主 文 本件各上告を棄却する。 理 由 被告人Aの弁護人土谷明の上告趣意のうち,憲法36条違反をいう点は,死刑制 度が憲法の同規定に違反するものでないことは当裁判所の判例(最高裁昭和22年 (れ)第119号同23年3月12日大法廷判決・刑集2巻3号191頁)とする ところであるから,理由がなく,その余は,事実誤認,量刑不当の主張であって, 適法な上告理由に当たらない。 被告人Bの弁護人西山彬の上告趣意のうち,憲法36条違反をいう点は,前記の とおり理由がなく,その余は,判例違反をいう点を含め,実質は事実誤認,量刑不 当の主張であり,同被告人本人の上告趣意は,事実誤認,量刑不当の主張であって ,いずれも適法な上告理由に当たらない。 なお,所論(被告人Aの弁護人川村理,被告人Bの弁護人藤沢抱一,同浅野史生の 弁論を含む。)にかんがみ記録を調査しても,刑訴法411条を適用すべきものと は認められない。付言すると,本件強盗殺人事件は,中華人民共和国人である被告 人両名が,ほか1名の同国人と共に,売上金等をエレベーターで運搬中のパチンコ 店店員を襲って現金を強取しようと企て,綿密な相談,鋭利な大型ナイフなどの凶 器の準備,再三の下見,襲撃の予行演習等を経た後,3名で犯行現場に至り,エレ ベーター内で,集中的に,店員2名の頭部をナイフの柄尻や木の棒で殴打し,その 背部等をナイフ2丁を用いて多数回突き刺すなどした上,現金約234万円を強取 し,さらに物音に気付いてエレベーターホールに駆けつけた同店責任者の背部等を ナイフで何度も突き刺すなどして,3名とも殺害したという事案である。罪質は極 めて悪質であり,3名の生命を奪った結果は非常に重大である。金目当ての計画的 犯行であって,動機及び犯行に至る経緯に酌量の余地はなく,犯行態様も冷酷,非 て,3名とも殺害したという事案である。罪質は極 めて悪質であり,3名の生命を奪った結果は非常に重大である。金目当ての計画的 犯行であって,動機及び犯行に至る経緯に酌量の余地はなく,犯行態様も冷酷,非 - 1 - 情,残虐である。これらの事情に加え,各遺族の被害感情,社会に与えた影響等に 照らすと,未検挙の共犯者が被告人両名に比してより主導的であったことなど被告 人両名のために酌むべき事情を十分考慮しても,被告人両名の罪責は誠に重大であ り,被告人両名をいずれも死刑に処した第1審判決を是認した原判決の科刑は,当 裁判所もこれを是認せざるを得ない。 よって,刑訴法414条,396条,181条1項ただし書により,裁判官全員一 致の意見で,主文のとおり判決する。 検察官小高雅夫 公判出席 (裁判長裁判官 金谷利廣 裁判官 奥田昌道 裁判官 濱田邦夫 裁判官 上田 豊三) - 2 -
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