令和5(行ケ)10018 審決取消請求事件

裁判年月日・裁判所
令和6年1月30日 知的財産高等裁判所 3部 判決 審決取消
ファイル
hanrei-pdf-92746.txt

キーワード

判決文本文17,231 文字)

令和6年1月30日判決言渡 令和5年(行ケ)第10018号審決取消請求事件 口頭弁論終結日令和5年11月8日判決 原告 株式会社オグラ 同訴訟代理人弁理士 西良久 被告 エム‐イクスペリメントリミテッドライアビリティカンパニー(審決時の商号・エムアイエムリミテッドライアビリティカンパニー) 同訴訟代理人弁理士 香原修也 同古井かや子 主文 1 特許庁が取消2022-300380事件について令和5年1月10日にした審決を取り消す。 2 訴訟費用は被告の負担とする。 3 この判決に対する上告及び上告受理申立てのための付加期間を30日と定める。 事実 及び理由 第1 請求主文同旨 第2 事案の概要 1 特許庁における手続の経緯等 ⑴ 原告は、次の商標(以下「本件商標」という。)の商標権者である。 登録番号第4804288号 商標の構成 「プレジャー」を上段に、「Pleasure」を下段に表した文字商標 指定商品第9類「眼鏡用フレーム、その他の眼鏡」 登録出願日平成16年2月20日 登録査定日平成16年7月27日 設定登録日平成16年9月17日 ⑵ 被告は、令和4年4月22日、本件商標について、商標登録取消審判を請求した(取消2022-300380号。以下、この審判請求に基づく手続を「本件 設定登録日平成16年9月17日⑵ 被告は、令和4年4月22日、本件商標について、商標登録取消審判を請求した(取消2022-300380号。以下、この審判請求に基づく手続を「本件審判手続」という。)。上記審判請求の予告登録日は同年5月16日である。(乙1の1、1の3) ⑶ 原告は、令和4年6月14日付け「請求書副本の送達通知」により、被告による審判請求に対して答弁があれば、請求書副本発送の日から40日以内に提出するように求められたが、同期間内に答弁書その他上記審判請求に対する原告の意見を記載した書面を提出しなかった。(乙1の4)⑷ 原告は、特許庁に対し、令和4年8月24日付け上申書を提出し、本件審 判手続につき、原告は医療用眼鏡フレームに本件商標を使用しており、使用証明を準備中であったが、証明先の病院がコロナの対応で証明書の発行に時間がかかっているため、応答に関し1週間程度の猶予をいただきたい旨上申した。(乙1の7) ⑸ 原告は、本件審判手続に関し、令和4年10月12日付け審尋の送付を受け、本件商標を使用していること等の証左を審尋発送の日から25日以内に提出するよう求められたが、同期間内に本件商標を使用していることに関する主張を記載した書面及び使用の裏付けとなる資料のいずれも提出しなかった。(乙1の10、1の12) ⑹ 特許庁は、令和5年1月10日、「登録第4804288号商標の商標登録を取り消す。」とする審決(以下「本件審決」という。)をし、その謄本は、同月19日に原告に送達された。(乙1の12)⑺ 原告は、本件審決の取消しを求めて、本件訴えを提起した。本件訴えに係る訴状は、知的財産高等裁判所の夜間ポストに、令和5年2月20日午後5 時から同月21日午前8時30分までの間に 12)⑺ 原告は、本件審決の取消しを求めて、本件訴えを提起した。本件訴えに係る訴状は、知的財産高等裁判所の夜間ポストに、令和5年2月20日午後5 時から同月21日午前8時30分までの間に投函された。(当裁判所に顕著な事実) 2 本件審決の理由の要旨本件審決の理由は、別紙審決書(写し)のとおりであり、要するに、商標法50条による商標登録の取消審判の請求があったときは、被請求人(原告)に おいて、その請求に係る指定商品のいずれかについての登録商標の使用をしていることを証明し、又は使用をしていないことについて正当な理由があることを明らかにしない限り、その登録の取消しを免れないが、原告は、被告による商標登録の取消審判請求に対して答弁しないから、同条に基づき本件商標を取り消すべきであるというものである。 3 本件の争点⑴ 本件訴えの適法性(争点1)原告が、法定の期間内に本件訴えを提起したか。 ⑵ 本件審決の取消事由(争点2)商標の使用の事実に関する判断の誤り 第3 当事者の主張 1 争点1(本件訴えの適法性:原告が、法定の期間内に本件の訴えを提起したか)について〔原告の主張〕本件審決の謄本は、令和5年1月19日に原告代理人に送達された。 本件訴えに係る訴状(以下「本件訴状」という。)は、原告代理人の従業員に よって、知的財産高等裁判所の夜間ポストに、同年2月20日午後9時3分ないし4分頃に投函された。したがって、本件訴状は同日に提出されており、原告は同日に訴えを提起した。 〔被告の主張〕本件審決の謄本が令和5年1月19日に原告代理人に送達されたとすれば、 同年2月19日が日曜日であるため、本件審決に対する訴えを提起できる期間は同月20日に満了することになる 〔被告の主張〕本件審決の謄本が令和5年1月19日に原告代理人に送達されたとすれば、 同年2月19日が日曜日であるため、本件審決に対する訴えを提起できる期間は同月20日に満了することになる。 特許法3条2項や民事訴訟法95条3項が、期間の末日が休日の場合に手続をすべき期間の延長を認めているのは、官庁が閉庁している期間が過ぎた後に手続をとることができるようにしたにすぎない。期間が休日の翌日まで例外的 に延長された手続に関する書類をその「翌日」に提出すべきことは当然であるが、前記第2の1⑺のとおり、本件訴状は裁判所開庁時間帯には提出されなかった。訴えが提起されたといえるためには書面としての訴状が裁判所に「提出」されていなければならないところ、上記事情に徴すれば、本件訴状が同日に裁判所に提出されたものであるとはいい得ない。 また、延長後の期間を丸一日(午前0時から午後12時までの24時間)認めるべきであるとしても、夜間ポストに投函されていた本件訴状には同月21日の受領印が押されていたのであるから、特許法19条などの趣旨を参酌すれば、本件訴状は上記受領印の日付である同日に裁判所に到達したものとみなすべきである。 本件訴状の提出日に関する証拠として原告が提出した甲10は、本件訴状が 同月20日に提出されたことを直接証明するものではなく、その旨を推測させるにすぎない。 したがって、本件訴えは不適法であるから、これを却下すべきである。 2 争点2(本件審決の取消事由:商標の使用の事実に関する判断の誤り)について 〔原告の主張〕⑴ 原告は、審判の予告登録日である令和4年5月16日以前において、本件商標と社会通念上同一性のある商標を眼鏡フレームに使用しており、不使用取消の事由に該当しない。 すなわち 〔原告の主張〕⑴ 原告は、審判の予告登録日である令和4年5月16日以前において、本件商標と社会通念上同一性のある商標を眼鏡フレームに使用しており、不使用取消の事由に該当しない。 すなわち、原告は、「Pleasure」の商標を使用した眼鏡フレーム(以下「本 件眼鏡フレーム」という。)にレンズを組み合わせて販売している。本件眼鏡フレームは、オリエント眼鏡株式会社(以下「オリエント眼鏡」という。)が下請として製造し、原告に納品したものであり、その最終納品日は2010年(平成22年)4月12日である。上記販売の事実は、次のア及びイの諸事情から認めることができる。 なお、業界の慣習として、下請から眼鏡フレームが納品された後に自社倉庫で保管しておき、売れ行きに応じて倉庫からフレームを出品し、これにレンズを組み合わせて販売することが通常行われており、本件眼鏡フレームの納品日が過去3年以内でないからといって、本件眼鏡フレームを使用した眼鏡の販売が過去3年以内に行われなかったことにはならない。 ア甲1の1ないし3の写真に撮影されている眼鏡フレームには「Pleasure」の商標が使用されている。 イ甲2の2の「お客様カード」は、作成日が2020年(令和2年)11月11日であり、商品コード欄に、甲1の3の眼鏡フレームに刻印された「PL-008」と実質的に同じものを含む「22-PL008」の記載 がある。ここで「22-PL008」の「22」は価格変更履歴等を示す 社内コードであり、「22」は初期値である。そして、甲2の2の「ブランド品名」欄に「PLEASURE プレジャー」の記載がある。さらに、甲2の2によれば、令和2年11月11日に商品が購入され、レンズを含む合計代金の前払金として4万円が支払われ、加工後 2の「ブランド品名」欄に「PLEASURE プレジャー」の記載がある。さらに、甲2の2によれば、令和2年11月11日に商品が購入され、レンズを含む合計代金の前払金として4万円が支払われ、加工後の商品が同月18日に顧客に渡された。甲2の2の「保証書貼付用」の部分には「亀有店」との記 載があるが、「亀有店」は伝票上部にある「お渡し方法店舗」の「店舗」を示すものであり、原告のウェブサイト(甲3の1・2)に記載された「オグラ眼鏡店イトーヨーカドー亀有駅前店」と同一である。そして、甲7の1のレジのジャーナルは、同月11日のものであるが、この中にある「15:47」の売上げが、甲2の2の「お客様カード」の商品販売に関する ものである。以上のとおり、「Pleasure」の商標を使用した商品の売上げが同日にあった。 甲2の1、甲2の3ないし5の「お客様カード」にも、「ブランド品名」欄に「PLEASURE プレジャー」の記載があり、受け渡し店舗を「亀有店」として、令和2年11月20日から令和3年3月7日までの間に商品が購 入されたことが示されている。甲2の3ないし5の「お客様カード」記載の売上げについては、甲7の2ないし4までのジャーナルにより裏付けられている。 ⑵ 原告は、本件審判手続に提出した上申書において、原告が医療用眼鏡フレームに本件商標を使用しており、使用証明を準備中である旨上申しており、 本件商標の使用を立証する意図を明らかにしていた。上記上申書作成段階では、担当者が、本件眼鏡フレームを「医療用眼鏡フレーム」と勘違いしており、眼科医からの使用証明がとれないか探し回っていた。その後、本件眼鏡フレームが医療用ではない「眼鏡用フレーム」であることが判明したが、本件審判手続段階での証拠提出には間に合わなかった。こ いしており、眼科医からの使用証明がとれないか探し回っていた。その後、本件眼鏡フレームが医療用ではない「眼鏡用フレーム」であることが判明したが、本件審判手続段階での証拠提出には間に合わなかった。このように、本件は原 告が本件審判手続に対して何らの応答すらしていない事案ではない。 被告が指摘する後記平成3年最高裁判決では、商標権者による使用の証拠の提出は、職権証拠調べの負担を軽減するためのものであって、審判において使用の事実の証明があることをもって取消しを免れるための要件としたものではなく、民事訴訟法の原則に従うとされている。被告は本件審判手続段階における原告の立証懈怠を理由として上記最高裁判決が適用されないと主 張するが、同判決の適用について被告が主張するような要件は存在しない。 〔被告の主張〕⑴ 本件審判手続の経緯は、前記第2の1⑵ないし⑹のとおりであり、原告は、被告の審判請求に対して何ら実質的な反論を行わなかった。 商標法50条2項が、審判の請求があった場合は、指定商品に登録商標の 使用をしていることを被請求人が証明しない限り商標登録の取消しを免れないとしたことの法意は、同法の保護対象である業務上の信用がそもそも蓄積していないか、あるいはその後に消滅したような不使用状態にある商標登録を早くかつ確実に除去整理し、真に法の保護を求める者に登録を与えることにより産業の発達を図るべく、登録商標の「使用」について最も正確な事情 を把握している商標権者(審判被請求人)にその使用の状況を示させることにある。したがって、商標権者には、審判段階において、少なくとも登録商標を使用しているのか否かに関する意思表示だけはすべき義務が課せられていると解すべきであるし、その意思表示をすることは可能である。商標取消の審判手 、商標権者には、審判段階において、少なくとも登録商標を使用しているのか否かに関する意思表示だけはすべき義務が課せられていると解すべきであるし、その意思表示をすることは可能である。商標取消の審判手続が特許庁に係属している間、商標権者が商標の使用につき何ら言 及しなかったが故に登録を取り消す旨の審決がされたにもかかわらず、その審決を取り消すための訴訟で一転して使用の事実がある旨の主張を許すのでは、早期決着に期待し、いち早く業務上の信用保護に繋がる事業活動を開始したい審判請求人に過度の我慢を強いる結果となるし、高額な審判請求手数料を支払う代わりに、商標の使用について専門的な知識を有する審判合議体 にその適否の判断をさせ、これを両当事者に尊重させることとした取消審判 制度の趣旨が完全に没却されてしまうことにもなる。 したがって、不使用取消審判中に何ら実質的な対応をしなかった商標権者に、事実審の口頭弁論終結に至るまで商標の使用の自由な主張立証を無制限に認めるかのような最高裁判例(最高裁昭和63年(行ツ)第37号平成3年4月23日第三小法廷判決・民集45巻4号538頁。以下「平成3年最 高裁判決」という。)は、本件において適用されるべきではなく、本件訴訟において、原告による本件訴訟の使用に関する新たな立証を許すべきではない。 ⑵ 以下のとおり、原告が提出した証拠によっても、原告による本件商標の使用の事実は立証されていない。 ア原告が提出した甲1から甲4までの証拠からは、「Pleasure」が印刷され た眼鏡フレームを原告自身が製造していることは裏付けられていない。 また、甲1の1ないし3の写真の撮影日は令和5年4月4日とされており、原告が要証期間内に本件商標を付した商品を販売していたことの立証とならない。 しか 身が製造していることは裏付けられていない。 また、甲1の1ないし3の写真の撮影日は令和5年4月4日とされており、原告が要証期間内に本件商標を付した商品を販売していたことの立証とならない。 しかも、現在閲覧できる原告のホームページに掲載された「オリジナル ブランド」の商品の中に、眼鏡のレンズ部分にまで商標が刻印されているものは見当たらず、甲1の1ないし3で提出された写真に写されている商品にだけ、レンズにまで商標があるのは不自然であり、これが実際に販売されている商品なのか、倉庫に眠っていたサンプル品などにすぎないのではないかとの疑義が残る。 イ甲2の1ないし5の「お客様カード」は、商標法が商標の使用態様の一つとして想定している取引書類などではなく、商品の販売を記録するための社内データを印刷したものにすぎない。これらの「お客様カード」の中には、「亀有店」との表示のほかは、書類の作成者らしき主体が示されていない。原告は、「亀有店」の表示が「オグラ眼鏡店イトーヨーカドー亀有駅 前店」を指していることを前提とする主張をするが、両者が同一であると 直ちに信ずることはできない。したがって、これらの「お客様カード」の中の「ブランド品名」欄に本件商標の片仮名部分が表示されているからといって、原告が、本件商標を「オグラ眼鏡店イトーヨーカドー亀有駅前店」で使用していることの立証にはならない。 原告の提出するジャーナル(甲7)には本件商標が現れていない。原告 は、これらのジャーナルに記載された売上げと「お客様カード」に記載された売上げの金額の一致をいうばかりで、本件商標がその取引における識別商標として使用されていたことを説明していない。 ウ甲4のデジタルカタログは、令和5年4月4日に作成されたものということであるから 売上げの金額の一致をいうばかりで、本件商標がその取引における識別商標として使用されていたことを説明していない。 ウ甲4のデジタルカタログは、令和5年4月4日に作成されたものということであるから、要証期間内の本件商標の利用を立証するものではない。 また、甲4を見るためにログインが必要であること、「値札バーコード」や「商品コード」を入力できたり、「ターゲット年齢」や「ターゲット性別」を検索したりする仕様となっていること、画面上部に「商品カタログ」と並んで「加工メニュー」、「修理メニュー」、「出庫不可リスト」の如きメニューボタンが存在することからすると、甲4は単なる社内用データである と窺われ、「商品に関する広告、価格表若しくは取引書類」(商標法2条3項8号)に該当せず、商標の使用を立証するための証拠とならない可能性がある。 エ現在の原告のホームページの「オリジナルブランド」に「Pleasure」の商品は掲載されていない。また、原告が「お客様カード」により商品を販 売したと主張する令和2年11月11日から令和3年3月7日前後の当該「オリジナルブランド」の過去のホームページ履歴(アーカイブ)を確認しても、本件商標が使用された商品は掲載されていない(乙3の1~6)。 さらに、本件商品を使用した眼鏡の販売店であると原告が主張する「オグラ眼鏡店イトーヨーカドー亀有駅前店」の過去のホームページにも、本 件商標は使用されていない(乙4の1~6)。 被告代理人が、令和5年4月29日に「オグラ眼鏡店新宿サブナード店」を訪れ、店員に尋ねたところ、店員は、「『Pleasure』という商品は扱っていない、在庫切れではなく全ての店舗において既にその商品はない、昔はあったが現在は取り扱いがない。」という趣旨の回答をした。こ れ、店員に尋ねたところ、店員は、「『Pleasure』という商品は扱っていない、在庫切れではなく全ての店舗において既にその商品はない、昔はあったが現在は取り扱いがない。」という趣旨の回答をした。この回答が真実であれば、甲4のデジタルカタログのとおり令和5年4月4日に本件商 標を使用した商品が販売されているとする原告の主張とは矛盾する。 第4 当裁判所の判断 1 争点1(本件訴えの適法性:原告が、法定の期間内に本件の訴えを提起したか)について⑴ 前記第2の1⑺の事実及び証拠(甲10の1、10の2の1・2、10の 3の1・2)によれば、原告訴訟代理人弁理士の事務所の従業員が、令和5年2月20日午後9時3分ころ、本件訴状を知的財産高等裁判所の夜間ポストに投函したことが認められる。この認定事実は、投函された訴状を入れた封筒に、「提出日2023.2.20 21:03投函」と記載されていること(当裁判所に顕著な事実)とも整合しており、上記認定事実と矛盾する証 拠はない。 上記認定事実によれば、原告は令和5年2月20日に本件訴えを提起したと認められる。 原告に対して本件審決の謄本の送達がされたのは令和5年1月19日であり(弁論の全趣旨)、同日の30日後である同年2月18日が土曜日、同月 19日が日曜日であることから、同月20日に本件訴えを提起したことにより、法律で定められた本件訴えの出訴期間(商標法63条2項、特許法178条3項)を遵守したものということができる。 したがって、原告は、法定の期間内に本件訴えを提起したものと認められる。 ⑵ 前記第3の1〔被告の主張〕に対する判断 被告は、本件訴状が令和5年2月20日の裁判所開庁時間に提出されていない以上、同日に訴えが提起されたとはいえない、あるいは められる。 ⑵ 前記第3の1〔被告の主張〕に対する判断 被告は、本件訴状が令和5年2月20日の裁判所開庁時間に提出されていない以上、同日に訴えが提起されたとはいえない、あるいは、本件訴状に同月21日の受領印が押されているから、本件訴状は同日に裁判所に到達したものとみなすべきであると主張する。 しかし、本件においては、証拠によって本件訴状が令和5年2月20日の うちに夜間ポストに投函されたとの事実を認定することができるのであるから、同日に訴えが提起されたものと認められ、この事実を基にすれば、法定の期間内に本件訴えが提起されたものということができる。裁判所の開庁時間内に本件訴状が提出されなかったことをもって、同日に訴えが提起されたと認定できないとか、法定の期間内に本件訴えが提起されたといえないこと にはならない。また、上記のとおりの事実を認定できる場合であるにもかかわらず、本件訴状に存在する受付印の押された日に本件訴えが提起されたとみなすべきと解する根拠はない。 被告は、甲10は、本件訴状が令和5年2月20日に提出されたことを直接証明するものではなく、その旨を推測させているにすぎないとも主張する。 しかし、原告訴訟代理人弁理士の事務所の従業員であるAの陳述書(甲10の1)は、同日における訴状提出の経緯が具体的に述べられており、かつ、同人名義の交通系ICカード「PASMO」の使用履歴(甲10の2の1・2)における同日の履歴の内容が上記陳述書の記載に合致していること、投函された訴状を入れた封筒に、「提出日2023.2.20 21:03投函」 と記載されていること、「2月20日21:04」の日時に知的高等裁判所の夜間受付の設置されている入り口の写真が存在することなどからすれば、上記各証拠から前 023.2.20 21:03投函」 と記載されていること、「2月20日21:04」の日時に知的高等裁判所の夜間受付の設置されている入り口の写真が存在することなどからすれば、上記各証拠から前記⑴のとおりの事実を認定することができる。 したがって、被告の上記主張は採用することができない。 2 争点2(本件審決の取消事由:商標の使用の事実に関する判断の誤り)につ いて ⑴ 原告は、審判の予告登録日である令和4年5月16日以前において、本件商標を眼鏡フレームに使用しており、不使用取消の事由に該当しないと主張し、この主張する事実を立証するものであるとする証拠を提出するので、以下検討する。 ⑵ア原告は、眼鏡、光学品、コンタクトレンズ、補聴器の販売及びこれに関 連する物品の製造等を目的とする会社である(弁論の全趣旨)。 原告は、「オグラ眼鏡店」という名称の眼鏡店を運営している。「オグラ眼鏡店」の店舗の一つとして「イトーヨーカドー亀有駅前店」がある。(甲3の1・2、乙4の1~6)イ 「オグラ眼鏡店」のウェブサイトにおいて、「商品検索」の箇所に掲載さ れた眼鏡の商品には、「直輸入ブランド」、「ナショナルブランド」のほかに「オグラ眼鏡店オリジナル」の眼鏡として複数の商品が掲載されており(乙2、3の1~6)、原告が、その経営する眼鏡店において、他者が製造した眼鏡フレームを用いた眼鏡以外に、原告オリジナルの眼鏡フレームを用いた眼鏡を販売していることが認められる。 ウ甲1の1・2は、フレーム部分に「Pleasure」の文字が記載された眼鏡の写真であり、少なくとも過去のある時期に「Pleasure」の文字が記載された眼鏡フレームが製造されていたことが認められる。 エ甲2の1は、「お客様カード」と題する書面で の文字が記載された眼鏡の写真であり、少なくとも過去のある時期に「Pleasure」の文字が記載された眼鏡フレームが製造されていたことが認められる。 エ甲2の1は、「お客様カード」と題する書面であり、受付日が2020年(令和2年)11月20日と記載され、印刷日は2023年(令和5年) 3月29日とされている。書面の上部には、「お名前」、「性別」、「生年月日」、「ご年齢」、「ご住所」、「お電話番号」、「お渡し予定日」及び「お渡し方法」の欄が存在し、「お渡し方法」の欄には「店舗」と記載されている。中央上部及び下部に各1か所、商品を記載する欄が存在し、甲2の1の書面には三つの商品が記載されているが、このうちの一つの商品が「ブランド品 名」欄に「PLEASURE プレジャー」と記載されていて、税抜金額が2万 7000円、税込金額が2万9700円とされている。また、下部に存在する氏名記載欄の横に「亀有店」との記載が存在する。 甲2の2ないし5も「お客様カード」と題する書面であり、書面の体裁及び印刷日は甲2の1と同一であり、受付日は2020年(令和2年)11月から2021年(令和3年)3月にかけての日が記載されている。い ずれの書面にも、三つの商品が記載され、このうちの一つの商品の「ブランド品名」欄に「PLEASURE プレジャー」と記載されていて、税抜金額及び税込金額は甲2の1に記載されたものと同一である。また、いずれの書面にも下部に「亀有店」との記載がある。 甲2の2は受付日が2020年(令和2年)11月11日とされ、中央 右部に、「PLEASURE プレジャー」を含む三つの商品の総合計額が6万2700円であること、同日の前受現金としての入金額が4万円であることが記載されている。 甲2の3は受付日 れ、中央 右部に、「PLEASURE プレジャー」を含む三つの商品の総合計額が6万2700円であること、同日の前受現金としての入金額が4万円であることが記載されている。 甲2の3は受付日が2020年(令和2年)12月23日とされ、中央右部に、「PLEASURE プレジャー」を含む三つの商品の総合計額が4万 4000円であること、同日の「前受CR」としての入金額が4万4000円であることが記載されている。甲2の3の記載内容及び弁論の全趣旨によれば、上記「前受CR」はクレジットカードによる支払を指すと認められる。 甲2の4は受付日が2020年(令和2年)12月23日とされ、中央 右部に「PLEASURE プレジャー」を含む三つの商品の総合計額が7万3260円であること、同日の「前受CR」としての入金額が6万4350円であること、2021年(令和3年)1月11日の売上現金としての入金額が8910円であることが記載されている。 甲2の5は受付日が2021年(令和3年)3月7日とされ、中央右部 に「PLEASURE プレジャー」を含む三つの商品の総合計額が5万170 0円であること、同日の「前受CR」としての入金額が5万1700円であることが記載されている。 オ甲7の1ないし4は店舗のレジから出力したジャーナルであると認められる。いずれも上部に「オグラ眼鏡亀有店」と印字されている。 甲7の1は2020年(令和2年)11月11日午後7時50分に確認 がされた日計明細であるとされ、同日の現金入金の中に「メガネ」の4万円が記載されている。 甲7の2は2020年(令和2年)12月23日午後7時41分に確認がされた日計明細であるとされ、同日のクレジット支払の中に「メガネ」の4万4000円及び「メガネ」の6万 4万円が記載されている。 甲7の2は2020年(令和2年)12月23日午後7時41分に確認がされた日計明細であるとされ、同日のクレジット支払の中に「メガネ」の4万4000円及び「メガネ」の6万4350円が記載されている。 甲7の3は2021年(令和3年)1月11日午後7時18分に確認がされた日計明細であるとされ、同日の現金入金の中に「メガネ」の8910円が記載されている(1万0010円の支払を受けて1100円の釣銭を渡した旨の記載がある。)。 甲7の4は2021年(令和3年)3月7日午後7時38分に確認がさ れた日計明細であるとされ、同日のクレジット支払の中に「メガネ」の5万1700円が記載されている。 カ甲8の1・2は「日計表(端末別)」と題する書面であり、いずれも上部に「オグラ眼鏡亀有店」と印字されている。 甲8の1は2020年(令和2年)12月23日の売上げを集計したも のであり、クレジットカードによる支払及び電子マネーによる支払が記載されていて、クレジットカードによる支払の中に、4万4000円の支払及び6万4350円の支払が記載されている。 甲8の2は2021年(令和3年)3月7日の売上げを集計したものであり、クレジットカードによる支払が記載されていて、この中に5万17 00円の支払が記載されている。 ⑶ 以上を総合すると、甲2の1ないし5、甲7の1ないし4及び甲8の1・2は、いずれも、原告が経営する眼鏡店「オグラ眼鏡店」の「イトーヨーカドー亀有駅前店」における売上げを記載した資料であると認められる。甲7の1ないし4に及び甲8の1・2にそれぞれ記載された現金又はクレジットカードによる支払(前記⑵オ、カ)が甲2の2ないし5にも記載されており、 これらの資料の内容に整合性がある と認められる。甲7の1ないし4に及び甲8の1・2にそれぞれ記載された現金又はクレジットカードによる支払(前記⑵オ、カ)が甲2の2ないし5にも記載されており、 これらの資料の内容に整合性があるといえ、甲2の1ないし5、甲7の1ないし4及び甲8の1・2の記載に不自然、不合理な点は見当たらないから、甲2の1ないし5に「受付日」として記載された日に、オグラ眼鏡店イトーヨーカドー亀有駅前店において、甲2の1ないし5に記載された商品が販売されたと認めることができる。 そして、甲2の1ないし5に記載された「PLEASURE プレジャー」は、眼鏡店で販売されたものであり、甲7の1ないし4及び甲8の1・2の記載によれば「メガネ」の売上げとされているから、甲1の1・2に撮影されている「Pleasure」の文字が記載された眼鏡フレーム、すなわち本件眼鏡フレームを指し、甲2の1ないし5に記載された残りの二つの商品は2枚の眼鏡 レンズであって、本件眼鏡フレームに眼鏡レンズを装着した眼鏡を販売したものと推認することができる。 以上を総合すると、甲2の1ないし5に「受付日」として記載された日である令和2年11月11日から令和3年3月7日までの間に、原告が経営するオグラ眼鏡店のイトーヨーカドー亀有駅前店において、「Pleasure」の文字 が記載された本件眼鏡フレームを用いた眼鏡が顧客に対して販売されたと認めることができる。 ⑷ そして、証拠(甲13~15)及び弁論の全趣旨によれば、本件眼鏡フレームは、オリエント眼鏡が原告の下請けとして製造し、平成22年(2010年)4月12日に原告に納入したものであると認められる。 ⑸ 商標法50条にいう「登録商標」には、平仮名、片仮名及びローマ字の文 字の表示を相互に変更するものであ 平成22年(2010年)4月12日に原告に納入したものであると認められる。 ⑸ 商標法50条にいう「登録商標」には、平仮名、片仮名及びローマ字の文 字の表示を相互に変更するものであって同一の称呼及び観念を生ずる商標など、当該登録商標と社会通念上同一と認められる商標を含む(同法38条5項)。 本件商標は「プレジャー」を上段に、「Pleasure」を下段に表した文字商標である。上段の文字である「プレジャー」は下段の文字である「Pleasure」 の読み方を片仮名で記載したものであり、文字の大きさは上段と下段で同様であって、どちらか一方がより特徴的であるということはない。本件商標の称呼は「プレジャー」であり、観念として「Pleasure」の意味である「喜び」が生じると認められる。 他方、前記⑶及び⑷のとおり、原告が下請に製造させて、眼鏡に使用して 販売した本件眼鏡フレームに使われた商標は「Pleasure」である。同商標の文字は本件商標の下段の文字と同一であり、本件商標と同一の称呼及び観念が生じると認められるから、上記商標は本件商標と社会通念上同一と認められる。 ⑹ 前記⑶ないし⑸において認定した事情を総合すると、本件商標の商標権者 である原告が、本件審判手続に係る被告の審判請求の予告登録前3年以内に、日本国内において、本件商標の指定商品に含まれる眼鏡用フレームについて本件商標と社会通念上同一と認められる商標の使用をしていることを証明したと認めることができる。 ⑺ 前記第3の2〔被告の主張〕に対する判断 ア被告は、前記第3の2〔被告の主張〕⑴のとおり、平成3年最高裁判決は、本件において適用されるべきではなく、本件訴訟において、原告による本件訴訟の使用に関する新たな立証を許すべきではないと主張 ア被告は、前記第3の2〔被告の主張〕⑴のとおり、平成3年最高裁判決は、本件において適用されるべきではなく、本件訴訟において、原告による本件訴訟の使用に関する新たな立証を許すべきではないと主張する。 しかし、商標法50条2項本文は、商標登録の不使用取消審判の請求があった場合において、被請求人である商標権者が登録商標の使用の事実を 証明しなければ、商標登録は取消しを免れない旨規定しているが、これは、 登録商標の使用の事実をもって商標登録の取消しを免れるための要件とし、その存否の判断資料の収集につき商標権者にも責任の一端を分担させ、もって審判における審判官の職権による証拠調べの負担を軽減させたものであり、商標権者が審決時において使用の事実を証明したことをもって、商標登録の取消しを免れるための要件としたものではないと解される(平 成3年最高裁判決)。平成3年最高裁判決の事案も、本件と同様、審判手続段階において、商標登録取消請求の被請求人が商標使用の事実について何ら主張立証しなかったものであり、本件において原告が本件審判手続の中で本件商標の使用に関する主張立証をしなかったことにより、平成3年最高裁判決が説示した商標法50条2項本文の上記趣旨が本件に当てはま らないとは解されない。 したがって、被告の上記主張は採用することができない。 イ被告は、前記第3の2〔被告の主張〕⑵アないしエのとおり、本件商標の使用の事実が立証されたとはいえない旨主張する。 (ア) 前記第3の2〔被告の主張〕⑵アについて 証拠(甲13~15)及び弁論の全趣旨によって、「Pleasure」の文字が記載された本件眼鏡フレームを、オリエント眼鏡が原告の下請けとして製造し、原告に納入したものであると認められることは、前記⑷のとおりであ 15)及び弁論の全趣旨によって、「Pleasure」の文字が記載された本件眼鏡フレームを、オリエント眼鏡が原告の下請けとして製造し、原告に納入したものであると認められることは、前記⑷のとおりであり、原告が、本件眼鏡フレームを使用した眼鏡を、原告の経営する店舗で販売したことは、商標法50条2項にいう「登録商標の使用」 に当たると認められる。 甲1の1ないし3の写真は、本件眼鏡フレームが存在することを立証するものであり、甲2の1ないし5等その他の証拠と併せて、要証期間内に原告が商標を使用した事実を立証するものであるから、甲1の1ないし3の写真の撮影日が要証期間内ではないことをもって、原告が要証 期間内に商標を使用した事実が立証されていないとはいえない。 甲1の1ないし3の写真に撮影されている眼鏡が眼鏡フレームのみならずレンズにも「Pleasure」の文字が存在している一方、原告のウェブサイトに掲載された「オグラ眼鏡店オリジナル」の商品の中に眼鏡のレンズ部分に商標が刻印されているものが存在しないとしても、甲1の1ないし3の写真に撮影されている眼鏡が実際に販売されたものであると 認められないことにはならない。 (イ) 前記第3の2〔被告の主張〕⑵イについて甲2の1ないし5の「お客様カード」は、「Pleasure」の文字が記載された本件眼鏡フレームを用いた眼鏡の販売の事実を立証する証拠である。 原告は、これらの「お客様カード」に上記商標を記載したことが商標法 2条3項8号にいう「取引書類に標章を付して展示し、若しくは頒布し」た行為に該当するなどとは主張立証していないから、上記「お客様カード」が同号にいう「取引書類」に該当しないとしても、前記⑵ないし⑹の認定及び判断は左右されない。 ジャーナル(甲7の1ない 頒布し」た行為に該当するなどとは主張立証していないから、上記「お客様カード」が同号にいう「取引書類」に該当しないとしても、前記⑵ないし⑹の認定及び判断は左右されない。 ジャーナル(甲7の1ないし4)及び日計表(甲8の1・2)には、 「オグラ眼鏡店亀有店」との記載があるが、これらの書類に記載された店舗の電話番号は、原告のウェブサイトに記載されたオグラ眼鏡店イトーヨーカドー亀有駅前店の電話番号と同一であるから(乙4の1ないし6)、上記資料に記載された「オグラ眼鏡店亀有店」はオグラ眼鏡店イトーヨーカドー亀有駅前店を指すと認められ、このことからすれば、甲2 の1ないし5の「お客様カード」に記載された「亀有店」もオグラ眼鏡店イトーヨーカドー亀有駅前店を指すと認めることができるのであって、これらの「お客様カード」は、オグラ眼鏡店イトーヨーカドー亀有駅前店における売上げに関する資料であると認められる。 ジャーナル(甲7の1ないし4)は、これのみをもって本件眼鏡フレ ームを用いた眼鏡の販売の事実を立証するものではなく、甲2の1ない し5の「お客様カード」等の証拠を併せて上記販売の事実が立証されているといえるから、甲7の1ないし4に本件商標あるいは「Pleasure」の商標が記載されていないとしても、前記⑵ないし⑹の認定及び判断は左右されない。 (ウ) 前記第3の2〔被告の主張〕⑵ウについて 前記⑵ないし⑹のとおり、甲4以外の証拠により、「Pleasure」の記載のある眼鏡フレームを用いた眼鏡の販売の事実が立証されているといえるから、甲4に関する被告の主張は前記⑵ないし⑹の判断を左右しない。 なお、被告は、甲4が「商品に関する広告、価格表若しくは取引書類」(商標法2条3項8号)に該当しないから、商標の使用を立証す いえるから、甲4に関する被告の主張は前記⑵ないし⑹の判断を左右しない。 なお、被告は、甲4が「商品に関する広告、価格表若しくは取引書類」(商標法2条3項8号)に該当しないから、商標の使用を立証するため の証拠とならないという趣旨の主張をする。しかし、原告は、甲4を同法2条3項8号にいう「取引書類」に該当すると主張するものではなく、「Pleasure」の記載のある眼鏡フレームを用いた眼鏡の販売が同法50条2項の使用に該当する旨主張しているのであり、このような使用を立証するために証拠として提出する資料が上記「取引書類」に該当する必 要もないから、被告の主張は失当である。 (エ) 前記第3の2〔被告の主張〕⑵エについて現在の原告のウェブサイトの「オグラ眼鏡店オリジナル」の箇所に「Pleasure」又は「PLEASURE」という名称の商品が掲載されていないとしても、そのことをもって、前記⑵ないし⑹の認定及び判断は左右さ れない。 乙3の1ないし6及び乙4の1ないし6のウェブサイトの画面が、甲2の1ないし5において「Pleasure」の記載のある眼鏡フレームを用いた眼鏡が販売されたとされる時期(令和2年11月11日から令和3年3月7日)の原告のウェブサイトの画面であるか否かは、乙3の1ない し6及び乙4の1ないし6の画面の内容からは明らかでない。また、仮 に上記画面が上記時期における原告のウェブサイトの画面であり、このウェブサイトに「Pleasure」又は「PLEASURE」の名称の商品が掲載されていなかったとしても、このことから、上記時期において原告の店舗で「Pleasure」の記載のある本件眼鏡フレームを用いた眼鏡が販売されたことがあり得ないということはできない。 「オグラ眼鏡店新宿サブナード ても、このことから、上記時期において原告の店舗で「Pleasure」の記載のある本件眼鏡フレームを用いた眼鏡が販売されたことがあり得ないということはできない。 「オグラ眼鏡店新宿サブナード店」の店員が、令和5年4月29日、被告代理人に対し、「『Pleasure』という商品は扱っていない、在庫切れではなく全ての店舗において既にその商品はない、昔はあったが現在は取り扱いがない。」という趣旨の回答をしたとの事実を裏付ける証拠は何ら提出されていない。また、仮に、上記店舗の店員が上記発言をしたと しても、その発言の根拠は明らかでなく、前記⑵ないし⑹の認定及び判断を左右するものではない。 (オ) したがって、被告の上記各主張は採用することができない。 3 結論以上によれば、本件商標の商標権者である原告が、本件審判手続に係る被 告の審判請求の予告登録前3年以内に、日本国内において、本件商標の指定商品に含まれる眼鏡用フレームについて、本件商標と社会通念上同一と認められる商標の使用をしていることを証明したと認められるから、本件商標の登録を取り消す旨の判断をした本件審決は取り消されるべきである。 よって、原告の請求は理由があるからこれを認容することとして、主文の とおり判決する。 知的財産高等裁判所第3部 裁判長裁判官東海林保 裁判官 今井弘晃 裁判官水野正則 今井弘晃 裁判官 水野正則(別紙審決書写し省略)

▼ クリックして全文を表示

🔍 類似判例を検索𝕏 でシェア← 一覧に戻る