令和6(行ケ)10023 審決取消請求事件

裁判年月日・裁判所
令和6年11月13日 知的財産高等裁判所 2部 判決 審決取消
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令和6年11月13日判決言渡 令和6年(行ケ)第10023号審決取消請求事件 口頭弁論終結日令和6年9月4日判決 原告 株式会社フライトソリューションズ 同訴訟代理人弁護士 升村紀章 同訴訟代理人弁理士 坂本智弘 同木田博 同片山健一 同土井伸次 被告 特許庁長官 同指定代理人 須田勝巳 同山崎慎一 同吉田美彦 同宮下誠 主文 1 特許庁が不服2023-11666号事件について令和6年1月30日にした審決を取り消す。 2 訴訟費用は被告の負担とする。 事実 及び理由(注)本判決の本文中で用いる主な略語の定義は、本文中で別に定めるほか、次のとおりである。 本件審決 :特許庁が不服2023-11666号事件について令和6年1月30日にした審決 本願発明 :令和5年1月19日にされた手続補正(甲7)により補正された特許請求の範囲【請求項1】に記載された発明 本願明細書 :本 事件について令和6年 1月30日にした審決本願発明 :令和5年1月19日にされた手続補正(甲7)により補正された特許請求の範囲【請求項1】に記載された発明本願明細書 :本願に係る明細書及び図面(甲5)本件補正 :本願につき拒絶査定不服審判請求と同時(令和5年7月11 日)にされた手続補正(甲16)本件補正発明 :本件補正後の特許請求の範囲【請求項1】に記載された発明本件上申書 :原告が令和5年12月14日に提出した上申書(甲17)第1 請求主文同旨 第2 事案の概要本件は、特許出願の拒絶査定に対する不服審判請求を不成立とした審決の取消訴訟である。争点は、①本件補正の可否、②本願発明の進歩性及び③手続違背の有無である。 1 特許庁における手続の経緯等(争いがない) ⑴ 原告は、令和3年5月11日、発明の名称を「情報処理端末」とする発明について、特許出願をした(特願2021-80176号、請求項の数8)。 ⑵ 原告は、令和4年11月14日付けで拒絶理由の通知(甲6)を受け、令和5年1月19日付け手続補正書(甲7)により、特許請求の範囲の補正を行ったが、同年2月21日付けで最後の拒絶理由の通知(甲9)を受けた後、 同年5月19日付けで拒絶査定(甲12)を受けた。そのため、原告は、同年7月11日、拒絶査定不服審判を請求(甲15)し、同時に、手続補正書(甲16)を提出し、特許請求の範囲についての補正(本件補正)をした。 なお、原告は、同年12月14日、追加の補正案等を記載した本件上申書を提出している。 ⑶ 特許庁は、同審判請求を不服2023-11666号事件として審理し、 令和6年1月30日、本件補正を却下するとともに、本願 、追加の補正案等を記載した本件上申書を提出している。 ⑶ 特許庁は、同審判請求を不服2023-11666号事件として審理し、 令和6年1月30日、本件補正を却下するとともに、本願発明の進歩性を否定して、「本件審判の請求は、成り立たない。」との本件審決をし、その謄本は、同年2月13日、原告に送達された。 ⑷ 原告は、同年3月13日、本件審決の取消しを求めて本件訴えを提起した。 2 本願発明及び本件補正発明の内容等 ⑴ 本件審決が進歩性を否定した本願発明における特許請求の範囲(請求項1)の記載は、以下のとおりである。 「 情報記憶媒体から情報を読み取り可能な接触型の読み取り部と、情報記憶媒体から情報を読み取り可能な非接触型の読み取り部と、前記接触型の読み取り部及び前記非接触型の読み取り部のそれぞれによ り読み取られた情報を処理する情報処理部とを、備え、前記情報処理部は、前記接触型の読み取り部及び前記非接触型の読み取り部のそれぞれを同時に、決済に関する情報の入力の有無に関係なく、情報記憶媒体から情報を読み取り可能な待ち受け状態に維持しつつ、前記接触型の読み取り部により読み取られた情報又は前記非接触型の読み 取り部により読み取られた情報を処理する、情報処理端末。」⑵ 本件補正の却下前の本件補正発明における特許請求の範囲(請求項1)の記載は、以下のとおりである(下線部は補正箇所を示し、〇付き数字は本件審決にいう「補正事項1」等の数字に対応する。)。 「 ①決済以外の用途において適用可能な情報処理端末であって、 情報記憶媒体から情報を読み取り可能な接触型の読み取り部と、②前記情報記憶媒体から情報を読み取り可能な非接触型の読み取り部と 途において適用可能な情報処理端末であって、 情報記憶媒体から情報を読み取り可能な接触型の読み取り部と、②前記情報記憶媒体から情報を読み取り可能な非接触型の読み取り部と、前記接触型の読み取り部及び前記非接触型の読み取り部のそれぞれにより読み取られた情報を処理する情報処理部とを、備え、 ③前記接触型の読み取り部及び前記非接触型の読み取り部は、決済に関する情報の入力がなされていない前記情報記憶媒体から読み取り対象の情報を読み取り可能であり、前記情報処理部は、前記接触型の読み取り部及び前記非接触型の読み取り部のそれぞれを同時に、④(「決済に関する情報の入力の有無に関係な く、」を削除)前記情報記憶媒体から情報を読み取り可能な待ち受け状態に維持しつつ、前記接触型の読み取り部により読み取られた情報又⑤(「は」を削除。ただし、手続補正書の誤記と思われる。)前記非接触型の読み取り部により読み取られた情報を処理する、情報処理端末。」⑶ 本願明細書 本願明細書には、別紙1「本願明細書の記載事項(抜粋)」の記載がある。 3 本件審決の理由本件審決の理由は、別紙2「本件審決の理由(抜粋)」のとおりであり、その要旨は次のとおりである。 ⑴ 本件補正の適否 ア本件補正のうち、本件補正前の請求項1から「決済に関する情報の入力の有無に関係なく、」との発明特定事項を削除する補正事項4は、「前記接触型の読み取り部及び前記非接触型の読み取り部のそれぞれを」「情報記憶媒体から情報を読み取り可能な待ち受け状態に維持」する態様を限定する事項を削除するものである。 例えば、本件補正前の請求項1では、「前記接触型の読み取り部及び前記非接触型の読み取り部のそれぞれを」「決済に関する 待ち受け状態に維持」する態様を限定する事項を削除するものである。 例えば、本件補正前の請求項1では、「前記接触型の読み取り部及び前記非接触型の読み取り部のそれぞれを」「決済に関する情報の入力」が無い場合には「情報記憶媒体から情報を読み取り可能な待ち受け状態に維持」しない一方、「決済に関する情報の入力」が有る場合には「情報記憶媒体から情報を読み取り可能な待ち受け状態に維持」する態様が排除されてい たが、本件補正後の請求項1では排除されないことになる。 したがって、補正事項4は、特許請求の範囲を減縮するものではない。 その他、補正事項4を含む本件補正は、特許法17条の2第5項各号に規定する補正要件を満たしていない。 イ仮に本件補正が特許請求の範囲の減縮を目的とするものであるとしても、本件補正発明の「決済以外の用途において適用可能な情報処理端末であ って、」(補正事項1)との記載は、“決済以外の用途においてのみ適用可能な情報処理端末”であることを特定するものであるのか、“決済以外の用途においても適用可能な情報処理端末”であることを特定するものであるのか不明であり、本願明細書の記載を参酌しても同様である。 したがって、本件補正発明は明確でないから、特許法36条6項2号 の要件を欠き、独立特許要件(同法17条の2第6項、126条7項)を満たしていない。 ⑵ 本願発明について本願発明は、特開2020-181331号公報に記載された発明(以下「引用発明1」という。)及び特許第6754989号公報に記載された発 明(以下「引用発明2」という。)に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法29条2項の規定により特許を受けることができないものである。 4989号公報に記載された発 明(以下「引用発明2」という。)に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法29条2項の規定により特許を受けることができないものである。 ⑶ 本件上申書について原告は、本件上申書の「2.追加の補正案について」において、請求項1 に係る新たな補正案を提示しているが、同補正案に係る発明は、特開2016-057804号公報に記載された発明(以下「引用発明A」という。)に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、上記の新たに提示された補正案を採用することはできない。 4 原告主張の審決取消事由 ⑴ 本件補正を却下した判断の誤り(取消事由1) ア特許請求の範囲を減縮するものであることイ本件補正発明が明確であること⑵ 引用発明1及び引用発明2に基づく本願発明の進歩性判断の誤り(取消事由2)⑶ 引用発明Aに基づく進歩性について弁明の機会を与えなかった手続の誤り (取消事由3)第3 当事者の主張 1 取消事由1(本件補正を却下した判断の誤り)(原告の主張)⑴ 特許請求の範囲を減縮するものであること 本件補正前の請求項1の記載は、決済の用途に用いられる情報記憶媒体(以下「決済用カード」という。)、決済以外の用途に用いられる情報記憶媒体(以下「非決済用カード」という。)の双方が処理対象たり得る記載となっていた。 しかし、補正事項1(「決済以外の用途において適用可能な情報処理端末 であって、」の追加)、補正事項3(「前記接触型の読み取り部及び前記非接触型の読み取り部は、決済に関する情報の入力がなされていない前記情報記憶媒体から読み取り対象の情報を読み取り可能であり、」の追加)は、本 」の追加)、補正事項3(「前記接触型の読み取り部及び前記非接触型の読み取り部は、決済に関する情報の入力がなされていない前記情報記憶媒体から読み取り対象の情報を読み取り可能であり、」の追加)は、本件補正発明の処理対象が、決済に関する情報の入力がなされていない「非決済用カード」であって、「決済用カード」を処理の対象としていないことを 明確にするものである。 補正事項4も同趣旨であって、決済に関する情報が入力されていない「非決済用カード」の処理は、「決済に関する情報の入力」とは無関係であるから、これを削除したものである。 このように、「決済用カード」を処理の対象としない以上、決済に関する 情報の入力がある場合に待ち受け状態に維持する態様がそもそも排除されて いることから、補正事項4は、補正事項1、3と相まって「決済用カード」を処理の対象としないことを明らかにするものであり、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 ⑵ 本件補正発明が明確であることについて本件補正発明の処理対象は「非決済用カード」であり、「決済用カード」 は処理対象としないことは明確にされているから、決済以外の用途においてのみ適用可能な情報処理端末(決済以外の用途専用の端末)とするか、決済以外の用途においても適用可能な情報処理端末(決済以外の用途と決済の共用の端末)とするかは使用者が適宜決めればよい程度のことであり、本件補正発明が第三者に不測の不利益を及ぼすほどに不明確とはいえない。 (被告の主張)⑴ 特許請求の範囲を減縮するものであることについてア本願発明は、決済に関する情報が入力されてもされなくても待ち受け状態に維持することができることが規定されていたのに対し、本件補正(補正事項4)は「決済に関する情報の るものであることについてア本願発明は、決済に関する情報が入力されてもされなくても待ち受け状態に維持することができることが規定されていたのに対し、本件補正(補正事項4)は「決済に関する情報の入力の有無に関係なく」との条件を削 除することにより、「待ち受け状態に維持」する条件を何ら特定しないものとなった。 そのため、本件補正発明は、例えば、本件補正前には含まれていなかった、情報処理部が決済に関する情報の入力をしたときにだけ同時に待ち受け状態となって、決済用媒体を読み取り可能な、非決済及び決済用 媒体兼用の情報処理装置(すなわち、決済に関する情報の入力がない限り待ち受け状態とはならない情報処理装置)が、本件補正後は、発明の技術的範囲に包含されることになっている。 その結果、本件補正前の本願発明では、決済に関する情報の入力の有無に関係なく、すべての媒体を読み取り部の選択なしに読み取ることができ るとの技術的意義を有するのに対し、本件補正により「決済に関する情報 の入力をしたときにだけ同時に待ち受け状態となる態様」が包含されることによって、上記の技術的意義が失われている。 イ補正事項1及び補正事項3については、それぞれ「情報処理端末」及び「読み取り部」を減縮するものであるが、「待ち受け状態」に関する条件(決済に関する情報の入力)とは無関係であるから、補正事項4とは直接 関連しない。 ウなお、補正事項4に係る本願発明の請求項の記載では、読み取り部の待ち受け維持の態様が規定されているのであって、読み取り対象を限定する記載ではないから、決済用カードと非決済用カードの読み取り挙動を解釈することに意義は無く、「決済に関する情報の入力の有無」に注目して場 合分けするのが特許請求の範囲の正しい解釈 対象を限定する記載ではないから、決済用カードと非決済用カードの読み取り挙動を解釈することに意義は無く、「決済に関する情報の入力の有無」に注目して場 合分けするのが特許請求の範囲の正しい解釈である。 ⑵ 本件補正発明が明確であることについて専用の端末とするか共用の端末とするかは使用者が適宜決めればよいとする原告の主張自体、本件補正発明の技術的範囲が専用の端末に限られるか、共用の端末に限られるか、その両方を包含するか、恣意的に変化するもので あることを示している。 第三者が共用の端末は本願発明の範囲外であると解して特許発明を実施し、共用の端末が本願発明の範囲内であるとして権利行使されれば、不測の不利益を被ることは明らかである。 2 取消事由2(引用発明1及び引用発明2に基づく本願発明の進歩性判断の誤 り)(原告の主張)本願発明は、「決済以外の用途において」接触型及び非接触型のいずれの情報記憶媒体からも短時間で必要な情報を読み取り可能な情報処理端末を提供すること(本願明細書【0005】)を課題とするのに対し、引用発明1は、接 触型決済方式と非接触型決済方式の双方に対応する「決済端末」の発明であり、 引用発明2も同様であるから、発明の課題が異なる。 したがって、引用発明1はそもそも主引用発明たり得ないし、いずれも本願発明と課題が異なる引用発明1と引用発明2を組み合わせることで、本願発明の進歩性を否定することはできない。 (被告の主張) 本願発明の課題は、情報記憶媒体が決済用カードか非決済用カードかに関わらず「接触型及び非接触型のいずれの情報記憶媒体からも短時間で必要な情報を読み取り可能な情報処理端末を提供すること」であると解され、引用発明1、2の課題は「接触型及び非 ードか非決済用カードかに関わらず「接触型及び非接触型のいずれの情報記憶媒体からも短時間で必要な情報を読み取り可能な情報処理端末を提供すること」であると解され、引用発明1、2の課題は「接触型及び非接触型のいずれの情報記憶媒体からも必要な情報を読み取り可能な情報処理端末を提供すること」であるといえるから、共に「接 触型及び非接触型のいずれの情報記憶媒体からも必要な情報を読み取り可能な情報処理端末を提供する」という課題を有する点で共通している。 その他、本件審決の進歩性判断に誤りはない。 3 取消事由3(引用発明Aに基づく進歩性について弁明の機会を与えなかった手続の誤り) (原告の主張)原告は、本願の審査及び本件審判の手続において、本件上申書記載の追加の補正案に係る発明に関し、引用発明Aを理由とする進歩性についての弁明の機会が与えられていないから、本件審判の審理手続には審決の結論に直結する違法がある。 (被告の主張)本件上申書は、正式に提出された補正書ではない。本件審決はその内容を一応検討しているものの、暫定的な見解を示したものであり、審決の結論に影響するものではない。 第4 当裁判所の判断 当裁判所は、本件補正は本願発明の特許請求の範囲を減縮するものであって、 かつ、本件補正発明が明確でないということはできないと考える。したがって、本件補正が特許請求の範囲を減縮するものではなく、仮に減縮するものだとしても独立特許要件を満たしていないという理由で本件補正を却下した本件審決は誤りであり、取消事由1が認められるので、その余の取消事由について判断するまでもなく、本件審決は取り消すべきものと判断する。 1 本願発明及び本件補正発明について本願明細書の記載(別紙 は誤りであり、取消事由1が認められるので、その余の取消事由について判断するまでもなく、本件審決は取り消すべきものと判断する。 1 本願発明及び本件補正発明について本願明細書の記載(別紙1)によれば、本願発明及び本件補正発明について、次の記載があると認められる(以下、特に断らない限り、【 】内の番号は本願明細書の段落番号を指す。)。 ⑴ 技術分野、背景技術 本開示は、情報処理端末に関する(【0001】)。 決済端末装置が、金額情報、支払方法、決済に使用されるカードブランドの情報など、決済に関する情報を、ユーザからの入力により受け取った後に、決済に使用されるカードの読み取り操作をユーザに促す処理及び表示を行う技術が知られている(【0002】)。 ⑵ 発明が解決しようとする課題上記のような従来技術では、決済に関する情報をユーザが入力してから、決済に使用されるカードの読み取り操作を促す処理及び表示を行う構成であるので、決済以外の用途への適用が難しい(【0004】)。本開示は、決済以外の用途において適用可能な情報処理端末であって、接触型及び非接触 型のいずれの情報記憶媒体からも短時間で必要な情報を読み取り可能な情報処理端末を提供することを目的とする(【0005】)。 ⑶ 課題を解決するための手段1つの側面では、情報記憶媒体から情報を読み取り可能な接触型の読み取り部と、情報記憶媒体から情報を読み取り可能な非接触型の読み取り部と、 前記接触型の読み取り部及び前記非接触型の読み取り部のそれぞれにより読 み取られた情報を処理する情報処理部とを、備え、前記情報処理部は、前記接触型の読み取り部及び前記非接触型の読み取り部のそれぞれを、情報記憶媒体から情報を読み取り可能な待ち受け状態 より読 み取られた情報を処理する情報処理部とを、備え、前記情報処理部は、前記接触型の読み取り部及び前記非接触型の読み取り部のそれぞれを、情報記憶媒体から情報を読み取り可能な待ち受け状態に維持しつつ、前記接触型の読み取り部により読み取られた情報又は前記非接触型の読み取り部により読み取られた情報を処理する、情報処理端末が提供される(【0006】)。 情報記憶媒体は、情報処理端末による読み取り対象の情報を有する限り任意であり、例えばカードの形態であってもよいし、ユーザ端末(例えばスマートフォン)の形態であってもよい。また、各種クレジットカード、マイナンバーカード、外国人在留者カード、運転免許証などが含まれる(【0010】、【0045】、【0048】)。 ⑷ 発明の効果本開示によれば、決済以外の用途において適用可能な情報処理端末であって、接触型及び非接触型のいずれの情報記憶媒体からも短時間で必要な情報を読み取り可能な情報処理端末を提供することが可能となる(【0007】)。 特に本実施例(【0011】~【0062】)によれば、読取端末21が情報記憶媒体を処理していない状況下では、非接触型リーダ211及び接触型リーダ212は、決済に関する情報の入力の有無に関係なく、同時に待ち受け状態を維持している。これにより、第1ユーザ(自身の情報記憶媒体を読取端末21に読み取らせる側のユーザ(【0009】))は、いずれが待 ち受け状態にあるかを意識することなく、所望の一方を利用して、マイナンバーカード内の電子証明書を読取端末21に読み取らせることができる。また、非接触型リーダ211及び接触型リーダ212がともに待ち受け状態である場合、第1ユーザが非接触型リーダ211及び接触型リーダ212のいずれ 電子証明書を読取端末21に読み取らせることができる。また、非接触型リーダ211及び接触型リーダ212がともに待ち受け状態である場合、第1ユーザが非接触型リーダ211及び接触型リーダ212のいずれをも用いて、短時間でマイナンバーカード内の電子証明書を読み取り可 能となる。これにより、非接触型リーダ211及び接触型リーダ212の双 方又は一方を待ち受け状態へと遷移させるために所定入力を必要とするような比較例に比べて、利便性が向上する。(【0063】) 2 取消事由1(本件補正を却下した判断の誤り)について⑴ 本件補正は特許請求の範囲を減縮するものであるかア本件補正に係る補正事項のうち、「決済以外の用途において適用可能な 情報処理端末であって、」(補正事項1)の追加は、本件補正発明の情報処理端末を、決済用媒体と非決済用媒体の双方を処理の対象とするもの(以下「決済・非決済共用端末」という。)及び非決済用媒体のみを処理の対象とするもの(以下「非決済専用端末」という。)に限定するもの、すなわち決済専用の端末を本件補正発明の技術的範囲から除外す るものであり、これは特許請求の範囲の減縮に当たると認められる。 また、「前記接触型の読み取り部及び前記非接触型の読み取り部は、決済に関する情報の入力がなされていない前記情報記憶媒体から読み取り対象の情報を読み取り可能であり、」(補正事項3)の追加は、読み取り部の機能として、「決済に関する情報の入力がなされていない前記情 報記憶媒体」を読み取り可能であることを限定するものであり、特許請求の範囲の減縮に当たると認められる。 原告は、上記の補正により決済用媒体を処理の対象としていないことを特定していると主張するが、これらの補正事項は、それぞれ「 限定するものであり、特許請求の範囲の減縮に当たると認められる。 原告は、上記の補正により決済用媒体を処理の対象としていないことを特定していると主張するが、これらの補正事項は、それぞれ「決済以外の用途において適用可能」、非決済用媒体から「読み取り対象の情報を 読み取り可能」であることを特定するにとどまり、決済用媒体を対象に含む決済・非決済共用端末を除外しているとは解されないから、同主張を採用することはできない。 イその上で、本願発明の「決済に関する情報の入力の有無に関係なく、」を削除する補正事項4についてみると、文言上は、「前記接触型の読み取 り部及び前記非接触型の読み取り部のそれぞれを」「情報記憶媒体から情 報を読み取り可能な待ち受け状態に維持」する態様(以下「本件態様」という。)を限定していた事項を削除するものであるから、「『決済に関する情報の入力』の有無が本件態様に関係する情報処理端末」は、本願発明の範囲には含まれていなかったが、本件補正発明の範囲には含まれることになったと解釈する余地がある。 しかし、本願発明は、決済に関する情報(金額情報、支払方法、決済に使用されるカードブランドの情報など)をユーザが入力してから決済に使用されるカードの読み取り操作を促す処理及び表示を行うという従来技術の構成では、決済以外の用途への適用が難しいという課題を解決するため、決済以外の用途において適用可能な情報処理端末であって、接触型・非接 触型の別を問わず、情報記憶媒体から短時間で必要な情報を読み取り可能な情報処理端末を提供するものであり(【0004】~【0007】)、この点は、本件補正発明においても同様である。 そして、「決済に関する情報の入力の有無が本件態様に関係する情報処理端末」と り可能な情報処理端末を提供するものであり(【0004】~【0007】)、この点は、本件補正発明においても同様である。 そして、「決済に関する情報の入力の有無が本件態様に関係する情報処理端末」としては、「決済に関する情報の入力」によって初めて本件 態様になるような情報処理端末が考えられるが、このような情報処理端末を利用するためには、常に「決済に関する情報」の入力が要求されることになるから、本願発明及び本件補正発明の趣旨目的に反するものであるのみならず、例えば、マイナンバーカードのような非決済用媒体を処理対象とする場合には、「決済に関する情報」そのものがないのであ るから、「決済に関する情報の入力」がない限り待ち受け状態とならないとすると、いつまでも本件態様となることができず、非決済用媒体を読み取ることができない。そのような端末は「決済以外の用途において適用可能な情報処理端末」とはいえない。 逆に「決済に関する情報の入力」により本件態様が終了するような情報 処理端末も一応考えられるが、このような端末は、当該入力後は読み取り 可能ではなくなり、決済・非決済共用端末の場合において、決済に関する情報を入力すると決済目的で情報処理端末を利用することができなくなる、いい換えると、決済処理を行わないのに決済に関する情報を入力する手段を設けるという、およそ不合理なものとなる。 補正事項4を含む本件補正後の発明が、これらの「決済に関する情報 の入力の有無が本件態様に関係する情報処理端末」をその技術的範囲に含むと解することは、合理的な解釈とはいい難い。 むしろ、本願発明及び本件補正発明の技術的範囲の内容について、本願明細書の内容を考慮して解釈するならば、本件補正の前後を通じ、本件態様となるために「決済に関する ことは、合理的な解釈とはいい難い。 むしろ、本願発明及び本件補正発明の技術的範囲の内容について、本願明細書の内容を考慮して解釈するならば、本件補正の前後を通じ、本件態様となるために「決済に関する情報の入力」が不要であることに変 わりはなく、本願発明の「決済に関する情報の入力の有無に関係なく、」との文言は、決済以外の用途において適用可能であることを特定していたにすぎないものと解するのが相当であるから、補正事項4により、本件補正発明に本願発明に含まれていなかった事項が含まれることにはならない。 ウ補正事項1及び3が特許請求の範囲の減縮に当たることは前記のとおりであり、補正事項4が新たな事項を追加するものではない以上、結局、本件補正は、全体として特許請求の範囲を減縮するものに当たる。これに反する被告の主張は、以上述べた理由により、採用することができない。 したがって、補正事項4を含む本件補正は特許法17条の2第5項2 号に規定する「特許請求の範囲を減縮」する場合に該当するから、同号の補正要件を満たしていないとする本件審決の判断には、誤りがある。 ⑵ 独立特許要件(本件補正発明の明確性)について進んで、本件補正が独立特許要件(特許法17条の2第6項、同法126条7項)としての同法36条6項2号(明確性)の要件を充足するかどうか について検討する。 前記のとおり、本件補正発明の「決済以外の用途において適用可能な情報処理端末であって、」との記載は、非決済専用端末のみならず決済・非決済共用端末を含むものと解される。 このことは、本願明細書において、発明の課題及び効果は「決済以外の用途において適用可能な情報処理端末」の提供であるとされた上で(【000 5】、【0007】)、 を含むものと解される。 このことは、本願明細書において、発明の課題及び効果は「決済以外の用途において適用可能な情報処理端末」の提供であるとされた上で(【000 5】、【0007】)、最初の実施例として決済・非決済共用端末の例が記載されていること(【0011】以下)及びほかの実施例として非決済専用端末の例が記載されていること(【0072】)を参酌すれば、さらに明らかであり、少なくとも、本件補正後の特許請求の範囲の記載が第三者の利益を不当に害すほどに不明確ということはできない。 これに反する被告の主張は、以上述べた理由により、いずれも採用することができない。 したがって、本件補正発明の「決済以外の用途において適用可能な情報処理端末であって、」との記載は明確であり、本件補正発明は明確でないから特許法123条1項4号、同法36条6項2号の要件を欠き、独立特許要件 (同法17条の2第6項、126条7項)を満たしていないとする本件審決の判断には、誤りがある。 ⑶ 取消事由1についての結論以上によれば、本件補正を却下した本件審決の判断には誤りがあるから、取消事由1は理由がある。 3 取消事由2(引用発明1及び引用発明2に基づく本願発明の進歩性判断の誤り)について前記のとおり、本件補正を却下した本件審決の判断には誤りがあるから、本件補正前の本願発明の進歩性判断の当否については、判断を要しない。 4 取消事由3(引用発明Aに基づく進歩性について弁明の機会を与えなかった 手続の誤り)について 前記のとおり、取消事由1が認められる以上、取消事由3については判断を要しない。なお、本件上申書の「2.追加の補正案について」に記載された補正案に対する判断部分は、 誤り)について 前記のとおり、取消事由1が認められる以上、取消事由3については判断を要しない。なお、本件上申書の「2.追加の補正案について」に記載された補正案に対する判断部分は、本件審決が付加的に判断を示したものにすぎず(そもそも本件審決において、法的に判断する必要はなかったものである。)、審決の結論に影響を及ぼすものではない。 5 結論よって、取消事由1は理由があるから、本件審決を取り消すこととして、主文のとおり判決する。 知的財産高等裁判所第2部 裁判長裁判官清水響 裁判官菊池絵理 裁判官 頼晋一 (別紙1)本願明細書の記載事項(抜粋)【技術分野】【0001】本開示は、情報処理端末に関する。 【背景技術】【0002】決済端末装置が、金額情報、支払方法、決済に使用されるカードブランドの情報など、決済に関する情報を、ユーザからの入力により受け取った後に、決済に使用されるカードの読み取り操作をユーザに促す処理及び表示を行う技術が知られている。 【先行技術文献】【特許文献】【0003】【特許文献1】特開2015-114791号公報【発明の概要】 【発明が解決しようとする課題】【0004】しかしながら、上記のような従来技術では、決済に関する情報をユーザが入力してから、決済に使用されるカードの読み取り操作を促す処理及 概要】 【発明が解決しようとする課題】【0004】しかしながら、上記のような従来技術では、決済に関する情報をユーザが入力してから、決済に使用されるカードの読み取り操作を促す処理及び表示を行う構成であるので、決済以外の用途への適用が難しい。 【0005】そこで、本開示は、決済以外の用途において適用可能な情報処理端末であって、接触型及び非接触型のいずれの情報記憶媒体からも短時間で必要な情報を読み取り可能な情報処理端末を提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0006】 1つの側面では、情報記憶媒体から情報を読み取り可能な接触型の読み取り部と、情報記憶媒体から情報を読み取り可能な非接触型の読み取り部と、前記接触型の読み取り部及び前記非接触型の読み取り部のそれぞれにより読み取られた情報を処理する情報処理部とを、備え、前記情報処理部は、前記接触型の読み取り部及び前記非接触型の読み取り部のそれぞれ を、情報記憶媒体から情報を読み取り可能な待ち受け状態に維持しつつ、前記接触型の読み取り部により読み取られた情報又は前記非接触型の読み取り部により読み取られた情報を処理する、情報処理端末が提供される。 【発明の効果】【0007】 本開示によれば、決済以外の用途において適用可能な情報処理端末であって、接触型及び非接触型のいずれの情報記憶媒体からも短時間で必要な情報を読み取り可能な情報処理端末を提供することが可能となる。 【発明を実施するための形態】【0009】 以下、添付図面を参照しながら各実施例について詳細に説明する。以下では、第1ユーザとは、自身の情報記憶媒体を読取端末21に読み取らせる側のユーザを指し、第2ユーザとは、読取端末 009】 以下、添付図面を参照しながら各実施例について詳細に説明する。以下では、第1ユーザとは、自身の情報記憶媒体を読取端末21に読み取らせる側のユーザを指し、第2ユーザとは、読取端末21を用いて情報記憶媒体から情報を読み取る側のユーザを指す。 【0010】情報記憶媒体は、読取端末21による読み取り対象の情報を有する限り任意であり、例 えばカードの形態であってもよいし、ユーザ端末(例えばスマートフォン)の形態であってもよい。 【0011】図1は、本実施例による読取端末21(情報処理端末の一例)の一例を示す概略図である。読取端末21は、可搬性があり、第2ユーザが手に持って容易に運ぶことができる形 態である。例えば、第2ユーザは、クライアントである第1ユーザの近くまで、手に持っ て読取端末21を運ぶことができる。また、読取端末21は、好ましくは、内部バッテリを備え、コンセントからの配線接続を必要とすることなく、動作可能である。 【0012】読取端末21は、正面に、ディスプレイ215やセキュアキーボード217等を有してよい。 【0013】図2は、読取端末21の内部構成の一例を示すブロック図である。 【0014】読取端末21は、非接触型リーダ211と、接触型リーダ212と、情報処理部213とを含む。 【0015】非接触型リーダ211は、非接触型の読み取り部を形成する。読取端末21における非接触型リーダ211の位置は任意である。非接触型リーダ211は、例えばカード式の情報記憶媒体が差し込み可能な差し込み空間に設けられてもよい。非接触型リーダ211は、情報処理部213に接続される。 【0017】非接触型リーダ211は、待ち受け状態と、非待ち受け状態との間 憶媒体が差し込み可能な差し込み空間に設けられてもよい。非接触型リーダ211は、情報処理部213に接続される。 【0017】非接触型リーダ211は、待ち受け状態と、非待ち受け状態との間で遷移可能である。 待ち受け状態とは、当該状態において、情報記憶媒体が非接触型リーダ211に対して所定距離内に位置すると、当該情報記憶媒体と直ちに通信を開始できる状態に対応する。 【0018】 本実施例では、非接触型リーダ211は、待ち受け状態において、情報記憶媒体が非接触型リーダ211に対して所定距離内に位置すると、当該情報記憶媒体と直ちに通信を開始し、情報記憶媒体からアプリケーションID(識別子)(以下、「AID」)を取得する。 【0019】 接触型リーダ212は、接触型の読み取り部を形成する。読取端末21における接触型 リーダ212の位置は任意である。接触型リーダ212は、挿入される情報記憶媒体のIC(IntegratedCircuit)と接触可能なピンパッドの形態であってよい。接触型リーダ212は、例えば、読取端末21における側部に設けられてもよい。この場合、第1ユーザは、自身のカード式の情報記憶媒体を、接触型リーダ212に対してセットすることが容易となる。接触型リーダ212は、情報処理部213に接続される。 【0020】接触型リーダ212は、例えばEMVの規格に準拠した接触型のリーダであり、情報記憶媒体のICと通信が可能である。例えば、情報記憶媒体が接触する場合、接触型リーダ212は、当該情報記憶媒体と通信を行うことで、当該情報記憶媒体から各種情報の取り出しや当該情報記憶媒体との間での各種情報のやり取りを実現できる。 【0021】接触型リーダ212は、待ち受け状態と、非待ち受 媒体と通信を行うことで、当該情報記憶媒体から各種情報の取り出しや当該情報記憶媒体との間での各種情報のやり取りを実現できる。 【0021】接触型リーダ212は、待ち受け状態と、非待ち受け状態との間で遷移可能である。待ち受け状態とは、当該状態において、情報記憶媒体が接触すると、当該情報記憶媒体と直ちに通信を開始できる状態に対応する。 【0022】 本実施例では、接触型リーダ212は、待ち受け状態において、情報記憶媒体のICを検出すると、当該情報記憶媒体と直ちに通信を開始し、情報記憶媒体からAIDを取得する。 【0023】情報処理部213は、例えば耐タンパ性を備えるマイクロコントローラであり、メイン プロセッサとして読取端末21のすべての機能を制御し、実行する。 【0038】次に、図3を参照して、本実施例の読取端末21により実行される処理について説明する。 【0039】 図3は、本実施例の読取端末21により実行される処理の一例を示す概略的なフローチ ャートである。なお、図3に示す処理の一部は、後述する情報処理装置22(図4参照)と連携して実現されてもよい。 【0041】ステップS300では、読取端末21は、非接触型リーダ211及び接触型リーダ212のそれぞれを同時に待ち受け状態とする。 【0042】ステップS302では、読取端末21は、非接触型リーダ211及び接触型リーダ212のいずれかから、処理対象の情報(例えばAID)が入力されたか否かを判定する。判定結果が“YES”の場合、ステップS304に進み、それ以外の場合は、情報記憶媒体の検出を待機する待ち受け状態を維持する。なお、図3では、処理対象の情報は、AID であるが、他の情報を含んでもよい。 【 ES”の場合、ステップS304に進み、それ以外の場合は、情報記憶媒体の検出を待機する待ち受け状態を維持する。なお、図3では、処理対象の情報は、AID であるが、他の情報を含んでもよい。 【0043】ステップS304では、読取端末21は、情報記憶媒体が非接触型リーダ211により検出されたか、あるいは、情報記憶媒体が接触型リーダ212により検出されたかを判定する。例えば、読取端末21は、非接触型リーダ211及び接触型リーダ212のいずれ かからAIDが入力されたか否かに基づいて、情報記憶媒体が非接触型リーダ211により検出されたか、あるいは、情報記憶媒体が接触型リーダ212により検出されたかを判定してもよい。すなわち、読取端末21は、非接触型リーダ211及び接触型リーダ212のいずれかが機能したか否かの判定(図3では、“IC/NFC判定”と表記)を行う。 情報記憶媒体が非接触型リーダ211により検出された場合は(図3では、“NFC”と 表記)、第2後続処理を実行するために、ステップS314に進み、情報記憶媒体が接触型リーダ212により検出された場合は(図3では、“IC”と表記)、第1後続処理を実行するために、ステップS306に進む。 【0044】ステップS306では、読取端末21は、接触型リーダ212により読み取られたAI Dに基づいて、情報記憶媒体の種別として、情報記憶媒体がクレジットカードであるか、 あるいは、マイナンバーカード(第1種別の一例)であるかを判定する。なお、現在、マイナンバーカードにはICチップ及びNFC(Nearfieldcommunication)が搭載され、署名用電子証明書と、利用者証明用電子証明書の2種類の電子証明書を格納している。 【0045】 なお、本 Cチップ及びNFC(Nearfieldcommunication)が搭載され、署名用電子証明書と、利用者証明用電子証明書の2種類の電子証明書を格納している。 【0045】 なお、本明細書において、情報記憶媒体の種別とは、機能に関連した種別である。従って、各種クレジットカード(カードブランド等の違い)については、機能が同じであるので、同一の種別とする。情報記憶媒体がクレジットカードである場合、ステップS308に進み、情報記憶媒体がマイナンバーカードである場合、ステップS330に進む。 【0046】 ステップS308では、読取端末21は、接触型リーダ212により読み取られたAIDに基づいて、カードブランドを判定する。 【0047】ステップS310では、読取端末21は、図3に示す処理ルーチンから抜け出して、ステップS308で判定したカードブランドに基づいて、カードブランドに応じた決済処理 を実行する。なお、この種の決済処理は任意であり、ここでは詳説しない。 【0048】ステップS314では、読取端末21は、非接触型リーダ211により読み取られたAIDに基づいて、情報記憶媒体の種別として、情報記憶媒体がクレジットカードであるか、マイナンバーカード(第1種別の一例)であるか、外国人在留者カードであるか、あるい は、運転免許証であるか、を判定する。なお、他の実施例では、外国人在留者カードであるか、あるいは、運転免許証であるかの判定のいずれか一方又は双方に代えて又は加えて、情報記憶媒体が健康保険証であるかを判定してもよい。情報記憶媒体がクレジットカードである場合、ステップS318に進み、情報記憶媒体がマイナンバーカードである場合、ステップS330に進む。また、情報記憶媒体が外国人在留者カードである場合 定してもよい。情報記憶媒体がクレジットカードである場合、ステップS318に進み、情報記憶媒体がマイナンバーカードである場合、ステップS330に進む。また、情報記憶媒体が外国人在留者カードである場合、ステッ プS322に進み、情報記憶媒体が運転免許証である場合、ステップS324に進む。 【0049】ステップS316では、読取端末21は、非接触型リーダ211により読み取られたAIDに基づいて、カードブランドを判定する。 【0050】ステップS318では、読取端末21は、図3に示す処理ルーチンから抜け出して、ス テップS316で判定したカードブランドに基づいて、カードブランドに応じた決済処理を実行する。なお、この種の決済処理は任意であり、ここでは詳説しない。 【0051】ステップS322では、読取端末21は、図3に示す処理ルーチンから抜け出して、外国人在留者カードに応じた処理を実行する。なお、外国人在留者カードに応じた処理は任 意であり、ここでは詳説しない。 【0052】ステップS324では、読取端末21は、図3に示す処理ルーチンから抜け出して、運転免許証に応じた処理を実行する。なお、運転免許証に応じた処理は任意であり、ここでは詳説しない。 【0053】ステップS330では、読取端末21は、ディスプレイ215(図1参照)に、第1ユーザがPIN(PersonalIdentificationNumber)を入力するためのピン入力画面を出力し、第1ユーザからのピン入力の待機状態となる。第1ユーザによりセキュアキーボード217(図1参照)を介してピン入力が行われると、ス テップS332に進む。 【0054】ステップS332では、読取端末21は、マイナンバーカードから取 ユーザによりセキュアキーボード217(図1参照)を介してピン入力が行われると、ス テップS332に進む。 【0054】ステップS332では、読取端末21は、マイナンバーカードから取得する照合結果に基づいて、第1ユーザから入力されたピン(コード入力の一例)が正当であるか否かの判定(図3では、“PIN判定”と表記)を行う。例えば、読取端末21は、第1ユーザか ら入力されたピンを、マイナンバーカードに送ることで、マイナンバーカードにおいて実 行される照合結果を取得する。マイナンバーカードは、自身に格納されている正規のピン(暗証番号)と、読取端末21から送られてくるピンとを照合することで、照合結果を生成する。判定結果が“YES”の場合、ステップS334に進み、それ以外の場合は、それ以外の場合、ステップS342に進む。 【0055】 ステップS334では、読取端末21は、非接触型リーダ211又は接触型リーダ212によるマイナンバーカードの読み取り処理を開始する。 【0056】ステップS336では、読取端末21は、読み取り処理が成功したか否かを判定する。 判定結果が“YES”の場合、ステップS338に進み、それ以外の場合(例えばリード エラーが発生した場合)、ステップS340に進む。 【0057】ステップS338では、読取端末21は、読み取り処理を完了させ、読み取り処理が完了すると、図3の処理を終了する。 【0061】 ところで、マイナンバーカードは、非接触型リーダ211及び接触型リーダ212のいずれによっても読み取り可能な情報記憶媒体である。 【0062】従って、第1ユーザは、マイナンバーカードに格納されている電子証明書を読取端末21に読み取らせる際には、非接触型リーダ2 12のいずれによっても読み取り可能な情報記憶媒体である。 【0062】従って、第1ユーザは、マイナンバーカードに格納されている電子証明書を読取端末21に読み取らせる際には、非接触型リーダ211及び接触型リーダ212のいずれをも用 いることができる。 【0063】特に本実施例によれば、上述したように、読取端末21が情報記憶媒体を処理していない状況下では、非接触型リーダ211及び接触型リーダ212は、決済に関する情報の入力の有無に関係なく、同時に待ち受け状態を維持している。これにより、第1ユーザは、 いずれが待ち受け状態にあるかを意識することなく、所望の一方を利用して、マイナンバ ーカード内の電子証明書を読取端末21に読み取らせることができる。また、非接触型リーダ211及び接触型リーダ212がともに待ち受け状態である場合、第1ユーザが非接触型リーダ211及び接触型リーダ212のいずれをも用いて、短時間でマイナンバーカード内の電子証明書を読み取り可能となる。これにより、非接触型リーダ211及び接触型リーダ212の双方又は一方を待ち受け状態へと遷移させるために所定入力を必要とす るような比較例に比べて、利便性が向上する。 【0065】次に、図4以降を参照して、情報記憶媒体がマイナンバーカードである場合に好適な読取端末21の利用態様について説明する。 【0072】 読取端末21は、第2ユーザにより利用される。読取端末21は、マイナンバーカードMCとの間で各種通信を行うことで、マイナンバーカードMCのIC(IntegratedCircuit)チップに格納された各種情報を読み取ることができる端末である。 読取端末21は、例えば、アンテナを通じて非接触でマイナンバーカードMCのICチップと通信( IC(IntegratedCircuit)チップに格納された各種情報を読み取ることができる端末である。 読取端末21は、例えば、アンテナを通じて非接触でマイナンバーカードMCのICチップと通信(データの読み込み)を行うリーダの形態である。読取端末21は、マイナンバ ーカードMCに係る読み取り専用の端末であってもよいし、クレジットカード等に係る決済を支援する機能のような、他の機能を併せて備える端末であってもよい。 【図3】本実施例の情報処理端末により実行される処理の一例を示す概略的なフローチャートである。 以上 (別紙2)本件審決の理由(抜粋) (注)段落番号・記号の記載のない段落は省略している。 第2 令和5年7月11日にされた手続補正についての補正の却下の決定 [補正の却下の決定の結論]令和5年7月11日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。 [理由] 2 補正の適否(1)補正事項 本件補正は以下の補正事項を含むものである。 エ補正事項4本件補正前の請求項1の「前記接触型の読み取り部及び前記非接触型の読み取り部のそれぞれを同時に、決済に関する情報の入力の有無に関係なく、情報記憶媒体から情報を読み取り可能な待ち受け状態に維持しつつ」との事項のうち、「決済に関する 情報の入力の有無に関係なく、」との事項を削除し、本件補正後の請求項1の「前記接触型の読み取り部及び前記非接触型の読み取り部のそれぞれを同時に、前記情報記憶媒体から情報を読み取り可能な待ち受け状態に維持しつつ」とする補正。 (2)補正の目的について事案に鑑み、上記(1)に示した補正事項1~5のうち、補正事項4について先に検討 する。 ア上記(1)エの補正 取り可能な待ち受け状態に維持しつつ」とする補正。 (2)補正の目的について事案に鑑み、上記(1)に示した補正事項1~5のうち、補正事項4について先に検討 する。 ア上記(1)エの補正事項4に関し、本件補正前の請求項1から、「決済に関する情報の入力の有無に関係なく、」との発明特定事項を削除する補正は、「前記接触型の読み取り部及び前記非接触型の読み取り部のそれぞれを」「情報記憶媒体から情報を読み取り可能な待ち受け状態に維持」する態様を限定する事項を削除するものである から、特許請求の範囲を減縮するものではない。 イ上記アについて更に検討するに、「前記接触型の読み取り部及び前記非接触型の読み取り部のそれぞれを」「情報記憶媒体から情報を読み取り可能な待ち受け状態に維持」する態様に関し、例えば、本件補正前の請求項1では排除されていた「前記接触型の読み取り部及び前記非接触型の読み取り部のそれぞれを」「決済に関する情報の入力」が無い場合には「情報記憶媒体から情報を読み取り可能な待ち受け状態に維持」 しない一方、「決済に関する情報の入力」が有る場合には「情報記憶媒体から情報を読み取り可能な待ち受け状態に維持」する態様が、本件補正後の請求項1では排除されていない。このことからも、「決済に関する情報の入力の有無に関係なく、」との発明特定事項を削除する補正が、特許請求の範囲を減縮するものではないことは明らかである。 ウまた、上記(1)ア~ウ、オの補正事項1~3、5は、「前記接触型の読み取り部及び前記非接触型の読み取り部のそれぞれを」「情報記憶媒体から情報を読み取り可能な待ち受け状態に維持」する態様に関するものではないから、補正事項1~3、5の内容を考慮しても、補正事項4が特許請求の範囲を減縮するものということ 部のそれぞれを」「情報記憶媒体から情報を読み取り可能な待ち受け状態に維持」する態様に関するものではないから、補正事項1~3、5の内容を考慮しても、補正事項4が特許請求の範囲を減縮するものということはできない。 エ上記ア~ウの検討を踏まえれば、補正事項4は、特許請求の範囲を減縮するものではないから、特許請求の範囲の減縮(第36条第5項の規定により請求項に記載した発明を特定するために必要な事項を限定するものであつて、その補正前の当該請求項に記載された発明とその補正後の当該請求項に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるものに限る。)を目的とするものではない。 オまた、上記(1)エの補正事項4に関し、補正前の請求項1の「決済に関する情報の入力の有無に関係なく、」との記載は、それ自体は明瞭であって、特段不明瞭なものではないし、当該記載を削除することが、「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものともいえない。 また、補正事項4が、「請求項の削除」あるいは「誤記の訂正」を目的とするもの でないことは明らかである。 カしたがって、補正事項4は、特許法第17条の2第5項各号のいずれを目的とするものでもないから、補正事項4を含む本件補正は、特許法第17条の2第5項に規定する要件を満たしていない。 (3)独立特許要件についてア仮に、本件補正が、特許法第17条の2第5項第2号に規定する特許請求の範囲の 減縮を目的とするものであるとして、本件補正後の請求項1に係る発明(以下、「本件補正発明」という。)が、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか)について以下に検討する。 イ本件 正発明」という。)が、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか)について以下に検討する。 イ本件補正発明の「決済以外の用途において適用可能な情報処理端末であって、」と の記載は、“決済以外の用途においてのみ適用可能な情報処理端末”(以下「専用端末」という。)であることを特定するものであるのか、“決済以外の用途においても適用可能な情報処理端末”(以下「共用端末」という。)であることを特定するものであるのか不明である。 ここで、明細書の記載を参酌すると、明細書の段落0072には「マイナンバーカ ードMCとの間で各種通信を行うことで、マイナンバーカードMCのIC(IntegratedCircuit)チップに格納された各種情報を読み取ることができる端末である」「読取端末1」が記載されている。更に、同段落0072には「読取端末1」が「マイナンバーカードMCに係る読み取り専用の端末」であってもよいことが記載されており、当該端末は「専用端末」であると解される。また、同段落007 2には「読取端末1」が「クレジットカード等に係る決済を支援する機能のような、他の機能を併せて備える端末」であってもよいことが記載されており、当該端末は「共用端末」であると解される。そうすると、明細書の記載を参酌しても、本件補正発明の「決済以外の用途において適用可能な情報処理端末」が、「専用端末」であるのか、「共用端末」であるのかを明確に特定することができない。 したがって、本件補正発明は、第三者に不測の不利益を及ぼすほどに不明確である といえる。 ウ以上のとおり、本件補正発明は明確でないから、特許法第36条第6項第2号の規定によ したがって、本件補正発明は、第三者に不測の不利益を及ぼすほどに不明確である といえる。 ウ以上のとおり、本件補正発明は明確でないから、特許法第36条第6項第2号の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。 3 補正却下についてのむすび上記2(2)のとおり、本件補正は、特許法第17条の2第5項に規定する要件に違反 するものであるから、同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 また、本件補正が仮に特許請求の範囲の減縮を目的としているとしても、上記2(3)のとおり、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するから、同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法 第53条第1項の規定により却下すべきものである。 第3 本願発明について引用文献1:特開2020-181331号公報引用文献2:特許第6754989号公報 3 引用文献(1)引用文献1ウ 〔略〕引用文献1には、次の発明(以下「引用発明1」という。)が記載されていると認められる。 「 ICカードC2を挿入することで、ICカードC2のICチップの端子C21が、 接触型ICカード決済用スロット12の内部に設けられたコネクタピンと接触し、決済端末1とICカードC2との間でデータの読み書きが行われる接触型ICカード決済用スロット12と、非接触決済に用いられるカードC3を、近づける、もしくはタッチすることで、決済端末1とカードC3等との間でデータの読み書きが行われる非接触型決済用のタッ チ領域を有する面13と、 接触型ICカード決済及び非接触型決済の もしくはタッチすることで、決済端末1とカードC3等との間でデータの読み書きが行われる非接触型決済用のタッ チ領域を有する面13と、 接触型ICカード決済及び非接触型決済のそれぞれを同時に、待ち受け可能な状態にしておくことにより、従来型の決済端末において必要であった決済方式を選択する操作を不要とする手段とを、備える、決済端末1。」(2)引用文献2ウ 〔略〕引用文献2には、次の発明(以下「引用発明2」という。)が記載されてい ると認められる。 「 第2カードリーダ17と、NFC_IC14と、第1CPU11とを、備え、前記第1CPU11は、第2カードリーダ17の、接触ICカードC2を読み取る ための第2読取機能をオンに設定し、NFC_IC14の非接触通信機能をオンに設定するよう制御することにより、複数の決済方式を同時に起動させた状態にすることができ、第2カードリーダ17から送られた接触読取情報又はNFC_IC14から取得した非接触読取情報を用いた決済処理として、第2カードリーダ17から送られた接触読取情報又はNFC_IC14から取得した非接触読取情報を暗号化する処理 を行う、決済端末100。」 4 対比・判断(2)〔略〕本願発明と引用発明1との一致点及び相違点は、次のとおりである。 [一致点]情報記憶媒体から情報を読み取り可能な接触型の読み取り部と、 情報記憶媒体から情報を読み取り可能な非接触型の読み取り部と、処理部とを、備え、前記処理部は、前記接触型の読み取り部及び前記非接触型の読み取り部のそれぞれを同時に、決済に関する情報の入力の有無に関係なく、情報記憶媒体から情報を読み取り可能な待ち受け状態に維持する、情報処理端末。 [ 記接触型の読み取り部及び前記非接触型の読み取り部のそれぞれを同時に、決済に関する情報の入力の有無に関係なく、情報記憶媒体から情報を読み取り可能な待ち受け状態に維持する、情報処理端末。 [相違点] 処理部に関し、本願発明は「前記接触型の読み取り部及び前記非接触型の読み取り部のそれぞれにより読み取られた情報を処理する情報処理部」であって、「前記情報処理部は、」「前記接触型の読み取り部により読み取られた情報又は前記非接触型の読み取り部により読み取られた情報を処理する」のに対して、引用発明1は、処理部がそのような処理を実行するものであるとは特定されていない点。 (3)上記相違点について検討する。 ア引用発明1及び引用発明2は、どちらも、接触型の決済方式と非接触型の決済方式に対応する決済端末の発明であるから、両者は関連する技術分野に属しており、また、これらの決済方式を同時に待ち受け可能な状態にしておくという点で両者の作用、機能が共通することを考慮すれば、引用発明1に引用発明2を適用する動機付けが有る といえる。そして、引用発明2の第1CPU11は、複数の決済方式を同時に起動させた状態にする機能を有する手段であるところ、同様の機能を有する引用発明1の接触型ICカード決済及び非接触型決済のそれぞれを同時に、待ち受け可能な状態にする手段を、引用発明2の第1CPU11のごとく、接触型ICカード決済のために送られた接触読取情報又は非接触型決済のために取得した非接触読取情報を暗号化する 処理、すなわち「前記接触型の読み取り部により読み取られた情報又は前記非接触型の読み取り部により読み取られた情報の処理」をも行うような処理部とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。 イそして、本願発明の奏する作用効果 取り部により読み取られた情報又は前記非接触型の読み取り部により読み取られた情報の処理」をも行うような処理部とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。 イそして、本願発明の奏する作用効果は、引用発明1及び引用発明2の奏する作用効果から予測される範囲内のものにすぎず、格別顕著なものということはできない。 ウしたがって、本願発明は、引用発明1及び引用発明2に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである。 第4 令和5年12月14日に提出された上申書について 2 上申書の「2.追加の補正案」について 審判請求人は、上申書の「2.追加の補正案」において、請求項1を「 決済以外の用途において適用可能な情報処理端末であって、情報記憶媒体から情報を読み取り可能な接触型の読み取り部と、前記情報記憶媒体から情報を読み取り可能な非接触型の読み取り部と、前記接触型の読み取り部及び前記非接触型の読み取り部のそれぞれにより読み取ら れた情報を処理する情報処理部とを、備え、前記接触型の読み取り部及び前記非接触型の読み取り部は、決済に関する情報の入力がなされていない前記情報記憶媒体から読み取り対象の情報を読み取り可能であり、前記情報処理部は、前記接触型の読み取り部及び前記非接触型の読み取り部のそれぞれを同時に、前記情報記憶媒体から情報を読み取り可能な待ち受け状態に維持しつ つ、前記接触型の読み取り部により読み取られた情報又前記非接触型の読み取り部により読み取られた情報を処理するとともに、前記非接触型の読み取り部による読み取りが成功しなかった場合には、前記接触型の読み取り部により読み取らせるようにユ み取られた情報又前記非接触型の読み取り部により読み取られた情報を処理するとともに、前記非接触型の読み取り部による読み取りが成功しなかった場合には、前記接触型の読み取り部により読み取らせるようにユーザを誘導し、前記接触型の読み取り部による読み取りが成功しなかった場合には、前記非接触型の読み取り部により読み取らせるようにユーザを誘導する誘導処理を行 うことが可能である、情報処理端末。」と補正する新たな補正案を提示している。 そこで、当該補正案について検討する。 例えば、特開2016-057804号公報(以下、「引用文献A」という。)には、「ETCカード等のICカード、ICタグ、ICを内蔵したパスポート、ICを内蔵した 免許証等を想定した携帯可能電子装置(段落0040、0042)と通信する端末12であって、接触方式のインターフェース(接触通信部31のインターフェース)と非接触方式のインターフェース(非接触通信部32のインターフェース)の両方を備えており(段落0012)、接触通信部31によりICカード11を活性化させる機能と、非接触通信部32によりICカード11を活性化させる機能との両方がオンになっていて、ICカー ド11からの応答があった方の通信部(接触通信部31、または、非接触通信部32)を 通信に使用する(段落0029)、端末12。」の発明が記載されている。 すなわち、引用文献Aには、「 決済以外の用途において適用可能な情報処理端末であって、情報記憶媒体から情報を読み取り可能な接触型の読み取り部と、前記情報記憶媒体から情報を読み取り可能な非接触型の読み取り部と、 前記接触型の読み取り部及び前記非接触型の読み取り部のそれぞれにより読み取られた情報を処理する情報処理部とを、備え、 前記情報記憶媒体から情報を読み取り可能な非接触型の読み取り部と、 前記接触型の読み取り部及び前記非接触型の読み取り部のそれぞれにより読み取られた情報を処理する情報処理部とを、備え、前記接触型の読み取り部及び前記非接触型の読み取り部は、決済に関する情報の入力がなされていない前記情報記憶媒体から読み取り対象の情報を読み取り可能であり、前記情報処理部は、前記接触型の読み取り部及び前記非接触型の読み取り部のそれぞ れを同時に、前記情報記憶媒体から情報を読み取り可能な待ち受け状態に維持しつつ、前記接触型の読み取り部により読み取られた情報又は前記非接触型の読み取り部により読み取られた情報を処理する、情報処理端末。」が記載されているといえる。 そして、所定の動作がうまくいかない場合に他の動作を試すようにユーザを誘導する案内を表示することは、ユーザインターフェースにおける常套手段であって、当業者が必要 に応じて適宜採用しうる設計的事項である。 そうすると、請求項1に係る補正案の発明は、上記引用文献Aに記載された発明及び常套手段に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。 以上検討したとおり、仮に請求項1を補正案のとおり補正したとしても、当該補正案に係る発明は引用文献Aに記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができ たものであるから、上申書の「2.追加の補正案」において新たに提示された補正案を採用することはできない。 以上

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