平成20(行ケ)10409 審決取消請求事件

裁判年月日・裁判所
平成22年1月26日 知的財産高等裁判所 1部 判決 請求棄却
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判決文本文37,400 文字)

- 1 -平成22年1月26日判決言渡同日原本領収裁判所書記官平成20年(行ケ)第10409号審決取消請求事件(商標)口頭弁論終結日平成21年11月4日判決原告シーディーエムエクスチェンジカンパニー被告ガボラトリー・インク同訴訟代理人弁護士中川康生同川添大資同黒川慶彦主文 原告の請求を棄却する。 訴訟費用は原告の負担とする。 この判決に対する上告及び上告受理の申立てのための付加期間を30日と定める。 事実及び理由 第1請求特許庁が無効2007-890106号事件について平成20年6月24日にした審決を取り消す。 第2事案の概要 特許庁における手続の経緯被告は,別紙商標目録記載の構成で,指定商品を同「指定商品」欄記載のとおりとする登録第4582053号商標(平成13年8月8日出願,平成14年7月5日設定登録。以下「本件商標」という。)の商標権者である(甲1。 )原告は,被告を被請求人として,本件商標は,他人の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されている商標又はこれに類似する商標であっ- 2 -て,その指定商品も使用に係る商品と同一又は類似のものであるから,商標法4条1項10号の規定に違反して登録されたものであり,同法46条1項1号の規定に基づき無効とされるべきであるとして,本件商標の指定商品中第14類「身飾品」についての登録を無効にするとの審判を請求した。 特許庁は,同請求を無効2007-890106号事件として審理した上,平成20年6月24日に「本件審判の請求は,成り立たない」との審決をし,同年7。 月4日,その謄本を原告に送達した。 本件審判手続における原告(請求人)の主張の概要A(平成11年(1999年)1月16日死亡。以下「A 「本件審判の請求は,成り立たない」との審決をし,同年7。 月4日,その謄本を原告に送達した。 本件審判手続における原告(請求人)の主張の概要A(平成11年(1999年)1月16日死亡。以下「A」という)は,米国。 のジュエリーデザイナーであり,米国カリフォルニア州の工房で「ガボール(GABOR」及び「ガボラトリー(GABORATORY」という名称(以下「ガボ))ールブランド」という)でシルバーアクセサリー製品(以下「ガボール製品」と。 いう)を製造し,販売していた。 。 B(以下「B」という)は,Aのパートナーとして働いていた人物で,Aの平。 成10年(1998年)12月ころの遺言により,同人が使用していたガボールブランド及びその名下に製造されるガボール製品のマスターピース(原型,鋳型,)職人たち等(以下「ガボールブランドに係る事業」という)を引き継いだ。 。 その後,Bは,米国ネバダ州法人であるガボラトリー・インターナショナル・インク(以下「インターナショナル社」という)を設立し,同社は,米国特許商標。 庁に対し,次の①ないし③の3件の商標権を出願して登録を受けた。 ①米国商標登録第2695716号(以下「米国商標1」という)。 商標の構成「GABOR」登録出願日平成13年(2001年)6月13日登録日平成15年(2003年)3月11日「,,,指定商品第14類銀ゴシックスタイルの宝飾類即ちブレスレットチェーン,チョーカース及びリング」- 3 -②米国商標登録第3039819号(以下「米国商標2」という)。 商標の構成本件商標と同一の構成を有する「独特の書体のGマークに王冠を冠した図形(以下「王冠付きGマーク」といい,その構成のうち,独特の書体」の「G」部分のみの図形を「Gマーク」という) )。 商標の構成本件商標と同一の構成を有する「独特の書体のGマークに王冠を冠した図形(以下「王冠付きGマーク」といい,その構成のうち,独特の書体」の「G」部分のみの図形を「Gマーク」という)の下部に唐草模様を,さらにそ。 の下に「GABORATORY」の文字を唐草模様を囲むように配した,文字と図形から成る。 登録出願日平成13年(2001年)5月29日登録日平成18年(2006年)1月10日「,,,指定商品第14類銀ゴシックスタイルの宝飾類即ちブレスレットチェーン,チョーカース及びリング」③米国商標登録第3039823号(以下「米国商標3」という)。 商標の構成米国商標2と同様の構成の標章のさらにその下に,やや小さく「INTERNATIONAL」という文字を横一線に配した,文字と図形から成る。 登録出願日平成13年(2001年)7月30日登録日平成18年(2006年)1月10日「,,,指定商品第14類銀ゴシックスタイルの宝飾類即ちブレスレットチェーン,チョーカース及びリング」原告は,ガボールブランドに係る事業及びそれに伴う諸権利,すなわち,上記米国商標1ないし3並びに商品に直接刻印するGマーク及び王冠付きGマークの未登録商標の使用権並びにガボール製品のマスターピース(原型,鋳型及び熟練した)職人たちを,インターナショナル社から引き継ぎ,日本及びアジア全域に米国商標1ないし3の使用及びガボールブランドの商品の製造・販売の独占権を取得し,さらに,米国商標2及び3から抽出したワンポイントマークを商品の狭い箇所に刻印する必要から採用した未登録商標「王冠付きGマーク(以下「王冠付きGマーク」標章」という)を略章として米国及び日本において使用するようになり,平成1。 - 4 - トマークを商品の狭い箇所に刻印する必要から採用した未登録商標「王冠付きGマーク(以下「王冠付きGマーク」標章」という)を略章として米国及び日本において使用するようになり,平成1。 - 4 -3年(2001年)から積極的に日本において,米国商標1ないし3及び王冠付きGマーク標章を付した商品を展開して広く周知させていた。 ,,(),ところがAの死後平成15年2003年まで営業を休止していた被告がAの妻C(以下「C」という)によって営業を再開し,王冠付きGマーク標章の。 商標登録が日本にないのを奇貨として,ガボールブランドのシルバーアクセサリーのマスターピース(原型)及び鋳型,職人たちを持たず,かつ会社の実体がないにもかかわらず,日本において,平成13年(2001年)8月8日に本件商標の登録を出願し,平成14年(2002年)7月5日に設定登録を受けた。 上記のとおり,原告は,Aからインターナショナル社が承継したガボールブランドに係る事業及びそれに伴う諸権利をさらに同社から承継し,米国商標1ないし3の米国における商標権者であり,米国商標2及び3から抽出したワンポイントマークを商品の狭い箇所に刻印する必要性から採用した王冠付きGマーク標章を略章として使用し,日本においても積極的に米国商標1ないし3及び王冠付きGマーク標章を周知させていたのであるから,原告が名実ともに王冠付きGマーク標章を含むガボールブランドに係る事業及びそれに伴う諸権利の真の承継人である。 したがって,本件商標は,商標法4条1項10号に該当し,同法46条1項1号により無効にすべきものである。 審決の理由審決は,次のとおり,本件商標は,商標法4条1項10号に違反して登録されたものとは認められないと判断した(なお,以下において引用した審決中の当事者及び関係者 無効にすべきものである。 審決の理由審決は,次のとおり,本件商標は,商標法4条1項10号に違反して登録されたものとは認められないと判断した(なお,以下において引用した審決中の当事者及び関係者名,商標等の略号並びに文献等の表記は,本判決の表記に統一した。 。)(1) 原告(請求人)の商標について「原告は,インターナショナル社からガボールブランドのシルバーアクセサリー商品の提供を受け,日本各地の販売業者に該商品の供給を継続していたが,2003年9月5日には米国商標1ないし3及び原告の王冠付きGマーク標章を含む全ての商標権,著作権,製造権,販売権,顧客,事業の暖簾を譲り受け,日本においてガボールブランドの販売を継続して王冠付き- 5 -Gマーク標章を広く周知せしめた旨主張し,証拠を提出している。 しかしながら,王冠付きGマーク標章の周知性を立証するために提出された甲第6号証及び同号証の1ないし4,第7号証及び同号証の1,第8号証及び同号証の1,第9号証及び同号証の1ないし3並びに第10号証及び同号証の1の各雑誌は,いずれも本件商標の登録出願後に発行されたものであるから,これらの証拠をもって,王冠付きGマーク標章が請求人の業務に係る商品を表示する商標として本件商標の登録出願時に取引者・需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできない。 その他,原告が,本件商標の登録出願前に我が国において,王冠付きGマーク標章を使用した商品を販売した事実,例えば該商品の販売数量,売上高,市場占有率,宣伝広告等を具体的に示す証左は一切提出されておらず,本件商標の登録出願前における王冠付きGマーク標章の実際の使用態様すら明らかでない。 また,原告は,商標法4条1項10号にいう『他人』には継続的使用をしていた者の承継人も含まれるとし,インターナショナル社 標の登録出願前における王冠付きGマーク標章の実際の使用態様すら明らかでない。 また,原告は,商標法4条1項10号にいう『他人』には継続的使用をしていた者の承継人も含まれるとし,インターナショナル社が使用していた王冠付きGマーク標章及び米国商標,,1ないし3を同人から譲り受け米国及び日本において使用し周知せしめていたのであるから王冠付きGマーク標章関連事業の真の承継人である旨主張する。 確かに,商標の周知性は継続的使用により獲得されるものであり,その間の使用者は必ずしも同一のものでなくとも,当該商品に係る業務の承継があった場合には,その承継人も含めて使用者といえるとしても,原告に王冠付きGマーク標章を譲り渡したインターナショナル社は,本件商標の登録出願日である平成13年(2001年)8月8日の2ヶ月程前の2001年5月29日に設立されたものであり,その設立から2ヶ月程の間における王冠付きGマーク標章を使用した商品の取引状況や宣伝広告等の具体的事実を示す証左は一切提出されておらず,上記わずか2ヶ月の間に王冠付きGマーク標章を使用し取引者・需要者の間に広く認識されるに至ったものとは到底認め難い」。 「(3) したがって,王冠付きGマーク標章は,本件商標の登録出願時において,原告の業務に係る商品を表示する商標として我が国の取引者・需要者の間に広く認識されていたものとは認められない」。 - 6 -(2) 本件商標について「被告の提出に係る乙第6号証の1及び2は,本件商標の登録出願前に我が国において発行された雑誌の写しと認められるところ,同第6号証の1の雑誌中には『A/ハンガリー/ブダ。 ,,’。 ペスト出身18年前にアメリカに渡ってキャリアを積んだ後に88年にスタジオ設立以来シルバーアクセサリーの大御所として不動の地位を誇っている 1の雑誌中には『A/ハンガリー/ブダ。 ,,’。 ペスト出身18年前にアメリカに渡ってキャリアを積んだ後に88年にスタジオ設立以来シルバーアクセサリーの大御所として不動の地位を誇っている『いくらコピーが増殖。』,しても本物を超えることは不可能だ『数限りないコピーや模造品に悩まされるのは,カリ。』,スマにとって避けられない道。中でも<ガボール>ほど,ヒステリックにコピーされるジュエ。』,『』リーもないだろうとの記載があり同第6号証の2の雑誌中にはGABORガボールの表題の下に『高貴な無骨シルバー』として『ガボールのシルバーは,ファクトリーである”ガボラトリーU.S.A”で信頼のおける3人のアソシエイトとAの4人で作られている。 . ガボールのシルバーを付けていると,それだけでアメリカでは一目も二目も置かれる。なぜなら,いくら金があってもコネクションが無ければガボールの作品は買えないからだ』との記。 載がされ,本件商標と同一といい得る商標が刻印された商品の写真が掲載されていたことが認められ,本件商標は,Aのデザインに係るシルバーアクセサリーについて使用する商標として紹介されていたことが認められる。 そうすると,本件商標の登録出願時には,Aはシルバーアクセサリーのカリスマ的デザイナーとして知られ,同人のデザインに係るシルバーアクセサリーは米国をはじめ我が国においても人気を博していたものというべきであり,上記シルバーアクセサリーについて使用する本件商標は,Aのデザインに係るシルバーアクセサリーの商標として認識されていたものということができる」。 「(2) 原告は,王冠付きGマーク標章及び本件商標等の帰属を巡って原告及びインターナショナル社と被告及びCとの間に紛争が生じたが,王冠付きGマーク標章を含むガボラトリー関 いうことができる」。 「(2) 原告は,王冠付きGマーク標章及び本件商標等の帰属を巡って原告及びインターナショナル社と被告及びCとの間に紛争が生じたが,王冠付きGマーク標章を含むガボラトリー関連事業の真の承継人は原告であって,王冠付きGマーク標章を周知せしめたのも原告である旨主張している。 しかしながら,前記のとおり,原告の提出に係る証拠によっては,王冠付きGマーク標章は原告の業務に係る商品を表示する商標として取引者・需要者の間に広く認識されているもの- 7 -とは認められないばかりでなく,むしろ,上記のとおり,被告に係る本件商標が,Aに由来する商標として取引者・需要者の間に広く認識されているものというべきである」。 (3) まとめ「以上のとおり,本件商標の登録出願時において,王冠付きGマーク標章は,請求人の業務に係る商品を表示するものとして取引者・需要者の間に広く認識されていたものとは認められないから,たとえ,本件商標と王冠付きGマーク標章とが同一又は類似のものであり,かつ,本件商標の指定商品と王冠付きGマーク標章の使用に係る商品とが同一又は類似のものであるとしても,本件商標は,商標法4条1項10号に該当するものとはいえない。 したがって,本件商標は,商標法4条1項10号の規定に違反して登録されたものではないから,同法46条1項の規定により,その登録を無効とすることはできない」。 第3原告主張の取消事由審決には,次のとおり,王冠付きGマーク標章が原告の業務に係る商品の未登録周知商標であることに関する認定を誤った違法があるから,取り消されるべきである。 審決における認定の誤りについて(1) 審決は,本件商標と同一の構成を有する王冠付きGマーク標章が,原告の指定商品「身飾品」を表示するものとして周知であったかを判断するに当た るべきである。 審決における認定の誤りについて(1) 審決は,本件商標と同一の構成を有する王冠付きGマーク標章が,原告の指定商品「身飾品」を表示するものとして周知であったかを判断するに当たり,原告提出の雑誌記事(甲6ないし10)のみでは,本件商標が登録出願された平成13年8月8日当時,王冠付きGマーク標章が原告の業務にかかる商品の商標として取引者,需要者に広く認識されていたとは認められないと判断し,さらに,当該商品に係る業務の承継があった場合には,その承継人を含めて商標の使用者といえるとしても,インターナショナル社が,本件商標の出願日より前に王冠付きGマーク標章を使用し取引者,需要者の間に広く認識されるに至ったとは認め難いと判断した。 しかし,原告ないしインターナショナル社は,それぞれ独自に王冠付きGマ,,,ーク標章を周知させたというよりもAからガボールブランドに係る事業を- 8 -既に取引者・需要者間で周知となっていた王冠付きGマークとともに譲り受けることにより,その周知性の帰属主体としての地位を取得したものである。すなわち,審決も認めるとおり,王冠付きGマークは,本件商標が登録出願される以前より,Aのデザインに係るガボール製品を表示するものとして周知性を獲得していた。そして,インターナショナル社は,Aからガボールブランドに係る事業及びそれに伴う諸権利の譲渡を受けたことにより(甲20),王冠付きGマーク標章の周知性の帰属主体としての地位を承継したものである。その後,同社から原告へガボールブランドに係る事業及びそれに伴う諸権利が譲渡され,この結果,本件商標の出願当時,王冠付きGマーク標章は,原告の業務にかかる商品を表示するものとして周知となっていたというべきである。以下,詳述する。 (2) インターナショナル社への事 利が譲渡され,この結果,本件商標の出願当時,王冠付きGマーク標章は,原告の業務にかかる商品を表示するものとして周知となっていたというべきである。以下,詳述する。 (2) インターナショナル社への事業譲渡アガボールブランドの誕生米国のジュエリーデザイナーであるAは,昭和63年ころより,ガボール製品の製造・販売を始め,平成6年には被告を設立し,以後,同社は,ガボールブランドの名の下,ガボール製品を製造・販売していた。 ガボール製品は,当初,米国国内でのみ販売され,男性用高級シルバーアクセサリーとして人気を博したが,平成8年ころからは,日本国内においても,(「」。)当時の被告の販売代理店であった有限会社ワキサカ以下ワキサカというを通じて販売されるようになり,ガボールブランドは,シルバーアクセサリーの有名ブランドとして需要者の間で広く認識されるようになっていった。 ガボールブランド及びガボール製品が日本国内で広く需要者に認識されていたことは,ガボール製品が,シルバーアクセサリーを特集した雑誌に数多く取り上げられ(甲26の1ないし4「ガボール〉ほど,ヒステリックにコピ),〈ーされるジュエリーもないだろう(甲26の1「ガボール高貴な無骨シ」),ルバー「ガボールのシルバーを付けていると,それだけでアメリカでは一目」も二目も置かれる(甲26の2「スカルといえばガボール,といわれるほ」),- 9 -どのカリスマブランド(甲26の4)などと紹介されていることからも明ら」かである。 ,,「」(),そして王冠付きGマークはAのアトリエマークと称され甲26の2多くのガボール製品に付されており,その販売に伴って,ガボール製品を表示するものとして,需要者に広く知られるようになっていた。 イ遺言書の作成 マークはAのアトリエマークと称され甲26の2多くのガボール製品に付されており,その販売に伴って,ガボール製品を表示するものとして,需要者に広く知られるようになっていた。 イ遺言書の作成(ア) ところが,Aは,従前より慢性のアルコール中毒症状にあり,また,これに起因する極めて治療困難な肝臓疾患である肝硬変を数年に渡って患っている状況にあり,医師からは,このまま飲酒を続ければ近い将来に死に至るという警告を受けていた。 ,,,しかしながらAはかかる状態となるに至っても飲酒を止めることはなくむしろその度合いを深めていたため,病状はさらに悪化の一途を辿っていた。 そして,これに伴って,Aは,ガボールブランドに係る事業の経営や,シルバーアクセサリーの創作・デザインに対する意欲ないし気力を次第に喪失してい。 ,,,る状況にあったなおAが長年のアルコール中毒に起因する肝硬変を患いこれが原因となって死亡したという事実は,Aの死亡時に作成された,米国カリフォルニア州ロサンゼルス・パサデナ市厚生課作成にかかる死亡確認書(甲15)において,同人の死亡原因として「アルコール中毒による肝硬変」と,記載され,その病歴について「数年来」と記載されていることからも明らか,である。 肝硬変とは,不可逆性の肝臓疾患の末期状態をいうのであり,その5年生存率は約50%とされる極めて治療が困難であり,かつ死亡可能性の高い疾患である。この点,肝硬変の治癒のためには断酒が必須であり,かかる症状のまま飲酒を継続することは,ほとんど自殺行為であるとさえいえる(甲30の1,2及び31。 )(イ) このような状況において,Aは,同人が最も信頼していたアクセサリー- 10 -職人であり,また友人でもあるBに対して,自分が死亡した場合には,同人がBととも 甲30の1,2及び31。 )(イ) このような状況において,Aは,同人が最も信頼していたアクセサリー- 10 -職人であり,また友人でもあるBに対して,自分が死亡した場合には,同人がBとともに発展させてきたガボールブランドを引き継ぎ,その事業を継続して欲しいという希望をもつようになっていた。 その一方,Aの妻であったCは,当時,Aと同様にアルコール中毒の状態にあり,また,元来,ガボールブランドに係る事業ないし被告の業務には全く関与しておらず,会社経営又はアクセサリー製造に関しても,何らの知識及び経。 ,,,験も有していなかったしたがって少なくとも当時の状況においてCにはガボールブランドを継承してその事業を継続する能力はなかったのであり,Aの死後,ガボールブランドに係る事業を継承し事業を遂行できる人物は,事実上,Bのみであった。 (ウ) そこで,Aは,近い将来に仮に自分が死去した場合には,ガボールブランドに係る事業及びそれに伴う諸権利をBに引き継がせたいと考え,平成10(),,年1998年12月初旬そのような意思を具体的に外部に表明するため遺言書(甲12の1)を作成し,これをガボール製品のオリジナルの金型とともに,Bに託した(甲32。 )ウ事業譲渡契約書の作成(ア) Bと同様,Aと数年来の友人であったD(以下「D」という)は,上。 記遺言の内容を具体化し,A死去の際に,ガボールブランドに係る事業及びそれに伴う諸権利の承継を円滑に行い,将来的に第三者に対する対抗力を確保しておくため,Aと合意の上,遺言書(甲12の1)の交付から間もない時期である平成10年(1998年)12月10日に,事業譲渡契約(以下「本件事業譲渡契約」という)を締結した(甲20。 。 )(イ) なお,本件事業譲渡契約の当事者が,Bでは 1)の交付から間もない時期である平成10年(1998年)12月10日に,事業譲渡契約(以下「本件事業譲渡契約」という)を締結した(甲20。 。 )(イ) なお,本件事業譲渡契約の当事者が,Bではなくインターナショナル社となっているのは,以下の事情による。すなわち,当時,Dは,本業である建設業の傍ら,モータサイクルの製造を通じて知り合ったA及びBと親交を深めており,時折,被告におけるガボール製品の日本への輸出に係る相手方との交- 11 -渉や,その事務処理を行うなどしていた。一方,職人であるBは,会社経営そ。 ,れ自体については積極的な興味関心を有していなかったこのような経緯から遺言書(甲12の1)により表明されたガボールブランドに係る事業の具体的な権利関係の処理については,Dに託され,本件事業譲渡契約がAとDとの間で締結されることとなったのである。なお,事業譲渡契約書(甲20)の当事者はDではなくインターナショナル社となっているが,これは,当時,Dが使用していたいわば屋号である。 (ウ) これにより,Aは,インターナショナル社に対し,商標権,金型をはじめとする被告及びAが有する営業に関する権利のすべてを譲渡し,同日,インターナショナル社から被告に対し,譲渡代金20万ドルが支払われた(甲33。 ),(),,(エ) なお事業譲渡契約書甲20はD自身が2通作成したものでありB宅において,Aとの間で相互に署名の上,各自がその1通を保有した。 (オ) 対価である20万ドルについては,Dがそのすべてを支出し,Aに対して現金で交付し,これに対し,Aが領収書(甲33)に署名したうえでDに交付した。現金授受による取引は,米国のシルバーアクセサリー業界においては商慣習といえるものであり,本件事業譲渡契約の対価の現金授受も,その慣習 ,これに対し,Aが領収書(甲33)に署名したうえでDに交付した。現金授受による取引は,米国のシルバーアクセサリー業界においては商慣習といえるものであり,本件事業譲渡契約の対価の現金授受も,その慣習に従ったものである。また,20万ドルという対価は,基本的には当時のガボール製品のオリジナル金型の個数(100個以上)を根拠として算出したものである。同時に,Aは,仲間を大切にする人間で,親しい友人に対して感謝の,,,,念を表すために贈り物をする習慣があったことからDは事業譲渡自体が遺言書(甲12の1)に基づくAからの贈与であるという認識も有していた。 したがって,その対価は,当時のガボール製品のオリジナル金型の個数のみならず,このような点をも併せ考慮した上で決定されたものであった。 さらに,被告が,A及びE(以下「E」という)により平成6年(199。 4年)に設立された際に出資された金額が15万ドルであったこと(甲34)からすれば,上記20万ドルの対価は,極めて妥当であったということができ- 12 -る。 エ事業譲渡の有効性の裏付事実本件事業譲渡契約の有効性は,以下の事実からも裏付けられる。 (ア) 本件事業譲渡契約の締結から約1か月後の平成11年(1999年)1,,。 ,月16日Aはアルコール中毒に起因する肝硬変により亡くなったそして同人の死に伴い,Bら職人は被告を退職し,その結果,同社は平成15年(2003年)に営業を再開するまで,その営業を完全に停止した。このように,被告がAの死後営業を停止していたことは「シルバーの鬼才”Aの死から早,“4年が経った。そして『夫の死を冷静に受け止められるようになった』とい,う彼女は,長く締まって(原文ママ)いた工房を明け,本格的に『ガボラトリー』を再稼動させたのである」( 才”Aの死から早,“4年が経った。そして『夫の死を冷静に受け止められるようになった』とい,う彼女は,長く締まって(原文ママ)いた工房を明け,本格的に『ガボラトリー』を再稼動させたのである」(甲35)との記載からも明らかである。そして,Aの死とともに被告がその営業を停止したのは,本件事業譲渡契約によりインターナショナル社がガボールブランドに係る事業及びそれに伴う諸権利を取得した反面,被告がそれを喪失したからに他ならない。したがって,被告の営業停止の事実は,ガボールブランドに係る事業及びそれに伴う諸権利が,真にインターナショナル社に承継されたことを裏付けるものである。 なお,被告が,本件事業譲渡契約締結後も,Aの死まで営業を続けていたのは,そもそも,この事業譲渡契約書(甲20)が,Aの死後もガボールブランドを継続していくために作成されたものであったことから,同人の存命中は,インターナショナル社が営業を行う必要がないため,被告においてガボールブランドにかかる事業を継続することとしたことによる。 (イ) また,Bないしインターナショナル社が,Aから,ガボール製品の製造のための生命線といえるオリジナル金型を承継し,所有していた事実も,本件事業譲渡契約に基づくガボールブランドの事業承継の事実を裏付けるものである。すなわち,平成16年(2004年)8月の被告とインターナショナル社との米国における極秘和解契約(甲23)において,被告自身がインターナシ- 13 -ョナル社に対して,オリジナルの金型の引渡しを求めていること等から,インターナショナル社がガボール製品の製造に使用し,現在は,原告の所有下にある金型(甲32)が,オリジナルの金型であることは明らかである。実際に,Aの死亡後まもなくして,インターナショナル社は,本件事業譲渡契約に基づき,B ール製品の製造に使用し,現在は,原告の所有下にある金型(甲32)が,オリジナルの金型であることは明らかである。実際に,Aの死亡後まもなくして,インターナショナル社は,本件事業譲渡契約に基づき,Bの自宅敷地内の工房にて,オリジナルの金型を利用してガボール製品の製造を行うようになった。また,このようにインターナショナル社においてガボール製品の製造に従事している従業員は皆,Aの工房で働いていた被告のスタッフであった。一方,被告は,完全にその活動を停止し,ガボール製品の製造・販売を行っていなかった。このため,インターナショナル社は,当時の被告の日本販売代理店であったワキサカらからも,ガボール製品の購入の引き合いを受けていた(甲36。 )(ウ) しかも,仮に事業譲渡が実際にはされていないというのであれば,被告は,オリジナルの金型をBないしインターナショナル社が持ち去った時点で当該金型を取り返すのが通常の対応というべきところ,被告は,事業譲渡後5年半以上が経過した上記極秘和解契約の締結時にその引渡しを求めるまで,何らの措置も採ってこなかった。かえって,インターナショナル社は,後述するEの脅迫があるまでは,オリジナルの金型を利用して平穏無事にガボール製品の製造,日本への輸出を継続してきたのである。 (エ) 以上の事情にかんがみれば,本件事業譲渡契約が適正に締結され,ガボールブランドに係る事業及びそれに伴う諸権利が被告よりインターナショナル社に承継されたことの裏付けは十分である。 オ事業譲渡契約書等の成立の真正について原告は,遺言書(甲12の1,事業譲渡契約書(甲20)及び領収書(甲)33)の原本を保有しておらず,証拠として提出できるのはその写しのみである。しかし,以下のとおり,原本の不提出が,上記書類の成立の真正を否定する根拠とならないこと 契約書(甲20)及び領収書(甲)33)の原本を保有しておらず,証拠として提出できるのはその写しのみである。しかし,以下のとおり,原本の不提出が,上記書類の成立の真正を否定する根拠とならないことは明らかである。 - 14 -(ア) 原本喪失の経緯a本件において,原本が提示できない理由は,以下のとおり,被告の株主であったEが,事業譲渡契約書(甲20)等の原本を保持していたDに対し,マフィアないしギャング組織との関わりを背景にして,執拗に脅迫や嫌がらせを続けた上,すべての原本を同人から奪い取ったためである。 bすなわち,Dは,遺言書(甲12の1)や事業譲渡契約書(甲20)等の作成後,これらガボールブランドの事業に係るインターナショナル社の権利を証する書面の原本を一括して保管していた。 Aの死後,インターナショナル社は平成13年(2001年)5月29日に法人化し,さらに同年5月ないし7月の間に,米国商標1ないし3の出願を行うとともに,ガボール製品の製造及び日本に対する輸出等を行っていた。 これに対し,被告及びCは,平成14年(2002年)ころまで,インターナショナル社によるガボール製品の製造・輸出等につき,何ら異議を述べることもなかった。 ,(),,,cところが平成14年2002年になってBやDに対しEから直接又は電話や電子メールを通じて,権利関係書類及びオリジナルの金型を同人に引き渡すとともに,インターナショナル社の事業を中止しなければ,背後にあるマフィアないしギャング組織が,BやDの生命を奪うことになる旨の執拗な脅迫が開始されるようになった。このような脅迫は,時に銃を用いて行われるほどの悪質なものであった。さらに,平成15年(2003年)7月29日には,被告からインターナショナル社に対する訴訟が提起され(甲37 開始されるようになった。このような脅迫は,時に銃を用いて行われるほどの悪質なものであった。さらに,平成15年(2003年)7月29日には,被告からインターナショナル社に対する訴訟が提起され(甲37,)また,EによるDらに対する脅迫や嫌がらせも,継続して行われていた。 なお,このころ,Eは,オリジナルの金型を強奪するため,インターナショナル社の製造工場に押し入ろうとしたため,ロサンゼルス郡特別機動隊により包囲されるという事件を発生させている(甲38。 )dこのような状況において,Dは,当初こそ脅しに屈することなく事業を- 15 -,,継続していたがEによる度重なる脅迫によって生命の危険を感じるとともに,()さらに訴訟追行に伴う費用の負担も大きかったため平成16年2004年に至って,ついに,Eに対して,権利関係書類の原本を引き渡した上,上記訴訟において,全く真意に基づかない極秘和解契約(甲23)を締結することとしたのである。なお,オリジナルの金型については,後述するとおり,一連の契約(甲5,甲17ないし19)により,ガボールブランドに係る事業及びそれに伴う諸権利がインターナショナル社から原告に譲渡された段階で,インターナショナル社から原告に引き渡されており,Dの手許には残っていなかった(甲32。 )e本件における遺言書(甲12の1,事業譲渡契約書(甲20)及び領)収書(甲33)の原本の提出が不可能となったのは,以上の理由に基づくものであるから,これをもって遺言書(甲12の1,事業譲渡契約書(甲20))及び領収書(甲33)の成立の真正を否定する根拠とすることはできない。 (イ) 署名の同一性aまた,上記各書類に記されたAの署名が,真実Aによりされたことは,他の文書にされた署名との比較による署名鑑定の専門家(認 3)の成立の真正を否定する根拠とすることはできない。 (イ) 署名の同一性aまた,上記各書類に記されたAの署名が,真実Aによりされたことは,他の文書にされた署名との比較による署名鑑定の専門家(認定文書鑑定人)の鑑定結果からも明らかである。すなわち,平成20年(2008年)12月1日,認定文書鑑定人は,遺言書(甲12の1,事業譲渡契約書(甲20,領))収書(甲33,平成6年(1994年)4月8日付の被告定款(甲39,平))成9年(1997年)8月9日付でA及びワキサカとの間で締結された「日本国における版権と商標に関する契約(甲40)並びに一般のホームページに」記載されたAの署名を多数の観点から比較対照したうえで,これらの書面に記載された署名が十分な類似性を有し,同一人物によって作成された可能性が高いとの結論に達した(甲41。 )bなお,ここで比較の対象となった文書のうち,被告の定款(甲39)及び「日本国における版権と商標に関する契約(甲40)は,本件審判請求を」- 16 -,。 含む一連の紛争が開始されるはるか以前のA存命中に作成されたものであるまず,被告の定款(甲39)は,米国州務長官の検印のあるものであり,これが真正に作成されたものであることに疑いの余地はない。 また「日本国における版権と商標に関する契約(甲40)についても,平,」成9年(1997年)に,A自身と,当時の日本の輸入代理店であったワキサカとの間で締結されたものである。当時,ワキサカが被告の製品を日本に輸入していた事実に争いはなく,また,契約書それ自体の内容においても,原告と利害関係を有するものではないから,当該契約書(甲40)は真にAにより作成されたものであり,その署名もA自身のものといえる。 したがって,上記の書類はいずれもA自身の真正な署 の内容においても,原告と利害関係を有するものではないから,当該契約書(甲40)は真にAにより作成されたものであり,その署名もA自身のものといえる。 したがって,上記の書類はいずれもA自身の真正な署名が記載された書面として,十分な信用性を有するものである。 c以上のとおり,上記各書類の署名はすべて同一人物により作成されたものであり,遺言書(甲12)並びに事業譲渡契約書(甲20)及び領収書(甲33)は,真にA自身により作成されたものというべきである。 カ小括以上に照らせば,本件事業譲渡契約により,ガボールブランドに係る事業及びそれに伴う諸権利が,Aからインターナショナル社に承継されたことは明らかである。 (3) インターナショナル社による営業活動ガボールブランドに係る事業を譲り受けたインターナショナル社は,Dが本業の建設業で多忙だったため,Aの死の直後こそガボール製品の製造・販売を行っていなかったが,平成12年(2000年)ころより,ガボール製品の製造・販売を開始した(甲42。なお,このころ,インターナショナル社は,D)の個人営業として営業活動を行っていた。 これに対し,審決は,インターナショナル社の設立時のみを基準とし,これが平成13年(2001年)5月29日であるために,インターナショナル社- 17 -が本件商標出願日までに王冠付きGマーク標章を使用したことは認めがたいとする。しかし,これは,インターナショナル社の営業活動の実態を無視した形式的な判断にすぎない。米国において,個人営業の形式で営業活動が行われることはよくあることであり,実際,被告が米国において提起した訴訟においても「ドン・マリアーノズ・コンストラクション・カンパニー」として事業経,営中のDが相手方とされている。 このように,平成13年(2001年)5月にインタ 実際,被告が米国において提起した訴訟においても「ドン・マリアーノズ・コンストラクション・カンパニー」として事業経,営中のDが相手方とされている。 このように,平成13年(2001年)5月にインターナショナル社が法人化される前より,インターナショナル社は,Dの個人営業としてガボールブランドに係る事業を行っており,これに伴い王冠付きGマーク標章を使用していたものである。 さらに,法人化後は,Dはガボールブランドに係る事業を本格的に行うようになった。Bは,Aから譲り受けた金型を使って,自宅の工房で他のシルバー職人とともにガボール製品を製造し,インターナショナル社は,その製品をロサンゼルスのモーターサイクルショップで販売するとともに,日本への輸出も精力的に行った。 (4) 原告への事業譲渡アインターナショナル社が法人化されたのとほぼ同時期である平成13年5月頃,原告の代表者であるF(日本名F。以下「F」という)は,知人を。 介し,Bと知り合った。Fは,Bらの製造・販売しているガボール製品に興味を持ち,同人の自宅兼工房を訪問し,Dに引き合わされた。その際,Fは,Bの自宅兼工房において,ガボール製品がオリジナルの金型を利用して製造されているのを確認した。さらに,同人より,Dの個人営業であったインターナショナル社を法人化し,アメリカ国内及び国外でガボール製品の販売を拡大する予定であるとの説明を受けた。そこで,Fが,B及びDに,原告が日本向けアパレルの並行輸入をしていることを伝え,日本向けにガボール製品の卸売をして欲しいと要請したところ,両人は,これを快諾した。 - 18 -こうして,原告は,このころより,ガボール製品の日本向けの輸出に係る取引を開始し,以後,日本におけるガボール製品の取引は,原告を通じて行われることとなった。 その後,イン を快諾した。 - 18 -こうして,原告は,このころより,ガボール製品の日本向けの輸出に係る取引を開始し,以後,日本におけるガボール製品の取引は,原告を通じて行われることとなった。 その後,インターナショナル社によるガボール製品の製造は順調に進み,原告の紹介により有限会社ガボラトリー・インターナショナル・ジャパンが日本の総輸入元としてガボール製品を販売していた(甲43)が,平成15年(2003年)4月ころ,日本からの発注が約3か月に渡り途絶えるという事態が,,,。 生じそれによりインターナショナル社は資金繰りに窮するようになったイその機会に,原告は,平成15年(2003年)7月31日,インターナショナル社との間で,有効期限を5年間として,インターナショナル社が原告に対し,インターナショナル社が保有する商標の使用権を含む,日本やアジア向けのガボール製品の独占的製造・販売権を与え,その対価として原告がインターナショナル社に対し50万ドルを支払う,という契約を交わした(甲17。これを皮切りに,同年8月24日には,上記契約上の独占的使用権を1)0年間に延長するほか,万一,インターナショナル社が廃業する場合には,同社の有するガボールブランドに係る事業に伴う全権利を原告に譲渡すること,対価として7万ドルを支払うことなどを内容とする契約を締結し(甲5,さ)らに,同年9月3日及び同月5日には,インターナショナル社の有するガボールブランドに関する全権利を原告に譲渡する旨の契約を締結した(甲18,19。そして,原告はインターナショナル社に対し,実際に対価として,合計)57万ドルもの金額を支払った(甲17,44。 )以上の結果,原告は,インターナショナル社から,ガボールブランドに係る事業及びそれに伴う諸権利を承継した。 ウこのよう ,実際に対価として,合計)57万ドルもの金額を支払った(甲17,44。 )以上の結果,原告は,インターナショナル社から,ガボールブランドに係る事業及びそれに伴う諸権利を承継した。 ウこのように,原告がインターナショナル社との間で数次にわたって契約を繰り返し,結局,ガボールブランドに係る事業及びそれに伴う諸権利を取得したのは,前記(2) オアのとおり,その当時,DもEより脅迫を受けていた( )- 19 -ことから,Dの行動には信頼することができない点があり,原告のガボールブランドに関する権利を確実なものにしておきたかったという事情による。 エしたがって,原告は,インターナショナル社より,ガボールブランドに係る事業及びそれに伴う諸権利のすべてを有効に譲り受けたものである。 (5) 周知性の承継ア以上により,王冠付きGマーク標章を含むガボールブランドに係る事業及びそれに伴う諸権利が,A及び被告からインターナショナル社に,さらにインターナショナル社から原告にそれぞれ承継されたことは明らかである。 イそして,商標が,特定の営業者の事業に係る商品を表示するものである以上,当該事業が第三者に譲渡された場合には,当該商標が,当該事業の承継人の事業に係る商品を表示するものとなることは当然である。 したがって,王冠付きGマーク標章は,本件商標が出願された平成13年8月8日当時,ガボールブランドに係る事業承継人であったインターナショナル社の営業に係る商品を表示するものとして周知又は著名であったというべきである。 ウこの点につき,確かに,インターナショナル社は,Aの死後,一定期間営業を開始していなかったが,Aの死からインターナショナル社がガボールブランドに係る事業を再開するまでの期間はせいぜい1年程度であった。商標の周知性は,短期間営業を停止 ナル社は,Aの死後,一定期間営業を開始していなかったが,Aの死からインターナショナル社がガボールブランドに係る事業を再開するまでの期間はせいぜい1年程度であった。商標の周知性は,短期間営業を停止した程度で失われるものではなく,周知商標は,その周知の度合いが高ければ,営業が中断しようともその周知性を失うものではない。 そして,ガボールブランドが,多くのシルバーアクセサリー愛好家に知られる有名ブランドであり,王冠付きGマークが需要者間で広く知られていたことは前記のとおりであり,ガボールブランドに係る事業が中断されていた期間がわずか1年間程度であって,その後はインターナショナル社による精力的な営業活動が行われたことを踏まえれば,王冠付きGマーク標章の周知性が消失し- 20 -たとはいえない。 (6) 結論以上のとおりであるから,本件商標は,原告の営業に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されている王冠付きGマーク標章と同一の商標であり,商標法4条1項10号に該当するので,同46条1項1号の規定により,無効とされるべきであり,審決は取り消されるべきである。 被告の反論に対する再反論(1) 被告は,後記第4の1(1) のとおり,上記1記載の原告の主張は,周知性承継に関する新主張であるとして,審決取消訴訟においては主張自体失当であると主張する。 しかしながら、原告の主張は、商標法4条1項10号違反の主張の範囲内のものであり、新たな無効事由に該当しない。すなわち,事実が同じで適用法条を異にするにすぎない場合は、そもそも新たな無効事由に該当しないと解釈すべきであるところ,被告も認めるとおり、原告は、本件無効審判手続の段階でガボールブランドに係る事業及びそれに伴う諸権利の承継の事実を明確に主張しているし,審決に、。 、おいても 当しないと解釈すべきであるところ,被告も認めるとおり、原告は、本件無効審判手続の段階でガボールブランドに係る事業及びそれに伴う諸権利の承継の事実を明確に主張しているし,審決に、。 、おいても当該承継の事実の主張を前提に認定が行われているものである原告は本件訴訟において、当該承継の事実を前提に、王冠付きGマーク標章の周知性がこれに伴って承継されたとの法的主張を行っているにすぎないのであって、これを新たな無効事由の追加と評価することはできない。原告の主張は、インターナショナル社又は原告自身が王冠付きGマーク標章の周知性の帰属主体であるとの無効審判請求時の主張と何ら変わりはない。 (2) また,被告は,後記第4の1(2) のとおり,インターナショナル社及び原告がガボールブランドに係る事業及びそれに伴う諸権利の承継者でないことは,米(,,)。 国における判決乙1 3の1・2において確定した事実である旨主張するしかしながら,被告が指摘する米国訴訟の判決は,いずれも欠席判決や却下判決であって,何らかの実体上ないし本案上の審理を経た判断に基づくものでないばか- 21 -りか,内容的にも被告が主張するような認定は一切されていない。被告の上記主張は,米国訴訟の判決を意図的に歪曲した不正確な主張にすぎない。 第4被告の反論次のとおり,審決の認定判断に誤りはなく,原告主張の取消事由は理由がない。 前記第3の1の周知性承継に関する原告の新主張について(1) 原告は,本件訴訟において,大要,次のとおり主張する。すなわち,インターナショナル社がAあるいは被告から王冠付きGマークを含むガボール・ブランドにかかる事業を承継した。その結果,インターナショナル社は,王冠付きGマーク標章の周知性の帰属主体としての地位を承継した。その後,原告がインタ あるいは被告から王冠付きGマークを含むガボール・ブランドにかかる事業を承継した。その結果,インターナショナル社は,王冠付きGマーク標章の周知性の帰属主体としての地位を承継した。その後,原告がインターナショナル社から王冠付きGマーク標章を含むガボール・ブランドに係る事業を承継し,その結果,原告は王冠付きGマーク標章の周知性の帰属主体としての地位を承継した。 しかしながら,原告の上記主張は,審決において判断対象となっていなかった事項である。すなわち,原告は,本件審判請求手続で主張されず,したがって審決においても判断対象とならなかった周知性承継に関する新たな主張を本件訴訟において行っているものである。 審決取消訴訟において審理の対象とするのは,審決に示された判断が違法か否かの点であるから,審決において判断対象となっていなかった上記周知性承継に関する新主張は,本件訴訟の請求原因の主張としては,主張自体失当である。 (2) 仮に,上記周知性承継に関する新たな主張が本件訴訟において許されるとしても,インターナショナル社がAあるいは被告から王冠付きGマーク標章を含むガボールブランドに係る事業及びそれに伴う諸権利を承継したとの事実並びに原告がインターナショナル社から王冠付きGマーク標章を含むガボールブランドに係る事業を承継したとの事実はいずれも存在せず,かえって,王冠付きGマーク標章を含むガボールブランドに係る事業及びそれに伴う諸権利の権利者が被告でありインターナショナル社でないことは米国における判決(乙1,2)により,また,原告- 22 -が王冠付きGマーク標章を含むガボールブランドに係る事業及びそれに伴う諸権利の権利者でないことも米国における判決(乙3の1,3の2)により,米国においてはそれぞれ確定した事実である。この点に関して原告の提出した証拠 ク標章を含むガボールブランドに係る事業及びそれに伴う諸権利の権利者でないことも米国における判決(乙3の1,3の2)により,米国においてはそれぞれ確定した事実である。この点に関して原告の提出した証拠はいずれも信用性に乏しく,Aあるいは被告が王冠付きGマーク標章を周知させたことに基づく周知性の承継に関する新主張を認めるに足りる証拠でないことは明らかである。 原告が本件審判手続で行った周知性獲得の主張について原告が,本件審判請求手続において行った周知性獲得に係る主張は,次の2つに止まる。すなわち,1つ目は,原告自身が日本国内において王冠付きGマーク標章を周知させた旨の主張であり,2つ目は,インターナショナル社が周知させた王冠付きGマーク標章に係る事業を原告が承継した旨の主張である。 しかしながら,次のとおり,それらの主張はいずれも理由がない。 (1) 原告自身が日本国内において王冠付きGマーク標章を周知させた事実が存在しないことについて審決は,この点について,前記第2の3(2) のとおり「原告の王冠付きGマー,ク標章の周知性を立証するために提出された甲第6号証及び同号証の1ないし4,第7号証及び同号証の1,第8号証及び同号証の1,第9号証及び同号証の1ないし3並びに第10号証及び同号証の1の各雑誌は,いずれも本件商標の登録出願後に発行されたものであるから,これらの証拠をもって,王冠付きGマーク標章が原告の業務に係る商品を表示する商標として本件商標の登録出願時に取引者・需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできない。その他,原告が,本件商標の登録出願前に我が国において,王冠付きGマーク標章を使用した商品を販売した事実,例えば該商品の販売数量,売上高,市場占有率,宣伝広告等を具体的に示す証左は一切提出されておらず,本件商標の登録 商標の登録出願前に我が国において,王冠付きGマーク標章を使用した商品を販売した事実,例えば該商品の販売数量,売上高,市場占有率,宣伝広告等を具体的に示す証左は一切提出されておらず,本件商標の登録出願前における王冠付きGマーク標章の実際の使用態様すら明らかでない」と認定しているが,正当である。した。 がって,この点に関する審決の認定及び判断に違法はない。 - 23 -(2) インターナショナル社が王冠付きGマーク標章の周知性を取得した事実が存在しないことについて審決は,この点について,前記第2の3(2) のとおり「‥‥インターナショナ,ル社は,本件商標の登録出願日である平成13年(2001年)8月8日の2ヶ月程前の2001年5月29日に設立されたものであり,その設立から2ヶ月程の間における王冠付きGマーク標章を使用した商品の取引状況や宣伝広告等の具体的事実を示す証左は一切提出されておらず,上記わずか2ヶ月の間に王冠付きGマーク標章を使用し取引者・需要者の間に広く認識されるに至ったものとは到底認め難い」と認定したしているが,正当である。したがって,この点に関する審決の認。 定及び判断に違法はない。そうであれば,インターナショナルが新たに王冠付きGマーク標章の周知性を獲得したことを前提とする周知性承継の主張に理由がないことは明らかである。 第5当裁判所の判断 本件訴訟に至るまでの紛争の経緯等(,,,,,. ,,, 証拠 甲2ないし46ないし9 47,48,乙1ないし16〔枝番のあるものは枝番も含む)及び弁論の全趣旨。〕によれば,次の事実が認められる(なお,各文末尾には,その認定の根拠となった主要な証拠を掲記した。 。)(1) 当事者及び関係者等アAは,シルバーア ものは枝番も含む)及び弁論の全趣旨。〕によれば,次の事実が認められる(なお,各文末尾には,その認定の根拠となった主要な証拠を掲記した。 。)(1) 当事者及び関係者等アAは,シルバーアクセサリー等のジュエリーデザイナーであり,昭和63年(1988年)ころから,米国カリフォルニア州所在の工房において,自らがデザインしたスカル,スネーク,パンサー,ライオン,ブルドック及び十字架などをあしらった極めて独創的な立体形状を有するリング,ブレスレット等のシルバーアクセサリー(ガボール製品)を製造し,これを販売していた。なお,ガボール製品の一部には,本件商標と同一の構成を有する王冠付きGマークがアトリエマークとして刻印されていた。 - 24 -Aは,平成11年(1999年)1月16日,病気により,45歳の若さで死亡した。 イ被告は,シルバーアクセサリーの製造・販売等を業とする米国カリフォルニア州法人であり,平成6年(1994年)に,AとEによって設立された。Aは,被告設立に当たり,自己の有するガボールブランドに係る事業及びそれに伴う諸権利をすべて,被告に譲渡した。 ウ被告代表者であるCは,Aの妻であり,相続人である。現在,Cは被告の株式の51パーセントを保有している。 エ原告は,Fが,米国カリフォルニア州において経営する会社であり,シルバーアクセサリー等を製造・販売している。 オFは,原告の外に,米国カリフォルニア州法人であるシーディーエム・エクスチェンジ・インク(以下「CDM社」という,及び米国ネバダ州法人であるガ。)ボール・インコーポレイテッド・ユーエスエー(以下「USA社」という)をも。 経営し,シルバーアクセサリーを製造・販売する際において,しばしばUSA社の名称を使用していた。 カBは,Aの生前,被告において,Aと ーポレイテッド・ユーエスエー(以下「USA社」という)をも。 経営し,シルバーアクセサリーを製造・販売する際において,しばしばUSA社の名称を使用していた。 カBは,Aの生前,被告において,Aとともにガボール製品の製造に従事していた者であり,平成12年(2000年)5月,被告を退社した(乙16。 )キDは,米国カリフォルニア州在住の建築エンジニアであり,米国カリフォルニア州法人であるアドヴァンスト・コントラクション・マネージメントインク(以下「アドヴァンスト社」という)の代表者である。 。 クBとDは,平成13年(2001年)5月29日,米国ネバダ州法人であるインターナショナル社を設立し,シルバーアクセサリーの輸出・販売をしていた。 なお,同社は,平成17年(2005年)6月1日をもって解散した。 (2) 被告によるガボール製品の輸出及び販売被告は,平成8年(1996年)ころから,ガボール製品を日本に輸出し,ワキサカなどを通して,日本国内において販売していた(甲40。 )- 25 -ガボール製品は,前記(1) アのとおり,極めて独創的な立体形状を有するシルバーアクセサリーであったこと,米国においてはハリウッド男性スターたちに愛用されたこともあって男性用高級シルバーアクセサリーとして人気を博し,日本においても,シルバーアクセサリーを特集した雑誌に数多く取り上げられ「ガボール〉,〈ほど,ヒステリックにコピーされるジュエリーもないだろう「ガボール高貴な」,無骨シルバー「ガボールのシルバーを付けていると,それだけでアメリカでは一」,目も二目も置かれる。なぜなら,いくらカネがあってもコネクションが無ければガボールの作品は買えないからだ「GABORガボール『スカルキング』の称。」,号を持つAのブランド「スカルといえばガ 目も二目も置かれる。なぜなら,いくらカネがあってもコネクションが無ければガボールの作品は買えないからだ「GABORガボール『スカルキング』の称。」,号を持つAのブランド「スカルといえばガボール,といわれるほどのカリスマブ」,ランド」などと紹介されていることから,ガボール製品及びそれに刻印されていた王冠付きGマークは,遅くとも,Aが死亡した年である平成11年(1999年)ころまでには,日本国内でAないし被告の商品を示すものとして,取引者及び需要者の間に広く認識されていた(甲26の1ないし4。 )(3) 原告及びインターナショナル社によるシルバーアクセサリーの輸出及び販売原告及びインターナショナル社は,遅くとも平成14年(2002年)6月ころには,ガボール製品と同一若しくは極めて類似した立体形状を有するシルバーアクセサリーを日本に輸出し,日本国内において販売していた(甲6ないし9。 )(4) 米国における商標登録に関する経緯アインターナショナル社は,米国において,前記第2の2に記載されたとおりの内容で,平成13年(2001年)5月29日に米国商標2を,同年6月13日に米国商標1を,同年7月30日に米国商標3を,それぞれ登録出願した(甲2ないし4の各1・2。 )イこれに対し,被告は,同年8月9日,米国商標2と同一の商標につき登録出願をするとともに,平成14(2002年)9月27日にはインターナショナル社の米国商標3の出願に対して,同年10月31日には同社の米国商標2に対して,それぞれ異議を申し立てた(以下「米国商標に対する各異議申立て」という。し。)- 26 -かし,その後の平成16年(2004年)8月13日ころ,後記(5) エの極秘和解契約が成立したため,被告は,平成17年(2005年)7月18日,米国商標に対す 立て」という。し。)- 26 -かし,その後の平成16年(2004年)8月13日ころ,後記(5) エの極秘和解契約が成立したため,被告は,平成17年(2005年)7月18日,米国商標に対する各異議申立てを取り下げた。そのため,米国特許商標庁は,同月22日,上記各異議申立てを却下する決定をした。それに伴い,被告は,平成18年(2006年)4月10日,上記被告による商標登録出願を放棄した(甲23,乙9。 )(5) 米国における関連訴訟及び和解契約等の経緯ア米国第1次訴訟被告は,平成13年(2001年)12月4日,B,インターナショナル社及びアドヴァンスト社を相手方として,米国カリフォルニア州中部地区連邦裁判所(以下「連邦地裁」という)に対し「GABORATORY」の商標及びガボール製。 ,品のデザインの使用差止め等を求める訴訟を提起した(以下「米国第1次訴訟」という。乙7。 )イ部分的和解契約の締結被告は,平成14年(2002年)12月,米国第1次訴訟の被告であるB,インターナショナル社及びアドヴァンスト社との間で,上記訴訟に関し,①Bらは,被告から,ガボール製品のデザインの使用,製造・販売の許諾を得ているというような表示をしないこと,②Bらがガボールブランドの正当な使用者であって,被告は正当な使用者ではないとの表示をしないこと,③被告は,上記訴訟を,再訴の権利を留保して取り下げること,以上の内容の和解契約を締結した(乙7。 )ウ米国第2次訴訟被告は,平成15年(2003年)7月29日,B,インターナショナル社及びアドヴァンスト社を相手方として,連邦地裁に対し,米国商標1ないし3の使用差止め等を求める訴訟を提起した。これに対し,インターナショナル社は,被告に対し,反訴を提起した(以下「米国第2次訴訟」という。甲37。 スト社を相手方として,連邦地裁に対し,米国商標1ないし3の使用差止め等を求める訴訟を提起した。これに対し,インターナショナル社は,被告に対し,反訴を提起した(以下「米国第2次訴訟」という。甲37。 )エ極秘和解契約の締結被告は,平成16年(2004年)8月13日ころ,インターナショナル社及び- 27 -アドヴァンスト社との間で,①被告は,インターナショナル社らに対し,7500ドルを支払うこと,②被告は,米国第2次訴訟を取り下げ,インターナショナル社は反訴を取り下げること,③インターナショナル社らは,米国商標1の署名済み譲渡証書を第三者預託物として被告の訴訟代理人に交付すること,その交付を受けた被告の訴訟代理人は,裁判所の命令又はCとEとの合意に至るまで譲渡証書を保管,,,,すること④インターナショナル社らは米国商標2及び3の出願を放棄し今後同商標と類似の商標の出願をしないこと,⑤被告は,米国商標に対する各異議申立ての手続を終了させる措置を採ること,⑥インターナショナル社らは,被告による米国商標2と同一の商標に関する登録出願について,異議申立てをしないこと,⑦インターナショナル社らは,今後「」又は「」と同一,GABORGABORATORY又は類似の標章を使用しないこと,⑧インターナショナル社らは,今後,ガボール製品と同一又は類似の商品の製造・販売等をしないこと,⑨インターナシ,,,ョナル社らは被告に対し商品の原金型や生産用金型をすべて引き渡すこと⑩被告は,本和解条項に定める以外の請求をすべて放棄し,インターナショナル社らは,本和解条項に定める以外の請求をすべて放棄すること,以上の内容(「」。)。 ,,の和解契約を締結した以下本件極秘和解契約というなお同契約書には被告の代表者としてCとE ル社らは,本和解条項に定める以外の請求をすべて放棄すること,以上の内容(「」。)。 ,,の和解契約を締結した以下本件極秘和解契約というなお同契約書には被告の代表者としてCとEの署名らしきものが記載され,インターナショナル社及(,びアドヴァンスト社の代表者としてDの署名らしきものが記載されている甲2324,乙9。 )オ米国第2次訴訟は,平成16年(2004年)8月20日,被告及びイ,()。 ンターナショナル社らとの訴え却下の合意により訴えが却下された甲37カ米国第3次訴訟Fは,平成19年(2007年)6月15日,被告,C,E外11名を相手方として,米国商標1ないし3及び関連著作権を自らが保有していると主張してそれら(「」。 の権利の侵害の差止め等を求める訴訟を提起した以下米国第3次訴訟という)。 ,,,,甲21これに対し原告らは訴え却下の申立てを行ったところ連邦地裁は- 28 -同年11月6日,Fが,インターナショナル社から米国商標1ないし3及び関連著作権の譲渡を受けた事実は認められないとして,被告による訴え却下の申立てを認容した。 キ米国第4次訴訟(ア) 被告は,米国第3次訴訟を受けて,平成19年(2007年)7月20日,インターナショナル社,アドヴァンスト社,D外1名を相手方として,連邦地裁に対し,本件極秘和解契約の履行及び侵害の差止め等を求める訴訟を提起した(以下「米国第4次訴訟」という)が,インターナショナル社らはいずれも答弁書を提。 出せずに欠席したため,原告は,同年12月27日,欠席判決の申立てをしたところ,連邦地裁は,平成20年(2008年)6月10日,上記欠席判決の申立てを認め,被告に対し,損害算定に関する証拠等の追完を求めた。なお,Fは,同年9月4日,米国 27日,欠席判決の申立てをしたところ,連邦地裁は,平成20年(2008年)6月10日,上記欠席判決の申立てを認め,被告に対し,損害算定に関する証拠等の追完を求めた。なお,Fは,同年9月4日,米国第4次訴訟について,訴訟参加の申立てをしたが,連邦地裁は,同年10月20日,その申立てを却下した(乙1。 )(イ) ところが,インターナショナル社,アドヴァンスト社及びDは,平成20年(2008年)10月6日,連邦地裁に対し,米国第4次訴訟に関し,適法な送達がされていないとして,上記欠席判決の取消しを申し立てたところ,連邦地裁は,同年11月10日,インターナショナル社及びアドヴァンスト社の上記各申立てについては要件を欠くとして却下したが,Dの上記申立てに関しては,米国第4次訴訟手続においてDに対する送達が補充送達の要件を欠いていたことを理由に,Dの上記申立てを認めたため,被告は,同月13日,本件第4次訴訟のうち,Dに対する訴えを取り下げた(甲42,47,48。 )(ウ) その後,連邦地裁は,平成21年(2009年)2月23日,インターナショナル社及びアドヴァンスト社に対し,本件極秘和解契約書(甲23)に定められた義務の履行及び「」の標章の使用の差止めなどを命じる判GABORATORY決を言い渡した(乙2。 ) 上記認定の事実関係を前提として,原告が取消事由として主張するガボール- 29 -ブランドに係る事業及びそれに伴う諸権利並びに周知性の承継について,判断する。なお,被告は,前記第4の1(1) のとおり,原告の上記主張は本件審判手続で主張されていない結果審決の判断対象となっていなかった新たな主張であるから,本件訴訟においては審理の対象とならず,主張自体失当である旨主張するが,前記第2の2記載のとおり,上記ガボールブランドに係る事業 されていない結果審決の判断対象となっていなかった新たな主張であるから,本件訴訟においては審理の対象とならず,主張自体失当である旨主張するが,前記第2の2記載のとおり,上記ガボールブランドに係る事業及びそれに伴う諸権利並びに周知性の承継に関する原告の主張は,既に本件審判手続において主張されており,かつ,前記第2の3のとおり,審決もこの点について判断しているものと認められるから,この点に関する被告の主張は理由がない。 そこで,検討するに,前記認定のとおり,被告は,Aから,ガボールブランドに係る事業を承継しており,平成8年以降,ガボールブランドの名の下,ガボール製品を製造して,日本にも輸出し,日本国内においても販売し,その結果,ガボールブランド及び王冠付きGマークの製品を含むガボール製品は日本国内において取引者及び需要者の間で広く認識されていたことが認められるから,被告がその後にガボールブランドに係る事業及びそれに伴う諸権利を他へ譲渡する等,それらの権利を喪失したと認められる事情がない限り,本来,ガボールブランドに係る事業及びそれに伴う諸権利の正当な権利者は被告であるというべきである。 この点につき,原告は,前記第3の1のとおり,原告がガボールブランドに係る事業及びそれに伴う全権利の正当な承継者である旨主張するので,以下,個別に検討する。 (1) AからB又はインターナショナル社に対する権利承継の有無についてア原告は,前記第3の1(2) イのとおり,肝硬変を患っていたAが,近い将来自分が死去した場合に備え,ガボールブランドに係る事業をBに引き継がせたいと考えて,平成10年(1998年)12月初旬ころ,その旨の遺言書(甲12の1)を作成してBに託し,さらに,上記遺言の内容を具体化し,A死去の際にガボールブランド等の権利承継を円滑に行い,将来的 いと考えて,平成10年(1998年)12月初旬ころ,その旨の遺言書(甲12の1)を作成してBに託し,さらに,上記遺言の内容を具体化し,A死去の際にガボールブランド等の権利承継を円滑に行い,将来的に第三者に対する対抗力を確保しておくため,Aと合意の上,遺言書(甲12の1)の交付から間もない- 30 -時期である同月10日に,ガボールブランドに係る事業及びそれに伴う諸権利をインターナショナル社に20万ドルで譲渡する旨の本件事業譲渡契約を締結した結果,インターナショナル社がガボールブランドに係る事業に関する一切の権利を取得し,さらに,原告が,平成15年(2003年)7月から9月にかけての一連の契約により,インターナショナル社から,ガボールブランド及びガボール製品に係る事業に関する一切の権利を取得したのであって,原告こそが王冠付きGマーク標章を含むガボールブランドに係る事業及びそれに伴う諸権利の正当な承継者である旨主張する。 イ原告が提出する権利承継を証する書証の真正について(ア) 原告は,上記アの事実関係を証する証拠として,次のとおり,遺言書写し(甲12の1,事業譲渡契約書写し(甲20)及び領収書写し(甲33))を提出する。それら書証の各内容は次のとおりである。 a遺言書写し(甲12の1)について,()Aが作成した遺言書であると主張して原告が提出した遺言書写し甲12の1は,米国商標2と同様の被告のロゴマークの透かしの入ったメモ用紙若しくは便せんに文字が記載され,A名義の署名のある日付のない(ただし,中央に1998年12月との記載がある)1枚の書面である。その文面の内容は,次のとおりであ。 る(ただし,日本語訳。 )「親愛なるB私の死後も,私のガボラトリーの仕事をあなたに続けてもらいたい。私は,あなたがガボラトリーの名を最 る)1枚の書面である。その文面の内容は,次のとおりであ。 る(ただし,日本語訳。 )「親愛なるB私の死後も,私のガボラトリーの仕事をあなたに続けてもらいたい。私は,あなたがガボラトリーの名を最大限に尊重し,私の生涯の仕事の遺産を継続してくれると信じている。私がいつもそうであったように,私の職人たちをあなたの家族のように大事にしてやってほしい」。 b事業譲渡契約書写し(甲20)について被告とインターナショナル社の名義の入った平成10年(1998年)12月1,,,0日付けの契約書の写しであり文面はすべてタイプで打たれており署名欄には- 31 -それぞれA名義の署名とD名義の署名がある。その文面の内容の一部には次の記載がある(ただし,日本語訳。 )「Aは,彼の『ガボール』および『ガボラトリー』の事業にかかる全ての権利(商標,著作権,シルバーの原型,営業権を含むがこれに限られない)をGI〔判決注:インターナショナル社を指す〕に移転することを望んでいる。 。 よって,これは,十分かつ価値ある対価と,その受領および充足性が承認されたこと,ならびに,Aが,GI,その承継人およびその譲受人に対し『ガボール』,『』,,およびガボラトリーのマークの使用に関連しまたそれらによって象徴されるすべての全世界における商標権,著作権,製造,販売,シルバーの原型,および営業権に関する完全な権利,資格および利益を,売却し譲渡したこと,またここに売却し,譲渡し,移転することを証明するものである」。 c領収書写し(甲33)についてAが被告の代表者として,インターナショナル社から20万ドルを受領した旨の平成10年(1998年)12月10日付けの領収書の写しである。 署名欄にA名義の署名がある。その文面の内容は次のとおりである(ただし,日本語訳。 ,インターナショナル社から20万ドルを受領した旨の平成10年(1998年)12月10日付けの領収書の写しである。 署名欄にA名義の署名がある。その文面の内容は次のとおりである(ただし,日本語訳。 )「これは,1998(平成10)年12月10日付の我々の契約による,ガボラトリーインターナショナルからの現金20万米ドルの受領を確認するものである」。 (イ) しかしながら,次のとおり,上記各書証が真正に成立したと認めることはできない。 a上記(ア) aの遺言書写し(甲12の1)について原告は,この点につき,遺言書写し(甲12の1)は,Aが自ら署名して作成し,(,)。 た真正な遺言書の写しであると主張しこれに沿う証拠甲45 も存するしかしながら,遺言書写し(甲12の1)については,原本の提出がなく,写しのみでは,それが実際にAによって作成されたものか否か,特にAの署名の事実の存否について精査することができず,真正に作成されたものと直ちに認めることは- 32 -できない。 この点,原告は,認定文書鑑定人G作成の署名の真正に関する専門的意見書(甲41)によって,遺言書写し(甲12の1)のAの署名が同人の署名であることが。 ,(),,証明されている旨主張するしかしながら 証拠 甲41によれば同意見書は筆跡鑑定をするに当たって原本を対象にしているわけではなく,極めて品質の悪い遺言書写し(甲12の1)の写しを鑑定対象としており,そもそもそれで正確な筆,。 跡鑑定ができるのかという疑問があり鑑定として意味がないと言わざるを得ないしたがって,上記専門的意見書(甲41)を信用することはできない。 また,原告は,Aが遺言書を作成した動機について,前記第3の1(2) イのとおり,肝硬変を患っていたAが,近い将来自分が死去した ないしたがって,上記専門的意見書(甲41)を信用することはできない。 また,原告は,Aが遺言書を作成した動機について,前記第3の1(2) イのとおり,肝硬変を患っていたAが,近い将来自分が死去した場合に備え,ガボールブランドに係る事業をBに引き継がせたいと考えて,平成10年(1998年)12月初旬ころ,その旨の遺言書(甲12の1)を作成してBに託した旨主張する。 しかしながら,Aが,1か月前の平成10年(1998年)12月初旬ころに,自己の死期を悟って予め遺言書を作成していたと認めるに足りる証拠はない。この点,確かに,証拠(甲15)によれば,米国カリフォルニア州ロサンゼルス・パサデナ市厚生課作成にかかるAの死亡確認書には,同人の死亡原因として「アルコール中毒による肝硬変」と記載され,その病歴について「数年,,来」と記載されていることが認められる。しかしながら,Aが医師から近い将来死に至るとの宣告を受けていたことを認めるに足りる証拠はなく,当時のAの肝硬変の症状の程度及び本人の認識の程度は全く不明であるまた 証拠 甲。 ,(),,30の1・2及び甲31によれば肝硬変の予後に関する臨床的検討の中で1年の生存率は92.7パーセント,3年の生存率は75.0パーセント,そして,10年の生存率も24.4パーセントであることが認められ,さらに,証拠(乙4)によれば,Aは,妻であるCや被告の会社の知人に自分の病状,ましてや死期が迫っていることについては全く語っておらず,かえって,死亡する前日まで精力的に仕事をしていたこと,当時特段不仲であったとは認めら- 33 -れない妻であるCに対しては遺言書らしきものを何も残していないこと,以上の事実が認められるから,Aが死亡する1か月前に既に自らの死を覚悟してBに対してガボールブランドに係 たとは認めら- 33 -れない妻であるCに対しては遺言書らしきものを何も残していないこと,以上の事実が認められるから,Aが死亡する1か月前に既に自らの死を覚悟してBに対してガボールブランドに係る事業及びそれに伴う諸権利を譲渡することを内容とする遺言書を作成していたとは認められないというべきである。 以上の点を総合すると,仮に肝硬変がAの死亡の原因であったとしても,Aが自らの死期が迫っているとの認識の下に遺言書を作成する動機を有していたと認めることはできない。 b上記(ア) bの事業譲渡契約書写し(甲20)について原告は,この点につき,事業譲渡契約書写し(甲20)は,Aが自ら署名して作成した真正な事業譲渡契約書の写しである旨主張し,これに沿う証拠(甲45,46)も存する。 しかしながら上記遺言書写し甲12の1と同様に事業譲渡契約書写し甲,(),(20)についても,原本の提出がない。したがって,上記aと同様に,それが真正に作成されたものと直ちに認めることができない。 また,原告は,原告が原本を所持していない理由として,前記第3の1(2)オ(ア),,(),のとおりEが事業譲渡契約書写し甲20の原本を所持していたDに対しマフィアないしギャング組織との関わりを背景として,執拗に脅迫や嫌がらせを続けて,原本を同人から奪ったなどと縷々主張し,これに沿う証拠(甲32,38)も存する。 しかしながら,上記証拠は,原告代表者,原告の関係者の陳述書にすぎず,にわかに信用できないばかりか,他に本件全証拠を精査しても,Eがマフィアやギャング組織と関わりを持っていた事実,Eがそれを背景にしてDを脅迫していた事実を認めるに足りる的確な証拠はない。かえって,前記1(5) エのとおり,本件極秘和解契約の締結に当たって,Dは被告の やギャング組織と関わりを持っていた事実,Eがそれを背景にしてDを脅迫していた事実を認めるに足りる的確な証拠はない。かえって,前記1(5) エのとおり,本件極秘和解契約の締結に当たって,Dは被告の代表者として交渉していたEに7500ドルの支払いを約束させていることからすれば,当時,両者は脅迫者と被脅迫者という立場にあったとは認められないというべきである。なお,この点に関し,本件極秘- 34 -和解契約の締結自体Eの脅迫によるものである旨のHの宣誓供述書(甲49)も存するが,同人はFが経営するCDM社の従業員であり,その内容もBからの伝聞にすぎないからにわかに信用することはできず,かえって,証拠(甲23,乙9ないし13)によれば,本件極秘和解契約の締結に当たっては,双方の当事者はそれぞれ弁護士を代理人として選任し,その弁護士を通して交渉していることが認められるから,Eの脅迫により和解契約が締結されたと認めることはできないというべきである。 したがって,この点に関する原告の主張は採用することができない。 さらに,原告は,事業譲渡契約書写し(甲20)のAの署名が真正であることを証する証拠として,上記aと同様に,認定文書鑑定人G作成の署名の真正に関する専門的意見書(甲41)を提出しているが,その専門的意見書(甲41)が信用することができない点は,上記aにおいて判断したとおりである。 そもそも,原告は,前記第3の1(2) ウのとおり,事業譲渡契約書(甲20)の作成経緯につき,本件事業譲渡契約は,本件遺言書(甲12の1)の内容を具体化してガボールブランドに係る事業及びそれに伴う諸権利の承継を円滑に行い,第三者に対する対抗力を確保するために,作成されたと主張する。 しかしながら,遺言書写し(甲12の1)においては,遺言の相手方(受遺者)はBであるにも 係る事業及びそれに伴う諸権利の承継を円滑に行い,第三者に対する対抗力を確保するために,作成されたと主張する。 しかしながら,遺言書写し(甲12の1)においては,遺言の相手方(受遺者)はBであるにもかかわらず,その直後に作成されたいう事業譲渡契約書写し(甲20)における譲受人は,インターナショナル社らとなっていて,そもそも矛盾している。原告は,受遺者と譲受人が一致していない理由について,前記第3の1(2)ウ(イ) のとおり縷々主張するが,そもそも,当時DがAと親交が深かったこと,被告の役員でも社員でもないにもかかわらず,Dが被告におけるガボール製品の日本への輸出に係る相手方との交渉や事務処理を行っていたことについては証拠上明らかではないというほかない。かえって,証拠(乙4,5)及び弁論の全趣旨によれば,Cは当時Dなる人物の存在すら知らなかったこと,ガボールブランド及びガボール製品について被告が有する権利につき,被告内部においてインターナショナル- 35 -社若しくはDに譲渡することが検討された事実は一切ないこと事業譲渡契約書甲,(20)が作成されたとされる平成10年(1998年)12月10日には,まだ,インターナショナル社は設立されていなかったことが認められるところ,仮に,原告の主張するとおりであると仮定すると,当時,ガボールブランドに係る事業及びそれに伴う諸権利はすべて被告に承継されていたにもかかわらず,Aは,被告の共同設立者であるEや妻であるCに全く相談せず,被告の役員会の議決を経ることもなく,勝手に,被告の財産である全権利を,当時設立されてもいないインターナショナル社に対して譲渡する旨の契約書を作成したことになり,極めて不自然であるというほかない。 最後に,事業譲渡契約書写し(甲20)がガボールブランドに係る事業及びこれに伴 されてもいないインターナショナル社に対して譲渡する旨の契約書を作成したことになり,極めて不自然であるというほかない。 最後に,事業譲渡契約書写し(甲20)がガボールブランドに係る事業及びこれに伴う諸権利がインターナショナル社に正当に譲渡されたことを証明する極めて重要な証拠であるにもかかわらず,証拠(甲46)によれば,B,D及びインターナショナル社は,米国第1次及び第2次訴訟においては,本件事業譲渡契約があった旨の主張をせず,また,事業譲渡契約書写し(甲20)を証拠として提出しておらず,その後の本件極秘和解契約においても,B,D及びインターナショナル社側にはガボールブランド及びガボール製品について何らの権利もないことを前提とした和解契約をしているのは,極めて不自然であって,このような事実関係は,事業譲渡契約書写し(甲20)がその後に作成されたとの疑念を強く抱かせるに十分である。 したがって,事業譲渡契約書写し(甲20)は信用することはできない。 c上記(ア) cの領収書写し(甲33)について領収書写し(甲33)について,原本が提出されていないこと,認定文書鑑定人G作成の署名の真正に関する専門的意見書(甲41)を提出していることは,事業譲渡契約書写し(甲20)と同様であるから,この点に関する判断も,上記a及びbと同様である。 領収書写し(甲33)は,本件事業譲渡契約におけるガボールブランドに係る事- 36 -業及びそれに伴う諸権利の対価として20万ドルがDからAに支払われたことを証する書類であるが,そもそも,遺言書写し(甲12の1)では,Bに対して上記権利を譲渡するに際し,対価については一切言及されていないから,Bに対する遺言による譲渡は無償であったと解されるところ,その遺言の内容を具体化したはずの本件事業譲渡契約では,20万ドルの対 して上記権利を譲渡するに際し,対価については一切言及されていないから,Bに対する遺言による譲渡は無償であったと解されるところ,その遺言の内容を具体化したはずの本件事業譲渡契約では,20万ドルの対価を支払うことになっていること自体極めて不自然である。また,前記認定のガボールブランド及びガボール製品の周知性及びその事業展開の状況からすれば,20万ドルという対価はガボールブランドに係る事業及びそれに伴う諸権利の対価としては極めて低額であることは明らかというべきところ,仮に原告が主張する事実が真実であるならば,遺言書の作成後わずか数日の間に,一体どのような交渉経緯を経て20万ドルという金額が決められ,それが,どこでどのような形でAに支払われたのか,Aは受領した20万ドルをどうしたのか一切不明であり(この点,原告は,シルバーアクセサリー業界では現金取引の商慣習があり,本件の20万ドルについてもDがすべて支出し,Aに対して現,,金で交付した旨主張するがそのような商慣習を認めるに足りる的確は証拠はなくまた,支払資金の準備や受領した金員の処理などの現金の流れについて,銀行口座等に全く形跡を残さないなどということは通常あり得ないところである,結局,。)20万ドル受領の事実の存在は認められないといわざるを得ない。 したがって,領収書写し(甲33)も信用することができない。 ,(),()ウ以上のとおり遺言書写し甲12の1事業譲渡契約書写し甲20及び領収書写し(甲33)はいずれも,Aがインターナショナル社に対し,ガボールブランドに係る事業及びそれに伴う諸権利を譲渡した証拠とはいえず,他に上記事実を認めるに足りる的確な証拠はない。したがって,AからB又はインターナショナル社に対する権利承継に関する原告の主張は理由がない。 (2) 被告 びそれに伴う諸権利を譲渡した証拠とはいえず,他に上記事実を認めるに足りる的確な証拠はない。したがって,AからB又はインターナショナル社に対する権利承継に関する原告の主張は理由がない。 (2) 被告の事業継続の有無についてアこの点につき,原告は,前記第3の1(2) エのとおり,Aからインターナショナル社への権利承継を裏付ける事実として,被告は,Aの死後,平成15年まで- 37 -,,()。 ,の間営業を停止していた旨主張しそれに沿う証拠甲35も存する確かに上記証拠には,原告が主張する内容の記事が記載されている。しかしながら,その内容から被告が完全に事業を停止していたと断言することはできず,他に本件全証拠によってもそのような事実を認めるに足りる的確な証拠はなく,かえって,証拠(乙4,5,16)によれば,被告は,Aの死後も事業を継続していたものと認められる。 イ仮に,本件事業譲渡契約に基づき,被告が事業を停止したのであれば,原告が主張する事業譲渡契約の締結は平成10年(1998年)12月10日であるから,被告はAが死亡する前であっても契約締結後直ちに事業を停止していたはずで,。 ,あるがそのような事実がない点については当事者間に争いがないこの点につき,,,,原告は前記第3の1(2) エ(ア) のとおり被告が本件事業譲渡契約締結後もAの死まで営業を続けていたのは,そもそも,この事業譲渡契約書が,Aの死後もガボールブランドを継続していくために作成されたものであったことから,同人の存命中は,インターナショナル社が営業を行う必要がないため,被告においてガボールブランドに係る事業を継続することとしたためであると主張する。しかしながら,事業譲渡契約書写し(甲20)には,譲渡の効力発生時期については何ら明記され 営業を行う必要がないため,被告においてガボールブランドに係る事業を継続することとしたためであると主張する。しかしながら,事業譲渡契約書写し(甲20)には,譲渡の効力発生時期については何ら明記されていない。したがって,通常は契約成立と同時に効力が発生すると解されるところ,原告の主張を前提とすれば,契約の内容から効力発生時点が明らかでないという不確定な内容の契約が締結されたということになるばかりか,Dが契約締結と同時に対価である20万ドルを直ちにAに支払っていると主張する事実とも矛盾するといわざるを得ない。 また,原告は,前記第3の1(2) エ(イ)及び(ウ) のとおり,被告が事業を停止していた証左として,Bないしインターナショナル社は,Aよりガボール製品の製造のためのオリジナル金型を承継し所有していたのに対し,被告は,本件極秘和解契約の締結に至るまで,上記金型の引渡を求めるなどの措置を講じなかった旨主張し,これに沿う証拠(甲14の1・2,甲32,36,38)- 38 -も存する。 しかしながら,上記各証拠は,いずれも原告代表者,原告の関係者の陳述書,,にすぎないからにわかに信用することができず他に本件全証拠を精査してもBないしインターナショナル社がガボール製品の製造のためのオリジナル金型を承継した事実は認められない。かえって,B自身の宣言書(乙16の添付書A)によれば,当時,インターナショナル社が所有していた金型は,ガボール,,製品のオリジナルの金型ではなくBが新たに製作した金型であると認められ本件極秘和解契約において被告が引渡しを求めた金型は上記B作成に係る金型であると認められる。また,前記1(5) アで認定したとおり,被告は,インタ(),ーナショナル社が設立された約半年後の平成13年2001年12月4日, を求めた金型は上記B作成に係る金型であると認められる。また,前記1(5) アで認定したとおり,被告は,インタ(),ーナショナル社が設立された約半年後の平成13年2001年12月4日,,,Bインターナショナル社及びアドヴァンスト社を相手方として連邦地裁に対しガボール製品のデザインの使用差止め等を求める米国第1次訴訟を提起しているのであるから,被告が何らの措置も講じていない旨の原告の主張は失当である。 (3) 原告のその他の主張について原告は,前記第3のとおり,インターナショナル社がガボールブランドに係る事業及びそれに伴う諸権利を承継したこと,被告が事業を中断していたことに関し縷々主張するが,上記認定の事実に照らし,いずれも失当である。 (4) 以上のとおり,インターナショナル社がガボールブランドに係る事業及びそれに伴う諸権利を承継した事実は認められないから,仮に,第3の1(4) において原告が主張するように,原告がインターナショナル社からガボールブランドに係る事業及びそれに伴う諸権利を承継する旨の契約を締結していたとしても,それは無権利者との契約にすぎず,原告が権利を取得することはできない。 そして,他に,本件商標の出願当時,王冠付きGマーク標章が,原告ないしインターナショナル社の周知標章であったことを認めるに足りる証拠はない。 したがって,王冠付きGマーク標章を含むガボールブランドに係る事業及びそれに伴う諸権利を有するのは,原告ではなく被告であると認められるから,本件商標- 39 -,,登録が商標法4条1項10号に該当し無効である旨の原告の主張は失当であって審決の認定判断に,原告が主張するような違法はない。 結論 よって,審決に取消事由があるとの原告の主張は理由がなく,原告の請求は棄却を免れない。 知的財産高等裁判 ある旨の原告の主張は失当であって審決の認定判断に,原告が主張するような違法はない。 結論 よって,審決に取消事由があるとの原告の主張は理由がなく,原告の請求は棄却を免れない。 知的財産高等裁判所第1部裁判長裁判官塚原朋一裁判官東海林保裁判官矢口俊哉- 40 -(別紙)商標目録〔商標の構成〕〔出願日〕平成13年8月8日〔登録日〕平成14年7月5日〔指定商品〕第14類「貴金属,貴金属製食器類,貴金属製のくるみ割り器・こしょう入れ・砂糖入れ・塩振出し容器・卵立て・ナプキンホルダー・ナプキンリング・盆及びよ,,うじ入れ貴金属製の花瓶・水盤・針箱・宝石箱・ろうそく消し及びろうそく立て貴金属製のがま口・靴飾り・コンパクト及び財布,貴金属製喫煙用具,身飾品,宝玉及びその原石並びに宝玉の模造品,時計,記念カップ,記念たて」第18類「皮革,かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ,かばん金具,がま口口金,傘,ステッキ,つえ,つえ金具,つえの柄,乗馬用具,愛玩動物用被服類」第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,運動用特殊衣服・運動用特殊靴」

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