令和4年5月25日判決言渡令和4年(行ケ)第10006号商標登録取消決定取消請求事件口頭弁論終結日令和4年4月25日判決 原告株式会社OMECO同訴訟代理人弁護士大塚裕介 被告特許庁長官同指定代理人鈴木雅也 同佐藤淳同綾郁奈子 被告補助参加人オメガ・エスアー(オメガ・アーゲー)(オメガ・リ ミテッド)同訴訟代理人弁護士大江修子同関川淳子主文 1 原告の請求を棄却する。 2 訴訟費用は原告の負担とする。 事実及び理由 第1 請求特許庁が異議2020-900276号事件について令和3年12月14日にした審決を取り消す。 第2 事案の概要 1 特許庁における手続の経緯等(当事者間に争いがない。)⑴ 原告は、以下のとおりの登録第6277280号商標(以下「本件商標」という。)の商標権者である。 商標の構成 登録出願日令和元年10月31日登録査定日令和2年7月10日設定登録日同年8月5日指定役務第14類「時計」⑵ オメガ・エスアー(被告補助参加人)は、令和2年10月27日、本件 商標 録査定日令和2年7月10日設定登録日同年8月5日指定役務第14類「時計」⑵ オメガ・エスアー(被告補助参加人)は、令和2年10月27日、本件 商標について登録異議を申し立てた。 ⑶ 特許庁は、前記の申立てを異議2020-900276号事件として審理を行い、令和3年12月14日、「登録第6277280号商標の商標登録を取り消す。」との決定(以下「本件決定」という。)をし、その謄本は、同月23日、原告に送達された。 ⑷ 原告は、令和4年1月20日、本件決定の取消しを求める本件訴訟を提起した。 被告補助参加人は、令和4年4月25日の本件第1回口頭弁論期日において、被告を補助するために、本件訴訟に参加した。 2 本件決定の理由の要旨 本件決定の理由(登録取消しの理由となったものに限る。)の要旨は、①被告補助参加人は、別紙記載1ないし5のとおり、その業務に係る表示として「OMEGA」の欧文字を横書きに表し、又は、同文字とギリシャ文字の「Ω」をデザインした文字を結合させて表してなる引用商標1ないし5(以下、まとめ て「引用商標」という。)を有しており、これら引用商標は、いずれも、被告補助参加人の名称又は被告補助参加人が製造する腕時計の名称として、本件商標の登録出願日の時点において、被告補助参加人の業務に係る取引者、需要者の間に広く認識されて、その周知著名性の程度は極めて高いものであって、その周知著名性は、本件商標の登録査定時においても継続していたところ、本件商 標と引用商標とは、外観において、いずれも欧文字全体が5文字で構成される点において共通する上、語頭を含めた3文字が共通し、称呼において、3音中最初の2音が共通することから、類似性の程 、本件商 標と引用商標とは、外観において、いずれも欧文字全体が5文字で構成される点において共通する上、語頭を含めた3文字が共通し、称呼において、3音中最初の2音が共通することから、類似性の程度は低くはないこと、本件商標の指定商品の第14類「時計」と被告補助参加人の業務に係る時計とは、同一又は類似の商品であって商品の関連性は高く、取引者、需要者を共通にするもの であること、「OMEGA」の欧文字は被告補助参加人の著名なハウスマークであること等を併せ考慮すれば、本件商標をその指定役務に使用した場合は、これに接した取引者、需要者に対し、被告補助参加人のハウスマーク及び引用商標を連想、想起させ、本件商標を使用した商品が被告補助参加人又は被告補助参加人と経済的若しくは組織的に何らかの関係にある者の業務に係る役務であ ると誤認し、その出所につき混同を生じさせるおそれがあるから、本件商標は、商標法4条1項15号に該当する、②本件商標は、これに接する需要者に女性器あるいは男女の性交を意味する俗語を連想、想起させ、卑わいな印象を与える商標であること、上記①のとおり、本件商標をその指定商品について使用する場合には、商品の出所について混同を生じるおそれがあること、本件商標を、 被告補助参加人の腕時計である「SPEEDMASTER」(甲11の1及び2。以下「被告補助参加人腕時計」という。)と酷似する原告の製造販売に係る腕時計(甲10の1ないし3。以下「本件腕時計」という。)の広告に使用しており、引用商標に化体した信用、名声及び顧客吸引力にフリーライドする目的で本件商標の登録を受けたものであり、さらには、引用商標に化体した信用、名声及 び顧客吸引力、ひいては被告補助参加人の業務上の信用を毀損させるおそれが あることから、 ーライドする目的で本件商標の登録を受けたものであり、さらには、引用商標に化体した信用、名声及 び顧客吸引力、ひいては被告補助参加人の業務上の信用を毀損させるおそれが あることから、本件商標は商標法4条1項7号に該当するというものである。 3 取消事由⑴ 商標法4条1項15号該当性判断の誤り(取消事由1)⑵ 商標法4条1項7号該当性判断の誤り(取消事由2)第3 当事者の主張 1 取消事由1(商標法4条1項15号該当性判断の誤り)の有無について⑴ 原告の主張ア原告は、引用商標が周知著名であること、及び、本件商標が「オメコ」との称呼を生じるものであることは、認める。 イ本件商標と引用商標1とは書体が異なり、本件商標には、引用商標2な いし5のような欧文字の上段のマークがなく、また、引用商標とは文字数の5分の2を占める「GA」と「CO」が異なり、外観において明確に区別し得る。また、本件商標と引用商標1及び引用商標2ないし5の欧文字部分とは、3音のうち「ガ」と「コ」が異なり、称呼において全体の音感が大きく異なる。さらに、本件商標から女性器あるいは男女の性交を連想、 想起させるものであるのならば、引用商標からはギリシャ文字の最終の文字又は外国の高級ブランドである被告補助参加人の商品の観念が生じているから、観念においても大きく異なる。したがって、本件商標と引用商標の類似性の程度は極めて低い。仮に、称呼及び外観の相違がわずかなものであったとしても、観念が全く異なる以上、称呼、外観から容易に区別 が可能である。 ウ引用商標は、一般的な辞書においても被告補助参加人の業務に係る製品を示す商標であると記載される(甲16の1ないし甲17の2、乙4ないし7)に至る 観から容易に区別 が可能である。 ウ引用商標は、一般的な辞書においても被告補助参加人の業務に係る製品を示す商標であると記載される(甲16の1ないし甲17の2、乙4ないし7)に至るなど、その著名性は極めて高いから、本件商標との相違部分が強く意識される。また、時計は、どのブランドが製造販売しているかと いう点で機能や質感、価格が大きく異なる商品であり(甲16の1ないし 12、甲17の1ないし8)、一般の需要者といえども、商品についてそれなりの注意力をもって観察するものであるところ、被告補助参加人が製造販売する時計は70万円を超える高価で販売されており、主にデパートの時計宝飾サロン、時計・宝飾売り場、ジュエリー&ウォッチコーナー等で店舗や専用の販売スペースを構え、宝飾品と並べて販売され(甲9)、文字 盤に、上段にギリシャ文字の「Ω」、下段に「OMEGA」の欧文字を二段に書してなる構成の商標以外の商標が表示された例はない(甲16の1ないし12)のに対し、本件腕時計はインターネットのみで2万円以下の廉価で販売されている上に、販売ページには女性器を模した円状図形及び「変態高級腕時計」の文字が表示されており(甲10の1ないし3)、被告 補助参加人が製造販売する時計とは指向性を全く異にするものであるから、取引者や需要者が被告補助参加人の商品と本件腕時計の出所を混同するとは到底考えられない。さらに、「ОMECО」を検索ワードとしてインターネット上で検索しても、被告補助参加人の業務に係る腕時計を始めとする時計が検索結果に挙がることはない(甲12)。 エ以上によれば、本件商標をその指定商品である「時計」に使用したとしても、当該商品が被告補助参加人又は被告補助参加人と一定の緊密な営業上の関係若しく に挙がることはない(甲12)。 エ以上によれば、本件商標をその指定商品である「時計」に使用したとしても、当該商品が被告補助参加人又は被告補助参加人と一定の緊密な営業上の関係若しくは被告補助参加人と同一の表示による商品化事業を営むグループに属する関係にある営業主の業務に係る商品であると誤信されるおそれはないから、本件商標は、商標法4条1項15号の商標には該当 しない。なお、フリーライドが存在するからといって、商標法4条1項15号の「混同のおそれ」があることにはならない。 ⑵ 被告の主張ア本件商標と引用商標2ないし5との間には、ギリシャ文字「Ω」の有無において相違する場合があるとしても、文字部分は、いずれも5文字の欧 文字から構成される点において共通し、本件商標と引用商標とは、強い印 象を与える語頭の3文字を共通にし、4文字目の「C」と「G」は視覚上近似した文字であり、5文字目の「O」と「A」が相違するのみであって、本件商標と引用商標2ないし引用商標5は、「フーツラ(Futura)」風の書体も同一であることから、本件商標と引用商標は、外観において近似した印象を与える。また、称呼についてみると、本件商標と引用商標は、 いずれも3音から成る点において共通し、強い印象を与える語頭の2音を共通にする。そうすると、本件商標からは女性器あるいは男女の性交を連想、想起させるのに対し、引用商標からはギリシャ文字の最終の文字又は「著名な被告補助参加人の時計」の観念が生じることから、観念については異なるとしても、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合し 全体的に考察する限り、比較的高い類似性を有する。 イ本件商標の指定商品である「時計」の需要者に含まれる一般需要者は、大人から ても、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合し 全体的に考察する限り、比較的高い類似性を有する。 イ本件商標の指定商品である「時計」の需要者に含まれる一般需要者は、大人から子供まで男女を問わず、広く一般の消費者を含むから、商標やブランド、あるいは時計について専門的な知識や経験を有するものではない者も多数含まれており、商品の選択、購入に際して常に高度の注意力をも って商品を購入するとは限らない。そして、本件商標の指定商品である「時計」に含まれる文字盤を有する腕時計については、その文字盤に欧文字からなる商標を付す表示形態が多く採用されており(甲16の3、4及び9、乙16ないし19)、その刻印が小さく、商標の細部の構成を視認しづらい場合がある。 ウインターネットを介した電子商取引が一般的となっている現在においては、被告補助参加人の業務に係る高価な時計と原告の販売に係る廉価な腕時計とが同一のECサイトにおいて販売されている事実がある(乙27)。 エ以上によれば、本件商標をその指定商品である「時計」について使用する場合、これに接する取引者、需要者は、被告補助参加人のハウスマーク 及びその製造販売に係る腕時計をはじめとする時計について高い周知著 名性を獲得した被告補助参加人の引用商標を連想、想起するものといえ、本件商標を使用した商品が被告補助参加人又は被告補助参加人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように誤認し、その出所について混同を生ずるおそれがあるというべきであるから、本件商標は、商標法4条1項15号に該当する。 2 取消事由2(商標法4条1項7号該当性判断の誤り)の有無について⑴ 原告の主張ア仮に、本件商標 あるというべきであるから、本件商標は、商標法4条1項15号に該当する。 2 取消事由2(商標法4条1項7号該当性判断の誤り)の有無について⑴ 原告の主張ア仮に、本件商標の称呼が女性器や性交を示す俗語であったとしても、かかる俗語は日本国内で使用されているものである以上、一般的に平仮名や片仮名で表記されるものであるから、これを欧文字で表記したとしても、 女性器や性交が連想、想起されることはない。 仮に、本件商標の称呼が女性器や性交を示す俗語であったとしても、かかる俗語は関西地方で用いられる方言、俗語であり、広辞苑にも収録されていないこと(甲13)から、日本の社会一般で理解されるものであるとはいえない。本件商標の称呼が大辞林(甲14)や精選版日本国語大辞典 (甲15)に収録されているとしても、辞典には日常語、現代の言葉だけでなく専門用語、古代の言葉が収録されておりその全てが日本の社会一般で理解されるものとはいえない。現に、本件商標はいったん登録が認められており、原告の社名も法務局からの指摘を受けることなく認められている。 イ前記⑴アのとおり、本件商標と引用商標の類似性の程度は低く、本件商標をその指定商品に使用しても商品の出所について混同を生ずるおそれはない。また、「SPEEDMASTER」には多数のバージョンがあり、それら相互には多岐にわたって相違点がみられるところ(甲16の5の3枚目ないし5枚目、甲16の6の3枚目ないし4枚目)、仮に、そのバージョンの 一つにすぎない被告補助参加人腕時計と本件腕時計との間に類似点があ ったとしても、その類似をもって、原告が不正な目的で本件商標を採択・出願し登録を受け、かつ使用しているということはできない。そうすると、本件 補助参加人腕時計と本件腕時計との間に類似点があ ったとしても、その類似をもって、原告が不正な目的で本件商標を採択・出願し登録を受け、かつ使用しているということはできない。そうすると、本件商標が用いられても、引用商標に化体したイメージの毀損、希釈化、引用商標に化体した信用、名声及び顧客吸引力、ひいては被告補助参加人の業務上の信用を毀損させるおそれは全くない。 ウ以上によれば、本件商標は、公正な取引秩序を乱すものではなく、商標法の目的(商標法1条)及び商道徳に反するものでもないから、商標法4条1項7号の商標には該当しない。 ⑵ 被告の主張ア原告の販売に係る腕時計を広告宣伝するウェブサイトにおいて、「ブラ ンドロゴは関西弁で女性器を指す・・・」(乙21)とうたっていることからも、本件商標の称呼から、女性器あるいは男女の性交を連想、想起する需要者も少なからず存在するといえる。そして、国語辞典を代表する一定数の辞書に本件商標の称呼が採録されていることは、当該需要者の認識を裏付けるものである。 商号は、「会社」の名称であり、商標法における商標登録とは、その目的や内容、登記の方法は大きく異なるものであって、商標登録の可否を、商号登記と同一の基準で判断すべきではない。 イ本件腕時計は、著名な引用商標が付された被告補助参加人の腕時計「SPEEDMASTER」と、細部において相違するとしても、時計側全体の形状 を含め主要な部分で共通点を有するから、商品の全体的な外観において、酷似した印象を看者に与えるものである。 原告は、引用商標が周知著名であることを熟知し、卑わいな印象を与える称呼を生じる本件商標に、引用商標と外観上近似した5文字の欧文字を意図的に用い、出願し た印象を看者に与えるものである。 原告は、引用商標が周知著名であることを熟知し、卑わいな印象を与える称呼を生じる本件商標に、引用商標と外観上近似した5文字の欧文字を意図的に用い、出願し登録を受けたこと、そして、実際の使用態様におい ては、引用商標の「Ω」の図形を、その特徴的な円弧部分と共通性を有す る円状図形に置き換え、全体として引用商標に酷似した構成態様に仕上げて使用していることを考慮すると、本件商標は、引用商標の良質なイメージを損ない、その出所表示機能を希釈化し、引用商標に化体した信用、名声及び顧客吸引力、ひいては被告補助参加人の業務上の信用を毀損するおそれがあるというべきである。 ウ以上からみて、本件商標の登録を認めることは、公正な取引秩序を乱し、商道徳に反するものというべきであって、本件商標は、公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標であるから、商標法4条1項7号に該当する。 第4 当裁判所の判断 1 検討本件商標は、その構成文字に相応して「オメコ」の称呼を生じるものであり、この点は当事者間にも争いがないところ、その称呼の語は、「大辞林第四版」(2019年三省堂。乙12)に「俗に、女陰の称」を、「大辞泉第二版上巻」(2012年小学館。乙13)に「女性性器の俗称」を、「国語大辞 典新装版」(1988年小学館。乙14)に「女陰の異名」を、「精選版日本国語大辞典」(小学館。乙15)に「女陰の異名。また、男女の交合」を意味するとされているものである一方、その称呼から異なる意味合いを直ちに想起させる語は見当たらない。加えて、現に、本件商標は、ドメイン名を「omeco.buyshop.jp」とする原告の運営に係るウェブサイトのページ上部左上に、 その称呼から異なる意味合いを直ちに想起させる語は見当たらない。加えて、現に、本件商標は、ドメイン名を「omeco.buyshop.jp」とする原告の運営に係るウェブサイトのページ上部左上に、 「変態高級腕時計」の文字と、女性器を模した、二重丸とその中心を縦断する縦線及び円の外側の放射状の短い線で構成される円状図形と一体となって、ロゴマーク様の図形を構成する一部として表示されているほか(甲10の1ないし甲10の3)、このウェブサイトでは、原告の販売に係る腕時計として、上記円状図形及び本件商標が付された腕時計の画像や(甲10の1ないし甲10 の3)、「パイパンマン」等の性的な意味合いを認識させる表示が付されたT シャツの画像等の商品画像が多数掲載されているのであるから(乙22ないし25)、本件商標は、上記各辞典に掲載されたそのとおりの意味合いで使用されていると認められ、それ以外の意味合いのものと理解され得る余地はない。 そうすると、本件商標は、その称呼から、少なくとも需要者に女性器を連想、想起させるものであるから、その構成自体が卑わい又は他人に不快な印象を与 えるようなものであって、その余の点について検討するまでもなく、公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標というべきである。したがって、本件商標は、商標法4条1項7号に該当するものであり、商標登録を受けることができないものに当たる。 2 原告の主張について ⑴ 原告は、本件商標の称呼が女性器等を示す俗語であったとしても、本件商標は欧文字で表記されているから、女性器等が連想、想起されることはない、あるいは、このような俗語は関西地方で用いられる方言、俗語であり、日本の社会一般で理解されるものであるとはいえない旨主張する。しかしながら、 記されているから、女性器等が連想、想起されることはない、あるいは、このような俗語は関西地方で用いられる方言、俗語であり、日本の社会一般で理解されるものであるとはいえない旨主張する。しかしながら、本件商標の綴りからは自然に女性器が連想、想起される称呼が生じ、それ以 外の称呼が自然と生じるものとはいい難いし、また、仮に、関西地方で用いられる方言、俗語であったとしても、関西地方で用いられているならば、周知の用語というに十分である。そして、何より、原告自身が女性器等を連想、想起させるものとして本件商標を使用していることは、前記1において説示したとおりであるから、欧文字で表記されていることや関西地方で用いられ る方言、俗語であることが女性器を連想、想起させることを何ら妨げるものではない。 したがって、原告の上記主張は、いずれにしても採用し得ない。なお、本件商標と同一の称呼を生じさせる原告の商号が現時点で維持されていることは、商標法に従い商標登録の適否を判断する本件の結論を何ら左右しない。 ⑵ 原告は、本件商標が用いられても、取引の実情からみて、被告補助参加人 の業務との間に誤認混同は生じないから、引用商標の信用等又は被告補助参加人の業務上の信用を毀損させるおそれはない旨主張するが、本件商標は、その構成自体から卑わい又は他人に不快な印象を与えるような文字であるから、引用商標の信用等又は被告補助参加人の業務上の信用を毀損させているか否かの点は、本件商標が公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商 標であるとの判断を何ら左右しない。 したがって、原告の上記主張を採用することはできない。 3 小括以上のとおり、本願商標は、公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標であるから商 との判断を何ら左右しない。 したがって、原告の上記主張を採用することはできない。 3 小括以上のとおり、本願商標は、公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標であるから商標法4条1項7号に該当するとした本件決定の判断には、誤 りはない。 4 結論よって、その余の点について判断するまでもなく、本件商標は商標登録を受けることのできない商標であることが明らかであり、本件決定を取り消すべき違法は認められない。 したがって、原告の請求を棄却することとして、主文のとおり判決する。 知的財産高等裁判所第4部 裁判長裁判官菅野雅之 裁判官本吉弘行 裁判官中村恭 (別紙) 1 国際登録第765501号商標(以下「引用商標1」という。)商標の構成 国際商標登録出願日 2001年(平成13年)9月24日優先権主張 Switzerland 2001年(平成13年)5月1日設定登録日平成14年9月27日更新登録日令和3年10月19日指定商品第14類「Bijouterie、 preciousstones; horologicalandc hronometricinstruments.」 2 登録第409366号商標(以下「引用商標2」という。) preciousstones; horologicalandc hronometricinstruments.」 2 登録第409366号商標(以下「引用商標2」という。)商標の構成 登録出願日昭和25年12月7日設定登録日昭和27年3月7日書換登録日平成15年4月9日更新登録日令和4年2月25日指定商品第14類「時計、時計の部品及び付属品」 3 国際登録第771475号商標(以下「引用商標3」という。)商標の構成 国際商標登録出願日 2001年(平成13年)7月23日優先権主張 Switzerland 2001年(平成13年)5月1日 設定登録日平成14年12月13日更新登録日令和3年8月24日指定商品第14類「Preciousstones; horologicalandchronometricinstruments.」 4 国際登録第1255609号商標(以下「引用商標4」という。)商標の構成 国際商標登録出願日(事後指定) 2018年(平成30年)1月9日設定登録日平成31年4月19日 指定商品第9類「Spectacles、 sunglasses、 magnifyingglasses; framesandchainsforspectaclesandsunglasses; casesforspectacles、 sunglassesandmagnifyingglasses; batteries、 cells、 chargers、 powerad ses; casesforspectacles、 sunglassesandmagnifyingglasses; batteries、 cells、 chargers、 poweradapters.」第14類「Timepiecesandchronometricinstrumentsas wellaspartsandaccessoriesfortheaforesaidgoods、watchchains、 presentationcasesfortimepieces、 cas esfortimepieces.」 5 登録第6254912号商標(以下「引用商標5」という。)商標の構成 登録出願日平成30年11月20日設定登録日令和2年5月28日指定商品及び指定役務第14類「計時用具、時計、ストップウオッチ、腕時計、スポーツ用時計、ウォッチブレスレット、柱時計、目覚まし時計、時計の部品及び附属品、針、時計用アンクル、振子、 時計用ぜんまい箱、時計側、時計バンド、時計の文字盤、時計用計時機構、時計鎖、時計用ムーブメント、時計のゼンマイ、時計のガラス、時計用ケース、運動競技の計時用装置」等、第9類、第28類及び第41類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務
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