【DRY-RUN】主 文 本件各上告を棄却する。 理 由 弁護人大橋茹の上告趣意第一点について。 しかし、裁判所構成法による控訴院が、同戦時特例第五条により、上告審として 為
主文 本件各上告を棄却する。 理由 弁護人大橋茹の上告趣意第一点について。 しかし、裁判所構成法による控訴院が、同戦時特例第五条により、上告審として為した判決は、刑訴法第四〇五条第三号にいわゆる判例に当らないし、又判例違反と主張していても、ただ漫然と従来の判例に反すると主張するだけで、具体的に判例を示めさないものは、これを判例違反の主張ということはできないものである(昭和二四年新(れ)第四九九号、同二五年五月一二日第二小法廷判決参照)。したがつて、所論は単なる刑訴法の違背を主張するに帰著し、適法な上告理由に当らない。なお、衣料品配給規則第一条第一項に基づく昭和二二年九月一〇日商工省告示第五八号により繊維製品と指定されている織物は幅五吋以上のものであること及び第一審判決に本件綿布及び小幅綿布の幅が何吋であるかを認むべき証拠が掲げてないことは所論の通りであるが、普通に、綿布というときは幅三六吋の大幅ものを指し、又小幅綿布というときは幅三〇吋のものを指すことは顕著な事実であるから、特段の事情の認められない本件においては、同判示綿布及び小幅綿布はいづれも右に記載した幅のもので、右告示にいわゆる纎維製品たる織物に該当することが明らかである。したがつて、同判決に証拠によらずして事実を認定した違法があるということはできない。又、同判決が本件を擬律するに当り、右告示の適用を明示していないこと及び原判決も亦これを咎めていないことは所論の通りであるが、判示綿布及び小幅綿布が右告示の指定する纎維製品に該当することが明白な本件においては、かかる法令違反は未だ刑訴法第四一一条第一号を適用すべき事由と為すに足らないものである(昭和二五年(あ)第四〇六号、同年一〇月一七日第三小法廷判決参照)。 - 1 -同第二点に 本件においては、かかる法令違反は未だ刑訴法第四一一条第一号を適用すべき事由と為すに足らないものである(昭和二五年(あ)第四〇六号、同年一〇月一七日第三小法廷判決参照)。 - 1 -同第二点について。 しかし、判例違反の主張をするのは、その判例を具体的に示めすことが必要で、ただ従来の判例に反するというだけでは足らないこと既に論旨第一点につき記載した通りである。しかるに、所論も、漫然と、従来の大審院の判例に反するというだけで、具体的に判例を示めしていないから、適法な上告理由とは認め難い。なお、第一審判決は、所論の供述調書だけで、同判示の犯罪事実を認定したのではなく、各種の証拠を綜合してこれを認定したのであり、その挙示する証拠によれば、同判示事実はこれを証明することができる。そして、衣料品配給規則第五条違反の罪は、衣料品を所定の割当公文書と引換えないで譲渡する罪であるから、その譲渡行為がある毎に犯罪が成立するものといわなければならない。したがつて、第一審判決が十四個の譲渡行為を認定した以上、これに刑法第四五条前段の規定を適用したのは、もとより、正当で、これを認容した原判決にも何等所論のような違法はない。 弁護人鍜冶利一、同大橋茹及び同斎藤寿の上告趣意第一点乃至第三点について。 所論は、いづれも、刑訴法第四〇五条所定の上告理由に当らない。なお、論旨第一点に関し、同法第四一一条を適用すべき事由が認められないことは、既に、弁護人大橋茹の上告趣意第一点につき、又論旨第二点及び第三点に関し、同条を適用すべき事由が認められないことは、同上告趣意第二点について、それぞれ判断した通りである。 同第四点及び第五点について。 所論は、いづれも、原審において控訴趣旨として主張せず、したがつて、原判決が何等判断を明示していない事項に関する主張であるから、 いて、それぞれ判断した通りである。 同第四点及び第五点について。 所論は、いづれも、原審において控訴趣旨として主張せず、したがつて、原判決が何等判断を明示していない事項に関する主張であるから、上告理由として許されないものである(昭和二四年新(れ)第二七二号、同二五年五月二日第三小法廷判決参照)。なお、論旨第四点が指摘している起訴状と同訴因変更申請書とを対照すると、それに記載された犯罪事実の間に、その相手方において相違があり、売渡場- 2 -所において単複の別があり、又代金額において若干の差異があることは所論の通りであるが、取引の年月日及び取引物件の品名数量は全く同一であり、売主はいづれも被告人Aであり、又第一審相被告人Bが少くとも取引の当事者の一人となつていることから考えると、右起訴状記載の公訴事実と訴因変更申請書記載の犯罪事実とは、その基本たる事実関係において同一性を失わないものと認めるのが相当であるから、第一審が訴因変更を許し、変更された通りの犯罪事実を認定したのは、もとより、適法で、これを以つて、公訴の提起ない事件につき、有罪の判決をした違法があるということはできない。又論旨第五点が問題にしている刑訴法第三〇一条は、裁判官が事件につき予断偏見を抱いて審理裁判することを防止する為めに設けられた規定であつて、第一審公判調書によると、被告人等は同公判で大体において自白し、且つ、所論の供述調書を証拠とすることに同意したことが認められるから、裁判官が右調書を他の証拠と同時に取調べたからとて、これを以つて直ちに同条の規定を無視した違法な訴訟手続であるということはできず、所論の判決(但し、事件番号を第二二三号と記載してあるのは、第一三三号の誤記と認める)は本件事案に適切だとは認め難い。 その他、記録を精査しても、本件につき、刑訴法第四 続であるということはできず、所論の判決(但し、事件番号を第二二三号と記載してあるのは、第一三三号の誤記と認める)は本件事案に適切だとは認め難い。 その他、記録を精査しても、本件につき、刑訴法第四一一条を適用すべき事由は認められない。 よつて、同法第四〇八条に則り、裁判官全員一致の意見を以つて、主文のように判決する。 昭和二五年一二月二八日最高裁判所第二小法廷裁判長裁判官霜山精一裁判官栗山茂裁判官小谷勝重- 3 -裁判官藤田八郎- 4 -
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