1,811 文字
主文 本件上告を棄却する。上告費用は上告人の負担とする。理由 上告代理人徳田禎重の上告理由第一点について。論旨は、上告人は原審において参加人の二男Dは、昭和二一年度水稲作から本件土地を自作する旨の申出をしたのに対し、上告人は、小作人も多いから同年度から一筆宛でも返させるように相談しようと返事して置いたとの主張をしたのにかかわらず、原審が右主張を判決に摘示しなかつたことは違法であると主張する。しかし、本件主要の争点は、昭和二〇年一一月二三日当時本件土地が自作地であつたか小作地であつたかにあるのであるから、右争点につき上告人のなすべきこととしては、前記日時当時本件土地が上告人の小作地であつたことを主張すれば足り、論旨のいう上告人側の主張は、単なる事情の説明に過ぎないので、これを判決中に摘示しないからといつて、違法ということはできない。その他の所論は原審が適法にした事実認定を非難するに過ぎず、原判決には所論のような違法は認められない。同第二点について。論旨前段は、原審が証拠とした甲第八、九号証によれば、昭和二〇年一一月二三日当時、本件土地は小作地であつたことが推論されるにかかわらず、これを上告人の不利益に採用して自作地であつたと認定したことは、論旨引用の大審院判決にも違反し違法であると主張する。しかし、原判決は右甲号証だけで所論の事実を認定したものではなく、これを原判決挙示のその他の証拠と総合して、原判示のように合意解約がなされた事実を認定した上、所論基準日当時本件土地は小作地ではなかつたと判断したものである。そして、原判決挙示の証拠を総合すれば、原判示事実を認定し得られるのであり、所論甲号証は右認定を妨げる資料とはならない。され- 1 -ば、引用の判決は本件に適切でなく、 つたと判断したものである。そして、原判決挙示の証拠を総合すれば、原判示事実を認定し得られるのであり、所論甲号証は右認定を妨げる資料とはならない。 された事実を認定した上、所論基準日当時本件土地は小作地ではなかつたと判断したものである。そして、原判決挙示の証拠を総合すれば、原判示事実を認定し得られるのであり、所論甲号証は右認定を妨げる資料とはならない。され- 1 -ば、引用の判決は本件に適切でなく、 つたと判断したものである。そして、原判決挙示の証拠を総合すれば、原判示事実を認定し得られるのであり、所論甲号証は右認定を妨げる資料とはならない。され- 1 -ば、引用の判決は本件に適切でなく、原判決には所論のような違法はない。論旨後段の所論は、原審が適法にした証拠の採否を非難するに帰するので、採用することができない。同第三点について。論旨前段は、原判決は当事者の主張しない本件土地引渡の事実を認定した違法があると主張する。しかし本件においては、原審としては、昭和二〇年九月一五日頃合意解約が成立し、従つて基準日当時、本件土地が自作地であつた旨を認定すれば足り、その後土地の引渡があつたという事実は単に事情として附加的に認定されたに過ぎないと解すべきである。そして、かように主要事実以外の事情にわたる事実については、当事者の主張を待たないで裁判所がこれを認定することは、なんら違法ではないから、所論は理由がない。論旨後段は、本件土地二筆のうち少くとも一筆については、引渡のあつたことを認むべき証拠はないというにある。しかし、原判決挙示の証拠によれば、九月一五日頃本件土地返還の合意が成立し、Dが人員二名を連れて現場に臨み、本件土地のうち一筆を鋤き返したことが認められるので、これだけの事実から、本件土地の全部につき引渡があつたと推断することは、必ずしも不可能ではないから、虚無の証拠によつて事実を認定したという所論は当らない。のみならず、引渡云々の事実は、単に事情に属する事実に過ぎないから、この部分の認定に違法があつたとしても、原判決に影響はないので所論は理由がない。よつて、民訴三九六条、三八四条一項、九五条、八九条に従い、裁判官全員一致で主文のとおり判決する。最高裁判所第三小法廷裁判長裁判官島 論は理由がない。よつて、民訴三九六条、三八四条一項、九五条、八九条に従い、裁判官全員一致で主文のとおり判決する。最高裁判所第三小法廷裁判長裁判官島保裁判官河村又介裁判官小林俊三- 2 -裁判官垂水克己裁判官高橋潔- 3 -
▼ クリックして全文を表示