昭和52(オ)1155 損害賠償

裁判年月日・裁判所
昭和57年2月23日 最高裁判所第三小法廷 判決 棄却 東京高等裁判所 昭和51(ネ)2845
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判決文本文1,383 文字)

主文 本件上告を棄却する。上告費用は上告人の負担とする。理由 上告代理人児玉義史の上告理由について不動産の強制競売事件における執行裁判所の処分は、債権者の主張、登記簿の記載その他記録にあらわれた権利関係の外形に依拠して行われるものであり、その結果関係人間の実体的権利関係との不適合が生じることがありうるが、これについては執行手続の性質上、強制執行法に定める救済の手続により是正されることが予定されているものである。したがつて、執行裁判所みずからその処分を是正すべき場合等特別の事情がある場合は格別、そうでない場合には権利者が右の手続による救済を求めることを怠つたため損害が発生しても、その賠償を国に対して請求することはできないものと解するのが相当である。しかるところ、原審の適法に確定した事実関係によれば、上告人が本件土地の所有権を取得したとしてこれにつき処分禁止の仮処分決定を得、その登記を経由したのは、本件土地につきされた競売開始決定に基づき競売手続が進行中であつたというのであつて、所論の如く上告人が所有権を取得した以上これに遅れて配当要求をした債権者のためには競売すべきではなく本件土地三筆の全部を競売することが超過競売となり上告人の所有権を害することがあると解せられるとしても、暫定的な処分にすぎない仮処分決定があるというだけでは、前記の特別の事情がある場合にあたるということはできず、上告人としては強制執行法上の異議の訴えを起し執行停止決定を得てその正本を執行裁判所に提出するなど強制執行法上の手続による救済を求めるべきものであつたのである。しかるに、更に原審の適法に確定したところによれば、上告人は強制執行法上の手続による救済を求めなかつたというのであるから、本件土地の全部が競売された の手続による救済を求めるべきものであつたのである。しかるに、更に原審の適法に確定したところによれば、上告人は強制執行法上の手続による救済を求めなかつたというのであるから、本件土地の全部が競売されたこ- 1 -とにより、上告人がその一部の所有権を失い、また、その売得金が上告人の得た仮処分決定の後に配当要求をした債権者にも配当されて上告人が配当を受けることができなかつたのは、上告人が右の手続による救済を求めることを怠つた結果によるものというべきであつて、上告人はその被つた損害につき国家賠償法の規定による賠償を請求することはできないものといわなければならない。 あるから、本件土地の全部が競売されたこ- 1 -とにより、上告人がその一部の所有権を失い、また、その売得金が上告人の得た仮処分決定の後に配当要求をした債権者にも配当されて上告人が配当を受けることができなかつたのは、上告人が右の手続による救済を求めることを怠つた結果によるものというべきであつて、上告人はその被つた損害につき国家賠償法の規定による賠償を請求することはできないものといわなければならない。これと同趣旨に帰着する原判決は正当として是認することができ、原判決に所論の違法はない。論旨は、採用することができない。よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。最高裁判所第三小法廷裁判長裁判官伊藤正己裁判官環昌一裁判官横井大三裁判官寺田治郎- 2 -

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