平成13(ネ)40 岡山大学学友会嘱託員契約解除

裁判年月日・裁判所
平成15年2月27日 広島高等裁判所 岡山支部 岡山地方裁判所 平成7(ワ)897
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判決文本文16,853 文字)

判決 主文 1 原判決を次のとおり変更する。 (1) 控訴人が,被控訴人の嘱託員として雇傭契約上の権利を有することを確認する。 (2) 被控訴人は,控訴人に対し,18万1902円及びこれに対する平成7年9月9日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 (3) 被控訴人は,控訴人に対し,42万4438円を支払え。 (4) 被控訴人は,控訴人に対し,平成8年4月1日以降,毎年3月末日限り72万7608円を支払え。 (5) 控訴人のその余の請求を棄却する。 2 訴訟費用は第1,2審を通じてこれを4分し,その1を控訴人の,その余を被控訴人の各負担とする。 3 この判決の第1項(2)ないし(4)は仮に執行することができる。 事実及び理由 第1 控訴の趣旨 1 原判決を取り消す。 2 控訴人が被控訴人の嘱託員として雇傭契約上の権利を有することを確認する。 3 被控訴人は,控訴人に対し,105万7146円及びこれに対する平成7年9月9日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 4 被控訴人は,控訴人に対し,235万4316円を支払え。 5 被控訴人は,控訴人に対し,平成8年4月1日以降毎年3月末日限り92万2355円を支払え。 6 3ないし5項につき仮執行宣言第2 事案の概要本件は,控訴人が,被控訴人との間で雇傭契約である嘱託員契約を締結したとして,被控訴人に対し,被控訴人の嘱託員として雇傭契約上の権利を有することの確認及び賃金の支払い(将来の賃金支払いを含む)を求めた事案である。 1 前提事実(1) 被控訴人の組織,事業目的等次のとおり訂正するほか,原判決8頁末行から17頁4行目までに記載のとおりで 賃金の支払い(将来の賃金支払いを含む)を求めた事案である。 1 前提事実(1) 被控訴人の組織,事業目的等次のとおり訂正するほか,原判決8頁末行から17頁4行目までに記載のとおりであるから,これを引用する。 ア原判決8頁末行から9頁7行目までを次のとおり改める。 「(一) 被控訴人は,自治の精神に基づき体育及び文化の向上に努め,学風の振作に寄与することを目的として,昭和24年ころ,国立大学設置法に基づき昭和24年に設立された岡山大学(以下『大学』という)の全学生である正会員,大学教官その他の有志職員である特別会員,合同委員会で推薦する名誉会員をもって組織された団体であって,その目的を達成するために,文化,体育の各部を設けて学生による課外活動を推進する事業を行っていたものである。」イ同9頁8行目の「被告の役員」の前に「被控訴人は岡山大学学友会会則(昭和30年4月1日施行。以下『会則』という。なお,昭和30年3月31日以前にあっても,おおむね同様の内容から成る旧岡山大学学友会会則が存在した)を有しており,」を加える。 ウ同10頁10行目の「第二九条」の次に「及び第三〇条」を加える。 エ同13頁につき,1行目の「委員会」を「委員会(会則上の名称は『委員会』であるが,通常『総務委員会』と呼称されている。以下『総務委員会』という)」と改め,同行の「第六条、」の次に「第九条,」を,4行目の「機関である」の次に「(第二四条)」を各加え,5行目冒頭から9行目の「)、」までを次のとおり改める。 「総務委員長は,被控訴人の会務を統括し,総務副委員長は総務委員長の補佐及び総務委員長に事故がある場合の代行をするとされている(第一〇条)。」オ同14頁10行目の「第二〇条」の前に「第一九条,」を加 員長は,被控訴人の会務を統括し,総務副委員長は総務委員長の補佐及び総務委員長に事故がある場合の代行をするとされている(第一〇条)。」オ同14頁10行目の「第二〇条」の前に「第一九条,」を加える。 カ同16頁につき,8行目から9行目にかけての「徴収されてきた」を「徴収される」と改め,9行目の「徴収をしない」に次に「(第三八条)」を加える。 キ同17頁につき,1行目の「取り扱ってきた」を「取り扱う」と改め,4行目の次に行を改めて次のとおり加える。 「なお,会則には被控訴人の解散に関する規定はない。」(2) 控訴人は,昭和50年4月,被控訴人との間で嘱託員契約(以下「本件嘱託員契約」ともいう)を締結し,以来,会則12条に定める嘱託員の地位にあった。 (3) 大学は,平成7年1月以降,学部長会を中心に,被控訴人のあり方につき検討を始め,控訴人が被控訴人の嘱託員となって以来,自主管理・自主運営の名の下に控訴人が総務委員会及び幹事会で学生を指導しているため,被控訴人の自主的運営が阻害され,その目的を十分に果たせない状態にあるとして,学生部を通じ,被控訴人に対する指導を強めていた。そして,大学は,同年6月21日の評議会において被控訴人に代置する組織として岡山大学校友会(以下「校友会」という)の設立を承認する一方,被控訴人については整理期間を置いた後に(その期間中は総務委員会・幹事会等の機能を停止する)解散する旨決定し,翌22日,その旨大学構内に告示し,さらに,同年7月12日の評議会において,大学の全サークルが校友会に加盟したとして,被控訴人の解散を決定し,翌13日,その旨大学構内に告示した。 大学は,同月14日をもって大学構内のサークル共用施設内の被控訴人事務室を閉鎖することとし,同月16日,実力をもっ 盟したとして,被控訴人の解散を決定し,翌13日,その旨大学構内に告示した。 大学は,同月14日をもって大学構内のサークル共用施設内の被控訴人事務室を閉鎖することとし,同月16日,実力をもって嘱託員を被控訴人事務室から退去させ,これを閉鎖した。 (4) 被控訴人は,同年9月25日,控訴人に対し,同年9月27日限り嘱託員を解雇するとともに解雇予告手当として6万1172円を学生部学生課で受領するよう求める旨記載した被控訴人会長名の書面を控訴人自宅の郵便受けに投函して,その旨通知した(以下,これを「契約解除」ないし「本件解除」ともいう)。 なお,被控訴人は,同年7月13日,被控訴人に対して債権を有する者は同年8月31日までに学生部学生課まで文書で申し出ること,上記期間内に申し出がないときは清算から除外される旨大学構内に告示した。 ((2)の事実,(3)のうち,各告示がされたこと,大学が平成7年7月16日控訴人らを被控訴人事務室から退去させ,これを閉鎖したことは当事者間に争いがなく,その余の事実は証拠〔甲1,7,22,25,乙1,4,5,8,9,10の(1),証人E〕によって認められる) 2 争点(1) 本件嘱託員契約の内容,法的性質,同契約は雇傭契約といえるかア控訴人の主張(ア) 本件嘱託員契約の内容,勤務実態等① 雇傭期間の定めはない。 ② 賃金は,各年度において総務委員会と嘱託員との間で合意した額が幹事会の承認を得て各年度の人件費予算として決定され,嘱託員(後記事務代行者を含む)に対する総支給額となる。嘱託員は,人件費の配分を総務委員会から委託されており,事務代行者とともに各自の配分額を取り決め,これに基づき人件費を配分する。 なお,平成7年度(平成7年4月から する総支給額となる。嘱託員は,人件費の配分を総務委員会から委託されており,事務代行者とともに各自の配分額を取り決め,これに基づき人件費を配分する。 なお,平成7年度(平成7年4月から平成8年3月まで)の人件費総額は公務員行政職21年目の月給与額(21万8300円)に賞与を含めた月数(15.7月),人事院勧告による給与引き上げ率(1.03)及び給与人数率(1.1)を乗じた金額に交通費相当額(7920円)を加えた額(389万1062円)である。 ③ 嘱託員は事務履行補助者として事務代行者を選任し,その住所氏名を総務委員会に通知した上でその者に嘱託事務の履行を委託することができる。なお,事務代行者も被控訴人によって雇傭される関係にある。 具体的な勤務日数,勤務時間は,嘱託員及び事務代行者が毎月一回その協議によって翌月分の事務分担を定めるところ(これを「ローテーション表」という)による。 なお,控訴人の場合,嘱託員全体を統括する業務があるため,勤務時間に拘束されず,その勤務時間は1日平均2ないし3時間であり,出勤時刻も夕刻になることが多く,業務の都合上必要であるならば,午後6時以降も勤務に服する。 ④ 職務内容は,総務委員会の指揮監督のもとでの総務委員会の事務補佐が中心である。 (イ) 本件嘱託員契約の法的性質控訴人は,被控訴人の募集に応じて被控訴人の嘱託員に採用されたものであり,その職務は,総務委員会の指揮監督のもとで行われる。嘱託員の責任で事務代行者を補充することができ,勤務時間について嘱託員,事務代行者でローテーションを組むことはあるが,執務室は被控訴人事務室であり,時間によって拘束されている。 以上のとおり,嘱託員は総務委員会の指揮監督のもとで き,勤務時間について嘱託員,事務代行者でローテーションを組むことはあるが,執務室は被控訴人事務室であり,時間によって拘束されている。 以上のとおり,嘱託員は総務委員会の指揮監督のもとで従属的な労務を提供するものであり,嘱託員の仕事に独立性はないから,本件嘱託員契約は雇傭契約である。 (ウ) 被控訴人は,原審において本件嘱託員契約が雇傭契約であることを前提にその主張を展開してきたところ,当審第2回口頭弁論期日に陳述した平成14年7月24日付け準備書面において上記契約は準委任契約であると主張するに至ったものである。 しかし,上記主張は時機に遅れた攻撃防御方法であるから民事訴訟法157条1項により直ちに却下すべきであり,また,被控訴人のかかる主張は信義則に反し,禁反言の原則にも反するから,この点からも却下すべきである。 イ被控訴人の主張本件嘱託員契約では,1日当たりの勤務時間や休日は,総務委員会と控訴人を含む嘱託員との間で取り決められていたが,控訴人を含む嘱託員のうちの1名が仕事を行えば足りるとされ,嘱託員が事務を履行し得ない事態が生じた場合は嘱託員の責任で事務代行者を補充することとされている。1日のうちどの時間帯を嘱託員又は事務代行者のうちの誰が分担するかは嘱託員及び事務代行者で構成する事務会議で決定され,被控訴人ないし総務委員会は全く関与していない。事務代行者と被控訴人との間には直接の契約関係はなく,事務代行者の資格,人数についての規制もなかった。 また,嘱託員に対する毎月の人件費(報酬総額)は総務委員会と嘱託員との間で取り決められていたが,それを嘱託員と事務代行者とに分配することは嘱託員に委任されており,控訴人の報酬相当額の決定には被控訴人ないし総務委員会は全く関与していなか 総額)は総務委員会と嘱託員との間で取り決められていたが,それを嘱託員と事務代行者とに分配することは嘱託員に委任されており,控訴人の報酬相当額の決定には被控訴人ないし総務委員会は全く関与していなかった。 嘱託員の実際の職務は,被控訴人事務室において電話の応対,サークル援助費の交付,総務委員,幹事に対する助言等であるが,最も特徴的な点は,総務委員会が控訴人を含む嘱託員に対して幹事会における発言権を保障していたことであり,実際にも,控訴人は,幹事会及び総務委員会において,その審議事項に関して単に意見を述べるにとどまらず,学生側からすると指示とも思える言動に及ぶことがあり,議事進行のあり方について積極的に意見を述べることによって,その運営に対し少なからず影響を与えてきた。 上記のような実情によれば,控訴人を含む嘱託員は被控訴人ないし総務委員会とは独立して事務処理にあたっていたものであり,雇傭契約の特質である使用者の指揮監督に服しながら労務を提供するという関係にはなかった。 以上によれば,本件嘱託員契約は有償の準委任契約というべきである。 (2) 契約解除の効力の有無次のとおり訂正するほか,原判決21頁10行目から51頁5行目までに記載のとおりであるから,これを引用する。 ア原判決23頁につき,2行目の「解任する」を「採用した嘱託員について嘱託員契約を解除する」と,5行目の「嘱託員を解任する」を「嘱託員契約を解除する」と各改める。 イ同39頁につき,8行目の「解散権限及び解任事由があるとしても」を「大学に被控訴人を解散する権限があり,また,被控訴人に解散事由があるとしても」と改める。 ウ同47頁につき,5行目の次に行を改めて「したがって,本件解除も解雇権の濫用として無効である。」を, 大学に被控訴人を解散する権限があり,また,被控訴人に解散事由があるとしても」と改める。 ウ同47頁につき,5行目の次に行を改めて「したがって,本件解除も解雇権の濫用として無効である。」を,7行目の「脱退した」の前に「被控訴人から」を各加える。 エ同48頁10行目の「経理関係」の次に「を」を加える。 オ同50頁10行目の次に行を改めて次のとおり加える。 「(エ) 前記のとおり,平成7年6月22日,被控訴人の総務委員会,幹事会等の機能は停止され,同年7月5日,被控訴人所属の全サークルが被控訴人から脱退し,同月14日,被控訴人事務室も閉鎖されたことにより,被控訴人の事業活動は消滅し,嘱託員の従事する事務もなくなった。 そこで,被控訴人は本件解除をしたものであるから,本件嘱託員契約が雇傭契約であったとしても,本件解除が解雇権の濫用であるとの控訴人の主張は失当である。」(3) 控訴人の本件金員請求(控訴人の主張)ア本件嘱託員契約に基づく平成7年度の人件費総額は前記のとおり389万1062円であるが,同年度は4月分及び5月分として47万9600円が支払われたのみである。 イ同契約に基づく平成7年6月分から同年8月分までの賃金は105万7146円である。 ウ同契約に基づく平成7年9月分から同年11月分までの賃金は月額24万7990円,同年12月分の賃金は79万2116円,平成8年1月分,同年2月分の賃金は月額24万7990円,同年3月分の賃金は32万2250円,以上合計235万4316円である。 エ総務委員会と控訴人は,平成7年度までは毎年嘱託員の賃金(人件費)について合意をしてきたが,平成8年度以降は,賃金の合意がされていないから,平成7年度の合意がその後も継続して 6円である。 エ総務委員会と控訴人は,平成7年度までは毎年嘱託員の賃金(人件費)について合意をしてきたが,平成8年度以降は,賃金の合意がされていないから,平成7年度の合意がその後も継続しているというべきである。 したがって,被控訴人は,控訴人に対し,平成8年4月以降も,従来どおり給与,賞与として年額92万2355円を遅くとも翌年3月末日までに支払う義務がある。 オよって,本訴において,控訴人は,被控訴人に対し,上記イないしエの金員(イについては,弁済期後である平成7年9月9日から支払済みまで民法所定年5分の割合による遅延損害金を付加する)の支払を求める。 カなお,前記のとおり,賃金(人件費予算)の管理,分配については総務委員会との確認により嘱託員に委ねられていることから,平成8年3月分までの賃金については嘱託員に支払われるべき全額を控訴人が代表して請求するものであり,平成8年4月分以降については賃金総額が予算化されていないため,平成7年度に決定された人件費総額を基礎として控訴人に配分される予定の額を賃金として請求するものである。 第3 当裁判所の判断 1 争点(1)(本件嘱託員契約の性質)について(1) 控訴人は,「被控訴人は原審において本件嘱託員契約が雇傭契約であることを前提にその主張を展開してきたところ,当審第2回口頭弁論期日に陳述した平成14年7月24日付け準備書面において上記契約は準委任契約であると主張するに至ったものである。しかし,上記主張は時機に遅れた攻撃防御方法であるから民事訴訟法157条1項により直ちに却下すべきであり,また,被控訴人のかかる主張は信義則に反し,禁反言の原則にも反するから,この点からも却下すべきである。」と主張する。 被控訴人は原審において本件嘱託員契約が雇傭 により直ちに却下すべきであり,また,被控訴人のかかる主張は信義則に反し,禁反言の原則にも反するから,この点からも却下すべきである。」と主張する。 被控訴人は原審において本件嘱託員契約が雇傭契約であることを前提にその主張を展開していたこと,被控訴人は当審第2回口頭弁論期日に陳述した平成14年7月24日付け準備書面において上記契約は準委任契約であると主張するに至ったこと,以上の事実は記録上明らかである。 しかし,ある契約が民法の典型契約のいずれに属するかは事実に対する法令の適用,すなわち法律的評価の問題であり,自白の対象にもならず,当事者の指摘ないし主張を待つまでもなく,裁判所がその職責に基づいて判断すべきものである。原審も,上記のような観点から本件嘱託員契約を準委任契約と判断したものである。 したがって,原審の判断の当否は別として,被控訴人が,当審において本件嘱託員契約について従来の主張を改めて準委任契約であると主張したからといって新たな攻撃防御方法を主張するものではないし,また,このような主張をしたからといって信義則に反するとか禁反言の原則に反するといえないことは明らかであり,控訴人の主張は採用できない。 (2) 証拠(甲2の(1),(2),3の(1)ないし(3),6,17,21,48,証人A,控訴人本人〔原審,当審〕)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 ア総務委員会は,公募により,昭和50年4月,控訴人を会則第12条に定める嘱託員として採用した(本件嘱託員契約)。嘱託員の行う事務量は1名分程度であったことから,総務委員会は1名を採用する予定であったが,控訴人の他にも1名,合計2名を採用した。しかし,給与は1名分しか支給しないこととし(後記のとおり,後に1.1人分に増額された),控訴人ら であったことから,総務委員会は1名を採用する予定であったが,控訴人の他にも1名,合計2名を採用した。しかし,給与は1名分しか支給しないこととし(後記のとおり,後に1.1人分に増額された),控訴人ら被採用者もこれを了解した。そして,嘱託員間での給与の配分は控訴人ら嘱託員に委ねられた。 イ上記採用に際し,契約書面は作成されなかったが,昭和52年3月,総務委員会(代表者総務委員長)と当時の嘱託員である控訴人,Bとの間で次のような内容の合意書が作成された。 「1 甲(被控訴人)は乙(控訴人,B)を岡山大学学友会事務員(学友会会則12条にいう嘱託)として雇用する。 2 乙のうち1名は左記の勤務時間時に学友会に出勤し,学友会事務の仕事を履行する。 勤務時間は平常は日・祭日を除き,午前10時より午後5時までとする(ただし,午後1時から2時までは昼休み)。 3 甲は学友会総務予算のうちの人件費を支払い,乙の管理,配分に委ねる。 4 甲は,学友会総務予算のうちの人件費と毎年の物価上昇率プラスαの増額をする。 ただし,αについては予算枠を考慮しつつ,各年度毎に甲,乙間で折衝して定める。 5(省略) 6 乙のうちの1人が退職した場合も,学友会事務に支障を生じない限り,本合意書は有効とする。」ウ昭和60年6月1日,総務委員会(代表者総務委員長)と当時の嘱託員である控訴人,C,Dとの間で次のような内容の確認書が作成された。 「甲(被控訴人)と乙(被控訴人総務嘱託員,控訴人及びその共同担当者D,C)は,1976年3月の合意書(前項の合意書を指す),1983年の甲と乙との確認書並びにその後の慣行・実績をふまえ,左記事項を確認・合意する。 記 訴人及びその共同担当者D,C)は,1976年3月の合意書(前項の合意書を指す),1983年の甲と乙との確認書並びにその後の慣行・実績をふまえ,左記事項を確認・合意する。 記 1 乙のうち1名が左記の勤務時間に出勤し,学友会事務の仕事を履行する。 平常勤務時間は,月曜から土曜までの午前10時から午後5時半までとする。(その他の詳細は省略する) 2 甲は,学友会総務予算のうちの人件費総額を乙の管理,配分に委ねる。 3 人件費は,1976年3月合意書第4項及び1983年3月確認書第3項をふまえ,1.1人分を基準として,甲,乙間で折衝して定める。 4 前項に対応して,乙は病気等の事由があっても,学友会事務時間を十全にカバーすることとし,乙が学友会事務を履行しえない事態が生じた場合には,まず乙の責任で事務代行者を補充することとする。 それでもなお,乙の責任で事務を履行しえない場合には乙は甲にすみやかに連絡し,1日につき(年間人件費総額-年間賞与該当額)/365を甲に委ねる。 5 乙は,前項の事務代行者が必要となった場合には,その者の氏名住所を速やかに甲に通知する。 6 乙並びに乙の責任にかかる事務代行者において学友会事務履行に問題が生じた場合には,乙のそれぞれが全ての責任を負うものとする。 7 甲は乙の労働者としての基本的権利を現在十分に保障しえていないことを確認するとともに,今後この権利を十分保障しうるよう乙の待遇の改善に努力していく。 8 1977年3月合意書第6項はそのまま援用する。 補足確認事項①(省略)② 人件費は年度初めに総額を引き出し,総務委員会委員長ないし会計名の口座 8 1977年3月合意書第6項はそのまま援用する。 補足確認事項①(省略)② 人件費は年度初めに総額を引き出し,総務委員会委員長ないし会計名の口座に預金し,乙の請求に応じて支払う。 ③(省略)④ 甲は,幹事会における乙の発言権を保障する。」エ控訴人ら嘱託員が行っていた嘱託員事務の内容は,大学校内にある被控訴人事務室における電話の応接,サークル援助費の受付,印刷機・複写機等の備品機材の管理,大学学生部から被控訴人に対する連絡事項の総務委員に対する伝達,帳簿関係の整理等の雑用的事務であった。なお,総務委員,幹事は大学の学生で,かつその任期も短期間であり,慣行,前例等にも疎いことから,嘱託員事務に長期間従事していた控訴人は,総務委員,幹事の求めに応じて,総務委員会,幹事会で慣行等に基づく助言等もしており,これも嘱託員事務に含まれていた。 オ前記のとおり,本件嘱託員契約において嘱託員の勤務時間は定められていたが,嘱託員のうち1名が勤務時間に出勤してその事務を処理すれば足りるとされていたほか,嘱託員は,自らその事務を処理しえないときはその責任において事務代行者を用いることができるとされていた。 本件嘱託員契約に基づく嘱託員は,平成7年当時も控訴人,C,Dの3名であったが,Cは病気のため昭和60年ころから嘱託員事務を行っておらず,Dも平成7年当時はときたま嘱託員事務を行うのみで,当時,嘱託員事務のほとんどは,控訴人及び控訴人が選任した事務代行者数名によって行われていた。このため,控訴人が統括して嘱託員及び事務代行者で構成する「事務会議」と称する会議を毎月1回開き,同会議で翌月分の嘱託員及び事務代行者の勤務日及び勤務時間を定め,そこで定めるローテーショ れていた。このため,控訴人が統括して嘱託員及び事務代行者で構成する「事務会議」と称する会議を毎月1回開き,同会議で翌月分の嘱託員及び事務代行者の勤務日及び勤務時間を定め,そこで定めるローテーション表に従い,嘱託員事務が行われていた。 なお,平成7年当時の控訴人の勤務時間は1日平均2ないし3時間であり,出勤時刻も夕刻になることが多かった。 カまた,前記のとおり,本件嘱託員契約では,総務委員会は総務予算のうち人件費総額を嘱託員の管理・配分に委ねるとされており,控訴人は,他の嘱託員の委託を受けて,嘱託員に支払われる人件費全額を総務委員会から受領し,これを,前記事務会議での協議による事務分担の割合に応じて嘱託員,事務代行者に配分してきた。このように,人件費総額は総務委員会と控訴人を中心とする嘱託員との間で定められていたが,被控訴人ないし総務委員会は嘱託員,事務代行者個々の取得額の決定には関与しておらず,嘱託員ないし事務代行者個々の取得額は把握していなかった。 (3) 雇傭契約とは,当事者の一方が他方の指揮監督のもとに労務を提供し,その対価の支給を受ける内容の契約であるところ,上記認定の本件嘱託員契約の内容,嘱託員事務の内容,業務の実態等に照らすと,控訴人ら嘱託員は総務委員会の指揮監督のもとに労務を提供し,その対価の支給を受けていたものと認められるから,本件嘱託員契約は雇傭契約であると認定するのが相当である。 前記認定によれば,本件嘱託員契約では,嘱託員のうちの1人が所定の場所で所定の勤務時間,嘱託員事務を行えばよいとされ,嘱託員のうちの誰がいつ嘱託員事務を行うかの決定も嘱託員に委ねられており,さらに,嘱託員は自己の責任で事務代行者を選任し,上記事務代行者に嘱託員事務を行わせることができるとされていた。また,総務委員 託員のうちの誰がいつ嘱託員事務を行うかの決定も嘱託員に委ねられており,さらに,嘱託員は自己の責任で事務代行者を選任し,上記事務代行者に嘱託員事務を行わせることができるとされていた。また,総務委員会ないし被控訴人は,嘱託員に支給する人件費総額を控訴人を中心とする嘱託員と合意しているのみで,個々の嘱託員ないし事務代行者の取得する額については把握していない。しかし,本件嘱託員契約に基づく嘱託員の事務量はもともと1人で処理できる程度であるにもかかわらず複数の嘱託員が採用されたことから勤務時間について上記のような合意がされたものであり(証拠〔甲21〕によれば,総務委員会は,学友会事務の1.1人分〔以前は1人分〕の仕事が履行される限り,嘱託員の誰が事務にあたってもかまわず,1.1人分の仕事に対して1.1人分の給与を支払うという理解であったことが認められる),雇傭契約において使用者の承諾があれば労務者が第三者をして自己に代わって労務に服させるとの定めを設けること自体は認められること(民法625条2項参照)にも照らすと,上記のような事実は本件嘱託員契約を雇傭契約と認定する妨げにはならない。 なお,前記認定のとおり,本件嘱託員契約では,総務委員会は幹事会における嘱託員の発言権を保障する旨の条項があり,証拠(甲21,証人A,控訴人本人〔原審・当審〕)によれば,被控訴人が発行した「1994年度岡山大学学友会活動報告」には,上記条項について,嘱託員は総務委員会を補うことによって学友会(被控訴人)をも支えているのであり,当然幹事会において発言権を有しているとの解説が記載されており,また,嘱託員と被控訴人会員の関係はどちらが上でも下でもなく対等の関係であるとも記載されていること,控訴人は被控訴人の幹事会,総務委員会において議事内容に関して発言していたこ の解説が記載されており,また,嘱託員と被控訴人会員の関係はどちらが上でも下でもなく対等の関係であるとも記載されていること,控訴人は被控訴人の幹事会,総務委員会において議事内容に関して発言していたこと,控訴人の上記発言に内心では嫌悪感を持つ総務委員,幹事がいたことも認められるが,幹事会,総務委員会における控訴人の発言が助言の域を超え,嘱託員の意見が総務委員会ないし幹事会の決定を左右していたと認めるに足りる具体的な証拠はなく,本件嘱託員契約に嘱託員の発言を保障するとの合意があることをもって控訴人が総務委員会の指揮監督のもとに嘱託員事務を遂行していたといえないとか,本件嘱託員契約が雇傭契約でないということはできない。 2 争点(2)(契約解除の効力)について(1) 学長の契約解除権前記のとおり,会則では,被控訴人の会長は大学学長をもってあてるとされているが,会長の権能として明記されているのは顧問の嘱託のみであり,会長が被控訴人の代表権を有する旨の規定はなく,一方,総務委員長が会務を総括するとされており,また,被控訴人の総会の招集権も総務委員長にあり,本件嘱託員契約も,総務委員長が総務委員会を代表して締結している。 しかし,会則には対外的に被控訴人を代表する者について明記された規定はないこと,被控訴人の事業内容及び会則における「会長」という名称に照らすと,被控訴人の会長は被控訴人を代表する権限を有すると認めるのが相当である。 したがって,被控訴人の会長は被控訴人を代表して本件嘱託員契約を解除する権限を有するというべきである。 (2) 本件解除の効力ア前記前提事実及び証拠(甲23,32,35,38,42,47,乙1,4,証人E,控訴人本人〔原審〕)によれば,次の事実が認められる。 (ア) 控訴人は 。 (2) 本件解除の効力ア前記前提事実及び証拠(甲23,32,35,38,42,47,乙1,4,証人E,控訴人本人〔原審〕)によれば,次の事実が認められる。 (ア) 控訴人は,昭和43年,文部教官として岡山大学教養部講師に採用されたが,昭和48年5月,懲戒免職となった。 控訴人は,上記懲戒免職処分の取消しを求める訴訟を提起し,一方,国は控訴人を相手方として控訴人が居住していた国家公務員官舎の明渡しを求める訴訟を提起していたが,平成6年12月,上記両訴訟についての最高裁判所判決が出され,両訴訟とも控訴人の敗訴が確定した。 (イ) 平成7年1月11日開催された第19回の大学学部長会議で,学長から,上記両訴訟の最高裁判所判決の結果報告があるとともに,被控訴人のあり方について再検討すべきではないかとの発言があり,これを受けて,学生部長から,被控訴人の運営状況の説明があり,被控訴人の改善について調査し,次回学部長会議で協議することとなった。 同年2月8日開催された第20回の大学学部長会議,同年3月8日開催された第21回の大学学部長会議においても,学友会に対する指導は課外における教育活動の一環でもあるという観点から健全な学友会のあり方について学生部を中心に検討することとなり,学長から,大学としても学友会の改善を強く指導していきたいので各学部の教授会等においても学友会の現状について十分理解し,正常化のため学生への助言・指導など全学あげて協力願いたいとの要請があった。 (ウ) このような経過を踏まえて,大学学生部は被控訴人に対し,改善事項として,①学友会正会員以外の者がサークルの責任者にならないこと,②サークルの結成・継続届等について大学の学部共通細則にのっとって行うこと,③幹事会に幹事(学生 大学学生部は被控訴人に対し,改善事項として,①学友会正会員以外の者がサークルの責任者にならないこと,②サークルの結成・継続届等について大学の学部共通細則にのっとって行うこと,③幹事会に幹事(学生)以外の者である事務嘱託員が参加し,発言権を持つことは学友会の自主運営という理念にもとること,④事務嘱託員は総務委員会で雇用しているが,源泉徴収義務者として所得税を徴収する義務があることを指摘し,その後,学生部と総務委員会は連絡会を設けて話し合いを行った。 その結果,上記の①,②については大学側の指摘に沿った形で改められることになり,④についても,被控訴人総務委員会は,同年5月16日,所轄税務署に給与支払事務所の開設届書を提出して改められたが,③については話し合いがまとまらなかった。そこで,大学は,学友会嘱託員が自主管理自主運営の名の下に総務委員会,幹事会の学生を指導していることが学友会の自主運営を阻害し,学生の不満を惹起しているが,その原因は総務委員会と嘱託員が昭和60年度に取り交わした確認書にあり,総務委員会が自主的にこの点の改善を図ることは限界であるとした。 (エ) 一方,学生の有志は被控訴人に代わる組織として校友会の設立を企画し,校友会会則案を取りまとめ,同年6月16日,大学に校友会設立承認を申し出た。なお,校友会会則案と被控訴人の会則とは,校友会会則案に嘱託員に関する規定がないことを除いては,ほぼ同内容であった。 (オ) 同年6月21日開催された大学の臨時学部長会議及び臨時評議会において,校友会の設立が承認され,一方,被控訴人については整理期間を置いた後に解散することが決定された。 大学は,同年7月5日までに大学の全サークルが校友会に加盟したことを確認したとして,同年7月12日に開催された大学の臨 ,被控訴人については整理期間を置いた後に解散することが決定された。 大学は,同年7月5日までに大学の全サークルが校友会に加盟したことを確認したとして,同年7月12日に開催された大学の臨時評議会において,被控訴人の解散を決定した。 そして,同月16日,大学は大学構内の被控訴人事務室を閉鎖した。 (カ) 被控訴人は控訴人に対し,同年9月25日,同年9月27日限り嘱託員を解雇する旨の学長名の書面を控訴人に送付して,その旨通知した(本件解除)。 (キ) このような経過について,大学学長は,平成11年2月発行の岡山大学50年小史に,「昭和48年免職処分を受けた元教養部教官が,昭和50年に学友会の事務嘱託員となって入ってきて以来,学生自治のサークル活動を担う組織である学友会がその目的を十分に果たせないものに変貌し,好ましからざる状態にあった。学友会の改善は学生の自治のみによっては不可能と判断したので,仮称『校友会』を設け,全学生サークルをこれに移籍させるよりほかに道はないと判断した。それで,学生部次長がこれに当たり,平成7年6月にほとんど全てのサークルが校友会に加盟したので,6月21日の臨時学部長会,続いて臨時評議会で,学生の課外活動組織として『岡山大学校友会』の設立が認められた。続いて,学友会の解散と学友会事務室を平成7年7月14日閉鎖することを決定した。(中略)。 ここに20年近く懸案であった学友会の重大問題は解決した。」との巻頭序文を寄せている。 イ大学は,学生の教育と学術の研究とを目的とする教育研究施設であって,その設置目的を達成するために必要な事項を一方的に制定し,これによって在学する学生を規律する包括的な権能を有する。また,前記認定の被控訴人の設立目的,構成員,組織,事業内容等に照らすと,被 あって,その設置目的を達成するために必要な事項を一方的に制定し,これによって在学する学生を規律する包括的な権能を有する。また,前記認定の被控訴人の設立目的,構成員,組織,事業内容等に照らすと,被控訴人は大学及びその教育活動と密接な関係を有するものである。 しかし,被控訴人は大学の付属機関ではなく(甲7参照),法人格のない団体として大学とは別個に独立して社会的に存在する団体であり,被控訴人の会則には大学が被控訴人を解散させる権限がある旨の規定はない。 以上によれば,大学が被控訴人を解散させる権限を有しているとはいえないというべきである。 なお,被控訴人の会則には解散に関する規定がないが,被控訴人の最高決議機関である総会の決議により解散することは認められると解されるところ,本件において,被控訴人の総会により被控訴人の解散がされたとの主張,立証はない。 また,被控訴人に所属する全サークルが被控訴人から脱退したか否かは当事者間に争いがあるが,控訴人の主張によるも,被控訴人に所属するほとんどのサークルが被控訴人を脱退したものである。しかし,被控訴人の構成員はサークルではなく,大学の全学生,大学教官その他の有志職員及び名誉会員であるから,全サークルが脱退したとしても,これにより当然に被控訴人が消滅するものではない。 そして,前記認定によれば,大学は,昭和48年に懲戒免職処分を受けた元教養部教官である控訴人が,昭和50年に被控訴人の嘱託員となって以来,控訴人が自主管理自主運営の名の下に総務委員会,幹事会の学生を指導していることが被控訴人の自主運営を阻害し,その目的を十分に果たせない状態に至っているとの認識のもとに教育的見地からこれを改めることを図っていたものであるが,その過程で有志学生からなされた校 を指導していることが被控訴人の自主運営を阻害し,その目的を十分に果たせない状態に至っているとの認識のもとに教育的見地からこれを改めることを図っていたものであるが,その過程で有志学生からなされた校友会(同会は被控訴人とほぼ同様の目的を持ち,その会則も嘱託員制度を欠く以外は被控訴人の会則とほぼ同内容である)設立の動きを側面から支援し,その設立を承認する一方で,被控訴人を解散する旨決定し,大学構内の被控訴人事務室を閉鎖し,代表者である会長名で,控訴人に対して本件解除の通知をしたものである。 このような事情,経過を総合すると,被控訴人の代表者である会長(大学学長でもある)がなした本件解除は控訴人を被控訴人の嘱託員から排除することを主たる目的としてなされたものと認めるのが相当であり,解雇権の濫用として無効というべきである。 3 争点(3)(控訴人の本件金員請求)について前記のとおり,本件嘱託員契約において嘱託員に支給される人件費は毎年嘱託員と総務委員会の間で折衝して定められ,これを事務分担の割合に応じて控訴人ら嘱託員と事務代行者に配分していたものである。そして,証拠(甲3の(1)ないし(3),8,21,43の(1)ないし(10))及び弁論の全趣旨によれば,嘱託員と総務委員会の間で合意された平成6年分の人件費の額は,国家公務員行政職俸給表(一)2級11号俸(21万1000円)の15.5か月分(給与12か月分及び賞与3.5か月分)に1.1を乗じ,これに人事院勧告による給与引上率(3パーセントと見込む)を加算して1.03を乗じた金額に交通費である7920円を加えた合計371万3396円であったこと,平成7年分人件費の額は,同俸給表(一)2級12号俸(21万8300円)の15.7か月(給与12か月分及び賞与3. 7か月分)に1.1を乗 である7920円を加えた合計371万3396円であったこと,平成7年分人件費の額は,同俸給表(一)2級12号俸(21万8300円)の15.7か月(給与12か月分及び賞与3. 7か月分)に1.1を乗じ,これに人事院勧告による給与引上率(3パーセントと見込む)を加算して1.03を乗じた金額に交通費である7920円を加えた合計389万1062円であったこと,控訴人は上記人件費の中から平成7年1月分として4万7700円,同年2月分として4万7700円,同年3月分として8万3978円(賞与2万3530円を含む),同年4月分として7万0629円,同年5月分として5万3166円を取得していたこと(この間の平均取得額は月額6万0634円となる),以上の事実が認められる。 上記事実によれば,本件解除がなければ,控訴人は平成7年6月以降も被控訴人の嘱託員として月額6万0634円を被控訴人から支給されていたと認めるのが相当である。 ところで,控訴人は,平成7年6月分から平成8年3月分までの賃金については,嘱託員及び事務代行者が取得すべき総額を請求している。 そして,前記のとおり,これまでは控訴人が他の嘱託員の委託を受けて嘱託員に支払われる人件費全額を総務委員会から受領し,これを他の嘱託員,事務代行者に配分していたものであるが,賃金(各嘱託員に支払われるべき人件費)請求権自体は各嘱託員に帰属しており,控訴人が被控訴人に対して嘱託員全員の賃金(人件費)を請求し得る根拠はないから,控訴人の上記主張は採用できない。 4 結論以上によれば,控訴人の本訴請求は,控訴人が被控訴人の嘱託員として雇傭契約上の権利を有することの確認及び被控訴人に対し平成7年6月分から同年8月分までの賃金18万1902円(月額6万0634円の3か月分)及びこれに対する弁 請求は,控訴人が被控訴人の嘱託員として雇傭契約上の権利を有することの確認及び被控訴人に対し平成7年6月分から同年8月分までの賃金18万1902円(月額6万0634円の3か月分)及びこれに対する弁済期後である平成7年9月9日から支払済みまで民法所定年5分の割合による遅延損害金,平成7年9月分から平成8年3月分までの賃金42万4438円(月額6万0634円の7か月分),平成8年4月1日以降毎年3月末日限り当該年度の賃金として72万7608円(月額6万0634円の12か月分)の各支払いを求める限度で理由があるから認容し,その余は棄却すべきである。 よって,これと異なる原判決を変更することとし,主文のとおり判決する。 広島高等裁判所岡山支部第2部裁判長裁判官前川鉄郎裁判官辻川昭裁判官岩坪朗彦

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