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主文 本件上告を棄却する。上告費用は上告人の負担とする。理由 上告代理人先川吉蔵の上告理由(一)について。本件和解において、上告人は被上告人に対し、昭和三〇年一一月末日までの延滞賃料残金八万二、二二八円の支払義務を認め、昭和三〇年一二月末日以降完済にいたるまで毎月末日限り二、○○○円ずつを被上告人に支払うこと、上告人が右分割金の支払を引き続き二回分以上怠つたときは、なんらの催告を要せず、本件家屋賃貸借契約は当然解除されたものとして、直ちに本件家屋を被上告人に明け渡すことと定められたことは原審の確定したところである。右条項の後段は、上告人が分割金の支払を引き続き二回分以上怠つたときは、催告はもとより、解除の意思表示をも要せず、当然に賃貸借契約を終了せしめる趣旨と解釈するのが相当であり、これと同一の判断に出でた原判決は正当である(所論引用の判例は、事案を異にし、本件に適切でない)。所論は採用できない。同(二)について。原判決引用の第一審判決挙示の証拠によれば、昭和三〇年一二月二八日上告人が被上告人方を訪れた際には家屋修繕の話をしたにすぎず、上告人主張のような履行の提供はしなかつた旨の認定は、是認できる。所論は、原審が適法にした証拠の取捨判断ならびに事実の認定を非難するものであり、上告適法の理由とし難い。同(三)について。原判決挙示の証拠および当事者間に争いのない本件和解条項の文言によれば、本件和解によつて定められた延滞賃料残金八万二、二二八円の支払期日は、和解調書記載のとおり昭和三〇年一二月末日以降毎月末日限りという約旨であつた旨の認定- 1 -は是認でき、したがつて、原審において、右支払期日の記載が昭和三一年一月末日以降の誤記であることを前提とし、前示延滞賃料につ 昭和三〇年一二月末日以降毎月末日限りという約旨であつた旨の認定- 1 -は是認でき、したがつて、原審において、右支払期日の記載が昭和三一年一月末日以降の誤記であることを前提とし、前示延滞賃料については弁済期が決定していないとする上告人の主張を採用しなかつたことは正当といわなければならない。 たがつて、原審において、右支払期日の記載が昭和三一年一月末日以降の誤記であることを前提とし、前示延滞賃料につ 昭和三〇年一二月末日以降毎月末日限りという約旨であつた旨の認定- 1 -は是認でき、したがつて、原審において、右支払期日の記載が昭和三一年一月末日以降の誤記であることを前提とし、前示延滞賃料については弁済期が決定していないとする上告人の主張を採用しなかつたことは正当といわなければならない。原判決には所論の違法はない。同(四)について。上告人の権利濫用の主張に対し第一審判決理由に説示したところは正当である。所論は原審の認定しない事実に基づき、独自の見解に立つて右判断を非難するにすぎず、採用できない。よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。最高裁判所第二小法廷裁判長裁判官池田克裁判官河村大助裁判官奥野健一裁判官山田作之助裁判官草鹿浅之介- 2 -
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