平成14(わ)1771 麻薬及び向精神薬取締法違反被告

裁判年月日・裁判所
平成14年9月6日 横浜地方裁判所
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判決文本文2,155 文字)

上記の者に対する麻薬及び向精神薬取締法違反被告事件について,当裁判所は,検察官保木本正樹及び私選弁護人依田敏泰各出席の上審理し,次のとおり判決する。 主文 被告人を懲役1年6月に処する。 この裁判が確定した日から3年間その刑の執行を猶予する。 横浜地方検察庁で保管中の麻薬原料植物2袋(平成14年領第2021号符号1,同年領第2022号符号1)を没収する。 理由 (罪となるべき事実)被告人は,第1 みだりに,平成14年6月11日,横浜市a区b町○丁目○番地所在のB大学C総合医療センター救命救急センター内において,麻薬である3-〔(2-ジメチルアミノ)エチル〕-インドール-4-イルリン酸エステル(別名サイロシビン)及び3-〔2-(ジメチルアミノ)エチル〕-インドール-4-オール(別名サイロシン)を含有するきのこ類に該当する麻薬原料植物約2.138グラム(横浜地方検察庁平成14年領第2021号符号1は鑑定残量)を所持し第2 みだりに,同月12日,同市a区c○番○-○号被告人方居室において,麻薬である3-〔(2-ジメチルアミノ)エチル〕-インドール-4-イルリン酸エステル(別名サイロシビン)及び3-〔2-(ジメチルアミノ)エチル〕-インドール-4-オール(別名サイロシン)を含有するきのこ類に該当する麻薬原料植物約3.2グラム(横浜地方検察庁平成14年領第2022号符号1は鑑定残量)を所持し第3 法定の除外事由がないのに,同月11日ころ,前記被告人方居室において,麻薬である3-〔2-(ジメチルアミノ)エチル〕-インドール-4-オール(別名サイロシン)及びその塩類を含有するきのこ類をえん下して摂取し,もって麻薬を施用したものである。 (証拠の標目)  略(法令の適用)  略なお,弁護人は,被告人は平成14年6月6 オール(別名サイロシン)及びその塩類を含有するきのこ類をえん下して摂取し,もって麻薬を施用したものである。 (証拠の標目)  略(法令の適用)  略なお,弁護人は,被告人は平成14年6月6日以降マジックマッシュルームの所持及び施用が違法になることを知らなかったものであり,被告人には違法性の認識がなく,刑法38条3項ただし書を適用して刑の減軽をすべきと主張し,被告人も公判廷において上記主張に沿う供述をしている。しかしながら,関係証拠によれば,被告人が本件のマジックマッシュルームを購入する前日に,被告人の友人が被告人に対してマジックマッシュルームが同年6月6日以降違法薬物になると告げていること,被告人がマジックマッシュルームを購入した店では,マジックマッシュルームの所持及び施用が同年6月6日以降違法になる旨警告する内容の貼り紙が掲示され,店員も販売の際には客にその点の注意をしていたこと,本件の数か月前からマジックマッシュルームの所持,施用が違法となる旨の報道が繰り返しなされていたこと,被告人は以前から合法ドラッグ等に興味があり,これに関する雑誌を購読したり,インターネットで情報を検索するなどしていたことが認められ,これらを併せれば,被告人が違法性の認識を有した上で本件各犯行に及んだことが合理的に推認される。仮に被告人が十分な違法性の認識を有していなかったとしても,本件事案の罪質や被告人がマジックマッシュルームに幻覚作用があるのを知りながら所持及び施用に及んでいること等に鑑みると,情状により刑の減軽をすべき事案とは認められず,いずれにせよ弁護人の主張は採用できない。 (量刑の理由)本件は,マジックマッシュルームと呼ばれる麻薬原料植物を所持し,これをえん下することにより施用した麻薬及び向精神薬取締法違反3件の事案である。 被告人は 護人の主張は採用できない。 (量刑の理由)本件は,マジックマッシュルームと呼ばれる麻薬原料植物を所持し,これをえん下することにより施用した麻薬及び向精神薬取締法違反3件の事案である。 被告人は夫婦関係の悩みを晴らすためにマジックマッシュルームを購入し,本件各犯行に及んだというのであるが,そのような動機に格別酌量の余地は認められない上,犯行態様は,違法な麻薬原料植物合計約5.3グラムを所持したほか,これをえん下して施用するという大胆なものであり,その結果幻覚症状を呈して救急車により病院に搬送されているのであって,規範意識の鈍磨が窺われる。以上によれば,被告人の刑事責任を軽くみることはできない。 しかしながら,他方,被告人は二度と薬物に手を出さない旨誓っていること,本件で身柄拘束を受け,勤務先を退職し,さらにマジックマッシュルームが麻薬原料植物として指定されて以降全国初の検挙者として新聞等で報道されるなど,一定の社会的制裁を受けていること,被告人は20代と若く,これまで前科前歴はないこと,実父が情状証人として出廷して監督の意向を示していることなど,弁護人指摘の酌むべき情状もある。 そこで,以上の諸事情を総合考慮して,主文の刑を量定した上,今回は刑の執行を猶予することにした。 よって,主文のとおり判決する。 (求刑・懲役1年6月と麻薬原料植物2袋の没収)平成14年9月6日横浜地方裁判所第1刑事部裁判官足立勉

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