昭和23(オ)115 所有權移轉登記請求

裁判年月日・裁判所
昭和24年4月12日 最高裁判所第三小法廷 判決 棄却 東京高等裁判所
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【DRY-RUN】主    文      本件上告を棄却する。      上告費用は上告人の負担とする。          理    由  上告代理人高屋市二郎同河野太郎の上告理由は未尾に添附した別紙書面記載の通 りで

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判決文本文2,132 文字)

主文 本件上告を棄却する。 上告費用は上告人の負担とする。 理由 上告代理人高屋市二郎同河野太郎の上告理由は未尾に添附した別紙書面記載の通りである。 第一点について。 按ずるに民事訴訟法第一四四条は口頭弁論期日に行うべき証人訊問においては証人の陳述を口頭弁論調書に記載すべきことを規定しているが、従来の慣行として口頭弁論調書と題する調書に対し特に調書と題する別紙を以て証人調の顛未を録取することが常である。しかしこれは唯執務者の閲覧の便宜の為であつて口頭弁論調書とは別個獨立の調書ではなく口頭弁論調書の一部を為すものである。記録に徴するに昭和二三年三月一八日附口頭弁論調書と題する書面に續いて調書と題する書面(証人Dの訊問調書)が編綴され右書面は契印によつて連結一体となつて口頭弁論調書が形成されていることが明らかである。そして右口頭弁論調書と題する部分には証人Dの訊問がなされた旨の記載のないことは所論の通りであるが、右証人Dが出頭した旨の記載があり且つ右口頭弁論調書と題する書面に續いて編綴され、且つ契印によつて連結一体とされた調書と題する部分には、裁判長は証人Dを訊問した旨、及び同証人の陳述内容が記載されているのであるから、右両書面即ち口頭弁論調書により、前記口頭弁論期日おいて証人Dの訊問がなされた事実が明らかである。要するに論旨は前記両書面を別個獨立のものと解した為めに生じた誤りであつて、原判決は所論の如き違反はない。從つて論旨は理由がない。 第二点について。 論旨前段は専ら第一審の事実認定に対する非難であるが、第二審判決は、第一審- 1 -判決の事実認定に関係なく第二審に現はれた証拠に甚き自由に事実を認定するものであるから、第一審の事実認定の当否は、第二審判決の当否に影響を及ぼす に対する非難であるが、第二審判決は、第一審- 1 -判決の事実認定に関係なく第二審に現はれた証拠に甚き自由に事実を認定するものであるから、第一審の事実認定の当否は、第二審判決の当否に影響を及ぼすものではない。そして、原審においては第一審判決の事実認定に拘束された形跡は認められないから、論旨は理由がない。 次に論旨後段については、所論(一)(二)(三)の順序に従つて説明をする。 (一)所論の如く本件物件の価格が本件売買当時騰貴す一方であり、且つ上告人が相当の銀行預金を有していたとしても、本件売買は上告人主張の如き共同経營の特約付きの売買であると認定しなければならない経験則は存しない。却つて原判決が証拠に採用した第一審証人Dの証言によれば、上告人が主張する如き共同経營の特約はなかつたことが明らかである。(論旨は右Dの証言は誤記であると主張するが、原審においては誤記であることを認めていない。)そして原審における被上告人本人訊問の結果によるも、本件売買は上告人主張の如き共同經營の特約付きのものではなく、無条件の売買であることを認め得るものであるから、所論の如き違法はない。 (二)所論原審証人Eの証言は、原判決において採用しないものであるし、原判決が証拠に採用した原審における被上告人本人訊問の結果によれば、上告人は本件物件を売却して銀座邊に店を持ちたいと言つていた事実を窺い知ることができるばかりでなく、原判決の認定した本件売買の經緯等に徴すれば本件家屋は父母の隠居屋に充てる為めに購入したものであり、上告人の復員後は直ちに隠居屋が必要になるとしても、本件売買が上告人主張の如き共同経營の特約付きであると認定しなければならない理由はない。從つて所論の如き違法はない。 (三)不動産売買に際しては所論の如き売買代金の授受と所有権移轉登記手續が同時に 本件売買が上告人主張の如き共同経營の特約付きであると認定しなければならない理由はない。從つて所論の如き違法はない。 (三)不動産売買に際しては所論の如き売買代金の授受と所有権移轉登記手續が同時に行はれることは普通であらうが、同時に行はれない場合はいくらもあらう。 従つて本件売買において所有權移轉登記以前に代金全部の授受が行はれたとして- 2 -も、其為めに本件売買が共同経營の特約付きのものであると認めなければならない理由はないから、論旨は理由がない。なお論旨未尾は上告人主張の特約の存在を否定する証拠は被上告人本人訊問の結果以外には存在しないのに反し、上告人の主張を肯定する証拠は、上告人本人訊問の結果の外証人E、Dの証言等があるのに、是等を排斥して被上告人本人訊問の結果を採用したのは採証法則に違反するか、又は審理不盡であるというのであるが、証拠の採否は原審の専權に属するところであり、且つ原審における証拠の採否につて法則に違背したと認められるところはない。 以上説明した通り、原判決は所論の如き法則違法はなく、また審理不盡の違法もない。論旨は理由がない。 よつて民事訴訟法第四〇一条同第八九条同第九五条により主文の通り判決する。 以上は裁判官全員一致の意見である。 最高裁判所第三小法廷裁判長裁判官長谷川太一郎裁判官井上登裁判官島保裁判官河村又介裁判官穂積重遠- 3 - 裁判官穂積重遠

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