平成2(行ウ)71 所得税更正処分等取消請求事件

裁判年月日・裁判所
平成3年4月26日 東京地方裁判所 租税
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【DRY-RUN】○ 主文 一 原告の請求を棄却する。 二 訴訟費用は原告の負担とする。 ○ 事実及び理由 第一 原告の請求の趣旨と被告の答弁 一 原告の請求の趣旨 原告の昭和六二年分の所得税について、被告がいずれも昭

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判決文本文4,935 文字)

○ 主文一原告の請求を棄却する。 二訴訟費用は原告の負担とする。 ○ 事実及び理由第一原告の請求の趣旨と被告の答弁一原告の請求の趣旨原告の昭和六二年分の所得税について、被告がいずれも昭和六三年一一月二八日にした更正(以下「本件更正」という。)の内分離長期譲渡所得金額について一億二六〇八万八七五一円を超える部分及び加算税額を二九三万五〇〇〇円とする過少申告加算税の賦課決定(以下「本件決定」という。)を取り消す。 二請求の趣旨に対する被告の答弁 1 本案前の答弁本件更正の取消しを求める訴えを却下する。 2 本案の答弁主文と同旨第二事案の概要一本件課税処分の経緯(この事実については、当事者間に争いがない。) 1 昭和六二年分の所得税について、原告は、昭和六三年一二月一四日、総所得金額を一〇八一万五五七九円、分離長期譲渡所得金額を一億二六〇八万八七五一円、分離短期譲渡所得金額を〇円、申告納税額を三三九九万七七〇〇円とする確走申告をした。 なお、右の分離長期譲渡所得の金額は、原告が、Aに賃貸していた世田谷区<地名略>所在の宅地四五六・一三平方メートル(以下「本件一の土地」という。)の借地権以外のいわゆる底地部分を二億三六七七万二四八六円で右Aに売却し、その売却代金で神奈川県秦野市に買換資産を二億五〇〇〇万円で取得することを予定しているとして、租税特別措置法(以下「措置法」という。)三七条一項一号(昭和六二年法律第九六号による改正前のもの。以下同じ。)の特定の事業用資産の買換えの場合の譲渡所得の課税の特例の規定の適用が受けられることを前提として計算したものであった。 2 これに対し、被告は、昭和六三年一一月二八日、右分離長期譲渡所得の金額が二億二三九三万三八六二円となり、納税額も六三三五万〇九〇〇円となるとして、本件更正及び本 提として計算したものであった。 2 これに対し、被告は、昭和六三年一一月二八日、右分離長期譲渡所得の金額が二億二三九三万三八六二円となり、納税額も六三三五万〇九〇〇円となるとして、本件更正及び本件決定を行った。なお、右分離長期譲渡所得金額の更正は、本件一の土地の底地は交換によってAに譲渡されたものであるから、その譲渡については措置法三七条一項の規定の適用がないことをその理由とするものであった。 3 その後、原告は、買換資産の取得価額が前記申告の見積額を下回ることとなったことから、平成元年四月二八日、右分離長期譲渡所得金額を本件更正による金額を上回る二億六九七九万八四一八円とする修正申告を行っている。 二被告の主張する本件課税処分の根拠となる事実関係(この事実については、本件一の土地の底地部分のAへの譲渡の原因が交換であるとする点を除いては、当事者間に争いがない。すなわち、被告の主張するように、右底地部分の譲渡が交換によるものであるため右譲渡について措置法三七条一項の規定の適用がないこととなった場合には、原告の所得の内容等が被告主張のとおりとなることは、原告もこれを認めている。) 1 原告の昭和六二年分の総所得金額は、一〇八一万五五七九円である。 2 原告の同年分の分離課税の譲渡所得金額は、次のとおり、分離長期譲渡所得金額が二億二三九三万三八六二円、分離短期譲渡所得金額が〇円となる。 (一) 原告は、本件一の土地と同所<地名略>の宅地二八一・一七平方メートル(以下「本件二の土地」という。)とに分筆される前の宅地を所有し、これをAに賃貸していた。 (二) 原告とAとは、昭和六二年三月一七日、本件一の土地の底地部分とAが有する本件二の土地上の借地権とを交換した。その結果、本件二の土地上の借地権は混同によって消滅した。 (三) 原告は、その後、 (二) 原告とAとは、昭和六二年三月一七日、本件一の土地の底地部分とAが有する本件二の土地上の借地権とを交換した。その結果、本件二の土地上の借地権は混同によって消滅した。 (三) 原告は、その後、昭和六二年四月二日、本件二の土地を代金三億八二七二万五〇〇〇円でBに譲渡した。 (四) 右の事実関係からすると、原告の本件一の土地及び二の土地の譲渡に係る分離課税の譲渡所得金額は、本件一の土地に係る長期譲渡所得金額と本件二の土地の底地部分に係る長期譲渡所得金額及びその借地権部分に係る短期譲渡所得金額とに区分して算定すべきこととなる。 まず、本件一の土地に係る長期譲渡所得金額は、その譲渡収入金額二億三六七七万二四八六円からその取得費一一八三万八六二四円及び特別控除額一〇〇万円をそれぞれ控除して得た二億二三九三万三八六二円となる。 次に、本件二の土地の底地部分に係る長期譲渡所得金額については、その譲渡価額である一億四五九五万二五一四円が前記買換資産の取得価額の見積額である二億五〇〇〇万円を下回ることから、その譲渡はないものとみなすべきこととなり、譲渡所得金額は〇円となる。 更に、本件二の土地の借地権部分に係る短期譲渡所得金額も、〇円となる。 3 そうすると、本件更正及び本件決定は、いずれも適法なものということになる。 三本件の争点 1 本案前の争点(本件更正の取消しを求める訴えの適否)被告は、前記のとおり、原告が本件更正の後に本件更正による税額を上回る金額の課税標準及び税額を内容とする修正申告を行ったことにより、本件更正は右修正申告に吸収されて消滅し、その存在意義を失うに至ったものというべきであるから、その取消しを求める本件訴えは、不適法として却下されるべきであると主張している。 これに対し、原告は、本件更正によって、原告は昭和六二年分の所得税の法定納 在意義を失うに至ったものというべきであるから、その取消しを求める本件訴えは、不適法として却下されるべきであると主張している。 これに対し、原告は、本件更正によって、原告は昭和六二年分の所得税の法定納期限の翌日以降の本件更正による納税額の増加分に対する延滞税の納付義務を課されることとなるが、この延滞税の納付義務を消滅させるためには、本件更正の取消しを求める以外にその方法がないから、本件のような場合においてもなお本件更正の取消しを求める訴えの利益が認められるべきであると主張している。 2 本案の争点一本件一の土地の底地部分の譲渡の原因等一(一) 被告は、前記のとおり、原告は本件一の土地の底地部分を交換によってAに譲渡したものであり、措置法三七条一項が明文をもって交換による譲渡の場合を同条の適用の対象から除外している以上、右底地の譲渡について右の譲渡所得の課税の特例規定を適用することはできないと主張している。 (二) これに対し、原告は、本件では、原告とAとは、本件一の土地の底地部分を原告からAに売却するとともに、本件二の土地の借地権をAから原告に売却し、ただ、両者の間で、相互の売買代金債権を相殺することとしたに過ぎず、したがって、右底地は、交換によってAに譲渡されたものではないと主張している。 また、仮に右底地が法的には交換によってAに譲渡されたこととなるものとしても、本件は、原告、A及びBの三者間の合意で、Aが本件一の土地の底地を原告から取得し、原告がこれに代わる買換資産を他に取得し、またBが本件二の土地を取得するという三者の希望内容を同時に実現することとしたものであって、社会的にみて一つの取引とみられる一連の取引行為の中で、事業用資産の譲渡による対価が買換資産の取得に充てられていると考えられる場合であるから、このような場合には、措置法三七 こととしたものであって、社会的にみて一つの取引とみられる一連の取引行為の中で、事業用資産の譲渡による対価が買換資産の取得に充てられていると考えられる場合であるから、このような場合には、措置法三七条一項の規定の適用が認められるべきであるとも主張している。 第三争点に対する判断一本件更正の取消しを求める訴えの適否について被告の主張するとおり、本件更正の後に、原告が本件更正による税額を上回る金額の課税標準及び税額を内容とする修正申告を行うに至っていることは、前記のとおりである。したがって、昭和六二年分の原告の所得税の本税の納付義務との関係では、原告が本件更正の取消しを求める利益はすでに失われるに至っているものというべきである。 しかし、本件更正による税額の増加分に対する延滞税の納付義務との関係では、本件更正が違法であることを理由にその義務の解除を求めるためには、本件更正の取消しを求める以外に方法がないことは、原告の主張するとおりである。 したがって、原告は、右の限度でなお本件更正の取消しを求める利益を有しているものというべきであり、その取消しを求める訴えを不適法であるとする被告の主張は失当である。 二本件一の土地の底地部分の譲渡の原因等について(一) 乙第一号証(Aに対する申述聴取書)、同二号証及び三号証(土地登記簿謄本)並びに証人Cの証言によれば、原告とAとの間での本件一の土地の底地部分の譲渡に関する経緯は次のようなものであったことが認められる。 すなわち、原告は、本件一の土地及び二の土地全体をかねてからAに賃貸していたが、昭和六〇年ころ、その賃貸借契約の更新の問題にからんで右土地の一部をAから原告に返還する話が持ち上がり、昭和六一年一月ごろ、借地権者であるAがその六割を取得し、残りの四割を地主である原告が取得するとの話がまとまった。 の賃貸借契約の更新の問題にからんで右土地の一部をAから原告に返還する話が持ち上がり、昭和六一年一月ごろ、借地権者であるAがその六割を取得し、残りの四割を地主である原告が取得するとの話がまとまった。その結果、昭和六二年二月一九日に右土地を本件一の土地と二の土地に分筆したうえで、同年三月一七日、本件一の土地について、Aのために交換を原因とする所有権移転登記手続が行われた。なお、右の折衝の過程で、原告とAとの間で双方が取得することとなる土地の価額を取り決めたことはなく、専ら分筆前の土地の面積に占める割合について、原告が四割を取得しAが六割を取得するということが合意されたに過ぎなかった。 右のような事実関係からすれば、原告とAの間での右の取引は、被告の主張するように、原告所有の本件一の土地の底地部分とAが本件二の土地の上に有していた借地権とを交換したものという以外になく、本件一の土地の底地部分は、交換によってAに譲渡されたものというべきである。 (二) 原告は、右のようにしてなされた本件一の土地の底地部分のAへの譲渡について、措置法三七条一項の規定が適用されるべきであると主張する。 しかし、措置法三七条一項が明文をもって交換による譲渡の場合をその規定の適用の対象から除外していることは、その規定からして明らかである。 また、原告は、本件の場合の交換をめぐる特殊事情を理由に、少なくとも本件の場合のような交換については右規定の適用を認めるべきであるとも主張する。 しかし、事業用資産を交換した場合の譲渡所得の課税の特例については、別途措置法三七条の四等に特別の規定が置かれているのであって、本件の譲渡の場合には、その特例規定が適用されるための要件である交換取得資産自体を事業の用に供したとの要件が欠けることとなることは、前記認定の事実関係からして明らかである。 が置かれているのであって、本件の譲渡の場合には、その特例規定が適用されるための要件である交換取得資産自体を事業の用に供したとの要件が欠けることとなることは、前記認定の事実関係からして明らかである。 したがって、右の原告の主張も採用することができない。 (三) 結局、本件一の土地の底地部分のAへの譲渡については、措置法三七条一項の規定を適用すべき余地がないものというべきであるから、被告のした本件更正及び本件決定は、いずれも適法なものというべきこととなる。 (裁判官涌井紀夫市村陽典小林昭彦)

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