【DRY-RUN】主 文 原判決を破棄し本件を仙台高等裁判所に差し戻す。 理 由 上告代理人平田半の上告理由第二点について。 上告人(第一審原告)が、昭和二三年八月中Dから本
主文 原判決を破棄し本件を仙台高等裁判所に差し戻す。 理由 上告代理人平田半の上告理由第二点について。 上告人(第一審原告)が、昭和二三年八月中Dから本件栗立木の内枕木原木適材全部を買受け、その所有権の譲渡を受けたことは、原判決の確定するところである。 原判決は、上告人が右栗立木の所有権取得をもつて、被上告人(第一審被告)に対抗し得るがためには、右立木につき第三者をしてその所有権取得を明認せしめるに足る公示方法を施すことを要するものであると判示した上、上告人が現場に巾四寸長さ二尺の板に「A合資会社枕木生産作業場」と墨書した公示札一本を地上約四尺の高さの棒に釘付けした事実を認定したが「右の事実と証拠保全における検証の結果に徴すれば、右公示札及び作業場の建設をもつてしては、係争栗立木が第一審原告(上告人)の所有であるかどうか、及びその取得の範囲を明認することができないから、これをもつてはいまだ前記公示方法を施したものとはいえず、従つて、第一審原告は係争栗立木の所有権取得をもつて、第一審被告(被上告人)に対抗し得ないものといわねばならない」として、この前提の下に、上告人の本訴請求のすべてを排斥したのである。 しかしながら、原判決の引用する検証調書の記載並びにその附属図面によれば、本件証拠保全のための検証当時(昭和二五年一一月七日)本件栗立木現場への上り道路の入口に、原判示のごとき公示札が立てられ、約一間をへだてて、間口二間、奥行三間の杉皮葺の山小屋が存在し、右製材作業現場であつた痕跡の歴然たるものがあり、(上告人が同年九月二六日以降右立木の伐採に着手し、判示仮処分決定前に栗枕木約千二百本、栗枕木原木約六百本を生産した事実は、原判決の確定するところである)。そして右検証当時には、既に生産せられた枕木 (上告人が同年九月二六日以降右立木の伐採に着手し、判示仮処分決定前に栗枕木約千二百本、栗枕木原木約六百本を生産した事実は、原判決の確定するところである)。そして右検証当時には、既に生産せられた枕木及びその原木は本件- 1 -立木の存在する現場の諸所に集積せられて一間乃至五、六間或は二十間を距てて、点在し、かつその枕木原木の多数には、その末口に上告人を表示するための刻印が押印されていた事実をみとめることができる。以上の事実関係が認められる以上、さらに、本件係争栗立木と右伐採小屋並びに公示札の場所的関係、右立木の林相或は所在場所の地理的状況、若しくは前記伐採原木の点在の模様等を精査するにおいては、当時、係争立木は何人がこれを伐採し、何人の実力支配下に在つたか、さらに、その範囲をも、外観上識別し得る状況に在つたことをみとめ得ないとはかぎらないのであつて、原判決がこれらの諸点について、十分の審理をしないで、漫然前叙のごとく判示して、上告人主張にかかる方法を以て未だ立木の所有権取得を第三者に対抗するための明認方法として不十分であるとして上告人の請求を排斥したのは審理不十分の違法を免れないものと云わなければならない。 よつて右論旨は理由あり、他の論旨について判断するまでもなく、原判決を破棄すべきものとし、民訴四〇七条を適用し、主文のとおり判決する。 この判決は全裁判官一致の意見によるものである。 最高裁判所第二小法廷裁判官栗山茂裁判官小谷勝重裁判官藤田八郎裁判官谷村唯一郎裁判長裁判官霜山精一は退官につき署名押印することができない。 裁判官藤田八郎裁判官谷村唯一郎裁判長裁判官霜山精一は退官につき署名押印することができない。 裁判官栗山茂- 2 -
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