主文 弘前市情報公開・個人情報保護審査会が平成18年6月23日付けでした「諮問第15号について(答申)」において「開示するべきである。」とした平成16年8月31日開催の会派代表者会議に係る「会派代表者会議記録メモ」について,弘前市議会が原告に対してこれを不開示とした平成19年3月29日付け決定を取り消す。 訴訟費用は被告の負担とする。 事実 及び理由第1請求主文同旨第2事案の概要本件は,青森県弘前市の住民である原告が,合併前の弘前市(以下,合併前の弘前市に係る部分を「旧弘前市」と表記し,合併後の弘前市に係る部分を「弘前市」と表記する。)情報公開条例(以下「本件旧条例」という。)に基づく開示請求に係る公文書の不存在を理由として旧弘前市議会がした公文書不存在通知に対する異議申立てにおいて弘前市議会から諮問を受けた弘前市情報公開・個人情報保護審査会が開示すべきであるとの答申(以下「本件答申」という。)を行った「会派代表者会議記録メモ」と題する文書(以下「本件会議記録メモ」という。)について,弘前市情報公開条例(以下「本件条例」という。)に基づき,その実施機関である弘前市議会に対し,改めてその開示請求(以下「本件再開示請求」という。)をしたところ,弘前市議会が再びその不存在を理由としてこれを不開示とする決定(以下「本件不開示決定」という。)をしたため,その取消しを求めたという事案である。 その中心的な争点は,本件会議記録メモが,本件条例の適用対象である旧弘前市から承継された本件旧条例所定の「公文書」に該当するかどうかである。 前提事実 以下の事実は,括弧内に記載した証拠等により認めることができるか,又は当事者間に争いがない。 (1) 当事者原告は,青森県弘前市の住民である。 被告は,平成18年2月27日に る。 前提事実 以下の事実は,括弧内に記載した証拠等により認めることができるか,又は当事者間に争いがない。 (1) 当事者原告は,青森県弘前市の住民である。 被告は,平成18年2月27日に当時の青森県弘前市,同県中津軽郡岩木町及び同郡相馬村の合併により成立した普通地方公共団体である(公知の事実)。 (2) 原告による公文書開示請求原告は,平成17年12月27日,旧弘前市情報公開条例(平成17年弘前市条例第52号による改正前の平成10年弘前市条例第1号。乙2)に基づき,その実施機関であった同市議会に対し,「2004年8月31日に開催の会派代表者会議での質疑応答内容などが分かる所謂会議録」の開示を求める公文書開示請求をした(甲3)。 (3) 旧弘前市議会による公文書不存在通知旧弘前市議会は,平成18年1月5日,本件旧条例(平成17年弘前市条例第52号による改正後の平成10年弘前市条例第1号。施行日平成18年1月1日。乙2,4)に基づき,原告に対し,「任意の会議のため,会議録は作成していないものである。」との理由により,上記開示請求に係る公文書が不存在であるとして,公文書不存在通知を行った(甲3)。 (4) 原告による異議申立て原告は,平成18年1月27日,行政不服審査法に基づき,旧弘前市議会に対し,上記公文書不存在通知の取消し及び上記開示請求に係る公文書の開示を求める異議申立てを行った(甲4)。 (5) 弘前市議会による弘前市情報公開・個人情報保護審査会に対する諮問弘前市議会は,平成18年4月12日,本件条例(平成18年弘前市条例第19号。施行日同年2月27日。乙1)に基づき,上記異議申立てについ て,同市情報公開・個人情報保護審査会に対し,諮問をした(甲5)。 (6) 弘前市情報公開・個人情報保護審査会による本件答申弘前市情 号。施行日同年2月27日。乙1)に基づき,上記異議申立てについ て,同市情報公開・個人情報保護審査会に対し,諮問をした(甲5)。 (6) 弘前市情報公開・個人情報保護審査会による本件答申弘前市情報公開・個人情報保護審査会は,平成18年6月23日,同市議会に対し,上記公文書不存在通知は妥当でないからこれを取り消し,同市議会事務局長室において保管する「会派代表者会議記録メモ」と題する文書(本件会議記録メモ)を開示すべきであるとの本件答申を行った(甲6)。 その理由の要旨は,①本件会議記録メモは,内容的には作成者と議事録署名者がないだけの完成した文書であり,実質的には会議録そのものであること,②本件会議記録メモは,旧弘前市議会事務局次長が慣行に従ってその職務上作成したものであること,③作成された本件会議記録メモが会議後も破棄されることなく弘前市議会事務局長室において保管されており,本件会議記録メモは同市議会事務局においてその時々の会議の内容を確認するために供されるものであると解されることからすれば,本件会議記録メモは本件条例2条に規定する公文書に該当するなどというものであった(甲6)。 (7) 原告による本件再開示請求原告は,弘前市議会が本件答申を受けた後も本件会議記録メモを開示しなかったことから,平成19年3月16日,本件条例に基づき,その実施機関である同市議会に対し,本件会議記録メモ等の開示を求める本件再開示請求をした(甲1)。 (8) 弘前市議会による本件不開示決定弘前市議会は,平成19年3月29日,本件条例に基づき,原告に対し,本件再開示請求に係る公文書が「不存在」であることを理由として,本件会議記録メモ等を不開示とする本件不開示決定を行った(甲2)。 (9) 本件旧条例及び本件条例における「公文書」の定義等ア本件条例の適用対象 請求に係る公文書が「不存在」であることを理由として,本件会議記録メモ等を不開示とする本件不開示決定を行った(甲2)。 (9) 本件旧条例及び本件条例における「公文書」の定義等ア本件条例の適用対象となる「公文書」本件条例は,その施行日である平成18年2月27日以後に実施機関が 作成し又は取得した本件条例2条2号所定の公文書のほか,被告が旧弘前市から承継した公文書(本件条例の施行日の前日である同月26日において本件旧条例の適用を受けていた公文書に限る。)についても適用される(本件条例附則1項,2項2号。甲14,乙1)。 イ本件旧条例における「公文書」の定義平成17年弘前市条例第52号による改正前の平成10年弘前市条例第1号は,開示請求の対象となる「公文書」について,2条2号において,「実施機関の職員が職務上作成し,又は取得した文書,図画,写真,電磁的記録その他これらに類する物であって,実施機関において定めている決裁,供覧等の手続が終了し,実施機関が管理しているものをいう。ただし,電磁的記録は,文書化されたものとする。」と規定していた(乙2)。 しかし,上記改正により,「公文書」の定義が変更され,同改正後の本件旧条例2条2号は,「公文書」について,「実施機関の職員が職務上作成し,又は取得した文書,図画,写真,フィルム及び電磁的記録(電子的方式,磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られた記録をいう。以下同じ。)であって,当該実施機関の職員が組織的に用いるものとして,当該実施機関が保有しているものをいう。ただし,官報,公報,白書,新聞,雑誌,書籍その他不特定多数の者に販売することを目的として発行されるものを除く。」とその定義を改めた(平成17年弘前市条例第52号附則4項。乙4)。 ウ本件条例における「公文書 ,公報,白書,新聞,雑誌,書籍その他不特定多数の者に販売することを目的として発行されるものを除く。」とその定義を改めた(平成17年弘前市条例第52号附則4項。乙4)。 ウ本件条例における「公文書」の定義平成18年2月27日に施行された本件条例2条2号は,開示請求の対象となる「公文書」について,「実施機関の職員が職務上作成し,又は取得した文書,図画,写真,フィルム及び電磁的記録(電子的方式,磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られた記録をいう。以下同じ。)であって,当該実施機関の職員が組織的に用いる ものとして,当該実施機関が保有しているものをいう。ただし,次に掲げるものを除く。ア官報,広報,白書,新聞,雑誌,書籍,その他不特定多数の者に販売することを目的として発行されるものイ図書館その他の市の機関において,歴史的若しくは文化的な資料又は学術研究用の資料として,特別の管理がされているもの」と規定しており,本件旧条例2条2号とほぼ同様の定義を採用している(乙1)。 エ本件条例に係る「情報公開事務の手引き」における解釈・運用指針被告は,平成19年6月,本件条例の解釈・運用の指針について定めた「情報公開事務の手引き」(甲14)を作成したが,その中において,本件条例2条2号本文の解釈・運用については,「職務上作成し,又は取得した」とは,「実施機関の職員が,法律,命令,条例,規則,規程,通達等により与えられた任務又は権限の範囲内において作成し,又は取得した場合をいう。」などとされており,また,「実施機関の職員が組織的に用いるものとして,当該実施機関が保有しているもの」とは,「作成又は取得に関与した職員個人の段階のものではなく,組織としての共用文書の実質を備えた状態,すなわち,当該実施機関において業務上必 織的に用いるものとして,当該実施機関が保有しているもの」とは,「作成又は取得に関与した職員個人の段階のものではなく,組織としての共用文書の実質を備えた状態,すなわち,当該実施機関において業務上必要なものとして利用・保存されている状態のものを意味する。したがって,①職員が自己の執務の便宜のために保有する正式文書と重複する当該文書の写しや②職員の個人的な検討段階にとどまる資料,下書き原稿,メモ等は,これに当たらないものである。」などとされている(甲14)。 (10)本件会議記録メモの作成及び保管状況本件会議記録メモは,平成16年8月31日に開催された旧弘前市議会の会派代表者会議に同席した当時の同市議会事務局次長によって作成され,現在も弘前市議会事務局長室において保管されている。 原告の主張本件会議記録メモは,第三者機関である弘前市情報公開・個人情報保護審査 会によってその存在を認められている文書であるから,同市議会が主張する「不存在のため不開示とするものである。」との不開示理由には合理性がなく,本件不開示決定は違法である。 被告の主張(1) 会派代表者会議の位置付けについて旧弘前市議会の会派代表者会議は,法令で定められた議会運営委員会とは違い,会派間において連絡調整をすることが必要であると認められる事項について適宜開催される任意の会議であり,その運営方法等を定める規約はなく,会議内容について「会議録」として調整,保管する旨の定めも一切ない。 (2) 本件会議記録メモについて旧弘前市議会においては,その事務局次長職にある者が,会派代表者会議の記録テープを起こして会議の概要を記載した「会派代表者会議記録メモ」を作成していたが(なお,平成18年以降は作成していない。),会派代表者会議が上記のような性格の会議であるため,同メモは 表者会議の記録テープを起こして会議の概要を記載した「会派代表者会議記録メモ」を作成していたが(なお,平成18年以降は作成していない。),会派代表者会議が上記のような性格の会議であるため,同メモは,同市議会事務局内において決裁・回議されることもなく,署名者もいない文書であり,また,保存義務についても何ら定めがないため,いつでも処分することが可能な文書である。これらの事実からすれば,本件会議記録メモは,本件条例が適用される本件旧条例2条2号の規定する「当該実施機関の職員が組織的に用いるもの」ではなく,「公文書」には該当しない。 原告の再主張(1) 会派代表者会議の位置付けについて確かに,地方自治法や弘前市議会に関する例規類には会派代表者会議に係る条項は見当たらないが,同市議会における会派は,任意の団体ではあっても議会内における公的存在として認知されている組織である。また,会派代表者会議の開催について旧弘前市議会事務局が作成した起案文書が作成,保管されているのは,同市議会事務局設置条例により同市議会議長が定めた旧 同市議会事務局処務規程に基づく事務として位置付けられていることに根拠がある。これらの事実からすれば,旧弘前市議会における会派代表者会議は,地方自治法には定めがないものの実質的には同市議会に設置された正規の会議であって,議長の主催する私的な任意の会議ではない。 (2) 本件会議記録メモについてア実施機関の職員が職務上作成した文書であること会派代表者会議は地方自治法に定めのない会議ではあるが,旧弘前市議会における会派代表者会議については,議長の発信・決裁により,同市議会事務局職員が同会議の開催に係る一切の準備を行った上で同会議に列席し,弘前市一般職員の課長に相当する市議会事務局次長職にある者が記録等の事務を行っていた。 ついては,議長の発信・決裁により,同市議会事務局職員が同会議の開催に係る一切の準備を行った上で同会議に列席し,弘前市一般職員の課長に相当する市議会事務局次長職にある者が記録等の事務を行っていた。これらは,単に慣行として行われていた事務ではなく,旧弘前市議会事務局処務規程に基づき,議長の命を受け,事務局長の指示により行われてきたものであるから,本件会議記録メモは,本件条例が適用される本件旧条例2条2号の規定する「実施機関の職員が職務上作成」した文書である。 イ当該実施機関の職員が組織的に用いるものとして,当該実施機関が保有しているものであること①本件会議記録メモが弘前市一般職員の課長に相当する市議会事務局次長職にある者によって職務上作成され,弘前市議会事務局長室において旧弘前市文書等管理規程に定める文書事務及び文書管理の責任者とされる同市議会事務局次長職にある者により職務として保管されていること,②弘前市情報公開・個人情報保護審査会において,本件会議記録メモが実質的には会議録そのものであることを認めていること,③弘前市情報公開・個人情報保護審査会において,本件会議記録メモは旧弘前市議会事務局においてその時々の会議の内容の確認に供されるものであるとの認定を行っていることを考慮すれば,本件会議記録メモは,職員の個人的な文書である とはいえず,「組織としての共用文書の実質を備えた状態,すなわち,当該実施機関において業務上必要なものとして利用・保存されている状態のもの」であるといえるから,本件条例が適用される本件旧条例2条2号の規定する「当該実施機関の職員が組織的に用いるものとして,当該実施機関が保有しているもの」に該当する。 (3) 会派代表者会議に係る他の文書が本件条例に基づき開示されていること被告が主張するように,会派代表者会議 実施機関の職員が組織的に用いるものとして,当該実施機関が保有しているもの」に該当する。 (3) 会派代表者会議に係る他の文書が本件条例に基づき開示されていること被告が主張するように,会派代表者会議が議長の主催する私的な任意の会議であるとすれば,同会議に係る「会派代表者会議記録メモ」以外の開催通知や配付資料等の文書も私的な文書として扱わなければならないはずであるが,これらの文書は「公文書」として開示されている。同一の会議に係る保管文書のうち,公文書に該当するものと該当しないものとを区別するという扱いには,そもそも合理性がない。 第3当裁判所の判断 本件条例の適用対象となる「公文書」本件条例は,その施行日である平成18年2月27日以後に実施機関が作成し又は取得した本件条例2条2号所定の公文書のほか,被告が旧弘前市から承継した公文書(本件条例の施行日の前日である同月26日において本件旧条例の適用を受けていた公文書に限る。)についても適用される(本件条例附則1項,2項2号。甲14,乙1)。 本件旧条例における「公文書」の定義本件旧条例2条2号本文は,「公文書」について,「実施機関の職員が職務上作成し,又は取得した文書,図画,写真,フィルム及び電磁的記録(電子的方式,磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られた記録をいう。以下同じ。)であって,当該実施機関の職員が組織的に用いるものとして,当該実施機関が保有しているものをいう」と規定しているところ,ここにいう「職務上作成し,又は取得した」とは,「実施機関の職員が, 法律,命令,条例,規則,規程,通達等により与えられた任務又は権限の範囲内において作成し,又は取得した場合」をいい,また,ここにいう「当該実施機関の職員が組織的に用いるものとして,当該実施機関が保 法律,命令,条例,規則,規程,通達等により与えられた任務又は権限の範囲内において作成し,又は取得した場合」をいい,また,ここにいう「当該実施機関の職員が組織的に用いるものとして,当該実施機関が保有しているもの」とは,「作成又は取得に関与した職員個人の段階のものではなく,組織としての共用文書の実質を備えた状態,すなわち,当該実施機関において業務上必要なものとして利用・保存されている状態のもの」を意味するものと解される(甲14参照)。 実施機関の職員が職務上作成した文書であること前記前提事実のほか,証拠(甲4,6)及び弁論の全趣旨によれば,旧弘前市議会においては,地方自治法138条及び同市議会事務局設置条例(甲15)により定められた同市議会事務局処務規程(甲16)に基づき,議長の指示により,同市議会事務局職員が,会派代表者会議の開催に係る準備(開催通知及び会議の案件の起案並びに関係者に対するこれらの通知及び配布)を行った上で,同会議に同席するとともに,同市議会事務局次長職にある者がその内容をまとめた「会派代表者会議記録メモ」と題する文書を作成することが慣行となっており,本件会議記録メモも,同様の手順により執り行われた平成16年8月31日開催の会派代表者会議に関し,当時の同市議会事務局次長によって作成されたものであると認められるから,本件会議記録メモは,実施機関の職員が地方自治法138条,同市議会事務局設置条例及び同市事務局処務規程により与えられた任務又は権限の範囲内において作成した文書であり,本件旧条例2条2号の規定する「実施機関の職員が職務上作成し…た文書」であると認めるのが相当である。 当該実施機関の職員が組織的に用いるものとして,当該実施機関が保有しているものであること前記前提事実のほか,証拠(甲4,6)及び弁論の全趣 職務上作成し…た文書」であると認めるのが相当である。 当該実施機関の職員が組織的に用いるものとして,当該実施機関が保有しているものであること前記前提事実のほか,証拠(甲4,6)及び弁論の全趣旨によれば,①本件会議記録メモが,平成16年8月31日に開催された会派代表者会議に関し, 当時の旧弘前市議会事務局次長によって職務上作成されたものであること,②本件会議記録メモは,開催日時,開催場所,開催時刻,散会時刻,出席議員の氏名及び出席職員の氏名が列記されている上,発言者の氏名とその発言内容が要約もされずにそのまま記載されており,作成者及び議事録署名者がないだけの文書であること,③本件会議記録メモが,現在も弘前市議会事務局長室において保管されていることが認められ,これらの事実に照らせば,本件会議記録メモは,「作成又は取得に関与した職員個人の段階のものではなく,組織としての共用文書の実質を備えた状態,すなわち,当該実施機関において業務上必要なものとして利用・保存されている状態のもの」であり,本件旧条例2条2号の規定する「当該実施機関の職員が組織的に用いるものとして,当該実施機関が保有しているもの」であると認めるのが相当である。 そして,本件会議録メモは,その保管状況等に照らせば,被告がこれを旧弘前市から承継したものと認めるのが相当である。 本件不開示決定が違法であること以上によれば,本件会議記録メモは,本件条例の適用対象である被告が旧弘前市から承継した本件旧条例2条2号所定の「公文書」に該当すると認められるから,本件再開示請求に係る公文書が不存在であることを理由として弘前市議会が原告に対して行った本件不開示決定は違法であるというべきである。 これに対し,被告は,旧弘前市議会の会派代表者会議が開催された場合に作成された「会派代表者会 が不存在であることを理由として弘前市議会が原告に対して行った本件不開示決定は違法であるというべきである。 これに対し,被告は,旧弘前市議会の会派代表者会議が開催された場合に作成された「会派代表者会議記録メモ」が,同市議会事務局内において決裁・回議されることもなく,署名者もいない文書であることや,保存義務について何ら定めがなくいつでも処分することが可能な文書であることなどを指摘して,本件会議記録メモが本件旧条例2条2号の規定する「当該実施機関の職員が組織的に用いるものとして,当該実施機関が保有しているもの」ではなく,「公文書」には該当しない旨を主張する。 しかしながら,ある文書が本件旧条例2条2号の規定する「当該実施機関の 職員が組織的に用いるものとして,当該実施機関が保有しているもの」に該当するかどうかを判断をするに当たっては,当該文書が組織としての共用文書の実質を備えた状態にあるかどうかが重要であるところ,本件会議記録メモの記載内容や本件会議記録メモが現に弘前市議会事務局内において保管されていることなどに照らせば,本件会議記録メモは同市議会において組織的に用いることが可能な状態に置かれているということができるのであって,被告が指摘する諸事情があるからといって,本件会議記録メモが上記のような共用文書としての実質を欠いているものと認めることはできない。 第4結論以上によれば,原告の請求は理由があるのでこれを認容することとして,主文のとおり判決する。 青森地方裁判所第2民事部裁判長裁判官齊木教朗裁判官澤田久文裁判官西山渉 山渉
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