主文 1 被告a株式会社及び被告bは,原告に対し,連帯して7261万2557円及びこれに対する平成22年12月6日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 2 原告の被告a株式会社及び被告bに対するその余の各請求並びに被告cに対する請求をいずれも棄却する。 3 原告に生じた訴訟費用のうちその10分の3及び被告cに生じた訴訟費用を原告の負担とし,原告に生じた訴訟費用のうちその10分の7並びに被告a株式会社及び被告bに生じた訴訟費用を同被告らの負担とする。 4 この判決は,1項に限り,仮に執行することができる。 事実及び理由 第1 請求被告らは,原告に対し,連帯して1億1121万8429円及びこれに対する平成22年12月6日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 第2 事案の概要等 1 事案の概要原告は,亡dの父であり,dは被告a株式会社(以下「被告会社」という。)に勤務し,被告b及び被告cはdの上司であった。 本件は,dが自殺したのは,被告b及び被告cのパワーハラスメント,被告会社による加重な心理的負担を強いる業務体制等によるものであるとして,原告が被告らに対し,被告b及び被告cに対しては不法行為責任,被告会社に対して主位的には不法行為責任,予備的には債務不履行責任に基づき,損害金1億1121万8429円及びこれに対するdが死亡した日である平成22年12月6日から支払済みまでの民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求めた事案である。 2 前提事実以下の事実は当事者間に争いのない事実又は括弧内に摘示する証拠及び弁論の全趣旨によって容易に認められる事実である。 原告は,d(平成3年8月29日生)の父 2 前提事実以下の事実は当事者間に争いのない事実又は括弧内に摘示する証拠及び弁論の全趣旨によって容易に認められる事実である。 原告は,d(平成3年8月29日生)の父であり,eはdの母である(甲1)。 被告会社は,消火器販売,消防設備の設計施工保守点検等を業とする資本金1000万円の株式会社である(争いがない)。 dは,平成22年2月10日から被告会社でアルバイト勤務を始め,f高校を卒業後の同年4月1日,被告会社との間で,正社員として労働契約を締結した(争いがない)。 dは,被告会社のメンテナンス部に配属され,各企業が事務所及び作業所・工場等に消防法によって設置した防火施設の消防法によるメンテナンス等について,被告会社がそのメンテナンスを引き受けている事業所の消防設備や消火器等の保守点検業務に従事していた(争いがない)。 被告bは,リーダーとしてdの上司に当たる者であり,被告cは,メンテナンス部部長としてdの上司に当たる者である(争いがない)。 dは,平成22年12月6日,自宅の自室において午前6時30分ころ,縊死した(以下「本件自殺」という。)(争いがない)。 原告及びeは,dを原告が単独相続する旨の遺産分割協議を成立させた(甲28)。 原告は,平成25年5月29日に遺族補償金366万0605円の支給を受けた(甲70)。 3 争点及び争点に関する当事者の主張 被告bによる不法行為の有無(嫌がらせ,いじめ,暴行の有無)(原告の主張)ア dは,上司である被告bにより,通常の指導の域を遥かに超えたいじめ 等いわゆるパワーハラスメントを繰り返し受けてきた。被告bは,「なんで嘘をつく」等の叱責の言葉ばかりか,「辞めれ ア dは,上司である被告bにより,通常の指導の域を遥かに超えたいじめ 等いわゆるパワーハラスメントを繰り返し受けてきた。被告bは,「なんで嘘をつく」等の叱責の言葉ばかりか,「辞めればいい,死んでしまえばいい,もう直らないならこの世から消えてしまえ」等のdの人格を否定する暴言を執拗に繰り返した。 イ被告bは,dに対し,暴行を振るっていた。 (被告らの主張)ア被告bが,dに対し,通常の指導の域を遥かに超えたいじめ等いわゆるパワーハラスメントをしていたこと,暴行を振るっていたことは否認する。 イ被告bのdに対する注意,指導又は叱責は,dの繰り返しなされる同じ作業ミスに対して行ったことであって,「いじめ」ないし「パワハラ」と評価される性格のものではない。被告bのdに対する業務上の注意,指導又は叱責は,消防設備の委託事務所内で,dの作業ミスを具体的に指摘して行ったもので,長々と執拗に行ったわけではない。 被告cによる不法行為の有無(長時間労働,パワーハラスメントの放置,情報収集懈怠)(原告の主張)ア被告cは,メンテナンスサービス部の部長として,自らの責任と判断で部内の労働者の人員や配置を決めていたのであるから,被告会社に代わってdに対して業務上の指揮監督を行う権限を有する者として被告会社の イ被告cは,dの恒常的長時間労働を放置したまま何らの軽減措置を講じなかった点で過失があり,また,被告bによるdへのパワーハラスメントを容易に認識できたにもかかわらず,自らの責任で被告bとdを多く組む人員配置を続けたのであるからこの点でも過失が認められる。 ウ dが平成22年10月6日ころ被告cに対し退職の申し出をしたのに対し,被告cは,これを拒否し らず,自らの責任で被告bとdを多く組む人員配置を続けたのであるからこの点でも過失が認められる。 ウ dが平成22年10月6日ころ被告cに対し退職の申し出をしたのに対し,被告cは,これを拒否しただけでなく,被告bと同様に厳しく叱責 し暴言を吐いた。 エ被告cは,メンテナンス部長として部下の心身への配慮を行うだけでなく,部下の心身の状況や心身の安全に対する危険な要因について,必要な対策を行わなければならない。被告cがdや被告bから事情を聴取したり医師の診察を受けさせる等の積極的な実態把握に努めれば被告bのdに対するパワーハラスメント,dの心身の状況が悪化していたことを認識し,必要な対策を講じることができたはずであるのにこれを怠った点で過失がある。 (被告らの主張)原告の主張は否認又は争う。 被告会社による安全配慮義務違反の有無(長時間労働,達成困難なノルマの設定,労働者の個性・人格無視の管理主義的な社内教育)(原告の主張)ア労働者が労働日に長時間にわたり業務に従事する状況が継続するなどして,疲労や心理的負荷等が過度に蓄積すると,労働者の心身の健康を損なう危険がある。労働基準法は,労働時間に関する制限を定め,労働安全衛生法65条の3は,作業の内容等を特に限定することなく,同法所定の事業者は労働者の健康に配慮して労働者の従事する作業を適切に管理するように努めるべき旨を定めているが,それは,このような危険が発生するのを防止することをも目的とするものである。これらのことからすれば,使用者は,その雇用する労働者に従事させる業務を定めてこれを管理するに際し,業務の遂行に伴う疲労や心理的負荷等が過度に蓄積して労働者の心身の健康を損なうことがないように注意する義務を負う。被告会社は 使用者は,その雇用する労働者に従事させる業務を定めてこれを管理するに際し,業務の遂行に伴う疲労や心理的負荷等が過度に蓄積して労働者の心身の健康を損なうことがないように注意する義務を負う。被告会社は,この義務に違反して,次のイないしエの負担をdに課していた。 イ dは,毎日遅くとも午前7時前には自宅を出て車で15分の距離にあるg所在のサービスセンターに出勤し,その後現場を回って本社へ夕方に戻 り,報告書を作成・提出した後,サービスセンターに戻り反省会等を終えて,午後9時から10時,遅いときは午後11時過ぎに帰宅していたもので,サービス残業が恒常化し,本件自殺前,dは恒常的に長時間労働を強いられていた。 ウ dは,年賀状を2100枚,消火器を40台販売するノルマを課されていたが,新入社員であるdにとって,そのようなことは不可能であることを承知の上で,被告会社はかようなノルマを課していた。 エ被告会社では,被告会社代表者の独特の興味関心思想宗教世界観に基づいて,労働者に対し,研修教育の名の下で,それを強制させ押しつける内容の教育を行ってきた。たとえば,dは,入社に当たって事前にプロの麻雀師の書籍を読むよう命じられたり,六波羅蜜等特定の宗教観を押しつけられる等されていた。 (被告らの主張)ア dが出勤のために午前7時前に自宅を出て,車で15分の距離にある被告会社のg内のサービスセンターに出勤していたこと及び午後9時から10時,遅いときは午後11時まで勤務していたこと並びにサービス残業が恒常化していたことは否認する。被告会社が,恒常的な長時間労働をさせたことはない。 イ被告会社がdに年賀状2100枚の販売をさせたことは認めるが,それがノルマであること及び達成困難で 恒常化していたことは否認する。被告会社が,恒常的な長時間労働をさせたことはない。 イ被告会社がdに年賀状2100枚の販売をさせたことは認めるが,それがノルマであること及び達成困難であることは否認する。年賀状2100枚の販売は,被告会社が社員全員に求めていることではあるが,強制もなく,販売が達成されなくてもなんらの制裁も不利益もなかったのでノルマではない。 ウ被告会社の代表者は,自分の思想・宗教・世界観を社員に強制したり,そのような社内研修をしたことはない。 (原告の主張)ア dはただでさえ新入社員として緊張や不安が多く,心理的負荷がかかっている中で,恒常的長時間労働に従事させられ続けた。また,dはベテランの社員でさえ達成困難であろう年賀状販売2100枚,消火器販売40台というノルマを課せられ,さらに,日常的に労働者の個性・人格無視の管理主義的社内教育を受け続けさせられた。 イ dは,注意を受けた内容のメモを作成するように命じられ,誠実にミスをなくそうと努力し,新入社員として初めて受けた消防整備士乙種第6種の資格を取得する等して,恒常的長時間労働に従事していたにもかかわらず,ねぎらいの言葉を受けたり,心配されるどころか,被告bから人格を否定する言動によるいじめを執拗に繰り返し受け続けてきた上,被告bから暴力を振るわれていたことも推認される。 ウ dは,高卒の新入社員であり,その心理的負荷は他の労働者と比較しても過度にかかることになるから,上記の心理的負荷をより強度なものとする要因になっていた。このような心理的負荷の内容や程度に照らせば,dの業務には精神障害を発症させるに足りる強い負担があったと認められる。そして,dがロープを購入し,遺書を作成したと思われる平 のとする要因になっていた。このような心理的負荷の内容や程度に照らせば,dの業務には精神障害を発症させるに足りる強い負担があったと認められる。そして,dがロープを購入し,遺書を作成したと思われる平成22年11月29日には中等症うつ病エピソードを発症していたと推定される。 エ dは,遅くとも平成22年11月29日にはうつ病を発症していたと推定され,正常な認識,行為選択能力及び抑制力が著しく阻害された状態になり,本件自殺に至ったもので,本件自殺について業務起因性が認められる。被告bのいじめとの間の相当因果関係が認められる。 オ dには,業務以外の心理的負荷を伴う出来事は確認されていないし,既往症,生活史,アルコール依存症などいずれにおいても特に問題はないし,性格傾向も真面目で几帳面であり,特に問題となる特性はない。 被告らは,dが閉塞性睡眠時無呼吸低呼吸症候群に罹患していた等とし て業務との因果関係を否定するが,その根拠とされるh医師の意見書も,h医師自らが,「正確な医学的検査をしていない。さらにdと直接会ったわけでもなく,また具体的に働いている現場を見ているわけではないので,推測でしかない。」と認めるように,医学的根拠はない。 (被告らの主張)ア dの生活状況,ことに就寝時間,睡眠時間,dが勤務中であっても居眠りを始めるとか,帰宅してすぐに食事もしないでソファーでごろ寝をするとか,作業現場まで作業車に同乗していくときに車内で居眠りをする,就寝時間が翌日の午前1時ころであったこと,多汗症であったこと等,dには,睡眠障害があったと認められる幾多の顕著な徴候が認められる。dは閉塞性睡眠時無呼吸低呼吸症候群と推論でき,平成22年9月ころにはうつ病と診断できるまでになっていた。dは,パワーハラ こと等,dには,睡眠障害があったと認められる幾多の顕著な徴候が認められる。dは閉塞性睡眠時無呼吸低呼吸症候群と推論でき,平成22年9月ころにはうつ病と診断できるまでになっていた。dは,パワーハラスメントで自殺したというより,自分の能力に悲観して亡くなったものである。 イ dは,「生きることに疲れてしまいました」という遺書を残しているのであるから,生きることに疲れる原因があったのであり,その原因は,被告bの作業上の注意や,ありもしない加重な長時間労働,年賀葉書2100枚の販売,被告会社の研修等の被告会社の業務によるものではなく,dの睡眠障害にあった。 ウよって,dのうつ病の発症,それによる自殺と被告会社の業務,被告b,被告cのdに対する注意との因果関係はない。 損害額(原告の主張)ア逸失利益 7121万8429円計算式523万0200円(平成22年賃金センサス産業計・企業規模計・学歴計男性平均賃金)×8.5901(11年に対応する新ホフマン係数) ×(1-0.5)=2246万3970円523万0200円×15.5362(12年から48年の新ホフマン係数)×(1-0.4)=4875万4459円2246万3970円+4875万4459円=7121万8429円イ死亡慰謝料 3000万円ウ弁護士費用 1000万円エ原告が平成25年5月29日に支給された遺族補償金366万0605円は,平成22年12月6日から平成25年5月29日までに発生した逸失利益の遅延損害金の一部に充当すべきであり,損害金元金に充当されることはない。 (被告らの主張) 金366万0605円は,平成22年12月6日から平成25年5月29日までに発生した逸失利益の遅延損害金の一部に充当すべきであり,損害金元金に充当されることはない。 (被告らの主張)原告の損害額の主張は争う。 第3 当裁判所の判断 bによる不法行為の有無)について(認定事実)前記前提事実に加え後記括弧内に摘示する証拠及び弁論の全趣旨を総合すると,以下の事実が認められる。 d(平成3年8月29日生)は,高校を卒業後の平成22年4月1日(以下,年月日だけで示すのは平成22年である。),被告会社に入社し,メンテナンス部に配属された。そして,各企業が事務所及び作業所・工場等に消防法に基づいて設置した防火施設の消防法によるメンテナンス等について,被告会社がそのメンテナンス業務の委託を受けている事業所の消防設備や消火器等の保守点検業務に従事していた。(乙7,9)dの通常の業務は以下のとおりである(甲29,乙3,7,被告c供述)。 午前7時30分ころサービスセンター(福井市i町)に出勤し,営業車に乗り合わせ,本社(福井市j)に移動し,本社において午前7時45分ころ から環境整備(清掃),午前8時15分から朝礼を実施後,点検現場に出発し,消防設備のメンテナンス業務を行う。現場業務が終了後,午後5時から6時ころに本社に戻り,本社で翌日の現場の書類準備等を行った後,サービスセンターに戻り後始末,翌日の準備をした後帰宅する。 現場における業務の内容は,消防設備の点検である。対象設備は建築物(企業,公共施設,商業施設等)の消火器,火災報知器,消火栓,誘導灯などの設備であり,消防法に定められた点検を行い,不良箇所が見つかれば整備を行う。現場ごとにリーダーが定まり,現場の規模 備は建築物(企業,公共施設,商業施設等)の消火器,火災報知器,消火栓,誘導灯などの設備であり,消防法に定められた点検を行い,不良箇所が見つかれば整備を行う。現場ごとにリーダーが定まり,現場の規模により2名ないし4名程度で作業を行うが,dの場合には2名での作業が多かった。一日に複数の現場を回ることもあれば,ひとつの現場に数日を要することもある。 dは,当初,消火器の点検などの比較的簡単な作業に従事していたが,作業に慣れるに従って7月ころから消火栓や火災報知器などの点検業務にも従事するようになった。この点検業務に当たっては,dの直属の上司に当たる被告bに同行し,被告bから指導を受けることが多かった。 被告bは,dの仕事の覚えや悪いことから,自分が注意したことは必ず手帳に書いてノートに書き写すように指導していたが,dが仕事上の失敗が多く,被告bが運転する車中で居眠りをするなどのことが重なったため,いらだちを覚えるようになり,7月9日には「一人で勝手に行動しない。分かりもしないのに返事をしない。」と言うようになった。dは,被告bの上記指導に従って,被告bから受けた指導内容,言われた言葉やこれらを巡って自問自答する内容をノートに記述するようになった。(甲29,乙5,7,8,被告b供述)その内容は次のとおりである。 ア 7月9日(甲9・63頁)一人で勝手に行動しない,分かりもしないのに返事をしない。分からないときは必ず聞く。聞いたら手帳に書いて忘れない。 イ 7月10日(甲66の2)・ヘタに手伝って作業をしている人のジャマをしない・人の話を聞いて理解してから行動する・自分の意識を高める・注意をされたこと,気を付けるこ ・ヘタに手伝って作業をしている人のジャマをしない・人の話を聞いて理解してから行動する・自分の意識を高める・注意をされたこと,気を付けることは,すぐに手帳に書く,家に帰ったら,手帳に書いたことをノートに書き移す(ノートはなくさないような場所に保管する)・1人で勝手に行動しない・分かりもしないのに返事をしない・分からないことがあるときは必ずリーダーや責任者に聞く,聞いたことは手帳に書いて忘れないウ 7月12日(甲9・63頁)絶対にねるな,絶対にねるな,絶対にねるな,絶対にねるな,自分は変わる,自分は変わる,自分は変わる,自分はもっと良くなる。 1分1秒がおしい,皆ヒマじゃない,自分は何で変わらない,皆やることがある。 エ 7月26日(甲9・64頁)何かすることが分かっているなら手伝え! オ 8月11日(甲9・37頁)今後どうするか,答えを出せ,怒られたいのか,そうじゃないのか,学ぶ気持ちはあるのか,いつまで新人気分?サギと同じ,3万円を泥棒したのと同じ,毎日同じことを言う身にもなれ,ワガママ,申し訳ない気持ちがあれば変わっているはず,指示を確実に実行する,受信機は必ず止める。 6:00までに終わらす,帰る,少しは考えて行動しろ。 カ 9月1日(甲9・65頁)待っていた時間がムダになった,聞き違いが多すぎる・・・動きにムダ, ムラ=遅い,耳が遠いんじゃないか?仕事終了後,ムダに休まない,涼まない,なんでkさんの前では書かなくてbさんの前では書く?今まで書いたことを実行してきた? 動きにムダ, ムラ=遅い,耳が遠いんじゃないか?仕事終了後,ムダに休まない,涼まない,なんでkさんの前では書かなくてbさんの前では書く?今まで書いたことを実行してきた? キ 9月7日(甲9・64頁)うそをつくようなやつに点検をまかせられるわけがない,「手伝う」と言う前に「スミマセン」と謝るのが先じゃないか,お客様のことを一番に考える,自分の考えが甘甘すぎる,今の自分にできることなんか何もない,点検もしてないのに自分をよく見せようとしている,ムダな汗,答えを出すのに時間かかりすぎ。 人の資格を使わせてもらっているのに適当↑のようなヤツに仕事はさせられない相手するだけ時間のムダ,何でウソをつく,○○するつもりはなかった=ウソつき,ウソをつく,お金を払っていただいているのはお客様。 ク 9月11日(甲8・4~7頁)l病院失敗点:人の話をきかずに行動・・・動くのがノロイ,時間をかけても点検は中途半端,問題を直す意気込みがない・・・指示が全く聞けない・・・そんなことを直さないで信用できるか,・・・注意しても直さない,ムダなミスをして作業をストップさせる,何で自分が怒られているのかすら分かっていない,反省しているフリをしているだけ,ウソを平気につく,そんなやつ会社に要るか?ウソをついたのに悪気もない。 改善:まず人の話をきく。何も考えずに発言しない←それがウソにつながる,・・・やる気出せ←根本的な,ダラダラしすぎ,全然点検に集中してない,根本的に心を入れ替えれば?会社辞めた方が皆のためになるんじゃないか,辞めてもどうせ再就職はできないだろ,自分を変えるつもりがないのならば家でケーキ作れば?店でも出せば?どうせ 点検に集中してない,根本的に心を入れ替えれば?会社辞めた方が皆のためになるんじゃないか,辞めてもどうせ再就職はできないだろ,自分を変えるつもりがないのならば家でケーキ作れば?店でも出せば?どうせ働きたくないん だろう?・・・いつまでも甘甘,学生気分はさっさと捨てろ,今までずっとそんな気持でやってきた,自分がアホらしい,死んでしまえばいい,一度くらい折れてみればいい,辞めればいい,死んでしまえばいい,もう直らないなら,この世から消えてしまえ,まずは直してみれば?その腐った考え方を,色んな意味で直す,生き返らせる,少しはbさんの負担も考えてみろよ,大変だぞ・・・それに比べて,自分は,土日も休んで,点検自体もろくに出来ないくせに,お金はほしいと言う,・・・人の指示もろくに聞けない,動けない,注意されてもメモに残さない,メモをノートに毎日書き写さない,書かないから忘れる,また同じことで怒られる←これのくり返し,毎日毎日,申し訳ないと思っているなら変わるだろ,変わって見返そうと思わない,結局自分に甘い,もっと動けるんじゃないか,限界って決めつけてるだけ?・・・自分は何もせずに,ただ○○ごっこをしているだけ,何もしないだけ,見ているだけ,そんなやつに点検はできんだろ,まかせられないだろ?ウソなんかつくやつに,辞めてしまえば?辞めたくないとか言ってるだけ,先輩はやってるのに自分は見ているだけ?そんなやつ辞めろ,死ね,自分を変えろ。 辞めろやら,死ねやら,言ってたところで,何も変わらないし,よい方法にもいかない,やり直し。 失敗点・人の話を聞かずに行動・動きが遅い・時間をかけても点検は中途半端・問題を直す意気込みがない・指示を全く聞けない 点・人の話を聞かずに行動・動きが遅い・時間をかけても点検は中途半端・問題を直す意気込みがない・指示を全く聞けない・注意しても直さない・ムダなミスをして作業をストップさせる ・何で自分が怒られているのかすら分かっていない・反省しているフリをしているだけ・ウソを平気でつく改善・まず人の話を聞くこと・何も考えずに発言をしないこと←これがウソにつながる・清掃はスミズミまで,KSと同じ・済証はきれいにはがすこと・やる気を出すこと←作業をテキパキと,素早く行動する一度失った信用は当分戻ることはない,仕事であれば尚更,辞表の書き方を練習するべきか? ケ 9月21日(甲9・42頁)一度失った信用は簡単には戻らない。 コ 10月6日(甲8・13頁)リーダーは作業しながら報告書も書いている,やっぱり字がきたない,作業が遅い,bさんより「今日使ったムダな時間を返してくれ」,点検以前の問題が多すぎる。 サ日付け不明(甲8・7頁)自分は何をやっても文句(注意)を言われる←自分が悪い,直そうとしないから,真剣にやろうとしないから,←じゃあどうするの? →変わらずに続ける×(←10/6現在の現状変わっていない)→変わればいい→辞めてしまえばいい正直な話,二択でしかないと思う,両親に話してみる? シ 11月10日(甲9・50頁)なぜうそをつくのか,なぜサボるのか ス日付け不明(甲8・23頁) まえばいい正直な話,二択でしかないと思う,両親に話してみる? シ 11月10日(甲9・50頁)なぜうそをつくのか,なぜサボるのか ス日付け不明(甲8・23頁)なぜウソをつくのか→自分を良く見せたいから→なぜ?→自分さえ良ければいいと考えているから→なぜ?→他人のことを考えられないから→なぜ?→セ日付け不明(甲8・24頁)なぜサボるのか→働きたくないから→働くのがめんどうくさいから→仕事はつまらないと思っているから→ソ 11月22日(甲8・25頁)自分みたいなやつは一度赤恥,恥をかかないと変われない,そうしないとどうせ分からない。 タ 11月24日(甲8・25頁)話すことは労働感について,自分は仕事中サボったり,ウソをついて先輩に怒られているが,自分は別にいいじゃないかと思っている,それは間違っているのだろうか,先輩は恥をかかないと直らないと言っている,毎日おんなじことを言われて何に対して怒っているのか,分かっているのに直らないのはなぜ?相手も同じなら自分が怒ってやらないといけないのではないか。 その間,dは,7月半ばころ,仕事時間中にeに電話をし,「仕事をやめてもいいか」と尋ねた。そして,「『仕事がはかどらないから車の中にいろ』と言われて今車の中にいるんや」と言い,その後30分から40分ほど,泣きながら話をし,点検をして自分ではちゃんとやっているつもりなのに,後で見るとミスをしていて,ペアで作業をしている人に迷惑がかかり,やり直しなどで時間をとらせることになり,「俺の時間を返せ」と言われたことを告げた。 秋ころからは,自宅において笑顔がなくなり,いつも疲れたような難しい顔をするようになった。また,帰宅をしてすぐにソファに横になり,食事も ,「俺の時間を返せ」と言われたことを告げた。 秋ころからは,自宅において笑顔がなくなり,いつも疲れたような難しい顔をするようになった。また,帰宅をしてすぐにソファに横になり,食事も とらず,風呂にも入らないでいることが多くなった。 (甲35,36,60,証人e証言,原告本人供述)dは,11月29日,本件自殺に使用したロープを購入し,遺書を記載した。同遺書のうち,被告らに関わる部分は以下のとおりである。(甲14,16)「aの皆様へ。半年ちょっとという短い期間でしたが,皆様と一緒に仕事ができて楽しかったです。 社長へ,勝手に行ってしまって申し訳ありません。半年間だけでも,社長の元で勉強させていただいたことを,誇りに思います。半年間ありがとうございました。 c部長へ,半年間,ご指導いただき,ありがとうございました。役たたずで申し訳ありませんでした。 bさんへ,多分社員の中で一番迷惑をかけてしまいました。直せと言われ続けていたのに,何も変われなくてごめんなさい,とりあえず私はあなたが嫌いです。大嫌いです。でも,言われ続けていたことに嘘はなかったです。 全て私と,私に関わる人たちのために,言われていたのだと思います。」dには特異な性格傾向や既往症,生活史,アルコール依存症などいずれにおいても特に問題はなかった(甲35,36,証人e証言,原告本人供述)。 dは,12月6日からその週及び翌週と続けて被告bと2人だけでmの現場に行くことになっていた(甲9・54頁,被告b供述38頁)。 同日午前6時13分に被告会社からの不在着信があり,dは,同14分に折り返し会社に荷電し,被告bと会話し,その後間もなくdは自宅の2階の自室において,カーテンレールにロープをかけ,そこに首をつり,同日午前6時30 分に被告会社からの不在着信があり,dは,同14分に折り返し会社に荷電し,被告bと会話し,その後間もなくdは自宅の2階の自室において,カーテンレールにロープをかけ,そこに首をつり,同日午前6時30分ころ,eによって発見された(甲6,15,原告本人供述)。 (判断)上記手帳の記載は,被告bの指導に従って,被告bから受けた指導内容,言 われた言葉やこれらを巡っての自問自答が記述されたもので,被告b自身も自分が注意したことは手帳に書いてノートに写すように指導していたことを認めている(被告b供述・23~24頁)。また,証拠(乙7,8)によると,上記アないしタの判明しているすべての日付けが被告bをチームリーダーとして業務に従事した日であることが認められる。8月11日には,当日本社に戻ったのが午後6時半になってしまい,予定より時間がかかったこと,当日の現場である「n」の受託業務料が3万円であること(乙3の83頁,被告b供述・24~26頁)と一致していること等上記記述内容が客観的事実と符合していることが認められる。これらからすると,上記手帳の記載内容は,一部自問自答の部分を含むため,不明瞭な部分があるとはいえ,この記載によると,dは被告bから次のような言葉又はこれに類する言葉を投げかけられたことが認められる。乙8号証,被告b供述中のこの認定に反する部分はこれを採用できない。 「学ぶ気持ちはあるのか,いつまで新人気分」,「詐欺と同じ,3万円を泥棒したのと同じ」,「毎日同じことを言う身にもなれ」,「わがまま」,「申し訳ない気持ちがあれば変わっているはず」「待っていた時間が無駄になった」「聞き違いが多すぎる」,「耳が遠いんじゃないか」,「嘘をつくような奴に点検をまかせられるわけがない。」「点検もしてないのに自分をよく見せようとしている」 いるはず」「待っていた時間が無駄になった」「聞き違いが多すぎる」,「耳が遠いんじゃないか」,「嘘をつくような奴に点検をまかせられるわけがない。」「点検もしてないのに自分をよく見せようとしている」「人の話をきかずに行動,動くのがのろい」「相手するだけ時間の無駄」「指示が全く聞けない,そんなことを直さないで信用できるか。」「何で自分が怒られているのかすら分かっていない」「反省しているふりをしているだけ」,「嘘を平気でつく,そんなやつ会社に要るか」「嘘をついたのに悪気もない。」「根本的に心を入れ替えれば」,「会社辞めたほうが皆のためになるんじゃないか,辞めてもどうせ再就職はできないだろ,自分を変えるつもりがないのならば家でケーキ作れば,店でも出せば,どうせ働きたくないんだろう」「いつまでも甘甘,学生気分はさっさと捨てろ」「死んでしまえばいい」, 「辞めればいい」「今日使った無駄な時間を返してくれ」これらの発言は,仕事上のミスに対する叱責の域を超えて,dの人格を否定し,威迫するものである。これらの言葉が経験豊かな上司から入社後1年にも満たない社員に対してなされたことを考えると典型的なパワーハラスメントといわざるを得ず,不法行為に当たると認められる。なお,被告bがdに対して暴行を振るったことに沿う証拠はない。 cによる不法行為の有無)について被告cがdに対していじめないしパワーハラスメントと評される行為をしたことを認めるに足りる証拠はない。また,dが平成22年10月6日ころ被告cに対し退職の申し出をしたことは認められるが(甲8号証の14頁には「辞表はないがcさんに辞めたいことを伝える」との記載がある。),この申し出に対し,被告cがこれを拒否した上,厳しい叱責暴言をした事実を認めるに足りる証拠はない。 られるが(甲8号証の14頁には「辞表はないがcさんに辞めたいことを伝える」との記載がある。),この申し出に対し,被告cがこれを拒否した上,厳しい叱責暴言をした事実を認めるに足りる証拠はない。 原告は,被告bによるdへのパワーハラスメントを容易に認識できたにもかかわらず,自らの責任で被告bとdとをチームとして多く組む人員配置を続けたのであるからこの点で被告cに過失が認められると主張するが,メンテナンス業務が被告会社の構内での作業ではなく外注先での作業が大半を占めることからすると,被告bのdへの指導の実態について把握するのは困難であり,dが被告cに対し被告bからパワーハラスメントを受けていることを訴えた事実は認められないことからすると,この原告の主張は理由がない。また,被告cのメンテナンス部の部長としての役割は作業現場の人員配置と作業日程の決定にとどまっていたこと(乙7,被告c供述)等に照らすと,原告のその余の主張も理由がない。 よって,原告の被告cに対する不法行為責任に基づく請求は理由がない。 1摘示の被告bのdに対する不法行為は,外形上は,dの上司としての業務 上の指導としてなされたものであるから,事業の執行についてなされた不法行為である。本件において,被告会社が被告bに対する監督について相当の注意をしていた等の事実を認めるに足りる証拠はないから,被告会社は原告に対し民法715条1項の責任を負うこととなる。 原告の被告会社に対する請求は主位的には不法行為責任,予備的には債務不 bの不法行為と本件自殺との相当因果関係)について1において認定したごとく,dは,被告bから注意を受けた内容のメモを作成するように命じられ,誠実にミスをなくそうと努力していた中で,被告bから人格を否 行為と本件自殺との相当因果関係)について1において認定したごとく,dは,被告bから注意を受けた内容のメモを作成するように命じられ,誠実にミスをなくそうと努力していた中で,被告bから人格を否定する言動を執拗に繰り返し受け続けてきた。dは,高卒の新入社員であり,作業をするに当たっての緊張感や上司からの指導を受けた際の圧迫感はとりわけ大きいものがあるから,被告bの前記言動から受ける心理的負荷は極めて強度であったといえる。このdが受けた心理的負荷の内容や程度に照らせば,被告bの前記言動はdに精神障害を発症させるに足りるものであったと認められる。そして,dには,業務以外の心理的負荷を伴う出来事は確認されていないし,既往症,生活史,アルコール依存症などいずれにおいても問題はないのであって,性格的な偏りもなく,むしろ,上記手帳の記載を見れば,きまじめな好青年であるといえる。 そうすると,dがロープを購入し,遺書を作成したと思われる平成22年11月29日には,被告bの言動を起因とする中等症うつ病エピソードを発症していたと推定され,正常な認識,行為選択能力及び抑制力が著しく阻害された状態になり,本件自殺に至ったという監督署長依頼に係る専門医の意見(甲34)はこれを採用すべきものであるといえる。本件自殺と被告bの不法行為との間の相当因果関係が認められる。 被告らは,dが閉塞性睡眠時無呼吸低呼吸症候群に罹患していた等として本件自殺と業務との因果関係を否定するが,その根拠とされるh医師の意見書 (乙10)も,同医師自らが,「正確な医学的検査をしていない。さらにdと直接会ったわけでもなく,また具体的に働いている現場を見ているわけではないので,推測でしかない。」と認めるように,医学的根拠に乏しく,被告らの主張は理由がない。 検査をしていない。さらにdと直接会ったわけでもなく,また具体的に働いている現場を見ているわけではないので,推測でしかない。」と認めるように,医学的根拠に乏しく,被告らの主張は理由がない。 よって,1に認定摘示した被告bの不法行為と本件自殺との相当因果関係はこれを認めることができる。 逸失利益dは,健康な19歳の男性であり,本件不法行為がなければ,平成22年賃金センサス産業計・企業規模計・学歴計男性平均賃金である年収523万0200円の収入を得た蓋然性が認められる。そして,就労可能年齢を67歳,生活費割合を5割として,ライプニッツ方式により逸失利益を算定するのが相当であり,これによると,次の計算式のとおり,4727万3162円が求められる。 計算式 523万0200円×(1-0.5)×18.077(48年に対応するライプニッツ係数)=4727万3162円(円未満切り捨て) 慰謝料dが自殺に至った経緯,生活状況等,諸般の事情を考慮すると,dの死亡慰謝料は2300万円とするのが相当である。 賠償額の算定ア原告が平成25年5月29日に支給された遺族補償金366万0605円は,上記逸失利益(元本)に充当するのが相当であるところ(平成22年9月13日最高裁判所第一小法廷判決・民集64巻6号1626頁参照),4727万3162円から366万0605円を減じると4361万2557円となる。 イ 6661万2557円となる。 ウ上記金額,本件事案の難易,請求額等の事情に照らすと,本件と相当因果関係のある弁護士費用は600万円と認めるのが相当である。 6 以上の認定及び判断の結果によると,原告の被告会社に対 。 ウ上記金額,本件事案の難易,請求額等の事情に照らすと,本件と相当因果関係のある弁護士費用は600万円と認めるのが相当である。 6 以上の認定及び判断の結果によると,原告の被告会社に対する請求及び被告bに対する請求は,7261万2557円及びこれに対する平成22年12月6日から支払済みまで年5分の割合による遅延損害金の支払を求める限度で理由があるからこれを認容し(両被告の債務の関係は不真正連帯債務である。),原告の被告会社及び被告bに対するその余の各請求並びに被告cに対する請求は理由がないからいずれも棄却することとし,主文のとおり判決する。 福井地方裁判所民事部 裁判官樋口英明
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