昭和55(オ)978 損害賠償

裁判年月日・裁判所
昭和57年9月7日 最高裁判所第三小法廷 判決 棄却 大阪高等裁判所 昭和53(ネ)1666
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【DRY-RUN】主    文      本件上告を棄却する。      上告費用は上告人の負担とする。          理    由  上告代理人北島孝儀の上告理由について  原審が認定した事実は、要するに、(1)

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判決文本文1,424 文字)

主文 本件上告を棄却する。 上告費用は上告人の負担とする。 理由 上告代理人北島孝儀の上告理由について原審が認定した事実は、要するに、(1) 一審被告Dは上告人方居宅前の犬舎で闘犬用の土佐犬を飼育していたところ、昭和五〇年三月二二日午前一一時ころ、Dの雇人のEが、直前に清酒二合ほどを飲んで酔つていたにもかかわらず、Dが不在であり、そのため同人に代り保管にあたつていた上告人も所用で外出している間に、右犬舎から本件土佐犬(雄三歳体重約五〇キログラム)を連れ出したため、おりから闘犬大会に備え特別に訓練を受けて興奮しやすい状態にあつた右土佐犬が、附近路上を通行中の被上告人らの長男F(当時二歳)を襲い、同人を死亡させるという本件事故が発生した、(2) 闘犬用の土佐犬は、体格や体力が通常の飼犬とは比較にならないほど強大で性格も獰猛であつて、その管理については他人の生命身体等に危害を加えることのないよう格段の注意を払わねばならないのに、飼主のDは従前からこれを怠り、本件事故に至るまですでに少くとも一〇回にわたり、同人飼育中の土佐犬が通行人や他人の飼犬を襲う事故がくりかえされていた、(3) 上告人は、Dが右のような危険な飼育管理をしていることを知りながら、自己の所有にかかる居宅の一部を右土佐犬の飼育場所として提供し、犬舎の掃除、餌の準備、D不在中の保管などを担当して、同人のする土佐犬の飼育に協力していた、(4) Eは前にD及び上告人に無断で土佐犬を連れ出したことがあり、上告人が外出中犬舎の施錠を十分にしておかないと、Eが本件土佐犬を連れ出し事故を起す危険があつたのに、上告人は、本件土佐犬の入つていた犬舎を差込錠一個があるだけで誰でも容易に犬を連れ出すことが可能な状態で路上に置いていた、というもの ておかないと、Eが本件土佐犬を連れ出し事故を起す危険があつたのに、上告人は、本件土佐犬の入つていた犬舎を差込錠一個があるだけで誰でも容易に犬を連れ出すことが可能な状態で路上に置いていた、というものであるところ、- 1 -右事実の認定は、原判決挙示の証拠関係に照らし正当として是認することができる。 右事実関係のもとにおいては、上告人は、他人の生命身体に危害を加える可能性の大きい闘犬について、その飼主が危険防止のための十全の措置をとらず事故が続発していることを知りながら、その飼育の場所を提供し、かつ、日常その飼育に協力するなど飼主のため多大な便益を提供していたのであるから、少くともみずから右闘犬の保管にあたる場合においては、右の便益の提供の結果として生じる他人の生命身体に対する危険の発生を防止すべき高度の注意義務を負つていたものということができるところ、Eを含む第三者が容易に本件土佐犬を連れ出せる程度の施錠装置しかない犬舎を路上に置いたまま漫然外出した上告人には、右の注意義務の違反があるものというべく、同人はFの死亡につき民法七〇九条の不法行為責任を免れないものと解するのが相当である。これと同旨の原審の判断は正当であつて、原判決に所論の違法はない。論旨は、採用することができない。 よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。 最高裁判所第三小法廷裁判長裁判官横井大三裁判官伊藤正己裁判官寺田治郎裁判官木戸口久治- 2 - 裁判官 寺田治郎 裁判官 木戸口久治

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