平成27(わ)4 窃盗被告事件

裁判年月日・裁判所
平成29年6月19日 奈良地方裁判所 葛城支部
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判決文本文16,388 文字)

主文 被告人を懲役3年に処する。 未決勾留日数中670日をその刑に算入する。 理由 (罪となるべき事実)被告人は,第1 平成26年12月2日午前3時頃から同日午後4時30分頃までの間に,和歌山県紀の川市AB番地C所在の農小屋において,D所有のトラクター1台(時価100万円相当)を窃取し,第2 同月6日午前2時頃から同日午前8時頃までの間に,大阪府岸和田市E町F番地のGH株式会社南西方約200メートル先農作業用倉庫において,I所有のトラクター1台(時価30万円相当)を窃取した。 (補足説明)当裁判所は,本件公訴事実について,同一性が認められる限度で,判示第1及び第2のとおり罪となるべき事実を認定したが,その理由は以下のとおりである。なお,以下においては,公判調書中の証人や被告人の供述部分は,単に証言又は供述と表記する。また,以下の出来事は,特記なき限り,平成26年のものである。 第1 弁護人の主張弁護人は,判示第1及び第2の事実について,被告人はいずれの犯行にも及んでいない旨主張するとともに,捜査機関はこれらの事実についてGPS端末等を利用した捜査を実施しているが,この捜査には令状主義の精神を没却するような重大な違法があり,上記捜査によって直接得られた証拠及びこれと密接な関連性を有する証拠は違法収集証拠として証拠排除されるべきであるから,その結果として被告人を犯人とする証拠がないことに帰する旨主張し,いずれにしても被告人は無罪であるとする。 第2 本件各証拠の証拠能力 1 本件の捜査経過関係各証拠によれば,以下の事実が認められる。 ⑴ GPS捜査の開始に至る経緯についてア 11月3日及び同月22日,J県K警察署(以下「K署」 証拠の証拠能力 1 本件の捜査経過関係各証拠によれば,以下の事実が認められる。 ⑴ GPS捜査の開始に至る経緯についてア 11月3日及び同月22日,J県K警察署(以下「K署」という。)管内において,トラクターの盗難事件が発生したことから,K署刑事第一課の司法警察員Lは,K署管内以外におけるトラクターの盗難事件の有無を確認したところ,9月から11月にかけて,大阪府及び和歌山県などで30件近くのトラクターの盗難事件が発生していることが判明した。 Lは,前記各トラクターの盗難事件では,トラクターが積載可能な2トン以上のトラック等が使用されていると考え,レンタカー会社に対する捜査を実施したところ,大阪府岸和田市内にあるレンタカー店(以下「本件レンタカー店」という。)において,8月頃から11月頃までの間,被告人名義で,トラクターが積載可能な2トントラックが25回にわたって借り受けられており,うち2回はK署管内で発生した2件のトラクターの盗難事件と同日に借り受けられていたことが判明した。 そこで,Lは,11月26日,被告人の犯罪経歴照会をした結果,被告人には窃盗だけでも10件の犯罪経歴があることが判明した。 さらに,Lは,被害品であるトラクターが転売のためにいずれかに運搬されたものと考え,転売先が兵庫県内にあるとの情報も頼りに,その付近の高速道路料金所の防犯カメラ画像を捜査したところ,11月22日にトラクターを積載したトラックがM道路(下り車線)N料金ステーションを通過し,同トラックを被告人に似ている人物が運転していたことが判明した。 イ K署刑事第一課は,以上の捜査結果から,被告人が今後も本件レンタカー店で借り受けたトラックを使用してトラクターの盗難事件を起こす蓋然性が高いものと判断し,被告人に対する行動確認捜査を した。 イ K署刑事第一課は,以上の捜査結果から,被告人が今後も本件レンタカー店で借り受けたトラックを使用してトラクターの盗難事件を起こす蓋然性が高いものと判断し,被告人に対する行動確認捜査を実施することとし た。上記行動確認捜査の際には,被告人が犯罪歴を多数有する者であって捜査手法を熟知し尾行を警戒する可能性があること,トラクターの盗難が深夜帯に農村地帯で行われていると考えられ,捜査車両のライトを点灯させての追尾が困難であること,そして,被害品の転売先を含め行動確認捜査が広域に及ぶと考えられ,目視だけで行動確認を継続することは困難であることから,被告人の借り受けるレンタカーにGPS端末等を取り付けることとした。 K署刑事第一課は,当初,J県警察本部の備品のGPS端末を使用して上記行動確認捜査を実施することを検討したが,同本部の備品のGPS端末が全て使用されていたことから,Lが私的にO株式会社(以下「O」という。)と契約していたPというGPS端末(以下「本件P」という。)及び同本部所属警察官所有のGPSロガー(以下「本件GPSロガー」といい,本件Pと併せて「本件GPS端末等」という。)を使用することとした。 ウ K署刑事第一課の司法警察員Qは,11月末頃,本件レンタカー店店長に対し,被告人がレンタカーを借り受ける場合にはK署まで事前連絡をするよう依頼し,その了承を得た。その際,Qは,同店長に対し,発信機様の物を取り付けさせてほしい旨依頼したところ,同店長から,店としてやってくれとは言えないが,警察の判断でやってくれたらいいと言われたことから,被告人が借り受けるレンタカーに本件GPS端末等を取り付けて行う行動確認捜査を実施することとした(以下「本件GPS捜査」という。)。 ⑵ 本件GPS端末等についてア本 言われたことから,被告人が借り受けるレンタカーに本件GPS端末等を取り付けて行う行動確認捜査を実施することとした(以下「本件GPS捜査」という。)。 ⑵ 本件GPS端末等についてア本件PについてOは,Pという端末の位置情報をGPS及び携帯電話の基地局を使って測定し,契約者に提供する位置情報提供サービスを実施しており,本件Pは,Lが私的に契約を締結して得た端末であった。 契約者は,契約者専用ホームページにアクセスする方法等によりPの位置情報を取得することができ,提供される位置情報の内容は,Pの現在位置の住所,周辺地図及び誤差メッセージ(位置情報の誤差の程度に関する情報)等であった。 提供される位置情報の精度は,路上等の良好な条件下では5メートルから100メートル前後,建物内等の人工衛星の電波が受信しにくい条件下では100メートルから数百メートル,地下等の人工衛星の電波が全く受信できない条件下では1キロメートル程度以上の誤差を生じ得るものであった。 イ本件GPSロガーについて本件GPSロガーは,その端末の位置情報をGPSにより取得して記録する端末であった。本件GPSロガーが記録した位置情報は,日時並びに経度及び緯度等を一覧化した表としてパソコン上に表示することができ,また専用ソフトウェアを用いることにより,地図上にGPSロガーの位置情報を連続して表示させることもできた。 本件GPSロガーにより取得される位置情報の精度は,水平で約2.5メートル以内であり,また,測定実施地点を中心とする半径10メートルの円内に95パーセントの測位点が入る程度のものであった。 ⑶ 運用要領等についてア警察庁刑事局刑事企画課長は,平成18年6月30日付けで,位置情報を取得する装置(移動追跡装置。本件GPS端末等はこれ 95パーセントの測位点が入る程度のものであった。 ⑶ 運用要領等についてア警察庁刑事局刑事企画課長は,平成18年6月30日付けで,位置情報を取得する装置(移動追跡装置。本件GPS端末等はこれに該当する。)を使用した捜査を任意捜査として実施するに当たっての必要事項として,移動追跡装置運用要領(以下「運用要領」という。)を制定したとして,各都道府県警察の長等に対して周知した。 運用要領では,任意捜査を行うに当たり移動追跡装置を用いる要件(「使用要件」)として,連続的に発生した窃盗等の特定の犯罪について,犯罪 の嫌疑,危険性の高さ等に鑑み速やかに被疑者を検挙することが求められる場合であって,他の捜査によっては対象の追跡を行うことが困難であるなど捜査上特に必要があることや,犯罪を構成するような行為を伴うことなく,被疑者の使用車両等に移動追跡装置を取り付けることが定められていた。また,これを使用する際の手続(「使用手続等」)として,任意捜査を行うに当たり移動追跡装置を用いる必要があるときは,あらかじめ警察本部捜査主管課長(以下「主管課長」という。)に申請してその承認を得なければならず,その運用に当たっては,捜査主任官は,所属長に対し,毎日の移動追跡装置の運用状況を報告しなければならず,所属長は,主管課長に対し,移動追跡装置の運用状況を1週間に1回以上報告しなければならないとされ,捜査主任官,所属長及び主管課長は,捜査の状況を踏まえ,移動追跡装置の運用について必要な見直しを行い,使用の継続の必要性がなくなったときは直ちにその使用を終了する措置をとらなければならないと定められていた。さらには,移動追跡装置を使用した捜査の具体的な実施状況等については,文書管理等を含め保秘を徹底するものとし,被疑者等の取調べでは,移動追跡装置を用い る措置をとらなければならないと定められていた。さらには,移動追跡装置を使用した捜査の具体的な実施状況等については,文書管理等を含め保秘を徹底するものとし,被疑者等の取調べでは,移動追跡装置を用いたことを明らかにしないこと,捜査書類には移動追跡装置の存在を推知させるような記載をしないこと及び事件広報の際には移動追跡装置を使用した捜査を実施したことを公にしないことを特に留意することと定められていた。 イ J県警察本部長は,平成21年11月24日,運用要領と同旨のJ県警察移動追跡装置運用要領を制定し,同年12月1日以降の移動追跡装置を用いた捜査を任意捜査として実施する際には同運用要領を遵守することとした。 ⑷ 本件GPS捜査の状況についてア判示第1に係る本件GPS捜査等についてK署は,12月1日昼頃,本件レンタカー店から,被告人がトラック を借り受けに来る旨の連絡を受け,L,Q及びK署刑事第一課司法警察員Rらは,捜査車両3台にそれぞれ分乗し,Lが行動確認捜査を指揮し,Q及びRが各班の班長としてLの指揮の下に行動確認捜査を行うこととした。 そして,Q班は,先行して本件レンタカー店に赴き,被告人が借り受ける予定の2トントラックの登録番号等を確認し,同トラックの車底に本件GPS端末等を磁石で取り付けた。 Lらは,同日午後7時5分頃,被告人が本件レンタカー店で前記トラックを借り受けて同店を出発したので,捜査車両3台で無線交信して連携しながら同トラックの追尾を開始したが,同トラックを失尾した場合には,Lが携帯電話機で本件Pの位置検索を行い,得られた位置情報を基に目視で周辺を探索するなどした。 Lらは,大阪府岸和田市S町内の被告人方前に上記トラックが停まっているのを少し離れた場所から監視していたが,同月2日午前1時頃, 検索を行い,得られた位置情報を基に目視で周辺を探索するなどした。 Lらは,大阪府岸和田市S町内の被告人方前に上記トラックが停まっているのを少し離れた場所から監視していたが,同月2日午前1時頃,同トラックが動き出したことから再び追尾を開始し,失尾した際には本件Pの位置検索を行い,同トラックが同市,泉佐野市,貝塚市等を経て,和歌山県紀の川市に入るのを確認した。そして,Rは,午前3時頃,上記トラックが判示第1の被害現場付近にあるコンビニエンスストアT店(以下「T店」という。)の駐車場に停車しているのを発見して監視していたが,その際には同トラックに積載物はなかった。その後,Rが上記トラックを見失ったことから,Lがその旨報告を受けて周辺の探索を命じたところ,Qは,午前4時24分頃,赤色トラクターを積載した同トラックがT店前の道路を北上するのを目撃した。 そこで,T店駐車場で待機していたLは,上記トラックの追尾を開始し,他の捜査車両もこれに続いた。 Lらが前記トラックの追尾を続けたところ,Qは,午前10時頃,同 トラックが岡山県備前市内に所在するU商店(以下「U商店」という。)の敷地内に停まっているのを確認したが,その荷台にはトラクターはなく,その敷地内には多数のトラクターが停まっていたのを目撃した。 Qは,被告人が午後4時30分頃に本件レンタカー店に前記トラックを返却した後,本件レンタカー店を訪れ,同トラックから本件GPS端末等を回収した。 Qは,トラクターを積載した前記トラックとT店南方の道路ですれ違ったことから,同店南側周辺で被害が発生したものと考え,12月3日,同店南側周辺で聞き込み捜査を行ったところ,被害品がD所有の赤色のV製のトラクターであることが判明した。 Lが12月1日午後7時頃から同月2日午後4時30 で被害が発生したものと考え,12月3日,同店南側周辺で聞き込み捜査を行ったところ,被害品がD所有の赤色のV製のトラクターであることが判明した。 Lが12月1日午後7時頃から同月2日午後4時30分頃までの間に本件Pの位置情報を取得した回数は,合計93回であった。 しかし,Lらは,判示第1に係る本件GPS捜査について,J県警察本部の事前の承認や使用状況等の報告を実践せず,無令状でこれを行っていた。 また,Lらは,同月3日付けで,上記GPS捜査の内容をまとめた行動確認結果捜査報告書を作成したが,同報告書には,Lらが目視した内容のみが記載されており,本件GPS端末等についての記載は一切なかった。 イ判示第2に係る本件GPS捜査等について L,Q及びRらは,12月5日,本件レンタカー店から,被告人がトラックを借り受けに来る旨の連絡を受けたことから,前回同様,捜査車両3台にそれぞれ分乗し,Lが行動確認捜査を指揮し,Q及びRが各班の班長としてLの指揮の下に行動確認捜査を行うこととし,まず,Q班が,本件レンタカー店に赴き,被告人が借り受ける予定の2トントラックの車底に本件GPS端末等を磁石で取り付けた。 Lらは,同日午後7時40分頃,被告人が本件レンタカー店で前記トラックを借り受けて同店を出発したので,捜査車両3台で本件Pの位置検索を行うなどして追尾を開始した。 その後,Lらは,被告人方前に上記トラックが停まっているのを少し離れた場所から監視していたが,同月6日午前1時頃,同トラックが動き出したことから再び追尾を開始し,大阪府貝塚市内などを走行する同トラックを途中で本件Pの位置検索を行いながら追尾し,午前2時頃,判示第2の被害現場付近にあるコンビニエンスストアW店(以下「W店」という。)の駐車場に同トラ 開始し,大阪府貝塚市内などを走行する同トラックを途中で本件Pの位置検索を行いながら追尾し,午前2時頃,判示第2の被害現場付近にあるコンビニエンスストアW店(以下「W店」という。)の駐車場に同トラックが停車しているのを発見したが,同トラックがまもなく同駐車場を出発してしまい失尾した。 Lらは,本件Pの位置検索を使いながら追尾を続けたところ,Rは,午前4時頃,同市内にある運送会社駐車場に上記トラックが停車しているのを発見したが,その荷台に積載物はなかった。Lらは,被告人がその場にいなかったので,犯行に及ぶのではないかと考え,周囲を徒歩で探索するなどしていたところ,R及びQは,午前4時23分頃,上記駐車場近くのコンビニエンスストアX店前の道路上を走行する上記トラックを発見し,その荷台に赤色トラクターが積載されているのを確認した。 Lらはその後も追尾を続けたところ,Qは,午前10時40分頃,前記トラックがU商店の敷地内に入り,その後,荷台のトラクターが下されたのを確認した。 Lらは,被告人が前記トラックに乗車してU商店を出発するのを確認し,午後2時51分頃,本件レンタカー店に同トラックを返却した後,判示第1の事実で発付された逮捕状により被告人を逮捕した。 そして,Lらは,同月9日,被告人がU商店に売却した被害品のトラクターがYに転売された事実を確認したので,Yから被害品のトラクターを領置したところ,同トラクターが,同月6日にZ警察署に被害届が 提出されていたIのトラクターであることが判明した。 Lが12月5日午後8時頃から同月6日午後3時頃までの間に本件Pの位置情報を取得した回数は,合計88回であった。 Lらは,判示第2に係る本件GPS捜査についても,J県警察本部の事前の承認や使用状況等の報告を実践せ 頃から同月6日午後3時頃までの間に本件Pの位置情報を取得した回数は,合計88回であった。 Lらは,判示第2に係る本件GPS捜査についても,J県警察本部の事前の承認や使用状況等の報告を実践せず,無令状でこれを行っていた。 また,Lらは,同月23日付けで,上記GPS捜査の内容をまとめた行動確認結果捜査報告書を作成したが,同報告書には,Lらが目視した内容のみが記載されており,本件GPS端末等についての記載は一切なかった。 2 本件GPS捜査の違法性の有無及びその程度について⑴ 本件GPS捜査は,対象車両の時々刻々の位置情報を検索し,把握すべく行われるものであるが,その性質上,公道上のみならず,個人のプライバシーが強く保護されるべき場所や空間における対象車両及びその使用者の所在や移動状況を逐一把握することが可能になるものである。このような捜査手法は,個人の行動を継続的,網羅的に把握することを必然的に伴うから,個人のプライバシーを侵害し得るものであり,捜査機関がそのような侵害を可能とする機器を個人の所持品に秘かに装着することは,公権力による私的領域への侵入を伴うものというべきである。 そうすると,個人のプライバシーの侵害を可能とする機器をその所持品に秘かに装着することによって,合理的に推認される個人の意思に反してその私的領域に侵入する捜査手法である本件GPS捜査は,個人の意思を制圧して憲法の保障する重要な法的利益を侵害するものとして,刑訴法上,特別の根拠規定がなければ許容されない強制の処分に当たる(最高裁判所昭和50第146号同51年3月16日第三小法廷決定・刑集30巻2号187頁参照)というべきである。そして,本件GPS捜査は,現行犯人逮捕等の令状を要しないものとされている処分と同視すべき事情があると認めるのも 1年3月16日第三小法廷決定・刑集30巻2号187頁参照)というべきである。そして,本件GPS捜査は,現行犯人逮捕等の令状を要しないものとされている処分と同視すべき事情があると認めるのも 困難であるから,令状がなければ行うことのできない処分と解すべきである第442号同29年3月15日大法廷判決参照)。 したがって,令状の発付を受けずに任意捜査として実施された本件GPS捜査は,違法といわざるを得ない。 ⑵ そこで,本件GPS捜査の違法の程度を検討するに,検察官は,K署警察官が本件におけるGPS捜査の必要性,緊急性及び相当性の存在を前提に適法な任意捜査として本件GPS捜査を実施したなどと指摘し,本件GPS捜査を行った警察官には令状主義を潜脱する意図はなかった旨主張する。 確かに,トラクターの盗難事件が頻発していた中で,窃盗だけでも10件の前科を有する被告人が,本件レンタカー店からトラックを借り受けて深夜帯に農村地帯にあるトラクターを窃取している蓋然性が認められる状況下において,K署警察官が,被告人の犯行の現認や被害品の処分先の把握等のために本件GPS捜査を実施する必要性を認めたのには無理からぬところがあり,また,本件GPS端末等を取り付ける対象車両が,被告人が犯行のために借り受けたとされるトラックであって,その移動状況等を把握することによる被告人のプライバシー侵害の程度は重大なものでないとして,本件GPS捜査を任意捜査として実施可能であると判断したことも,本件GPS捜査を実施した当時,GPS端末を用いた捜査が任意捜査として許容されるか否かの見解が分かれていたことに鑑みると,やむを得ない面がないわけではない。 しかし,本件GPS捜査においては,J県警察本部の備品のGPS端末ではなく,警察官の私物の本件GPS端末等が使用され か否かの見解が分かれていたことに鑑みると,やむを得ない面がないわけではない。 しかし,本件GPS捜査においては,J県警察本部の備品のGPS端末ではなく,警察官の私物の本件GPS端末等が使用され,また,運用要領及びこれを基に制定されたJ県警察移動追跡装置運用要領に違反して事前の承認や使用状況等の報告が実践されていなかったのであって,K署警察官には規範ひいては令状主義軽視の姿勢が看て取れる。そもそも,運用要領等は,捜査書類に移動追跡装置の存在を推知させるような記載をしないなどの保秘が 徹底されており,かかる運用はGPS端末を利用した捜査の適法性に係る司法審査を事前にも事後にも困難にするものであって,令状主義の精神に反するものといわざるを得ない。そして,Lの本件GPS捜査以前の本件Pの使用状況に係る供述内容も不合理で,Lが本件GPS捜査以外にも私物である本件PによるGPS捜査を複数回実施していたことが窺われることなどをも併せ考慮すれば,本件GPS捜査の違法の程度は,令状主義の精神を潜脱し,没却するような重大なものであると評価されてもやむを得ないものといわざるを得ない。 3 本件各証拠の証拠能力について以上のとおり,本件GPS捜査は違法であり,その程度は重大なものと評価できるところ,このような違法な捜査に密接に関連する証拠を許容することは,将来における違法捜査抑制の見地からも相当でないから,その証拠能力を否定すべきである。そこで,本件GPS捜査との関連性を検討した上で,本件各証拠の証拠能力について検討することとする。 ⑴ 本件GPS捜査と密接に関連するとして証拠能力が否定される証拠ア前記によれば,K署警察官は,本件GPS捜査によらなければ,判示第1及び判示第2のいずれの日も被告人を追尾することが困難で ⑴ 本件GPS捜査と密接に関連するとして証拠能力が否定される証拠ア前記によれば,K署警察官は,本件GPS捜査によらなければ,判示第1及び判示第2のいずれの日も被告人を追尾することが困難であったと認められる。そうすると,L,R及びQが本件GPS捜査中に感得したことを内容とする各証言は,本件GPS捜査と密接に関連する証拠と認められるから,その証拠能力を否定すべきである。他方,本件GPS捜査に至る経緯に係るL,R及びQの各証言は,本件GPS捜査と関連がないから,その証拠能力は認められる。 イ次に,判示第1の事実に係る証拠として,T店の防犯カメラ画像に係る写真撮影捜査報告書及び本件GPS捜査時に撮影したトラックに積載されたDのトラクターに係る写真撮影捜査報告書が,また,判示第2の事実に係る証拠として,W店の防犯カメラ画像に係る写真撮影捜査報告書がある ところ,上記各証拠は,K署警察官が本件GPS捜査により得た位置情報を基に被告人の行動を確認した上で得た証拠であり,本件GPS捜査と密接に関連する証拠といえるから,その証拠能力を否定すべきである。 検察官は,本件GPS捜査時に撮影したトラックに積載されたDのトラクターに係る写真撮影捜査報告書について,被告人が被害品を転売するためにN料金ステーションを通過する可能性が高いとの事前情報を基にLらが先回りして撮影したものであって,本件GPS捜査によらなくても得ることができた証拠であるから,証拠能力が認められるべきである旨主張する。しかし,検察官が主張するような事情があったとしても,それは,本件GPS捜査により被告人が運転するトラックにトラクターが積載されているのを現認することができ,転売先に向かうであろうことが予想されたことによるものであるから,上記証拠は本件 たとしても,それは,本件GPS捜査により被告人が運転するトラックにトラクターが積載されているのを現認することができ,転売先に向かうであろうことが予想されたことによるものであるから,上記証拠は本件GPS捜査と密接な関連性を有するといわざるを得ない。したがって,検察官の上記主張は採用できない。 ウ Dの警察官調書中,本件GPS捜査時に撮影したトラックに積載されたDのトラクターに係る写真撮影捜査報告書の写真を呈示し,同写真のトラクターの型式及び特徴から同トラクターが自身の所有する物であるとする供述記載部分は,たとえDの上記供述調書の作成に際し,Dの供述の任意性及び信用性を疑わせる事情が証拠上窺われないとしても,証拠能力が否定される本件GPS捜査時に撮影したトラックに積載されたDのトラクターに係る写真撮影捜査報告書と密接な関連性を有するものといえるから,上記部分も,証拠能力を否定すべきである。 ⑵ 本件GPS捜査と関連性を有するものの証拠能力が認められる証拠ア本件の被害に関する証拠判示第1の事実に係る被害に関する証拠として,D作成の被害届,Dのトラクターの機体番号等に係る捜査報告書,被害現場に係る写真撮影 報告書,Dのトラクターと同型機を合鍵で始動できることに係る捜査報告書及びDの警察官調書で,証拠排除される部分を除くものがあるところ,本件GPS捜査によりおおよその被害場所が判明し,Qがその周辺で聞き込み捜査をした結果,早期にDに係る被害を確認することができたのであるから,上記各証拠は,本件GPS捜査と関連性を有するものであるということができる。 しかし,Dは,Qの聞き込み捜査がなくても早晩その被害に気付いて被害届を提出したと考えられる上,判示第1の犯行がトラクターの盗難事件という特殊な事件であること するものであるということができる。 しかし,Dは,Qの聞き込み捜査がなくても早晩その被害に気付いて被害届を提出したと考えられる上,判示第1の犯行がトラクターの盗難事件という特殊な事件であることからすると,被害者の特定がさほど困難とはいえない。そして,前記認定のとおり,Lらが本件GPS捜査に至る以前から大阪府及び和歌山県においてトラクターの盗難事件が多発していたことを把握していたことからすると,仮にDが被害届をJ県警察以外に提出していたとしても,Lらはいずれ上記各証拠を得ることができたと認められる。 したがって,判示第1の事実に係る被害に関する前記各証拠は,本件GPS捜査と密接に関連するものであるとはいえないから,その証拠能力を認めるのが相当である。 判示第2の事実に係る被害に関する証拠として,I作成の被害届,被害現場特定捜査報告書,被害現場に係る写真撮影捜査報告書,実況見分調書及びIの警察官調書があるところ,前記同様,上記各証拠は,本件GPS捜査と関連性を有するものであるが,本件GPS捜査によらなくてもLらはいずれこれらを得ることができたと認められ,本件GPS捜査と密接に関連するものであるとはいえないから,その証拠能力を認めるのが相当である。 さらに,判示第2の事実に係る被害品に関する証拠として,Iの被害品に係る領置経過捜査報告書,Iの被害品状況に係る写真撮影報告書, Iの被害品確認状況に係る写真撮影捜査報告書,I作成の盗難被害品確認書及びYの警察官調書があるところ,上記各証拠は,本件GPS捜査を伴う行動確認捜査により判明した処分先であるU商店に対する捜査をした際に,その店主であるU(以下「U」という。)から転売先がYであることを聞き出し,同人から領置したIの被害品に関して作成されたものであるから,本件GP り判明した処分先であるU商店に対する捜査をした際に,その店主であるU(以下「U」という。)から転売先がYであることを聞き出し,同人から領置したIの被害品に関して作成されたものであるから,本件GPS捜査と関連性を有するものであることは否定できない。 しかし,本件GPS捜査によって被害品の処分先がU商店であることが判明したとしても,それにより直ちにその転売先であるYの存在が明らかになるとはいえず,転売先を供述するか否かはUの意思によるのであり,同様に,転売先であるYがUから被害品を購入したことを供述するか否かについてもYの意思によるのであって,上記各証拠は,本件GPS捜査により直接得られた証拠と同視することはできず,この捜査と密接に関連するものとはいえないから,その証拠能力を認めるのが相当である。 イ被告人使用車両内にあった鍵束に関する証拠捜索差押許可状に基づき差し押さえた被告人使用車両内から発見された農機具メーカー等の鍵を含む鍵束に係る証拠である鍵束の領置経過捜査報告書,鍵束に係る写真撮影捜査報告書及び鍵束でDのトラクターの同型機を始動できたことに係る実況見分調書は,上記捜索差押許可状が本件GPS捜査により得られた証拠を疎明資料として発付されたものと思料され,本件GPS捜査と関連性を有するものであるとの疑いはある。 しかし,上記鍵束は,司法審査を経て発付された被告人使用車両に対する捜索差押許可状に基づいて実施された捜索において発見されたものであり,上記捜索差押許可状の発付に当たっては,前記のとおり証拠能力が認められない本件GPS捜査の結果そのものが疎明資料となっている可能性 はあるものの,それ以外にも,前記のとおり証拠能力が認められる本件GPS捜査に至る捜査過程で得られた証拠も疎明資料とな められない本件GPS捜査の結果そのものが疎明資料となっている可能性 はあるものの,それ以外にも,前記のとおり証拠能力が認められる本件GPS捜査に至る捜査過程で得られた証拠も疎明資料となっているものと考えられ,この証拠能力が認められる疎明資料だけでも,上記捜索差押許可状が発付されたと考えられるし,この鍵束は,上記捜索差押許可状により差し押さえられたものではなく,被告人が任意提出して領置されたものであるから,上記鍵束に係る各証拠は,本件GPS捜査と密接に関連するものであるとはいえず,その証拠能力を認めるのが相当である。 ウ Uの証言Uの証言は,本件GPS捜査を伴う行動確認捜査により,被害品の処分先がU商店と判明したことにより,証人尋問が実施されて得られたものであるから,本件GPS捜査と関連性を有するといえる。 しかし,前記同様,Uが公判廷においていかなる証言をするかは,同人の意思によるのであり,Uの証言は,本件GPS捜査により直接得られたものと同視することはできず,この捜査と密接に関連するものであるとはいえないから,その証拠能力を認めるのが相当である。 第3 被告人の犯人性について 1 判示第2の事実について⑴ 関係証拠によれば,12月5日午後5時頃から同月6日午前8時頃までの間に,判示第2のとおり,同記載の被害現場でI所有のエンジンキーの付いた農業用トラクター(a製,塗色オレンジ色)が何者かにより盗まれたことが認められるところ,被告人が同月5日午後7時40分頃,本件レンタカー店から自己を運転手として同トラクターを積載することのできる2トントラックを借り受け,このトラックを運転して,同月6日午前2時頃,上記被害現場付近にあるW店に赴いたことは被告人も認めており,関係証拠上明らかである。こ して同トラクターを積載することのできる2トントラックを借り受け,このトラックを運転して,同月6日午前2時頃,上記被害現場付近にあるW店に赴いたことは被告人も認めており,関係証拠上明らかである。これらの事実によれば,被告人が上記トラクターを窃取したのではないかと疑われるところ,さらに,その内容が具体的で特に不自然なところ がなく,記憶のあることとないこととを区別しながら記憶にあることだけを供述しようとする態度が看て取れ,殊更に虚偽の供述をして被告人を罪に陥れなければならない関係にないことから信用性の認められるU証言その他関係証拠によれば,被告人が,同日午後2時51分頃に本件レンタカー店に対して同トラックを返却する前に,このトラックに上記トラクターを積載して岡山県備前市内のU商店に持ち込み,同商店にこのトラクターを6,7万円程度で売却したことが認められ,このような事実をも併せ考慮すると,被告人がW店に赴いた12月6日午前2時頃から,Iが被害に遭ったことを認識した同日午前8時頃までの間に,上記トラクターを窃取したと推認することができる。 ⑵ これに対して,被告人は,第4回公判において,Iのトラクターの窃取を否認し,12月5日,トラックを借りてW店に来てもらいたい旨記載されたメモとともに現金2万円が入ったbからの封筒が被告人方ポストに投函されていたことから,本件レンタカー店でトラックを借りて,同月6日午前2時頃,W店においてbに対して同トラックを渡したところ,bが同トラックにトラクターを積載して戻ってきた,その後は家に戻り,U商店には行っていないなどとし,あたかもbが判示第2の犯人であるかのような供述をする。 しかし,被告人によれば,bの連絡先を知らないというのであり,bから受け取ったとされる封筒等,同人の存在を裏付け っていないなどとし,あたかもbが判示第2の犯人であるかのような供述をする。 しかし,被告人によれば,bの連絡先を知らないというのであり,bから受け取ったとされる封筒等,同人の存在を裏付ける客観的な証拠もない。また,被告人によれば,bからのメモにはトラックを持参する場所の記載があったものの,それ以外に記載はなかったというのであって,そのようなメモの内容で前記日時に同人と合流できたというのもにわかに首肯しがたく,不自然というほかない。これらによれば,被告人が供述するb某なる人物が果たして存在しているのか,極めて疑わしいというべきである。 のみならず,弁護人は,期日間整理手続において,検察官の求釈明に対し,被告人が同月7日に上記トラックでU商店に向かい,上記トラクターを同店 にいた人物に引き渡したと回答しているが,この回答は被告人の供述を前提にしたと考えられるところ,上記のとおり,被告人は,公判廷ではこの事実を否認しており,本件の根幹部分において供述の変遷があるとみることができるが,この点について合理的な説明がなされていない上,信用性の認められるU証言にも反している。 したがって,被告人の供述は信用することができず,前記推認に合理的な疑いを抱かせるものではない。 ⑶ 以上のとおり,被告人が判示第2の窃取行為を行ったと認めることができる。 2 判示第1の事実について⑴ 関係証拠によれば,12月1日午後4時30分頃から同月3日午後4時30分頃までの間に,判示第1のとおり,同記載の被害場所でD所有のトラクター(V製,塗色赤色)が何者かにより盗まれたことが認められるところ,被告人が同月1日午後7時5分頃,本件レンタカー店から自己を運転手として上記トラクターを積載することのできる2トントラックを借り受け,このト 塗色赤色)が何者かにより盗まれたことが認められるところ,被告人が同月1日午後7時5分頃,本件レンタカー店から自己を運転手として上記トラクターを積載することのできる2トントラックを借り受け,このトラックを運転して,同月2日午前3時頃,上記被害現場付近にあるT店に赴いたことは被告人も認めており,関係証拠上も明らかである。 さらに,関係証拠によれば,上記トラクターは,判示第2のトラクターと異なり,盗まれた当時鍵は付いていなかったが,同型機の鍵であれば始動が可能であったところ,同月6日に被告人使用車両内から発見され領置された鍵束の中には同トラクターの同型機の鍵が含まれていたことが認められ,以上の事実によれば,判示第1の窃盗についても,被告人がこれを行ったのではないかと強く疑われる。 そして,U証言等によれば,被告人が,同月2日午後4時30分頃に本件レンタカー店に対して同トラックを返却する前に,このトラックにD所有の上記トラクターと同じ会社が製造した同じ赤色のトラクターを積載してU商 店に持ち込み,同商店にこのトラクターを16,17万円程度で売却したことが認められ,このような事実に,判示第2が被告人の犯行であり,判示第1の犯行も同様の犯行状況であることなども併せ考慮すると,判示第1の犯行についても,被告人がこれを行ったと推認できる。 これに対し,被告人は,判示第1の犯行についても,前同様否認しているが,bの存在自体が疑わしいこと,U商店に赴いて上記トラクターを引き渡したことについて供述の変遷があり,信用性の認められるU証言にも反していることは前記のとおりである。また,被告人は,前記鍵束について,公判廷ではbから渡されたなどと供述しているが,この鍵束が領置された際には「コレクションや」と自分の物であることを認める説明をしていたの ることは前記のとおりである。また,被告人は,前記鍵束について,公判廷ではbから渡されたなどと供述しているが,この鍵束が領置された際には「コレクションや」と自分の物であることを認める説明をしていたのであって,被告人の供述にはこの点においても変遷がみられ,これについて合理的な説明がなされているとはいえない。したがって,判示第1の犯行に関する被告人の供述も信用できず,前記推認に合理的な疑いを抱かせるには至らない。 ⑶ 以上のとおり,被告人が判示第1の窃取行為も行ったと認めることができる。 (累犯前科)被告人は,平成24年6月7日大阪地方裁判所堺支部で窃盗罪及び傷害罪により懲役2年8月に処せられ,平成26年7月11日その刑の執行を受け終わったものであり,この事実は,検察事務官作成の前科調書によって認める。 (法令の適用)罰条判示第1及び第2の各所為いずれも刑法235条刑種の選択判示第1及び第2の各罪いずれも懲役刑を選択累犯加重いずれも刑法56条1項,57条(前記の前科が あるので判示第1及び第2の各罪の刑についてそれぞれ再犯の加重)併合罪の処理刑法45条前段,47条本文,10条(犯情の重い判示第1の罪の刑に法定の加重)未決勾留日数の算入刑法21条訴訟費用の処理刑事訴訟法181条1項ただし書(不負担)(量刑の理由)本件は,被告人が2度にわたりトラクターを窃取した事案である。 転売して換金する目的でトラクターという特殊な物品を狙った職業的犯行であり,あらかじめ運搬用のトラックを借り受け,人目につかない深夜の農村地帯で厳重な保管がなされていない上記被害品を窃取するという犯行態様は,計画的で手慣れていて悪質 う特殊な物品を狙った職業的犯行であり,あらかじめ運搬用のトラックを借り受け,人目につかない深夜の農村地帯で厳重な保管がなされていない上記被害品を窃取するという犯行態様は,計画的で手慣れていて悪質である。しかも,本件の被害総額は130万円にも及んでおり,被害品のうち1台は還付されているものの,1台は転売されてしまっており,その結果も重大である。被告人は,前記累犯前科等,これまで窃盗やこれを含む罪などで多数回にわたり有罪判決を受けて服役し,矯正教育を受けたのに,前刑出所後わずか5か月余りで本件各犯行に及んでいる。盗犯の常習性は顕著であり,規範意識は鈍麻しているというほかない。 以上によれば,被告人の刑事責任を軽視することはできず,主文の刑に処するのはやむを得ないと判断した。 (求刑―懲役4年)平成29年6月19日奈良地方裁判所葛城支部 裁判長裁判官奥田哲也 裁判官西前ゆう子 裁判官大瀧泰平

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