○ 主文一原告の請求を棄却する。二訴訟費用は原告の負担とする。○ 事実第一当事者の求めた裁判一請求の趣旨 1 被告が昭和四七年一〇月四日付でした原告の昭和四四年分の所得税の申告納税額を金二、二一四万六、七〇〇円(総所得金額一八八万九、三一二円、山林所得金五、四一六万六、九四四円)とする更正処分および過少申告加算税額を金九九万〇、四〇〇円とする賦課決定処分を、国税不服審判所長の昭和四八年一一月二一日付裁決により減額された納税額金二、〇二二万七、二〇〇円(総所得金額一八八万九、三一二円、山林所得金五、〇六七万六、一二〇円)、過少申告加算税額金八九万四、四〇〇円の限度において取消す。2 訴訟費用は被告の負担とする。二誹求の趣旨に対する答弁主文同旨第二当事者の主張一請求の原因 1 原告は、昭和四四年分の所得税について、各所得金額を、不動産所得金一八万二、六五〇円、給与所得金一七〇万六、六六二円、山林所得金一、一〇〇万二、六四七円として確定申告したところ、被告は昭和四七年一〇月四日付で、これらの所得のうち山林所得金額を五、四一六万六、九四四円とする更正処分および過少申告加算税九九万〇、四〇〇円の賦課決定処分をした。2 そこで、原告はこれを不服として国税不服審判所長に審査請求をしたところ、同所長は昭和四八年一一月二一日付で右処分を一部取消し、納税額二、〇二二万七、二〇〇円(総所得金額一八八万九、三一二円、山林所得金額五、〇六七万六、一二〇円)、過少申告加算税八九万四、四〇〇円とする旨の裁決をし、その旨原告に通知した。3 しかしながら、被告のした前記処分(裁決により一部取消された後のもの)には次のような瑕疵がある。すなわち、(一) (1)原告は、昭和三八年以降山林の育成に従事し、その輪伐による収入によつて生計を維持す しながら、被告のした前記処分(裁決により一部取消された後のもの)には次のような瑕疵がある。 金額五、〇六七万六、一二〇円)、過少申告加算税八九万四、四〇〇円とする旨の裁決をし、その旨原告に通知した。3 しかしながら、被告のした前記処分(裁決により一部取消された後のもの)には次のような瑕疵がある。すなわち、(一) (1)原告は、昭和三八年以降山林の育成に従事し、その輪伐による収入によつて生計を維持す しながら、被告のした前記処分(裁決により一部取消された後のもの)には次のような瑕疵がある。すなわち、(一) (1)原告は、昭和三八年以降山林の育成に従事し、その輪伐による収入によつて生計を維持するいわゆる山林所得を生ずべき事業を営むものであつたが、その所有にかかる別表二の1記載の山林(以下単に野地山という。)および同表2記載の山林(以下単に大森山という。)の立木を、その取得の日から三年以内である昭和四四年一二月一五日訴外株式会社中長商店(以下単に中長滴店という。)に譲渡する旨の契約を締結した。(2)右譲渡契約(以下本件契約という。)は、両山林の立木を立木のままで代金五、〇〇〇万円で譲渡するいわゆる立木契約であつたが、右両山林の所在地方で立木取引の慣習の一つとして行われている方法に従い、右譲渡された立木の公示方法として、立木法による登記や明認方法にかえて、同年一二月二〇日右野地山につき、同月二三日右大森山につきそれぞれ中長商店のために抵当権設定登記を経由し、これをもつて権利の移転をしたのであるから、この時点で右の立木の譲渡契約における権利関係は確定したものである。(3)そして、原告は、右譲渡により昭和四四年分の所得を優に上まわる損失を生じたが、これは当然短期保有山林の譲渡による事業所得上生じた昭和四四年分の損失として、損失の必要経費算入、損失の通算控除がなされるべきものである。(4)ところが、被告は、右立木譲渡による所得(損失)の帰属年分を昭和四五年と判断して、前記処分を行つたものである。(二) また、原告は、昭和四四年分の納税申告にあたり、不動産所得および給与所得を加え、別表一の確定申告額欄記載のとおり、確定申告をしたのであるが、前記のとおり、昭和四四年分の所得を優に上まわる損失を生じていたので、同年分の課税所得は右損失の必要経費 不動産所得および給与所得を加え、別表一の確定申告額欄記載のとおり、確定申告をしたのであるが、前記のとおり、昭和四四年分の所得を優に上まわる損失を生じていたので、同年分の課税所得は右損失の必要経費算入・損失の通算控除により零になるものと信じており、結局のところ零であるならば所得額は何程でもよいと考えて右のような申告をしたものであるから、更正請求する余地も全くなかつたものである。 得は右損失の必要経費 不動産所得および給与所得を加え、別表一の確定申告額欄記載のとおり、確定申告をしたのであるが、前記のとおり、昭和四四年分の所得を優に上まわる損失を生じていたので、同年分の課税所得は右損失の必要経費算入・損失の通算控除により零になるものと信じており、結局のところ零であるならば所得額は何程でもよいと考えて右のような申告をしたものであるから、更正請求する余地も全くなかつたものである。従つて、原告の右申告にはその重要部分に錯誤があるから、不動産、給与の各所得についての申告自体無効というべきである。二請求原因に対する認否請求原因1、2の事実を認める。同3の(一)のうち、(1)、(4)の事実を認めるが(2)、(3)の事実を争う。同3の(二)の事実のうち、原告がその主張のとおりの確定申告をした事実を認め、その余は争う。三被告の主張 1 原告の昭和四四年分確定申告額の課税標準および税額の計算は別表一確定申告額欄記載のとおりである。被告の課税標準および税額の計算は同表裁決後の額欄記載のとおりである。2 原告が昭和四四年中の事業所得の損失であると主張する本件契約にもとづく野地山および大森山の立木の譲渡による所得(損失)は、次の理由で昭和四五年に帰属する。(一) すなわち、本件契約は、野地山および大森山の立木を伐採造材した素材(丸太)約一万三、五〇〇石を目的物とし、その素材の樹種、長さおよび材径別の一石当り山元渡し単価のみを契約で定め、実際の出材数量を森林組合の検尺によつて確認した後、売買金額が確定され、昭和四五年四月一五日限りをもつて買主が売主に先に交付した前渡金五、〇〇〇万円で精算することとし、その前渡金の担保として右取引が完了するまで野地山および大森山に抵当権を設定すること等を主な内容としたいわゆる出石契約であつた。(二) ところが、原告 付した前渡金五、〇〇〇万円で精算することとし、その前渡金の担保として右取引が完了するまで野地山および大森山に抵当権を設定すること等を主な内容としたいわゆる出石契約であつた。(二) ところが、原告は契約どおりに伐採に着手しなかつたので、当事者間で契約の履行を巡り紛争が生じ、その結果、原告は、昭和四五年六月三日野地山の立木およびその底地を訴外A所有の別表二の3(以下寺内山という。)、同4(以下一ノ谷山という。)の立木およびその底地と交換し、更に同月七日訴外Bから同5(以下西川長サコ山という。 山および大森山に抵当権を設定すること等を主な内容としたいわゆる出石契約であつた。(二) ところが、原告は契約どおりに伐採に着手しなかつたので、当事者間で契約の履行を巡り紛争が生じ、その結果、原告は、昭和四五年六月三日野地山の立木およびその底地を訴外A所有の別表二の3(以下寺内山という。)、同4(以下一ノ谷山という。)の立木およびその底地と交換し、更に同月七日訴外Bから同5(以下西川長サコ山という。)の立木を購入し、本件契約にかかる伐採造材した素材一万三、五〇〇石の代替として、同月八日に中長商店へこの寺内山、一ノ谷山および西川長サコ山の立木を引渡したものである。(三) しかし、これらの山林の材積が本件契約で定めた一万三、五〇〇石のなかばにも満たなかつたため紛争は更に続き、同年九月九日、契約の目的物を右寺内山、一ノ谷山、西川長サコ山の立木、素材と大森山の立木および地上権に変更し、更に本件契約では定めていなかつた売買価額を原告が既に受領していた前渡金から五五〇万円を中長商店に返戻した後の残額とするという内容の契約を締結し、その履行をもつて当事者間の取引は終了したのである。(四) 右のように、本件契約はいわゆる出石契約であるから、昭和四四年中に出材検尺を経た伐木の石数に対応する金額のみが同年の収入すべき金額となり、またこれに対応する必要経費が同年に計上さるべきものであるところ、同年中に出材検尺された素材はなく、さらに右出石契約も昭和四五年中に更改されたものであるから、結局本件野地山および大森山の譲渡によつて生じた所得(損失)の帰属年分は昭和四五年分となるのである。3 原告の確定申告の錯誤による無効の主張は失当である。すなわち、原告は、昭和四四年分 あるから、結局本件野地山および大森山の譲渡によつて生じた所得(損失)の帰属年分は昭和四五年分となるのである。3 原告の確定申告の錯誤による無効の主張は失当である。すなわち、原告は、昭和四四年分の所得税の確定申告で、山林所得の金額を一、一〇〇万二、六四七円として申告し、本件の野地出および大森山を譲渡したことによる所得(損失)は、昭和四五年分の損失であるとして同年分の所得税につきその山林所得の金額を一億二、五八五万四、五八〇円の損失として確定申告している。そして、原告は、昭和四四年分の確定申告について国税通則法所定の期限内に税務署長に対し何ら更正の請求をしなかつたうえ、更正請求以外の方法をもつてその取消を求めることが相当と認められるべき特段の事情も存在しないから、原告の主張は理由がない。 を譲渡したことによる所得(損失)は、昭和四五年分の損失であるとして同年分の所得税につきその山林所得の金額を一億二、五八五万四、五八〇円の損失として確定申告している。そして、原告は、昭和四四年分の確定申告について国税通則法所定の期限内に税務署長に対し何ら更正の請求をしなかつたうえ、更正請求以外の方法をもつてその取消を求めることが相当と認められるべき特段の事情も存在しないから、原告の主張は理由がない。四被告の主張に対する認否被告の主張1の事実を認め、同2、3の事実を争う。第三証拠(省略)○ 理由一請求原因1、2の事実(課税の経緯)及び被告主張1の事実(原告の昭和四四年分の所得等)は当事者間に争いがない。一一そこで、原告が昭和四四年分の事業所得(損失)と主張する野地山および大森山の立木の譲渡による所得(損失)の帰属年度について判断する。1 原告が山林の育成に従事し、その輪伐による収入によつて生計を維持する山林事業者であることは当事者間に争いがなく、成立に争いのない甲第二号証の一ないし三、同第五号証の一ないし四、同第七号証、乙第一号証、同第三ないし第五号証、同第七ないし第九号証、原告本人の供述およびこれにより成立の認められる甲第一号証の一、同第三、第四号証、同第六号証、同第八号証の一ないし三、同第九ないし第二〇号証の各一、二、乙第二号証、同第六号証、証人Cの証言およびこれにより真正に成立したものと認める乙第一三ないし第一七号証、証人Dおよ 、第四号証、同第六号証、同第八号証の一ないし三、同第九ないし第二〇号証の各一、二、乙第二号証、同第六号証、証人Cの証言およびこれにより真正に成立したものと認める乙第一三ないし第一七号証、証人Dおよび同Eの各証言を総合すると次の事実が認められる。原告は、北村林業株式会社(以下北村林業という。)から、昭和四三年二月八日野地山の立木およびその底地の所有権を代金総額三、三五〇万円で買受け、同月九日所有権移転登記を経由し、同年八月一〇日大森山の立木およびその底地の地上権を代金総額六、五五〇万円で買受け、昭和四四年五月二四日右地上権移転登記を経由した。原告は、北村林業に対し、右売買代金総額九、九〇〇万円のほか別の山林の取引に関し六〇〇万円の債務を負担していたので、この合計一億五〇〇万円の債務の支払いのため、昭和四四年六月一九日同林業に対し額面三、五〇〇万円の約束手形三通を交付するとともに、その担保として、野地山につき条件付所有権移転仮登記、大森山につき地上権への根抵当権設定登記等を経由した。 受け、昭和四四年五月二四日右地上権移転登記を経由した。原告は、北村林業に対し、右売買代金総額九、九〇〇万円のほか別の山林の取引に関し六〇〇万円の債務を負担していたので、この合計一億五〇〇万円の債務の支払いのため、昭和四四年六月一九日同林業に対し額面三、五〇〇万円の約束手形三通を交付するとともに、その担保として、野地山につき条件付所有権移転仮登記、大森山につき地上権への根抵当権設定登記等を経由した。原告は、右の支払いには、原告が所有する他の山林の売却代金をもつてあてるつもりにしていたが、これがうまくいかず、北村林業に手形の支払いの猶予を懇請する一方、野地山、大森山を他に売却することとし、昭和四四年一二月一五日中長商店との間で本件契約を結ぶに至り、同商店から後述の前渡金を受け取つてこれを北村林業に対する前記債務の一部の支払いに充てた。原告と中長商店との間の野地山、大森山の立木の売買契約は、両者で取りかわされた売買契約書(乙第一号証)、立木売買契約公正証書(乙第三号証)によれば、その目的物を右両山林の杉、檜、松の立木を、伐採造材した素材(丸太)約一万三、五〇〇石と定め、売買価格は双方が立会いのうえ森林組合の寸検した山元渡し価格として、その素材の樹種、長さ 号証)によれば、その目的物を右両山林の杉、檜、松の立木を、伐採造材した素材(丸太)約一万三、五〇〇石と定め、売買価格は双方が立会いのうえ森林組合の寸検した山元渡し価格として、その素材の樹種、長さ、材径別の一石当り山元渡し単備を定め、前渡金の支払いにつき、昭和四四年一二月一五日一、二〇〇万円を支払い、一、二〇〇万円、一、一〇〇万円の約束手形二通を交付し、一、五〇〇万円を野地山の伐採着手以前に支払う(農林中金への立替)こととし、精算方法として、昭和四五年四月一五日限りで山元受取石数について精算し、その結果前渡金に満たないときは残金に日歩三銭の利息を付加して返し、前渡金をこえるときは一週間以内に支払う旨定められていた。そして、原告は右前渡金を精算する際の債務の担保として、中長商店のため野地山の所有権と大森山の地上権に合計五、〇〇〇万円の抵当権の設定をした。ところで、もともと右売買契約は、原告が資金繰りに窮したためにやむなく締結したものであつたが、右両山林の立木は比較的若林であつて、原告としては右の契約に従い直ちに伐採出材したのでは多額の損失をこうむることになるため、精算すべき期限までに伐採出材を全然なさず、このため契約の履行をめぐつて中長商店との間で紛争が生じた。 中長商店のため野地山の所有権と大森山の地上権に合計五、〇〇〇万円の抵当権の設定をした。ところで、もともと右売買契約は、原告が資金繰りに窮したためにやむなく締結したものであつたが、右両山林の立木は比較的若林であつて、原告としては右の契約に従い直ちに伐採出材したのでは多額の損失をこうむることになるため、精算すべき期限までに伐採出材を全然なさず、このため契約の履行をめぐつて中長商店との間で紛争が生じた。原告は、昭和四五年五月二日中長商店との間で、本件契約の目的物について中長商店が認めた場合に限り他への売却、交換ができるという覚書を取り交わしたうえ、同商店の承諾を得て、同年六月三日Aとの間で野地山の立木及び土地と同人所有の寺内山および一ノ谷山の立木、土地との交換契約を結び、さらに同年六月七日Bから西川長サコ山の立木約一、八〇〇石を買い受け、同月八日中長商店へ本件契約の目的物の代替として右の寺内山、一ノ谷山(約五、五〇〇石)および西川長サコ山(約一、八〇〇石)の立木を引渡した。し 月七日Bから西川長サコ山の立木約一、八〇〇石を買い受け、同月八日中長商店へ本件契約の目的物の代替として右の寺内山、一ノ谷山(約五、五〇〇石)および西川長サコ山(約一、八〇〇石)の立木を引渡した。しかし、原告が提供した右山林では本件契約の石数に満たなかつたので、その後幾度かの折衡の後、同年九月九日に至り、本件契約の目的物を寺内山、一ノ谷山および西川長サコ山の立木、素材と大森山の立木および地上権に変更し、更に原告が既に受領していた前渡金から五五〇万円を中長商店へ返戻する旨の覚書契約(乙第九号証)が成立し、その履行をもつて原告と中長商店間の取引は終了した。右事実によれば、原告と中長商店との間の野地山、大森山の立木の売買は、立木の範囲と売買価額を決め立木のまま引渡しを行ういわゆる立木契約とは認められず、素材の数量と樹種、長さ、材径別の単価が定められ、出材検尺によつて所有権が移転し売買金額が確定して前渡金と精算がなされるいわゆる出石契約(素材契約)であると認めるのが相当である。原告は、中長商店との当初の昭和四四年一二月一五日付契約は右のような出石契約ではなく、野地山および大森山の立木を立木のままで代金を五、〇〇〇万円と定めて売却したいわゆる立木契約で素材についての山元渡し単価として樹種、長さ、材径別の一石当りの単価を定めたのは、中長商店において右立木を伐採した際一万三、五〇〇石以上あつた場合はその部分について計量取引とする趣旨であつた旨供述し、また右契約による抵当権の設定は前渡金の担保のためではなく、所有権移転登記にかわるものであると述べるけれども、右の供述部分は前記各証拠に照らし措信しがたく、他に右の認定を左右するに足る証拠はない。 木契約で素材についての山元渡し単価として樹種、長さ、材径別の一石当りの単価を定めたのは、中長商店において右立木を伐採した際一万三、五〇〇石以上あつた場合はその部分について計量取引とする趣旨であつた旨供述し、また右契約による抵当権の設定は前渡金の担保のためではなく、所有権移転登記にかわるものであると述べるけれども、右の供述部分は前記各証拠に照らし措信しがたく、他に右の認定を左右するに足る証拠はない。2 ところで、山林譲渡による所得(損失)の帰属時期は、その収入すべき権利(または損失)の確定した時期であり、 右の供述部分は前記各証拠に照らし措信しがたく、他に右の認定を左右するに足る証拠はない。2 ところで、山林譲渡による所得(損失)の帰属時期は、その収入すべき権利(または損失)の確定した時期であり、本件譲渡契約による権利の移転に関連する収入(損失)についても同様にみるべきところ、前記認定のとおり、本件野地山および大森山の立木の昭和四四年一二月一五日の譲渡契約はいわゆる出石契約であり、出材検尺をした伐木についてのみ所有権が移転するのであるから、結局昭和四四年中に出材検尺を経た伐木の石数に対応する金額のみが同年の収入すべき金額として確定し、またこれに対応する必要経費が同年分に計上されるべきものとなる。ところが、前認定のとおり昭和四四年中には出材検尺をした伐木はなかつたうえ、右契約自体も昭和四五年に更改されたのであるから、結局、本件山林譲渡によつて生じた所得(損失)の帰属年分は昭和四四年ではなく昭和四五年となる。三次に、昭和四四年分確定申告が錯誤により無効であるとの原告の主張につき判断する。確定申告が錯誤により無効であるというためには、その錯誤が客観的に明白かつ重大であつて、これにもとづく記載事項の過誤を国税通則法二三条所定の更正の請求の手続以外の方法によつて是正しなければ納税義務者の利益を著しく害し、かつ課税の公平に反すると認められる特別の事情が存しなければならないものと解されるところ、本件野地山および大森山の譲渡による所得(損失)の帰属年分は昭和四五年とみるべきものであること前示のとおりであり、ま成立に争いのない乙第一〇号証の一、二、同第一一号証の一、二、証人Dの証言およびこれにより真正に成立したものと認める乙第一二号証によれば、原告からなされた昭和四四年分確定申告も右所得(損失)の帰属年分を昭和四四年ではなく翌四五年であるとしてなさ 存しなければならないものと解されるところ、本件野地山および大森山の譲渡による所得(損失)の帰属年分は昭和四五年とみるべきものであること前示のとおりであり、ま成立に争いのない乙第一〇号証の一、二、同第一一号証の一、二、証人Dの証言およびこれにより真正に成立したものと認める乙第一二号証によれば、原告からなされた昭和四四年分確定申告も右所得(損失)の帰属年分を昭和四四年ではなく翌四五年であるとしてなさ 号証の一、二、証人Dの証言およびこれにより真正に成立したものと認める乙第一二号証によれば、原告からなされた昭和四四年分確定申告も右所得(損失)の帰属年分を昭和四四年ではなく翌四五年であるとしてなされていることが認められるのであつて、他に右確定申告に明白かつ重大な錯誤による誤謬の存在することを認むべき証拠はなく、右確定申告を無効ということはできない。よつて、右主張は理由がない。四以上のとおり本件課税処分に原告主張の違法はないから、原告の本訴請求は失当である。よつてこれを棄却することとし、訴訟費用の負担につき行政事件訴訟法七条、民事訴訟法八九条を適用して主文のとおり判決する。(裁判官鴨井孝之田尾健二郎西村則夫)別表二(省略)
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