令和4(行ウ)6 療養補償給付等不支給処分取消請求事件

裁判年月日・裁判所
令和5年11月14日 京都地方裁判所
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判決文本文16,819 文字)

令和5年11月14日判決言渡同日原本交付裁判所書記官令和4年(行ウ)第6号療養補償給付等不支給処分取消請求事件口頭弁論終結日令和5年8月22日判決当事者の表示省略 主文 1 京都上労働基準監督署長が原告に対して令和2年1月28日付けでした労働者災害補償保険法に基づく療養補償給付不支給処分及び休業補償給付不支給処分をいずれも取り消す。 2 訴訟費用は被告の負担とする。 事実及び理由 第1 請求主文同旨第2 事案の概要 1 概要 原告は、出版社に勤務していたところ、①長時間労働、②2週間以上の連続勤務、③配置転換及び退職の強要、④その他の勤務先法人代表者夫妻のパワーハラスメント行為といった業務上の事由により、平成27年4月頃、うつ病を発症したとして、京都上労働基準監督署長(処分行政庁)に対して労働者災害補償保険法(以下「労災保険法」という。)13条及び14条に基 づき、①平成28年1月14日から同年4月11日までの労働者災害補償保険療養補償給付、②平成29年1月9日から平成30年7月13日までの労働者災害補償保険休業補償給付を請求したが、処分行政庁は令和2年1月28日付けで当該各請求に対していずれも不支給決定を行った(以下「本件各処分」という。)。 本件は、原告が、本件各処分が違法であるとして、その取消しを求める事 案である。 2 前提事実(当事者間に争いがないか、後掲各証拠及び弁論の全趣旨により認められる事実)(1) 当事者等ア株式会社A(以下「本件会社」という。)は、京都市a区b町c番地所 在の事業場にて、出版、編集等の事業をしている株式会社である。 イ原告は、平成26年5月よ る事実)(1) 当事者等ア株式会社A(以下「本件会社」という。)は、京都市a区b町c番地所 在の事業場にて、出版、編集等の事業をしている株式会社である。 イ原告は、平成26年5月より本件会社にて、印刷物の編集と写真撮影等の業務に就労していた者である。 (2) 原告の発病原告は、平成27年4月下旬頃より、心身の不調が常態化し、ICD-1 0の診断ガイドラインにおける「F32 うつ病エピソード」を発病した(以下「本件疾病」という。)。 (3) 原告の休業の経緯原告は、本件疾病発病後も勤務を続けていたが、本件会社は、平成27年12月9日付けで、原告に対し、平成28年1月9日をもって原告を解雇す る旨の解雇予告通知書を交付した(以下「本件解雇」という。)。 原告は、平成28年11月10日、本件会社を被告とし、本件解雇の無効を前提に、労働契約上の地位確認及び賃金支払等を求める訴訟を提起した(京都地方裁判所平成28年(ワ)第3478号事件)。 原告と本件会社は、平成30年7月13日、上記訴訟において和解し、本 件解雇を無効とした上で、同日付けで原告が本件会社を退職する内容の合意をした。 (4) 療養補償給付及び休業補償給付の請求等ア原告は、平成30年12月18日、処分行政庁に対し、本件会社での業務に起因して本件疾病を発病したとして、労災保険法に基づく療養補償給 付及び本件解雇後の期間に係る休業補償給付(平成28年1月14日~平 成30年7月13日)の請求をした(乙10、11)。処分行政庁は、令和2年1月28日、本件疾病の発病は業務上の事由によるものとは認められないとして、療養補償給付及び休業補償給付をいずれも支給しない旨の処分(本件各処分)をした(甲1)。 イ原告は、本件各処分 令和2年1月28日、本件疾病の発病は業務上の事由によるものとは認められないとして、療養補償給付及び休業補償給付をいずれも支給しない旨の処分(本件各処分)をした(甲1)。 イ原告は、本件各処分を不服として審査請求をしたが、京都労働者災害補 償保険審査官は、令和2年9月24日、これを棄却する決定をした(以下「本件審査官決定」という。甲2)。 ウ原告は、同決定を不服として再審査請求を行ったが、労働保険審査会は、令和3年10月22日、これを棄却する裁決をした(甲3)。 エ原告は、令和4年4月4日、本件訴訟を提起した。 3 関係法令等の概要(1) 労災保険法ア労災保険法による保険給付は、労働者の業務上の負傷、疾病、障害又は死亡(以下「業務災害」という。)に関する保険給付とする(7条1項1号)。 イ業務災害に関する保険給付は療養補償給付、休業補償給付等とする。療養補償給付及び休業補償給付は、労働基準法75条から77条まで、79条及び80条に規定する災害補償の事由等が生じた場合に、補償を受けるべき労働者に対し、その請求に基づいて行う(12条の8第1項1号及び2号、2項)。 (2) 労働基準法労働者が業務上負傷し、又は疾病にかかった場合、使用者は、その費用で必要な療養を行い、又は必要な療養の費用を負担しなければならない(療養補償。75条1項)。 労働者が、前記の療養のため、労働することができないために賃金を受 けない場合においては、使用者は、労働者の療養中平均賃金の百分の六十 の休業補償を行わなければならない(休業補償。76条1 項)。 (3) 労働基準法施行規則ア労働基準法75条2項の規定による業務上の疾病は、別表第1の2に掲げる疾病とする(35条)。 イ人の生命に 償を行わなければならない(休業補償。76条1 項)。 (3) 労働基準法施行規則ア労働基準法75条2項の規定による業務上の疾病は、別表第1の2に掲げる疾病とする(35条)。 イ人の生命にかかわる事故への遭遇その他心理的に過度の負担を与える事 象を伴う業務による精神及び行動の障害又はこれに付随する疾病(別表第1の2第9号)(4) 精神障害に関する業務起因性の認定基準精神障害に関する業務起因性の判断については、厚生労働省労働基準局長が各都道府県労働局長宛てに発出した通達として、「心理的負荷による精神 障害の認定基準について」(本件各処分当時の基準は平成23年12月26日基発1226第1号(乙1。以下「認定基準」という。)であり、本件各処分後に、令和2年5月29日基発0529第1号(乙2)によって認定基準別表1の内容が改正された。)がある。 認定基準は、近時の医学的知見やそれまでの労災保険給付に係る認定事例、 裁判例の状況等を踏まえ、従前から依拠されていた「ストレス-脆弱性」理論を相当であるとして、これに引き続き依拠し、業務による心理的負荷(ストレス)の評価基準の改善と審査方法の改善等を提言した「精神障害の労災認定の基準に関する専門検討会報告書」(平成23年11月8日付けのものについて、乙3。令和2年5月付けのものについて、乙4)を踏まえて策 定・改正されたものである。認定基準(ただし、別表1については上記改正後のもの)の具体的な内容は、別紙認定基準の概要のとおりである。 4 争点及び当事者の主張本件の争点は、本件疾病の業務起因性の有無であり、これに関する当事者の主張は、以下のとおりである。 【原告の主張】 本件疾病は、以下の要因により発病したものであって、業務起因性が認め 争点は、本件疾病の業務起因性の有無であり、これに関する当事者の主張は、以下のとおりである。 【原告の主張】 本件疾病は、以下の要因により発病したものであって、業務起因性が認められる。 (1) 長時間労働による業務負荷ア事実関係原告の本件疾病発病時期である4月下旬から遡って3か月以上にわたる 期間において、原告の労働時間は、おおむね月間時間外労働時間が100時間前後の状況で推移し続けた状況にあった。 なお、本件審査官決定の認定は、本件会社における昼休憩の時間を正しく認定していないものではあるが、同認定に基づく集計においても、原告の時間外労働時間は、発病の直前時期である平成27年4月18日から遡 って同年3月20日までの30日間で92時間55分となっており、同年4月18日から同年2月16日まで、ほぼ常に月間100時間前後の時間外労働を行っている状況が続いている。 イ評価「発病直前の連続した3か月間に、1月当たりおおむね100時間以上 の時間外労働を行い、その業務内容が通常その程度の労働時間を要するものであった」(認定基準別表1・類型16)に該当し、心理的負荷強度は「強」である。 (2) 退職強要及び配置転換ア事実関係 原告は、平成27年4月中旬に、閑職である総務に配置され、それに先立つ面談では上司から「向いていると思う?辞めるか?」などと退職を強要された。 イ評価「左遷された」(認定基準別表1・類型21)「退職を強要された」(認 定基準別表1・類型20)に該当し、心理的負荷強度は「強」である。 (3) 2週間連続勤務ア事実関係原告は、平成27年3月9日から同月20日まで12日間連続勤務を行っており、その間、1日当たりの労 0)に該当し、心理的負荷強度は「強」である。 (3) 2週間連続勤務ア事実関係原告は、平成27年3月9日から同月20日まで12日間連続勤務を行っており、その間、1日当たりの労働時間が特に短い日や、労働密度が低い(手待ち時間が多い、など)といった事情はなかった。 イ評価「2週間(12日間)以上にわたって連続勤務を行った」(認定基準別表1・類型17)に該当し、「平日の時間外労働だけではこなせない業務量がある、休日に対応しなければならない業務が生じた等の事情により」同期間の業務を行っており、除外事由(短時間又は低密度)にも該当しないから、 心理的負荷強度は「中」である。 (4) パワーハラスメント行為ア事実関係原告は、本件会社代表者夫妻から、平成27年3月から発病前まで、継続的なパワーハラスメントを受けた。 イ評価パワーハラスメント(類型29)に当たり、心理的負荷強度は「強」、少なくとも「中」と評価されるべきである。 (5) 原告の主張する総合評価ア上記及びの各出来事の心理的負荷強度は「強」であり、それ自体か ら、業務起因性は肯定される。 イ上記ないしの各出来事の心理的負荷強度は、少なくとも心理的負荷強度が「中」と判断されるべきであり、上記の恒常的長時間労働から間がない期間に発症に至っていることからすれば、総合評価において、心理的負荷強度は「強」と判断すべきであり、業務起因性は肯定される。 【被告の主張】 本件疾病に業務起因性がある旨の原告の主張は、否認ないし争う。 (1) 長時間労働による業務負荷ア事実関係4月30日を起算として、発症直前の180日間(30日×6クールに区切ったもの)の時間外労働をした時間は、以下 の原告の主張は、否認ないし争う。 (1) 長時間労働による業務負荷ア事実関係4月30日を起算として、発症直前の180日間(30日×6クールに区切ったもの)の時間外労働をした時間は、以下のとおりであり、「おおむ ね100時間以上の時間外労働」が続いていたとはいえない。 ①4.1~4.30 72時間30分④1.1~1.30 67時間01分②3.2~3.31 87時間45分⑤12.2~12.31 76時間31分③1.31~3.1 81時間27分⑥11.2~12.1 86時間59分また、時間外労働時間の集計期間を任意に切り取っても、月(30日間) 100時間を超える労働時間が確認できる期間は、一時的なものに限られ、①平成26年10月24日~12月22日の間(約2か月)、②平成27年2月中旬から3月中旬までの間(約1か月)にとどまる。 イ評価長時間労働(類型16)のうち、心理的負荷の強度を「強」と判断する 具体例とされている「発病直前の連続した3か月間に、1月当たりおおむね100時間以上の時間外労働を行い、その業務内容が通常その程度の労働時間を要するものであった」事実はない。 (2) 退職強要及び配置転換ア事実関係 原告が、平成27年4月中旬に、総務に配置された事実は認める。当該配置転換により、原告に編集手当が支給されなくなり、また、残業がなくなることで賃金が低下した事実も存在する。 配置転換に先立つ面談において、本件会社の上司が、原告に対して退職を強要したことは否認する。 イ評価 (ア) 総務への配置転換は、原告の編集作業に関する能力や適性が一般に求められる水準に至っていなかったことが原因であり、合理的な理由による異動であるから、左遷とは 。 イ評価 (ア) 総務への配置転換は、原告の編集作業に関する能力や適性が一般に求められる水準に至っていなかったことが原因であり、合理的な理由による異動であるから、左遷とは評価できない。 また、異動先の業務内容は困難なものではなく、変化後の業務の負担は軽微なものであったから、心理的負荷の強度は、「弱」である。 なお、編集手当がなくなり、残業がなくなったことで賃金が低下したとしても、支給項目の変更や残業時間数の減少が原因であるから、心理的負荷の評価の対象とはならない。心理的負荷の評価の対象となるのは、面談において、編集手当がなくなることの通知を受けたことにとどまるものである。 (イ) また、配置転換についての説明内容が、退職強要に当たる内容であったとは認められない。 仮に、原告が述べる事実関係を前提にしたとしても、原告がB氏から「むいていると思うか。辞めるか。」旨言われたことは、B氏が、編集業務をこのまま続けるには原告の能力が不足しているという事実を原告 に伝え、編集の仕事を続けるか否かの選択を原告に求めたという限度にとどまっており、実際に原告に対しては、異動がなされたにとどまる。 (3) 2週間連続勤務ア事実関係原告は、平成27年3月9日から同月20日まで12日間連続勤務を行 っているが、原告は、編集作業のミスが多いために平成26年12月末で編集チームから外れ、連続勤務をした平成27年3月頃は、B氏のもとでタッチタイピングができないことを指導されていた状況にあった。 イ評価連続勤務の間、業務内容に困難性があり、特に原告にとって繁忙煩雑な 業務があったと認めることはできず、原告が何らかの理由により休日出勤 を行った結果、連続勤務になったにすぎ 評価連続勤務の間、業務内容に困難性があり、特に原告にとって繁忙煩雑な 業務があったと認めることはできず、原告が何らかの理由により休日出勤 を行った結果、連続勤務になったにすぎず、当時、特に休日に対応しなければならない業務が生じたというやむを得ない事情は見いだせないことから、その心理的負荷の強度は「弱」にとどまるというべきである。 (4) パワーハラスメント行為ア事実関係 原告が、平成27年4月中旬、B氏から呼び出され、編集から総務へ配置転換になったこと、及び退職を強要されたことについては、上記のとおり、原告の編集業務における能力を評価した上での会社としての対応であるため、業務上必要かつ相当な範囲を超えたものとはいえない。 イ評価 パワーハラスメント行為による心理的負荷があったとは評価できない。 (5) 被告の主張する総合評価ア上記及びのエピソードの心理的負荷強度は「弱」である。 イ上記及びの出来事の心理的負荷強度が「弱」であるところ、認定基準別表1によれば、恒常的長時間労働が認められる場合の総合評価として、 「具体的出来事の心理的負荷の強度が、労働時間を加味せずに「弱」程度と評価される場合であって、出来事の前及び後にそれぞれ恒常的な長時間労働(月100時間程度となる時間外労働)が認められる場合には、総合評価は「強」とする」とされている。 しかし、「配置転換があった」及び「退職を強要された」は、いずれも 平成27年4月中旬(4月11日~4月20日)の出来事とされており、出来事の前には恒常的長時間労働が認められるものの、出来事の後には認められないことから、各出来事の総合評価は「弱」にとどまる。 また、「12日間の連続勤務を行ったこと」は、当該連続勤務期間 おり、出来事の前には恒常的長時間労働が認められるものの、出来事の後には認められないことから、各出来事の総合評価は「弱」にとどまる。 また、「12日間の連続勤務を行ったこと」は、当該連続勤務期間である、平成27年3月9日から同月20日までを除く期間における恒常的長 時間労働と総合評価することとなるが、出来事の前には恒常的長時間労働 が認められるものの、出来事の後には認められないことから、各出来事の総合評価は「弱」にとどまるというべきである。 ウ以上によれば、評価期間において心理的負荷が認められる出来事は、総合評価が「弱」となる出来事が3つとなるから、全体評価は「弱」にとどまる。 第3 当裁判所の判断 1 精神疾患の業務起因性に関する判断枠組み労災保険法に基づく保険給付は、労働者の業務上の疾病等について行われるところ(同法7条1項1号)、労働者の疾病等を業務上のものと認めるためには、業務と疾病等との間に相当因果関係が認められることが必要である (最高裁昭和51年11月12日第二小法廷判決・裁判集民事119号189頁参照)。そして、労災保険制度が、労働基準法上の危険責任の法理に基づく使用者の災害補償責任を担保する制度であることからすれば、上記の相当因果関係を認めるためには、当該疾病等の結果が、当該業務に内在又は通常随伴する危険が現実化したものであると評価し得ることが必要である(最高 裁平成8年1月23日第三小法廷判決・裁判集民事178号83頁、同平成8年3月5日第三小法廷判決・裁判集民事178号621頁参照)。 精神障害発病の機序について、今日の精神医学的・心理学的知見としては、環境由来のストレス(心理的負荷)と個体側の反応性・脆弱性との関係で精神的破綻が生じるか否かが決まり、ストレスが 1頁参照)。 精神障害発病の機序について、今日の精神医学的・心理学的知見としては、環境由来のストレス(心理的負荷)と個体側の反応性・脆弱性との関係で精神的破綻が生じるか否かが決まり、ストレスが非常に強ければ、個体側の脆 弱性が小さくても精神障害が起こるし、逆に、個体側の脆弱性が大きければ、ストレスが小さくても破綻が生じるという「ストレス-脆弱性理論」が広く受け入れられていることが認められる(乙5、弁論の全趣旨)。被告は、上記理論等に加え、最新の医学的知見を踏まえて業務起因性判断の基準として認定基準(第2の3⑷)を策定している。認定基準は、労災保険の実務を行う 行政庁内部の通達にすぎず法的な拘束力までは認められないとしても、その 内容には合理性があるものと認められるから、認定基準の定める要件に該当すれば、より科学的・合理的な知見との抵触があるなどの特段の事情がない限り、業務起因性が認められると解するのが相当である。そして上記「ストレス-脆弱性理論」の趣旨及び社会的実態・要請等に照らすと、業務の危険性の判断は、原告と同種の平均的労働者、すなわち、何らかの個体側の脆弱 性を有しながらも、原告と職種、職場における立場、経験等の社会通念上合理的な属性と認められる諸要素の点で同種の者であって、特段の勤務軽減まで必要とせずに通常業務を遂行することができる者を基準として、当該労働者の置かれた具体的状況における心理的負荷が一般に精神障害を発病させる危険性を有するか検討し、当該業務による負荷が当該精神障害を発病させた と認められる場合には、業務に内在し又は随伴する危険性が実現したとして、業務と精神障害発病との間に相当因果関係が認められると解するのが相当である。 2 認定事実前提事実に加え、証拠(原告本人、甲3 られる場合には、業務に内在し又は随伴する危険性が実現したとして、業務と精神障害発病との間に相当因果関係が認められると解するのが相当である。 2 認定事実前提事実に加え、証拠(原告本人、甲31のほか、各項掲記のもの)及び 弁論の全趣旨によれば、本件において、以下の事実が認められる。 (1) 本件会社における業務内容及び業務体制についてア本件会社は、労働者数が10名に満たない小規模な出版社であった。 イ原告は、平成26年5月に本件会社に入社した後、平成27年4月まで、大学案内のパンフレット作成や取材などの編集業務、同月から平成28年 1月まで、本の注文を取ったり配送するなどの総務を担当していた(乙17、26)。 ウ本件会社の就業規程(乙13、甲9)上、編集業務に従事する社員については、残業手当に相当するものとして編集手当が支給されることとされており、原告の在職中の編集手当額は、月額5万円であった。 (2) 原告の労働時間 平成27年4月30日からさかのぼって180日間の原告の労働時間は、おおむね別紙「労働時間集計表」(省略)(乙24・1頁から6頁)のとおりである。 上記労働時間は、①タイムカード記録が残されている期間については、始業時刻及び終業時刻をタイムカードどおりとし、②タイムカード記録が残さ れていない期間については、ノー残業デーとされる水曜日のみ始業時刻9時、終業時刻18時、その余の勤務日を始業時刻9時、終業時刻21時とし、③配置転換後の平成27年4月22日以降、終業時刻を18時とし、④通常の所定労働時間以上就労している日の休憩時間は、原則1就労日あたり30分とし、⑤別途、時間が特定できる資料がある就労日について、平成27年3 月12日の休憩時間を20分、同月1 時とし、④通常の所定労働時間以上就労している日の休憩時間は、原則1就労日あたり30分とし、⑤別途、時間が特定できる資料がある就労日について、平成27年3 月12日の休憩時間を20分、同月16日の終業時刻を22時とし、同月26日の休憩時間を5分と修正したものである。(甲2・45~48頁、乙14、15、24、25、27、28。)(原告は、1就労日あたりの原則的な休憩時間はせいぜい20分であった旨主張し、本件訴訟においては原告本人もその旨供述する。しかし、原告は、 処分行政庁職員が本件各処分に先立ち行った調査においては、令和元年11月14日付けで、標準的な休憩時間を「決まりとして昼1時間であるが、実際は半分の30分しかなく、その時間で昼食を取っていた」と申告しており(乙27)、それを基に算出した労働時間では、認定基準で心理的負荷強度が「強」となる労働時間に達しないと判明した後に、休憩時間に関する説明 を変遷させている。また、原告が提出する同時期の家族とのやり取り(甲24)には当該期間における休憩時間についての言及はなく、原告の同僚が休憩時間について処分行政庁の職員に供述した内容も「休憩時間については忙しくてきちんと取れなかったこともあったが、常態ではなかった」との程度にとどまり、本件において、標準的な休憩時間が20分程度であったとの原 告供述を裏付ける的確な証拠はない。以上の事情を考慮すると、原告の同供 述部分をそのとおり採用することはできない。)(3) 平成27年3月頃までの原告の業務内容ア原告は、平成26年に入社後、先輩の協力を得ながら、編集業務に従事し、特に、写真撮影の技術を評価されて、京都府警の警察官募集ポスター、パンフレット、関西医科大学の大学案内パンフレットなどにつき、取材活 平成26年に入社後、先輩の協力を得ながら、編集業務に従事し、特に、写真撮影の技術を評価されて、京都府警の警察官募集ポスター、パンフレット、関西医科大学の大学案内パンフレットなどにつき、取材活 動を行い、記事の校正作業等に従事した。また、大きい仕事として、京都府から依頼のあったレッドデータブックという植物や動物などの絶滅危惧種の本の編集作業にも従事するようになった。(甲13、16、18、21、乙17、35、36)イ原告は、パソコンのキーボードを見ずに入力作業を行うタッチタイピン グの技術や、レイアウト作業の能力が、本件会社の編集業務で要求される水準に達しておらず、また、校正作業でもミスが多かったため、遅くとも平成27年2月までにはレッドデータブックの編集チームから外れて、本件会社の事業者の妻であり管理職であるBから直接指導を受ける機会が増えた。(乙17、35、36) (4) 総務への異動本件会社は、上記イのとおり原告の能力が編集業務を任せるには足りず、また、改善の見込みも乏しいと評価し、原告にこれ以上編集の業務を行わせることはできないと判断し、Bにおいて、平成27年4月頃、原告と面談し、「(編集の仕事が)向いていると思う?辞めるか?」などと話をし、平成2 7年4月中旬に総務に配置転換した(乙17、26)。 (5) 異動後の原告の業務内容ア総務の仕事は、取次店を通じて本件会社に注文が入った出版物について、パッキングし、自転車で5分程度の距離にある取次店まで直接運搬する、もしくは、東京にある取次店宛に宅配の手配をするというものが中心であ り、毎日仕事があるものではなく、それ以外の時間は、掃除等の雑用を行 うという閑職であった(甲16、25、26、乙30)。 イ原告は、本件会社 配の手配をするというものが中心であ り、毎日仕事があるものではなく、それ以外の時間は、掃除等の雑用を行 うという閑職であった(甲16、25、26、乙30)。 イ原告は、本件会社において編集業務従事者の人手が足りなかったことから、平成27年6月から8月にかけて、再度編集の業務を任され、その後、また総務として、掃除等の雑用に従事した(乙17、26)。 ウ編集手当約5万円が支払われなくなった結果、総務に従事中の原告の給 与は、月額約15万円台(税引き前)まで減少した(乙26)。 3 争点(本件疾病について業務起因性が認められるか)についての判断(1) 認定基準によれば、①対象疾病(主にICD-10のF2「統合失調症、統合失調型障害および妄想性障害」、F3「気分(感情)障害」及びF4「神経症性障害、ストレス関連障害および身体表現性障害」に分類される 精神障害)を発病していること、②対象疾病の発病前おおむね6か月の間に、業務による強い心理的負荷が認められること及び③業務以外の心理的負荷及び個体側要因により発病したとは認められないことのいずれの要件も満たす対象疾病は、労働基準法施行規則別表第1の2第9号に該当する業務上の疾病として取り扱うものとされている(別紙「認定基準の概要」 参照)。 本件において、原告が発症した本件疾病は、ICD-10の対象疾病F4「神経症性障害、ストレス関連障害および身体表現性障害」に分類される精神障害であって(前提事実)、上記①の要件を満たすものであり、また、前記認定事実及び本件全証拠(特に医証)によっても、業務以外の心理的負 荷及び個体側要因により原告が本件疾病を発症したことは医学的に明らかとまで判断できない(別紙「認定基準の概要」4参照)から、上記③の要件も満た 証拠(特に医証)によっても、業務以外の心理的負 荷及び個体側要因により原告が本件疾病を発症したことは医学的に明らかとまで判断できない(別紙「認定基準の概要」4参照)から、上記③の要件も満たすものである。 よって、上記②の要件、原告に本件疾病の発病前おおむね6か月の間に、業務による強い心理的負荷が認められるかどうかについて、認定基準に沿っ て判断する。 まず、前記のとおりの事実関係からすれば、本件において、認定基準別表1の「特別な出来事」に該当する業務による出来事があったとは認められない。 そこで、原告が主張する本件疾病発症6か月前の具体的な出来事について、心理的負荷の強度を検討する。 (2) 総務への異動(「配置転換」(認定基準別表1項目21)関係)についてア認定事実からのとおり、原告は写真の技術を評価されて本件事業所において編集業務に携わっていたところ、平成27年4月中旬頃、総務に配置転換され、かつ、その業務は、納品等のほかは掃除等の雑用仕事が中心の閑職であり、給与としても編集手当相当額である月額5万円の減額を 伴うものであったから、このような配置転換は、「配置転換としては異例なものである」とまではいえないものの、「明らかな降格であって、職場内で孤立した状況になった」ものであり、少なくとも心理的負荷強度は「中」であるというべきである。 イ本件において、出来事自体の心理的負荷に加えて、恒常的な長時間労働 (月100時間程度となる時間外労働)を関連させて総合評価を行うかどうかについて検討するに、本件疾病発症から6か月以内の原告の労働時間は、認定事実のとおりであるところ、その間の任意の30日間における所定外労働時間は、別紙「恒常的長時間労働確認表」(省略)のとおりであ ついて検討するに、本件疾病発症から6か月以内の原告の労働時間は、認定事実のとおりであるところ、その間の任意の30日間における所定外労働時間は、別紙「恒常的長時間労働確認表」(省略)のとおりである。 そうすると、原告は、配置転換(4月中旬)の前に、2月中旬から3月中旬にかけて月100時間程度(2月17日、同月18日及び同月19日を起算とする30日間は、いずれも100時間超の勤務が認められる。)となる時間外労働に従事していたことが認められ、当該負荷も考慮して、心理的負荷について検討する必要がある。 そして、認定基準別表1(総合評価における共通事項)に当てはめて検 討すると、本件疾病は「具体的出来事の心理的負荷の強度が労働時間を加味せずに「中」程度と評価される場合であって、出来事の前に恒常的な長時間労働(月100時間程度となる時間外労働)が認められ、出来事後すぐに(出来事後おおむね10日以内に)発病に至っている場合」に当たるから、上記配置転換の総合評価は「強」に修正されるものである。 ウこれに対し、被告は、①原告の配置転換は、原告の編集作業に関する能力や適性が一般的に求められる水準に至っていなかったことが理由であったことは明らかであり、また、平成27年6月には関西医科大学のパンフレットの写真撮影を任されており上司から評価されていた撮影の仕事まで外されたわけではないから、会社の人事上の措置である配置転換として異 例なものとはいえず、原告の能力・適正に着目した配置転換にとどまるものであるとして、労働時間を加味しない心理的負荷の強度は「弱」にとどまると主張する。さらに、②収入の減少については、平成27年5月度の給与から現実化するものであるとともに、残業の減少という合理的理由に基づくものであるか 間を加味しない心理的負荷の強度は「弱」にとどまると主張する。さらに、②収入の減少については、平成27年5月度の給与から現実化するものであるとともに、残業の減少という合理的理由に基づくものであるから、本件出来事の心理的負荷の強度を評価する上では 考慮できない旨主張する。 この点、確かに、原告の配置転換は、原告の編集作業に関する能力や適性が一般的に求められる水準に至っていなかったことが要因であることは認められる(認定事実イ及び)が、配置転換後の業務は、その中心的な業務である本の配送については毎日仕事があるものではなく、それ以外 の時間は、掃除等の雑用を行うという閑職(認定事実ア)であり、また、配置転換がされた時点において、本件会社でも評価されていた原告の技能(写真撮影)を生かすような業務上の配慮がされていたことも見受けられない(認定事実イのとおり、本件会社において原告が配置転換後に写真撮影の業務を行う際には編集業務への復帰という扱いがされており、総務 への配置転換の際に、カメラマンとしての取材への同行などは予定されて いなかったことがうかがわれる。)のであって、本件会社が行った配置転換に、その心理的負荷の強度を「弱」に修正するほどの人事措置上の合理性があったとは評価できない。また、総務の仕事が閑職であり、今後、残業の発生が見込まれないことは、配置転換を告げられた時点で、原告に明らかな事情であったといえ、また、給与の増減は一般的には給与労働者の 最大の関心事の一つであることからすれば、配置転換に関する心理的負荷の強度を評価する上で、当該配置転換によって見込まれる実収入の増減の程度を考慮することは十分に合理性があるものである。 よって、上記被告の主張は、いずれも採用できず、上記ア及びイのとお 理的負荷の強度を評価する上で、当該配置転換によって見込まれる実収入の増減の程度を考慮することは十分に合理性があるものである。 よって、上記被告の主張は、いずれも採用できず、上記ア及びイのとおりの当裁判所の判断を左右しない。 (3) そうすると、原告の主張するその余の出来事(12日間連続勤務、退職勧奨、パワーハラスメント)の心理的負荷の強度について判断するまでもなく、原告につき、本件疾病の発病前おおむね6か月の間に、業務による強い心理的負荷が認められる。 (4) よって、本件疾病の業務起因性についての原告の主張には理由がある。 4 まとめ以上によれば、本件疾病は「業務上の疾病」(労基法施行規則35条、同規則別表第1 の2第9号、労災保険法7 条1項)に該当するから、原告に対し、業務起因性が認められないことを根拠として療養補償給付及び休業補償給付を支給しないこととした本件各処分は違法であり、取り消されるべきである。 第4 結語以上の次第で、原告の本件請求には理由があるから、これらをいずれも認容することとして、主文のとおり判決する。 京都地方裁判所第3民事部裁判長裁判官 植田智彦 裁判官 向 健志 裁判官 大野友己 (別紙) 裁判官 大野友己 (別紙) 認定基準の概要(乙1、2) 1 対象疾病認定基準で対象とする疾病(対象疾病)は、国際疾病分類第10回修正版(以下「ICD-10」という。)第Ⅴ章「精神および行動の障害」に分類される精神障害であって、器質性のもの及び有害物質に起因するものは除かれる。対 象疾病のうち業務に関連して発病する可能性のある精神障害は、主としてICD-10のF2「統合失調症、統合失調型障害および妄想性障害」、F3「気分(感情)障害」及びF4「神経症性障害、ストレス関連障害および身体表現性障害」に分類される精神障害である。 2 認定要件 ①対象疾病(上記1)を発病していること、②対象疾病の発病前おおむね6か月の間に、業務による強い心理的負荷が認められること、及び③業務以外の心理的負荷及び個体側要因により発病したとは認められないことのいずれの要件も満たす対象疾病は、労働基準法施行規則別表第1の2第9号に該当する業務上の疾病として取り扱う。 3 業務による心理的負荷の強度の判断⑴ 判断枠組み「対象疾病の発病前おおむね6か月の間に、業務による強い心理的負荷が認められること」(2②)とは、対象疾病の発病前おおむね6か月の間に業務による出来事があり、当該出来事及びその後の状況による心理的負荷が、 客観的に対象疾病を発病させるおそれのある強い心理的負荷であると認められることをいう。 したがって、業務による心理的負荷の強度の判断に当たっては、対象疾病発病前おおむね6か月の間に、対象疾病の発病に関与したと考えられる業務によ れのある強い心理的負荷であると認められることをいう。 したがって、業務による心理的負荷の強度の判断に当たっては、対象疾病発病前おおむね6か月の間に、対象疾病の発病に関与したと考えられる業務によるどのような出来事があり、また、その後の状況がどのようなものであ ったのかを具体的に把握し、それらによる心理的負荷の強度はどの程度であ るかについて、認定基準の別表1「業務による心理的負荷評価表」(以下「認定基準別表1」という。本判決末尾に添付(省略)。)を指標として、「強」(業務による強い心理的負荷が認められるもの)、「中」(経験の頻度は様々であって「弱」よりは心理的負荷があるもの)、「弱」(日常的に経験するものであって一般的に弱い心理的負荷しか認められないもの)の三 段階に区分する。 ⑵ 出来事の評価次のとおり判断し、総合評価が「強」と判断される場合に認定要件②を満たすものとする。 ア発病前おおむね6か月の間に、認定基準別表1の「特別な出来事」に該 当する業務による出来事が認められた場合には、心理的負荷の総合評価を「強」と判断する。これには、「生死にかかわる、極度の苦痛を伴う、又は永久労働不能となる後遺障害を残す業務上の病気やケガをした」「業務に関連し、他人を死亡させ、又は生死にかかわる重大なケガを負わせた(故意によるものを除く)」等がある。 イ 「特別な出来事」に該当する出来事がない場合には、発病前おおむね6か月の間に認められた業務による出来事が、認定基準別表1の「具体的出来事」のいずれに該当するか判断し、該当する「具体的出来事」に示された具体例の内容に、認定した「出来事」や「出来事後の状況」についての事実関係が合致する場合には、その強度で評価し、合致しない場合には、 「心理的負荷の総 断し、該当する「具体的出来事」に示された具体例の内容に、認定した「出来事」や「出来事後の状況」についての事実関係が合致する場合には、その強度で評価し、合致しない場合には、 「心理的負荷の総合評価の視点」及び「総合評価における共通事項」に基づき、具体例も参考としつつ個々の事案ごとに評価する。 ウ対象疾病の発病に関与する業務による出来事が複数ある場合は、それぞれの出来事について総合評価を行い、いずれかの出来事が「強」の評価となる場合には「強」と判断し、いずれの出来事でも単独では「強」の評価 とならない場合、①それらの複数の出来事が関連して生じているときはそ の全体を1つの出来事として評価し、原則として、最初の出来事を「具体的出来事」として認定基準別表1に当てはめ、関連して生じた各出来事は出来事後の状況とみなす方法により全体評価を行い、②各出来事に関連性がないときは、主として出来事の数、各出来事の内容(心理的負荷の強弱)、各出来事の時間的な近接の程度を元に、その全体的な心理的負荷を 評価する。この場合、単独の出来事の心理的負荷が「中」である出来事が複数生じている場合には、全体評価は「中」又は「強」となり、「中」の出来事が1つあるほかには「弱」の出来事しかない場合には、原則として全体評価も「中」であり、「弱」の出来事が複数生じている場合には、原則として全体評価も「弱」となる。 ⑶ 時間外労働時間数の評価時間外労働(週40時間を超える労働時間数をいう。)を行い、それが発病日から起算した直前の1か月間におおむね160時間を超える時間外労働となっている場合には、当該極度の長時間労働に従事したことのみで心理的負荷の総合評価を「強」とする。 長時間労働以外に特段の出来事が存在しない場合には、長時間労 160時間を超える時間外労働となっている場合には、当該極度の長時間労働に従事したことのみで心理的負荷の総合評価を「強」とする。 長時間労働以外に特段の出来事が存在しない場合には、長時間労働それ自体を出来事とし、認定基準別表1の具体的出来事の項目16の「1か月に80時間以上の時間外労働を行った」に当てはめて心理的負荷を評価する。その平均的な心理的負荷の強度は「Ⅱ」であるが、発病日から起算した直前の2か月間に1月当たりおおむね120時間以上の時間外労働を行い、その業 務内容が通常その程度の労働時間を要するものであった場合等には、心理的負荷の総合評価を「強」とする。 さらに、他の出来事がある場合、出来事に対処するために生じた長時間労働は、心身の疲労を増加させ、ストレス対応能力を低下させる要因となることや、長時間労働が続く中で発生した出来事の心理的負荷はより強くなるこ とから、出来事自体の心理的負荷と恒常的な長時間労働(月100時間程度 となる時間外労働)を関連させて総合評価を行う。 4 業務以外の心理的負荷及び個体側要因の判断前記2の「③業務以外の心理的負荷及び個体側要因により発病したとは認められないこと」とは、次の場合をいう。 業務以外の心理的負荷及び個体側要因が認められない場合 業務以外の心理的負荷又は個体側要因は認められるものの、業務以外の心理的負荷又は個体側要因によって発病したことが医学的に明らかであると判断できない場合 以上

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