平成10(行コ)151 損害賠償請求、訴えの追加的併合申立控訴事件(原審・東京地方裁判所平成8年(行ウ)第133号、同9年(行ウ)第250号)

裁判年月日・裁判所
平成11年9月29日 東京高等裁判所 住民訴訟
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判決文本文7,439 文字)

主文 一本件控訴を棄却する。 二当審において追加的併合された控訴人らの被控訴人A、同B及び同Cに対する請求をいずれも棄却する。 三控訴費用は、控訴人らの負担とする。 事実及び理由 第一当事者の求めた裁判一控訴人ら 1 原判決を取り消す。 2 被控訴人A、同D及び同Cは、各自、東京都に対し、二〇億円及びこれに対する平成八年三月一四日から支払済みまで年五分の割合による金員を支払え。 3 被控訴人A、同B及び同Cは、各自、東京都に対し、二〇億円及びこれに対する平成九年四月一日から支払済みまで年五分の割合による金員を支払え。 4 コスモ信用組合の経営破綻処理に伴う債権管理回収事業に要する費用を補助するため、平成一一年度以降(なお、控訴人は、当審において平成九年度及び平成一〇年度については、訴えを取り下げた。)、(一) 被控訴人東京都知事及び被控訴人東京都労働経済局長は、社団法人東京都信用組合協会に対し、補助金の交付決定をしてはならない。 (二) 被控訴人東京都知事及び被控訴人東京都労働経済局総務部計理課長は、社団法人東京都信用組合協会に対して交付する補助金の支出命令を発してはならない。 5 当審における追加的併合(一) 被控訴人A、同B及び同Cは、各自、東京都に対し、二〇億円及びこれに対する平成一〇年三月三一日から支払済みまで年五分の割合による金員を支払え。 (二) 被控訴人A、同B及び同Cは、各自、東京都に対し、二〇億円及びこれに対する平成一一年四月一日から支払済まで年五分の割合による金員を支払え。 6 訴訟費用は、第一、二審とも被控訴人らの負担とする。 二被控訴人ら主文と同旨第二事案の概要事案の概要は、次のとおり改めるほかは、原判決の「事実及び理由」欄の「第二事案の概要」に記載のとおりであるから、これを引用 も被控訴人らの負担とする。 二被控訴人ら主文と同旨第二事案の概要事案の概要は、次のとおり改めるほかは、原判決の「事実及び理由」欄の「第二事案の概要」に記載のとおりであるから、これを引用する。 一原判決二頁末行から同三頁一行目の「基づき」及び同三頁四行目の「基づいて」を各「基づくものとして」に、同五行目の「及び」を「、」に各改め、同行の「平成八年度」の次に「、平成九年度及び平成一〇年度」を、同六行目の「右各補助金の」の次に「交付は、単に補助金の交付という形式をとった公金の支出であり、その」を、同一〇行目から一一行目の「基づく」の次に「ものとしてなされる」を各加える。 二同三頁一一行目の「平成九年度」を「平成一一年度」に、同四頁七行目の「及び」を「、」に各改め、同八行目の「三月」の次に「、平成一〇年三月及び平成一一年三月」を加える。 三同四頁一二行目の「三月」の次に「、平成一〇年三月及び平成一一年三月」を加える。 四同五頁二行目の「及び」を「、」に改め、同三行目の「三月」の次に「、平成一〇年三月及び平成一一年三月」を加える。 五同九頁一一行目の「前記(一)記載の」の次に「不良債権のうち」を、同一一頁九行目及び同一二頁九行目の各「されている」の次に「(乙八)」を各加える。 六同一四頁七行目から八行目の「本件各補助金」を「平成七年度及び平成八年度の本件各補助金」と改める。 七同一五頁一二行目末尾の次に行を改め、次のとおり加える。 「6 当審における追加的併合関係(一) 東京都は、平成一〇年三月一九日、東京都信用組合協会との間で、本件補助金交付協定三条に基づく交付額に関する協定を締結し、東京都信用組合協会は、平成一〇年三月二〇日、平成九年度東京都信用組合緊急特別対策補助金(以下「平成九年度の本件補助金」という。)交付申請書を 補助金交付協定三条に基づく交付額に関する協定を締結し、東京都信用組合協会は、平成一〇年三月二〇日、平成九年度東京都信用組合緊急特別対策補助金(以下「平成九年度の本件補助金」という。)交付申請書を東京都知事宛に提出し、労経局長であった被控訴人Bは、同月二五日、東京都信用組合協会に対する平成九年度の本件補助金二〇億円の交付決定をした。右交付決定は、被控訴人Bが専決権者として行ったものである。 (二) 東京都は、平成一〇年三月三〇日、東京都信用組合協会に対し、平成九年度の本件補助金として二〇億円を交付した。 平成九年度の本件補助金の交付に係る支出命令は、当時労経局計理課長の職にあった被控訴人Cが、東京都知事から委任を受けて行ったものである。 (三) 東京都信用組合協会は、平成一一年三月四日、平成一〇年度東京都信用組合緊急特別対策補助金(以下「平成一〇年度の本件補助金」といい、平成九年度の本件補助金と併せて「平成九年度及び平成一〇年度の本件各補助金」と、平成七年度及び平成八年度の本件各補助金と平成九年度及び平成一〇年度の本件各補助金を併せて「本件各補助金」という。)交付申請書を東京都知事宛に提出し、労経局長であった被控訴人Bは、同月一〇日、東京都信用組合協会に対する平成一〇年度の本件補助金二〇億円の交付決定をした。右交付決定は、被控訴人Bが専決権者として行ったものである。 (四) 東京都は、平成一一年三月一八日、東京都信用組合協会に対し、平成一〇年度の本件補助金として二〇億円を交付した。 平成一〇年度の本件補助金の交付に係る支出命令は、当時労経局計理課長の職にあった被控訴人Cが、東京都知事から委任を受けて行ったものである。」八同二〇頁一二行目末尾の次に「平成一〇年三月当時及び平成一一年三月当時において、」を加える。 九同二三頁五行目か 理課長の職にあった被控訴人Cが、東京都知事から委任を受けて行ったものである。」八同二〇頁一二行目末尾の次に「平成一〇年三月当時及び平成一一年三月当時において、」を加える。 九同二三頁五行目から六行目にかけての「見込まれるという」を「見込まれるとされており、また、平成一〇年一〇月一三日の被控訴人東京都知事の緊急アピールによると、自治体の破産ともいうべき財政再建団体への転落が懸念されているというのであって」に、同六行目の「及び」を「、」に各改め、同行から七行目にかけての「平成八年度」の次に「、平成九年度及び平成一〇年度」を加え、同七行目の「一六〇億円」を「一二〇億円」に改める。 一〇 同二八頁九行目末尾の次に行を改め、次のとおり加える。 「ウ平成九年度の本件補助金について東京都知事は平成九年度一般会計予算説明書を議会に提出したが、同書に記載されている労経局の予算のうち信用組合関係の部分をみても平成九年度の本件各補助金の交付決定を裏付ける支出科目としての目及び節が設定されているとはいえない。したがって、平成九年度の本件補助金の交付決定は、予算に定めるところに従わないでされたことになる。」一一同三一頁七行目の末尾の次に行を改め、次のとおり加える。 「(4) 法二条一三項違反(平成九年度及び平成一〇年度の本件各補助金について)(当審における新主張)法二条一三項は、地方公共団体は最少の経費で最大の効果を挙げるようにしなければならないとする。ところが、東京都は、債権管理回収事業に要する経費として、東京都信用組合協会に対し、平成七年度ないし平成一〇年度に各二〇億円、合計八〇億円もの補助金を交付しているが、平成八年一〇月末までの回収額は、債権の四パーセントに当たる四九億七〇〇〇万円に止まり、翌九年二月末までに回収できたのは八四億円と全体の 〇年度に各二〇億円、合計八〇億円もの補助金を交付しているが、平成八年一〇月末までの回収額は、債権の四パーセントに当たる四九億七〇〇〇万円に止まり、翌九年二月末までに回収できたのは八四億円と全体の六パーセントに、平成一○年度に至っても三〇三億一五〇〇万円と二四・四パーセントに止まっている。そして、労経局長である被控訴人Bは、債権回収は東京都信用組合協会には無理であるかのような発言もしている。 このように、多額の費用をかけながら、債権回収作業が進んでいないのは、債権回収等に不慣れな東京都信用組合協会に補助金を交付して債権を回収させようとしたこと自体に誤りがあったからである。したがって、平成九年度及び平成一〇年度の本件各補助金の交付決定及び支出命令は法二条一三項の規定に違反する違法なものであり、少なくとも平成一〇年度以降の補助金の交付決定及び支出命令が違法であることは明らかである。」一二同三六頁一行目の「平成七年度の」から同三行目の「平成九年三月ころまでに、」までを「本件各補助金を交付し終えた平成一一年三月ころまでに、」に改める。 一三同三九頁末行の最初の「平成八年度」の次に「、平成九年度及び平成一〇年度の各」を加え、同行の最後の「平成八年度」を「右各年度」に改める。 一四同四二頁一〇行目末尾の次に行を改め、次のとおり加える。 「(5) 法二条一三項違反の主張について控訴人主張の回収率は、バブル経済崩壊後の土地価格の大幅な下落に加え、景気の長期低迷下におけるものであることを考慮すると必ずしも低いものとはいえない。したがって、平成九年度及び平成一○年度の本件各補助金の交付決定及び支出命令が、法二条一三項の趣旨に照らして違法なものということはできない。」一五同四六頁八行目の末尾の次に「並びに平成九年度及び平成一〇年度の本件各補助金の交 一○年度の本件各補助金の交付決定及び支出命令が、法二条一三項の趣旨に照らして違法なものということはできない。」一五同四六頁八行目の末尾の次に「並びに平成九年度及び平成一〇年度の本件各補助金の交付決定」を、同一一行目の「右」の次に「各」を、同四八頁末行の「基づく」の次に「ものとしてなされる」を各加え、同行の「平成九年度」を「平成一一年度」に改め、同四九頁四行目の「(1)」の次に「及び(4)」を加え、同五行目の「基づき」を「基づくものとして」に、同行及び同一一行目の各「平成九年度」を「平成一一年度」に各改める。 一六同五〇頁三行目の「(2)」の次に「及び(5)」を加え、同六行目の「基づき」を「基づくものとして」に、同行の「平成九年度」を「平成一一年度」に各改める。 第三当裁判所の判断当裁判所も、控訴人らの請求はいずれも理由がないものと判断する。その理由は、次のとおり改めるほかは、原判決の「事実及び理由」欄の「第三当裁判所の判断」記載のとおりであるから、これを引用する。 一原判決五三頁三行目の「公益上の必要性」を「公益上必要」に改める。 二同五六頁八行目の「七三」を「七七」に改める。 三同五八頁一一行目の「東京都は、」の次に「前記第二の一4(一)のとおり」を加える。 四同五九頁一二行目末尾の次に行を改め、次のとおり加える。 「また、東京都は、本件補助金交付協定に基づき、平成一〇年三月三〇日及び平成一一年三月一八日にも、東京都信用組合協会に対し、平成九年度及び平成一〇年度の本件各補助金としてそれぞれ二〇億円を交付した。」五同六〇頁五行目の「基づき、」の次に「東京都信用組合協会に対する資金援助を行うものとする」を加え、同六行目の「基づく」から同七行目の「履行として」までを「同意し、これを実施するために、予算措置を講じた上、本件 行目の「基づき、」の次に「東京都信用組合協会に対する資金援助を行うものとする」を加え、同六行目の「基づく」から同七行目の「履行として」までを「同意し、これを実施するために、予算措置を講じた上、本件補助金交付要綱を策定し、本件補助金交付協定を締結し、東京都信用組合協会からの申請を受けて、所定の専決権者が支出決定を行い、所定の受任者が支出命令を発するという手続を経て」に改める。 六同六二頁一行目の「基づき、」の次に「同協会に対する資金援助を行うものとする」を加え、同二行目の「基づく資金援助を決定した」を「合意した」に、同八行目の「履行」を「実施」に、同一二行目の「に係る合意の履行」を「の実施」に各改める。 七同六五頁二行目の「決定」を「合意」に、同行の「に係る」から同三行目の「行われる」までを「の内容となっている」に各改める。 八同六六頁一二行目の「場合に、」の次に「予想される信用不安等の事態を回避するための施策を講じるどうか、その施策として」を加え、同六八頁九行目及び一〇行目の各「履行」を「実施」に各改め、同六九頁三行目の「支出」を削り、同九行目の「スキームに基づく」を「各」に改める。 九同七〇頁一行目の「支出」を「することが」に改め、同末行の「から、」の次に「本件各補助金の支出を行うためになされた」を加える。 一〇 同七二頁九行目の「安定化」の次に「等」を加え、同七八頁末行の末尾の次に行を改め、次のとおり加える。 「エ甲一八の1及び二〇によれば、平成九年度の本件補助金は、款を労働経済費、項を商工業振興費、目を経営基盤整備費、節を負担金補助及び交付金とする支出科目から支出されたことが認められる。控訴人らは、平成九年度一般会計予算説明書に記載されている労経局の予算のうち信用組合関係の部分をみても平成九年度の本件各補助金の交付決定を裏 及び交付金とする支出科目から支出されたことが認められる。控訴人らは、平成九年度一般会計予算説明書に記載されている労経局の予算のうち信用組合関係の部分をみても平成九年度の本件各補助金の交付決定を裏付ける支出科目としての目及び節が設定されているとはいえないと主張する。確かに、甲一八の1によれば、平成九年度の予算説明書には、平成九年度の本件補助金の交付に係る具体的な説明項目が見当たらないが、予算説明書の計上説明欄に具体的な説明項目がないからといって、直ちに右補助金の交付に係る支出が予算に計上されていないということができないこと及び予算説明書に併せて提出される歳入歳出予算事項別明細書の目節の説明欄に当該支出にかかる具体的な説明項目がないからといって当該支出が予算に計上されていないということができないことは、右イに述べたとおりであり、機関委任事務に係る経費と固有事務に係る経費とを同一の目に計上することを禁ずる法令上の根拠がないことは右ウに述べたとおりである。」一一同七九頁一行目の「本件各補助金」を「平成七年度及び平成八年度の本件各補助金及び平成九年度の本件補助金」に改め、同四行目末尾の次に「なお、平成一〇年度の本件補助金についても、法二三二条の三の規定に違反する事実が認められないことは、右と同様である。」を加える。 一二同八三頁五行目末尾の次に行を改め、次のとおり加え、同六行目の「(四)」を「(五)」に改める。 「(四) 法二条一三項違反の有無について法二条一三項は、地方公共団体は、その事務を処理するに当たっては、住民の福祉の増進に努めるとともに、最少の経費で最大の効果を挙げるようにしなければならないと規定し、地方公共団体がその事務を処理するに当たって準拠すべき指針を示している。 ところで、前記第二の一4(七)及び(一〇)並びに同6( に、最少の経費で最大の効果を挙げるようにしなければならないと規定し、地方公共団体がその事務を処理するに当たって準拠すべき指針を示している。 ところで、前記第二の一4(七)及び(一〇)並びに同6(二)及び(四)に記載したとおり、東京都は債権管理回収事業に要する経費として、東京都信用組合協会に対し、平成七年度ないし平成一〇年度に各二〇億円、合計八〇億円の補助金を交付しているところ、甲二四によれば、同協会が回収した債権額は、平成七年度に七二〇〇万円、同八年度に一〇二億九三〇〇万円、同九年度に一四〇億四四〇〇万円であり、平成一〇年度は、半期を経過した平成一〇年九月末日現在五二億五六〇〇万円で、合計三〇三億一五〇〇万円に達しており、右期間内に回収した債権額の全債権額に占める割合は、平成一〇年九月末日現在で二四・四パーセントとなっていることが認められる。 これによれば、平成七年度から平成一六年度までの一〇年間にわたることが予定されている本件事業期間のうち、平成七年度の本件補助金が交付され、コスモ信用組合から東京都信用組合協会に債権が譲渡された平成八年三月から約二年半が経過した時点で、約二四・四パーセントの債権が回収されているのであり、現在の経済環境の下において、この回収率が低いとは一概にはいえず、平成九年度及び平成一〇年度の本件各補助金の交付決定及び支出命令をもって、直ちに法二条一三項違反ということはできない。」一三同八三頁末行の「平成九年度」を「平成一一年度」に改める。 一四同八四頁三行目及び同五行目の各「平成九年度」を「平成一一年度」に、同三行目の「一六〇億円」を「一二〇億円」に、同八五頁三行目及び同九行目の各「平成九年度」を「平成一一年度」に各改める。 一五同八六頁一○行目の「できず、」の次に「また、法二条一三項の規定に違反すると 行目の「一六〇億円」を「一二〇億円」に、同八五頁三行目及び同九行目の各「平成九年度」を「平成一一年度」に各改める。 一五同八六頁一○行目の「できず、」の次に「また、法二条一三項の規定に違反するとの控訴人らの主張を採用することができないことは、前記第三の一1(四)で説示したとおりであって、」を加え、同末行の「平成九年度」を「平成一一年度」に改める。 第四結論以上によれば、控訴人らの請求のうち、控訴人らが、東京都に代位して、被控訴人Aらに対し損害賠償を求める請求及び被控訴人東京都知事らに対し、本件補助金交付協定に基づく平成一一年度以降の補助金の支出(補助金の交付決定及び支出命令)の差止めを求める請求はいずれも理由がないから、これを棄却すべきところ、これと同旨の原判決は相当であり、本件控訴及び当審における追加的併合にかかる請求はいずれも理由がないからこれを棄却することとし、主文のとおり判決する。 東京高等裁判所第一民事部裁判官岩田眞裁判官井口実裁判長裁判官河野信夫は退官につき署名押印することができない。 裁判官岩田眞

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