- 1 - 令和4年2月10日判決言渡令和3年(行コ)第77号納骨堂経営許可処分取消,納骨堂経営変更許可処分取消請求控訴事件(原審・大阪地方裁判所平成29年(行ウ)第148号〔第1事件〕,第150号〔第2事件〕,令和2年(行ウ)第61号〔第3事件〕) 主 文 1 控訴人Aら6名の本件控訴について⑴ 原判決中控訴人Aら6名に係る部分を取り消す。 ⑵ 控訴人Aら6名の本件訴えをいずれも大阪地方裁判所に差し戻す。 2 控訴人会社の本件控訴について ⑴ 本件控訴を棄却する。 ⑵ 訴訟費用中,控訴人会社と被控訴人との間に生じたものは,第1,2審とも,控訴人会社の負担とする。 事実及び理由 第1 控訴の趣旨 1 原判決を取り消す。 2 本件をいずれも大阪地方裁判所に差し戻す。 第2 事案の概要(以下,略語は,本判決で新たに定めるもののほか,原判決の例による。ただし,原判決中,「納骨堂経営変更許可」とあるのは「納骨堂施設変更許可」と読み替えるものとする。) 1 本件は,大阪市長がB寺に対してした墓地,埋葬等に関する法律(墓埋法)10条1項に基づく納骨堂経営許可処分(本件許可処分)及び同条2項に基づく納骨堂施設変更許可処分(本件各変更許可処分)について,納骨堂施設所在地付近に居住し又は土地建物を所有している控訴人らほか3名が,上記各許可処分は墓埋法及び関係法令に定める許可基準を満たして おらず違法であるなどと主張して,被控訴人を相手に上記各許可処分の取- 2 - 消しを求めた事案(墓埋法10条1項に基づく本件許可処分の取消しを求めるのが第1事件及び第2事件,同条2項に基づく本件各変更許可処分の取消しを求めるのが第3事件)である。 分の取- 2 - 消しを求めた事案(墓埋法10条1項に基づく本件許可処分の取消しを求めるのが第1事件及び第2事件,同条2項に基づく本件各変更許可処分の取消しを求めるのが第3事件)である。 原審は,控訴人らを含む第1審原告らにはいずれも原告適格が認められないと判断して,訴えをいずれも却下する判決をしたところ,これを不服 とする控訴人らが控訴を提起した(控訴人ら以外の第1審原告3名は控訴を提起しておらず,この関係は原判決が確定している。)。 2 請求の趣旨,法令等の定め,前提事実,争点及び争点に関する当事者の主張は,下記3のとおり当審において控訴人らが追加補充した主張を加えるほか,原判決「事実及び理由」中の第1及び第2の1から4までに記載 のとおりであるから,これを引用する。 3 当審において控訴人らが追加補充した主張⑴ 控訴人らの主張ア控訴人ら主張利益㋐(生活環境に関する利益)について本件細則8条本文は,墓地等の経営及び施設変更許可の基準として, その保護対象施設を学校,病院及び人家と個別具体的に特定した上で,これらの保護対象施設の敷地からおおむね300メートル以内の場所に墓地等があるときという明確な基準を定めてこの場合の許可を原則禁止しているところ,距離制限規定は,個々の保護対象者の所在地を起点とする一定の距離内において当該保護対象者に不利益をもたらす施設等の 設置を禁止するものであるから,このような距離制限規定が設けられていること自体から,本件細則8条本文には保護対象施設の敷地からおおむね300メートル以内の場所に居住する住民等の個々の保護対象者の利益を個別的利益としても保護すべきものとする趣旨及び目的が含まれていると解することができる。 ま の敷地からおおむね300メートル以内の場所に居住する住民等の個々の保護対象者の利益を個別的利益としても保護すべきものとする趣旨及び目的が含まれていると解することができる。 また,納骨堂はいわゆる嫌忌施設であるところ,本件細則10条2- 3 - 号は納骨堂の周囲に塀を設けることを規定している。同条1号は,同様に,墓地の周囲に塀を設けることを規定しているが,樹木を植えて塀に代えることができるとされていることからは,納骨堂の周囲の塀は,防火上の観点からだけでなく,嫌忌施設である納骨堂の存在が周囲から見えにくくするために要求されているものと解される。したがって,同条 2号は,周辺住民が嫌忌施設である納骨堂を目にすることにより生じる景観上の被害の防止もその目的とするものと解される。 以上によれば,嫌忌施設である納骨堂が設置されることに起因して本件細則8条本文の距離制限区域内の周辺住民が受ける精神的苦痛を受けない利益は,法律上保護された利益であると解することができる。 確かに,嫌忌施設には様々なものがあり,人によってその受け止め方は相当に異なるものではあるが,そのことから直ちに嫌忌施設に起因する精神的苦痛を受けない利益が法律上保護された利益になり得ないとはいえない。当該嫌忌施設を嫌忌する理由が社会通念上相当でない場合や特殊な好悪の感情によるものである場合は別として,社会通念上相当 かつ一般的な理由に基づくものであれば,周辺住民の嫌忌施設に起因する精神的苦痛を受けない利益も法律上保護された利益に当たると解すべきである。この点,納骨堂を嫌忌する理由は,人が生活の本拠として暮らしを営む場所の目の前に,人の死を象徴し,多数の遺骨を収蔵する施設が設置され,日常生活の中で常にこれと接しなけ 利益に当たると解すべきである。この点,納骨堂を嫌忌する理由は,人が生活の本拠として暮らしを営む場所の目の前に,人の死を象徴し,多数の遺骨を収蔵する施設が設置され,日常生活の中で常にこれと接しなければならなくなるこ とを苦痛に思うという感情であり,このような嫌忌の感情は社会通念上相当かつ一般的なものである。このことは,不動産評価において近隣に納骨堂があることが減価要因となることからも明らかである。 イ控訴人ら主張利益㋑(生命,身体の安全に関する利益)について本件細則10条2号が納骨堂について定める防火設備要件は,単に 焼骨の保護のみを目的とする規定ではなく,納骨堂の火災を防止し,も- 4 - って,火災の際の延焼等により被害が及ぶことが想定される周辺住民の生命・身体の安全に関する利益を保護する趣旨と解される。この周辺住民の生命・身体の安全に関する利益は,法律上保護された利益と解すべきである。 ウ被控訴人ら主張利益㋒(財産的利益)について 納骨堂は嫌忌施設であることから,控訴人らには,現実に周辺の不動産価格の下落という財産的被害が生じている。 墓埋法及び本件細則が直接財産的利益を保護しているかは議論の余地があるが,少なくとも,本件細則8条のような嫌忌施設の設置を制限する規定を置くことにより,間接的に周辺住民の財産上の被害を防止し ているものと解される。 ⑵ 被控訴人の主張控訴人ら主張利益㋐(生活環境に関する利益)について,本件細則8条本文が規定する施設は,学校,病院及び人家であり,その範囲は極めて広いこと,距離については「おおむね300メートル」というあいまいな 文言であって一定の距離による明確な基準とはいえないこと,300メート る施設は,学校,病院及び人家であり,その範囲は極めて広いこと,距離については「おおむね300メートル」というあいまいな 文言であって一定の距離による明確な基準とはいえないこと,300メートル以内か否かによって利益の要保護性を区分する合理的理由はないことからは,本件細則8条により保護される利益は,専ら一般的公益であると解すべきである。 控訴人らは,納骨堂は嫌忌施設であり,その存在により周辺住民に精 神的苦痛をもたらすと主張するが,そもそも,嫌忌施設の概念自体が明確ではない上,一般的に納骨堂の存在自体が周辺住民に軽減困難な精神的苦痛をもたらすという事情は存在しない。 第3 当裁判所の判断 1 争点1(原告適格の有無)について ⑴ 判断枠組み- 5 - 控訴人らは本件許可処分及び本件各変更許可処分の名宛人ではないが,そのような第三者であっても,当該処分により自己の権利若しくは法律上保護された利益を侵害され,又は必然的に侵害されるおそれのある者は,行政事件訴訟法9条1項にいう「法律上の利益を有する者」に当たるというべきであり,当該処分の根拠となる法令が,不特定多数者の具体的利益 を専ら一般的公益の中に吸収解消させるにとどめず,それが帰属する個々人の個別的利益としてもこれを保護すべきものとする趣旨を含むと解される場合には,このような利益もここにいう法律上保護された利益に当たるというべきである(最高裁平成17年12月7日大法廷判決・民集59巻10号2645頁参照)。 以下,上記の考え方を前提に,行政事件訴訟法9条2項に従って,墓埋法と目的を共通にする関係法令の趣旨及び目的をも参酌して,本件許可処分の取消しを求める控訴人らが第1事件又は第2事件につき,本件各変更許可処分の取消しを求める ,行政事件訴訟法9条2項に従って,墓埋法と目的を共通にする関係法令の趣旨及び目的をも参酌して,本件許可処分の取消しを求める控訴人らが第1事件又は第2事件につき,本件各変更許可処分の取消しを求める控訴人A,同C,同D,同E及び控訴人会社が第3事件につき,それぞれ原告適格を有するかどうか検討する。 ⑵ 墓埋法についてア墓埋法は,墓地,納骨堂又は火葬場の管理及び埋葬等が,国民の宗教的感情に適合し,かつ公衆衛生その他公共の福祉の見地から,支障なく行われることを目的とするものであり(1条),この目的を達成するため,墓地等を経営しようとする者及び墓地等の施設を変更しようとす る者は,都道府県知事等の許可を受けなければならない旨を定める(10条1項及び2項)。墓埋法は,この都道府県知事等の許可の要件について何ら具体的な定めを置いていないが,これは,墓地等の経営,施設の在り方が,高度の公益性を有するとともに,国民の風俗習慣,宗教活動,各地方の地理的条件等に依存する面を有し,一律的な基準による規 制になじみ難いことに鑑み,上記許否の判断を都道府県知事等の広範な- 6 - 裁量に委ねる趣旨に出たものと解される。 イ墓埋法の上記規定のみから,墓埋法10条1項及び2項所定の都道府県知事等による許可が,当該墓地等の周辺に居住する者個々人の個別的利益をも保護することを目的としていると即断することは困難であると解される(最高裁平成12年判決参照)。しかし,墓埋法1条が定め る「国民の宗教的感情」や「公衆衛生」は,個々人の個別的利益とおよそなじまないような性格のものではなく,また,上記都道府県知事等の許可の要件について何ら具体的な定めを置かず,その広範な裁量に委ねている墓埋法の構造に照らして考えても,地方公 々人の個別的利益とおよそなじまないような性格のものではなく,また,上記都道府県知事等の許可の要件について何ら具体的な定めを置かず,その広範な裁量に委ねている墓埋法の構造に照らして考えても,地方公共団体又はその長が条例又は規則をもって墓埋法と目的を共通にする関係法令(行政事件訴訟 法9条2項)を定めるに当たり,墓埋法の上記目的を達成するため,墓地等の周辺に居住する住民等の個々人の個別的利益の保護を当該関係法令の趣旨及び目的の中に取り込むことも,地方公共団体又はその長の裁量に委ねられていると解するのが相当である。 ⑶ 墓埋法と目的を共通にする「関係法令」の範囲 アまず,本件細則は,地方自治法15条1項に基づき普通地方公共団体の長である大阪市長が制定した規則であり,「法令」に該当する。そして,本件細則1条が,墓埋法の施行についてはこの細則の定めるところによる旨規定し,本件細則5条,6条,8条及び10条が,墓地等の経営許可等の申請に対する許可基準等を規定していることに照らせば, 本件細則は,墓埋法と目的を共通にする「関係法令」に該当するものと解される。 イ他方,生活衛生課長が定めた本件審査基準は,行政機関の定立した内部的基準である裁量基準であって,法規の性質を有するものとは解し得ず,墓埋法や本件細則の委任に基づいて定められたものでもないから, 墓埋法と目的を共通にする「関係法令」に該当するとはいえない。 - 7 - ⑷ 本件細則の趣旨及び目的を参酌した検討ア本件細則8条本文は,墓埋法10条1項及び2項の申請に係る墓地等の所在地が,学校,病院及び人家の敷地からおおむね300メートル以内の場所にあるときは当該許可を行わない旨規定し,本件細則8条ただし書は,大阪市長が当該墓地等の付近の生活 及び2項の申請に係る墓地等の所在地が,学校,病院及び人家の敷地からおおむね300メートル以内の場所にあるときは当該許可を行わない旨規定し,本件細則8条ただし書は,大阪市長が当該墓地等の付近の生活環境を著しく損なうおそ れがないと認めるときは,この限りでない旨規定する。また,本件細則5条2項2号及び6条2項は,墓埋法10条1項及び2項の規定による許可を受けようとする者が提出する申請書には,墓地等の周囲300メートル以内の地形及び建物の状況を明示した図面を添付しなければならない旨規定し,上記規制を手続面から補完している。 このように,本件細則8条は,本文において,具体的な距離制限という形で,学校,病院及び人家の敷地に近接する場所での墓地等の経営を原則として認めない規制を定めるとともに,ただし書において,「当該墓地等の付近の生活環境を著しく損なうおそれ」がない場合に,上記制限の解除を認めており,本件細則8条を全体としてみれば,距離制限 区域内の人家の居住者の生活環境に係る利益,学校及び病院の利用者環境の確保に係る施設設置・管理者の利益(以下,上記居住者並びに学校及び病院の施設設置・管理者を「周辺住民等」と,周辺住民等の上記利益を「生活環境等に係る利益」という。)を,個別的利益として保護する趣旨及び目的が含まれていることは明らかである。大阪市長は,墓地 等の管理及び埋葬が国民の宗教的感情に適合することなどを要請する墓埋法の目的(1条)を達成するため,周辺住民等の生活環境等に係る利益の保護を本件細則の趣旨及び目的に取り込んだものと解することができる。控訴人ら主張利益㋐(生活環境に関する利益)は,これと同趣旨をいうものと理解される。 イまた,本件細則10条1項本文,2項及び3項は,墓地,納骨 に取り込んだものと解することができる。控訴人ら主張利益㋐(生活環境に関する利益)は,これと同趣旨をいうものと理解される。 イまた,本件細則10条1項本文,2項及び3項は,墓地,納骨堂及- 8 - び火葬場のいずれについても構造設備として周囲に塀を設けることを要求しているところ,これは,塀を設置することにより墓地等が周囲から見通せないようにすることで,墓地等の利用者にとっては静謐な環境で死者を悼むことを可能とするとともに,墓地等の周辺住民等にとっては死を象徴する施設を日常的に目にすることにより生じ得る精神的苦痛を 和らげることも目的としているといえる。したがって,本件細則10条の上記規定も,本件細則8条について上記アで述べたところと同様,周辺住民等の生活環境等に係る利益を保護する趣旨及び目的を含むものと理解される。 ウ以上のとおり,墓埋法と目的を共通にする関係法令である本件細則 の上記趣旨及び目的をも参酌すると,本件許可処分及び本件各変更許可処分の根拠である墓埋法10条1項及び2項は,単に,墓地等の管理及び埋葬等が国民の宗教的感情に適合し,公衆衛生その他公共の福祉の見地から支障なく行われるようにするという公益的見地にとどまらず,墓地等の周辺住民等の生活環境等に係る利益を個別的利益として保護する 趣旨をも含むと解することができる。 なお,被控訴人が援用する最高裁平成12年判決は,墓埋法10条1項の施行に関する条例において,本件細則8条本文類似の距離制限を設ける一方,その制限の解除を専ら公益的見地から行うべきことが定められていた事案に関する判断であって,本件に適切ではない。 エ被控訴人は,近隣での納骨堂の経営が許可されたからといって,周辺住民等に直ちに具体的なストレス 的見地から行うべきことが定められていた事案に関する判断であって,本件に適切ではない。 エ被控訴人は,近隣での納骨堂の経営が許可されたからといって,周辺住民等に直ちに具体的なストレス等の健康被害や精神的苦痛等の著しい被害が生ずるものではなく,仮に,控訴人らの主張するような精神的苦痛や生活環境の悪化が生じるとしても,それは受忍限度内のものである旨主張する。 しかし,納骨堂は,遺骨を収蔵する施設であるという性格上,周辺- 9 - 住民等の宗教的感情に様々な影響を及ぼす可能性を否定できないデリケートな側面を有しているところ,本件細則の規定に違反した違法な納骨堂の経営及び施設変更が許可され,その結果,死者を悼む静謐な施設として備えるべき基本的な配慮を欠く納骨堂が周辺住民等に無防備な形でさらされるような状態になった場合には,周辺住民等に対し,一般人の 通常の宗教的感情に照らして受け入れ難いような重大な精神的苦痛を与えるおそれがないとはいえず,このような精神的苦痛が当然に受忍限度内のものであると解することはできない。 オまた,被控訴人は,控訴人主張利益㋐は,一般的公益に吸収解消されるものである主張し,その理由として,①本件細則8条本文が規定す る保護対象施設の範囲が極めて広いこと,②「おおむね300メートル」という距離制限はあいまいで明確な基準とはいえないこと,③300メートル以内か否かによって利益の要保護性を区分する合理的理由がないことを挙げる。 しかし,①本件細則8条の距離制限の対象施設は,「学校,病院及 び人家」と明確かつ具体的に定められており,実際の適用上予想される対象が広範囲に及ぶとしても,同条が周辺住民等の生活環境等に係る利益を個別的利益として保護するものである 設は,「学校,病院及 び人家」と明確かつ具体的に定められており,実際の適用上予想される対象が広範囲に及ぶとしても,同条が周辺住民等の生活環境等に係る利益を個別的利益として保護するものであるとの解釈を妨げるものではない。また,②「おおむね300メートル以内」という距離制限の「おおむね」の文言は,敷地の範囲や境界が不明確な人家であっても大阪市長 の合理的な判断で距離制限の区域内か否かを決めることができるという程度の意味合いにすぎないものと解され,明確な基準でないとはいえない。そして,③300メートル以内という区分の不合理性を述べる点については,違法な納骨堂の経営等が許可されることにより,周辺住民等に重大な精神的苦痛をもたらす可能性があることは前記のとおりである ところ,墓地等からの距離が近接するほど,これによる精神的苦痛が増- 10 - 大すると考えられるから,墓地等からの距離が近接するおおむね300メートルの範囲で周辺住民等の要保護性を区分することには合理性が認められる。 被控訴人の主張はいずれも採用することができない。 ⑸ 控訴人Aら6名の原告適格について 以上の認定判断に基づいて判断するに,控訴人Aら6名は,本件細則8条本文が規定する距離制限区域内に存する人家(登記上は事務所とされている建物であっても,現に居住の用に供されているものはこれに含まれると解する。)に居住する者であるから(前提事実⑴ア),本件許可処分又は本件各変更許可処分により自己の法律上保護された利益(生活環境等 に係る利益)を侵害され,又は必然的に侵害されるおそれのある者といえる。よって,本件許可処分の取消しを求めている控訴人Aら6名は第1事件につき,本件各変更許可処分の取消しを求めている控訴人A,同C, に係る利益)を侵害され,又は必然的に侵害されるおそれのある者といえる。よって,本件許可処分の取消しを求めている控訴人Aら6名は第1事件につき,本件各変更許可処分の取消しを求めている控訴人A,同C,同D及び同Eは第3事件につき,それぞれ原告適格を有する。 ⑹ 控訴人会社の原告適格について ア控訴人会社は,本件細則8条本文が規定する距離制限区域内の病院及び学校の設置・管理者ではなく,距離制限区域内に居住する者にも当たらないから,生活環境等に係る利益の主体たり得ず,本件許可処分及び本件各変更許可処分の取消しを求める訴え(第2事件及び第3事件)について,原告適格を有しないというべきである。 イ控訴人らは,控訴人ら主張利益㋑(生命,身体の安全に関する利益)及び控訴人ら主張利益㋒(財産的利益)についても主張するが,いずれも控訴人会社の原告適格を肯定する根拠となるものではない。 すなわち,控訴人ら主張利益㋑は,生命,身体の安全に関する利益であるから,その利益を受ける主体は自然人に限られるところ,控訴人 会社は法人であるから,そもそも上記利益を受ける主体に当たらない。 - 11 - また,墓埋法及びこれと目的を共通にする本件細則を検討しても,墓地等の周辺に不動産を所有する者が,当該不動産価格の下落という被害を受けない利益を,個別的利益として保護する趣旨を含むと解すべき根拠となるような規定は見受けられない。したがって,納骨堂周辺に不動産を所有する者の財産的利益(控訴人ら主張利益㋒)が,法律上保護 された利益に当たるということはできない。 2 以上によれば,控訴人会社の訴えは原告適格を欠くものとして却下を免れないものの,控訴人Aら6名の訴えについては,適法な原告適格の具備を前 保護 された利益に当たるということはできない。 2 以上によれば,控訴人会社の訴えは原告適格を欠くものとして却下を免れないものの,控訴人Aら6名の訴えについては,適法な原告適格の具備を前提に本案の審理判断をすべきところ,控訴人ら全員の訴えをいずれも却下した原判決は一部失当である。よって,控訴人会社の控訴は理由がないから これを棄却することとし,控訴人Aら6名の控訴は理由があるから,原判決中控訴人Aら6名に係る部分を取り消した上,民事訴訟法307条本文により,その訴えをいずれも第1審裁判所に差し戻すこととし,主文のとおり判決する。 大阪高等裁判所第13民事部 裁判長裁判官宮坂昌利 裁判官杉浦徳宏 裁判官田辺麻里子
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