【DRY-RUN】主 文 原決定を取り消す。 本件移送申立を却下する。 理 由 本件抗告の理由は別紙書面記載のとおりである。 本件は抗告人が被告農林大臣を相手方とし
主 文 原決定を取り消す。 本件移送申立を却下する。 理 由 本件抗告の理由は別紙書面記載のとおりである。 本件は抗告人が被告農林大臣を相手方として処分庁である同大臣のなした訴願裁 決の無効確認を求めるいわゆる行政処分の無効確認訴訟であることは本件記録によ り明かなところである。 よつて本件の場合にいわゆる抗告訴訟に関する専属管轄の規定である行政事件訴 訟特例法第四条の類推適用ありやについて考察する。 行政訴訟におけるいわゆる行政処分の無効確認訴訟は確認訴訟として本来はいわ ゆる抗告訴訟以外の公法上の権利関係に関する当事者訴訟であるから、その被告は 権利又は法律関係の帰属主体であるべきである。しかしながら一方又無効確認訴訟 は瑕疵ある行政処分自体の違法を攻撃してその効力のないことを確定するのである から行政処分の効力自体を争うという実質的な面において抗告訴訟と極めて類似し た性質のものというべきである。従つて行政訴訟上の便宜を考慮して特に定められ たと認められる行政事件訴訟特例法の規定はそれがか抗告訴訟に関するものであつ ても、もともと訴訟の仕方につきなんらの制限を受けることのない当事者訴訟とし ての性格に反しない限り無効確認訴訟にも類推適用するのが妥当である。抗告人が 本件無効確認訴訟において権利の帰属主体である国を被告とせず、処分庁である農 林大臣を相手方としているのも右の見地から行政事件訴訟特例法第三条の類推適用 があるものとして許されるべきものである。しかし右は本来国を被告とすべきであ るのを前記のような抗告訴訟との実質的類似性から処分庁を相手方とすることもで きるという趣旨においての類推適用であつて右第三条がそのまま準用されるべきも のではない。 <要旨>それならば本件の場合のように無効確認訴訟において処 との実質的類似性から処分庁を相手方とすることもで きるという趣旨においての類推適用であつて右第三条がそのまま準用されるべきも のではない。 <要旨>それならば本件の場合のように無効確認訴訟において処分庁を被告とした 場合にその裁判管轄をどのように</要旨>考えるべきかという点についても前同様の 見地から行政事件訴訟特例法第四条を類推適用して被告である行政庁の所在地の裁 判所の管轄に属するものとするのが相当であると解される。しかしこの場合におい てもかく扱うのが前記のような抗告訴訟との類似性から妥当であるという趣旨にお いての類推適用であつて、本来当事者訴訟として適用あるべき民事訴訟法の適用を も排除すべきものではない。即ち、同法第四条は行政庁である被告の普通裁判籍を 定める限度において類推適用すべきものである。従つて本件の場合裁判管轄は行政 庁の所在地の裁判所にあるものとしてもこれをその裁判所の専属とすべきいわれは ない。右第四条は専属管轄とする限りにおいてはこれを類推適用すべきではないと 解する。 以上のとおりであるなら本件無効確認訴訟の裁判管轄は相手方である農林大臣の 所在地の裁判所である東京地方裁判所にあるとすることは正しいが、同裁判所に専 属するものということはできない。従つて右無効確認訴訟が相被告山形県知事に対 する行政処分取消訴訟と併合して提起されたものであることは記録上明かであり以 上抗告人主張のごとく民事訴訟法第二十一条の適用により右取消訴訟につき管轄権 ある原審山形地方裁判所にも関連管轄を生じるものというべきである。 以上のとおりであるとするなら本件無効確認訴訟は東京地方裁判所の専属管轄で あるとして原審の管轄を認めずこれを東京地方裁判所に移送した原決定は不当であ り、取消を免れない。従つて本件移送申立は却下すべきである。 よつて民事訴訟法第四百十 確認訴訟は東京地方裁判所の専属管轄で あるとして原審の管轄を認めずこれを東京地方裁判所に移送した原決定は不当であ り、取消を免れない。従つて本件移送申立は却下すべきである。 よつて民事訴訟法第四百十四条、第三百八十六条を適用して、主文のとおり決定 する。 (裁判長裁判官 石井義彦 裁判官 上野正秋 裁判官 兼築義春)
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