平成19(あ)97 住居侵入,強盗強姦未遂,強盗殺人,常習累犯窃盗被告事件

裁判年月日・裁判所
平成22年10月14日 最高裁判所第一小法廷 判決 棄却 東京高等裁判所
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判決文本文1,375 文字)

- 1 - 主文 本件上告を棄却する。 理由 弁護人坂根真也,同藤原大吾の上告趣意のうち,憲法13条,31条,36条違反をいう点は,死刑制度がこれらの規定に違反しないことは当裁判所の判例(最高裁昭和22年(れ)第119号同23年3月12日大法廷判決・刑集2巻3号191頁,最高裁昭和26年(れ)第2518号同30年4月6日大法廷判決・刑集9巻4号663頁,最高裁昭和32年(あ)第2247号同36年7月19日大法廷判決・刑集15巻7号1106頁)とするところであるから,理由がなく,憲法38条違反をいう点は,記録を調べても,被告人の自白の任意性を疑わせる証跡は認められないから,前提を欠き,その余は,判例違反をいう点を含め,実質は単なる法令違反,事実誤認,量刑不当の主張であり,被告人本人の上告趣意は,量刑不当の主張であって,いずれも刑訴法405条の上告理由に当たらない。 なお,所論にかんがみ記録を調査しても,刑訴法411条を適用すべきものとは認められない。 付言すると,本件は,被告人が,茨城県鹿島郡a 町(平成17年当時)内において,(1) 深夜,一人暮らしの老女(当時75歳)宅に侵入し,同女の頸部を両手で締め付けて殺害した上,現金7万円余りを強取し,その際,同女を強いて姦淫しようとしたがその目的を遂げず,(2) その10日後に,同様の犯行を企て,深夜,一人暮らしの老女(当時79歳)宅に侵入し,同女の頸部をタオルで締め付けて殺害したが,現金を見付けることができず,金員強取の目的及び同女強姦の目的を遂げなかったという,連続的な住居侵入,強盗殺人,強盗強姦未遂の事案と,- 2 -(3) 常習として軽貨物自動車を窃取しようとしたがその目的を遂げなかったとい ず,金員強取の目的及び同女強姦の目的を遂げなかったという,連続的な住居侵入,強盗殺人,強盗強姦未遂の事案と,- 2 -(3) 常習として軽貨物自動車を窃取しようとしたがその目的を遂げなかったという常習累犯窃盗の事案である。取り分け重大事犯である(1)及び(2)の各強盗殺人等の事件は,スナックでの飲食遊興のための金欲しさから,面識のある各被害者を殺害して金員を強取することを企て各犯行に及んだもので,犯行自体重大凶悪であることはもちろん,犯行に至る経緯及び動機に酌量すべき事情は認められない。各殺害の態様は,いずれも強固な殺意に基づく残忍なものであるのみならず,各被害者を姦淫しようとまでしているのであって,各被害者の人格や生命を一顧だにしない冷酷な犯行というほかない。何の落ち度もない2名の被害者の生命を奪ったという結果は甚だ重大であって,遺族らの処罰感情は厳しい。同じ町内で短期間に相次いで発生した本件強盗殺人等が近隣住民に与えた不安や恐怖も大きい。 以上のような諸事情に照らすと,被告人の反省の情や知能の程度など,酌むべき事情を十分考慮しても,その刑事責任は極めて重大であり,原判決が維持した第1審判決の死刑の科刑は,当裁判所もこれを是認せざるを得ない。 よって,刑訴法414条,396条,181条1項ただし書により,裁判官全員一致の意見で,主文のとおり判決する。 検察官圓山慶二公判出席(裁判長裁判官櫻井龍子裁判官宮川光治裁判官金築誠志裁判官横田尤孝裁判官白木勇)

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