁論の全趣旨により容易に認められる事実である。) (1) 当事者 原告は、マットやカーペットを製造する機械(タフティングマシン)を製造、販売、輸出すること等を目的とする米国法人である。 被告は、各種織物機械及び設備の製造を目的とする株式会社である。 (2) タフティングマシン ーペットを製造する機械(タフティングマシン)を製造、販売、輸出すること等を目的とする米国法人である。 被告は、各種織物機械及び設備の製造を目的とする株式会社である。 (2) タフティングマシンタフティングマシンとは、マットやカーペットの基布(バッキング材料)に毛房 (タフト)を植え付ける機械であり、マット又はカーペットの基布の裏側から表側に糸(ヤーン)を伴った針を通し、表側で毛房を形成し、フック(ゲージ部品)を用いてタフトを引っ掛けることで、当該毛房を保持し、基布に毛房を植え付ける機械である。 (3) 本件各特許権 原告は、次の本件各特許(以下、順に「本件特許1」などという。)に係る本件各特許権(以下、順に「本件特許権1」などという。)を有している。本件特許権1~3の特許請求の範囲、明細書及び図面(以下、明細書及び図面を順に「本件明細書1」などという。)の記載は、それぞれ別紙「特許公報(甲2の1)」、同「特許公報(甲2の2)」及び同「特許公報(甲2の3)」のとおりである。 ア本件特許権1(ア) 特許番号特許第5745724号(イ) 発明の名称ヤーン色配置システム(ウ) 出願日平成25年10月9日(エ) 登録日平成27年5月15日 (オ) 優先日平成20年2月15日イ本件特許権2(ア) 特許番号特許第5389467号(イ) 発明の名称ヤーン色配置システム(ウ) 出願日平成21年2月13日 (エ) 登録日平成25年10月18日 (オ) 優先日平成20年2月15日ウ本件特許権3(ア) 特許番号特許第5622876号(イ) 発明の名称タフティング機のためのステッチ分布 10月18日 (オ) 優先日平成20年2月15日ウ本件特許権3(ア) 特許番号特許第5622876号(イ) 発明の名称タフティング機のためのステッチ分布制御システム(ウ) 出願日平成25年2月12日 (エ) 登録日平成26年10月3日(オ) 優先日平成21年2月23日(4) 構成要件本件各特許の各特許請求の範囲請求項1記載の各発明(以下、順に「本件発明1」などといい、これらを「本件発明」と総称する。)の構成要件は、別紙「被告製品 の構成」の「構成要件」欄記載のとおり分説される。 (5) 被告製品の構成被告製品1では、形成されたタフトがカットされることはないのに対し、被告製品2では同タフトがカットされるという点が相違しているものの、その他の仕様は同一であるから、本件発明との関係において、被告製品1と被告製品2の構成に相 違はない。 被告製品の構成については当事者間に争いがあるが、別紙「被告製品の構成」の「被告製品の構成」欄記載のとおり、被告製品がb~e、g及びhの構成を有しており、本件発明1の構成要件1B~1E、1G及び1Hを充足すること、本件発明2の構成要件2B~2E及び2Iを充足すること、本件発明3の構成要件3B~3 D、3F、3F1及び3Gを充足することは当事者間に争いがない。 (6) 被告の行為被告は、平成27年6月頃から、被告製品の製造及び輸出を行っている(甲7、8(各枝番号)、21の1・2~23、弁論の全趣旨)。 2 争点 (1) 本件発明の技術的範囲への属否(争点1) (2) 無効理由の有無(争点2)ア本件発明1及び2の明確性要件違反の有無(争点2-1)イ公表特許公報(特表20 点 (1) 本件発明の技術的範囲への属否(争点1) (2) 無効理由の有無(争点2)ア本件発明1及び2の明確性要件違反の有無(争点2-1)イ公表特許公報(特表2006-524753号。平成18年11月2日公表。 乙4。以下「乙4公報」という。)記載の発明(以下「乙4発明」という。)に基づく本件発明3の新規性欠如の有無(争点2-2) ウ乙4発明に基づく本件発明3の進歩性欠如の有無(争点2-3)エ乙4発明に基づく本件発明1の進歩性欠如の有無(争点2-4)。なお、特許公報(特許第3013306号。平成11年12月17日登録。乙5。以下「乙5公報」という。)記載の発明を、以下「乙5発明」という。 オ乙4発明に基づく本件発明2の進歩性欠如の有無(争点2-5) (3) 損害の発生及びその額(争点3)(4) 差止め及び廃棄の必要性の有無(争点4)第3 争点についての当事者の主張 1 本件発明の技術的範囲への属否(争点1)被告製品の構成及び本件発明に係る構成要件充足性に関する当事者の主張は、別 紙「被告製品の構成」の「被告製品の構成」、同「構成要件充足性(本件発明1)」、同「構成要件充足性(本件発明2)」及び同「構成要件充足性(本件発明3)」の各「原告の主張」欄及び「被告の主張」欄記載のとおりである。 2 無効理由の有無(争点2)当事者の主張は、別紙「無効主張(本件発明1及び2・明確性要件違反)」、同 「無効主張(本件発明3・新規性欠如)」、同「無効主張(本件発明3・進歩性欠如)」、同「無効主張(本件発明1・進歩性欠如)」及び「無効主張(本件発明2・進歩性欠如)」の各「被告の主張」欄及び「原告の主張」欄記載のとおりである。 3 損害の発生及びその額(争点3 進歩性欠如)」、同「無効主張(本件発明1・進歩性欠如)」及び「無効主張(本件発明2・進歩性欠如)」の各「被告の主張」欄及び「原告の主張」欄記載のとおりである。 3 損害の発生及びその額(争点3)(原告の主張) 被告は、遅くとも平成27年6月頃から、中華人民共和国又はタイ王国に所在す る顧客に向けて、被告製品を製造、販売及び輸出している。これによって、被告は、少なくとも10億円の利益を得ているから、原告が被った損害は10億円をくだらない。 原告は、被告に対し、その一部である1億円の支払を求める。 (被告の主張) 争う。 4 差止め及び廃棄の必要性の有無(争点4)(原告の主張)被告は本件各特許権を侵害しているから、原告は、被告に対し、被告による被告製品の製造等の差止め並びに被告製品等及びその製造設備の廃棄を求める必要性が ある。 (被告の主張)争う。 第4 当裁判所の判断 1 本件明細書1~3の記載 本件明細書1~3には次の記載がある。 (1) 本件明細書1及び2(以下につき、本件明細書1及び2の記載は、段落【0011】、【0049】、【0050】、【0053】及び【0062】において、本件明細書1では「1インチ(2.54cm)」とあるのが、本件明細書2では「1インチ」とされているほかは、同じである。) ア技術分野「(発明の分野)本発明は概して、タフティングマシン(tuftingmachine)に関し、特に、タフティングマシンを通るバッキング材料内に様々な色のヤーンの配置を給送することを制御し、タフティングされた物品内に自由に流れる模様を形成することを可能にするためのシステムに関する。」(【0002】) イ技術背景 キング材料内に様々な色のヤーンの配置を給送することを制御し、タフティングされた物品内に自由に流れる模様を形成することを可能にするためのシステムに関する。」(【0002】) イ技術背景 「(発明の背景)カーペットおよび他の同様な物品のタフティングにおいて、変化する消費者の好みおよび市場での高まる競争と伍する試みのために、新規で目に映える模様の開発がかなり強調されている。特に、織機で形成された布の外観および感じを複製するカーペットの形成が、多年にわたり強調されている。例えば特許文献1に開示されたもののようなタフティングマシンに対するコンピュータ制御の 導入によって、タフティングされる模様カーペットを設計、生産する際のより大きな精度および多様性、ならびに高められた生産スピードが可能となった。さらに、デザイナが模様のより広い多様性を設計、作成することを助けるために、コンピュータ化されたデザインセンタが開発され、例えばヤーンの給送、パイルの高さなどの要件が、デザインセンタのコンピュータによって自動的に計算、生成されている。」 (【0003】)「さらに、様々に異なる色のヤーンが、バッキング材料の中に挿入され得るタフティングマシンを開発する試みがなされ、より自由に流れる模様を作成することが試みられている。例えば、専用機械が開発され、その専用機械は、異なる色のヤーンの端が針に個々に給送され、選択された位置でバッキング材料の中に挿入される 単一で中空の針を運ぶ動くヘッドを含む。より従来型のタフティングマシン構成で複数の針を有し、バッキング材料を前方および後方に動かしてバッキング材料に複数の色を配置する他のマシンも開発された。しかしながら、個々にヤーンを配置するためのかかる専用タフティングマシンには問題 で複数の針を有し、バッキング材料を前方および後方に動かしてバッキング材料に複数の色を配置する他のマシンも開発された。しかしながら、個々にヤーンを配置するためのかかる専用タフティングマシンには問題が存在する。その問題とは、ヤーンが単一の針によってバッキング材料に個々に配置されるので、またはバッキング20材料の給送の方向が変更されるので、かかるマシンの生産速度は概して制限されるという点である。結果として、かかる専用の色模様つけマシンは通常、例えば限定または低減された大きさの模様のある敷物またはカーペットの形成のような特別の用途に限定される。」(【0004】)ウ 発明が解決しようとする課題25「従って、当技術分野におけるこれらの問題ならびに他の関連する問題および関 8連しない問題に取り組むシステムおよび方法に対するニーズが存在する。」(【0006】)エ 課題を解決するための手段「端的に述べると、本発明は概して、タフティングマシンのためのヤーン色配置システムに関し、タフティングマシンは、織られた外観または織機で形成された外観を有する実質的に自由に流れる模様および/またはカーペットの形成を含み、模5様がつけられタフティングされた物品、例えばカーペットを形成することに使用される。本発明のヤーン色配置システムを備えるタフティングマシンは通常、このタフティングマシンの動作的要素を制御するためのタフティングマシン制御システムと、それに沿って間隔が置かれた一連の針を有する1つ以上のシフティング針棒とを含む。タフティングゾーンは、針の往復経路に沿って画定され、タフティングゾ10ーンを通してバッキング材料が、給送スティッチ速度または所望のスティッチ速度の、プログラムされたかまたは規定された速度で給送される。バッ ゾーンは、針の往復経路に沿って画定され、タフティングゾ ーンを通してバッキング材料が、給送スティッチ速度または所望のスティッチ速度の、プログラムされたかまたは規定された速度で給送される。バッキング材料がタフティングゾーンを通して給送されるとき、針がバッキング材料に出入りして往復させられ、ヤーンのループをバッキング材料に形成する。」(【0007】)「ヤーン色配置システムはさらに概して、タフティングされる物品に対してプロ グラムされた模様のシフトプロファイルと連係して、ヤーンをそれぞれの針に給送することを制御するための、模様ヤーン給送メカニズムまたはアタッチメントを含む。模様ヤーン給送模様メカニズムは、様々なロール、スクロール、サーボスクロール、シングルエンド、またはダブルエンドヤーン給送アタッチメント、例えばCard-MonroeCorp.によって製造されたYarntronicsT MまたはInfinityTMまたはInfinityIIETMヤーン給送アタッチメントを含み得る。プログラムされた模様命令に従ってヤーンをそれらの選択された針に給送することを制御し、それによってバッキング材料からこれらのヤーンを引いて低くするか、またはバックロブ(backrob)して、そのとき縫われている模様フィールドに隠されるようにするために、他のタイプのヤーン給送制 御メカニズムも使用され得る。タフティングマシンのシステム制御はさらに通常、 プログラムされた反復模様命令に従うシフトメカニズムとヤーン給送メカニズムとの協働動作を含む、タフティングマシンの動作機能を制御する。」(【0009】)「さらに、例えばカットパイルフック、ループパイルルーパ、レベルカットルーパまたはフックおよび/またはかかるゲージ部品の様 働動作を含む、タフティングマシンの動作機能を制御する。」(【0009】)「さらに、例えばカットパイルフック、ループパイルルーパ、レベルカットルーパまたはフックおよび/またはかかるゲージ部品の様々な組み合わせのようなゲージ部品を含む、ルーパまたはフックアセンブリは概して、タフティングゾーンの下 に提供され、針がバッキング材料を貫通するとき針と係合し、それによって針からヤーンのループをつまみかつ/またはこれらを引くように適合される位置にある。 一実施形態において、形成される模様スティッチおよび、従ってシフトプロファイルステップに基づき、一連のレベルカットループルーパは、各スティッチの間、タフティングマシンのシステム制御によって個々に制御され、それによって形成され るヤーンのループが後に引かれるかもしくはバックロブされるかに従って、つまり模様の各スティッチの形成に際して隠されるか、ループパイルタフトとして維持されるか、またはレベルカットループルーパに保持されてカットパイルタフトを形成するか、に従って、各スティッチに対して選択的に作動または発射される。」(【0010】)「本発明の原理によるヤーン色配置システムはさらに概して、従来のタフティン グプロセスよりも高められたまたはより密なスティッチ速度で動作される。通常、ヤーン配置システムによって走らせられる動作または有効スティッチ速度は、プログラムされた模様において走らせられる色の数倍の所望のまたは規定されたスティッチ速度または1インチ(2.54cm)当たりのスティッチの数にほぼ相当し、所望のまたは規定されたスティッチ速度または1インチ(2.54cm)当たりの スティッチの数は、バッキング材料が給送される速度とタフティングマシンのゲージとに基づく。結果として、針棒が、 し、所望のまたは規定されたスティッチ速度または1インチ(2.54cm)当たりの スティッチの数は、バッキング材料が給送される速度とタフティングマシンのゲージとに基づく。結果として、針棒が、模様スティッチの形成の間にシフトされるとき、各色が取り出されるか、またはバックロブされ、従って完成された模様がつけられた物品では隠されるために、高められた1インチ(2.54cm)当たりのスティッチの数は、完成された模様がつけられタフティングされた物品の高いタフト と低いタフトとの間に十分に高められた密度を提供し、模様がつけられタフティン グされた物品において色の抜けもしくは空隙の露見または他の出現を避ける。」(【0011】)「(摘要)タフティングマシンのためのヤーン色配置システムであって、該タフティングマシンは、ヤーン給送メカニズムによって該タフティングマシンの針に給送される一連の異なる色のヤーンを含む、システム。針が、プログラムされた模様 ステップに従ってシフトされるので、バッキング材料は、高められたスティッチ速度でタフティングマシンを通して給送される。一連のレベルカットループルーパまたはフックが、ヤーンのループと係合し、これらを針からつまみ、レベルカットループルーパまたはフックのクリップが選択的に作動させられ、カットパイルタフトを形成し、一方、残りのヤーンのルーパは、バックロブされ、完成した模様がつけ られタフティングされた物品においては視野から隠され得る。」(【0039】)オ発明を実施するための形態「(発明の詳細な説明)ここで図面を参照するが、幾つかの図を通して同様な数字は同様な部品を示す。概して、図1~図5に例示されるように、本発明のヤーン色配置システムの一例の実施形態に従って、バッキング 「(発明の詳細な説明)ここで図面を参照するが、幾つかの図を通して同様な数字は同様な部品を示す。概して、図1~図5に例示されるように、本発明のヤーン色配置システムの一例の実施形態に従って、バッキング材料Bの所望の位置に、様々 な色のヤーンY1~Y4などを配置することを制御し、バッキング材料Bの中で様々に変化する、または様々な自由に流れる色のついた模様効果を有するタフティングされた物品を形成するために、タフティングマシン10が提供される。4つのヤーン/色が示されているが、本発明のヤーン色配置システムにおいては、より多くの、またはより少ない異なる色のヤーン(すなわち、図6A~図6Dに例示され るように、2色、3色、5色、6色、など)も利用され得ることは、理解される。」(【0042】)「図6A~図6Dは、針棒に対する様々なシフトまたはステッピング模様を例示し、3つ、4つ、5つまたは6つの異なる色のヤーンが模様に利用される場合の、針棒のシフティングを反映している。図6A~図6Dは、既に縫われたタフトを重 ね縫いすることを避けるために、後に続く様々な例のシングルステップセグメント およびダブルステップセグメントまたはジャンプセグメントを例示する。例えば、図6Aに示されているように、3つの異なる色のヤーンを利用するステップする模様を走らせるために、初めのステップまたはシフトが、右へ為され得、この後にダブルゲージシフトまたはジャンプが続き、シングルゲージシフトで終わる。同様に、図6B~図6Dに示されるように、4つ、5つおよび/または6つの色に対して、 シングルゲージまたはダブルゲージのジャンプいずれかの、右への初めのシフトの後、模様は、既に縫われたタフトを重ね縫いまたは重ねタフティングすることを避けるために、 び/または6つの色に対して、 シングルゲージまたはダブルゲージのジャンプいずれかの、右への初めのシフトの後、模様は、既に縫われたタフトを重ね縫いまたは重ねタフティングすることを避けるために、シングルゲージおよびダブルゲージのジャンプまたはシフトを使用して、左へシフトして戻る。さらに、図6A~図6Bにおいては、初めのシフトまたはジャンプは、右へ行くとして示されているが、シフトステップを左へ開始するこ とも可能である。さらに、針棒がシフトされるとき、バッキング材料も概して、早められたまたはより密なスティッチ速度でタフティングマシンによって給送され、より密な模様、または模様の特定のフィールドに対して選択された色のフィルインを達成する。」(【0048】)「一部の従来のタフティングシステムにおいては、その速度によって走らせられ るタフティング模様に対するスティッチ速度は概して、タフティングマシンのゲージと一致し、タフティングマシンのゲージは概して、縦糸方向の1インチ(2.54cm)当たりの針数に相当し(すなわち、8分の1ゲージに対しては、1/8''間隔で1インチ(2.54cm)当たり8針、10分の1ゲージに対しては1/10''間隔で1インチ(2.54cm)当たり10針、など)、縦糸方向の1イ ンチ(2.54cm)当たりの針数は概して、タフト列が形成される横糸方向の1インチ(2.54cm)当たりのスティッチの数に等しい。従って、例えば10分の1ゲージタフティングマシンに対しては、所望されるまたは規定されるスティッチ速度は通常、1インチ(2.54cm)当たり約10スティッチであり、一方、8分の1ゲージマシンに対しては、スティッチ速度は、1インチ(2.54cm) 当たり約8スティッチである。本発明においては、ヤー 、1インチ(2.54cm)当たり約10スティッチであり、一方、8分の1ゲージマシンに対しては、スティッチ速度は、1インチ(2.54cm) 当たり約8スティッチである。本発明においては、ヤーン色配置システムによって 運転される動作または有効スティッチ速度は、通常所望されるスティッチ速度よりもかなり高いか、または速く、従って、バッキング材料に形成されるタフトの、高められた、または増加した密度を提供する。通常、本発明のヤーン色配置システムでは、この高められた有効スティッチ速度は、模様において走らせられる異なる色の数倍の所望のスティッチ速度(概して、タフティングマシンのゲージに基づく) に相当する。」(【0049】)「従って、本発明のヤーン色配置システムに関しては、1インチ(2.54cm)当たりほぼ10スティッチの所望のスティッチ速度を使用して概して運転される10分の1ゲージマシンに対して、模様の中に3色ある場合、ヤーン色配置システムによって運転される動作または有効スティッチ速度は、色の数(3)倍の所望のス ティッチ速度(1インチ(2.54cm)当たり10スティッチ)によって決定され、有効スティッチ速度は、1インチ(2.54cm)当たりほぼ30スティッチである。4色に対して、4色模様に対する動作または有効スティッチ速度は、1インチ(2.54cm)当たりほぼ40スティッチであり得、5色に対しては、1インチ(2.54cm)あたり50スティッチであり得る。同様に、8分の1ゲージ マシンに対して、所望のスティッチ速度が1インチ(2.54cm)当たり8スティッチであり、2色~6色が走らせられる場合、有効スティッチ速度は、走らせられる色の数に依存して、1インチ(2.54cm)当たり約16スティッチ~約4 速度が1インチ(2.54cm)当たり8スティッチであり、2色~6色が走らせられる場合、有効スティッチ速度は、走らせられる色の数に依存して、1インチ(2.54cm)当たり約16スティッチ~約48スティッチの間であり得る。一方、16分の1ゲージマシンに対して、2色~6色である場合、有効スティッチ速度は、1インチ(2.54cm)当たり約52ス ティッチ~約96スティッチの間であり得る。」(【0050】)「図1~図4に示されるように、バッキング材料Bは、マシン制御システム25に連結され、これによって制御される駆動モータ51の動作によって、バッキングロール29(図1および図2)によって、矢印33の方向にフィードまたは経路に沿って、タフティングゾーンを通して給送される。バッキング材料Bは、針36に よって係合され、該針は、ヤーンY1~Y4を挿入して、本発明のヤーン色配置シ ステムによって形成される模様に対して有効スティッチ速度(すなわち、パターンの色の数によって乗じられる、例えば1インチ(2.54cm)当たりの8、10、16その他スティッチのような所望のスティッチ速度)でバッキング材料の中にヤーンのタフト38を形成する。針がバッキング材料を貫通するとき、ルーパ/フックアセンブリ32によって係合され、それによってヤーンのループを形成し、該ヤ ーンのループは、カット-パイルタフトを形成するためにカットされ得るか、または各模様ステップに従ってループとして残され得る。解放されたヤーンのループは、そのステップで縫われている模様の色フィールドに示されず、視覚的に存在しないさらなる色つきヤーンのループの高さを変えるために必要に応じて、模様ヤーン給送アタッチメント27/28の動作によって、バックロブされ得るか、または引い 様の色フィールドに示されず、視覚的に存在しないさらなる色つきヤーンのループの高さを変えるために必要に応じて、模様ヤーン給送アタッチメント27/28の動作によって、バックロブされ得るか、または引い て低くするか、もしくはバッキングから引き抜かれ得る。」(【0053】)「針が、その往復運動の間に、矢印37'(図2)の方向にバッキング材料から引込められるとき、模様ヤーン給送アタッチメントまたはヤーン給送メカニズム27/28(図1)によるヤーンの給送も、針をシフトして各模様フィールドにおいて選択された位置でヤーンの高いタフトを選択的に形成し、かつヤーンの低いタフ トを形成すること連携して、ステップ107(図7)で示されるように制御される。 選択されない色(隠される色、従ってそのステップで縫われている模様の特定の色フィールドにおいて見えない色)のヤーンの給送は、これらのヤーンの各々を供給するヤーン給送メカニズムによって制御され、これらのヤーンが、バックロブされるか、もしくは引かれて低くされるか、またはバッキング材料から引抜かれ、それ によってバッキング材料の裏で「フロート(float)」して、低いタフトを形成する。さらなる結果として、高いタフト(タフティングされた完成品において見える色)の数は概して、タフティングマシンに対する所望のスティッチ速度と一致し得る。すなわち、10分の1ゲージマシンなどに対して、1インチ(2.54cm)当たり10の高いスティッチとなる。シフトプロファイルと連携して、本発明 のヤーン色配置システムによって運転される高められた有効スティッチ速度の運転 は、スティッチまたはタフトのより密なフィールドの提供を助け、ヤーンは、引かれて低くされるか、またはバックロブされ、従ってバッキング材料 て運転される高められた有効スティッチ速度の運転 は、スティッチまたはタフトのより密なフィールドの提供を助け、ヤーンは、引かれて低くされるか、またはバックロブされ、従ってバッキング材料に形成された残りの(高い)カットおよび/またはループパイルタフトによって効果的に隠される。」(【0062】)「各シフトメカニズムならびにレベルカットループルーパまたはフックおよび/ もしくはカットパイルフックならびにループパイルフックと連携して、唯一マシンのゲージにのみ基づいたスティッチ速度よりもかなり早められるかまたはより密な有効または動作スティッチ速度で走らせられるバッキング材料と共に、様々に異なる色のヤーンの給送を制御するためのヤーン給送模様アタッチメントによるヤーン給送の制御は、従って、本発明のヤーン色配置システムが、より様々に自由に流れ る模様を生み出すことを可能にし、かつ/または織機で形成された外観を備える模様が、バッキング材料に形成されることを可能にする。かかる模様はさらに通常、結果として生じる模様がつけられタフティングされた物品の各直線状の/長手方向のタフト列に、実質的に同一のまたは同等の数の高いタフトを形成し、所望のまたは充分な模様密度を提供し得、各色は、バッキング材料に沿って、所望の位置また は点に配置され得る。図7のステップ108に示されるように、ヤーン色配置システムの動作は継続し、模様が完成するまで、模様の各スティッチに対して反復される。」(【0063】)(2) 本件明細書3ア技術分野 「(発明の分野)本発明は、概して、タフティング機に関し、具体的には、タフト状物品内に自由に流れるパターンを形成することを可能にするように、タフティング機を通過する裏打ち材料内の種々の異なる色 「(発明の分野)本発明は、概して、タフティング機に関し、具体的には、タフト状物品内に自由に流れるパターンを形成することを可能にするように、タフティング機を通過する裏打ち材料内の種々の異なる色、パイル、および/または高さの糸の所望の配置を含む、個々の糸またはステッチの供給および配置を制御するためのシステムに関する。」(【0002】) イ背景技術 「カーペットおよび他の同様の物品のタフティングでは、消費者の好みの変化および市場での高まる競争に遅れないようにするために、新鮮で、より人目をひくパターンの開発がかなり重視されている。具体的には、長年にわたり、織機で形成された織物の見た目と感触を複製するカーペットの形成が重視されてきた。例えば、特許文献1等に開示される、タフティング機用のコンピュータ制御の導入によって、 タフト状パターンカーペットをデザインおよび生産する際のより高い正確さおよび多様性、ならびに向上された生産速度が可能となった。加えて、デザイナが、より幅広い種類のパターンをデザインおよび作成することを補助するために、コンピュータ化されたデザインセンターがつくられ、糸の供給、パイル高さ等の要件が、デザインセンターのコンピュータによって自動的に計算および生成される。」(【0003】) 「加えて、より流れるように動くパターンの作成を試みるために、様々な異なる色の糸およびテクスチャ効果を裏打ち材料に挿入することができるタフティング機を開発する試みがなされている。例えば、選択された場所での裏打ち材料への挿入のために、異なる色の糸の端部が針に個々に供給される単一の中空針を運ぶ移動ヘッドを含む、特殊な機械が開発された。比較的従来のタフティング機構成の中に複 数の針を有し、また、裏打ち材料 への挿入のために、異なる色の糸の端部が針に個々に供給される単一の中空針を運ぶ移動ヘッドを含む、特殊な機械が開発された。比較的従来のタフティング機構成の中に複 数の針を有し、また、裏打ち材料を前方および側方に移動させて裏打ち材料の中に複数の色を配置する、他の機械も開発された。しかしながら、個々に糸を配置するためのそのような特殊なタフティング機の場合、糸が単一の針によって裏打ち材料の中に個々に配置されるので、または裏打ちの供給方向が変化するので、そのような機械の生産速度が概して制限される、という問題が存在する。結果として、その ような専用の色パターン化機は、一般的に、限定または低減されたパターン化ラグまたはカーペットの形成等の特別な用途に限定される。」(【0004】)「したがって、従来技術におけるこれらの、ならびに他の関連する、および無関連の問題に対処する、システムおよび方法に対する必要性が存在することが分かる。」(【0005】) ウ課題を解決するための手段 「簡潔に説明すると、本発明は、概して、タフティング機用の糸ステッチまたは色分布制御システムに関し、この機械は、編みまたは織り形成された外観を有する実質的に自由に流れる多色のパターンおよび/またはカーペットの形成を含む、様々なパターン効果および/または色を有するカーペット等の、パターン化され、タフト状物品の形成を可能にするように、高められた選択性を有する糸またはステ ッチの配置および密度を制御する際に使用される。本発明のステッチ分布制御システムを有するタフティング機は、一般的に、タフティング機の操作要素を制御するための、ならびに所望のスキャンおよび/またはデザインしたパターンを形成するための、本発明によるステッチ分布制御システムを操 テムを有するタフティング機は、一般的に、タフティング機の操作要素を制御するための、ならびに所望のスキャンおよび/またはデザインしたパターンを形成するための、本発明によるステッチ分布制御システムを操作するための、タフティング機コントローラを含む。パターンは、異なるパイル高さ、種々のタフト列の中のカ ットおよび/またはループパイルタフト、および他のテクスチャ効果を含む、所望のパターン効果、ならびに、裏打ちを横断して選択された場所で見ることができ、したがって、平方インチ当たりの保持された色/ステッチの所望の密度を提供するように、種々の色の糸の配置を含むことができる。例えば、パターンは、種々のパイル高さのタフトおよび他の彫刻またはパターンテクスチャ効果を含む、全てのル ープパイルタフト、全てのカットパイルタフト、および/またはカットとループパイルタフトとの組み合わせを含有することができる。」(【0007】)「タフティング機はさらに、それに沿って離間している一連の針を有する1つ以上の針棒を含み、タフティング区画が、針の往復運動の経路に沿って画定される。 裏打ち材料は、その中での糸のタフティングのために、プログラムされた速度で、 または所定の供給速度でタフティング区画を通して供給される。その結果、裏打ち材料がタフティング区画を通して供給されるとき、その中で糸のループを形成するように、針が裏打ち材料の内外に往復運動させられる。」(【0008】)「本発明によるステッチ分布制御システムは、タフティング機のタフティング操作を制御するようにだけ操作するのではなく、さらに、ステッチ分布制御システム が、入力パターン命令を受信することに加えて、パイル高さ、ループおよび/また はカットパイルタフト配置、図面、写真等のテ だけ操作するのではなく、さらに、ステッチ分布制御システム が、入力パターン命令を受信することに加えて、パイル高さ、ループおよび/また はカットパイルタフト配置、図面、写真等のテクスチャ情報を伴う完成カーペットデザインを含む、スキャンおよび/またはデザインされたパターン画像を読み込んで認識することを可能にするように、画像認識ソフトウェアを含むことができる。 ステッチ分布制御システムは、スキャンおよび/またはデザインされたパターンの糸/ステッチに対するパターン画素またはタフト/ステッチ場所のマップまたは領 域を含む、パターンプログラムファイルを自動的に発生させることができ、ならびに、所望のスキャンおよび/またはデザインされたパターンで形成するために、糸の供給、裏打ちの供給、およびタフティング機の他の操作要素を制御するためのステップまたはパラメータを計算することができる。ステッチ分布制御システムはさらに、クリールの使用を最適化するために、パターン色を識別し、そして針棒の色 のスレッドアップに基づいて、タフティング機用のクリールの中の対応する位置に相関させることができ、加えて、カム/移行プロファイルを自動的に計算(または、必要に応じて、予めプログラムされたカムプロファイルを選択)し、また、完成タフト状物品の中に所望の織物ステッチレートまたはパターン密度の外観を達成するようにパターンが実行される、効果的または有効プロセスステッチレートを計算す る。」(【0009】)「移行機構は、タフティング区画を横断して針棒を横方向に移行させるために提供することができ、タフティング機が2つ以上の移行針棒を含む場合には、一般的に、複数の移行機構が利用される。移行機構は、1つ以上のカム、サーボモータ制御のシフター、またはCa 向に移行させるために提供することができ、タフティング機が2つ以上の移行針棒を含む場合には、一般的に、複数の移行機構が利用される。移行機構は、1つ以上のカム、サーボモータ制御のシフター、またはCard-MonroeCorp.によって製造されてい るような「SmartStep」移行機構等の他のシフターを含むことができ、スキャンおよび/またはデザインされたパターン移行ステップに従って針棒を移行させる。代替として、移行機構は、裏打ち材料または、針棒の移行の有無に関わらず、裏打ち材料を移行させるためのジュートシフターも含むことができる。スキャンおよび/またはデザインされたパターンに対する移行ステップは、タフティング機シ ステムコントローラの中への所望のパターン外観のスキャンおよび/またはデザイ ンされたパターンの入力および読み取りの際に、ステッチ分布制御システムによってパターンに対して計算または選択される、カムまたは移行プロファイルに従って達成される。カムまたは移行プロファイルはさらに、形成されているスキャンおよび/またはデザインされたパターンで使用される色の数に基づいて変化させることができる。例えば、3色、4色、5色、またはそれ以上の色の場合、3色、4色、 5色、またはそれ以上の色のカムまたはカム/移行プロファイルを、各針棒を移行させるためにデザインおよび/または利用することができる。」(【0010】)「タフティング機はさらに、概して、それらのそれぞれの針への糸の供給を制御するための、少なくとも1つのパターン糸供給機構または装置を含む。少なくとも1つのパターン糸供給制御機構または装置は、所望のカーペットパターン外観のス キャンおよび/またはデザインされた画像に基づいて、ステッチ分布制御システムによっ 機構または装置を含む。少なくとも1つのパターン糸供給制御機構または装置は、所望のカーペットパターン外観のス キャンおよび/またはデザインされた画像に基づいて、ステッチ分布制御システムによって作成または策定されたパターン命令に従って、それらの選択された針への糸の供給を選択的に制御するように操作される。その結果、タフト状物品の表側または表面上に示されるべき糸は、概して、所望の高さのカットまたはループタフトを形成するのに十分な量が供給され、一方で、タフト状領域の中には示されるべき ではない、出現しない糸は、低く引っ張られる、もしくはバックロブされるか、または裏打ち材料から除去される。各画素またはステッチ場所に対しては、概して、一連の糸が提示され、そのような画素においてはいかなる糸も外観に対して選択されないか、またはステッチ場所が引き戻される、および/または除去される。したがって、一般的に、特定のステッチ場所または画素に配置されるべき所望の、また は選択された糸/色のみ、そのようなステッチ場所または画素に保持され、一方で、残りの糸/色は、裏打ち材料の表面に浮き上がらせるように裏打ちから糸を引き出すことを含み、その時点で縫われているパターン領域の中に埋め込まれ、または隠される。パターン糸供給パターン機構は、例えば、Card-MonroeCorp.によって製造されているような、Yarntronics(商標)、Inf inity(商標)、またはInfinityIIE(商標)糸供給装置等の、 種々のロール、スクロール、サーボスクロール、シングルエンド、またはダブルエンドの糸供給装置を含むことができる。他のタイプの糸送り制御機構も使用することができる。ステッチ分布制御システムはさらに、一般的に、ステッチ分布シス 、サーボスクロール、シングルエンド、またはダブルエンドの糸供給装置を含むことができる。他のタイプの糸送り制御機構も使用することができる。ステッチ分布制御システムはさらに、一般的に、ステッチ分布システムの中に入力されるスキャンおよび/またはデザインされたパターン画像に基づいて、それによって策定されたパターン命令に従って、移行機構および糸供給機構の 操作を制御する。」(【0011】)「加えて、糸のループをその上に選択的に保持するための、カットパイルフック、ループパイルルーパ、レベルカットルーパもしくはフック、および/またはカット/ループフックの本体に取り付けられる付勢されたクリップをそれぞれが有するカット/ループフック等の、ゲージ部品を含むルーパまたはフック組立体は、概して、 糸をそこから摘み取る、および/または引っ張るために、針が裏打ち材料を貫通する時に針を係合するような位置の、タフティング領域の下に提供される。一実施形態では、一連のレベルカットループルーパは、それによって形成される糸のループを、引き戻し、またはバックロブし、したがって、スキャンおよび/またはデザインされたパターンでの各ステッチの形成時に隠して、ループパイルタフトとして維 持するか、またはカットパイルタフトを形成するためにレベルカットループルーパ上に保持すべきか、に従って、各ステッチに対して選択的に作動または始動されるよう、形成されているパターンステッチおよびその結果の移行プロファイルステップに基づいて、各ステッチ中に、ステッチ分布制御システムによって個々に制御することができる。他の実施形態では、他の構成、および/またはループパイルルー パ、パイルフック、カット/ループフック、および/またはレベルカットループルーパの組み合わせも使用することが 制御することができる。他の実施形態では、他の構成、および/またはループパイルルー20パ、パイルフック、カット/ループフック、および/またはレベルカットループルーパの組み合わせも使用することができる。」(【0012】)「本発明の原理によるステッチ分布制御システムはさらに、概して、従来のタフティングプロセスよりも増大した、もしくは高密度な、効果的または有効プロセスステッチレートで操作される。一般的に、ステッチ分布制御システムによって実行25される有効または効果的プロセスステッチレートは、所望または所定の織物ステッ 20チレート、1インチ当たりの保持ステッチ数、または1インチ当たり8ステッチ、1インチ当たり10ステッチ等の、タフト状物品の表側に現れることが望まれるパターン密度を乗じた、プログラムされたパターンで実行されている、所望のパイルの種類および/または高さの色またはタフトの数にほぼ同等になる。その結果、2-4以上の色を伴うパターンの場合、実行される効果的ステッチレートは現れない5か、または選択されていない糸を隠しながら、裏打ちの表面に見せるべきタフトについて、1インチ当たりの保持される所望の数のステッチの外観を達成するように、1/8ゲージ機の場合は、1インチ当たり約16、24、32、またはそれ以上のステッチ、1/10ゲージ機の場合は、1インチ当たり20、30、40、またはそれ以上のステッチ等とすることができる。したがって、完成タフト状物品は、例10えば、所望の色領域の中に1インチ当たり8-10ステッチの外観を有し得るが、実際には、スキャンおよび/またはデザインされたパターンの中の色の数、および裏打ち材料が供給される1インチ当たりのステッチの所望または所定の数に基づいて、16、24、40、またはそれ以上の 得るが、実際には、スキャンおよび/またはデザインされたパターンの中の色の数、および裏打ち材料が供給される1インチ当たりのステッチの所望または所定の数に基づいて、16、24、40、またはそれ以上のステッチが縫われ得る。さらなる結果として、針棒がパターンステッチの形成中に移行させられるとき、取り出され、また はバックロブされ、したがって、表面の糸またはタフトによって完成タフト状物品の中に隠される各色またはタフトについて、増大された1インチ当たりのステッチの数は、色の欠落または隙間が完成パターン化物品に示されるか、あるいは現れることを回避するために十分高められた密度を完成パターン化タフト状物品に提供する。…」(【0013】) エ発明を実施するための形態「…ステッチ分布制御システムはさらに、概して、パターン領域またはマッピングを作成することができ、撮像されたパターンを形成するように、種々の色の糸および/またはカット/ループパイルタフトが選択的に配置されるスペースまたは場所を識別する、一連のパターン画素またはタフト/ステッチ配置場所を含む。完成パ ターン化タフト状物品の表側に現れる所望のパターン密度、すなわち1インチ当た りのステッチの所望の数もまた解析され、スキャンおよび/またはデザインされたパターンの所望の織物ステッチレートの外観を達成するように計算されたパターンに対する効果的または有効なプロセスステッチレートとなる。」(【0019】)「本発明のステッチ分布制御システムはさらに、種々のカムまたは移行プロファイルのプログラミングを含むことができるか、または、スキャンされた、もしくは 入力されてデザインされたパターン画像に基づいて、提案されるカムまたは移行プロファイルを計算することができる。 ロファイルのプログラミングを含むことができるか、または、スキャンされた、もしくは 入力されてデザインされたパターン画像に基づいて、提案されるカムまたは移行プロファイルを計算することができる。加えて、操作者は、パターンが、2色、3色、4色、5色、もしくはそれ以上の色を有するか、または所望のパターンの数を繰り返すのかを示す等によって、所望のカムプロファイルを選択すること、または計算されたカムプロファイルを修正することができ、またはシステムが、計算されたカ ムプロファイルで自動的に進行できるようにすることができる。操作者はまた、必要に応じて手動オーバーライド制御/プログラミングを介して、色分布制御システムによって作成されたクリールの割り当て、または糸の色マッピングを、手動で計算、入力、および/または調整もしくは変更することができる。効果的に、一実施形態では、操作者は単純に、デザインされたパターン画像、写真、図面等を、タフ ティング機で直接的にスキャンあるいは入力することができ、本発明のステッチ分布制御システムは、糸の供給、所望のパターン密度を達成する効果的ステッチレート、ならびにスキャンおよび/またはデザインされたパターン画像に合致する糸の配色を含む、パターンステップ/パラメータを自動的に読み取り、認識、および計算することができ、その後に、このスキャンおよび/またはデザインされたパター ンを形成するためにタフティング機の操作を制御する。」(【0020】)「一実施形態では、図6A-6Dは、3つ、4つ、5つ、または6つの異なる色の糸がパターンの中で利用される場合の針棒の移行を反映する、針棒に対する種々の移行またはステッピングパターンを示し、また、以前に縫われたタフトの重ね縫いを回避するための、その後に続くシングルおよ 色の糸がパターンの中で利用される場合の針棒の移行を反映する、針棒に対する種々の移行またはステッピングパターンを示し、また、以前に縫われたタフトの重ね縫いを回避するための、その後に続くシングルおよびダブルステップ、またはジャン プセグメントを示す。例えば、図6Aに示されるように、3つの異なる色の糸を利 用したステッピングパターンを実行する場合、最初のステップまたは移行は右方に行われ、次いで、ダブルゲージ移行またはジャンプがその後に続き、シングルゲージ移行で終了する。同様に、図6B-6Dに示される、4色、5色、および/または6色の場合、シングルまたはダブルのいずれかのゲージジャンプの右方への最初の移行の後、パターンは、次いで、以前に縫われたタフトの重ね縫いまたはタフト の重なりを回避するために、シングルおよびダブルゲージジャンプを使用して、左方に移行させて戻す。加えて、最初の移行またはジャンプは、図6A-6Bでは右方に進むように示されているが、移行ステップを左方に開始することも可能である。 さらに、針棒が移行されるとき、概して、裏材料も、タフティング機を通して増大された、またはより高密度なステッチレートで供給され、パターンの特定の領域に 対する選択された色のより高密度なパターンまたはフィルインを達成する。さらなる代替として、ダブルまたはより大きいジャンプは、糸の提示を、いかなる糸も挿入に対して選択されていない場所等の、選択されたステッチ場所までスキップまたはバイパスするために使用されることができる。」(【0024】)「さらに、それによって実行されるタフティングパターンの織物ステッチレート が、概して、タフティング機のゲージに合致している、すなわち、1/10タフティング機の場合、織物ステッチレートが、 「さらに、それによって実行されるタフティングパターンの織物ステッチレート が、概して、タフティング機のゲージに合致している、すなわち、1/10タフティング機の場合、織物ステッチレートが、一般的に、1インチ当たりほぼ10ステッチであり、一方で、1/8ゲージの機械の場合、織物ステッチレートが、1インチ当たりほぼ8ステッチである、いくつかの従来のタフティングシステムとは対照的に、本発明では、ステッチ分布制御システムによって実行される有効または効果 的プロセスステッチレートは、そのような標準的な従来の所望の織物ステッチレートより実質的に高くなる。本発明によるステッチ分布制御システムによって、この高められた有効または効果的プロセスステッチレートは、概して、完成タフト状物品に対する所望の織物ステッチレートまたは密度にほぼ同等になり、すなわち、物品は、その表側に1インチ当たり8、10、12ステッチ等の外観を有することに なり、これには、パターンの中で走らせている異なる色の数が乗じられる。したが って、本発明によるステッチ分布制御システムによって、タフト状物品の中に現れる、1インチ当たりほぼ10ステッチの所望の織物ステッチレートを達成するように概して実行される1/10ゲージ機械について、例えば、パターンの中に3つの色が存在する場合、ステッチ分布制御システムによって計算および実行される有効または効果的プロセスステッチレートは、所望のステッチレート(1インチ当たり 10ステッチ)に色の数(3)を乗じることによって決定され、1インチ当たりほぼ30ステッチの有効または効果的プロセスステッチとなり、一方で、4色の場合、4色パターンの有効または効果的プロセスステッチレートは、1インチ当たりほぼ40ステッチとなり、5色の場合 インチ当たりほぼ30ステッチの有効または効果的プロセスステッチとなり、一方で、4色の場合、4色パターンの有効または効果的プロセスステッチレートは、1インチ当たりほぼ40ステッチとなり、5色の場合は、1インチ当たり50ステッチ等となる。」(【0027】) 「図1-5Cに示されるように、裏打ち材料Bは、ステッチ分布制御システムに連結され、かつそれによって制御される駆動モータ51(図3)の操作によって、供給方向に沿ってタフティング領域を通して、または裏打ちロール29(図1、2A、および3)によって矢印33で示される経路を通して供給される。裏打ち材料Bは、概して、本発明のステッチ分布制御システムによって形成されているパター ンに対する、有効または効果的プロセスステッチレート(すなわち、パターンの色の数を乗じた所望の速度)で供給され、糸Y1-Y4(図1および3)を(タフト38を形成するように)裏打ち材料の中に挿入する針36によって係合される。裏打ち材料Bの供給は、ステッチ分布制御システムによって様々な方法で制御することができる。例えば、タフティング機裏打ちロール29は、針棒のステッチまたは サイクルの所定の数に対して裏打ち材料を適所に保持するように制御することができ、またはステッチの所望の数当たり漸増的に裏打ち材料を移動させること、すなわち、4つの色を伴い、1インチ当たり40ステッチの効果的ステッチレートの場合、1ステッチ挿入して1インチの1/40移動させる、または4ステッチ走らせて1インチの1/10移動させることができる。さらに、裏打ち材料の漸増移動は、 有効または効果的プロセスステッチレートの計算した漸増移動に実質的に合致する、 サイクルにわたる全てのステッチの平均移動によりステッチ単位で変動 さらに、裏打ち材料の漸増移動は、 有効または効果的プロセスステッチレートの計算した漸増移動に実質的に合致する、 サイクルにわたる全てのステッチの平均移動によりステッチ単位で変動させる、または操作することができる。例えば、図7Bに示されるような4色サイクルの場合、1つのステッチを1インチの1/80で、次の2つを1インチの1/40で、そして、4つ目を1インチの1/20で走らせることができ、4ステッチサイクル全体にわたる裏打ちの平均漸増移動は、所望のステッチ/色配置を達成するために、必 要に応じて、平均で1インチの1/40となる。」(【0031】)「101で示されるように、ステッチ分布制御システムはさらに、パターンに対する所望の織物ステッチレートまたは密度を、すなわち、1/10ゲージ機械の場合は1インチ当たり10ステッチ、1/8ゲージ機械の場合は1インチ当たり8ステッチ等といった機械のゲージに基づいて、自動的に計算または決定することがで き、および/または完成パターンの外観に対する計算された所望の織物ステッチレートまたは密度(すなわち、完成タフト状物品の表側に示される織物の1平方インチ当たり8-12ステッチ) に関して、操作者から入力を受信することができる。 図10Aに102で示されるように、タフトされる物品に対するパターンおよび所望の織物ステッチレートが、システムコントローラによって入力または決定/選択 されると、ステッチ分布制御システムはまた、図10Bに103で示されるように、糸供給制御ステップ等の付加的なパターンパラメータを決定するために、スキャンおよび/またはデザインされたパターン画像の色、および/または色の変化、ループまたはカットパイルタフトが形成されているか否か、パイル高さの差等といったテ パターンパラメータを決定するために、スキャンおよび/またはデザインされたパターン画像の色、および/または色の変化、ループまたはカットパイルタフトが形成されているか否か、パイル高さの差等といったテクスチャ特徴を読み取って認識することができる。操作者は加えて、スキャンお よび/またはデザインされたパターンで実行される、色の数および/またはパイル高さの差等といった他のパターンもしくはテクスチャ効果に関して問い合わせることができる。」(【0044】)「…上述のように、この効果的または有効プロセスステッチレートは、一般的に、従来の織物ステッチレートよりも実質的に高く、これは概して、機械ゲージに基づ くが、操作者は、所望の密度の織物重量を得るために、必要に応じてそれを調整す ることができる。本発明によって、例えば、操作者が、1インチ当たり所望の数、すなわち8、10、12ステッチ等の外観を有するパターンを望む場合、タフト状物品に対する所望の/従来の織物ステッチレートまたは密度は、外観の中に十分増大された密度を提供するために、および/または保持する、もしくは現されるべきではない糸を隠すようにパターン領域の中に形成されているタフトに対する1平方 インチ当たりの保持されたステッチを提供するために、16、24、30、40、60、またはそれ以上の増大された有効または効果的プロセスステッチレートを作成するよう、タフトされている色の数、例えば2色、3色、4色、5色等にほぼ同等の数だけ増大させることができる。」(【0047】)「各移行機構およびレベルカットループルーパまたはフック、カットパイルフッ ク、ループパイルルーパ、および/ またはカット/ループフックと連動して、および単に機械のゲージに基づいて、織物ステッチレー 行機構およびレベルカットループルーパまたはフック、カットパイルフッ ク、ループパイルルーパ、および/ またはカット/ループフックと連動して、および単に機械のゲージに基づいて、織物ステッチレートよりも実質的に増大した、または高密度である、有効または効果的プロセスステッチレートで走らせている裏打ち材料と連動して、種々の異なる色の糸を針に供給する糸供給パターン装置による糸の供給の制御は、本発明のステッチ分布制御システムが、より多くの様々な自由 に流れるパターンおよび/または裏打ち材料の中に形成される、織機で形成された外観を有するパターンを提供することを可能にする。…」(【0055】) 2 本件発明の技術的範囲への属否(争点1)について(1) 被告製品の構成被告製品が、別紙「被告製品の構成」の「被告製品の構成」欄記載のb~e、g 及びhの構成を有し、本件発明1に係る構成要件1B~1E、1G及び1Hを、本件発明2に係る構成要件2B~2E及び2Iを、本件発明3に係る構成要件3B~3D、3F、3F1及び3Gを充足することは当事者間に争いがない。争いのある、構成要件1A、1F、1G1~1G3、2A、2F~2H、3A、3E及び3F2の充足性につき検討する。 (2) 構成要件1A、2A及び3Aの充足性 ア構成要件1Aについて(ア) 被告製品において、「異なる色のヤーンを内部に含む」構成を有するかが争われている。 構成要件1Aは、「異なる色のヤーンを内部に含む、模様を有するタフティングされた物品を形成するためのタフティングマシンであって」と規定しており、「異 なる色のヤーンを内部に含む」は、「タフティングされた物品」を修飾すると解するのが自然である。 また、本件明細書1には、「本 を形成するためのタフティングマシンであって」と規定しており、「異 なる色のヤーンを内部に含む」は、「タフティングされた物品」を修飾すると解するのが自然である。 また、本件明細書1には、「本発明は概して、…タフティングマシンを通るバッキング材料内に様々な色のヤーンの配置を給送することを制御し、タフティングされた物品内に自由に流れる模様を形成することを可能にするためのシステムに関す る。」(【0002】)、「バッキング材料Bの所望の位置に、様々な色のヤーンY1~Y4などを配置することを制御し、バッキング材料Bの中で様々に変化する、または様々な自由に流れる色のついた模様効果を有するタフティングされた物品を形成するために、タフティングマシン10が提供される。」(【0042】)との記載があり、【図6】は、異なる色のヤーンがタフティングされた物品を形成する際の模 様を図示している。これらによれば、本件発明1は、概要、バッキング材料の所望の位置に様々な色のヤーンを配置することを制御する発明であると認められる。 以上によれば、「異なる色のヤーンを内部に含む」とは、タフティングされた物品が異なる色のヤーンを含むことを特定するものと認められる。 そうであるところ、被告製品が多色のタフティングされた物品を形成することが 可能なタフティングマシンであることは当事者間に争いがないから、被告製品は、「異なる色のヤーンを内部に含む」構成を有するものと認められる。 (イ) これに対し、被告は、「異なる色のヤーン」を含むのはタフティングマシンの「内部」であるとの解釈を前提に、被告が出荷する段階において、被告製品はヤーンを備えていないこと、また、仮に、「異なる色のヤーンを内部に含む」対象が 「タフト状物品の内部」と解釈したとしても の「内部」であるとの解釈を前提に、被告が出荷する段階において、被告製品はヤーンを備えていないこと、また、仮に、「異なる色のヤーンを内部に含む」対象が 「タフト状物品の内部」と解釈したとしても、被告製品にセットする複数のヤーン について、操作者が単色か複色かを任意に構成することができることから、複数の色を前提とする構成要件1Aを充足しない旨を主張する。 しかし、「異なる色のヤーンを内部に含む」のは「タフティングされた物品」であって「タフティングマシン」ではないことは前記(ア)のとおりである。また、被告製品が単色のタフティングされた物品を形成することが可能であったとしても、複 色のタフティングされた物品を形成することができる以上、構成要件1Aの充足性に影響を与えるものではない。被告の前記主張は採用することができない。 (ウ) したがって、被告製品は構成要件1Aを充足する。 イ構成要件2A及び3Aについて構成要件2Aの「異なる色のヤーンを含む…タフティングされた物品」及び3A の「異なる糸を含むパターン化タフト状物品」の文言も、構成要件1Aと同様に、タフティングされた物品が異なる色のヤーンを含むことを特定する又はそのようなことを含むものであると認められる。 したがって、被告製品は、構成要件2A及び3Aを充足する。 (3) 構成要件1F、2F及び3Eの充足性 ア構成要件1Fについて(ア) 被告製品において、LOOPERがNEEDLEと「係合する位置」にあるかが争われている。 構成要件1Fは、「該一連のゲージ部品は、該タフティングゾーンの下に取り付けられ、該針が該バッキング材料の中に往復して該バッキング材料にヤーンのタフ トを形成するとき、該少なくとも1つの針棒の該針と係合する位置にある のゲージ部品は、該タフティングゾーンの下に取り付けられ、該針が該バッキング材料の中に往復して該バッキング材料にヤーンのタフ トを形成するとき、該少なくとも1つの針棒の該針と係合する位置にある」と規定しており、構成要件1Fは、ゲージ部品が、針の往復運動中に、針と係合する位置にあることを特定している。 「係合」の字義は、「クラッチの作動によって、トルクの伝達があること」(JIS用語大辞典第5版)や「係わりあうこと」(特許技術用語集第3版)であり、 必ずしも物理的に接触することに限定されるものではない。 また、本件明細書1には、「ルーパまたはフックアセンブリは概して、タフティングゾーンの下に提供され、針がバッキング材料を貫通するとき針と係合し、それによって針からヤーンのループをつまみかつ/またはこれらを引くように適合される位置にある。」(【0010】)、「一連のレベルカットループルーパまたはフックが、ヤーンのループと係合し、これらを針からつまみ、レベルカットループルーパ またはフックのクリップが選択的に作動させられ、カットパイルタフトを形成し」(【0039】)、「針がバッキング材料を貫通するとき、ルーパ/フックアセンブリ32によって係合され、それによってヤーンのループを形成し」(【0053】)との記載がある。これらによれば、ルーパ又はフックアセンブリが針と係合する位置にあるのは、針がバッキング材料を貫通するときに形成されたヤーンのループをつま み(受け取り)、ヤーンのループを引くことができるようにするためであると解される。 以上によれば、「ゲージ部品は…針と係合する位置にある」とは、ルーパ又はフックアセンブリ等のゲージ部品と針が必ずしも物理的に接触する位置にあることを指すものではなく、針に形成された と解される。 以上によれば、「ゲージ部品は…針と係合する位置にある」とは、ルーパ又はフックアセンブリ等のゲージ部品と針が必ずしも物理的に接触する位置にあることを指すものではなく、針に形成されたヤーンのループを、ルーパ等に受け取らせるこ とが可能な程度に、相互に近接した位置にあることを特定するものであると認められる。 そうであるところ、被告製品のLOOPERは、針に形成されたヤーンのループに対応する位置に設けられていることは当事者間に争いがないから、被告製品のLOOPERは、針と係合する位置にあると認められる。 (イ) これに対し、被告は、被告製品において、一連なりのLOOPERが係合するのは糸であって、針とは係合しない旨を主張するが、前記(ア)のとおり、構成要件1Fは、ゲージ部品が針と物理的に接触することを要求するものではない。被告の前記主張は採用することができない。 (ウ) したがって、被告製品は構成要件1Fを充足する。 イ構成要件2F及び3Eについて 構成要件2F及び3Eの「係合する位置」の文言についても、構成要件1Fと同様に、ゲージ部品は、針に形成されたヤーンのループを、ルーパ等に受け取らせることが可能な程度に、相互に近接した位置にあることを特定するものであると認められる。 したがって、被告製品は、構成要件2F及び3Eを充足する。 (4) 構成要件1G1及び2Gの充足性ア構成要件1G1について(ア) 被告製品において、「針棒シフターと協働して…選択された高さのヤーンのタフトを形成」する構成を有するかが争われている。 構成要件1G1は、「該制御システムは…針棒シフターと協働して…ヤーンを該 針に給送することを制御することによって、選択された高さのヤー のタフトを形成」する構成を有するかが争われている。 構成要件1G1は、「該制御システムは…針棒シフターと協働して…ヤーンを該 針に給送することを制御することによって、選択された高さのヤーンのタフトを形成し、」と規定しており、制御システムが、針棒シフターと協働して、ヤーンの給送速度を制御して、選択された高さのヤーンを形成することを特定している。そして、構成要件1Eは、「針棒を該タフティングゾーンを横切って横方向にシフトするための少なくとも1つの針棒シフター」と規定しており、針棒シフターは、針棒 を横方向に移動させる機構であることを特定している。 また、本件明細書1には、「ヤーン色配置システムはさらに概して、タフティングされる物品に対してプログラムされた模様のシフトプロファイルと連係して、ヤーンをそれぞれの針に給送することを制御するための、模様ヤーン給送メカニズムまたはアタッチメントを含む。」(【0009】)、「針が、その往復運動の間に、矢 印37'(図2)の方向にバッキング材料から引込められるとき、模様ヤーン給送アタッチメントまたはヤーン給送メカニズム27/28(図1)によるヤーンの給送も、針をシフトして各模様フィールドにおいて選択された位置でヤーンの高いタフトを選択的に形成し、かつヤーンの低いタフトを形成すること連携して、ステップ107(図7)で示されるように制御される。選択されない色(隠される色、従 ってそのステップで縫われている模様の特定の色フィールドにおいて見えない色) のヤーンの給送は、これらのヤーンの各々を供給するヤーン給送メカニズムによって制御され、これらのヤーンが、バックロブされるか、もしくは引かれて低くされるか、またはバッキング材料から引抜かれ、それによってバッキング材料の裏 らのヤーンの各々を供給するヤーン給送メカニズムによって制御され、これらのヤーンが、バックロブされるか、もしくは引かれて低くされるか、またはバッキング材料から引抜かれ、それによってバッキング材料の裏で「フロート…」して、低いタフトを形成する。」(【0062】)などの記載がある。これらによれば、ヤーン色配置システムは、プログラムされた模様のシフトプロファイ ルと連係し、ヤーンの給送を制御して、各模様フィールドにおいて、選択された色のヤーンが所定の高さのタフトを形成し、選択されない色のヤーンが引き下げられるか引き抜かれるものと認められる。 以上によれば、「該システムは…針棒シフターと協働して…選択された高さのヤーンのタフトを形成」とは、針棒シフターがヤーン(タフト)の高さを制御するの ではなく、制御システムが、横方向に動く針棒シフターと連携して、所定の色のヤーンが選択され、選択された色のヤーンを所定の位置で所定の高さのタフトとなるよう、ヤーンの給送を制御することを特定するものであると認められる。 そうであるところ、被告製品の制御システムは、選択された色のヤーンが所定の位置で所定の高さのタフトを形成し、選択されない色のその他のヤーンは引き抜か れる又は引き下げられることで模様を形成するように制御する際に、一連のNEEDLEを備えたNEEDLEBARを横方向にスライドさせる動作、すなわち、「針棒シフターと協働」することを伴うものであることが認められる(甲5~8(各枝番号)、乙8、弁論の全趣旨)。 (イ) これに対し、被告は、被告製品において、タフトを形成する高さを制御する のはヤーンの給送速度であって「シフターと協働」するものではない旨を主張するが、前記(ア)のとおり、構成要件1G1は、シフターがタフトの高さを制 告製品において、タフトを形成する高さを制御する のはヤーンの給送速度であって「シフターと協働」するものではない旨を主張するが、前記(ア)のとおり、構成要件1G1は、シフターがタフトの高さを制御することを規定するものではないから、タフトの高さがシフターによって制御されることを前提とする被告の前記主張は採用することができない。 (ウ) したがって、被告製品は、構成要件1G1を充足する。 イ構成要件2Gについて 構成要件2Gの「該制御システムは…針棒シフターと協働して…該ヤーンの高いタフトを形成」との文言についても、構成要件2Hの文言と併せると、構成要件1G1と同様に、制御システムが、横方向に動く針棒シフターと連携して、所定の色のヤーンが所定の位置で高いタフトとなるよう、ヤーンの給送を制御することを特定するものであると認められる。 したがって、被告製品は、構成要件2Gを充足する。 (5) 構成要件1G2、2H及び3F2の充足性ア構成要件1G2について(ア) 被告製品において、「規定されたスティッチ速度よりも大きな有効スティッチ速度で…バッキング給送ロールを制御」する構成を有するかが争われている。 構成要件1G2は、「該ヤーンのタフトが、該タフティングされた物品の模様の外観が該模様の規定されたスティッチ速度で形成されるように該タフティングされた物品を形成するのに十分なだけ該タフティングされた物品の模様の該規定されたスティッチ速度よりも大きな有効スティッチ速度で該バッキング材料において形成されるように、該バッキング材料を給送するために該バッキング給送ロールを制御」 することを規定し、構成要件1G3は、「該規定されたスティッチ速度は、該タフティングマシンのゲージに従って決 形成されるように、該バッキング材料を給送するために該バッキング給送ロールを制御」 することを規定し、構成要件1G3は、「該規定されたスティッチ速度は、該タフティングマシンのゲージに従って決定される」ことを規定しているが、「規定されたスティッチ速度」がゲージと一致することに限定される旨の記載はない。これらによれば、「有効スティッチ速度」でバッキング給送ロールが制御されるものであり、「有効スティッチ速度」が実際に打ち込まれるスティッチの密度に関する概念 であること、「規定されたスティッチ速度」がタフティングされた模様の外観を形成する「スティッチ速度」であること、「有効スティッチ速度」は「規定されたスティッチ速度」よりも大きいこと、「規定されたスティッチ速度」がタフティングマシンのゲージに従って決定されることが、それぞれ特定されているといえる。 また、本件明細書1には、「通常、ヤーン配置システムによって走らせられる動 作または有効スティッチ速度は、プログラムされた模様において走らせられる色の 数倍の所望のまたは規定されたスティッチ速度または1インチ(2.54cm)当たりのスティッチの数にほぼ相当し、所望のまたは規定されたスティッチ速度または1インチ(2.54cm)当たりのスティッチの数は、バッキング材料が給送される速度とタフティングマシンのゲージとに基づく。」(【0011】)、「一部の従来のタフティングシステムにおいては、その速度によって走らせられるタフティン グ模様に対するスティッチ速度は概して、タフティングマシンのゲージと一致し、タフティングマシンのゲージは概して、縦糸方向の1インチ(2.54cm)当たりの針数に相当し…、縦糸方向の1インチ(2.54cm)当たりの針数は概して、タフト列が形成される マシンのゲージと一致し、タフティングマシンのゲージは概して、縦糸方向の1インチ(2.54cm)当たりの針数に相当し…、縦糸方向の1インチ(2.54cm)当たりの針数は概して、タフト列が形成される横糸方向の1インチ(2.54cm)当たりのスティッチの数に等しい。…通常、本発明のヤーン色配置システムでは、この高められた有効ス ティッチ速度は、模様において走らせられる異なる色の数倍の所望のスティッチ速度(概して、タフティングマシンのゲージに基づく)に相当する。」(【0049】)、「本発明のヤーン色配置システムに関しては、1インチ(2.54cm) 当たりほぼ10スティッチの所望のスティッチ速度を使用して概して運転される10分の1ゲージマシンに対して、模様の中に3色ある場合、ヤーン色配置システムによって 運転される動作または有効スティッチ速度は、色の数(3)倍の所望のスティッチ速度(1インチ(2.54cm)当たり10スティッチ)によって決定され、有効スティッチ速度は、1インチ(2.54cm)当たりほぼ30スティッチである。」(【0050】)、「さらなる結果として、高いタフト(タフティングされた完成品において見える色)の数は概して、タフティングマシンに対する所望のスティッチ速 度と一致し得る。」(【0062】)などの記載がある。これらによれば、「スティッチ速度」は単位長さ(例えば1インチ)当たりのスティッチ数(針数)をいい、「規定されたスティッチ速度」は、タフティングマシンのゲージに基づき決定され、「有効スティッチ速度」は、「規定されたスティッチ速度」より大きく、使用されるタフトの色の数倍となることが認められる。一方、本件明細書1には、「規定された スティッチ速度」がゲージと一致することに限定される旨の記載はない。 スティッチ速度」より大きく、使用されるタフトの色の数倍となることが認められる。一方、本件明細書1には、「規定された スティッチ速度」がゲージと一致することに限定される旨の記載はない。 以上の構成要件1G2及び1G3の文言並びに本件明細書1の記載によれば、「有効スティッチ速度」は実際に打ち込まれるタフトの密度であり、「規定されたスティッチ速度」は所望の模様として見える単位長さ当たりのスティッチ数(タフトの密度)であること、「有効スティッチ速度」は、「規定されたスティッチ速度」より大きいことが認められ、構成要件1G2は、タフティングされた物品の外観が所 望の模様となるように、模様として見えるタフトよりも実際に打ち込むタフトが多くなるようにバッキング給送ロールを制御することを特定するものであると認められる。 そうであるところ、被告製品が、タフティングされた物品の外観が、実際に打ち込むスティッチ数から、引き下げるヤーンのスティッチ数を除いた単位長さ当たり のスティッチ数、すなわち、規定されたスティッチ速度となるようにバッキング給送速度を制御していることは当事者間に争いがなく、このような被告製品の制御方法は、タフティングされた物品の外観が所望の模様となるように、それよりも多くのタフトを実際に打ち込むものであると認められる。 (イ) これに対し、被告は、「規定されたスティッチ速度」はゲージの密度と一致 するカーペットに残すべきタフトのことであり、本件発明1は、作成される模様におけるスティッチ方向の単位長さ当たりのスティッチ数がゲージ通りになるようにバッキング給送速度を制御する発明である旨を主張するが、「規定されたスティッチ速度」がゲージの密度と一致するカーペットに残すべきタフトのことであるとは解さ たりのスティッチ数がゲージ通りになるようにバッキング給送速度を制御する発明である旨を主張するが、「規定されたスティッチ速度」がゲージの密度と一致するカーペットに残すべきタフトのことであるとは解されない。被告の前記主張は採用することができない。 また、被告は、被告製品がゲージに基づくスティッチレートの制御を行っていないから、「規定されたスティッチ速度」や「有効スティッチ速度」の構成を有しない旨主張するが、後記(6)アのとおり、被告製品は、規定されたスティッチ速度をゲージに従って決定することが可能といえるから、被告の主張は認められない。 (ウ) したがって、被告製品は、構成要件1G2を充足する。 イ構成要件2Hについて (ア) 構成要件2Hの「有効処理スティッチ速度」及び「所望のスティッチ速度」はそれぞれ同1G2の「有効スティッチ速度」及び「規定されたスティッチ速度」と同義であると考えられる(当事者もこの点は争っていない。)。構成要件2Hについても、その文言から、同1G2と同様に、タフティングされた物品の外観が所望の模様となるように、模様として見えるタフトよりも実際に打ち込むタフトが多 くなるようにバッキング給送ロールを制御することを特定するものであると認められる。 (イ) また、構成要件2Hは、「該高められた有効処理スティッチ速度は、該模様を形成する異なる色のヤーンを乗じた」ものであることを規定し、有効処理スティッチ速度は模様の形成に使用されるヤーンの色の数を乗じたものであることを特定 している。そして、前記ア(ア)と同様に、本件明細書2の記載によれば、「有効スティッチ速度」は、「規定されたスティッチ速度」より大きく、使用されるタフトの色の数倍となることが認められる。これらによれ している。そして、前記ア(ア)と同様に、本件明細書2の記載によれば、「有効スティッチ速度」は、「規定されたスティッチ速度」より大きく、使用されるタフトの色の数倍となることが認められる。これらによれば、構成要件2Hの「該高められた有効処理スティッチ速度は、該模様を形成する異なる色のヤーンの数を乗じた」とは、有効処理スティッチ速度は、模様の形成に使用されるヤーンの色の数を乗じ た単位長さ当たりスティッチ数であることを特定するものであると認められる。 そうであるところ、証拠(甲12の1、13、乙8)及び弁論の全趣旨によれば、被告製品は、4色のヤーンを使用した場合において、1インチ当たりに打ち込むスティッチ数を16、24、32、40に設定することが可能であることが認められ、有効処理スティッチ速度が使用されるヤーンの色の数を乗じたスティッチ数となっ ていることが認められる。 (ウ) したがって、被告製品は、構成要件2Hを充足する。 ウ構成要件3F2構成要件3F2の「効果的ステッチレート」及び「所望の織物ステッチレート」はそれぞれ同1G2の「有効スティッチ速度」及び「規定されたスティッチ速度」 と同義であると考えられる(当事者もこの点は争っていない。)。構成要件3F2 についても、その文言及び本件明細書3(【0013】【0027】等)の記載から、同1G2と同様に、タフティングされた物品の外観が所望の模様となるように、模様として見えるタフトよりも実際に打ち込むタフトが多くなるようにバッキング給送ロールを制御することを特定するものであると認められる。 したがって、被告製品は、構成要件3F2を充足する。 (6) 構成要件1G3の充足性ア被告製品において、規定されたスティッチ速度が「ゲージに ことを特定するものであると認められる。 したがって、被告製品は、構成要件3F2を充足する。 (6) 構成要件1G3の充足性ア被告製品において、規定されたスティッチ速度が「ゲージに従って決定される」構成を有するかが争われている。 構成要件1G3は、「該規定されたスティッチ速度は、該タフティングマシンのゲージに従って決定される」と規定しており、規定されたスティッチ速度がゲージ に従って決定されることを特定している。 また、前記(5)アのとおり、本件明細書1には、規定されたスティッチ速度は、バッキング材料が給送される速度とタフティングマシンのゲージとに基づくこと(【0011】)、一部の従来のタフティングシステムにおいては、有効スティッチ速度は概してタフティングマシンのゲージと一致し、タフティングマシンのゲージは 縦糸方向の1インチ(2.54cm)当たりの針数に相当し、縦糸方向の1インチ当たりの針数は概して横糸方向の1インチ当たりのスティッチの数に等しく、通常、本発明のヤーン色配置システムでは、この高められた有効スティッチ速度は、模様において走らせられる異なる色の数倍の規定されたスティッチ速度(概して、タフティングマシンのゲージに基づく)に相当すること(【0049】)が記載されている。 以上によれば、構成要件1G3は、規定されたスティッチ速度がゲージ(針同士の間隔)に従って決定されることを特定するものであると認められる。 そうであるところ、証拠(乙8)及び弁論の全趣旨によれば、1/8ゲージ(1インチ当たり8つの針があるゲージを有するもの)の被告製品において、4色のタフトを使用して、1インチ当たりに打ち込むスティッチ数が16、24、32、4 0、作成される模様における1インチ当たりのスティッ り8つの針があるゲージを有するもの)の被告製品において、4色のタフトを使用して、1インチ当たりに打ち込むスティッチ数が16、24、32、4 0、作成される模様における1インチ当たりのスティッチ数が4、6、8、10と なるように、すなわち、ゲージに対し、作成される模様の1インチ当たりのスティッチ数が一定数となるように設定することが可能であることが認められ、被告製品は、規定されたスティッチ速度をゲージに従って決定することが可能であるものと認められる。 イしたがって、被告製品は、構成要件1G3を充足する。 (7) 以上から、被告製品は、構成要件1A、1F、1G1~1G3、2A、2F~2H、3A、3E及び3F2を充足し、本件発明の技術的範囲に属する。 3 乙4発明に基づく本件発明3の新規性欠如の有無(争点2-2)について事案に鑑み、争点2-2から検討する。 (1) 乙4公報は、発明の名称を「タフト作製機械のための糸送りシステム」とす る公表特許公報であり、次の記載がある。 ア技術分野「(発明の分野)本発明は、一般的には、カーペットのタフト作製機に関し、具体的には、タフト作製機の針に対する個々の糸送りを制御する糸送りシステムまたはパターン取付具に関する。」(【0002】) イ背景技術「従来、パターン取付具を有するタフト作製機の針に対して、選択された糸のグループの送りを制御するため、パターン取付具、たとえば、ロールまたはスクロール・パターン取付具が使用されてきた。そのようなロールおよび/またはスクロール・パターン取付具は一連の糸送りロールを含み、これらの糸送りロールは、選択 された糸のグループを、選択された針へ送る。これらの送りロールの動作を制御することによって、 および/またはスクロール・パターン取付具は一連の糸送りロールを含み、これらの糸送りロールは、選択 された糸のグループを、選択された針へ送る。これらの送りロールの動作を制御することによって、針に対する糸の送りレートが制御され、タフト作製機を通過する基材に形成される糸のタフトのパイルの高さが変更され、隣接するタフトによって幾つかの糸のタフトがバックロブおよび隠され、異なったパターン・リピートが基材の幅を横切って形成されることが可能になる。」(【0004】) ウ課題を解決するための手段 「(要旨)簡単に述べれば、本発明は、一般的に、タフト作製機へ取り外し可能に取り付けられ、タフト作製機の各々の針へ一連の糸を個々に送るように構成された糸送りシステムまたはパターン糸送り取付具に関する。個々の糸の各々の針への送りは、糸送りシステムによって独立に制御され、必要または所望に応じて向上した精度および制御を提供し、プログラムされたカーペット・パターン命令に従って タフト作製機を通過する基材に糸のタフトを形成する。本発明の糸送りシステムは、一般的に、タフト作製機へ解放可能に取り付けられ、および/または、除去されることのできる標準化された自立型ユニットまたは取付具として構成可能な糸送りユニットを含み、タフト作製機の針の数に依存して必要な複数の糸送りユニットを順次にタフト作製機へ取り付けることを可能にする。」(【0008】) エ発明を実施するための最良の形態「(発明の詳細な説明)ここで図面を詳細に参照すると、同様の数字は幾つかの図面を通して同様の部品を示す。図1~図6は、本発明の糸送り制御システムまたは糸送りパターン取付具10を示す。装置10はタフト作製機11(図1および図2)へ解放可能に取り付けられ 様の数字は幾つかの図面を通して同様の部品を示す。図1~図6は、本発明の糸送り制御システムまたは糸送りパターン取付具10を示す。装置10はタフト作製機11(図1および図2)へ解放可能に取り付けられ、個々の糸12がタフト作製機11の針13へ送ら れるのを制御する。本発明の糸送りシステムは、プログラムまたは所望されるカーペット・パターンを形成するため、各々の針への個々の糸の送りを独立に制御して、タフト作製機を通り針13の下を通過する基材14に、より大きな精度および制御で糸のタフトが形成されることを可能にする。」(【0015】)「図2で示されるように、タフト作製機11は、一般的に、米国特許第5,97 9,344号で開示されるような従来型タフト作製機を含む。このタフト作製機は、間隔を空けられた列で取り付けられた針13を保有する少なくとも1つの往復針棒17を往復駆動する機械駆動または主駆動シャフト(図示されず)が支持されるフレーム16、タフト作製機の針13の下に画定されるタフト作製領域を通して、矢印21によって示された送り方向へ基材14を送るスパイクロール19を含む基材 送りロール18、および針13へ糸を直接引っ張って送る引っ張りロール22を有 する。本発明は、横方向でシフト可能なシングルおよびデュアルのシフト可能針棒17を有する機械、および複数の列形または食い違い針行を取り付けられた単一の往復針棒を有する機械を含む本質的に任意のタフト作製機11で利用できることが理解されるであろう。針棒が往復するにつれて、針13は、通過する基材14と係合しない上昇位置と、基材の中に糸のループまたはタフトを形成するため基材を通 して延長され、タフト作製機のベッド板24の下に取り付けられた一連のルーパ(looper)23また 過する基材14と係合しない上昇位置と、基材の中に糸のループまたはタフトを形成するため基材を通 して延長され、タフト作製機のベッド板24の下に取り付けられた一連のルーパ(looper)23またはフックと係合する下降係合位置との間を、垂直に移動する。」(【0016】)「図2で示されるように、タフト作製機11は、さらに、一般的に、米国特許第5,979,344号で開示されるようなタフト作製機コントローラまたは制御ユ ニット26を含む。制御ユニット26は、タフト作製機の様々な動作要素、たとえば、針棒の往復、基材の送り、針棒のシフト、ベッド板の位置などをモニタおよび制御する。機械コントローラ26は、典型的には、制御コンピュータまたはプロセッサ28を格納するキャビネットまたはワークステーション27、およびユーザ・インタフェース29を含む。ユーザ・インタフェース29は、モニタ31および入 力装置32、たとえば、キーボード、マウス、キーパッド、描画タブレット、または当業者によって認識される類似の入力装置またはシステムを含むことができる。 さらに、モニタ31は、タフト作製機コントローラへの作業者入力を可能にするタッチ・スクリーン型モニタであってよい。」(【0017】)「タフト作製機コントローラ26は、一般的に、タフト作製機の様々な動作また は駆動要素からのフィードバックを制御およびモニタし、たとえば、主軸駆動モータ34を制御して針の往復を制御するため主軸エンコーダ33からフィードバックを受け取り、また基材送りロールの駆動モータ37を制御して基材のステッチ・レートまたは送りレートを制御するため基材送りエンコーダ36からのフィードバックをモニタする。さらに、針に関してさらなる位置フィードバックを提供するフレ ーム位置に、 制御して基材のステッチ・レートまたは送りレートを制御するため基材送りエンコーダ36からのフィードバックをモニタする。さらに、針に関してさらなる位置フィードバックを提供するフレ ーム位置に、針センサまたは近接スイッチ(図示されず)を取り付けることができ る。さらに、シフト可能針棒タフト作製機については、コントローラ26は、さらに、一般的に、プログラムされたパターン命令に従って針棒17をシフトするため、針棒シフト機構38(図2)の動作をモニタおよび制御する。」(【0018】)「作業者は、デザイン・センターのコンピュータ41で、パターン・データ・ファイル、および可能性として、所望のカーペット・パターンのグラフィック表現を 作成することができる。コンピュータ41は、そのようなカーペット・パターンをタフト作製機でタフトにするために要求される様々なパラメータを計算する。そのような計算には、糸送りレート、パイル高、基材の送りまたはステッチ・レート、およびパターンをタフトにするために要求される他のパラメータの計算が含まれる。 これらのパターン・データ・ファイルは、典型的には、機械コントローラ、フロッ ピー(登録商標)ディスクまたは類似の記録メディアへダウンロードまたは転送されるか、デザイン・センターまたはネットワーク・サーバでメモリに記憶されて、後でタフト作製機コントローラへ転送および/またはダウンロードされることができる。さらに、デザイン・センターに機械が置かれ、および/または機械コントローラがデザイン・センターの機能またはプログラムされた構成要素を有する場合、 必ずしも要求されないが、デザイン・センター40および/または機械コントローラ26が普通のインターネット・プロトコル(即ち、ウェブ・ブラウザ、FTPな プログラムされた構成要素を有する場合、 必ずしも要求されないが、デザイン・センター40および/または機械コントローラ26が普通のインターネット・プロトコル(即ち、ウェブ・ブラウザ、FTPなど)をプログラムされてそれを使用し、モデム、インターネット、またはネットワーク接続を有して、リモート・アクセスおよびトラブル・シューティングを可能にすることが好ましい。」(【0020】) 「図1および図2で示されるように、本発明の糸送りシステム10は、一般的に、実質的に標準化された自立型ユニットまたは取付具として構成可能な糸送りユニットまたは取付具50を含む。この取付具は、1部品ユニットまたは取付具としてタフト作製機フレーム16へ解放可能に取り付けられ、そこから取り外すことができる。したがって、本発明は、タフト作製機の所定数またはセットの針への個々の糸 の送りを制御できる実質的に標準化された糸送りユニットの製作を可能にする。そ の結果、本発明の糸送り取付具またはシステムが、タフト作製機と一緒に製作され、次に分解され、運搬され、顧客の工場または現場で再び組み立てられる特注デザイン・ユニットまたはシステムとして構成される代わりに、本発明は標準化された実質的に均一の糸送りユニットの構成を可能にし、この糸送りユニットは、取り付けられるタフト作製機とは独立に製作され、貯蔵され、出荷されることができる。本 発明の糸送りユニットは、さらに、新しい機械構成の一部分として、または現場での改良部品または変換部品として、タフト作製機に取り付けることができる。その場合、一連の糸送りユニットは、タフト作製機の針の数に依存して、在庫品から選択および取り除き、タフト作製機へ順次に取り付けることができる。」(【0021】)「図1~図3で けることができる。その場合、一連の糸送りユニットは、タフト作製機の針の数に依存して、在庫品から選択および取り除き、タフト作製機へ順次に取り付けることができる。」(【0021】)「図1~図3で示されるように、糸送りユニット50は、さらに、一連の糸送り 装置70を含む。糸送り装置70は、糸送りユニットのハウジング56の中に受け取られ、取り外し可能に取り付けられる。糸送り装置は、一般的に、個別または単一端の糸送り制御のため、個々の糸と係合してタフト作製機の関連する針へ送るが、ある構成では、さらに、針の選択されたセットまたはグループへ複数の糸を送るため糸送り装置を使用することができる。たとえば、2,000本の針を有する機械 では、各々の糸送りユニットは2つ以上の糸を制御することができ、針へ糸を送るため1,000個以下の糸送りユニットを使用することができる。糸送りユニットは、典型的には、所定数または一連の糸送り装置を設けられ、これらの糸送り装置は、典型的には、タフト作製機のある複数の針に対応する。たとえば、糸送りユニットは、典型的には、取り外し可能に取り付けられる約192個の糸送り装置70 を有するように製作されることができる(もっとも、より大きいか少ない糸送り装置を有する他の構成も使用することができる)。このようにして、糸送りユニットは、実質的に標準的な取付具またはユニットとして製作されることができ、必要に応じて使用される在庫品として製作および貯蔵され、タフト作製機の構成と一緒に本発明の糸送りユニットを特注で製作および組み立てることを必要としない。した がって、タフト作製機のパターン糸送り取付具が必要とされるとき、本発明に従っ た一連の糸送りユニットまたは取付具が在庫品から取り除かれて、タフト作製機 ることを必要としない。した がって、タフト作製機のパターン糸送り取付具が必要とされるとき、本発明に従っ た一連の糸送りユニットまたは取付具が在庫品から取り除かれて、タフト作製機の幅を横切って順次に取り付けられる。糸送りユニットの数は、タフト作製機の針の数、および糸送り装置によって制御される糸の数に依存して選択される。」(【0024】)「図2で示されるように、本発明の糸送り制御システム10は、一般的に、システム・コントローラ165を含む。システム・コントローラ165はワークステー ション166(図2で示される)を含むことができる。ワークステーション166はPC型コンピュータ167を有し、コンピュータ167は、典型的には、モニタ168およびユーザ入力169、たとえば、キーボード、マウス、描画パッド、キーパッド、または類似の入力機構を有する。…」(【0041】)「…システム・コントローラは、さらに、そのような通信パッケージまたはシス テムによって、遠隔で、またはLAN/WAN接続を介してデザイン・センター・コンピュータ40へアクセスまたは接続されることができ、デザイン・センター自身に保存されたパターンまたはデザインをシステム・コントローラへダウンロードまたは転送させ、本発明の糸送りユニットを動作させることができる。システム・デザイン・センター・コンピュータは、さらに、描画またはパターン・デザイン機 能または能力に加えて動作制御を有し、この動作制御によって、システム・デザイン・センター・コンピュータは、糸送りモータを動作可能または動作不可能にし、糸送りパラメータを変更し、エラー条件をチェックおよびクリアし、糸送りモータを案内することができる。前述したように、パターンを描画またはプログラム/作成 糸送りモータを動作可能または動作不可能にし、糸送りパラメータを変更し、エラー条件をチェックおよびクリアし、糸送りモータを案内することができる。前述したように、パターンを描画またはプログラム/作成する能力を含むそのようなデザイン・センター構成要素は、さらに、プログラム されたパターン命令をシステム・コントローラへ通信するタフト作製機コントローラ26に設けるか、さらにシステム・コントローラ自身の上にプログラムまたは設置することができる。したがって、システム・コントローラはデザイン・センター能力を提供され、作業者はシステム・コントローラで所望のカーペット・パターンを直接描画および作成することができる。」(【0048】) 「さらに、糸送りユニット・システム・コントローラは、別個のワークステーシ ョンを含むように開示されたが、さらに、全体的な動作制御システムの一部分として、タフト作製機コントローラ26を有するシステム・コントローラを含めることができ、糸送りユニット・システム・コントローラおよび/またはタフト作製機コントローラの制御機能は、単一の作業者インタフェースを有するそのような動作制御システムによってプログラムおよび作動されることが、当業者によって理解され るであろう。その結果、本発明は、さらに、タフト作製機制御によって糸送りユニットの直接制御を可能にし、タフト作製機および糸送りユニットの全ての局面を制御する単一のワークステーションまたは制御システムを提供する。このような制御システムは、さらに、タフト作製機で所望のカーペット・パターンを直接デザイン、作成、およびプログラムする能力を含み、パターン命令は、タフト作製機および糸 送りユニットの動作の全体的制御の一部分としてタフト作製機コントローラによって カーペット・パターンを直接デザイン、作成、およびプログラムする能力を含み、パターン命令は、タフト作製機および糸 送りユニットの動作の全体的制御の一部分としてタフト作製機コントローラによって実行され、所望のパターンが生成される。」(【0049】)「代替的に、パターンまたはパターン・データ・ファイルは、ステップ207で示されるようにデザイン・センターで作成され、タフト作製機、またはタフト作製機のシステム・コントローラへダウンロードまたは入力される。前述したように、 デザイン・センターが独立形または遠隔デザイン・センター40(図2)を含むか、タフト作製機および/またはシステム・コントローラ26および165が、それぞれ、デザイン・センターの構成要素または機能を設けられることができる。デザイン・センターの構成要素または機能には、パターンを描画または作成するデザイン・センター・ソフトウェアおよびツール、たとえば、描画タブレット、マウス、およ び他の入力装置が含まれる。207(図8)で示されるように、デザイン・センターで作成および/またはダウンロードされるパターンについては、ステップ208で、デザイナまたは作業者は新しいパターンをデザインするか、メモリに前もって記憶されたパターンを呼び出すかを選択することができる。もし作業者またはデザイナが、図209で示されるように、新しいパターンのデザインを望むならば、デ ザイナは所望のパターン要件またはエフェクトを入力する。入力は、たとえば、デ ザイン・センターのモニタで表示される所望のパターンを描画することによって行われるか、および/または、パイルの高さ、ステッチ・レート、シフトまたはステップ・シーケンスなどを含む様々なカーペット・パターン・パラメータをプログラム される所望のパターンを描画することによって行われるか、および/または、パイルの高さ、ステッチ・レート、シフトまたはステップ・シーケンスなどを含む様々なカーペット・パターン・パラメータをプログラムすることによって行われる。」(【0054】) 【図2】 (2) 乙4発明の構成乙4公報の発明の詳細な説明や【図2】の記載内容に照らすと、乙4公報は、本 件発明3に対応して、別紙「無効主張(本件発明3・新規性欠如)」の「被告の主張」の「乙4発明の構成」欄記載の各構成を有する乙4発明を開示しているものと認められる。 (3) 本件発明3と乙4発明との相違点本件発明3と乙4発明を対比すると、次の相違点を認めることができる。 ア相違点3-1 構成要件3Aにおいて、本件発明3は「複数の異なる糸」とされているのに対し、乙4発明は「複数の糸」が使用されているが、それが「異なる糸」であるか否かは明示されていない点イ相違点3-2構成要件3F1において、本件発明3は「一連の糸の中の糸を選択的に保持する」 とされているのに対し、乙4発明はこのような構成が明示されていない点ウ相違点3-3構成要件3F2において、本件発明3は「該パターン化タフト状物品を形成するように該パターン化タフト状物品に対する所望の織物ステッチレートよりも増大した、もしくは高密度な効果的ステッチレートで該裏打ち材料の供給を制御するため に、該裏打ち供給ロールを制御し、該パターン化タフト状物品の表側は、該所望の織物ステッチレートの外観を有する、ステッチ分布制御システムとを備える、」とされているのに対し、乙4発明は「ユーザの所望するカーペット・パターンをタフトするために要求される基材の送りまたはステ 望の織物ステッチレートの外観を有する、ステッチ分布制御システムとを備える、」とされているのに対し、乙4発明は「ユーザの所望するカーペット・パターンをタフトするために要求される基材の送りまたはステッチレートを計算したパターン・データにしたがって基材の供給を制御するために、該基材送りロール18を制御し、 ユーザの所望するカーペット・パターンを生成する、制御システムとを備える、」(構成3f2)点(4) 本件発明3の新規性の有無ア相違点3-1について乙4発明では「複数の糸」とされているところ、複数である以上、「異なる糸」 を使用することが含まれているものと認められる。 したがって、相違点3-1は、実質的な相違点であるとはいえない。 イ相違点3-2について構成要件3F1の「一連の糸の中の糸を選択的に保持する」とは、概要、所望の箇所に模様に表したい色のヤーンを高いタフトで残し、残りのヤーンを引き下げる か引き抜く意義であると解される(当事者間に争いがない。)。そうであるところ、 証拠(乙2、10~14)及び弁論の全趣旨によれば、本件特許3の優先日前において、タフティングマシンにハイロー制御が用いられることは技術常識であったことが認められる(なお、乙4公報にも、従来技術として「これらの送りロールの動作を制御することによって、針に対する糸の送りレートが制御され、タフト作製機を通過する基材に形成される糸のタフトのパイルの高さが変更され、隣接するタフ トによって幾つかの糸のタフトがバックロブおよび隠され、異なったパターン・リピートが基材の幅を横切って形成されることが可能になる。」(【0004】)との記載がある。)。また、乙4公報には、「本発明は、…タフト作製機の各々の針へ一連の糸をここに 隠され、異なったパターン・リピートが基材の幅を横切って形成されることが可能になる。」(【0004】)との記載がある。)。また、乙4公報には、「本発明は、…タフト作製機の各々の針へ一連の糸をここに送るように構成された糸送りシステムまたはパターン糸送り取付具に関する。個々の糸の各々の針への送りは、糸送りシステムによって独立に制御さ れ、必要または所望に応じて向上した精度および制御を提供し、プログラムされたカーペット・パターン命令に従ってタフト作製機を通過する基材に糸のタフトを形成する」(【0008】)、「作業者は、デザイン・センターのコンピュータ41で、…所望のカーペット・パターンのグラフィック表現を作成することができる。コンピュータ41は、そのようなカーペット・パターンをタフト作製機でタフトにする ために要求される様々なパラメータを計算する。そのような計算には、糸送りレート、パイル高、基材の送りまたはステッチ・レート、およびパターンをタフトにするために要求される他のパラメータの計算が含まれる。」(【0020】)との記載がある。前記技術常識及びこれらの乙4公報の記載に照らすと、乙4発明は、ハイロー制御により所望の箇所に模様に表したい色のヤーンを高いタフトで残し、残りの ヤーンを引き下げるか引き抜く構成を備えることを開示しているものと認められる。 したがって、相違点3-2は、実質的な相違点とはいえない。 これに対し、原告は、乙4公報の段落【0004】の記載は背景技術に関するものであり、その他の乙4公報の記載にも、構成要件3F1の構成は開示されていない旨主張する。しかし、前記のとおり、本件特許3の優先日前の前記技術常識及び乙4 公報の前記記載内容によれば、乙4発明は構成要件3F1の構成を備えているとい 成は開示されていない旨主張する。しかし、前記のとおり、本件特許3の優先日前の前記技術常識及び乙4 公報の前記記載内容によれば、乙4発明は構成要件3F1の構成を備えているとい うことができ、原告の主張は採用することができない。 ウ相違点3-3について構成要件3F2は「所望の織物ステッチレートよりも増大した、もしくは高密度な効果的ステッチレートで該裏打ち材料の供給を制御する」ものであるが、乙4公報は、かかる「所望の織物ステッチレート」や「高密度な効果的ステッチレート」 の構成を明示していないから、相違点3-3は相違点である。 エ以上から、本件発明3と乙4発明には相違点3-3があるから、本件発明3は新規性を有する。 4 乙4発明に基づく本件発明3の進歩性欠如の有無(争点2-3)について(1) 容易想到性 ア前記3(4)ア及びイのとおり、本件発明3と乙4発明との相違点3-1及び3-2は、実質的な相違点とはいえない。 イ相違点3-3について前記2(5)ウのとおり、構成要件3F2は、タフティングされた物品の外観が所望の模様となるように、模様として見えるタフトよりも実際に打ち込むタフトが多く なるようにバッキング給送ロールを制御することを特定するものである。 乙4発明は、「ユーザの所望するカーペット・パターンをタフトするために要求される基材の送りまたはステッチレートを計算したパターン・データにしたがって基材の供給を制御するために、該基材送りロール18を制御」する構成(3f2)を有しており、バッキング材料の給送速度を任意に変更し得る発明であるから、乙 4発明は、模様として見えるタフトよりも実際に打ち込むタフトが多くなるようにバッキング給送ロールを制御することを含むもの しており、バッキング材料の給送速度を任意に変更し得る発明であるから、乙 4発明は、模様として見えるタフトよりも実際に打ち込むタフトが多くなるようにバッキング給送ロールを制御することを含むものである。また、後記5(3)ア及び前記3(4)イのとおり、乙4発明は複数の色の糸を使用することを含むところ、複数の色の糸を使用する場合、ユーザーの所望するカーペット・パターンをタフトするには、本件特許3の優先日前における技術常識であるハイロー制御により、所望の色 の糸以外は引き下げるなどするのであるから、模様として見えるタフトよりも実際 に打ち込むタフトの方が多くなることは当然である。したがって、乙4発明は、実際に打ち込むタフトの密度が、模様として見えるタフトの密度よりも大きくなるようにバッキング材料の給送速度を制御することを含むものであることが認められる。 そうすると、本件発明3と乙4発明は、かかる制御方法について相違するものではなく、本件発明3が「所望の織物ステッチレート」や「高密度な効果的ステッチレ ート」という概念を導入して、かかる制御方法を説明したことのみが相違するにすぎないところ、乙4公報に接した当業者は、かかる相違点について容易に想到し得るものと認められる。 これに対し、原告は、本件発明の技術的特徴は、引き抜かれる(または引き下げられる)ヤーンのタフトを考慮に入れた十分なスティッチを打つことで、カーペッ トの模様が規定されたスティッチ速度等の外観を備えるように、タフティングマシンに有効スティッチ速度等という考え方を導入し、有効スティッチ速度等を規定されたスティッチ速度等よりも大きくするようにバッキング材料の供給速度を制御することであり、これによってスティッチ方向のタフトの密度を高めた際に所望の模様よ え方を導入し、有効スティッチ速度等を規定されたスティッチ速度等よりも大きくするようにバッキング材料の供給速度を制御することであり、これによってスティッチ方向のタフトの密度を高めた際に所望の模様より縮んだ模様が作成されるという従来技術の課題を解決するものである旨を主 張する。しかし、本件発明3に係る特許請求の範囲及び本件明細書3の記載から理解される「効果的ステッチレート」、「所望の織物ステッチレート」の意義や両者の関係は前記2(5)のとおりであり、乙4発明は、模様として見えるタフトよりも実際に打ち込むタフトが多くなるようにバッキング給送ロールを制御することを含むのであるから、これらが乙4発明に含まれるものであることは前示のとおりである。 また、原告の主張を前提としても、本件発明3の制御システムが制御をする対象は、バッキング材料の給送速度に限られるところ、かかる制御は、本件特許3の優先日前における技術常識である(乙2、11、13)し、その制御方法も、一連のパターンステップに従って裏打ち材料に沿って選択されたステッチ場所において提示された一連の糸の中の糸を選択的に保持するように針への糸の供給を制御するもので あって(例えば、本件明細書3【図6-1】記載の異なる色を利用したステッピン グパターンでは、一升(例えば「A」)に一つのタフトを打ち込み、選択された糸/色のみステッチ場所に保持され、残りの糸/色は、裏打ちから糸を引き出すことを含み、パターン領域の中に埋め込まれ、または隠される(本件明細書3【0011】)。)、本件特許3の優先日前における技術常識であったハイロー制御とニードルシフトを組み合わせた制御(乙2、10~14)を行う乙4発明と実質的に異なるものでは ない。したがって、本件発明3は、乙4発明に新た 特許3の優先日前における技術常識であったハイロー制御とニードルシフトを組み合わせた制御(乙2、10~14)を行う乙4発明と実質的に異なるものでは ない。したがって、本件発明3は、乙4発明に新たな技術事項を導入したものとはいえないし、これによって従来技術にはみられなかった効果が生じるものともいえない。以上から、原告の前記主張は採用することができない。 (2) 顕著な効果の有無原告は、本件発明3は、所望の位置に所望のヤーンをスティッチすることが可能 であり、織物の見た目がずれることなく正確なゲージ範囲の模様となるという顕著な効果を奏する旨を主張する。しかし、前記(1)イのとおり、本件発明3は実質的に乙4発明に含まれるものであり、その効果についても顕著な効果があるとは認められない。 (3) 以上から、本件発明3は、乙4発明から容易に発明することができたといえ るから、本件特許3は特許無効審判により無効にされるべきものと認められ、原告は被告に対してその権利を行使することができない(特許法104条の3第1項、123条1項2項、29条2項)。 5 乙4発明に基づく本件発明1の進歩性欠如の有無(争点2-4)について(1) 乙4発明の構成 乙4公報の発明の詳細な説明や【図2】の記載内容に照らすと、乙4公報は、本件発明1に対応して、別紙「無効主張(本件発明1・進歩性欠如)」の「被告の主張」の「乙4発明の構成」欄記載の各構成を有する乙4発明を開示しているものと認められる。 (2) 本件発明1と乙4発明の相違点 本件発明1と乙4発明を対比すると、次の相違点を認めることができる。 ア相違点1-1構成要件1Aにおいて、本件発明1は「異なる色のヤーン」とされているのに対し、乙4 本件発明1と乙4発明を対比すると、次の相違点を認めることができる。 ア相違点1-1構成要件1Aにおいて、本件発明1は「異なる色のヤーン」とされているのに対し、乙4発明は「複数の糸」が使用されているが、それが「異なる色のヤーン」であるか否かは明示されていない点イ相違点1-2 構成要件1G1において、本件発明1は「選択された高さのヤーンのタフトを形成し、各模様ステップについて該ヤーンのうちの選択されたヤーンを引き下げるかまたは該バッキング材料の外に引き出す」とされているのに対し、乙4発明はこのような構成が明示されていない点ウ相違点1-3 構成要件1G2において、本件発明1は「該制御システムは、該バッキング給送ロールとリンクされ、該制御システムは、該ヤーンのタフトが、該タフティングされた物品の模様の外観が該模様の規定されたスティッチ速度で形成されるように該タフティングされた物品を形成するのに十分なだけ該タフティングされた物品の模様の該規定されたスティッチ速度よりも大きな有効スティッチ速度で該バッキング 材料において形成されるように、該バッキング材料を給送するために該バッキング給送ロールを制御し、」とされているのに対し、乙4発明は「該制御システムは、該基材送りロール18を駆動する駆動モータを制御し、該制御システムは、該糸のタフトが、該タフティングされたカーペットにユーザの所望するカーペット・パターンが形成されるように該基材の送りまたはステッチレートを計算したパターン・ データにしたがって該基材送りロール18を制御し、」とされる点エ相違点1-4構成要件1G3において、本件発明1は「該規定されたスティッチ速度は、該タフティングマシンのゲージに従って決定さ データにしたがって該基材送りロール18を制御し、」とされる点エ相違点1-4構成要件1G3において、本件発明1は「該規定されたスティッチ速度は、該タフティングマシンのゲージに従って決定される、」とされているのに対し、乙4発明は「該ユーザの所望するカーペット・パターンは、ユーザの入力に基づく」とさ れる点 (3) 容易想到性ア相違点1-1について前記3(4)アのとおり、「複数の糸」であれば「異なる糸(ヤーン)」を使用することが含まれると解され、また、乙4公報(【0008】【0020】)によれば、乙4発明はプログラムされたカーペット・パターン命令に従ってタフト作製機を通過する 基材に糸のタフトを形成するものであるところ、所望のカーペット・パターンのグラフィック表現を作成することができるのであるから、「異なる色のヤーン」が使用されることが含まれると解される。したがって、相違点1-1は実質的な相違点であるとはいえない。 イ相違点1-2について 前記3(4)イと同様の理由で、相違点1-2は実質的な相違点とはいえない。 ウ相違点1-3について「有効スティッチ速度」及び「規定されたスティッチ速度」は、本件発明3の構成要件3F2の「効果的ステッチレート」及び「所望の織物ステッチレート」と、それぞれ同義と解され(前記2(5)ウ)、構成要件1G2は、タフティングされた物 品の模様の外観が所望の模様となるように、模様として見えるタフトよりも実際に打ち込むタフトが多くなるようにバッキング給送ロールを制御することを特定するのであるから(前記2(5)ア(ア))、前記4(1)イと同様の理由で、乙4公報に接した当業者は、乙4発明から相違点1-3にかかる本件発明1の構成について容易に想 グ給送ロールを制御することを特定するのであるから(前記2(5)ア(ア))、前記4(1)イと同様の理由で、乙4公報に接した当業者は、乙4発明から相違点1-3にかかる本件発明1の構成について容易に想到し得ると認められる。 エ相違点1-4について前記2(6)アのとおり、構成要件1G3は、規定されたスティッチ速度がゲージに従って決定されることを特定するものである。 証拠(乙2、13)及び弁論の全趣旨によれば、本件特許1の優先日前において、ゲージは、カーペット構造を制御する必須のパラメータの一つであり、タフティン グ機の単位当たりのニードル本数のことでもある。また、本件明細書1(【0049】) には、一部の従来のタフティングシステムにおいては、タフティング模様に対するスティッチ速度は概してタフティングマシンのゲージと一致し、タフティングマシンのゲージは縦糸方向の1インチ(2.54cm)当たりの針数に相当し、縦糸方向の1インチ当たりの針数は概して横糸方向の1インチ当たりのスティッチの数に等しい旨が記載されている。これらによれば、本件特許1の優先日前において、ゲ ージと模様として見えるタフトの密度を一致させること、すなわち、タフティングされた物品の模様の外観において、横糸方向と縦糸方向の密度を一致させるようにバッキング給送速度を制御することは、従来技術として存在したものと認められる。 そして、前記4(1)イのとおり、乙4発明は、バッキング材料の給送速度を任意に変更し得る発明であることに照らすと、乙4公報に接した当業者は、乙4発明から、 規定されたスティッチ速度が、少なくともゲージに従って決定されることを容易に想到し得るものと認められる。 (4) 顕著な効果の有無原告は、本件発明1は、所望 当業者は、乙4発明から、 規定されたスティッチ速度が、少なくともゲージに従って決定されることを容易に想到し得るものと認められる。 (4) 顕著な効果の有無原告は、本件発明1は、所望の位置に所望のヤーンをスティッチすることが可能であり、織物の見た目がずれることなく正確なゲージ範囲の模様となるという顕著 な効果を奏する旨を主張する。しかし、前記4(1)イと同様の理由で、タフティングされた物品の外観が所望の模様となるように、模様として見えるタフトよりも実際に打ち込むタフトが多くなるようにバッキング給送ロールを制御する技術である本件発明1は、実質的に乙4発明に含まれるものであり、その効果についても顕著な効果があるとは認められない。 (5) 以上から、本件発明1は、乙4発明から容易に発明することができたといえるから、本件特許1は特許無効審判により無効にされるべきものと認められ、原告は被告に対してその権利を行使することができない(特許法104条の3第1項、123条1項2項、29条2項)。 6 乙4発明に基づく本件発明2の進歩性欠如の有無(争点2-5)について (1) 乙4発明の構成 乙4公報の発明の詳細な説明や【図2】の記載内容に照らすと、乙4公報は、本件発明2に対応して、別紙「無効主張(本件発明2・進歩性欠如)」の「被告の主張」の「乙4発明の構成」欄記載の各構成を有する乙4発明を開示しているものと認められる。 (2) 本件発明2と乙4発明の相違点 本件発明2と乙4発明を対比すると、次の相違点を認めることができる。 ア相違点2-1構成要件2Aにおいて、本件発明2は「複数の異なる色のヤーン」とされているのに対し、乙4発明では「複数の糸」が使用されているが、それが「 と、次の相違点を認めることができる。 ア 相違点2-1構成要件2Aにおいて、本件発明2は「複数の異なる色のヤーン」とされているのに対し、乙4発明では「複数の糸」が使用されているが、それが「異なる色のヤーン」であるか否かは明示されていない点10イ 相違点2-2構成要件2Gにおいて、本件発明2は「該ヤーンの高いタフトを形成し、該ヤーンのうちの選択されたヤーンを引き下げるかまたは該バッキング材料の外に引き出す」とされているのに対し、乙4発明はこのような構成が明示されていない点ウ 相違点2-315構成要件2Hにおいて、本件発明2は「該ヤーンのタフトは、高められた有効処理スティッチ速度で該バッキング材料において形成され、該高められた有効処理スティッチ速度は、…形成される該模様がつけられタフティングされた物品の所望のスティッチ速度に基づいており、該模様がつけられた物品の密度を実質的に維持する、」とされているのに対し、乙4発明は「該糸13のタフトは、ユーザが所望す20るカーペット・パターンをタフトするために要求される基材の送りまたはステッチレートで該基材において形成され、できあがる模様はユーザが所望する密度になっている」とされている点エ 相違点2-4構成要件2Hにおいて、本件発明2は「該模様を形成する異なる色のヤーンの数25を乗じた、」とされているのに対し、乙4発明はこのような構成が明示されていな 53い点(3) 容易想到性ア 相違点2-1について前記5(3)アと同様の理由で、相違点2-1は実質的な相違点であるとはいえない。 5イ 相違点2-2について相違点2-2にかかる本件発明2の構成は、構成要件2Hの文言とも併せると、模様を形成する所定の色のヤーンが所 相違点2-1は実質的な相違点であるとはいえない。 イ相違点2-2について相違点2-2にかかる本件発明2の構成は、構成要件2Hの文言とも併せると、模様を形成する所定の色のヤーンが所定の位置で高いタフトを形成し、他のヤーンを引き下げるかバッキング材料の外に引き出すことを特定するものと解されるから、前記3(4)イと同様の理由で、相違点2-2は実質的な相違点とはいえない。 ウ相違点2-3について「有効処理スティッチ速度」及び「所望のスティッチ速度」は、本件発明3の構成要件3F2の「効果的ステッチレート」及び「所望の織物ステッチレート」と、それぞれ同義と解され(前記2(5)イ及びウ)、相違点2-3にかかる本件発明2の構成は、構成要件2Gの文言をも踏まえ、タフティングされた物品の外観が所望の 模様となるように、模様として見えるタフトよりも実際に打ち込むタフトが多くなるようにすることを特定するのであるから、前記4(1)イと同様の理由で、乙4公報に接した当業者は、乙4発明から相違点2-3にかかる本件発明2の構成を容易に想到し得ると認められる。 エ相違点2-4について 前記2(5)イ(イ)のとおり、構成要件2Hの「該高められた有効処理スティッチ速度は、該模様を形成する異なる色のヤーンを乗じた」とは、有効処理スティッチ速度は、使用されるヤーンの色の数を乗じた密度であることを特定するものである。 前記4(1)イのとおり、乙4発明は、バッキング材料の給送速度を任意に変更し得る発明であり、また、ユーザーの所望するカーペット・パターンをタフトするには、 模様として見えるタフトの密度よりも実際に打ち込むタフトの密度の方が多くなる ことは技術常識であるといえる。さらに、本件明細書2(【00 るカーペット・パターンをタフトするには、 模様として見えるタフトの密度よりも実際に打ち込むタフトの密度の方が多くなる ことは技術常識であるといえる。さらに、本件明細書2(【0011】)には、「通常、ヤーン配置システムによって走らせられる動作または有効スティッチ速度は、プログラムされた模様において走らせられる色の数倍の所望のまたは規定されたスティッチ速度または1インチ当たりのスティッチの数にほぼ相当」するとの記載があるように、異なる色のヤーンを使用してユーザーの所望するカーペット・パターンを タフトするには、所定の位置に所定の色のタフトをスティッチする必要があるから、実際に打ち込むタフトの密度は、使用されるヤーンのタフトの色の数を乗じたものとなることもまた技術常識であるといえる。 したがって、乙4公報に接した当業者は、実際に打ち込むタフトの密度が使用されるヤーンの色の数を乗じた密度である構成とすることを容易に想到し得るものと 認められる。 (4) 顕著な効果の有無原告は、本件発明2は、所望の位置に所望のヤーンをスティッチすることが可能であり、織物の見た目がずれることなく正確なゲージ範囲の模様となるという顕著な効果を奏する旨を主張する。しかし、前記4(1)イと同様の理由で、タフティング された物品の外観が所望の模様となるように、模様として見えるタフトよりも実際に打ち込むタフトが多くなるようにバッキング給送ロールを制御する技術である本件発明2は、乙4発明に実質的に含まれるものであり、その効果についても顕著な効果があるとは認められない。 (5) 以上から、本件発明2は、乙4発明から容易に発明することができたといえ るから、本件特許2は特許無効審判により無効にされるべきものと認められ、原告 著な効果があるとは認められない。 (5) 以上から、本件発明2は、乙4発明から容易に発明することができたといえ るから、本件特許2は特許無効審判により無効にされるべきものと認められ、原告は被告に対してその権利を行使することができない(特許法104条の3第1項、123条1項2項、29条2項)。 第5 結論以上によれば、その余の点について判断するまでもなく、原告の請求はいずれも 理由がないから棄却することとして、主文のとおり判決する。 大阪地方裁判所第21民事部 裁判長裁判官 武宮英子 裁判官阿波野右起 裁判官峯健一郎 (別紙)被告製品目録 1 品名アンドロイド-ILループ(ANDROID-IL(LOOP))ゲージ 5/64”GG、1/10”GG、1/8”GG、5/32”GG等 働幅 1M-5M回転数 800rpm、1200rpm等糸送りステッピングモーター又はサーボモーター 2 品名アンドロイド-ICLカット&ループ(ANDROID-IL(CUT&LOOP)) ゲージ 5/64”GG、1/10”GG、1/8”GG、5/32”GG等働幅 1M-5M回転数 700rpm等糸送りステッピングモーター又はサーボモーター以上 1/10”GG、1/8”GG、5/32”GG等働幅 1M-5M回転数 700rpm等糸送りステッピングモーター又はサーボモーター以上 別紙特許公報省略 原告の主張被告の主張1A異なる色のヤーンを内部に含む、模様を有するタフティングされた物品を形成するためのタフティングマシンであって、該タフティングマシンは、2A複数の異なる色のヤーンを含む、模様がつけられタフティングされた物品を形成するためのタフティングマシンであって、該タフティングマシンは、3A複数の異なる糸を含むパターン化タフト状物品を形成するためのタフティング機であって、該タフティング機は、a異なる色の糸を用いた模様を有するタフティングされたカーペットを形成するためのタフティングマシンであって、該タフティングマシンは、被告製品を購入した使用者は、複数のヤーンを被告製品にセットすることができる(該複数のヤーンは単色で構成してもよいし、複数の色でも使用者の任意に構成してもよい。)。また、複数の異なる色のヤーンを用いた場合には、異なる色のヤーンを用いた模様を有するタフティングされたカーペットを形成するためのタフティングマシンであって、該タフティングマシンは、1B 少なくとも1つの針棒であって、該針棒に沿って取り付けられた一連の針を有する、針棒と、2B 少なくとも1つの針棒であって、該針棒に沿って取り付けられた一連の針を有する、針棒と、3B少なくとも1つの針棒であって、該少なくとも1つの針棒に沿って一連の針が載置されている、少なくとも1つの針棒と、bNEEDLEBARに沿って取り付けられた一連のNEEDLEを有する、NEEDLEBARと、争わない。 1C該タ も1つの針棒に沿って一連の針が載置されている、少なくとも1つの針棒と、bNEEDLEBARに沿って取り付けられた一連のNEEDLEを有する、NEEDLEBARと、争わない。 1C該タフティングマシンのタフティングゾーンを通してバッキング材料を給送するためのバッキング給送ロールと、2C該タフティングマシンのタフティングゾーンを通してバッキング材料を給送するためのバッキング給送ロールと、3C 該タフティング機のタフティング区画を通して裏打ち材料を供給するための裏打ち供給ロールと、c該タフティングマシンのタフティング区画にバッキング材料を給送するBACKINGFEEDROLLSと、争わない。 1D 一連のヤーンを該針に給送するための模様ヤーン給送メカニズムと、2D 一連のヤーンを該針に給送するための模様ヤーン給送メカニズムと、3D 一連の糸を該針に供給するための糸供給機構と、d一連なりのヤーンを該NEEDLEに供給するためのYarnFeedと、争わない。 1E該少なくとも1つの針棒を該タフティングゾーンを横切って横方向にシフトするための少なくとも1つの針棒シフターと、2E該少なくとも1つの針棒を該タフティングゾーンを横棒シフターと、e該NEEDLEBARを該タフティング区画を横切って横方向にシフトするためのシフター機構と、争わない。 1F一連のゲージ部品であって、該一連のゲージ部品は、該タフティングゾーンの下に取り付けられ、該針が該バッキング材料の中に往復して該バッキング材料にヤーンのタフトを形成するとき、該少なくとも1つの針棒の該針と係合する位置にある、一連のゲージ部品と、2F一連のゲージ部品であって、該一連のゲージ部品は、該タフティングゾーンの下に取り付けられ、該針が該バッ を形成するとき、該少なくとも1つの針棒の該針と係合する位置にある、一連のゲージ部品と、2F一連のゲージ部品であって、該一連のゲージ部品は、該タフティングゾーンの下に取り付けられ、該針が該バッキング材料の中に往復して該バッキング材料にヤーンのタフトを形成するとき、該少なくとも1つの針棒の該針と係合する位置にある、一連のゲージ部品と、3E一連のゲージ部品であって、該一連のゲージ部品は、該針が該裏打ち材料の中において糸のタフトを形成するように該裏打ち材料の中へ往復運動させられるとき、該少なくとも1つの針棒の該針と係合する位置において、該タフティング区画の下に載置される、一連のゲージ部品と、f該NEEDLEと係合して該NEEDLEからヤーンのループを引っ掛けるための一連なりのLOOPERを備え、該LOOPERは、該NEEDLEが該バッキング材料の裏側から表側に通ったときの対応する位置に設置されており、ヤーンのループと係合してヤーンのループを引っ掛けるための一連なりのLOOPERを備え、該LOOPERは、該NEEDLEが該バッキング材料の裏側から表側に通ったときに形成されるヤーンのループと係合する位置に設置されており、1G 制御システムであって、3F ステッチ分布制御システムであって、gタフティングマシンの制御システムであって、争わない。 1G1該制御システムは、該制御システムによって受け取られる一連の模様ステップに従って該少なくとも1つの針棒シフターと協働して該ヤーン給送メカニズムを制御して必要に応じて該ヤーンを該針に給送することを制御することによって、選択された高さのヤーンのタフトを形成し、各模様ステップについて該ヤーンのうちの選択されたヤーンを引き下げるかまたは該バッキング材料の外に引き出す、制御システム 送することを制御することによって、選択された高さのヤーンのタフトを形成し、各模様ステップについて該ヤーンのうちの選択されたヤーンを引き下げるかまたは該バッキング材料の外に引き出す、制御システムとを備え、3F1該ステッチ分布制御システムは、一連のパターンステップに従って、該裏打ち材料に沿って選択されたステッチ場所において提示された一連の糸の中の糸を選択的に保持するように該針への該糸の供給を制御するために、該糸供給機構を制御し、かつ、g1該制御システムは、模様ステップに従って、該シフター機構と協働することで、該YarnFeedを通してNEEDLEへの該ヤーンの供給を制御し、かかる制御によって、選択されたヤーンのループを形成し、保持して、所望のパイル高さのタフトを形成する一方で、その他のヤーンを引き抜いており、該制御システムは、模様データに従って、該YarnFeedを通してNEEDLEへの該ヤーンの供給を制御し、かかる制御によって、選択されたヤーンのループを形成し、保持して、所望のパイル高さのタフトを形成する一方で、その他のヤーンを引き下げており、(ただし、3F1の充足性については争わない。)1G2該制御システムは、該バッキング給送ロールとリンクされ、該制御システムは、該ヤーンのタフトが、該タフティングされた物品の模様の外観が該模様の規定されたスティッチ速度で形成されるように該タフティングされた物品を形成するのに十分なだけ該タフティングされた物品の模様の該規定されたスティッチ速度よりも大きな有効スティッチ速度で該バッキング材料において形成されるように、該バッキング材料を給送するために該バッキング給送ロールを制御し、g2該制御システムは、有効スティッチ速度を規定されたスティッチ速度よりも十分に大きくさせるために 材料において形成されるように、該バッキング材料を給送するために該バッキング給送ロールを制御し、g2該制御システムは、有効スティッチ速度を規定されたスティッチ速度よりも十分に大きくさせるために、該BACKINGFEEDROLLSを用いて該タフティング区画への該バッキング材料の供給速度を制御しており、該制御システムは、バッキング給送速度で決まる単位長さ当たりのステッチ数(すなわち、ステッチ方向に実際に打ち込むステッチ数)から、引き下げるヤーンのステッチ数を除いた単位長さ当たりのステッチ方向のステッチ数が、作成される模様のステッチ方向の単位長さ当たりのステッチ数となるようにバッキング給送速度を制御している。該制御システムは、作成されるステッチ方向の模様の単位長さ当たりのステッチ数をゲージに基づいて決定する制御を行っておらず、作成される模様のステッチ方向の単位長さ当たりのステッチ数は使用者の任意である。 1G3 該規定されたスティッチ速度は、該タフティングマシンのゲージに従って決定される、g3 該規定されたスティッチ速度は、ゲージに従って決定される、争う。 1H タフティングマシン。 2I タフティングマシン。 3G タフティング機。 hタフティングマシン。 争わない。 該ヤーンのタフトは、高められた有効処理スティッチ速度で該バッキング材料において形成され、該高められた有効処理スティッチ速度は、該模様を形成する異なる色のヤーンの数を乗じた、形成される該模様がつけられタフティングされた物品の所望のスティッチ速度に基づいており、該模様がつけられた物品の密度を実質的に維持する、2G2H該パターン化タフト状物品を形成するように該パターン化タフト状物品に対する所望の織物ステッチレートよりも増大した、もしくは高密度な効果的ステッ つけられた物品の密度を実質的に維持する、2G2H該パターン化タフト状物品を形成するように該パターン化タフト状物品に対する所望の織物ステッチレートよりも増大した、もしくは高密度な効果的ステッチレートで該裏打ち材料の供給を制御するために、該裏打ち供給ロールを制御し、該パターン化タフト状物品の表側は、該所望の織物ステッチレートの外観を有する、ステッチ分布制御システムとを備える、3F2本件発明1本件発明2本件発明3被告製品の構成制御システムであって、該制御システムは、該バッキング材料を給送する該バッキング給送ロールを制御し、該制御システムは、該少なくとも1つの針棒シフターと協働して該ヤーン給送メカニズムを制御して該ヤーンを該針に給送することを制御することによって、該ヤーンの高いタフトを形成し、該ヤーンのうちの選択されたヤーンを引き下げるかまたは該バッキング材料の外に引き出す、制御システムとを備え、構成要件 原告の主張被告の主張1A異なる色のヤーンを内部に含む、模様を有するタフティングされた物品を形成するためのタフティングマシンであって、該タフティングマシンは、構成要件1Aは、タフティングマシンが模様を有するタフティングされた物品を形成するもので、当該物品が異なる色のヤーンを内部に含むことを発明特定事項とするものである。このことは、構成要件1Aの記載や本件特許1の特許請求の範囲請求項10が「複数の異なる色のヤーンのタフトを含む物品」と定め、「異なる色のヤーン」を含むのは、タフティングマシンが形成する物品であることが示されていること、本件明細書1の【図6】が、A、B及びCという3種類の異なるヤーンがタフティングされた物品を形成する際の制御を図示していることからも明らかである。 そうであるところ、被告製品は とが示されていること、本件明細書1の【図6】が、A、B及びCという3種類の異なるヤーンがタフティングされた物品を形成する際の制御を図示していることからも明らかである。 そうであるところ、被告製品は、多色のタフティングマシンであるから、構成要件1Aを充足する。 なお、仮に被告製品が単色の模様を製造できるものであったとしても、異なる色のヤーンを含む物品を形成することができる以上、構成要件1Aの充足性は否定されない。 被告が出荷する段階において、被告製品はヤーンを備えておらず、被告製品を購入した顧客において、ヤーン及びヤーンを設置するための装置(クリールスタンド)を調達し、タフティングマシンの外部に別装置として設けるものであるから、被告製品は「異なるヤーンを内部に含む」ものではなく、構成要件1Aを充足しない。 また、仮に、「異なる色のヤーンを内部に含む」対象が「タフト状物品の内部」と解釈したとしても、操作者は、被告製品にセットする複数のヤーンについて、単色で構成してもよいし、複数の色としてもよく、操作者が任意に構成することができることから、複数の色を前提とする構成要件1Aを充足しない。 1F一連のゲージ部品であって、該一連のゲージ部品は、該タフティングゾーンの下に取り付けられ、該針が該バッキング材料の中に往復して該バッキング材料にヤーンのタフトを形成するとき、該少なくとも1つの針棒の該針と係合する位置にある、一連のゲージ部品と、構成要件1Fは、一連なりのゲージ部品が一つの針棒の該針と係合する位置にあることを発明特定事項とするものであるところ、「係合する位置」とは、針がバッキング材料を貫通し、針からヤーンのループをつまみまたはこれを引くように係合される位置を意味する。すなわち、「係合する」とは一般的に係り合うことを意味し、さらに、本件明細書 合する位置」とは、針がバッキング材料を貫通し、針からヤーンのループをつまみまたはこれを引くように係合される位置を意味する。すなわち、「係合する」とは一般的に係り合うことを意味し、さらに、本件明細書1の段落【0010】【0054】の記載からすると、本件発明1のゲージ部品(ルーパ)は、針がバッキング材料を貫通するとき針と係合し、それによって針からヤーンのループをつまみまたはこれを引くように適合される位置にあることが説明される。つまり、本件発明1のゲージ部品(ルーパ)は、針が引き連れてきたヤーンをつまみまたはひっかけるものであることがわかる。また、タフティングマシンの技術分野において、ゲージ部品は、針が引き連れてきたヤーンをつまみまたはひっかけるものであることを当業者は当然に理解する(甲5、7、20(図22))。 そうであるところ、NEEDLEがバッキング材料にヤーンのタフトを形成するときに、被告製品のLOOPERがヤーンのループと係合し、ヤーンのループを引っ掛ける(つまむ)ことは当事者間に争いがない。 したがって、被告製品のLOOPERは構成要件1Fの「係合する位置」にあり、同構成要件を充足する。 被告製品のLOOPERは、NEEDLEとは係合せず、ヤーンのループと係合する。また、LOOPERは、NEEDLEと対応する位置にも設置されておらず、形成されるヤーンのループに対応する位置に設けられている。 被告製品において、一連なりのLOOPERが係合するのは糸であって、針とは係合しないから、被告製品は構成要件1Fを充足しない。 1G1該制御システムは、該制御システムによって受け取られる一連の模様ステップに従って該少なくとも1つの針棒シフターと協働して該ヤーン給送メカニズムを制御して必要に応じて該ヤーンを該針に給送することを制御することによって、選択 ムによって受け取られる一連の模様ステップに従って該少なくとも1つの針棒シフターと協働して該ヤーン給送メカニズムを制御して必要に応じて該ヤーンを該針に給送することを制御することによって、選択された高さのヤーンのタフトを形成し、各模様ステップについて該ヤーンのうちの選択されたヤーンを引き下げるかまたは該バッキング材料の外に引き出す、制御システムとを備え、構成要件1G1は、模様ステップに従って、針棒シフターと協働して、ヤーン給送メカニズムを制御して、針へのヤーンの給送を制御することで、一連なりのヤーンをスティッチ場所に提示し、バッキング材料において一連なりのヤーンのループを形成すること、及び選択されたヤーンのループを引き下げるか、又は引き出し、選択された高さのヤーンのタフトを形成するために保持されたヤーンのループを残すように制御することを発明特定事項としている。 被告製品は、「PileHeight」すなわちタフトの高さを4~18mmの範囲で設定することが可能な構成を有していることから、制御システムが各スティッチ場所においてヤーンの給送する量を調整していることが明らかである。また、当該制御システムは、一定のリズムで横方向にスライドする一連のNEEDLEを備えたNEEDLEBARと協働して、選択されたヤーンのタフトのみが選択された高さで形成される一方で、その他のヤーンはバッキング材料の外に引き出されている。さらに、被告も、被告製品のタフティングマシンでは、手動ではなく、制御システム(ソフトウェア)が、様々な模様を作成できることを認めている。 したがって、被告製品は構成要件1G1を充足する。 被告製品において、タフトを形成する高さはヤーンの給送速度のみを制御することで調整しているのであって、「シフターと協働」するものではなく、構成要件1G1 たがって、被告製品は構成要件1G1を充足する。 被告製品において、タフトを形成する高さはヤーンの給送速度のみを制御することで調整しているのであって、「シフターと協働」するものではなく、構成要件1G1を充足しない。 構成要件 原告の主張被告の主張1G3該規定されたスティッチ速度は、該タフティングマシンのゲージに従って決定される、構成要件1G3は、規定されたスティッチ速度がタフティングマシンのゲージ(針棒に沿った単位長さ当たりの針の数)に従って決定されることを発明特定事項としている。 被告製品には10分の1ゲージのものがある。そして、甲7別紙6Aに示されるように、同被告製品には「Automatic」(自動モード)があることがわかる。この自動モードが選択されると、「針/10cm(針密)」(StitchRate)は37.5に固定され、設定を変更できないものになっていると考えられる。そして、「針/10cm(針密)」(StitchRate)の37.5は、1インチ当たり10スティッチに相当し、10分の1ゲージのゲージ密度とも一致している。そうすると、被告製品は自動モードを備えており自動モードに設定することで、パターン化タフトテッドカーペットは規定されたスティッチ速度に一致するスティッチ速度で形成され、これにより厳密なゲージ密度が与えられる。 したがって、被告製品は、タフティングマシンのゲージに従って設定され得る規定されたスティッチ速度となるパターン化タフテッドカーペットを形成するように動作していることから、構成要件1G3を充足する。 構成要件1G3は「規定されたスティッチ速度」を実質的に限定するものではなく、本来ゲージを基準とした規定されたスティッチレートを確認的に規定したにすぎない。 なお、被告製品の「Manualモード」は、マシンを構成する 「規定されたスティッチ速度」を実質的に限定するものではなく、本来ゲージを基準とした規定されたスティッチレートを確認的に規定したにすぎない。 なお、被告製品の「Manualモード」は、マシンを構成する各部品の動作確認をするための試運転に係るモードであって、運転のスイッチを手で押している間だけ当該各部品が動作するもので、模様データに基づいたなんらかのカーペットを作成するために使用されるものではない。 一方、「Autoモード」は、入力された模様のデータに従って自動でタフティングが行われるモードであり、一度スイッチを入れれば、あとは模様のデータのカーペットが完成するまでは自動で各部品が動作し続けることになる。被告製品では、外観に表れるタフト(高いタフト)の基布送り方向の密度(「規定されたスティッチ速度」等に対応)に関係なく、使用者が任意に入力した数値によって決定される。「Autoモード」において、ステッチレートは、タフトの高さ、完成されるカーペットの全長といった使用者が任意に設定する各条件の一つであり、タフティングの際に使用者が任意の数値を手入力するものであって、原告が主張するようになんらかの数値に自動的に固定されるのではない。 構成要件1G2該制御システムは、該バッキング給送ロールとリンクされ、該制御システムは、該ヤーンのタフトが、該タフティングされた物品の模様の外観が該模様の規定されたスティッチ速度で形成されるように該タフティングされた物品を形成するのに十分なだけ該タフティングされた物品の模様の該規定されたスティッチ速度よりも大きな有効スティッチ速度で該バッキング材料において形成されるように、該バッキング材料を給送するために該バッキング給送ロールを制御し、本件明細書1の段落【0007】【0011】の記載やタフティングマシンの技 ィッチ速度で該バッキング材料において形成されるように、該バッキング材料を給送するために該バッキング給送ロールを制御し、本件明細書1の段落【0007】【0011】の記載やタフティングマシンの技術分野における技術水準から、「スティッチ速度」は、例えば1インチ(2.54cm)当たりのスティッチの数を意味し、「規定されたスティッチ速度」は、例えば1インチ(2.54cm)当たりの所定のスティッチ数を意味すると解される。また、構成要件1G2の記載によれば、同構成要件は、タフティングされた物品の外観が規定されたスティッチ速度(例えば1インチ当たりの所定のスティッチ数)で形成するために、有効スティッチ速度が規定されたスティッチ速度よりも大きくなるようバッキング材料の給送を制御することを発明特定事項としているから、「有効スティッチ速度」は、タフティングされた物品の外観が規定されたスティッチ速度で形成されるのに有効なスティッチの数、すなわち、例えば1インチ当たり実際に形成されるヤーンのタフトの数を意味する。したがって、「有効スティッチ速度」から引き抜かれる(又は引き下げられる)ヤーンのタフトの数を引くと「規定されたスティッチ速度」になる。 そうであるところ、被告製品の制御システムが、バッキング給送速度で決まる単位長さ当たりのステッチ数(すなわち、ステッチ方向に実際に打ち込むステッチ数)から、引き下げるヤーンのステッチ数を除いた単位長さ当たりのステッチ方向のステッチ数が、作成される模様のステッチ方向の単位長さ当たりのステッチ数となるようにバッキング給送速度を制御していることは当事者間に争いがないから、被告製品は、有効スティッチ速度等の概念を導入しており、被告製品によってタフティングされた物品の模様が規定されたスティッチ速度等の外観を有するようにバッキング材料の ることは当事者間に争いがないから、被告製品は、有効スティッチ速度等の概念を導入しており、被告製品によってタフティングされた物品の模様が規定されたスティッチ速度等の外観を有するようにバッキング材料の給送速度をバッキング給送ロールで制御しているといえる。 したがって、被告製品は構成要件1G2を充足する。 本件明細書1~3には共通して、①従来技術では実際に打ち込むスティッチレートがタフティングマシンのゲージと概して一致していたこと、②カーペットに望まれる「所望の又は規定されたスティッチレート」もタフティングマシンのゲージとほぼ一致しており、③本件発明では、実際に打ち込むスティッチレートである「有効スティッチレート」を、ゲージとほぼ一致する「所望の又は規定されたスティッチレート」のヤーンの色の数倍とすることが記載されている。このような本件明細書1~3の記載事項を踏まえると、本件発明は、「効果的又は有効スティッチレート(速度)」を「所望の又は規定されたスティッチレート(速度)」のヤーンの色の数倍にすることで、基布の送り方向(スティッチ方向)でみてゲージとほぼ同一の長さと、ゲージ方向での1ゲージ分とで形成される領域の中にすべての色のヤーンを打ちこみ (実際のカーペットを形成するタフトはそのうちの1色)、それによって「高いタフトの間に埋め込まれた低いタフトが視認されて、ぼやけた印象になる」という従来技術の問題を解決しようとしたものと理解される。すなわち、本件発明は、従来よりも実際に打ち込む単位長さ当たりのスティッチ数(スティッチレート)を密にしたことによって、作成される模様における単位長さ当たりのスティッチ数がゲージ通りになるように制御した発明となっている。 本件明細書1(【0011】【0039】【0049】【0050】【0053】【0060】【0062】【006 模様における単位長さ当たりのスティッチ数がゲージ通りになるように制御した発明となっている。 本件明細書1(【0011】【0039】【0049】【0050】【0053】【0060】【0062】【0063】)にも同様の記載があるところ、「規定されたスティッチ速度」とは、ゲージの密度と一致するカーペットに残すべきパイルタフト(つまり、模様として見えるタフト)の密度のことであり、「有効スティッチ速度」とは、ゲージの密度の色の数倍のスティッチレート(実際に打ち込まれるスティッチレート)のことである 。 被告製品の構成は、g2の被告の主張のとおり、ゲージに基づくスティッチレートの制御は何も行っていないから、「規定されたスティッチ速度」も「有効スティッチ速度」も存在しない。したがって、構成要件1G2及び1G3を充足しない。 原告の主張被告の主張2A複数の異なる色のヤーンを内部に含む、模様がつけられタフティングされた物品を形成するためのタフティングマシンであって、該タフティングマシンは、1Aに関する原告の主張と同様であり、被告製品は構成要件2Aを充足する。 1Aに関する被告の主張と同様であり、被告製品は構成要件2Aを充足しない。 2F一連のゲージ部品であって、該一連のゲージ部品は、該タフティングゾーンの下に取り付けられ、該針が該バッキング材料の中に往復して該バッキング材料にヤーンのタフトを形成するとき、該少なくとも1つの針棒の該針と係合する位置にある、一連のゲージ部品と、1Fに関する原告の主張と同様であり、被告製品は構成要件2Fを充足する。 1Fに関する被告の主張と同様であり、被告製品は構成要件2Fを充足しない。 2G制御システムであって、該制御システムは、該バッキング材料を給送する該バッキング給送ロールを制御し、該制御システムは、該少 に関する被告の主張と同様であり、被告製品は構成要件2Fを充足しない。 2G制御システムであって、該制御システムは、該バッキング材料を給送する該バッキング給送ロールを制御し、該制御システムは、該少なくとも1つの針棒シフターと協働して該ヤーン給送メカニズムを制御して該ヤーンを該針に給送することを制御することによって、該ヤーンの高いタフトを形成し、該ヤーンのうちの選択されたヤーンを引き下げるかまたは該バッキング材料の外に引き出す、制御システムとを備え、構成要件2Gの制御システムは、バッキング材料を給送するバッキング給送ロールを制御し、針棒シフターと協働して、ヤーン給送メカニズムを制御して、針へのヤーンの給送を制御することで、ヤーンの高いタフトを形成し、ヤーンのうちの選択されたヤーンを引き下げるか又はバッキング材料の外に引き出すものであることを発明特定事項としている。 被告製品は、「被告製品の構成」の「g1」の「原告の主張」欄記載の構成を有するところ、「シフター機構」は「針棒シフター」に相当するから、被告製品は構成要件2Gを充足する。 1G1に関する被告の主張と同様であり、被告製品は構成要件2Gを充足しない。 2H該ヤーンのタフトは、高められた有効処理スティッチ速度で該バッキング材料において形成され、該高められた有効処理スティッチ速度は、該模様を形成する異なる色のヤーンの数を乗じた、形成される該模様がつけられタフティングされた物品の所望のスティッチ速度に基づいており、該模様がつけられた物品の密度を実質的に維持する、「有効処理スティッチ速度」は、1G2の「有効スティッチ速度」を意味し、「所望のスティッチ速度」は、1G2の「規定されたスティッチ速度」を意味するから、これらの意味については、1G2に関する原告の主張のとおりである。 また 」は、1G2の「有効スティッチ速度」を意味し、「所望のスティッチ速度」は、1G2の「規定されたスティッチ速度」を意味するから、これらの意味については、1G2に関する原告の主張のとおりである。 また、被告製品の技術担当者が被告製品の作動状況を撮影した動画等(甲12-1、甲13の各枝番号)によれば、赤色、灰色、白色、黒色の4種類のヤーンを被告製品に用いた場合、各色のヤーンに注目すると、バッキング材料が非常にゆっくり動く間に針が一方向に4ステップ移動し、その後、他方向に4ステップ移動して戻り、かつ各ステップ毎に針はバッキング材料を貫通していることが確認でき、各スティッチ場所において4色のヤーンが提示されている。そうすると、被告製品では、ヤーンの数の分だけ針が左右にシフトし、各スティッチ場所において、選択された1色のヤーンが保持され、残りのヤーンは引き抜かれていると考えられ、高められた有効スティッチ速度(有効処理スティッチ速度)は、異なる色のヤーンの数を乗じたものとなっており、このような制御を行うことにより、物品の密度を実質的に維持している。 したがって、被告製品は構成要件2Hを充足する。 構成要件2Hにおける「所望のスティッチ速度」と「有効処理スティッチ速度」は、本件発明1における「規定されたスティッチ速度」と「有効スティッチ速度」と、それぞれ同義と考えられるから、本件発明1の構成要件1G2と1G3で述べたことと同様の理由により、被告製品は構成要件2Hを充足しない。 なお、「有効処理スティッチ速度は…異なる色のヤーンの数を乗じた」との文言は、ハイローとニードルシフトを組み合わせたタフティングマシンにおいて当然のことを規定した「有効処理スティッチ速度」を実質的に限定するものではない。 構成要件 原告の主張被告の主張3A複数の異なる糸を含むパ ルシフトを組み合わせたタフティングマシンにおいて当然のことを規定した「有効処理スティッチ速度」を実質的に限定するものではない。 構成要件 原告の主張被告の主張3A複数の異なる糸を含むパターン化タフト状物品を形成するためのタフティング機であって、該タフティング機は、被告製品のタフティングマシンは、模様を有するタフティングされたカーペットを形成するものであり、タフトによる模様は異なる色のヤーンを含むから、被告製品は構成要件3Aを充足する。 1Aに関する被告の主張と同様であり、被告製品は構成要件3Aを充足しない。 3E一連のゲージ部品であって、該一連のゲージ部品は、該針が該裏打ち材料の中において糸のタフトを形成するように該裏打ち材料の中へ往復運動させられるとき、該少なくとも1つの針棒の該針と係合する位置において、該タフティング区画の下に載置される、一連のゲージ部品と、1Fに関する原告の主張と同様であり、被告製品のLOOPERは、針からヤーンのループを引っ掛けることができるようにNEEDLEがバッキング材料(裏打ち材料)の裏側から表側に通ったときの対応する位置に設けられているから、被告製品のLOOPERは、糸のタフトを形成するとき、NEEDLEBARと係合する位置に設けられている。そうすると、被告製品の一連なりのLOOPERは、構成要件3Eの「一連のゲージ部品」に相当し、被告製品は同構成要件を充足する。 1Fに関する被告の主張と同様であり、被告製品は構成要件3Eを充足しない。 3F2該パターン化タフト状物品を形成するように該パターン化タフト状物品に対する所望の織物ステッチレートよりも増大した、もしくは高密度な効果的ステッチレートで該裏打ち材料の供給を制御するために、該裏打ち供給ロールを制御し、該パターン化タフト状物品の表側は フト状物品に対する所望の織物ステッチレートよりも増大した、もしくは高密度な効果的ステッチレートで該裏打ち材料の供給を制御するために、該裏打ち供給ロールを制御し、該パターン化タフト状物品の表側は、該所望の織物ステッチレートの外観を有する、ステッチ分布制御システムとを備える、「効果的ステッチレート」は、1G2の「有効スティッチ速度」を意味し、「所望の織物ステッチレート」は、1G2の「規定されたスティッチ速度」を意味するから、これらの意味については、1G2に関する原告の主張のとおりである。 構成要件3F2は、ステッチ分布制御システムが裏打ち供給ロールを制御することで、効果的ステッチレートを、パターン化タフト状物品に対する所望の織元ステッチレートよりも増大、もしくは高密度にすることで、所望の織物ステッチレートの物品のパターン化タフト状物品を形成することを発明特定事項とする。 被告製品の制御システムは、「有効スティッチ速度」を「規定されたスティッチ速度」よりも増大させるために、BACKINGFEEDROLLSを用いてタフティング区画へのバッキング材料(裏打ち材料)へ供給速度を制御している。 したがって、被告製品は構成要件1G2を充足する。 構成要件3F2における「所望の織物ステッチレート」や「効果的ステッチレート」は、本件発明1における「規定されたスティッチ速度」と「有効スティッチ速度」と、それぞれ同義と考えられるから、本件発明1の構成要件1G2と1G3で述べたことと同様の理由により、被告製品は構成要件3F2を充足しない。 また、本件発明3は「ゲージ=織物ステッチレート」とすることに特化したタフティングマシンにかかる発明であるところ、被告製品は、ゲージに基づいて織物ステッチレート(外観に表れる何らかのタフトの数)が自動的に決定する制御手段を =織物ステッチレート」とすることに特化したタフティングマシンにかかる発明であるところ、被告製品は、ゲージに基づいて織物ステッチレート(外観に表れる何らかのタフトの数)が自動的に決定する制御手段を備えるものではなく、被告製品によって形成される物品は「織物ステッチレート」の外観を備えないから、被告製品は、構成要件3F2を充足しない。 構成要件 被告の主張原告の主張 明確性要件違反本件発明1及び2では、「スティッチ速度」との用語が用いられているが、「速度」との記載では不明確である。仮に「スティッチ速度」が用語「stichrate」の訳であれば、「レート」を「速度」と誤訳したものであり、明確性要件違反を否定する理由にならない。 原告は、「スティッチ速度」は「1インチ(2.54cm)当たりのスティッチ数をいうことは明らかである」と述べるが、「スティッチ速度」の字義からして、「(単位時間当たり)スティッチ数」の意味と理解されるし、「速度」という用語からしても、「速度」に関連した用語としか理解できないから、原告の主張は字義に反する。原告が主張の根拠とする、甲7、甲10、本件明細書1の段落【0007】【0011】は、「stichrate」の用語を説明するにすぎず、1インチ当たりのステッチ数であることを示すものとはいえない。さらに、乙7の文献では、「ステッチ速度」との用語を用いて、針棒(ニードルバー)の往復運動の速度を意味するものとされており、この分野において「ステッチレート」とは異なる意味で「速度」と規定することはあり得るなど、「スティッチ速度」という用語を「スティッチレート」という確立した別の技術用語の意味で使用するという無理な解釈を採用する余地はない。 「スティッチ速度」は、例えば1インチ(2. 54cm) るなど、「スティッチ速度」という用語を「スティッチレート」という確立した別の技術用語の意味で使用するという無理な解釈を採用する余地はない。 「スティッチ速度」は、例えば1インチ(2. 54cm)当たりのスティッチの数を意味する。 すなわち、特許請求の範囲の用語の意義は、明細書の記載等を考慮して解釈されるところ、本件明細書1の段落【0007】【0011】【0049】【0053】に「スティッチ速度」に関する記載があり、「スティッチ速度」が、例えば1インチ(2.54cm)当たりのスティッチの数の意味として使われている。「速度」を英訳する際に「rate」の訳があてられることがあり、「スティッチ速度」が「stichrate」に対応すると考えることに特に無理はない。さらに、「スティッチ速度」に関する上記解釈は、本件発明1及び2の特許請求に範囲の記載(構成要件1A、1G2、2H)とも整合する。したがって、「スティッチ速度」の記載は、明確性要件に反するものではない。 なお、被告の指摘する乙7に係る発明は、針棒を往復運動する「針スティッチ速度」に関する発明であり、針棒の往復運動それ自体に特に特徴のない本件発明1とは関連がない。 無効理由 原告の主張乙4公報は、少なくとも構成要件3F1及び3F2の構成を開示していない。 3a  複数の糸を送る糸送りユニットを備え、所望のカーペット・パターンを持つカーペット形成するためのタフト作製機であって、該タフト作製機は、3b  少なくとも1つの往復針棒17であって、該少なくとも1つの往復針棒17に沿って一連の針13が載置されている、少なくとも1つの針棒と、3c  該タフト作製機の針13の下に画定されるタフト作製領域を通して基材14(=裏打ち材料)を供給するための基材送りロール18と、3d  一 一連の針13が載置されている、少なくとも1つの針棒と、3c  該タフト作製機の針13の下に画定されるタフト作製領域を通して基材14(=裏打ち材料)を供給するための基材送りロール18と、3d  一連の糸を該針に供給するための糸送りユニット50と、3e  一連のルーパ23であって、該一連のルーパ23は、該針が基材の中において糸のループまたはタフトを形成するように基材14の中を上昇、下降させられるとき、該針のつくるループと係合する位置において、タフト作製領域の下に載置される、一連のルーパ23と、3f  制御システムであって、3f1 該制御システムは、ユーザの所望するカーペット・パターンをタフトするために要求される糸送りレートを計算したパターン・データにしたがって、タフト作製機を通過する基材に所望のパターンが形成されるように個々の針13への該糸の供給を独立に制御するために、該糸送りユニット50を制御し、かつ、3f2 ユーザの所望するカーペット・パターンをタフトするために要求される基材の送りまたはステッチレートを計算したパターン・データにしたがって基材の供給を制御するために、該基材送りロール18を制御し、ユーザの所望するカーペット・パターンを生成する、制御システムとを備える、3g  タフト作製機。 被告が提出する各証拠をみても、本件各特許の優先日前において、被告が主張する各技術常識があったとはいえない。 また、従来のタフティングマシンにおいて、バッキング給送速度を遅くし、ステッチ方向のタフトの密度を高めただけでは、単に縮んだ模様が作成されるだけであり、ユーザが所望する模様を作成することはできない。本件発明は、有効スティッチ速度等という考え方を導入することによって、このような課題を解決したものである。すなわち、升目を用いて説明されるように、本件発明によ が所望する模様を作成することはできない。本件発明は、有効スティッチ速度等という考え方を導入することによって、このような課題を解決したものである。すなわち、升目を用いて説明されるように、本件発明によれば、それぞれの色の糸が各スティッチ場所に保持されることを可能にし、かつ、所望の色の糸だけが模様の各スティッチ場所に保持されることで、正確なゲージ範囲のカーペットを作成することが可能となる。 無効理由被告の主張構成要件3F13F1は所望の箇所に所望の色のヤーンのみをタフトすることで保持し、その他の色のヤーンを引き下げるか、引き抜くことを発明特定事項とするものである。乙4公報の段落【0004】は背景技術に関する記載であり、【0004】の記載から乙4発明の構成を認定することはできないし、被告が引用するその他の乙4公報の記載内容をみても、前記技術的意義を有する3F1の構成を開示するものではない。 構成要件3F2本件発明の技術的特徴の一つは、引き抜かれる(または引き下げられる)ヤーンのタフトを考慮に入れた十分なステッチを打つことで、カーペットの模様が規定されたスティッチ速度等の外観を備えるように、タフティングマシンに有効スティッチ速度等という考え方を導入し、有効スティッチ速度等を規定されたスティッチ速度等よりも大きくするようにバッキング材料の供給速度を制御することである。本件発明3の「効果的ステッチレート」は、引き抜かれる(または引き下げられる)ヤーンのタフトを考慮に入れた、タフティングされた物品の模様が「所望の織物ステッチレート」の外観を有するための効果的なステッチレートを意味する。乙4公報の段落【0018】は、ステッチレートをバッキング給送速度によって制御することを開示するものにすぎず、上記技術的意義を有する「効果的スティッチレート」でタフティングす テッチレートを意味する。乙4公報の段落【0018】は、ステッチレートをバッキング給送速度によって制御することを開示するものにすぎず、上記技術的意義を有する「効果的スティッチレート」でタフティングするためにバッキング給送速度を制御することを何ら開示するものではない。 乙4発明の構成 乙4発明に基づく新規性欠如構成要件3A~3Eいずれもタフティングマシンを構成する部材に係る記載であり、乙4発明と構成を同じくすることに争いはない。 構成要件3A3A中の「異なる糸」は、「複数の糸」が使用されている乙4発明との関係において、実質的な相違点とはならない。 構成要件3F13F1中の「一連の糸の中の糸を選択的に保持する」は、乙4発明との間の相違点になり得ない。すなわち、当該構成要件の意味は、選択されたステッチ場所において、模様に表したい色のヤーンを選択的に高いタフトで残し、残りの色のヤーンを引き抜けるように針への糸供給量を糸供給機構が制御することであるところ 、本件特許3の優先日当時のハイロー制御とニードルシフトを組み合わせたタフティングマシンにおいては、任意の模様を作成できたのであるから、このようなことは、これらの機械が備える当然の前提にすぎない。また、乙4公報の段落【0004】及び【0013】にも、「一連の糸の中の糸を選択的に保持する」ことが開示されていると解される。 構成要件3F23F2における「所望の織物ステッチレート」とは、「タフティングマシンを用いて実際に作成された模様にかかるステッチレート」のことであり、「所望の織物ステッチレートよりも増大した、もしくは高密度な効果的ステッチレート」というのは、「所望の織物ステッチレート」×「ヤーンの数」を含んでいる。そうであるところ、乙4公報の段落【0015】ないし【0018】の記載によれば、3f2は、「ユ しくは高密度な効果的ステッチレート」というのは、「所望の織物ステッチレート」×「ヤーンの数」を含んでいる。そうであるところ、乙4公報の段落【0015】ないし【0018】の記載によれば、3f2は、「ユーザの所望するカーペット・パターンをタフトするために要求される基材の送りまたはステッチレートを計算したパターン・データにしたがって基材の供給を制御するために、該基材送りロール18を制御」することにより、「ユーザの所望するカーペット・パターン」を得ている。また、「複数の糸」を使用する乙4発明においては複数の色の糸が使用されていると理解されるところ、ニードルシフトとハイロー制御とを組み合わせた多色のタフティングマシンは、例えば、3色のタフトをすれば所望の1色以外は引き抜く(あるいは引き下げる)のであるから 、実際のステッチレート(「所望の織物ステッチレートよりも増大した、もしくは高密度な効果的ステッチレート」)は、自ずと「所望の織物ステッチレート」×「ヤーンの数」になる。したがって、3F2と3f2は一致する。 本件発明3の構成は、乙4公報に全て記載されている。 従来技術と本件発明3との関係本件各特許の優先日当時、ハイ・アンド・ロー(隠したい色のヤーンを引き戻し、その色のタフトの高さを他のタフトよりも低くする技術。以下「ハイロー制御」という。)とニードルシフト(シフターを用いて針棒を左右に動かすこと)を組み合わせたタフティングマシンは技術常識であり(乙2、10~14)、ハイロー制御では、一部のヤーンを引き戻してロータフトにする結果、絨毯の表にみえる高いタフトの密度が下がり、図形模様が不鮮明になり易いといった問題が生じることもよく知られていた(乙5公報の段落【0003】、乙10)。また、ステッチレートが基布を送る速度で調整され、任意の密度で設定されていたことや、ゲー 、図形模様が不鮮明になり易いといった問題が生じることもよく知られていた(乙5公報の段落【0003】、乙10)。また、ステッチレートが基布を送る速度で調整され、任意の密度で設定されていたことや、ゲージと同時にステッチ数を考慮することも、一般的な計算を行う前提として利用されている程度の技術常識であった(乙10、11、13)。 「所望の織物ステッチレート」をゲージとほぼ一致するものではなく、原告が主張するように単に作りたいステッチレートという意味で解釈してしまうと、上記技術常識を踏まえた従来技術であっても本件発明3であっても、例えば3色のタフトがなされた後に1色のみが残されるというだけのことであって、実際に打つステッチの数(=効果的ステッチレート)が残された色のステッチの数(=所望の織物ステッチレート)の「色の数倍」になっている点では変わらないから、本件発明と従来技術の区別がつかない。 原告の主張乙4公報は、少なくとも構成要件3F1及び3F2の構成を開示していない。 本件発明3との対比本件発明3と乙4発明とは、以下の点で相違し、その他の点で一致する。 相違点1構成要件3Aにおいて、本件発明3では「複数の異なる糸」とされているのに対し、乙4発明では「複数の糸」が使用されているが、それが「異なる糸」であるか否かは明示されていない点。 相違点2構成要件3F2において、本件発明3は「該パターン化タフト状物品を形成するように該パターン化タフト状物品に対する所望の織物ステッチレートよりも増大した、もしくは高密度な効果的ステッチレートで該裏打ち材料の供給を制御するために、該裏打ち供給ロールを制御し、該パターン化タフト状物品の表側は、該所望の織物ステッチレートの外観を有する、ステッチ分布制御システムとを備える、」とされているのに対し、乙4発明は「ユーザの所望 るために、該裏打ち供給ロールを制御し、該パターン化タフト状物品の表側は、該所望の織物ステッチレートの外観を有する、ステッチ分布制御システムとを備える、」とされているのに対し、乙4発明は「ユーザの所望するカーペット・パターンをタフトするために要求される基材の送りまたはステッチレートを計算したパターン・データにしたがって基材の供給を制御するために、該基材送りロール18を制御し、ユーザの所望するカーペット・パターンを生成する、制御システムとを備える、」点。 相違点1に関し無効主張(本件発明3・新規性欠如)の被告の主張のとおり、相違点1は実質的な相違点とはならない。 相違点2に関し無効主張(本件発明3・新規性欠如)の被告の主張のとおり、相違点2は、いずれもハイロー制御とニードルシフトを組み合わせた際の自明な事柄にすぎず、乙4発明に技術常識ないしは設計的事項を適用したにすぎないから、容易想到である。 無効主張(本件発明3・新規性欠如)の原告の主張のとおり、乙4公報は、ステッチレートをバッキング給送速度によって制御することを開示するものにすぎず、本件発明3の技術的特徴である、「所望の織物ステッチレート」の外観を有する物品を製造するために、「効果的ステッチレート」を「所望の織物ステッチレート」よりも大きくなるようにバッキング給送速度を制御することを何ら開示するものではなく、被告が提出する証拠をみても、これを開示するものはない。 仮に「一連の糸の中の糸を選択的に保持する」構成が相違点とされたとしても、乙4発明に基づく新規性欠如で前述した事情や多色の色を用いることは技術常識であることを加味すると、極めて容易想到であるといえる。 構成要件3F1は、特定の箇所にスティッチされた例えば3色のヤーンのうち、所望の色のヤーンのみを保持し、その他の色のヤーンを引き下げるなど 術常識であることを加味すると、極めて容易想到であるといえる。 構成要件3F1は、特定の箇所にスティッチされた例えば3色のヤーンのうち、所望の色のヤーンのみを保持し、その他の色のヤーンを引き下げるなどすることを発明特定事項とするものであるが、乙4発明には有効スティッチ速度等という考え方が導入されておらず、所望のパターンを形成するための糸送りユニット50による糸の供給の制御は特定の箇所におけるヤーンを引き下げ、または引き抜く制御にすぎないことから、構成要件3F1を開示するものではない。 顕著な効果の有無本件発明3によれば、「高いタフトの間に埋め込まれた低いタフトが視認されて、ぼやけた印象になる」という本件発明の課題さえ解消できていないのであって、その効果は従来技術と変わるものではない(要するに、作成者の主観的な意図にしたがい、ぼやけた印象にも密な印象にもできるというだけのことである。)。 従来のタフティングマシンでは、必ずしも所望の位置に所望のヤーンをがスティッチされなかったが、本件発明3では、所望の位置に所望のヤーンをスティッチすることが可能であり、織物の見た目がずれることなくぼやけた印象にならないという効果を奏する。 乙4発明に基づく進歩性欠如本件発明3は、乙4発明に技術常識又は設計的事項を適用することで容易に想到できる。 容易想到性無効理由被告の主張 原告の主張1a  複数の糸を送る糸送りユニットを備え、所望のカーペット・パターンを持つカーペット形成するためのタフト作製機であって、該タフト作製機は、1b  少なくとも1つの往復針棒17であって、該少なくとも1つの往復針棒17に沿って一連の針13が載置されている、少なくとも1つの針棒と、1c  該タフト作製機の針13の下に画定されるタフト作製領域を通して基材14(=裏打ち材料 棒17であって、該少なくとも1つの往復針棒17に沿って一連の針13が載置されている、少なくとも1つの針棒と、1c  該タフト作製機の針13の下に画定されるタフト作製領域を通して基材14(=裏打ち材料)を供給するための基材送りロール18と、1d  一連の糸を該針に供給するための糸送りユニット50と、1e  該少なくとも1つの往復針棒17を横方向でシフト可能にするための往復駆動する主駆動シャフトと、1f  一連のルーパ23であって、該一連のルーパ23は、該タフト作製領域の下に取り付けられ、該針が基材の中において糸のループまたはタフトを形成するように基材14の中を上昇、下降させられるとき、該針のつくるループと係合する位置にある、一連のルーパ23と、1g  制御システムであって、1g1 該制御システムは、ユーザーの所望するカーペット・パターンをタフトするために要求される糸送りレートを計算したパターン・データに従って該少なくとも1つの往復針棒17と該一連の糸を該針に供給するための糸送りユニット50とを制御して、基材に形成される糸の高さを変更し、幾つかの糸のタフトをバックロブして隠す、制御システムとを備え、1g2 該制御システムは、該基材送りロール18を駆動する駆動モータを制御し、該制御システムは、該糸のタフトが、該タフティングされたカーペットにユーザの所望するカーペット・パターンが形成されるように該基材の送りまたはステッチレートを計算したパターン・データにしたがって該基材送りロール18を制御し、1g3 該ユーザの所望するカーペット・パターンは、ユーザの入力に基づく1h  タフト作製機。 本件発明1との対比本件発明1と乙4発明とは、以下の点で相違し、その他の点で一致する。 乙4発明は、少なくとも構成要件1G1及び1G2を開示しない。 相違点1構成要件1A 1h  タフト作製機。 本件発明1との対比本件発明1と乙4発明とは、以下の点で相違し、その他の点で一致する。 乙4発明は、少なくとも構成要件1G1及び1G2を開示しない。 相違点1構成要件1Aにおいて、本件発明1では「異なる色のヤーン」とされているのに対し、乙4発明では「複数の糸」が使用されているが、それが「異なる色のヤーン」であるか否かは明示されていない点。 相違点2構成要件1G2において、本件発明1は「該制御システムは、該バッキング給送ロールとリンクされ、該制御システムは、該ヤーンのタフトが、該タフティングされた物品の模様の外観が該模様の規定されたスティッチ速度で形成されるように該タフティングされた物品を形成するのに十分なだけ該タフティングされた物品の模様の該規定されたスティッチ速度よりも大きな有効スティッチ速度で該バッキング材料において形成されるように、該バッキング材料を給送するために該バッキング給送ロールを制御し、」とされているのに対し、乙4発明は「該制御システムは、該基材送りロール18を駆動する駆動モータを制御し、該制御システムは、該糸のタフトが、該タフティングされたカーペットにユーザが所望するカーペット・パターンが形成されるように該基材の送りまたはステッチレートを計算したパターン・データにしたがって該基材送りロール18を制御し、」とされる点。 相違点3構成要件1G3において、本件発明1は「該規定されたスティッチ速度は、該タフティングマシンのゲージに従って決定される、」とされているのに対し、乙4発明は「該ユーザの所望するカーペット・パターンは、ユーザの入力に基づく」とされる点。 相違点1に関し無効主張(本件発明3・進歩性欠如)の相違点1における被告の主張のとおり、相違点1は実質的な相違点とはならない。 相違点2に関し無効主張(本件 、ユーザの入力に基づく」とされる点。 相違点1に関し無効主張(本件発明3・進歩性欠如)の相違点1における被告の主張のとおり、相違点1は実質的な相違点とはならない。 相違点2に関し無効主張(本件発明3・進歩性欠如)の相違点2における被告の主張と同様の理由で、構成要件1G2は、乙4発明に技術常識又は設計的事項を適用することにより容易想到である。なお、本件発明1の構成要件1G2における「規定されたスティッチ速度」とは、「タフティングマシンを用いて実際に作成された模様にかかるステッチレート」のことであり、「規定されたスティッチ速度よりも大きな有効スティッチ速度」というのは、「規定されたスティッチ速度」×「ヤーンの数」を含んでいる。 無効主張(本件発明3・進歩性欠如)の相違点2における原告の主張と同様の理由で、乙4公報は構成要件1g2を開示しないし、構成1g2は構成要件1G2に相当しない。 相違点3に関し構成要件1G3における「規定されたスティッチ速度は、該タフティングマシンのゲージに従って決定される、」とは、実際にできあがったカーペットのステッチ方向の高いタフトの密度が、ゲージと等しくなることを意味している。乙4発明では、ユーザの入力に基づいて、ユーザの所望するカーペット・パターンが形成されるところ、できあがったカーペットのステッチ方向における高いタフトの密度をどのようにするかは、ユーザが所望するカーペットに応じて、適宜設計しうる事項であり、本件明細書1によれば、従来からゲージを基準にしていたというのであるから(本件明細書1の段落【0049】)、容易想到であることは明らかである。 また、乙5公報には2色でタフティングする場合、ステッチレートをゲージの約2倍にする乙5発明が開示されているのであり、乙4発明にこれを組み合わせることで当業者が容易に想到する あることは明らかである。 また、乙5公報には2色でタフティングする場合、ステッチレートをゲージの約2倍にする乙5発明が開示されているのであり、乙4発明にこれを組み合わせることで当業者が容易に想到する構成である。 乙5公報の記載(【0003】【0005】)によれば、乙5発明は、第1パイル群と、第1パイル群のバックステッチ面の上に重ねてジグザグにタフテイングされた第2パイル群とによってパイル層を形成し、2種類のパイル群を特定の態様で順次重ねることにより課題を解決するものである。乙5公報記載の第2の特徴も、同様の方法により課題を解決するものであり、「効果的スティッチレート(有効スティッチ速度)」でタフティングするためにバッキング給送速度を制御することを開示するものではないから、乙4発明と乙5発明の組合せに基づく被告の容易想到性の主張は理由がない。 顕著な効果の有無ステッチレート(1インチあたりに打ち込むステッチ数)を種々変更して作成した織物のステッチレートがゲージ通りであっても、ゲージ通りではなくても、パイル密度が高くなることで外観の印象が多少変わることや、それによる質感の向上という従来技術による効果以外、特別の効果が生じるものではない。 無効主張(本件発明3・進歩性欠如)の顕著な効果の有無における原告の主張のとおりである。 無効理由被告の主張 乙4発明に基づく進歩性欠如本件発明1は、乙4発明に技術常識又は設計的事項、若しくは乙5発明を適用することで容易に想到できる。 乙4発明の構成容易想到性 原告の主張2a  複数の糸を送る糸送りユニット50を備え、所望のカーペット・パターンを持つカーペット形成するためのタフト作製機であって、該タフト作製機は、2b  少なくとも1つの往復針棒17であって、該少なくとも1つの往復針棒17に沿 りユニット50を備え、所望のカーペット・パターンを持つカーペット形成するためのタフト作製機であって、該タフト作製機は、2b  少なくとも1つの往復針棒17であって、該少なくとも1つの往復針棒17に沿って一連の針13が載置されている、少なくとも1つの針棒17と、2c  該タフト作製機の針13の下に画定されるタフト作製領域を通して基材14(=裏打ち材料)を供給するための基材送りロール18と、2d  一連の糸を該針に供給するための糸送りユニット50と、2e  該少なくとも1つの往復針棒17を横方向でシフト可能にするための往復駆動する主駆動シャフト、2f  一連のルーパ23であって、該一連のルーパ23は、該タフト作製領域の下に取り付けられ、該針が基材の中において糸のループまたはタフトを形成するように基材14の中を上昇、下降させられるとき、該針のつくるループと係合する位置にある、一連のルーパ23と、2g  制御システムであって、2g  該制御システムは、該基材を給送する該基材送りロール18を制御し、該制御システムは、該少なくとも1つの往復針棒17と該一連の糸を該針13に供給するための糸送りユニット50とを制御して、基材に形成される糸の高さを変更し、幾つかの糸のタフトをバックロブして隠す、制御システムとを備え、2h  該糸13のタフトは、ユーザが所望するカーペット・パターンをタフトするために要求される基材の送りまたはステッチレートで該基材において形成され、できあがる模様はユーザが所望する密度になっている2i  タフト作製機。 本件発明2との対比本件発明2と乙4発明とは、以下の点で相違し、その他の点で一致する。 乙4発明は、構成要件2G及び2Hを開示しない。 相違点1構成要件2Aにおいて、本件発明2では「複数の異なる色のヤーン」とされているのに対し、乙4発明 明とは、以下の点で相違し、その他の点で一致する。 乙4発明は、構成要件2G及び2Hを開示しない。 相違点1構成要件2Aにおいて、本件発明2では「複数の異なる色のヤーン」とされているのに対し、乙4発明では「複数の糸」が使用されているが、それが「異なる色のヤーン」であるか否かは明示されていない点。 相違点2構成要件2Hにおいて、本件発明2は「該ヤーンのタフトは、高められた有効処理スティッチ速度で該バッキング材料において形成され、該高められた有効処理スティッチ速度は、該模様を形成する異なる色のヤーンの数を乗じた、形成される該模様がつけられタフティングされた物品の所望のスティッチ速度に基づいており、該模様がつけられた物品の密度を実質的に維持する、」とされているのに対し、乙4発明は「該糸13のタフトは、ユーザが所望するカーペット・パターンをタフトするために要求される基材の送りまたはステッチレートで該基材において形成され、できあがる模様はユーザが所望する密度になっている」とされている点。 相違点1に関し無効主張(本件発明3・進歩性欠如)の相違点1における被告の主張のとおり、相違点1は実質的な相違点とはならない。 相違点2に関し無効主張(本件発明3・進歩性欠如)の相違点2における被告の主張と同様の理由で、構成要件2Hは、乙4発明に技術常識又は乙5発明を適用することにより容易想到である。なお、構成要件2Hには「異なる色の糸の数倍」との記載があり、仮にこの点が相違点になるとしても、自明な事項にすぎず、乙4発明に技術常識又は設計的事項を適用したにすぎない。 無効主張(本件発明3・進歩性欠如)の相違点2における原告の主張と同様の理由で、乙4公報は構成要件2Hを開示しないし、構成2hは構成要件2Hに相当しない。 また、無効主張(本件発明1・進歩性欠如)の相違点3における原 ・進歩性欠如)の相違点2における原告の主張と同様の理由で、乙4公報は構成要件2Hを開示しないし、構成2hは構成要件2Hに相当しない。 また、無効主張(本件発明1・進歩性欠如)の相違点3における原告の主張と同様、乙4発明と乙5発明の組合せに基づく被告の容易想到性の主張は理由がない。 顕著な効果の有無本件発明2によれば、「高いタフトの間に埋め込まれた低いタフトが視認されて、ぼやけた印象になる」という課題さえ解消できていないのであって、その効果は従来技術と変わるものではない無効主張(本件発明3・進歩性欠如)の顕著な効果の有無における原告の主張のとおりである。 無効理由被告の主張 乙4発明に基づく進歩性欠如本件発明2は、乙4発明に技術常識又は設計的事項、若しくは乙5発明を適用することで容易に想到できる。 乙4発明の構成容易想到性

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