- 1 -主文 本件訴えのうち,次の各部分をいずれも却下する。 (1) 原告私たちのおおたけを守る会による本件訴えのうち,次の各部分アAに対して金8348万8299円及びこれに対する平成18年3月25日から支払済みまで年5分の割合による金員を請求せよと被告に求める部分イB,C,D,E,F及びGに対して各自,下記の各金員及びこれに対する平成18年3月25日から支払済みまで年5分の割合による金員の賠償を命令せよと被告に求める部分記B金1438万5137円C金5312万5662円D金2614万0437円E金3104万0299円F金4919万7100円G金8561万8724円(2) 原告Hによる本件訴え2(1) 被告は,Aに対し,金213万0425円及びこれに対する平成18年3月25日から支払済みまで年5分の割合による金員を請求せよ。 (2) 被告は,Fに対し,金213万0425円及びこれに対する平成18年3月25日から支払済みまで年5分の割合による金員の賠償を命令せよ。 原告私たちのおおたけを守る会のその余の請求をいずれも棄却する。 訴訟費用は,これを80分し,その1を被告の負担とし,その39を原告私たちのおおたけを守る会の負担とし,その余を原告Hの負担とする。 事実 及び理由第1請求- 2 - 被告は,Aに対し,金8561万8724円及びこれに対する平成18年3月25日から支払済みまで年5分の割合による金員を請求せよ。 被告は,B,C,D,E,F及びGに対し,各自,下記の各金員及びこれに対する平成18年3月25日から支払済みまで年5分の割合による金員の賠償を命令せよ。 記B金1438万5137円C金5312万5662円D金2614万0437円E金3104万0299円 する平成18年3月25日から支払済みまで年5分の割合による金員の賠償を命令せよ。 記B金1438万5137円C金5312万5662円D金2614万0437円E金3104万0299円F金5132万7525円G金8561万8724円第2事案の概要本件は,大竹市が廃プラスチック類(以下「廃プラ」という。)の運搬及び再生処理業務を委託していたI株式会社が,実際には廃プラの再生処理をしていなかったのに,1(1) 環境整備課長及び環境整備課長補佐兼業務係長において,上記委託契約の履行を確保するためになすべき必要な検査を重大な過失により怠った(2) 支出命令の専決者である民生部長及び環境整備課長において,故意又は重大な過失により上記委託契約の履行を確認することなく支出命令を専決した(3) 収入役において,上記委託契約に基づきIが再生処理を履行しているか否かを確認し当該支出命令に係る債務が確定しているか否かを確認すべきところを故意又は重大な過失により怠った(4) 当時の大竹市長において,これらの各義務違反を阻止すべき指揮監督上の義務を怠ったとして,市民団体及びその代表者である原告らが,被告に対し,- 3 -2(1) 当時の大竹市長個人に対して不法行為に基づく損害金8561万8724円及びこれに対する不法行為後の日である平成18年3月25日(訴状送達の日の翌日)から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金を請求せよと求め(2) 上記各職員に対して地方自治法243条の2第1項後段に基づく各損害金及びこれに対する(1)と同様の遅延損害金の賠償を命令せよと求めている事案である。 なお,本件で問題となる関係各法令の定めは,別紙関係法令一覧のとおりである(以下,関係各法令の略称は,別紙関係法令一覧の記載による。)。 第 同様の遅延損害金の賠償を命令せよと求めている事案である。 なお,本件で問題となる関係各法令の定めは,別紙関係法令一覧のとおりである(以下,関係各法令の略称は,別紙関係法令一覧の記載による。)。 第3基礎となる事実(証拠を付さない事実は,当事者間に争いがない。) 当事者等(1) 原告ら(甲1,2,弁論の全趣旨)原告私たちのおおたけを守る会(以下「原告守る会」という。)は,平成17年6月29日,「夢、希望、誇りのもてる住み良い大竹市」の実現を目指して活動することをその目的として設立された団体で,大竹市民を中心とする会員で構成され,その事務局を大竹市内に置くものとされている。 原告Hは,原告守る会の会長であり,大竹市の住民である。 (2) 大竹市の関係各職員ア元大竹市長A(弁論の全趣旨)Aは,平成14年6月30日から平成18年6月29日までの間,大竹市長の役職にあった者である。 イその他の大竹市の関係各職員(甲95,112,113,弁論の全趣旨)B,C,D,E及びFは,大竹市において,別紙権限等一覧表記載のとおりの役職にあった者である。 Gは,平成14年4月1日から平成17年3月31日までの間,大竹市- 4 -環境整備課(平成16年3月31日までは民生部環境整備課)課長補佐兼業務係長の役職にあった者である。 大竹市のIに対する委託料の支払等(1) Iに対する廃プラの再生処理業務の委託(甲3ないし5)大竹市は,平成14年4月22日,Iに対し,概要,以下の内容で,廃プラの運搬及び再生処理業務を委託した。 ア委託業務の内容,委託業務報告書の提出等Iは,広島市a区b町のIの再生処理場まで廃プラを運搬し処理する。 Iは,廃プラを必ず商品又は原材料に再生しなければならない。 Iは,毎月7日までに,大竹市に対し,委託業務報告書を提出し,こ 書の提出等Iは,広島市a区b町のIの再生処理場まで廃プラを運搬し処理する。 Iは,廃プラを必ず商品又は原材料に再生しなければならない。 Iは,毎月7日までに,大竹市に対し,委託業務報告書を提出し,これを提出したときは,速やかに委託料請求書を提出する。 イ委託料大竹市は,Iが委託料請求書を提出した日から30日以内に,Iに対し,委託料として,1t当たりの再生処理費4万9875円及び1往復当たりの引取運送費(4t車について6825円,大型車について9450円)を支払う。 ウ委託期間平成14年5月1日から平成15年3月31日までエその他(ア) 実地調査権大竹市は,必要があると認めるときはいつでも,Iに対して委託業務の実施状況等の報告を求め,又は実地調査をすることができる。 (イ) 約定解除権大竹市は,Iがこの契約に違反したとき,委託期間内に委託業務を完了する見込みがないと認められるとき,又は正当な理由がないのに大竹市の指示に従わないときは,契約の全部又は一部を解除することができ- 5 -る。 大竹市は,平成15年及び平成16年の各4月1日,Iに対し,委託期間を各同日から翌年の3月31日までとし,上述の契約とほぼ同じ内容で廃プラの運搬及び再生処理業務をそれぞれ委託したが,委託料のうち再生処理費は,平成15年4月1日から1t当たり4万2000円に,平成16年4月1日から1t当たり2万8875円にそれぞれ変更された(以下,大竹市のIに対する一連の委託を「本件委託契約」という。)。 (2) 大竹市のIに対する委託料の支払(甲10ないし32の各1・2,33ないし41の各1ないし4)大竹市は,別紙支出等一覧表記載のとおり,Iからの請求書の提出を受け,Iに対し,支出命令に基づき,合計8561万8724円を再生処理費として支出した(以下,これ 2,33ないし41の各1ないし4)大竹市は,別紙支出等一覧表記載のとおり,Iからの請求書の提出を受け,Iに対し,支出命令に基づき,合計8561万8724円を再生処理費として支出した(以下,これらの支出命令及び支出をそれぞれ「本件各支出命令」及び「本件各支出」という。)。 なお,別紙支出等一覧表記載のとおり,これらの支出の予算科目は,平成16年3月までの搬出分については手数料とされていたが,同年4月からの搬出分については委託料に変更された。この変更に伴い,本件委託契約の委託料の支払に先立ち,環境整備課長作成に係る委託業務完了検査調書及びI作成に係る業務完了通知書の提出も必要とされるようになった。 (3) Iによる廃プラの放置等(甲6,47,86)Iは,平成14年5月から平成16年12月までの間,大竹市の不燃物処理場から合計約2210tの廃プラを搬出していたが,他の自治体等から再生処理を委託されていた廃プラと併せて合計約8127tを広島市a区のI本社敷地内他3箇所に放置しており,これらの廃プラのうち約75tしか再生処理していなかった。 その後,I代表取締役社長Jは,平成13年5月上旬ころから平成15年11月4日ころまでの間,大竹市と同様に再生処理を委託していた財団法人- 6 -Kから,委託料の名目で約6000万円をだまし取っていたとして,平成17年12月8日,懲役4年に処する旨の判決の宣告を受け,この判決は,控訴棄却判決により,平成18年5月26日,確定した。Iは既に経営が破綻しており,大竹市が本件委託契約に基づきIに対して支払った委託料の返還を請求しても,その回収が事実上できない状態にある。 本件監査請求と本件訴え提起(1) 本件監査請求(甲42,43の1・2)原告守る会は,平成17年12月28日,大竹市の監査委員に対し,本件 還を請求しても,その回収が事実上できない状態にある。 本件監査請求と本件訴え提起(1) 本件監査請求(甲42,43の1・2)原告守る会は,平成17年12月28日,大竹市の監査委員に対し,本件委託契約に基づき廃プラを再生処理していないIに合計9646万2153円の委託料を支払ったのは違法不当であるとして,大竹市長個人,支出手続担当者及び委託業務完了検査調書作成職員から大竹市へ,委託料相当額の金銭を返還させることを大竹市長に勧告するよう求める監査請求をした(以下「本件監査請求」という。)。この住民監査請求書の請求人の欄には「私たちのおおたけを守る会会長H」と記載されていた。 これに対し,大竹市の監査委員は,平成18年2月15日,本件監査請求は適法であるが,Iに支払われた委託料に相当する額の金銭を大竹市長個人,支出手続担当者及び委託業務完了検査調書作成職員から大竹市に返還させる措置は行わない旨の結果を通知した。この通知の名宛人の欄には「私たちのおおたけを守る会会長H様」と記載されていた。 (2) 本件訴え提起(甲114,顕著な事実)原告守る会は,平成18年2月22日,原告H等会員19名が参加する中,平成17年度の定期総会を開催し,この定期総会の場で,本件監査請求の結果を受け,住民訴訟を提起することが全員一致で決議された。 かかる決議を受け,原告守る会及び原告Hは,平成18年3月10日,本件訴えを提起した。 第4争点及び争点についての当事者の主張- 7 - 争点 (1) 訴訟要件についてア原告守る会に当事者能力及び原告適格が認められるか。 イ本件訴えに先立ち原告Hが監査請求をしたと認められるか。 ウ本件監査請求が地方自治法242条2項の要件を充たしているか。 (ア) 本件監査請求のうち,平成16年12月搬出分の支出命令及び支 るか。 イ本件訴えに先立ち原告Hが監査請求をしたと認められるか。 ウ本件監査請求が地方自治法242条2項の要件を充たしているか。 (ア) 本件監査請求のうち,平成16年12月搬出分の支出命令及び支出に係る怠る事実を除く部分が,地方自治法242条2項本文所定の期間(以下「監査請求期間」という。)を徒過しているか。 (イ) 本件監査請求のうち,平成16年12月搬出分の支出命令及び支出に係る怠る事実を除く部分が監査請求期間を徒過してされたことについて,地方自治法242条2項ただし書の「正当な理由」があるか。 (2) 実体的要件についてア環境整備課長ないし環境整備課長補佐兼業務係長において,重大な過失により,地方自治法234条の2第1項の監督又は検査をすべき義務ないし廃棄物処理法6条の2第2項,同法施行令4条9号ロ及び同法施行規則1条の8に基づく一般廃棄物の再生の実施の状況の確認を1年に1回以上実地に行う義務を怠ったか。 イ民生部長ないし環境整備課長において,重大な過失により本件各支出命令の専決に先立ち本件委託契約の履行の確認をすべき義務を怠ったか。 ウ収入役において,重大な過失により本件各支出に係る地方自治法232条の4第2項の確認をすべき義務を怠ったか。 エA元大竹市長において,アないしウの職員の義務懈怠を阻止すべき指揮監督上の義務を怠ったか。 争点についての原告らの主張(1) 訴訟要件についてア原告守る会に当事者能力及び原告適格があること(争点(1)アに対し)- 8 -(ア) 原告守る会に当事者能力があること原告守る会は,名称,目的,会員の要件,役員の構成,活動の内容,運営の方法,財政,会計監査等を明確に定めた規約を有している上,その設立後,実際に会合を開催し,大竹市c地区への大型商業施設誘致に対する反対運動を行ったり 目的,会員の要件,役員の構成,活動の内容,運営の方法,財政,会計監査等を明確に定めた規約を有している上,その設立後,実際に会合を開催し,大竹市c地区への大型商業施設誘致に対する反対運動を行ったり,活動内容を報告するニュース紙を戸別配布したりなどしているもので,本件訴えについても,その決議を経て提起しているのであるから,原告守る会が,権利能力なき社団として当事者能力を有していることは明らかである。 (イ) 原告守る会に原告適格があることそもそも権利能力なき社団であっても,地方自治法242条の2第1項の「住民」に該当し得る。 原告守る会は,その規約上,大竹市内に事務所を置くとされ,実際に大竹市d町e丁目f番g号にその事務所が置かれている。また,原告守る会は,その会員を大竹市の住民に限定している上,実際に大竹市の住民以外の会員はおらず,「住民」でない者が原告守る会を利用し住民訴訟を提起していることはない。たとえ大竹市の住民以外の会員がいたとしても,原告守る会は「住民」でない者がこれを利用して住民訴訟を提起できるような状態にない。 したがって,原告守る会については,大竹市の「住民」として,本件訴えの原告適格が認められるものである。 イ本件訴えに先立ち原告Hが監査請求をしたこと(争点(1)イに対し)原告Hは,原告守る会の代表者として,また原告守る会の会長という肩書きのある一個人として本件監査請求をする趣旨で,住民監査請求書の請求人欄に「私たちのおおたけを守る会会長H」と記載しているから,原告Hも,本件訴えに先立ち,本件監査請求をしたといえるものである。 ウ本件監査請求のうち平成16年12月搬出分の支出命令及び支出に係る- 9 -怠る事実を除く部分が適法であること(争点(1)ウに対し)(ア) 本件監査請求は,いずれの怠る事実との関係にお ある。 ウ本件監査請求のうち平成16年12月搬出分の支出命令及び支出に係る- 9 -怠る事実を除く部分が適法であること(争点(1)ウに対し)(ア) 本件監査請求は,いずれの怠る事実との関係においても監査請求期間を徒過していないこと本件監査請求は,大竹市の元民生部長ないし元環境整備課長が,本件委託契約に係る地方自治法234条1項の監督又は検査をすべき義務を怠り,また,本件各支出命令の専決に先立ち本件委託契約の履行の確認をすべき義務を怠ったこと,大竹市の元収入役が本件各支出に係る同法232条の4第2項の確認をすべき義務を怠ったこと,及び元大竹市長がこれらの義務懈怠を阻止すべき指揮監督上の義務を怠ったことに基づき,大竹市がこれらの者に対して有する損害賠償請求権の行使を怠っているとしてその行使を請求したものであるが,以下のとおり,本件監査請求は,いずれの怠る事実との関係においても監査請求期間を徒過していない。 a本件監査請求については,いずれの怠る事実との関係においても,損害賠償請求権を行使することができるようになった日を基準として監査請求期間を適用すべきこと大竹市は,平成17年4月末まで,Iが放置している未処理の廃プラを原材料と認識し適切に再生処理できると判断しており,Iが本件委託契約に違反しているとの認識はなかった。その後,広島市が立入検査をした結果,Iによる再生処理が見込めなくなり,廃プラを排出していた大竹市を含む自治体等がこれを共同で処理することになったものである。 そうすると,大竹市においては,平成17年4月末日までは,前記損害賠償請求権を行使することができなかったものというべく,本件監査請求については,同日を基準として監査請求期間を適用すべきであるから,同日から1年以内の同年12月28日になされた本件監査- 10 害賠償請求権を行使することができなかったものというべく,本件監査請求については,同日を基準として監査請求期間を適用すべきであるから,同日から1年以内の同年12月28日になされた本件監査- 10 -請求は,いずれの怠る事実との関係においても,監査請求期間を徒過していないものである。 b本件監査請求については,いずれの怠る事実との関係においても,一連の怠る事実が終わった日を基準として監査請求期間を適用すべきこと本件委託契約は,Iとの間で締結されたものが更新された一連の契約であるから,本件監査請求のうち上記監督又は検査,履行の確認及び指揮監督上の義務を怠る事実に係る部分については,本件委託契約が事実上終了した平成17年1月末日を基準として監査請求期間を適用すべきである。また,特定の事項に対して反復継続的に支出がされている場合は,一連の支出が全て終了した日をもってそれらの終わった日と解すべきで,本件各支出は,一連の本件委託契約に基づく反復継続的な支出であるから,本件監査請求のうち本件各支出に係る確認を怠る事実に係る部分については,最終の支出日である平成17年1月28日を基準として監査請求期間を適用すべきである。 そうすると,平成17年1月末日ないし同月28日から1年以内の同年12月28日になされた本件監査請求は,いずれの怠る事実との関係においても,監査請求期間を徒過していない(なお,仮に,本件委託契約が一連の契約であるとは認められないとしても,平成16年4月1日に締結された契約に係る部分の限度では上述の理が妥当するから,本件監査請求は,少なくとも平成16年4月から同年12月の各搬出分の支出命令及び支出に係る怠る事実の部分については,監査請求期間を徒過していないものである。)。 (イ) 本件監査請求のうち平成16年12月搬出分の支出命 くとも平成16年4月から同年12月の各搬出分の支出命令及び支出に係る怠る事実の部分については,監査請求期間を徒過していないものである。)。 (イ) 本件監査請求のうち平成16年12月搬出分の支出命令及び支出に係る怠る事実を除く部分が監査請求期間を徒過していることについて「正当な理由」があること- 11 -大竹市議会は,平成16年12月22日にIによる未処理の廃プラの放置が新聞報道されて以降,大竹市長及び大竹市職員に対する調査及び責任追及をしており,原告らはその推移を見守っていた。その後,Aは,平成17年11月16日,大竹市議会決算委員会に対し,「*廃プラスチックの原因」と題する文書を出したが,その内容は,大竹市長及び大竹市職員の責任には全く触れていないものであった。 大竹市長及び大竹市職員の責任を追及する最適の機関は,市民により選出された議員で構成される大竹市議会であり,その大竹市議会による責任追及が進められているときは,その推移を見守るのも当然の対応であったが,原告らは,上記文書が提出された後,大竹市議会での責任追及に限界を感じ,その約1か月半後の同年12月28日に本件監査請求をしたのである。そうすると,本件監査請求のうち平成16年12月搬出分の支出命令及び支出に係る怠る事実を除く部分が監査請求期間を徒過していることについては,地方自治法242条2項ただし書にいう「正当な理由」があるものというべきである。 (2) 実体的要件についてア環境整備課長ないし環境整備課長補佐兼業務係長が,重大な過失により,地方自治法234条の2第1項の監督又は検査をすべき義務ないし一般廃棄物の再生の実施の状況を確認すべき義務を怠ったこと(争点(2)アに対し)(ア) 環境整備課長ないし環境整備課長補佐兼業務係長は,地方自治法234条の2第1項に基 又は検査をすべき義務ないし一般廃棄物の再生の実施の状況を確認すべき義務を怠ったこと(争点(2)アに対し)(ア) 環境整備課長ないし環境整備課長補佐兼業務係長は,地方自治法234条の2第1項に基づき,本件委託契約の適正な履行を確保するため又はその受ける給付の完了の確認をするため必要な監督又は検査をしなければならず,また,大竹市が本件委託契約によって1年以上継続して廃プラの運搬及び再生処理をIに委託していた以上,廃棄物処理法6条の2第2項,同法施行令4条9号ロ及び同法施行規則1条の8に基づき,- 12 -1年に1回以上は当該委託に係る再生の実施の状況を実地に確認すべき義務を負っていた。 そうであるのに,環境整備課長であったE及びF並びに環境整備課長補佐兼業務係長であったGは,かかる義務を重大な過失によって怠り,Iが未処理の廃プラを野積みの状態で放置していることが平成16年12月22日の新聞報道で判明した後の同月27日まで1度も実地確認をしなかった上,F及びGは,実地確認をしていないのに,同年4月以降,本件委託契約に係る「委託業務について検査し、契約書のとおり相違なく完了したことを認める。」旨を記載した虚偽の委託業務完了検査調書を作成し,同年12月27日の実地確認によりIが未処理の廃プラを野積みで放置していると認識した後の同月31日にも,上述のような委託業務完了検査調書を作成した。 かかるE,F及びGの重大な過失による義務の懈怠がなければ,本件各支出が避けられたことは明らかであり,本件各支出に係る再生処理費相当の損害は発生しなかったものであるから,E,F及びGは,大竹市に対し,それぞれが環境整備課長ないし環境整備課長補佐兼業務係長の役職にあった期間に係る損害を賠償する責任を負う。 (イ) 被告は,後記3(2)アのとおり,大竹市から搬 るから,E,F及びGは,大竹市に対し,それぞれが環境整備課長ないし環境整備課長補佐兼業務係長の役職にあった期間に係る損害を賠償する責任を負う。 (イ) 被告は,後記3(2)アのとおり,大竹市から搬入された廃プラを特定して確認することはできず,また,Iが本社所在地の再生処理場以外の場所に廃プラを保管していたことを秘匿していたため,実地確認した他の自治体等も実態を把握できなかったとして,Iの本社の再生処理場を実地確認していても,廃プラが放置されていたことを把握できなかったと主張する。しかし,特定して確認できないなどというのであれば,大竹市以外の自治体等からも廃プラの再生処理を受託している業者に委託できないこととなる上,大竹市は,廃プラの放置が発覚した後の関係自治体等との会議で,廃プラが大竹市から搬入されたものか否かを判別でき- 13 -ると回答している。また,他の自治体等は実地確認したといっても,廃プラが最終的に再生処理されているか否かまでは確認していないし,Iに搬入された廃プラ約8127tのうち再生処理されたものは約75tで,Iによる本社所在地付近への廃プラの放置は平成11年6月ころに始まり,平成12年には住民から苦情が再三申し立てられる状態にあったものである。そうすると,大竹市が定期的にI本社所在地の再生処理場を実地確認し,廃プラの再生処理の状況を確認していれば,Iが廃プラの再生処理を怠っていたことは容易に判明し,他にも廃プラの保管場所があることも容易に推認できたはずである。さらに,Iは,平成10年ころから運転資金が極めて不足し,平成11年6月には2回目の不渡りを出し,和議を申し立てていた上,平成12年6月の時点で4億6000万円余りの負債を抱えていたもので,大竹市が本件委託契約を締結ないし更新する際,Iの財政的基礎を確認して 1年6月には2回目の不渡りを出し,和議を申し立てていた上,平成12年6月の時点で4億6000万円余りの負債を抱えていたもので,大竹市が本件委託契約を締結ないし更新する際,Iの財政的基礎を確認していれば,Iの再生処理の能力に問題があることも把握できたものである。 また,被告は,後記3(2)アのとおり,廃棄物処理法施行令4条9号イに基づく通知をしていた先の広島市から問題点の指摘がなかったことを根拠に,Iが適切に廃プラを処理していると大竹市が信頼するのもやむを得なかったなどと主張するが,再生の実施の状況を実地に確認していれば本件各支出が避けられたことは上記のとおりであり,平成16年12月の新聞報道で廃プラの放置が明らかとなるまで,I本社をはじめとした施設を一度も訪れず,再生の実施の状況を実地に確認していない環境整備課長らが免責されるものではない。 イ民生部長ないし環境整備課長が,重大な過失により,本件各支出命令の専決に先立つ履行の確認の義務を怠ったこと(争点(2)イに対し)(ア) 民生部長ないし環境整備課長は,支出命令の専決をするに当たっては,当該専決に係る支出が法令又は予算に違反していないこと及び支出負担- 14 -行為に係る相手方の義務が履行され債務が確定していることを確認すべき義務を負っている。 そうであるのに,民生部長であったC及びD並びに環境整備課長であったE及びFは,かかる義務を重大な過失によって怠り,本件各支出命令のうち平成14年5月分から平成16年3月分までの各搬出分に係る部分につき,I作成の業務完了通知書及び環境整備課長作成の委託業務完了検査調書から本件委託契約が履行されているかを確認しないまま,I作成の請求書のみに従い専決をしており,Fに至っては,本件各支出命令のうち平成16年4月分からの各搬出分に係る部分につき の委託業務完了検査調書から本件委託契約が履行されているかを確認しないまま,I作成の請求書のみに従い専決をしており,Fに至っては,本件各支出命令のうち平成16年4月分からの各搬出分に係る部分につき,前記ア(ア)のような虚偽の委託業務完了検査調書を自ら作成し,上述の確認をしないで,専決をしている。 このようなC,D,E及びFの重大な過失による義務の懈怠がなければ,本件各支出が避けられたことは明らかであり,本件各支出に係る再生処理費相当の損害は発生しなかったものであるから,C,D,E及びFは,大竹市に対し,本件各支出命令のうちそれぞれが専決をした部分に係る損害を賠償する責任を負う。 (イ) 被告は,後記3(2)イのとおり,廃プラの再生処理のためには相当の期間が必要であるし,廃プラの再生処理の完了を現地で毎月確認することは事務的に困難であるとして,毎月の本件各支出命令を専決する際に廃プラの再生処理の完了までを確認すべき義務はないと主張する。しかし,本件委託契約に係る委託業務の内容は,廃プラをIが搬出することだけでなく,Iが廃プラを商品又は原材料に再生することまでで,この廃プラの再生処理の対価として再生処理費が支払われるものである。また,廃プラの再生処理のために相当の期間が必要であったとしても,当該月に再生処理が完了した廃プラ量を毎月の委託料の支出時期に確認することは可能であり,大竹市役所からI本社までの距離も約48.5kmで,- 15 -現地で毎月確認することが困難なものではない。廃棄物処理法6条1項,6条の2第1項等の法意に照らし,一般廃棄物の最終処分が完了するまでの適正な処理を市町村が確保すべきことは明らかであるから,民生部長ないし環境整備課長においては,毎月本件各支出命令を専決する際に,本件委託契約の履行の確認として,廃プラの再 の最終処分が完了するまでの適正な処理を市町村が確保すべきことは明らかであるから,民生部長ないし環境整備課長においては,毎月本件各支出命令を専決する際に,本件委託契約の履行の確認として,廃プラの再生処理の完了まで確認すべき義務を負うものである。 また,被告は,後記3(2)イのとおり,本件各支出命令のうち平成16年12月搬出分に係る部分の専決について,廃プラは原材料で,適切な処理が見込めるものであるから,Iに事業を継続させて早期に廃プラの再生を完了させるため委託料の支出を行うのが適当であるとの共通認識が他の自治体等との間で形成されていたことからなされたもので,違法とはいえないというが,この共通認識なるものは,責任を免れたい関係自治体等の希望的観測にすぎない。 ウ収入役が,重大な過失により,本件各支出に係る確認の義務を怠ったこと(争点(2)ウに対し)収入役は,地方自治法232条の4第2項に基づき,支出命令を受けた場合においても,当該支出負担行為が法令又は予算に違反していないこと及び当該支出負担行為に係る債務が確定していることを確認すべき義務を負っている。 そうであるのに,収入役であったB及びCは,この義務を重大な過失によって怠り,平成14年5月分から平成16年3月分までの各搬出分に係る部分の本件各支出命令につき,I作成の業務完了通知書及び環境整備課長作成の委託業務完了検査調書がないのに,本件委託契約の履行が完了し債務が確定していることを確認しないまま,上記部分の本件各支出をしている。 このようなB及びCの重大な過失による義務の懈怠がなければ,本件各- 16 -支出が避けられたことは明らかであり,本件各支出に係る再生処理費相当の損害は発生しなかったものであるから,B及びCは,大竹市に対し,それぞれがした本件各支出に係る損害を賠償する 本件各- 16 -支出が避けられたことは明らかであり,本件各支出に係る再生処理費相当の損害は発生しなかったものであるから,B及びCは,大竹市に対し,それぞれがした本件各支出に係る損害を賠償する責任を負う。 エ元大竹市長が各職員の義務懈怠を阻止すべき指揮監督上の義務を怠ったこと(争点(2)エに対し)市長は,地方自治法138条の2,154条等に基づき,契約の適正な履行を確保するなどのために必要な監督又は検査を補助職員が怠ることを阻止すべき指揮監督上の義務を負うとともに,支出命令を専決させた補助職員の財務会計上の違法な行為を阻止すべき指揮監督上の義務を負う。 元大竹市長のAは,平成14年5月分から平成16年3月分までの各搬出分に係る部分の本件各支出命令及び本件各支出につき,I作成の業務完了通知書及び環境整備課長作成の委託業務完了検査調書がない以上,前記ア(ア)のE,F及びGの義務の懈怠を容易に知ることができたし,また,平成16年4月分からの各搬出分に係る部分の本件各支出命令及び本件各支出につき,廃棄物処理法6条の2第2項,同法施行令4条9号ロ及び同法施行規則1条の8が義務付けている,委託に係る再生の実施の状況を実地に確認したことの報告書が提出されていない以上,前記ア(ア)のFの義務の懈怠を容易に知ることができたもので,平成16年12月搬出分に係る本件各支出命令及び本件各支出については,Iが未処理の廃プラを野積みしていることが平成16年12月22日の新聞報道で判明し,排出元自治体の責任が問われることさえ認識していたものである。 そうであるのに,Aは,上述した指揮監督上の義務を怠り,前記ア(ア)のE,F及びGの義務の懈怠を阻止せず,また,前記イ(ア)のC,D,E及びFの義務の懈怠や違法な本件各支出命令を阻止せず,これらを放置してきた。か Aは,上述した指揮監督上の義務を怠り,前記ア(ア)のE,F及びGの義務の懈怠を阻止せず,また,前記イ(ア)のC,D,E及びFの義務の懈怠や違法な本件各支出命令を阻止せず,これらを放置してきた。かかるAの指揮監督上の義務の懈怠がなければ,本件各支出が避けられたことは明らかであり,本件各支出に係る再生処理費相当の損害は発生- 17 -しなかったものであるから,Aは,大竹市に対し,本件各支出命令ないし本件各支出に係る損害を賠償する責任を負う。 争点についての被告の主張(1) 訴訟要件についてア原告守る会に当事者能力及び原告適格がないこと(争点(1)アに対し)(ア) 原告守る会に当事者能力がないこと原告守る会は,その規約上,総会の招集手続,定足数といった団体としての主要な点が確定しておらず,総会の決議方法に係る定めの有無及び内容も不明である。また,本件訴えの提起に先立ち,予め定められた方法に従って決議が行われたのか,総会自体が開催されたのかも明らかではない。したがって,原告守る会は,権利能力なき社団として当事者能力が認められるものではない。 (イ) 原告守る会に原告適格がないこと原告守る会は,その規約上,会員の資格を大竹市民に限定しておらず,このような団体が地方自治法242条の2第1項の「住民」に当たるとすれば,「住民」ではない者が権利能力なき社団を利用して住民訴訟を提起できることになり,「住民」のみが住民訴訟を提起できるとする同項の趣旨に反する。そして,大竹市民以外の会員がいないことの具体的立証がない以上,原告守る会には,本件訴えの原告適格が認められないものというべきである。 イ本件訴えに先立ち原告Hが監査請求していないこと(争点(1)イに対し)原告Hは,本件訴えに先立ち,大竹市監査委員に対し,監査請求していない。 ウ本 告適格が認められないものというべきである。 イ本件訴えに先立ち原告Hが監査請求していないこと(争点(1)イに対し)原告Hは,本件訴えに先立ち,大竹市監査委員に対し,監査請求していない。 ウ本件監査請求のうち平成16年12月搬出分の支出命令及び支出に係る怠る事実を除く部分が不適法であること(争点(1)ウに対し)(ア) 本件監査請求のうち平成16年12月搬出分の支出命令及び支出に係- 18 -る怠る事実を除く部分については監査請求期間を徒過していること支出負担行為,支出命令及び支出については,監査請求期間は,それぞれの行為のあった日から各別に計算すべきである。そして,平成16年12月搬出分を除く各支出命令及び各支出については,それぞれの行為のあった日から1年が経過した平成17年12月28日に監査請求がなされているから,本件監査請求のうち,上記各支出命令及び各支出に係る怠る事実の部分は,監査請求期間を徒過しているものである。 (イ) 本件監査請求のうち平成16年12月搬出分の支出命令及び支出に係る怠る事実を除く部分が監査請求期間を徒過していることについて「正当な理由」がないこと地方自治法242条2項ただし書にいう「正当な理由」の有無は,特段の事情のない限り,普通地方公共団体の住民が相当の注意力をもって調査すれば客観的にみて監査請求をするに足りる程度に当該行為の存在及び内容を知ることができたと解される時から相当な期間内に監査請求をしたかどうかによって判断すべきである。 大竹市の住民は,全国紙の読売新聞がIによる未処理の廃プラの放置について報道した平成16年12月22日には,相当の注意力をもって調査すれば客観的にみて監査請求をするに足りる程度に当該行為の存在及び内容を知ることができたもので,原告らの主張する前記2(1)ウ(イ)のよう 道した平成16年12月22日には,相当の注意力をもって調査すれば客観的にみて監査請求をするに足りる程度に当該行為の存在及び内容を知ることができたもので,原告らの主張する前記2(1)ウ(イ)のような事情は,上記特段の事情に該当しない。 そうすると,本件監査請求のうち平成16年12月搬出分の支出命令及び支出に係る怠る事実を除く部分については,上記報道の日から約1年も経過してされており,上述の相当な期間内にされたものではないから,監査請求期間を徒過していることについて「正当な理由」はない。 (2) 実体的要件についてア環境整備課長ないし環境整備課長補佐兼業務係長は,重大な過失により,- 19 -地方自治法234条の2第1項の監督又は検査をすべき義務ないし一般廃棄物の再生の実施の状況を確認すべき義務を怠っていないこと(争点(2)アに対し)Iは,実際に処理施設を保有しこれを稼働させていた上,他の自治体等もIに廃プラを搬入しており,大竹市から搬入された廃プラを特定して確認することはできない。また,Iは,本件委託契約の再生場所と指定されていた本社の再生処理場以外にも廃プラを保管しており,Iが本社所在地の再生処理場以外の保管場所を秘匿して本社所在地の再生処理場のみが廃プラの搬入及び再生場所であると虚偽の説明をしていたこともあり,I本社を実地調査した他の自治体等においても,その実態を把握することができなかった。そうすると,E,F及びGにおいて,I本社の再生処理場を実地確認していたとしても,未処理の廃プラが放置されていた実態を把握することはできなかったもので,原告らの主張に係る義務の前提である結果回避可能性がなかった。 また,大竹市は,本件委託契約の締結に先立ち,広島市に対し,廃棄物処理法施行令4条9号イに基づく通知をしており,Iの廃プラの処理に ので,原告らの主張に係る義務の前提である結果回避可能性がなかった。 また,大竹市は,本件委託契約の締結に先立ち,広島市に対し,廃棄物処理法施行令4条9号イに基づく通知をしており,Iの廃プラの処理に問題点があれば,広島市から何らかの指摘がなされるべきであったが,広島市は,平成12年ころから,Iの廃プラの保管につき,近隣住民から苦情が寄せられていたのに,大竹市に対して何ら問題点を指摘していなかった。 そうすると,Iが適切に廃プラを処理していると大竹市が信頼することもやむを得ないところであり,原告らの主張に係る過失はなかったものである。 以上のように,環境整備課長ないし環境整備課長補佐兼業務課長において,原告らの主張するような監督又は検査ないし確認の義務を重大な過失により怠ったとはいえない。 イ民生部長ないし環境整備課長は,重大な過失により,本件各支出命令の- 20 -専決に先立つ履行の確認の義務を怠っていないこと(争点(2)イに対し)Iが搬出した廃プラは相当の期間を経て原材料や商品に再生されるものであるが,本件委託契約は,毎月の委託料の支払時期までに廃プラの再生処理を完了すべき内容となっておらず,また,毎月の委託料の支払時期までに廃プラの再生処理の完了を大竹市から遠く離れた現地で確認することは事務的に困難であった。かかる事情からすると,民生部長ないし環境整備課長においては,本件各支出命令を毎月専決する際,本件委託契約の履行の確認として,廃プラの再生処理の完了まで確認すべき義務はなく,Iが再生処理するために搬出した廃プラに係る大竹市の計量記録とIが委託料を請求する際に提出した明細書とを照合すれば足りる。そして,E,C,D及びFは,このような照合により,本件委託契約の履行を確認した上,本件各支出命令を専決しているものである。 確かに,本 Iが委託料を請求する際に提出した明細書とを照合すれば足りる。そして,E,C,D及びFは,このような照合により,本件委託契約の履行を確認した上,本件各支出命令を専決しているものである。 確かに,本件各支出命令のうち平成16年3月までの搬出分に係る部分については,委託業務完了検査調書による確認がなされていない。しかし,このような取扱いは,平成14年度の大竹市の予算編成の段階で,他の類似した廃棄物の処理に要する費用の支出の予算科目を手数料としていたことにならい,本件委託契約に係る委託料も手数料の予算科目で支出していたため,大竹市財務会計事務取扱要領において,委託業務完了検査調書による確認が不要とされていたことによるものにすぎない。本件各支出命令のうち平成16年4月からの搬出分に係る部分については,本件委託契約の実態に即した予算科目とする方がより適当であるとして,大竹市財務会計事務取扱要領において委託業務完了検査調書による確認が必要とされる,委託料の予算科目で処理することとなり,その後は委託業務完了検査調書が作成されているし,その内容もFが大竹市の計量記録とIから提出される明細書を確認した結果に基づくもので,虚偽のものではない。 Fは,Iによる未処理の廃プラの放置が新聞報道等で採り上げられた後- 21 -にも,本件各支出命令のうち平成16年12月搬出分に係る部分を専決している。この専決は,平成17年1月25日に大竹市が事情を確認した際,既に処理工程にある廃プラは廃棄物として取り扱わないことを広島市の担当者と協議した旨をJから説明されたことに加え,他の自治体等との間でも,廃プラは廃棄物と性質を異にするに至った原材料であり,おって適切な処理が見込めるものであるから,Iに事業を継続させて早期に廃プラの再生を完了させるためにも,委託料の支払を行 他の自治体等との間でも,廃プラは廃棄物と性質を異にするに至った原材料であり,おって適切な処理が見込めるものであるから,Iに事業を継続させて早期に廃プラの再生を完了させるためにも,委託料の支払を行うのが適当であるとの共通認識が形成されていたこともあって,なされたものであり,現に他の自治体等もこのような判断に基づく支出をしているものであるから,Fの上記専決が違法であるとはいえない。 以上のように,民生部長ないし環境整備課長において,本件委託契約の履行を確認すべき義務を重大な過失により怠ったとはいえない。 ウ収入役は,重大な過失により,本件各支出に係る確認の義務を怠っていないこと(争点(2)ウ)収入役において,毎月の本件各支出をする際,本件委託契約に係る債務が確定していることの確認としては,廃プラの再生処理の完了まで確認すべき義務はなく,Iが再生処理するために搬出した廃プラに係る大竹市の計量記録と,Iが委託料を請求する際に提出した明細書とを照合すれば足りることは,前記イと同様である。そして,B及びCは,かかる照合を行い,本件委託契約に係る債務が確定していることを確認した上,本件各支出をしたものであるから,本件委託契約に係る債務が確定していることを確認すべき義務を重大な過失により怠ったとはいえない。 エ元大竹市長は各職員の義務懈怠を阻止すべき指揮監督上の義務を怠っていないこと(争点(2)エ)前記2(2)エの原告の主張は,否認ないし争う。 第5当裁判所の判断- 22 - 認定事実基礎となる事実(前記第3の1(1),2,3(2)),証拠(甲1ないし3,7の1ないし6・9・11,9,10ないし32の各1・2,33ないし41の各1・4,47,48,52,56ないし84,96ないし110,114,証人F)及び弁論の全趣旨によれば,以下の 1ないし3,7の1ないし6・9・11,9,10ないし32の各1・2,33ないし41の各1・4,47,48,52,56ないし84,96ないし110,114,証人F)及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実が認められる。 (1) Iによる廃プラの放置等(前記第3の2(3),甲9,47,48,52,56ないし71,75,79,80,83,84)Iは,平成6年4月に廃プラのリサイクル事業を開始し,平成8年4月以降は複数の自治体から廃プラの回収及び再生処理を受託し,当初はその再生処理を行っていた。しかし,Iは,平成10年には従業員から借金しなければならないような深刻な運転資金不足に陥り,平成11年6月には2回目の不渡りを出して,そのころに和議を申請し,平成12年6月時点の負債総額は約4億6000万円となっていた。 Iは,このような状況の下,再生した製品の販路を開拓できなかったこと等により,平成10年ころから,廃プラをそのまま又は破砕して容積を減らし,広島市a区b町にある本社工場,敷地等に放置するようになった。Iは,その後も廃プラの回収及び再生処理を受託し続け,平成11年3月ころからは,広島市h区iの倉庫やその敷地にも廃プラを放置するようになった。i地区の住民は,平成12年11月以降,広島市に対し,Iによる廃プラの大量放置について,小バエが発生しているなどの苦情を度々申し入れており,広島市は,かかる苦情に応じ,廃プラの放置を是正するようIに指導したり現地調査したりしたが,Iは,廃プラは原材料であるとして指導を受け入れなかった。 Iは,その後も廃プラの再生処理をほとんど行わなかった一方,平成13年度以降は,人件費等を賄うため,廃プラの再生処理の委託料の名目で財団法人Kから金銭をだまし取り続けていた。 - 23 -(2) 本件委託契約に基づく再生処理 理をほとんど行わなかった一方,平成13年度以降は,人件費等を賄うため,廃プラの再生処理の委託料の名目で財団法人Kから金銭をだまし取り続けていた。 - 23 -(2) 本件委託契約に基づく再生処理の状況の確認等(前記第3の2(1),(2),甲3,7の2・4・6・9・11,9,10ないし32の各1・2,33ないし41の各1・4,75,76,82,83,証人F)大竹市は,平成14年4月22日,Iとの間で,本件委託契約を締結した。 この際,大竹市は,廃プラの再生の場所となる広島市に対し,廃棄物処理法6条の2第2項,同法施行令4条9号イに基づく通知をしたが,Iによる廃プラの放置について,広島市から情報提供はなかった。 大竹市は,Iからの請求書に記載された廃プラの処理量が,廃プラを搬出する車両の搬出前後の重量差で計測した搬出量と同じか否かを確認し,本件各支出命令及び本件各支出を行っていた。しかし,搬出された廃プラが実際に商品又は原材料に再生処理されているか否かの確認はされておらず,また,後記(3)のとおり,廃プラの放置が顕在化するまでは,環境整備課長以下の各職員にその必要性すら認識されていなかったこともあり,廃棄物処理法6条の2第2項,同法施行令4条9号ロ,同法施行規則1条の8で要求されている,実地による再生の実施状況の確認も行われていなかった。 他方,環境省担当課長は,平成16年8月5日,各都道府県に対し,廃棄物処理法施行令4条の基準が遵守されていないこと又は一般廃棄物の処理を委託した市町村による受託者への指導監督が不十分であることにより,一般廃棄物が適正に処理されず,生活環境保全上問題となる事案が散見されるとして,一般廃棄物の処理責任を十分果たすよう管下市町村に指導することを依頼する旨の文書を発していた。 (3) 廃プラ放置問題の顕在化(甲9 適正に処理されず,生活環境保全上問題となる事案が散見されるとして,一般廃棄物の処理責任を十分果たすよう管下市町村に指導することを依頼する旨の文書を発していた。 (3) 廃プラ放置問題の顕在化(甲9,75,76,79,83,84)Iは,平成16年2月からは広島市a区j町kの倉庫にも廃プラを放置するようになり,その倉庫も満杯となった後の同年9月からは広島市a区j町lの借地にも廃プラを放置していた。l地区の住民は,同年10月,広島市に対し,Iの廃プラの大量放置につき,小バエが発生しているなどの苦情を- 24 -申し入れており,広島市は,その苦情に応じて現地調査をしていた。また,同年12月13日の広島市議会においては,広島市j町lの廃プラの放置に関する質問も行われていた。 このような中,Iは,同月15日,関係自治会に対し,広島市a区j町lの廃プラのすべてを平成17年3月31日までに撤去する旨の誓約書を提出するなどしていたが,平成16年12月22日には,読売新聞において,大竹市等から搬出された大量の廃プラが再生処理されずに広島市a区j町の資材置場に平成16年9月ころから放置されており,大竹市等は法令に定められた年1回の実地検査を怠るなど再生処理の状況を確認していなかったことが報道されるに至った。 (4) その後の関係自治体等の対応等ア第1回関係者会議(甲9,75,76,79)平成16年12月22日,広島県,広島市及び廃プラの搬出元の担当者が集まり,今後の対応を協議する関係者会議が行われ,大竹市の担当者としてF,G他1名が参加した。この関係者会議では,廃プラの放置に対する苦情が平成12年11月からあったこと,広島市が口頭指導するもIが応じなかったこと等が報告され,今後の対応としては,Iに放置している廃プラを処理させる方向で進めることが確認 は,廃プラの放置に対する苦情が平成12年11月からあったこと,広島市が口頭指導するもIが応じなかったこと等が報告され,今後の対応としては,Iに放置している廃プラを処理させる方向で進めることが確認された。 この関係者会議が行われたことについては,平成16年12月23日,前日の記事とほぼ同じ内容の記載とともに,読売新聞で報道された。 イ大竹市職員による第1回目の視察等(甲9,72,76,証人F)大竹市環境整備課のG他2名は,平成16年12月27日,廃プラの処理・保管状況を視察するため,Iの本社へ赴いた。その際,応対に出たIのLからは,廃プラの処理状況につき,廃プラの一次破砕は1日当たり4t行っており,一次破砕された廃プラを熱処理等により原材料とする作業は1日当たり3t行うことができるが,今は行っていないとの説明があり,- 25 -廃プラの保管状況については,本社工場に100t,lに300t,kに500t及びiに1800tの合計2700tを保管しているが,そのうち一次破砕前である未処理の廃プラは,lに保管中のものの半分,kに保管中のものの3分の1,iに保管中のものの7割であるとの説明があり,また,自治体から搬入した廃プラは処理しても原材料として売れず,リサイクルして売ってもあまり利益がないとも述べた。このような話を受け,Gらは,Lに対し,保管中の廃プラ全体の処理計画を大竹市に提出すること及びJが大竹市へ事情説明に来ることを指示した。 その後,Gらは,l,k及びiの廃プラの保管状況を視察し,iに莫大な量の廃プラが野積みされていること,iの廃プラは袋が破れて中身が出ていたこと,大竹市の指定ゴミ袋のマークが付いているものもあること等を確認した。Gらは,I本社工場も視察し,一次破砕された廃プラを原材料とする整形機の稼動状況について,平成16年 袋が破れて中身が出ていたこと,大竹市の指定ゴミ袋のマークが付いているものもあること等を確認した。Gらは,I本社工場も視察し,一次破砕された廃プラを原材料とする整形機の稼動状況について,平成16年9月までは稼動していたとの説明を受けたが,実際はそれ以前から稼動が停止していると認識した。 Gらは,この視察の結果をFに報告し,Fは,その結果を助役に報告した。また,大竹市は,同月28日,Lから廃プラの処理計画書を受け取ったが,その際,廃プラ放置の状況が改善されるまでは搬出を保留する方針を告げ,その後の廃プラの再生処理は,他の業者に委託することとした。 ウ第2回関係者会議(甲9,76,79)平成17年1月14日,第2回関係者会議が行われ,大竹市からはF他2名が出席した。この会議において,Fらは,前日Iへ電話した際,同月4日からIが廃プラの破砕処理をしており,同月20日からリサイクルを再開するとの説明があった旨を報告した。その後,Iの放置している廃プラについて,それが廃棄物であるとする広島市とそれが原材料であるとする廃プラの搬出元自治体との間で議論が交わされたが,最終的には,大竹市他排出元が同月20日以降にIへ抜き打ち確認に赴くこととなった。 - 26 -エF等による現地視察(甲73,77,79)大竹市のF他2名は,平成17年1月25日,他の排出元自治体の各担当者とともに,I本社を抜き打ちで訪問した。その際,本社工場では,廃プラを直接二次破砕機に投入して溶融する作業が行われていたが,Lからは,廃プラが分別されていないので二次破砕・熱溶融しても原材料としては売れないこと,売るためには製品にするしかないが,製品化は中断していること,製品化できるのはベンチだけであるが,買い手がいないこと,ベンチを製作したのは平成16年7月が最後であること等の説 としては売れないこと,売るためには製品にするしかないが,製品化は中断していること,製品化できるのはベンチだけであるが,買い手がいないこと,ベンチを製作したのは平成16年7月が最後であること等の説明がなされた。改めて廃プラの処理計画を平成17年1月31日までに提出するよう指示したFらは,廃プラの保管状況を視察し,本社工場にあった大竹市指定のゴミ袋がなくなっていたことを確認したが,l及びiの廃プラの量には変化が見られなかった。 オ第3回関係者会議(甲9,77ないし79)平成17年1月26日,第3回の関係者会議が行われ,大竹市の担当者としてF他1名が出席し,Fらが前日の視察の結果を報告した。この関係者会議においては,広島県及び広島市から,不完全な再生処理に委託料を支払ってきたのは問題である,廃プラ搬入量とIの処理能力とを調査すれば未処理のものがあるとわかったはずである,処理を終えたのを確認してから支払うべきであるとの指摘がなされた。また,今後の方針として,Iが倒産すれば委託元に対して廃プラを持ち帰るよう広島市が文書を出すが,当面はIが廃プラを再生処理するよう搬出元自治体が指導し広島市がバックアップするとの方針が確認された。 しかし,Jは,第3回関係者会議の後の同日午後,広島市役所を訪れ,平成17年1月31日までに廃プラ処理計画は提出できないなどと言い出し,これを受け,大竹市は,廃プラ処理計画の提出期限を同年2月7日に延期したが,廃プラ処理計画が提出されたのは同日に電話で督促をした後- 27 -の同月9日になってからであった。 カ委託元自治体による廃プラ処理への移行等(甲7の1ないし5,9,74,78ないし81)その後に数回行われた関係者会議においても,Iに放置している廃プラを再生処理させる方向で話がされたが,平成17年4月になっ 体による廃プラ処理への移行等(甲7の1ないし5,9,74,78ないし81)その後に数回行われた関係者会議においても,Iに放置している廃プラを再生処理させる方向で話がされたが,平成17年4月になっても,廃プラ再生処理は遅々として進まず,同月20日以降は,廃プラが野積みされている状況,排出元自治体の実地検査の懈怠等が新聞紙及びテレビで何度も報道されるようになり,同月26日に大竹市環境整備課職員3名がI本社を視察した際も,廃プラの再生処理は進んでいなかった。 このような状況の下,同月28日の第7回の関係者会議において,広島市から,Iによる廃プラ再生処理を見守るのは同月末で打ち切るとの方針が述べられた。これに対し,大竹市は,廃プラは原材料であるなどと主張したが,結局以後は委託元自治体が放置されている廃プラを処理するとの方向で話が進められることになった。 (5) 原告守る会の組織,運営等(前記第3の1(1),3(2),甲1,2,96ないし110,114)ア原告守る会は,平成17年6月29日,「夢、希望、誇りのもてる住み良い大竹市」の実現を目指して活動することをその目的として設立された団体である。(前記第3の1(1),甲1)イ原告守る会は,その規約上,大竹市民を中心とする会員で構成し,その事務局を大竹市内に置くものとされている。実際,原告守る会に大竹市民以外の会員はおらず,また,その事務所は大竹市d町e丁目f番g号に置かれている。(前記第3の1(1),甲1,2,弁論の全趣旨)ウ原告守る会は,その規約上,会長1名,副会長2名,事務局長2名,会計1名,会計監査1名,顧問及び世話人各若干名の役員を置くこととされており,実際,この規約に沿った役員が置かれている。(甲1,2,弁論- 28 -の全趣旨)エ原告守る会の運営は,必要に応じて役員 1名,会計監査1名,顧問及び世話人各若干名の役員を置くこととされており,実際,この規約に沿った役員が置かれている。(甲1,2,弁論- 28 -の全趣旨)エ原告守る会の運営は,必要に応じて役員の招集により開かれる総会及び役員会で行われ,その出席者の過半数により決議が成立することとされている。実際,原告守る会の定期総会は,原告Hの招集により複数回開かれており,本件訴訟も,平成18年2月22日に開かれた平成17年度定期総会において,参加した原告H等会員19名の全員一致で,提起することが決議されたものである。(前記第3の3(2),甲1,96,114,弁論の全趣旨)オ原告守る会は,その規約上,その目的を実現するため,大竹市の問題を論議し,改善策を検討・提言したり,ニュースを発行したりなどの活動を行うものとされている。実際,原告守る会は,本件監査請求及び本件訴えの提起のほか,c地区の再開発計画の説明会へ出席したり約2000名の署名を集めて市議会に提出したりして,その再開発計画の不当性を訴える活動を行っており,また,本件監査請求,本件訴え,c地区再開発計画,大願寺山事業等の大竹市の問題について掲載したニュースを不定期に発行するなどの活動を行っている。(甲1,97ないし110,114,弁論の全趣旨)カ原告守る会の財政は,その規約上,寄付金等で賄うこととされており,その会計年度は1月1日から12月31日までとされている。実際,原告守る会は,その発行しているニュースで寄付金を募っており,また,定期総会で,会計報告並びに予算及び決算の承認が行われている。(甲96,97,102,104ないし107,114) 原告守る会の当事者能力及び原告適格の有無(争点(1)ア)について(1) 原告守る会の当事者能力の有無について民事訴訟法29条にいう いる。(甲96,97,102,104ないし107,114) 原告守る会の当事者能力及び原告適格の有無(争点(1)ア)について(1) 原告守る会の当事者能力の有無について民事訴訟法29条にいう「法人でない社団」に当たるというためには,団体としての組織を備え,多数決の原則が行われ,構成員の変更にかかわらず- 29 -団体そのものが存続し,その組織において代表の方法,総会の運営,財産の管理その他団体としての主要な点が確定していなければならない。これらのうち,財産的側面についていえば,必ずしも固定資産ないし基本的財産を有することは不可欠の要件ではなく,そのような資産を有していなくても,団体として,内部的に運営され,対外的に活動するのに必要な収入を得る仕組みが確保され,かつ,その収支を管理する体制が備わっているなど,他の諸事情と併せ,総合的に観察して,同条にいう「法人でない社団」として当事者能力が認められる場合があるというべきである。(最高裁昭和35年㨯第1029号同39年10月15日第一小法廷判決・民集18巻8号1671頁,最高裁昭和41年㨯第40号同42年10月19日第一小法廷判決・民集21巻8号2078頁,最高裁平成13年㨯第1697号同14年6月7日第二小法廷判決・民集56巻5号899頁参照)原告守る会は,前記1(5)ウないしオのとおり,その規約に基づき,会長以下の各役員を設置し,会長が招集した定期総会で過半数により決議された方針に従い本件訴えの提起等の諸活動をしているし,定期総会の招集並びに本件監査請求及び本件訴えの提起の経緯等からすると,会長が原告守る会を代表する方法も確立しているものと認められる。また,原告守る会は,前記1(5)カのとおり,各会員と別個に,寄付金等の収入を得る仕組みを確保し,かつ,その収支を管理する体制 すると,会長が原告守る会を代表する方法も確立しているものと認められる。また,原告守る会は,前記1(5)カのとおり,各会員と別個に,寄付金等の収入を得る仕組みを確保し,かつ,その収支を管理する体制を備えているものである。このような原告守る会の実態は,上述のような「法人でない社団」に該当するものと優に認められ,当事者能力を有するものである。 (2) 原告守る会の原告適格の有無について地方自治法242条の2第1項各号の訴え(以下「住民訴訟」という。)を提起できるのは普通地方公共団体の住民であり,市町村の区域内に住所を有する者は,当該市町村及びこれを包括する都道府県の住民とされている(同法10条1項)から,いわゆる権利能力なき社団でも,当該普通地方公- 30 -共団体の区域内に住所を有するものと認められる限りは,住民訴訟の原告適格を肯定することができるものである。 また,住民訴訟は,普通地方公共団体の執行機関又は職員による地方自治法242条1項所定の財務会計上の違法な行為又は怠る事実が究極的には当該地方公共団体の構成員である住民全体の利益を害するものであるところから,これを防止するため,地方自治の本旨に基づく住民参政の一環として,住民に対しその予防又は是正を裁判所に請求する権能を与え,もって地方財務行政の適正な運営を確保することを目的としたものである(最高裁昭和51年(行ツ)第120号同53年3月30日第一小法廷判決・民集32巻2号485頁,最高裁昭和58年(行ツ)第132号同61年2月27日第一小法廷判決・民集40巻1号88頁,最高裁昭和61年(行ツ)第133号平成4年12月15日第三小法廷判決・民集46巻9号2753頁参照)。 このような住民訴訟の制度が設けられた趣旨からすると,少なくとも,地方公共団体内に事務所又は事業所を有し,代表 (行ツ)第133号平成4年12月15日第三小法廷判決・民集46巻9号2753頁参照)。 このような住民訴訟の制度が設けられた趣旨からすると,少なくとも,地方公共団体内に事務所又は事業所を有し,代表者又は管理者の定めがある代表者又は管理人の定めがあり,かつ,収益事業を行なう権利能力なき社団については,法人と同様に地方税の納税義務者とされている(地方税法12条,24条6項,1項3号,294条8項,1項3号)以上,住民訴訟の原告適格を肯定すべきである。また,普通地方公共団体の住民が個人として住民訴訟を提起することの負担を考慮すると,住民訴訟の制度を実質的に機能させるべく,当該住民が権利能力なき社団を組織し住民訴訟を提起することのできる方途を認めることこそが,上述した趣旨に沿うものといえる。 そうすると,権利能力なき社団についても,事務所,事業所等の所在地として住所を有するものと認められる普通地方公共団体の住民でない者が中心となって,住民訴訟を提起する目的で組織されたものであるといった特段の事情のない限りは,当該普通地方公共団体の住民として,住民訴訟の原告適格を有するものと解するのが相当である。 - 31 -これを本件についてみるに,原告守る会は,前記1(5)ア及びオのとおり,住み良い大竹市の実現を目的として本件訴え以外に様々な活動をしている上,前記1(5)イのとおり,その事務所を大竹市内に置き,大竹市民だけをその会員としているものである。したがって,原告守る会については,上述のような特段の事情は認められず,本件訴えの原告適格が認められるものである。 本件訴えのうちGに対して賠償命令をせよと求める部分の適法性について地方自治法243条の2第1項各号の行為をする権限に属する事務を直接補助する職員については,普通地方公共団体の規則で指定したも 本件訴えのうちGに対して賠償命令をせよと求める部分の適法性について地方自治法243条の2第1項各号の行為をする権限に属する事務を直接補助する職員については,普通地方公共団体の規則で指定したものに限り,同法243条の2第3項の賠償命令の対象となるものとされている。そして,同法242条の2第1項4号ただし書の訴えに係る請求は,賠償命令の対象となる者に対して賠償命令をすることを求めるものであることを要するから,その訴えは,普通地方公共団体の規則で指定された上記各職員に対して賠償命令をすることを求めるものであることが必要である。 この点,Gは,大竹市環境整備課長補佐兼業務係長として,別紙権限等一覧表記載の環境整備課長の権限に属する事務を直接補助する職員である(前記第3の1(2)イ)が,本件全証拠によっても,大竹市の規則で,この役職の者が賠償命令の対象となることが指定されているとは認められない。 したがって,本件訴えのうちGに対して賠償命令をせよと求める部分は,請求として適格性を欠き,不適法である。 本件訴えに先立つ原告Hの監査請求の有無(争点(1)イ)について監査請求をした者が誰であるかは,監査請求書(地方自治法施行令172条1項,同法施行規則13条,別記職員措置請求書様式)の請求人欄のみならず,請求の要旨欄を含む監査請求書の記載を客観的合理的に解釈して特定すべきである。 本件監査請求に係る住民監査請求書(甲43の1・2)は,その請求人欄に「私たちのおおたけを守る会会長H」と記載されているが,その他に監査請- 32 -求をしている者を示すような記載はうかがわれない。このような記載を客観的合理的に解釈すれば,本件監査請求をした者は,会長を原告Hとする原告守る会であると特定される。 そうすると,原告Hが個人として,地方自治法242条1 ような記載はうかがわれない。このような記載を客観的合理的に解釈すれば,本件監査請求をした者は,会長を原告Hとする原告守る会であると特定される。 そうすると,原告Hが個人として,地方自治法242条1項所定の請求をしたとは認められないから,本件訴えは,原告Hとの関係においては,不適法である。 本件監査請求の適法性(争点(1)ウ)について(1) 監査請求期間の徒過の有無(争点(1)ウ(ア))についてア本件監査請求を文字どおり解釈した場合(ア) 本件監査請求は,住民監査請求書(甲43の1・2)の記載どおりに解釈すると,前記第3の3(1)のとおり,Iが本件委託契約に基づく廃プラの再生処理をしていないのに,大竹市がIに対して委託料を支払ったことが違法・不当であるとして,委託料相当額の金銭を大竹市長個人,支出手続担当者及び委託業務完了検査調書作成職員から大竹市に返還させることを求めるものである。 上記委託料の支払に係る支出は,地方自治法242条1項に列挙された財務会計上の行為(以下,単に「財務会計上の行為」という。)のうち「公金の支出」に当たるものである。これに対し,上記委託料の支払に係る支出命令,同法234条の2第1項の監督又は検査,並びに上記支出,支出命令及び監督又は検査に対する長の指揮監督が財務会計上の行為に当たるか否かについては,同法242条1項の文言からは明らかではない。しかし,監査請求の制度は,住民訴訟の前置手続として,まず監査委員に住民の請求に係る財務会計上の行為又は怠る事実について監査の機会を与え,当該行為又は怠る事実の違法、不当を当該普通地方公共団体の自治的,内部的処理によって予防,是正させることを目的とするものである(最高裁昭和57年(行ツ)第164号同62年2月2- 33 -0日第二小法廷判決・民集41巻1号12 を当該普通地方公共団体の自治的,内部的処理によって予防,是正させることを目的とするものである(最高裁昭和57年(行ツ)第164号同62年2月2- 33 -0日第二小法廷判決・民集41巻1号122頁,最高裁平成10年(行ツ)第68号同年12月18日第三小法廷判決・民集52巻9号2039頁参照)。このような趣旨にかんがみると,財務会計上の行為の意義については,同項に列挙された行為及びそれを行う過程で地方自治法上必要とされている行為と解すべきであり,上記支出命令,監督又は検査及び長の指揮監督は,同項所定の「公金の支出」又は「契約…の履行」を行う過程で地方自治法上必要とされているものとして,財務会計上の行為に当たると解するのが相当である。 そうすると,本件監査請求は,上記委託料の支払に係る支出命令,支出,地方自治法234条の2第1項の監督又は検査及びこれらに対する長の指揮監督を財務会計上の行為とし,それらの違法・不当を是正することを請求するものというべきである。 (イ) 支出負担行為,支出命令及び支出に係る監査請求期間は,それぞれの行為が相互に関連しており全体としてみなければその違法性,不当性を判断することができないといった特段の事情がある場合でない限り,各財務会計上の行為のあった日から各別に計算すべきであり(最高裁平成11年(行ヒ)第131号同14年7月16日第三小法廷判決・民集56巻6号1339頁参照),この理は,これらの財務会計上の行為に係る地方自治法234条の2第1項の監督又は検査及びこれらに対する長の指揮監督の監査請求期間についても,妥当するものである。 本件監査請求に係る各支出命令及び各支出は,毎年度の支出負担行為である本件委託契約に基づくものではあるが,この支出負担行為並びに各支出命令及び各支出を全体としてみなくても,個別 妥当するものである。 本件監査請求に係る各支出命令及び各支出は,毎年度の支出負担行為である本件委託契約に基づくものではあるが,この支出負担行為並びに各支出命令及び各支出を全体としてみなくても,個別に各支出命令及び各支出の違法性,不当性を判断することができるものであるし,これらの財務会計上の行為に係る地方自治法234条の2第1項の監督又は検査及びこれらに対する長の指揮監督についても,同様である。 - 34 -したがって,上記特段の事情は認められず,本件監査請求の監査請求期間は,各々の財務会計上の行為の日から各別に計算すべきである。 (ウ) 本件監査請求に係る支出命令及び支出はそれぞれ別紙支出等一覧表記載の日に行われており,地方自治法234条の2第1項の監督又は検査は,支出命令に先立ち行われるべきであるから,別紙支出等一覧表記載の支出命令の日までに行われると認めるのが相当である。そして,これらに対する長の指揮監督は,それぞれそのころに行われるべきものであるから,別紙支出等一覧表記載の日にそれぞれ行われているものと認めるべきである。 そして,本件監査請求が行われたのは平成17年12月28日であるから,本件監査請求のうち監査請求期間を徒過していない部分は,平成16年12月搬出分に係る支出命令,支出及び地方自治法234条の2第1項の監督又は検査並びにこれらに対する長の指揮監督の違法ないし不当を対象とするものだけということになる。 イ本件監査請求の対象を,財務会計上の行為が違法であることに基づいて発生する損害賠償請求権を行使しないことが違法,不当であるとの財産の管理を怠る事実と解した場合(ア) 普通地方公共団体の住民が当該普通地方公共団体の長その他の財務会計職員の財務会計上の行為を違法,不当であるとしてその是正措置を求める監査請求をした場合 との財産の管理を怠る事実と解した場合(ア) 普通地方公共団体の住民が当該普通地方公共団体の長その他の財務会計職員の財務会計上の行為を違法,不当であるとしてその是正措置を求める監査請求をした場合には,特段の事情が認められない限り,その監査請求は当該行為が違法,無効であることに基づいて発生する実体法上の請求権を当該普通地方公共団体において行使しないことが違法,不当であるという財産の管理を怠る事実についての監査請求をもその対象として含むものと解するのが相当である(最高裁昭和57年(行ツ)第164号同62年2月20日第二小法廷判決・民集41巻1号122頁参照)。 - 35 -本件監査請求を住民監査請求書の記載どおりに解釈すると,前記ア(ア)のとおり,財務会計上の行為を違法ないし不当であるとしてその是正を請求するものとなるが,その対象としては,財務会計上の行為が違法,無効であることに基づいて発生する損害賠償請求権を行使しないことが違法ないし不当であるという財産の管理を怠る事実をも含むものと解すべきである。 (イ) もっとも,普通地方公共団体において違法に財産の管理を怠る事実があるとして地方自治法242条1項の規定による住民監査請求があった場合に,その監査請求が,当該普通地方公共団体の長その他の財務会計職員の特定の財務会計上の行為を違法であるとし,当該行為が違法,無効であることに基づいて発生する実体法上の請求権の不行使をもって財産の管理を怠る事実としているものであるときは,当該監査請求については,その怠る事実に係る請求権の発生原因たる当該行為のあった日又は終わった日を基準として同条2項の規定を適用すべきものと解するのが相当である(最高裁昭和57年(行ツ)第164号同62年2月20日第二小法廷判決・民集41巻1号122頁参照)。 そうする った日又は終わった日を基準として同条2項の規定を適用すべきものと解するのが相当である(最高裁昭和57年(行ツ)第164号同62年2月20日第二小法廷判決・民集41巻1号122頁参照)。 そうすると,本件監査請求がその対象として前記(ア)のような財産の管理を怠る事実をも含むものであると解しても,その監査請求期間は,損害賠償請求権の発生を基礎付ける違法な支出命令,支出及び地方自治法234条の2第1項の監督又は検査並びにこれらに対する長の指揮監督がなされるべき日を基準として判断すべきであって,それらの日は,前記ア(ウ)とおり,それぞれ別紙支出等一覧表記載の日となるから,結局,本件監査請求のうち監査請求期間を徒過していない部分は,平成16年12月搬出分に係る支出命令,支出及び地方自治法234条の2第1項の監督又は検査並びにこれらに対する長の指揮監督が違法であることに基づいて発生する損害賠償請求権を行使しないことをもって財産の管理- 36 -を怠る事実としている部分に限られることとなる。 (ウ)aこれに対し,原告守る会は,前記1(4)のような事実経過からして,平成17年4月末日までは大竹市が本件監査請求に係る損害賠償請求権を行使することはできなかったから,同日を基準に本件監査請求の監査請求期間を適用すべき旨主張する(前記第4の2(1)ウ(ア)a)。 確かに,財務会計上の行為が違法,無効であることに基づいて発生する実体法上の請求権の不行使をもって財産の管理を怠る事実とする住民監査請求において,上記請求権が上記財務会計上の行為のされた時点においてはいまだ発生しておらず,又はこれを行使することができない場合には,上記実体法上の請求権が発生し,これを行使することができることになった日を基準として地方自治法242条2項の規定を適用すべきである(最 まだ発生しておらず,又はこれを行使することができない場合には,上記実体法上の請求権が発生し,これを行使することができることになった日を基準として地方自治法242条2項の規定を適用すべきである(最高裁平成6年(行ツ)第206号同9年1月28日第三小法廷判決・民集51巻1号287頁参照)。 しかし,地方自治法242条2項本文は,普通地方公共団体の執行機関・職員の財務会計上の行為は,たとえそれが違法・不当なものであつたとしても,いつまでも監査請求ないし住民訴訟の対象となり得るとしておくことが法的安定性を損ない好ましくないとして,監査請求の期間を定めたものである(最高裁昭和62年(行ツ)第76号同63年4月22日第二小法廷判決・集民154号57頁,最高裁平成10年(行ツ)第69号,第70号同14年9月12日第一小法廷判決・民集56巻7号1481頁参照)から,財務会計上の行為のされた時点において,それが違法,無効であることに基づいて発生する実体法上の請求権を行使することができないといえるためには,行使することが事実上困難であるだけでは足りないものというべきである。 前記1(1),(3)及び(4)アのとおり,Iによる廃プラの放置は,本件委託契約の締結前から行われていた上,その状況は,平成16年2月- 37 -ころから急激に悪化し,第1回関係者会議が行われた同年12月22日の時点では,大竹市においても,本件監査請求に係る財務会計上の行為(平成16年12月搬出分に係るものを除く。)が違法不当であることを十分に把握していたものである。そうすると,遅くとも同日時点においては,本件監査請求に係る損害賠償請求権が既に発生しており,かつ,これを行使することができたものといえ,本件監査請求(平成16年12月搬出分に係るものを除く。)は,同日を基準としても 日時点においては,本件監査請求に係る損害賠償請求権が既に発生しており,かつ,これを行使することができたものといえ,本件監査請求(平成16年12月搬出分に係るものを除く。)は,同日を基準としても監査請求期間を徒過していることになる。原告守る会の主張するような事情は,大竹市を含む関係自治体が,甘い見通しに基づき大量放置されている廃プラをIに再生処理させようと考えていたため,大竹市としては,損害賠償請求権を行使することが事実上困難であったことをいうにすぎない。 b原告守る会は,本件委託契約は一連の契約であり,それに基づく反復継続的な支出が監査請求の対象となっている以上,本件監査請求のうち,地方自治法234条の2第1項の監督又は検査及び長の指揮監督を対象とする部分については,本件委託契約が事実上終了した平成17年1月末日を基準として監査請求期間を適用すべきであり,本件各支出に係る支出命令及び支出を対象とする部分については,最終支出日である平成17年1月28日を基準として監査請求期間を適用すべきであるとも主張する(前記第4の2(1)ウ(ア)b)。 しかし,地方自治法234条の2第1項の監督又は検査及び長の指揮監督を含め,複数の財務会計上の行為に係る監査請求期間については,前記ア(イ)のような特段の事情がある場合でない限り,各財務会計上の行為のあった日から各別に起算すべきである以上,それが違法であることに基づいて発生する損害賠償請求権を行使しないことをもって財産の管理を怠る事実についても,かかる特段の事情がある場合で- 38 -ない限り,各怠る事実に係る請求権の発生原因たる各財務会計上の行為のあった日又は終わった日を基準として監査請求期間を適用すべきである。 そして,本件において,上記特段の事情が認められないことは前記ア(イ)のとおり 事実に係る請求権の発生原因たる各財務会計上の行為のあった日又は終わった日を基準として監査請求期間を適用すべきである。 そして,本件において,上記特段の事情が認められないことは前記ア(イ)のとおりであるから,原告守る会の主張は採用できない。 ウまとめしたがって,本件監査請求のうち監査請求期間を徒過していないのは,平成16年12月搬出分の支出命令,支出,地方自治法234条の2第1項の監督又は検査及びこれらに対する指揮監督に係る部分となる。 (2) 「正当な理由」(地方自治法242条2項ただし書)の有無(争点(1)ウ(イ))について普通地方公共団体の住民が相当の注意力をもって調査を尽くしても客観的にみて監査請求をするに足りる程度に財務会計上の行為の存在又は内容を知ることができなかった場合には,地方自治法242条2項ただし書の正当な理由の有無は,特段の事情のない限り,当該普通地方公共団体の住民が相当の注意力をもって調査すれば客観的にみて上記の程度に当該行為の存在及び内容を知ることができたと解される時から相当な期間内に監査請求をしたかどうかによって判断すべきである(最高裁平成10年(行ツ)第69号,第70号同14年9月12日第一小法廷判決・民集56巻7号1481頁参照)。 本件各支出命令及び本件各支出は大竹市の通常の事務として継続的に行われているものであるから,大竹市の一般住民においては,容易にその存在及び内容を認識できる上,本件委託契約に基づく廃プラの再生処理が行われていないこと及び大竹市の職員がその状況を確認していないことさえ覚知できれば,その外形から本件監査請求に係る各財務会計上の行為の存在及び内容を実質的に知ることができるといえる。そして,平成16年12月22日付- 39 -けの読売新聞では,大竹市等から搬出された大量の廃プラが の外形から本件監査請求に係る各財務会計上の行為の存在及び内容を実質的に知ることができるといえる。そして,平成16年12月22日付- 39 -けの読売新聞では,大竹市等から搬出された大量の廃プラが再生処理されずに同年9月ころから放置されており,大竹市等が法令で定められた年1回の実地検査を怠るなど再生処理の状況を確認していなかったと報道され,同年12月23日付けの読売新聞においても,同じ内容が報道されている(前記1(3)及び(4)ア)。全国紙である読売新聞(顕著な事実)に掲載されたこれらの報道を大竹市の一般住民において閲読することは容易であるから,遅くともこれらの報道がされた日ころには,大竹市の一般住民において,相当の注意力をもって調査すれば客観的にみて監査請求をするに足りる程度に,その対象とする各財務会計上の行為の存在及び内容を知ることができたというべきである。そうであるのに,本件監査請求は,そのころから約1年も後れた平成17年12月28日になされており,原告守る会が上述の相当な期間内に監査請求をしたということはできないことは明らかであるから,本件監査請求に地方自治法242条2項ただし書にいう「正当な理由」があるということはできない。大竹市議会が,大竹市長及び大竹市職員に対して調査及び責任追及していたことは確かである(甲88ないし93)が,そのことは本件監査請求と何らかかわりがないから,原告守る会がその推移を見守っていたことをもって,上記判断が覆されるものではない。 (3) まとめしたがって,本件監査請求のうち,監査請求期間を徒過していない適法な部分は,平成16年12月搬出分の支出命令,支出,地方自治法234条の2第1項の監督又は検査及びこれらに対する指揮監督に係る部分だけであり,その余の部分については,監査請求期間を徒過している 適法な部分は,平成16年12月搬出分の支出命令,支出,地方自治法234条の2第1項の監督又は検査及びこれらに対する指揮監督に係る部分だけであり,その余の部分については,監査請求期間を徒過している上,同法242条2項ただし書の正当な理由もないから,不適法となる(なお,大竹市の監査委員は,本件監査請求が全て適法であったことを前提にこれを受理し,監査を行っているが,そのことにより,上記不適法部分に係る本件監査請求及び本件訴えが適法となるものではない(最高裁昭和62年(行ツ)第76号同6- 40 -3年4月22日第二小法廷判決・集民154号57頁参照)。) 環境整備課長Fの,重大な過失による,地方自治法234条の2第1項の監督又は検査をすべき義務ないし一般廃棄物の再生の実施の状況を確認すべき義務の懈怠の有無(争点(2)ア),及び,重大な過失による,本件各支出命令の専決に先立つ履行の確認の義務懈怠の有無(争点(2)イ)について(1) 本件各支出命令は,廃プラの搬出量とIからの請求書に記載された廃プラの処理量と同じか否かを確認しただけで行われており,平成16年12月27日にGらがI本社を視察するまで,大竹市の職員が,本件委託契約に基づく廃プラの再生処理の状況を確認するため,I本社へ視察に赴いたことは全くなく,本件各支出の予算科目の変更に伴って委託業務完了検査調書及びI作成の業務完了通知書が必要となった後も,その状態に変わりがなかったことは,前記第3の2(2)及び第5の1(2)のとおりである。このような状態が,地方自治法234条の2第1項の監督又は検査をすべき義務ないし本件各支出命令の専決に先立つ履行の確認の義務を十分に尽くすものではないことは明らかであり,かかる義務の懈怠が問題となりかねないことについては,都道府県が環境省担当課長からの 検査をすべき義務ないし本件各支出命令の専決に先立つ履行の確認の義務を十分に尽くすものではないことは明らかであり,かかる義務の懈怠が問題となりかねないことについては,都道府県が環境省担当課長からの文書を受けて平成16年8月5日以降に市町村への指導を行う中で憂慮されていたものと推察される(前記1(2))。 このような状況の下,平成16年12月22日にはIによる廃プラの大量放置及び大竹市等が再生処理の状況を確認していなかったことを問題とする報道がなされており(前記1(3)),その後,Gらが,同月27日にIを視察した際には,放置されている廃プラの大部分が再生処理されていないことを実際に把握するとともに,廃プラを原材料としてもリサイクルしても売れないとの説明をLから受け,廃プラを原材料とする作業も行われていない旨を認識している(前記1(4)イ)もので,この報告を受けたFとしてみれば,Iに委託した廃プラの再生処理がほとんど行われておらず,直ちに廃プラの再生処理を再開できる見込みが乏しいことを十分に認識できたものである。 - 41 -そうであるからこそ,大竹市はIへの廃プラの搬出を中止している(前記1(4)イ)のであろうが,F自身も,平成17年1月25日にI本社を抜き打ちで訪問した際,Lから,廃プラを処理しても原材料としては売れず,ベンチとして製品化しても売れる見込みがなく,その製品化作業自体も相当長期間中断していることの説明を受け,同月20日からリサイクルを再開するとした同月13日の説明すら守られていないことを認識し,また,本社工場に大竹市指定のゴミ袋が見当たらなくなってはいたものの,l及びiに放置されている廃プラの量に変化がみられないことを実際に確認しているものである(前記1(4)ウ,エ)。同月26日の第3回関係者会議では,大量放置されてい が見当たらなくなってはいたものの,l及びiに放置されている廃プラの量に変化がみられないことを実際に確認しているものである(前記1(4)ウ,エ)。同月26日の第3回関係者会議では,大量放置されている廃プラをIに処理させる方針が確認されているが,現実が上述のとおりであった以上,かかる方針が実現可能性を欠くものであったことは明白であったし,大竹市等の従前の対応が問題であったとの指摘もなされている上,同日午後には,Iから廃プラ処理計画を期限内に提出できない旨の申出が広島市にあり,そのことは大竹市としても把握していたはずである(前記1(4)オ)。 このように,本件委託契約に基づく廃プラの再生処理について,地方自治法234条の2第1項の監督又は検査をすべき義務ないし本件各支出命令の専決に先立つ履行の確認の義務が十分に尽くされておらず,また,そのことに対する憂慮すら示されていた中,Fは,部下からの報告及び自らの視察により,実際は本件委託契約に基づく廃プラの再生処理がほとんど行われておらず,それが行われる見込みも極めて乏しいことを十分に認識しながら,問題があるとの指摘さえされていた従前の方法で,平成16年12月搬出分に係る支出命令を漫然と行ったものであるから,同月搬出分に係る支出命令及び支出に関し,Fは,重大な過失により,同項の監督又は検査をすべき義務及び支出命令の専決に先立ち履行状況を確認すべき義務を怠ったものというのが相当である(なお,その経緯に問題なしとはしないが,平成16年12- 42 -月27日にはGらによるI本社の査察が行われているから,平成16年度の廃プラの搬出については,一般廃棄物の再生の実施の状況の確認を1年に1回以上実地に行う義務(廃棄物処理法6条の2第2項,同法施行令4条9号ロ及び同法施行規則1条の8)を怠ったとまではいえ 16年度の廃プラの搬出については,一般廃棄物の再生の実施の状況の確認を1年に1回以上実地に行う義務(廃棄物処理法6条の2第2項,同法施行令4条9号ロ及び同法施行規則1条の8)を怠ったとまではいえない。)。 (2) 被告は,大竹市から搬入された廃プラを特定して確認することはできず,I本社を実地確認した他の自治体等も廃プラ放置の実態を把握できていなかったし,本件委託契約締結時に広島市へ通知したのにIについての問題点が指摘されなかった以上,適切に廃プラの再生処理が行われていると信頼するのもやむを得ないなどと主張する(前記第4の3(2)ア)。しかし,本件委託契約締結時に広島市へ通知しており,その際に何ら指摘がなかったからといって,Fが前記(1)の義務を免れられないことは明らかであるし,個々的に廃プラの搬出元を特定しなくても再生処理の状況を確認することは十分に可能である上,Iが廃プラを継続的に放置していた状況の下で,平成16年12月27日及び平成17年1月25日の各査察時には,I本社等に大量の廃プラが放置され,その再生処理の見込みが立たないことを把握できたものであるから,上述のような被告の主張をもって,前記判断は覆されない。 また,被告は,平成16年12月搬出分に係る支出命令の専決も,Iに廃プラの再生処理を行わせるためとの共通認識ができていたためであると主張する(前記第4の3(2)イ)。しかし,Fにおいては,平成16年12月27日及び平成17年1月25日の各査察の結果としてI本社等に大量の廃プラが放置され,その再生処理の見込みが立たないことを把握しており,Iに廃プラの再生処理を行わせることが非現実的であることを十二分に認識していたはずであるから,上述のような被告の主張は採用できない。 元大竹市長の,各職員の義務懈怠を阻止すべき指揮監督上の義 り,Iに廃プラの再生処理を行わせることが非現実的であることを十二分に認識していたはずであるから,上述のような被告の主張は採用できない。 元大竹市長の,各職員の義務懈怠を阻止すべき指揮監督上の義務懈怠の有無(争点(2)エ)について専決を任された補助職員が長の権限に属する当該財務会計上の行為を専決に- 43 -より処理した場合は,長は,その補助職員が財務会計上の違法行為をすることを阻止すべき指揮監督上の義務に違反し,故意又は過失によりその補助職員が財務会計上の違法行為をすることを阻止しなかったときに限り,普通地方公共団体に対し,その補助職員がした財務会計上の違法行為により当該普通地方公共団体が被った損害につき賠償責任を負うものと解するのが相当である(最高裁平成2年(行ツ)第137号同3年12月20日第二小法廷判決・民集45巻9号1455頁,最高裁平成4年(行ツ)第156号同9年4月2日大法廷判決・民集51巻4号1673頁,最高裁平成12年(行ヒ)第193号同15年7月11日第二小法廷判決・集民210号231頁参照)。 この点,Aは,平成16年12月搬出分の委託料の支出命令をFに専決させていたものであるが,平成16年12月22日にはIによる廃プラの大量放置及び大竹市等がIの再生処理の状況を確認していなかったことが報道されていた(前記1(3))上,I本社等を査察した結果の報告も受け(甲72,73),実際は本件委託契約に基づく廃プラの再生処理がほとんど行われておらず,それが行われる見込みも極めて乏しいことも認識できたもので,Aは,安易に上記支出命令の専決がなされないよう,直接又は助役等を通じてFを指揮監督すべき義務を負っていたものである。そうであるのに,Aは,この義務を怠り,平成16年12月搬出分の委託料の支出命令を阻止しなかったという 命令の専決がなされないよう,直接又は助役等を通じてFを指揮監督すべき義務を負っていたものである。そうであるのに,Aは,この義務を怠り,平成16年12月搬出分の委託料の支出命令を阻止しなかったというのであるから,かかる義務懈怠により大竹市が被った損害につき,賠償責任を負うものと解するのが相当である。 損害額等について前記6及び7のF及びAの各義務違反がなければ,平成16年12月搬出分に係る再生処理費213万0425円はIに支払われなかったはずであるから,この額が大竹市の被った損害額となる。 そして,上記各義務違反は大竹市に対する共同不法行為を構成するから,Fは地方自治法243条の2第1項後段に基づき,Aは不法行為に基づき,それ- 44 -ぞれ上記損害額の賠償責任を負う。 第6結語よって,本件訴えのうち主文1項記載の各部分はいずれも不適法であるからこれらを却下し,その余の部分に係る原告守る会の請求は主文2項記載の限度でこれを認容し,原告守る会のその余の請求はこれをいずれも棄却することとし,訴訟費用の負担につき,行政事件訴訟法7条,民事訴訟法65条1項本文,64条本文,61条を適用して,主文のとおり判決する。 広島地方裁判所民事第1部裁判長裁判官野々上友之裁判官大森直哉裁判官安木進- 45 -(別紙)関係法令一覧第1平成18年法律第53号による改正前の地方自治法(以下,単に「地方自治法」という。)等 地方自治法(1) 232条の4ア1項出納長又は収入役は、普通地方公共団体の長の政令で定めるところによる命令がなければ、支出をすることができない。 イ2項出納長又は収入役は、前項の命令を受けた場合においても、当該支出負担行為が法令又は予算に違反していないこと及び当該支出負担行為 定めるところによる命令がなければ、支出をすることができない。 イ2項出納長又は収入役は、前項の命令を受けた場合においても、当該支出負担行為が法令又は予算に違反していないこと及び当該支出負担行為に係る債務が確定していることを確認したうえでなければ、支出をすることができない。 (2) 234条の2第1項普通地方公共団体が工事若しくは製造その他についての請負契約又は物件の買入れその他の契約を締結した場合においては、当該普通地方公共団体の職員は、政令の定めるところにより、契約の適正な履行を確保するため又はその受ける給付の完了の確認(給付の完了前に代価の一部を支払う必要がある場合において行なう工事若しくは製造の既済部分又は物件の既納部分の確認を含む。)をするため必要な監督又は検査をしなければならない。 (3) 242条ア1項普通地方公共団体の住民は、当該普通地方公共団体の長若しくは委員会若しくは委員又は当該普通地方公共団体の職員について、違法若しくは不当な公金の支出、財産の取得、管理若しくは処分、契約の締結若しくは履- 46 -行若しくは債務その他の義務の負担がある(当該行為がなされることが相当の確実さをもつて予測される場合を含む。)と認めるとき、又は違法若しくは不当に公金の賦課若しくは徴収若しくは財産の管理を怠る事実(以下「怠る事実」という。)があると認めるときは、これらを証する書面を添え、監査委員に対し、監査を求め、当該行為を防止し、若しくは是正し、若しくは当該怠る事実を改め、又は当該行為若しくは怠る事実によつて当該普通地方公共団体のこうむつた損害を補塡するために必要な措置を講ずべきことを請求することができる。 イ2項前項の規定による請求は、当該行為のあつた日又は終わつた日から一年を経過したときは、これをすることができない こうむつた損害を補塡するために必要な措置を講ずべきことを請求することができる。 イ2項前項の規定による請求は、当該行為のあつた日又は終わつた日から一年を経過したときは、これをすることができない。ただし、正当な理由があるときは、この限りでない。 ウ4項第一項の規定による請求があつた場合においては、監査委員は、監査を行い、請求に理由がないと認めるときは、理由を付してその旨を書面により請求人に通知するとともに、これを公表し、請求に理由があると認めるときは、当該普通地方公共団体の議会、長その他の執行機関又は職員に対し期間を示して必要な措置を講ずべきことを勧告するとともに、当該勧告の内容を請求人に通知し、かつ、これを公表しなければならない。 (4) 242条の2ア1項普通地方公共団体の住民は、前条第一項の規定による請求をした場合において、同条第四項の規定による監査委員の監査の結果若しくは勧告若しくは同条第九項の規定による普通地方公共団体の議会、長その他の執行機関若しくは職員の措置に不服があるとき、又は監査委員が同条第四項の規定による監査若しくは勧告を同条第五項の期間内に行わないとき、若しく- 47 -は議会、長その他の執行機関若しくは職員が同条第九項の規定による措置を講じないときは、裁判所に対し、同条第一項の請求に係る違法な行為又は怠る事実につき、訴えをもつて次に掲げる請求をすることができる。 一ないし三≪略≫四当該職員又は当該行為若しくは怠る事実に係る相手方に損害賠償又は不当利得返還の請求をすることを当該普通地方公共団体の執行機関又は職員に対して求める請求。ただし、当該職員又は当該行為若しくは怠る事実に係る相手方が第二百四十三条の二第三項の規定による賠償の命令の対象となる者である場合にあつては、当該賠償の命令をすることを求 は職員に対して求める請求。ただし、当該職員又は当該行為若しくは怠る事実に係る相手方が第二百四十三条の二第三項の規定による賠償の命令の対象となる者である場合にあつては、当該賠償の命令をすることを求める請求イ2項前項の規定による訴訟は、次の各号に掲げる期間内に提起しなければならない。 一監査委員の監査の結果又は勧告に不服がある場合は、当該監査の結果又は当該勧告の内容の通知があつた日から三十日以内二ないし四≪略≫ウ3項前項の期間は、不変期間とする。 (5) 243条の2ア1項出納長若しくは収入役若しくは出納長若しくは収入役の事務を補助する職員、資金前渡を受けた職員、占有動産を保管している職員又は物品を使用している職員が故意又は重大な過失(現金については、故意又は過失)により、その保管に係る現金、有価証券、物品(基金に属する動産を含む。)若しくは占有動産又はその使用に係る物品を亡失し、又は損傷したときは、これによつて生じた損害を賠償しなければならない。次の各号に- 48 -掲げる行為をする権限を有する職員又はその権限に属する事務を直接補助する職員で普通地方公共団体の規則で指定したものが故意又は重大な過失により法令の規定に違反して当該行為をしたこと又は怠つたことにより普通地方公共団体に損害を与えたときも、また同様とする。 一支出負担行為二第二百三十二条の四第一項の命令又は同条第二項の確認三支出又は支払四第二百三十四条の二第一項の監督又は検査イ2項前項の場合において、その損害が二人以上の職員の行為によつて生じたものであるときは、当該職員は、それぞれの職分に応じ、かつ、当該行為が当該損害の発生の原因となつた程度に応じて賠償の責めに任ずるものとする。 ウ3項普通地方公共団体の長は、第一項の職員が同項に規定 のであるときは、当該職員は、それぞれの職分に応じ、かつ、当該行為が当該損害の発生の原因となつた程度に応じて賠償の責めに任ずるものとする。 ウ3項普通地方公共団体の長は、第一項の職員が同項に規定する行為によつて当該普通地方公共団体に損害を与えたと認めるときは、監査委員に対し、その事実があるかどうかを監査し、賠償責任の有無及び賠償額を決定することを求め、その決定に基づき、期限を定めて賠償を命じなければならない。 エ14項第一項の規定によつて損害を賠償しなければならない場合においては、同項の職員の賠償責任については、賠償責任に関する民法の規定は、これを適用しない。 地方自治法施行令167条の15(1) 1項地方自治法第二百三十四条の二第一項の規定による監督は、立会い、指示- 49 -その他の方法によつて行わなければならない。 (2) 2項地方自治法第二百三十四条の二第一項の規定による検査は、契約書、仕様書及び設計書その他の関係書類(当該関係書類に記載すべき事項を記載した電磁的記録を含む。)に基づいて行わなければならない。 第2廃棄物の処理及び清掃に関する法律(以下「廃棄物処理法」という。)等 廃棄物処理法(1) 6条1項市町村は、当該市町村の区域内の一般廃棄物の処理に関する計画(以下「一般廃棄物処理計画」という。)を定めなければならない。 (2) 6条の2ア1項市町村は、一般廃棄物処理計画に従つて、その区域内における一般廃棄物を生活環境の保全上支障が生じないうちに収集し、これを運搬し、及び処分(再生することを含む。≪略≫)しなければならない。 イ2項市町村が行うべき一般廃棄物(特別管理一般廃棄物を除く。以下この項において同じ。)の収集、運搬及び処分に関する基準(当該基準において海洋を投入処分の場所とすることが )しなければならない。 イ2項市町村が行うべき一般廃棄物(特別管理一般廃棄物を除く。以下この項において同じ。)の収集、運搬及び処分に関する基準(当該基準において海洋を投入処分の場所とすることができる一般廃棄物を定めた場合における当該一般廃棄物にあつては、その投入の場所及び方法が海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律(昭和四十五年法律第百三十六号)に基づき定められた場合におけるその投入の場所及び方法に関する基準を除く。以下「一般廃棄物処理基準」という。)並びに市町村が一般廃棄物の収集、運搬又は処分を市町村以外の者に委託する場合の基準は、政令で定める。 廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令(以下「廃棄物処理法施行令」という。)4条- 50 -法第六条の二第二項の規定による市町村が一般廃棄物の収集、運搬又は処分(再生を含む。)を市町村以外の者に委託する場合の基準は、次のとおりとする。 一ないし六≪略≫七一般廃棄物の処分又は再生を委託するときは、市町村において処分又は再生の場所及び方法を指定すること。 八≪略≫九第七号の規定に基づき指定された一般廃棄物の処分又は再生の場所(広域臨海環境整備センター法(昭和五十六年法律第七十六号)第二条第一項に規定する広域処理場を除く。)が当該処分又は再生を委託した市町村以外の市町村の区域内にあるときは、次によること。 イ当該処分又は再生の場所がその区域内に含まれる市町村に対し、あらかじめ、次の事項を通知すること。 (1) 処分又は再生の場所の所在地(埋立処分を委託する場合にあつては、埋立地の所在地、面積及び残余の埋立容量)(2) 受託者の氏名又は名称及び住所並びに法人にあつては代表者の氏名(3) 処分又は再生に係る一般廃棄物の種類及び数量並びにその処分又は再生の方法(4) 処分又は 在地、面積及び残余の埋立容量)(2) 受託者の氏名又は名称及び住所並びに法人にあつては代表者の氏名(3) 処分又は再生に係る一般廃棄物の種類及び数量並びにその処分又は再生の方法(4) 処分又は再生を開始する年月日ロ一般廃棄物の処分又は再生を一年以上にわたり継続して委託するときは、当該委託に係る処分又は再生の実施の状況を厚生労働省令で定めるところにより確認すること。 廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則(以下「廃棄物処理法施行規則」という。)1条の8令第四条第九号ロの規定による確認は、一年に一回以上、実地に行うものとする。
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