昭和25(う)1155 窃盗被告事件

裁判年月日・裁判所
昭和26年9月26日 東京高等裁判所 破棄差戻
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【DRY-RUN】主    文      原判決を破棄し、本件を墨田簡易裁判所に差し戻す。          理    由  弁護人中野博義の控訴趣意に別紙のとおりであつて、これに対し次のように判断 する。  本件昭和

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判決文本文1,349 文字)

主文 原判決を破棄し、本件を墨田簡易裁判所に差し戻す。 理由 弁護人中野博義の控訴趣意に別紙のとおりであつて、これに対し次のように判断する。 本件昭和二五年一月一二日付追起訴状の公訴事実は被告人は昭和二四年九月三日より同年一〇月三一日までの間前後二〇回に亘り江東区abのcA方外一七軒より衣類及び現金その他計八八点時価合計一四万二七五三円二〇銭相当のものを窃取したもの(参照犯罪一覧表)というのであるが、これに対し原判決はその三、として被告人は昭和二四年九月三日より同年一〇月三一日に至るまでの間前後一九回に亘り江東区ab丁目c番地A方外一六個所に於て、煙草、衣類、現金その他八〇余点(価格合計一四万余円)を窃取したものと摘示しておることは所論のとおりである。これによつて見れば原審は右追起訴にかゝる二〇の事実中いずれかの一について判決をしなかつたものという外はない。従つて原判決は破棄を免れない。もつとも、右追起訴状添付の表によれば一九の事実はこれに未遂と記入しながら掲げられた事実そのものはまだ窃盗未遂に至らない行為であり、且つ原判決の示す証拠中の各被害届をこの表と照合すれば原判決から除かれている事実は右一九に外ならないことを容易に知ることはできるのであるが、既に右のように公訴事実として起訴状に明記せられ九ものである以上検察官がこれにつき起訴したものであることは明らかであるからこれに対し判決をなさないまゝに済ますことはできない理である。従つて原審はやはり不当としなければならない。加之原判決の右三、の摘示はこれに起訴状及びその別表を引用したわけではなく、たゞ漫然と一九回の事実を一括<要旨>して示しただけのものでおるから、その一々の具体的事実については全くこれを記されていない。およそ判決</要旨>に事実 に起訴状及びその別表を引用したわけではなく、たゞ漫然と一九回の事実を一括<要旨>して示しただけのものでおるから、その一々の具体的事実については全くこれを記されていない。およそ判決</要旨>に事実を示すのは、その刑の言渡の基である具体的犯罪事実を明らかにしてその公正を担保し、更にこれによつて既判力の範囲をも明確にするものであるから併合罪たる各個の事実を示すにはその一々を明記しなければならないことは勿論であつて、仮りに継続的集合的に行われた犯罪行為でその一々の被害数量や取引の相手方等について明記することが不可能のような場合であつても少くとも右の判決の公正を担保しその既判力の範囲を明確にすることのできる程度にはこれを具体的に記るさなければならないものである。しかるに原判決の三、は右のように一九回の個々の窃盗事実についてこれを一括して記載し(実は一及び二の日時も亦右三の期間内に該当するわけであるが)たのはこれによつてその間如何為る具体的窃盗行為があつたかを到底知ることができず、従つて判決の公正とその既判力の範囲とを知ることもできないものであるから、このような摘示は判決理由として十分でない。従つて原判決は理由不備という外なくこの点においても破棄を免れない。 よつて刑訴法第三九七条第四〇〇条に則り主文のとおりに判決する。 (裁判長判事佐伯顕二判事武田軍治判事仁科恒彦)

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