主文 1 被告高島屋商店、被告小西造型、被告伊東石油及び被告保安管理センターは、原告に対し、連帯して138万8200円及びこれに対する令和2年8月15日から支払済みまで年3分の割合による金員を支払え。 2 原告のその余の請求をいずれも棄却する。 3 訴訟費用は、原告に生じた費用の6分の1及び被告高島屋商店に生じた費用を同被告の負担とし、原告に生じた費用の6分の1及び被告小西造型に生じた費用を同被告の負担とし、原告に生じた費用の6分の1及び被告伊東石油に生じた費用を同被告の負担とし、原告に生じた費用の6分の1及び被告保安管理センターに生じた費用を同被告の負担とし、その余の費用を原告の負担とする。 4 この判決の第1項は、仮に執行することができる。 事実及び理由 第1 請求被告らは、原告に対し、連帯して138万8200円及びこれに対する令和2年8月15日から支払済みまで年3分の割合による金員を支払え。 第2 事案の概要令和2年7月30日、福島県郡山市内の店舗建物(以下「本件建物」という。)において大規模なガス爆発事故(以下「本件事故」という。)が発生した。 原告は、A(以下「A」という。)との間で、車両保険を含む自動車保険契約(以下「本件保険契約」という。)を締結しており、本件事故によって被害を受けた自 動車の所有者であるAに対し、本件保険契約に基づき、車両保険及びレッカー費用に係る保険金を支払った。 原告は、本件事故は被告らの責任が競合して生じたものであり、本件事故によるAの損害について被告らが以下の損害賠償責任を負うこと及び上記保険金の支払により原告がAの被告らに対する138万8200円の損害賠償請求権を代位 取得(保険法25条1項)したことを主張 によるAの損害について被告らが以下の損害賠償責任を負うこと及び上記保険金の支払により原告がAの被告らに対する138万8200円の損害賠償請求権を代位 取得(保険法25条1項)したことを主張して、被告らに対し、連帯して138 万8200円及びこれに対する令和2年8月15日(上記保険金支払の翌日)から支払済みまで民法所定の年3分の割合による遅延損害金の支払を求めている。 被告高島屋商店民法717条1項本文の土地工作物の占有者責任又は同法709条の不法行為責任被告レインズ民法715条1項本文の使用者責任 被告小西造型民法715条1項本文の使用者責任被告伊東石油民法717条1項本文の土地工作物の占有者責任若しくは同項ただし書の所有者責任又は同法709条の不法行為責任被告保安管理センター民法715条1項本文の使用者責任被告芙蓉総合リース民法717条1項ただし書の土地工作物の所有者責任 なお、原告は、被告高島屋商店及び被告伊東石油に対する民法717条1項本文に基づく請求と被告芙蓉総合リースに対する同項ただし書に基づく請求について、同時審判の申出(民訴法41条)をしている。 1 前提事実(当事者間に争いがないか、証拠及び弁論の全趣旨によって容易に認定できる事実等)(以下、書証番号については、特記しない限り、枝番のある ものは各枝番を含む。)(1) 当事者等ア原告は、損害保険を主な業とする株式会社である。〔弁論の全趣旨〕イ被告高島屋商店は、飲食店の運営を業とする株式会社であり、福島県郡山市島二丁目44-30所在の本件建物を賃借して、平成18年10月か ら、飲食店「しゃぶしゃぶ温野菜郡山新さくら通り店」(以下「本件店舗」という。)を運営していた。〔弁論の全趣旨 り、福島県郡山市島二丁目44-30所在の本件建物を賃借して、平成18年10月か ら、飲食店「しゃぶしゃぶ温野菜郡山新さくら通り店」(以下「本件店舗」という。)を運営していた。〔弁論の全趣旨〕なお、本件店舗は、令和2年4月24日から休業していた。〔乙D1〕ウ被告レインズは、フランチャイズによる飲食店等の運営、管理を主な業とする株式会社であり、「しゃぶしゃぶ温野菜」のフランチャイザーとして、 被告高島屋商店との間で、本件店舗に関するフランチャイズ契約を締結し ていた。〔弁論の全趣旨〕エ被告小西造型は、店舗建設、設計施工を業とする株式会社であり、被告高島屋商店から、本件店舗の改修工事(以下「本件改修工事」という。)を請け負い、令和2年7月21日から同月31日までの予定で改修作業に当たっていた。〔甲12、弁論の全趣旨〕 被告小西造型の従業員であるB(以下「B」という。)は、本件改修工事の現場管理者を務めていた。〔弁論の全趣旨〕オ被告伊東石油は、自動車用燃料や家庭用燃料の販売を業とする株式会社であり、平成18年9月、被告高島屋商店との間で液化石油ガス(以下「LPガス」という。)の販売契約(以下「本件ガス販売契約」という。)を締 結し、以後、本件ガス販売契約に基づいて、本件建物にLPガスを供給していた。〔乙E1、弁論の全趣旨〕カ被告保安管理センターは、組合員のためにする液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律(以下「液石法」という。)27条1項に定める保安業務を目的とする協同組合であり、被告伊東石油から委託を受 けて、本件建物におけるLPガスに係る保安業務を行っていた。〔弁論の全趣旨〕キ被告芙蓉総合リースは、不動産リース、不動産の仲介等を業とする株式会社であ であり、被告伊東石油から委託を受 けて、本件建物におけるLPガスに係る保安業務を行っていた。〔弁論の全趣旨〕キ被告芙蓉総合リースは、不動産リース、不動産の仲介等を業とする株式会社であり、本件事故当時、本件建物を所有していた。〔弁論の全趣旨〕(2) 本件事故の発生 令和2年7月30日午前8時57分、本件建物で大規模なガス爆発事故(本件事故)が発生した。〔乙D1、弁論の全趣旨〕本件事故により、本件建物内にいた被告小西造型の従業員Bが死亡したほか、本件建物の近隣に駐車されていたA所有の自動車(マツダCX-5。郡山▲▲▲せ▲▲▲▲。以下「本件自動車」という。)が飛散物により損傷する など、多数の被害が発生した。〔甲2、乙D1、弁論の全趣旨〕 (3) 本件保険契約及び保険金の支払等原告とAは、車両保険特約を含む自動車保険契約(本件保険契約)を締結していたところ、原告は、本件事故後、本件自動車の損害に関し、車両保険金及びレッカー費用を支払った。〔甲1~4、弁論の全趣旨〕 2 争点及び争点に関する当事者の主張 (1) 被告高島屋商店の責任原因(争点1)〔原告の主張〕ア本件事故は、本件建物の厨房に設置されていたガス管が腐食して穴が開き、そこからガスが漏れ、そのガスに通電引火したことにより爆発した。 イ土地工作物の占有者責任(民法717条1項本文) (ア) 本件建物のガスボンベからガス消費設備までが一体としてガス供給の機能を果たすものであるから、厨房内のガス管を含むLPガス設備は、一体として土地の工作物に当たる。 被告高島屋商店は、被告伊東石油からガス管の貸与を受け、これを使用、管理していたから、ガス管の「占有者」に該当する。 ガス管の腐食孔からガス 体として土地の工作物に当たる。 被告高島屋商店は、被告伊東石油からガス管の貸与を受け、これを使用、管理していたから、ガス管の「占有者」に該当する。 ガス管の腐食孔からガス漏れが発生したことは、ガス管が通常有すべき安全性を欠く状態であるから、ガス管の保存には瑕疵があり、かかる瑕疵によって本件事故が発生した。 したがって、被告高島屋商店は、民法717条1項本文に基づき、本件事故の被害者らに対し、損害賠償責任を負う。 (イ) ガス管は亜鉛メッキ鋼であり、金属が水分の影響により腐食することは専門的知識を有するまでもなく予見可能であるから、被告高島屋商店は、ガス管が水や洗浄剤の影響を受けないよう、本件店舗の厨房を管理すべきであったが、これを怠った。すなわち、厨房の床面は水溜まりができていたほか、ガス管が設置されていた流し台の下は水切りができず 濡れており、ガス管はコンクリートの床上に設置され、床との間に絶縁 措置はとられておらず、ガス管は、水や洗浄剤の影響を直接受ける状態であった。 また、ガス管の腐食は、令和2年4月24日時点で発生していたはずであり、目視により腐食を確認することは可能であったから、ガス管の性状を日常的に確認することで瑕疵は発見できたはずであるが、本件店 舗の店長は、その確認を怠った。 以上のとおり、被告高島屋商店は、ガス管を特に腐食の危険が高い状態で使用しており、かつ、ガス管を目視して不具合を確認することもしていないから、ガス管の瑕疵の発生を防止するための全ての注意を尽くしていたとはいえず、民法717条1項ただし書により免責されること はない。 ウ不法行為責任(民法709条)被告高島屋商店は、ガス管を含むガスの消費設備を適切に維持し、ガス漏 を尽くしていたとはいえず、民法717条1項ただし書により免責されること はない。 ウ不法行為責任(民法709条)被告高島屋商店は、ガス管を含むガスの消費設備を適切に維持し、ガス漏れを起さないよう注意すべき義務を負っていたが、本件店舗の厨房の床面は常に水で濡れており、床面に露出配管されていたガス管を常に水の影 響下に置いていた。ガス管は水の影響を受ける場所での使用が認められていない白管(亜鉛メッキを施したSGP鋼管)であり、特に水の影響を受けやすく、腐食孔が開くことを容易に予見できた。また、ガス管の腐食の程度からすれば、令和2年4月24日以前から相当程度腐食が進んでいたはずであり、被告高島屋商店は、ガス管の性状を確認することで、腐食の 発生を認識することができ、腐食を確認できれば、未然にガス漏れによる爆発を防止できた。しかるに、被告高島屋商店は、ガス管の存在すら認識せず、床を常に濡れたままの状態にしたことで、腐食が拡大し、本件事故を発生させた。 また、本件事故前、本件店舗内にはガスが充満していたが、ガス警報器 が鳴らなかったことからすれば、ガス警報器が正常に作動していなかった。 被告高島屋商店がガス警報器を適切に管理し、正常に作動するよう維持していれば、ガスに引火する前にガス漏れを検知し、爆発を回避できた。 したがって、被告高島屋商店は、民法709条に基づき、本件事故の被害者らに対し、損害賠償責任を負う。 〔被告高島屋商店の主張〕 ア本件事故の原因となったLPガスの漏出は、本件店舗内に設置されていたガス管が経年によって劣化し、そこに本件改修工事に伴う何らかの外力が加わって損傷が生じたことで発生したものである。 イ土地工作物の占有者責任につき(ア) 厨房内のガス管 舗内に設置されていたガス管が経年によって劣化し、そこに本件改修工事に伴う何らかの外力が加わって損傷が生じたことで発生したものである。 イ土地工作物の占有者責任につき(ア) 厨房内のガス管は、ガスの供給管の一部分であり、屋外のガスボンベ からガス機器までガスを供給するために設置されていた屋内配管設備であるから、これが民法717条1項所定の土地の工作物に該当することは否定しない。 また、ガス管は、被告高島屋商店が運営する本件店舗に設置され、実際、ガス台や給湯器を利用するために供用されてきたのであるから、被 告高島屋商店が民法717条1項の「占有者」に該当することは認める。 なお、被告伊東石油も、ガス管を事実上支配し、その瑕疵を修補し得て損害の発生を防止し得る関係にあったから「占有者」に該当する。 ただし、ガス管には経年による劣化が存在したものの、本件事故以前に腐食を原因とする穴や亀裂は存在しなかったのであるから、ガス管に 設置・保存の瑕疵は存在しない。 (イ) 液石法が要求する消費設備に係る消費者の保安管理は、あくまで販売事業者又はその委託を受けた保安機関を通じた維持管理であって、消費者が屋内配管施設を直接調査することまでは想定されていない。消費者は、ガスや設備に関する専門的知見を何ら有しないのであるから、具体 的な異変が生じない限り屋内配管の不具合を認識することは期待できな い。 被告高島屋商店は、被告伊東石油からLPガスの供給を受けてきたところ、被告伊東石油は、保安機関である被告保安管理センターに対し、定期供給設備点検、定期消費設備調査等の保安業務を委託しており、被告保安管理センターは、本件建物のガス設備について定期点検調査を行 い、令和元年12月2日の点検調査時にもガス漏れがないこと し、定期供給設備点検、定期消費設備調査等の保安業務を委託しており、被告保安管理センターは、本件建物のガス設備について定期点検調査を行 い、令和元年12月2日の点検調査時にもガス漏れがないことが確認され、配管にも一瞥して異常は認められなかった。ガス管には目視で確認できるような経年変化が存在しなかった上、被告高島屋商店の責任者によって日常的な設備確認は行われていたのであるから、保安機関から安全性に疑義があるとの指摘もなかった本件において、本件改修工事によ って配管が破損し、LPガスが漏出して重大事故に繋がる危険性があるとの認識を被告高島屋商店側で持てず、事故を予見できなかったことは不合理ではない。 以上のとおり、保安機関という専門業者に配管の安全確認を任せ、その調査を受けてきたものの異常は確認されず、また、通常の営業活動内 においても設備確認を実施して異常は認められなかったのであるから、少なくともガス消費者たる被告高島屋商店においては、消費者として要求される損害の発生を防止するために必要な注意(民法717条1項ただし書)を尽くしていたというべきである。 よって、被告高島屋商店は、民法717条1項の土地工作物責任を負 わない。 ウ不法行為責任につき被告高島屋商店は、本件店舗内のガス管の存在を認識していたが、ガス管の配置状況までを把握することが注意義務として要求されるとは考え難く、床が多少濡れた状態であったとしても、ガス管の劣化やガス漏れ、 あるいはガス爆発を予見することまでは期待できない。仮に危険の予見可 能性があるとしても、それは漠とした抽象的危険の域を脱するものではなく、いわば許された危険であり、厨房において床に水が付着することは避けられないのであるから、床が濡れた状態があったとして 見可 能性があるとしても、それは漠とした抽象的危険の域を脱するものではなく、いわば許された危険であり、厨房において床に水が付着することは避けられないのであるから、床が濡れた状態があったとしても、結果回避義務違反を構成しない。 以上によれば、被告高島屋商店に予見可能性はなく、結果回避義務違反 も認められないから、被告高島屋商店に注意義務違反はなく、不法行為に基づく損害賠償責任を負わない。 (2) 被告伊東石油の責任原因(争点2)〔原告の主張〕ア土地工作物の占有者責任(民法717条1項本文) 本件建物のガスボンベからガス消費設備までが一体としてガス供給の機能を果たすものであるから、厨房内のガス管を含むLPガス設備は、一体として土地の工作物に当たる。 被告伊東石油は、ガスメーターから燃焼設備までの配管を所有し、これを被告高島屋商店に貸与していた上、LPガス販売事業者として、消費設 備の調査義務を負い、被告高島屋商店に対する通知書でも調査を行うことが予定されていた。このような事情からすれば、被告伊東石油は、消費設備に対し直接の支配を及ぼし、被告高島屋商店とともにこれを占有していたといえる。 そして、ガス管の腐食孔からガス漏れが発生したことは、ガス管が通常 有すべき安全性を欠く状態であるから、ガス管の保存には瑕疵があり、かかる瑕疵によって本件事故が発生した。 したがって、被告伊東石油は、民法717条1項本文に基づき、本件事故の被害者らに対し、損害賠償責任を負う。 イ土地工作物の所有者責任(民法717条1項ただし書) 仮に被告伊東石油がガス管の占有者として損害の発生を防止するのに必 要な注意をしたとしても、被告伊東石油はガス管の所有者として、民法717条1項ただ 者責任(民法717条1項ただし書) 仮に被告伊東石油がガス管の占有者として損害の発生を防止するのに必 要な注意をしたとしても、被告伊東石油はガス管の所有者として、民法717条1項ただし書に基づき、損害賠償責任を負う。 ウ不法行為責任(民法709条)被告伊東石油は、LPガス販売事業者として、消費設備を調査し、経済産業省令で定める技術上の基準に適合しないと認めるときは、遅滞なくそ の技術上の基準に適合するようにするためにとるべき措置及びその措置をとらなかった場合に生ずべき結果を、その所有者又は占有者に通知する業務を行うべき義務がある(液石法27条1項2号)。 液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律施行規則(以下「液石法施行規則」という。)に係る例示基準(「液化石油ガスの保安の 確保及び取引の適正化に関する法律施行規則の機能性基準の運用について」の別添「例示基準」をいう。以下同じ。)において、水の影響を受ける場所では白管の使用が推奨されていないが、本件店舗では、常に水で濡れている厨房の床面に白管が使用されていた。被告伊東石油は、法律上の調査義務として、特に厨房の白管の状態を注意して調査すべき義務があった にもかかわらず、かかる義務を怠り、腐食を発見できずに本件事故が発生した。 よって、被告伊東石油は、民法709条に基づき、本件事故の被害者らに対し、損害賠償責任を負う。 〔被告伊東石油の主張〕 ア土地工作物責任につき被告伊東石油の土地工作物責任に関する原告の主張は、否認ないし争う。 原告は、被告伊東石油がガス管の所有者であると主張するが、ガス管は本件建物に付合しているから、その所有者は、被告伊東石油ではなく、被告芙蓉総合リースである。通知書 の主張は、否認ないし争う。 原告は、被告伊東石油がガス管の所有者であると主張するが、ガス管は本件建物に付合しているから、その所有者は、被告伊東石油ではなく、被告芙蓉総合リースである。通知書(乙E1)には、ガス管の所有権が被告 伊東石油に帰属するとの記載があるが、これは便宜上、慣習上の記載にす ぎない。 また、被告伊東石油は、被告高島屋商店との間で、消費設備の配管については、常日頃の点検は被告高島屋商店が行うことを確認し、ガス管の安全管理は、被告伊東石油ではなく、被告高島屋商店が行うことを明確にしていたから、被告伊東石油がガス管を含む消費設備を点検する義務はなく、 被告伊東石油が被告高島屋商店に対して負っていたのは、法律で定められた4年に1回の調査を行うこと、供給設備について安全管理を行うこと、被告高島屋商店から依頼があれば消費設備等の点検を行うことのみである。 このうち4年に1回の義務調査については、被告伊東石油から委託を受けた被告保安管理センターが適切に実施しており、このほか、被告伊東石油 は、毎月の検針時に供給設備の点検やマイコンメーターの警告表示の点検も行っていたが、何ら異常は確認されなかったのであるから、被告伊東石油には、ガス管についての保存の瑕疵は認められない。 イ不法行為責任につき被告伊東石油の不法行為責任に関する原告の主張は、否認ないし争う。 被告伊東石油は、ガス管の管理点検について、被告保安管理センターに一任していた。被告保安管理センターは、ガス管の点検について何ら落ち度がなかったと主張しているところ、被告伊東石油としても、被告保安管理センターの点検に落ち度がなかった以上、それ以上の点検をすることは不可能である。 よって、被告伊東石油には何 落ち度がなかったと主張しているところ、被告伊東石油としても、被告保安管理センターの点検に落ち度がなかった以上、それ以上の点検をすることは不可能である。 よって、被告伊東石油には何ら過失が認められない。 (3) 被告小西造型の責任原因(争点3)〔原告の主張〕被告小西造型の従業員であるBは、本件建物の改修工事を行う者として、本件建物内でガス漏れが生じている場合に、ガスに引火させないよう注意す べき義務を負う。本件建物内には、本件事故前日の午後3時頃から異臭がす るとして、Bは、C装建ことC(以下「C」という。)から2回相談を受けていた。そのため、Bは、ガス漏れを起こしていることを認識できたはずであり、ガスが漏れた状態で電気機器の電源を入れれば、通電引火し、ガス爆発を起こすことを予見できた。それにもかかわらず、Bは上記義務に違反し、換気扇、エアコン又は照明の電源を入れ、これによって本件事故が発生した。 被告小西造型は、Bの使用者であり、Bは被告小西造型の事業の執行中の不法行為により被害者らに損害を与えたから、被告小西造型は、民法715条1項に基づき、本件事故の被害者らに対し、損害賠償責任を負う。 〔被告小西造型の主張〕ア本件事故の爆発の原因は、特定に至っておらず、発火源は不明とされて いるから、Bに責任を負わせることはできない。 イ本件事故の前日に現場に入った者は誰もガスの臭いを感じなかった。なお、工事業者のCは、本件事故前日の午後3時頃から感じた異臭について、食品が腐ったような不快な臭いであり、ガスの臭いではなかったと陳述している。 また、本件事故当日、Bはスタッフ入口から本件建物内に入り、客室に進んだと思われるが、客室は厨房と仕切られているため、客 不快な臭いであり、ガスの臭いではなかったと陳述している。 また、本件事故当日、Bはスタッフ入口から本件建物内に入り、客室に進んだと思われるが、客室は厨房と仕切られているため、客室側へのガスの漏出は少なったと思われること、客室側にガスが漏出していたとしても、前日からの食材を腐らせたような強い臭いや下水のような臭いがひどいためにガスの臭いは分からない状態であったこと、ガス警報器も鳴ってい なかったことから、Bはガス漏れを認識できなかった。 したがって、仮にBが換気扇、エアコン又は照明等の電気設備の電源を入れた場合であっても、Bには過失がない。 さらに、仮にBがガスの臭いを多少感じることができたとしても、原因の究明や対策のために照明の電源を入れたり、換気を試みるのは自然な行 動であり、不法行為責任を負う過失には該当しない。 よって、Bの使用者である被告小西が使用者責任を負うことはない。 (4) 被告保安管理センターの責任原因(争点4)〔原告の主張〕被告保安管理センターは、被告伊東石油から委託を受けた保安業務として、消費設備の配管に使用上支障のある腐食、割れ等の欠陥がないものであるこ とを点検すべき義務を負っていた。 本件店舗の厨房の床面は、常に濡れており、白管のガス管が水の影響を受ける状態であった。被告保安管理センターは、特に厨房の白管の状態を確認すべき義務を負っていたにもかかわらず、被告保安管理センターの従業員であるD(以下「D」という。)は、配管をぱっと見ただけで注視しなかった過 失により、ガス管の腐食を見落とし、本件事故を発生させた。 したがって、Dは、民法709条に基づき損害賠償責任を負うところ、被告保安管理センターは、Dの使 見ただけで注視しなかった過 失により、ガス管の腐食を見落とし、本件事故を発生させた。 したがって、Dは、民法709条に基づき損害賠償責任を負うところ、被告保安管理センターは、Dの使用者であり、Dの上記不法行為は、被告保安管理センターの事業の執行中の不法行為であるから、被告保安管理センターは、民法715条1項に基づき、本件事故の被害者らに対し、使用者責任を 負う。 〔被告保安管理センターの主張〕ア本件事故のガス爆発の原因は、ガス管の腐食によるものではなく、配管に想定外の外力が加わったために配管に亀裂が生じ、そこから多量のガスが漏えいしたことによるものである。この亀裂は、本件改修工事の際に、 電気工事業者等の工事業者が流し台やその横のガス台を動かすなどして生じた可能性が高い。 イ被告保安管理センターが、消費設備の配管に使用上支障のある腐食、割れ等の欠陥がないものであることを点検調査すべき義務を負っていたことは認める。 しかし、使用上支障のある腐食、割れ等には、当該部分からのガス漏れ を含むとされているが、ガス漏れの生じていない場合の「使用上支障のある腐食」が何であるかの判定基準は定められていない。また、保安業務ガイドには、金属部分に著しい腐食がないことも点検項目として記載されているが、「著しい腐食」の判定基準の記載はない。 被告保安管理センターの従業員であるDは、令和元年12月2日の定期 点検調査で、ガス漏れがないことを確認し、見える範囲の配管については、次回の定期点検調査を待たずにガス漏れが生じるとは思われなかったため、「良」と判断した。 ウ本件で腐食が認められたガス管は白管であるが、白管をコンクリート面に直接設置した場合は、配管が湿気に 回の定期点検調査を待たずにガス漏れが生じるとは思われなかったため、「良」と判断した。 ウ本件で腐食が認められたガス管は白管であるが、白管をコンクリート面に直接設置した場合は、配管が湿気にさらされ、電位差が生じて腐食しや すく、土中の埋設管と同様の環境条件下に置かれることから、埋設管として点検調査を行うこととされているところ、液石法施行規則37条1号では、埋設管(亜鉛めっきを施したもの)の漏えい試験を1年に1回以上を行うこととされており、被告伊東石油は、毎月の検針時及び配送時にガスメーターを見ることによって、警報表示の有無を2月に1回以上確認する 方法(例示基準41節、29節3Ⅰ(5)①)で検査をしていたのであり、加えて、被告保安管理センターは、令和元年12月2日に漏えいの有無を確かめる検査(例示基準29節2(2))も実施し、ガス漏れは発見されなかった。 エ例示基準28節2では、白管をコンクリート面に直接接触しないように 設置することとされているが、本件建物の厨房にガス管(白管)を設置したのは、被告伊東石油であるところ、既設の白管を例示基準違反として撤去するよう求める規定や法令上の根拠はなく、既に設置されている白管については継続使用が認められているのであるから、コンクリート面に直接設置されているからというだけで、被告保安管理センターが点検調査結果 を「否」とすることはできず、改善通知を出すべきものではなく、撤去を 求めることもできない。 被告保安管理センターは、4年に1回の定期点検調査において、例示基準に従って、既存の白管の点検調査を行っており、被告保安管理センターの点検調査は法令に従った適正なものであった。 オよって、被告保安管理センターには本件事故に繋がる注意義 査において、例示基準に従って、既存の白管の点検調査を行っており、被告保安管理センターの点検調査は法令に従った適正なものであった。 オよって、被告保安管理センターには本件事故に繋がる注意義務の懈怠は ない。 カなお、ガス漏れの有無は、被告保安管理センターだけが監視するものではなく、LPガス販売事業者である被告伊東石油はもとより、日常的に厨房を使用する被告高島屋商店もガス管の状態を観察しなければならず、消費配管の管理責任は消費者にある。本件では、通常起こり得ない外力がガ ス管に加わったこと、ガス漏れ警報器が作動しなかったこと、ガスに関する知識のある者が改修工事に立ち会わなかったこと、工事業者や本件建物の責任者がガス漏れを放置したこと等により本件事故が発生したものと考えられる。 (5) 被告レインズの責任原因(争点5) 〔原告の主張〕被告レインズは、「しゃぶしゃぶ温野菜」のフランチャイザーとして、被告高島屋商店に対し、「しゃぶしゃぶ温野菜」の商号の使用を許諾し、継続的に経営指導、技術支援を行っており、休業前のガス栓の開け閉めを具体的に指導しているとおり、その経営指導の範囲は、ガス設備の使用、管理にも及ん でいた。そして、ガス漏れが起きれば、本件事故のように、本件店舗にとどまらず、その周辺に甚大な被害を及ぼすことから、被告レインズは、ガス漏れを起こさないよう、被告高島屋商店に指導すべき義務を負っていた。被告レインズがこの義務に反したため、被告高島屋商店がガス管の適切な管理を怠り、本件事故が発生した。 被告レインズと被告高島屋商店は別法人であるが、被告高島屋商店に対し、 商号使用を許諾し、継続的に経営指導、技術支援を行っていたことからすれば、使用者責任を負うべき 生した。 被告レインズと被告高島屋商店は別法人であるが、被告高島屋商店に対し、 商号使用を許諾し、継続的に経営指導、技術支援を行っていたことからすれば、使用者責任を負うべきである。 よって、被告レインズは、民法715条1項に基づき、本件事故の被害者らに対し、損害賠償責任を負う。 〔被告レインズの主張〕 被告レインズがフランチャイザーとして、フランチャイジーである被告高島屋商店に対し、両者間のフランチャイズ契約に従い、その範囲内において、「しゃぶしゃぶ温野菜」の商号の使用を許諾し、継続的に経営指導、技術支援を行っていたことは認めるが、フランチャイズ契約は、独立の事業者間の契約であり、両者間には労務供給関係、指揮・監督の関係はないから、被告 レインズが使用者責任を負うことはない。 また、被告レインズは、本件店舗のガス管の設置を指示したり設置を義務付けたものではなく、ガス管の管理方法について、フランチャイズチェーン全店に適用されるマニュアル等を作成し、管理方法について指示を行っていたということはない。さらに、被告高島屋商店には、ガス管を法律上の技術 上の基準に適合するように設置、管理する義務はあるが、これは事業者として本件店舗を運営する被告高島屋商店に当然課される義務であり、被告レインズにおいて指導しなければならない性質の事項ではない。本件店舗のガス管の設置やその維持管理は、独立の事業者である被告高島屋商店が自らの判断で行っていたのであり、被告レインズがガス管の設置や維持管理に関与し ていた事情は一切なく、被告レインズは、本件事故の原因となったガス管の維持管理方法について指揮・監督する権限を有していなかった。 以上のとおり、被告レインズと被告高島屋商店の間には使用者責 ていた事情は一切なく、被告レインズは、本件事故の原因となったガス管の維持管理方法について指揮・監督する権限を有していなかった。 以上のとおり、被告レインズと被告高島屋商店の間には使用者責任の法理が適用される前提となる「使用関係」を基礎づける事実が何ら存在しないのであるから、被告レインズに使用者責任が認められることはない。 (6) 被告芙蓉総合リースの責任原因(争点6) 〔原告の主張〕本件建物のガス管が建物所有者の所有物である場合には、本件建物の所有者である被告芙蓉総合リースは、保存に瑕疵ある工作物たるガス管の所有者となる。 そこで、占有者たる被告高島屋商店及び被告伊東石油が損害の発生を防止 するのに必要な注意をしたときは、被告芙蓉総合リースは、民法717条1項ただし書に基づき、ガス管の所有者として、本件事故の被害者らに対し、損害賠償責任を負う。 なお、被告高島屋商店及び被告伊東石油の工作物の占有者としての工作物責任と、被告芙蓉総合リースの工作物の所有者としての工作物責任は、法律 上併存し得ない関係にあるから、原告は、民訴法41条に基づき、同時審判の申出をする。 〔被告芙蓉総合リースの主張〕本件事故の原因として原告が主張する事実については立証が不十分であるが、仮に本件建物のガス管に瑕疵があったとしても、本件建物の所有者は被 告芙蓉総合リースであるものの、本件建物にガス管を設置したのは被告芙蓉総合リースではないから、被告芙蓉総合リースはガス管の所有者ではない(ガス管の所有者が被告伊東石油であることは特段争わない。)。 したがって、被告芙蓉総合リースが本件事故について土地工作物の所有者責任を負う余地はない。 また、仮に原告主張の瑕疵が本件建物の瑕疵に該当すると評価され 石油であることは特段争わない。)。 したがって、被告芙蓉総合リースが本件事故について土地工作物の所有者責任を負う余地はない。 また、仮に原告主張の瑕疵が本件建物の瑕疵に該当すると評価されても、被告芙蓉総合リースが土地工作物責任を負うのは、占有者である被告高島屋商店が免責される場合に限られるところ、原告主張の瑕疵について、被告高島屋商店が「損害の発生を防止するために必要な注意をした」(民法717条1項ただし書)といえないことは明らかであるから、原告の被告芙蓉総合リ ースに対する請求は理由がない。 (7) Aの損害額及び原告の保険代位(争点7)〔原告の主張〕ア本件自動車は、本件事故による飛散物により車両の全体に多数の損傷が発生した。本件自動車の修理費用は167万2941円であったが、本件自動車の時価額は137万5000円であったから、経済的全損であり、 車両損害は137万5000円である。 また、本件自動車は本件事故による損傷によって自走できなくなったことから、レッカーにより修理工場まで搬送されたところ、同搬送に要したレッカー代は、1万3200円である。 よって、Aの損害は合計138万8200円である。 イ原告は、Aとの本件保険契約に基づき、令和2年8月14日までに、買替諸費用を含む車両保険金181万5000円及びレッカー費用1万3200円の保険金支払をしたから、前記アのAの損害賠償請求権を法律上当然に代位した(保険法25条)。 よって、原告は、被告らに対し、損害金138万8200円及びこれに 対する保険金支払日の翌日である令和2年8月15日から支払済みまで民法所定の年3分の割合による遅延損害金の連帯支払を求める。 〔被告らの主張〕別紙2損害一覧表の各 00円及びこれに 対する保険金支払日の翌日である令和2年8月15日から支払済みまで民法所定の年3分の割合による遅延損害金の連帯支払を求める。 〔被告らの主張〕別紙2損害一覧表の各被告の主張欄記載のとおり。 第3 当裁判所の判断 1 認定事実前記前提事実に後掲の各証拠及び弁論の全趣旨を総合すると、以下の事実が認められる。 (1) 本件建物及びガス設備等ア本件建物は、福島県郡山市島二丁目44-30所在の鉄骨造平屋建の店 舗用建物であり、その北側で、「新さくら通り」と呼ばれる幹線道路に接し ており、周りには東邦銀行新さくら通り支店、毎日民報桑野販売センター、ペッパーランチ郡山新さくら通り店等の商業施設のほか、住宅等が位置していた。〔甲12・2、3、5頁(甲12のページ番号は、各丁の右下の付された番号による。以下同じ。)〕被告高島屋商店は、平成18年10月、大和情報サービス株式会社(現 在の商号は、大和ハウスリアルティマネジメント株式会社)から本件建物を転借し、被告レインズとの間でフランチャイズ契約を締結して、本件建物で「しゃぶしゃぶ温野菜郡山新さくら通り店」(本件店舗)の運営を開始した。〔弁論の全趣旨〕本件店舗の開業に先立って、被告伊東石油は、平成18年9月、被告高 島屋商店との間で、本件ガス販売契約を締結し、本件建物に、供給設備として、LPガスのガス容器のほか調整器、ガスメーター、高圧ホース及び供給管(調整器出口からガスメーターまで)を設置し、消費設備として、配管(ガスメーター出口以降のガス配管)及びガス栓を設置した上、同月29日以降、本件建物にLPガスを供給していた。〔甲15、乙E1、弁論 の全趣旨〕被告伊東石油は、本件ガス販売契約に基 、配管(ガスメーター出口以降のガス配管)及びガス栓を設置した上、同月29日以降、本件建物にLPガスを供給していた。〔甲15、乙E1、弁論 の全趣旨〕被告伊東石油は、本件ガス販売契約に基づき、被告高島屋商店に対し、平成18年9月29日付け通知書(「お客様へのお知らせ(通知書)」。乙E1)を交付したところ、同通知書には、本件建物のガス設備のうち調整器、ガスメーター、高圧ホース及び供給管の供給設備のほか、消費設備である 配管(ガスメーター出口以降のガス配管)一式は、被告伊東石油が所有する設備であり、被告高島屋商店に貸し付けるものであると記載されている。 また、ガスメーターの出口から燃焼機器までの消費設備については、被告伊東石油又は同被告が委託した認定保安機関が法定期間内に調査を実施するが、その維持管理は消費者である被告高島屋商店の責任となることが 記載されている。〔乙E1〕 イ本件建物は、その平面が南北方向に長い略長方形であり、南北の長さが約16.8m、東西の長さが約9.45mである。〔甲12、弁論の全趣旨〕本件事故前の本件建物の内部は、概ね別紙3図面のとおりであり、建物内の東側部分の北から中央付近にかけて厨房が設けられ、その余が客席等になっている。厨房と客席の間の2か所の仕切り部分には、下部にスイン グドアが設けられ、上部にはのれんが取り付けられていた。本件建物の北側部分にはレジ台があり、その更に北側に風除室がある。 〔甲12・35頁、乙C1、2、乙E2〕LPガスの容器は、本件建物の東側外壁の南端(別紙3の「LPガス容器置場」と記載された箇所)に、ボンベ50kgが6本設置されていた。 ガスボンベからの配管は、調整器を介し、ガスメーター(マイコンメーター)に接続され、ガスメーター 南端(別紙3の「LPガス容器置場」と記載された箇所)に、ボンベ50kgが6本設置されていた。 ガスボンベからの配管は、調整器を介し、ガスメーター(マイコンメーター)に接続され、ガスメーター以降は、本件建物東面基礎に支持金具で固定され、東面基礎に沿うように北に向かって配管されていた。ガス管は、屋外のガス給湯器2台の手前で三又に分岐し、うち1本は屋内へ接続し、他の2本はそれぞれ屋外給湯器に繋がっていた。 〔甲8・226頁、甲12・ 35、36頁、弁論の全趣旨〕屋内に接続するガス管は、厨房南東部分から本件建物内に入ると、厨房内の東側内壁に沿って北に向かい、コンクリート床の上に直に設置されていた。〔甲8・211、227頁、甲12・37頁、弁論の全趣旨〕厨房内の東側の内壁沿いには、ガス台と流し台(以下「本件流し台」と いう。)が並んで置かれており(ガス台が北側、本件流し台が南側)、東側内壁に沿って北に向かうガス管は、本件流し台の下に至ると、本件流し台の排水管接続口を避けるように、エルボ(L字型継手)により内壁から離れ、本件流し台の下のエルボでガス台方向に曲がり(2つのエルボによりクランク状に配管されている。)、本件流し台とガス台の間に至るとエルボ により鉛直に立ち上がり(以下、本件流し台の下にクランク状に配管され、 エルボにより立ち上がる部分までのガス管の部分を「本件ガス管部分」という。また、このうちエルボのある立ち上がり部分を、単に「立ち上がり部分」という。)、立ち上がったガス管は、床上約27cmの位置で二又に分岐して、1本はガス台下段に置かれたガス炊飯器と接続され、もう1本はガス台上段の業務用ガスコンロに接続されていた。ガス炊飯器及び業務 用ガスコンロに繋がるガス管には、それぞ cmの位置で二又に分岐して、1本はガス台下段に置かれたガス炊飯器と接続され、もう1本はガス台上段の業務用ガスコンロに接続されていた。ガス炊飯器及び業務 用ガスコンロに繋がるガス管には、それぞれガス栓(元栓)が設けられている。なお、上記業務用ガスコンロは、本件店舗の休業前から使用されていなかった。〔甲8・227、229頁、甲10、甲12・35、37、38頁、甲17・写真155、写真178~180、乙D1・3頁、乙F6の2、弁論の全趣旨〕 本件建物の厨房内の配管に使用されているガス管は、亜鉛メッキを施した配管用炭素鋼鋼管(SGP白鋼管又は白管と呼ばれる。)25Aであり、その寸法(JIS規格)は、外径34.0mm、内径27.6mm、厚さ3.2mmである。〔甲12・36頁、甲16・41頁〕(2) 本件建物のガス設備の点検調査等 ア液石法29条1項の認定を受けた保安機関である被告保安管理センターは、被告伊東石油から、本件建物のガス設備に関する液石法27条1項の保安業務のうち、定期供給設備点検、定期消費設備調査、緊急時対応及び緊急時連絡の業務の委託を受けており、本件建物のガス設備について、平成23年7月8日、平成27年3月17日及び令和元年12月2日に、そ れぞれ定期消費設備調査を含む定期点検調査を行った。〔乙D1、乙F9、弁論の全趣旨〕被告保安管理センターの従業員であるDは、令和元年12月2日、本件建物において、液石法で4年に1回の実施が定められている定期点検調査を実施した。Dは、本件建物のガスボンベ、集合装置等の供給設備を点検 したほか、ガス調整器からガス器具(給湯器2台、ガスコンロ、ガス炊飯 器)までの配管について、電気式ダイヤフラム式自記圧力計を用いた漏えい試験を ガスボンベ、集合装置等の供給設備を点検 したほか、ガス調整器からガス器具(給湯器2台、ガスコンロ、ガス炊飯 器)までの配管について、電気式ダイヤフラム式自記圧力計を用いた漏えい試験を行い、ガス漏れが生じていないことを確認し、配管をパッと見て異常を発見しなかったことから、検査結果を「良」と判定した。Dが同日作成したLPガス設備点検・調査票には、「配管・ガス栓」の検査項目(調査基準として、腐食、割れ、漏れ、腐食防止措置、圧損等が記載されてい る。)について、判定が「良」と記載されている。また、Dは、厨房内のガスコンロ及び炊飯器、それらに繋がる接続管やガス栓についても調査をし、このうちガスコンロに関しては、ガス栓が劣化していること、接続管(フレキ管)が基準に適合していないこと、ガスコンロ自体が故障し使用できないことから、「否」と判定した。〔甲11、乙F9、11、弁論の全趣旨〕 イ被告伊東石油は、本件ガス販売契約に基づき、毎月、検針及びガスボンベの交換のために本件建物を訪問しており、その際には、液石法の規定に基づき、屋外設備、火器までの距離、火器を取り扱う施設までの距離、腐食防止措置、バルブ・供給管等の腐食・割れ、調整器の腐食、調整器の割れ・ねじの緩み等、ガスメーターの警告表示などの保安点検項目の点検を 行っていたが、本件事故以前に異常を確認して対応したことはなかった。 〔甲15、乙E4、5、弁論の全趣旨〕なお、本件建物に取り付けられているガスメーター(マイコンメーター)は、SBAメーター6号(愛知時計電機・SBA6-1)であり、これには合計流量遮断(ガス栓の誤開放やゴムホースの抜けなどで異常なガスの 流量を検知した場合にガスを遮断する。)及び増加流量遮断(ガス栓の誤開放などでガス使用が急激に SBA6-1)であり、これには合計流量遮断(ガス栓の誤開放やゴムホースの抜けなどで異常なガスの 流量を検知した場合にガスを遮断する。)及び増加流量遮断(ガス栓の誤開放などでガス使用が急激に増えた場合にガスを遮断する。)の機能が付いており、その作動状況を警告表示できるものであるが、同メーターは、業務用であるため一般家庭のような安全装置はなく、微小な漏えいであれば長時間LPガスが流れ続ける可能性が高いものであった。〔甲12・10頁、 甲15、乙F3の1、乙F9〕 (3) 本件建物でのLPガス消費量被告伊東石油によるガスメーターの検針時のメーター値(㎥)及びこれから計算される各月のLPガス消費量(㎥)は、以下のとおりである。〔甲12・10頁、甲15〕令和2年1月31日 5561.5(消費量108.7) 令和2年2月28日 5662.6( 101.1)令和2年3月31日 5757.2( 94.6)令和2年4月30日 5793.8( 36.6)令和2年5月30日 5793.8( 0.0)令和2年6月30日 5796.5( 2.7) また、本件事故(令和2年7月30日)直後に確認されたメーター値は、5855.6㎥であり、前月30日のメーター値との差は、59.1㎥となる。〔甲12・10頁〕(4) 厨房内の状況及びその清掃方法等ア本件店舗の厨房内の東側内壁沿いにガス台と並んで設置された本件流し 台は、四隅の直立する足で支えられており、その足の部分にすのこ状の台が設けられていた。〔甲8・229頁、甲17・写真178、179、乙F26〕イ本件店舗では、閉店後に毎回、店舗内の清掃が行われていた。厨 する足で支えられており、その足の部分にすのこ状の台が設けられていた。〔甲8・229頁、甲17・写真178、179、乙F26〕イ本件店舗では、閉店後に毎回、店舗内の清掃が行われていた。厨房の床については、床の見える部分に噴霧器で洗浄剤を撒いた上、デッキブラシ でブラッシングし、その後、ホースの水で洗浄剤を洗い流していたほか、冷蔵庫や本件流し台の下などは、バケツに水を汲んで勢いよく水をかけて、埃や野菜くずを流し出すという方法で清掃されていた。水を流した後は、床用の水切りワイパーで排水溝に水を集めていたが、冷蔵庫や本件流し台の下は狭いためにワイパーを入れることができず、濡れたままの状態にな っていた。〔甲10、13〕 (5) 本件改修工事の実施等被告高島屋商店は、本件店舗を令和2年4月24日から休業していたが、同年8月3日の再オープンに向けて、同年7月21日から同月31日までの予定で本件店舗の改修を行うこととし、その工事(本件改修工事)を、被告小西造型に請け負わせた。なお、本件改修工事には、ガス設備に関する工事 は含まれていない。〔甲10、12・7頁、乙C3〕被告小西造型は、従業員であるBに本件改修工事の現場管理をさせ、令和2年7月22日から本件改修工事に着手した。本件改修工事には、下請業者として、電気工事について株式会社KDサポート(以下「KDサポート」という。)が、内外装の塗装等についてCがそれぞれ関わった。〔甲12・7頁、 甲14、乙C6、9〕KDサポートは、照明器具の交換と撤去及び増設工事を請け負い、令和2年7月25日、27日及び29日に本件建物で作業を行ったが、同月29日は、急きょIHコンロ設置のためのコンセント移設工事を依頼されたことから、同日午後2時30分頃 撤去及び増設工事を請け負い、令和2年7月25日、27日及び29日に本件建物で作業を行ったが、同月29日は、急きょIHコンロ設置のためのコンセント移設工事を依頼されたことから、同日午後2時30分頃に現場に入り、作業内容の打合せをした後、午後 4時頃から本件流し台の上の天井付近の壁に取り付けられたコンセントを、三相から単相に変更した上、北側へ約40cm、下側へ約1m移動した位置(床上約1mの位置)に移設する工事を行い、午後4時30分頃に作業を終了した。KDサポートの作業者は、本件事故後の消防による事情聴取に対し、同月29日に初めて本件建物の厨房内に入ったこと、同日の作業でガスコン ロには触れていないこと、厨房内はペンキの臭いのほか、排水溝(ドブ)の臭いが酷く、ガスの臭いは分からなかったこと等を述べた。 〔甲10、乙C6、9〕Cは、本件建物の内装と外装の工事を請け負い、令和2年7月23日から26日まで及び29日に本件建物で塗装等の作業を実施しており、同月29 日は、午前8時40分頃から午後8時頃まで厨房入口、客室及びトイレの天 井の塗装をした。Cは、本件事故後の消防による事情聴取に対し、本件建物では、作業を開始した同月23日から野菜を煮たような臭いがしていたが、飲食店であるため臭いが染みついているのかと思い気にしていなかったこと、同月29日午後3時頃からは、それとは明らかに違う、食材を腐らせたような強い異臭(飲食店特有の臭いではない下水の臭い)がするようになったた め、現場管理のBに2回ほど相談したこと等を述べた。〔乙C8、乙C11〕本件店舗の店長であったE(以下「E」という。)は、本件改修工事の期間中、何度か本件建物を訪問し、令和2年7月29日も午後1時頃に本件建物に赴き、被告小西造型のBとI た。〔乙C8、乙C11〕本件店舗の店長であったE(以下「E」という。)は、本件改修工事の期間中、何度か本件建物を訪問し、令和2年7月29日も午後1時頃に本件建物に赴き、被告小西造型のBとIHコンロ設置のためのコンセント増設位置等についての話をするなどした後、午後3時頃に本件建物を離れた。Eは、本 件事故後の消防による事情聴取に対し、店舗改装中に何度か本件建物内に入ったが、同月29日にシンナーのような臭いを感じた以外には、ガスのような臭いを感じたことはなかった旨を述べた。〔甲10〕(6) 本件事故の発生及び被害の概要ア令和2年7月30日、被告小西造型のBは、午前8時56分に、建物東 側スタッフ入口のドアを開けて、本件建物内に入り、そこで、スティックキーを使って、セコムのセキュリティを解除した。〔甲7・16頁、甲12・10頁〕午前8時57分に本件建物内でガス爆発(本件事故)が発生し、午前8時57分45秒に消防への最初の通報がされた。〔前提事実(2)、甲12・ 3頁〕イ本件事故により、本件建物は、屋根、天井及び外壁が剥がれ、鉄骨の骨組みがむき出しになり、その鉄骨も外に向かって湾曲し、瓦礫が周囲に散在するなどして全壊し、本件建物の周囲の建物等にも、半径約700mの広範囲にわたり物的被害が生じた。〔甲7・8頁、甲8・1頁、甲12・1 1~21頁、乙D1〕 ウ本件事故により、本件建物内にいたBが死亡した。Bの遺体は、臨場した消防隊員によって、本件建物の北側部分のレジ付近で発見された。なお、本件建物の北側部分のレジのすぐ脇には、店内全ての照明のスイッチ、店内の換気扇のスイッチ及びエアコンのスイッチがある。 〔甲7・9、18頁、乙C5、弁論の全趣旨〕 このほか、本 なお、本件建物の北側部分のレジのすぐ脇には、店内全ての照明のスイッチ、店内の換気扇のスイッチ及びエアコンのスイッチがある。 〔甲7・9、18頁、乙C5、弁論の全趣旨〕 このほか、本件爆発により、少なくとも重傷者2名、軽症者17名の人的被害が生じた。〔甲12・6頁、乙D1〕(7) 本件自動車の損傷及び原告による保険金の支払ア本件事故当時、A所有の本件自動車は、本件建物から2件隣の店舗に駐車されていたところ、本件事故で生じた爆風及び飛来物により、本件自動 車は、リアガラスの割れ、車体の変形、外装の多数の損傷等の被害を受けた。〔前提事実(2)、甲2、3〕イ原告は、本件事故当時、Aとの間で、車両保険特約を含む本件保険契約を締結しており、これにはロードサービスが自動付帯されていた。〔甲1~3、5、6〕 原告は、本件保険契約に基づき、令和2年8月14日までに、車両保険金(買替諸費用を含む。)181万5000円及びレッカー費用1万3200円を支払った。〔甲3、4、弁論の全趣旨〕(8) 本件事故後の見分及び事故原因の判定等ア本件事故後、郡山地方広域消防組合、福島県郡山警察署及び消防大学校 消防研究センターによって、事故現場の見分等が行われた。 〔甲12・2頁〕本件建物のガス設備についての見分によれば、本件事故で飛散したガスボンベ、ガスメーター、調整器、ガス給湯器には本体又は接続に破損、変形等が見られ、ガスの屋外配管にも破損、変形が見られたものの、腐食や開孔亀裂は認められなかった。本件建物内のコンクリート床上に露出配管 されていたSGP白鋼管には、コンクリート床面に接している部分に錆が 見分でき、本件ガス管部分の立ち上がり部分(エルボの南側)には腐食孔と思われる穴が開いてい ンクリート床上に露出配管 されていたSGP白鋼管には、コンクリート床面に接している部分に錆が 見分でき、本件ガス管部分の立ち上がり部分(エルボの南側)には腐食孔と思われる穴が開いていた。〔甲7・12~14頁、甲17・写真155~157、162~164〕本件ガス管部分は、全体に腐食による錆が認められ、赤褐色に変色しており、一部に剥離も認められた。前記の立ち上がり部分にある穴の付近は 顕著に腐食し、今にも崩れてしまいそうな状態であると見分された。この穴が認められる部分の配管の厚みは、0.49mmであり、原形を保っている部分の配管の厚み(2.99mm)と比べて、著しい減肉が認められた。〔甲7・14頁、甲12・36頁、甲17・写真154~157、162~168、甲18〕 スモークマシンを用いて穴の位置を確認する試験を実施したところ、本件ガス管部分の前記の立ち上がり部分の穴のほか、その穴の端から26. 0cmガスボンベ側(南側)に戻ったエルボ手前の位置にも穴が発見され、それぞれの穴の大きさは、前者が幅(径)3.0cm、長さ7.0cmで、後者が幅0.1cm、長さ4.0cmと計測された。〔甲7・14頁、甲1 8〕なお、見分されたガスメーターには、メーターに衝撃が加わった等の理由で表示される「BCガス止め」の表示が認められたが、本件事故前にガスメーターの合計流量遮断や増加流量遮断の各機能が作動した形跡はなかった。〔甲12・18頁、乙D1、乙F3の1〕 ガス警報器の本体は、現場から発見されなかった。〔甲7・19頁〕イ郡山地方広域消防組合予防課火災調査係作成の令和2年10月19日付け火災原因判定書(以下、単に「火災原因判定書」という。甲7)は、LPガス漏れ箇所に関して、本件 されなかった。〔甲7・19頁〕イ郡山地方広域消防組合予防課火災調査係作成の令和2年10月19日付け火災原因判定書(以下、単に「火災原因判定書」という。甲7)は、LPガス漏れ箇所に関して、本件建物のガス設備を順次検討した上で、屋外配管には腐食や開孔亀裂はなく、屋内配管について、コンクリート床上に ガス管が露出配管され、コンクリート床面に接している部分に錆が見分で き、立ち上がり部分に腐食孔と思われる穴が開いており、その穴のある部分の配管の厚みが0.49mmと薄くなっていること等を指摘して、立ち上がり部分はその腐食状態から考察すると亀裂又は穴が開いていた可能性が非常に高いなどと判断した(本件ガス管部分に開いた2つの穴について、その大きさは爆発の衝撃で大きくなった可能性が否定できず、爆発前の状 態が亀裂だったか穴だったか、2か所から漏れたのか1か所から漏れたのかは特定できないとした。)。〔甲7・12~14頁〕また、発火源に関しては、たばこ、放火、静電気等のLPガスに引火する可能性のある発火源を順次検討した上で、換気扇、エアコン又は照明器具のスイッチを入れたことで通電引火した可能性が高いなどと判断した (ただし、物的根拠がないため、発火源は特定に至らず、不明とする。)。 〔甲7・14~18頁〕本件事故の爆発原因について、火災原因判定書では、上記判断等を踏まえて、本件店舗の厨房でLPガス配管に使用されていたSGP白鋼管が腐食により穴が開き、この穴からLPガスが漏れ、本件建物内に充満してお り、本件事故当日、店内に入ったBがエアコン、換気扇又は照明器具等のスイッチを入れるなど、何らかの発火に至る行動を起こしたことにより、充満したLPガスに引火し、爆発に至ったものであると判定された。〔甲7・19頁〕ウ 入ったBがエアコン、換気扇又は照明器具等のスイッチを入れるなど、何らかの発火に至る行動を起こしたことにより、充満したLPガスに引火し、爆発に至ったものであると判定された。〔甲7・19頁〕ウ消防大学校消防研究センター所長作成の令和3年1月5日付け現場見分 に係る技術支援結果報告書(以下、単に「技術支援結果報告書」という。 甲12)は、LPガスの漏えいに関して、本件流し台下部の本件ガス管部分の腐食孔、亀裂箇所からLPガスが漏えいした可能性が高く、腐食の要因として、ガス配管が床に直置きで施工されていること及び床の洗浄時に水を掛けるが水切りが悪い状態であったことから、厨房内が腐食しやすい 環境下であったと考えられると判断した。〔甲12・42頁〕 発火源に関しては、ライターやマッチの裸火は可燃性混合気を着火させる可能性が高いが、店内にLPガスが充満していたとすると臭気に気づき、裸火を使用する可能性は低いこと(ただし、本人確認ができないため特定はできないこと)、電気機器、配線内のショートによるスパークの可能性が考えられること(ただし、物的証拠は得られていないこと)、エアコン、照 明、換気扇等の電気機器の何らかのスイッチを押下したことによるスパークの可能性が考えられること(ただし、物的証拠がなく本人確認できないため特定できないこと)などと判断した。〔甲12・43~44頁〕本件事故の火災原因について、技術支援結果報告書では、上記判断等を踏まえて、本件店舗の厨房の腐食した配管からLPガスが漏えいし、ライ ターやマッチの裸火、電気機器類のショート又は何らかの電気のスイッチを押下したことでスパークが発生し、店内に滞留していたLPガスに着火、爆発した可能性が考えられる(ただし、発火源については確たる証拠が得られず特定 火、電気機器類のショート又は何らかの電気のスイッチを押下したことでスパークが発生し、店内に滞留していたLPガスに着火、爆発した可能性が考えられる(ただし、発火源については確たる証拠が得られず特定できない)と結論付けられた。〔甲12・1、44頁〕エ経済産業省産業保安グループガス安全室が令和2年12月11日付けで 作成した本件事故に関する報告書(乙D1。以下「本件事故報告書」という。)には、事故概要として、本件店舗の厨房シンク下、コンクリート上に直に設置されていた腐食した白管からガスが漏えいし、何らかの着火源により着火して爆発したことが推定されていると記載されている。〔乙D1〕(9) 液石法の定め等 ア液石法は、LPガス販売事業者に対し、販売契約を締結している一般消費者等について行うべき保安業務として、供給設備について点検等をすること(液石法27条1項1号)のほか、消費設備についての調査をし、その消費設備が液石法35条の5の経済産業省令で定める技術上の基準に適合しないと認めるときは、遅滞なく、その技術上の基準に適合するよう にするためにとるべき措置及びその措置をとらなかった場合に生ずべき 結果をその所有者又は占有者に通知しなければならないこと(同項2号)等を定めている。もっとも、LPガス販売事業者は、液石法29条1項の認定を受けた保安機関に対して保安業務の全部又は一部を委託することができるとされ、この場合には、委託した範囲内については自ら保安業務を行うことを要しない(同条2項)。ただし、保安業務の実施及びその結果 を確認することは、LPガス販売事業者の業務主任者の職務とされている(液石法20条1項、液石法施行規則24条7号)。 そして、液石法施行規則44条1号は、消費設備について 務の実施及びその結果 を確認することは、LPガス販売事業者の業務主任者の職務とされている(液石法20条1項、液石法施行規則24条7号)。 そして、液石法施行規則44条1号は、消費設備について液石法35条の5の経済産業省令で定める技術上の基準として、「配管、ガス栓及び末端ガス栓と燃焼器の間の管は、使用上支障のある腐しょく、割れ等の欠陥が ないものであること」(同号イ)、「配管には、腐しょくを防止する措置を講ずること」(同号ロ)、「配管に使用する材料は、その使用条件等に照らし適切なものであること」(同号ハ)、「配管は、漏えい試験に合格するものであること」(同号へ)等を定めている。 保安業務を行うべきときは、経済産業省令で定める基準に従って、その 保安業務を行わなければならないところ(液石法34条1項)、この経済産業省令で定める基準として、液石法27条1項2号の消費設備の調査に関し、配管及びガス栓が使用上支障のある腐しょく、割れ等の欠陥がないものであること(液石法施行規則44条1号イ)、配管に腐しょくを防止する措置を講ずること(同号ロ)、配管が漏えい試験に合格するものであること (同号ヘ)等の調査を、LPガス供給開始時及び4年に1回以上の回数で行うことが定められている(同37条1号イ(2))。なお、亜鉛めっきを施した配管(防しょくテープを施したものを含み、機能を損なうおそれのある腐しょくが生じないものを除く。)であって地盤面下に埋設したものについては、前記漏えい試験(同44条1号ヘ)は、4年に1回以上ではな く、1年に1回以上の回数で行うものとされている(同37条1号イ(1))。 イ 「液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律施行規則の機能性基準の運用について」(20170316商局第9 年に1回以上の回数で行うものとされている(同37条1号イ(1))。 イ 「液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律施行規則の機能性基準の運用について」(20170316商局第9号)の別添である例示基準は、液石法施行規則44条に規定する消費設備の技術上の基準等(機能性基準)への適合性評価に当たっては、個々の事例毎に判断することになるが、例示基準のとおりである場合には当該機能性基準に適合する ものとしている。例示基準は、液石法施行規則に定める技術的要件を満たす技術的内容をできる限り具体的に例示したものであるが、液石法施行規則に定める技術的要件はこの例示基準に限定されるものではなく、当該規則に照らして十分な保安水準の確保ができる技術的根拠があれば、当該規定に適合するものと判断するものであるとしている。〔甲16〕 例示基準の28節(供給管等の適切な材料及び使用制限、腐食及び損傷を防止する措置)では、液石法施行規則44条1号ロ、ハ等に関して、以下の具体的な基準を掲げている(抜粋)。〔甲16〕「28.供給管等の適切な材料及び使用制限、腐食及び損傷を防止する措置 集合装置、供給管、配管、継手及びバルブの適切な材料及び使用制限、腐食及び損傷を防止する措置並びにガス栓、パッキン及びシール材の適切な材料及び使用制限は、次の基準によるものとする。 1.適切な材料及び使用制限(1) 管 ② 高圧部以外に用いる管高圧部以外に用いる管は、その設置場所の区分に応じ、それぞれ次に掲げるもの又はこれらと同等以上のものであること。 (ⅰ) 露出部(床下地上及び地表面に開口部を有する溝(ふた付のものを含む。)内を含む。) a.JISG 3452(1988)配管用炭素鋼鋼管に定める 白管。た ものであること。 (ⅰ) 露出部(床下地上及び地表面に開口部を有する溝(ふた付のものを含む。)内を含む。) a.JISG 3452(1988)配管用炭素鋼鋼管に定める 白管。ただし、屋内の多湿部、水の影響を受けるおそれのある場所及び地表面に開口部を有する溝(ふた付のものを含む。)内に使用する場合を除く。 2.腐食を防止する措置腐食を防止する措置は、1.に定める材料をその制限に従って使用す るほか、次の基準によるものとする。 (1) 管及び継手管及び継手は、その設置場所の区分に応じ、それぞれ次の基準のいずれかの措置を講ずること① 露出部 (ⅱ) 白管、塗装白管及び塗装黒管を床下、室内又は壁面(屋外側)に設置する場合は、地盤面、コンクリート面等の導電性の支持面に直接触れないように設置すること。 」例示基準の29節(供給管又は配管等の気密試験方法及び漏えい試験の方法)の3Ⅱでは、液石法施行規則44条1号へに関して、常時圧力検知式漏 えい検知装置を用いた配管の漏えい試験の方法について、同漏えい検知装置を設置して、警報表示の有無を2か月に1回以上確認し、警報表示がある場合に必要な措置を講ずることによって漏えい試験を行うなどの基準を掲げている。〔乙F3の2〕 2 本件事故の原因について (1) LPガスの漏えいにつきア前記1(8)イ、ウのとおり、本件事故後の見分の結果、郡山地方広域消防組合及び消防大学消防研究センターは、いずれも、本件事故のガス爆発に至る機序について、本件店舗の厨房内のガス管の腐食箇所の亀裂又は穴からLPガスが漏えいした可能性が高いと判断し、そのLPガスが本件店舗 内に充満していたところに、何らかの発火源か のガス爆発に至る機序について、本件店舗の厨房内のガス管の腐食箇所の亀裂又は穴からLPガスが漏えいした可能性が高いと判断し、そのLPガスが本件店舗 内に充満していたところに、何らかの発火源から着火して、爆発した可能 性があると判断している。 この点、鉄等の金属は、水中に浸すと水中の酸素と反応して(腐食反応)、錆こぶを形成する。金属は時間経過とともに酸素と結合し腐食していくのが自然であり、腐食が進行して配管に穴が開くという事故が数多く発生していることが知られている(乙F12・参考資料((一財)建築コスト管理 システム研究所・新技術調査検討会「空調・衛生配管の腐食とその対策」建築コスト研究No101.69)。また、LPガス保安技術者向けWEBサイトでも、地面やコンクリート、地中又は水面・水中に接触しているガス管は腐食のおそれがあるとされ、白管については、コンクリート、地盤等には直接接触させないことが求められており(乙F7・4、5頁)、例示基準に おいても、白管(SGP白鋼管)は露出部の配管として一般的には適切な材料であるものの、屋内の多湿部や水の影響を受けるおそれのある場所を除くとされ(例示基準28節の1(1)②(ⅰ)a)、白管(SGP白鋼管)を室内に設置する場合には、腐食を防止するために、コンクリート面等の導電性の支持面に直接触れないように設置することが掲げられている(同2 (1)①(ⅱ))。 しかるに、本件店舗の厨房内の本件ガス管部分は、本件流し台の下、コンクリート床の上に直に設置されており(前記1(1)イ)、本件店舗では、閉店後の清掃の際、本件流し台の下はバケツに水を汲んで勢いよく水をかけて、埃や野菜くずを流し出すという方法で実施され、本件流し台の下は 狭いために水切りワイパーを入れること )、本件店舗では、閉店後の清掃の際、本件流し台の下はバケツに水を汲んで勢いよく水をかけて、埃や野菜くずを流し出すという方法で実施され、本件流し台の下は 狭いために水切りワイパーを入れることができず、濡れたままの状態になっていたのであり(前記1(4)イ)、本件事故後の見分でも、本件ガス管部分に著しい腐食及びそれによる錆、減肉が確認されたこと(前記1(8)ア)からすれば、本件ガス管部分は、平成18年に本件建物にガス配管が設置されてから令和2年に本件事故が起こるまでの約14年間にわたり、腐食 のしやすい環境に置かれたことによって、著しい腐食及び錆が進行してい たものと認めることができる。なお、金属の腐食は時間経過とともに進行するものであり(前記)、本件事故について理論解析と考察を行ったF(F技術士事務所。技術士(化学部門))の意見書(乙F12。以下「F意見書」という。)でも、金属製配管の1年当たりの腐食速度に年数を乗じて、本件ガス管部分の理論上の減肉量が試算され、これと実測値との整合性が確認 されていること(乙F12・4頁)からすると、本件建物のガス配管の設置から13年以上が経過し、本件事故まで8か月足らずであった令和元年12月2日の時点で、被告保安管理センターが本件建物の定期点検調査を実施した際には、本件ガス管部分には、本件事故時と大きく変わらない程度の著しい腐食及び錆が存在したと認められる。 そして、本件事故前に、本件ガス管部分に前記のとおり著しい腐食及び錆が進行しており、本件事故後、その腐食箇所に腐食孔と思われる穴が確認され、その穴の付近は腐食により今にも崩れてしまいそうな状態であったこと(前記1(8)ア)に加えて、消防の見分及びスモークマシンを用いた試験によっても、上記腐食箇所の穴以外には、L 思われる穴が確認され、その穴の付近は腐食により今にも崩れてしまいそうな状態であったこと(前記1(8)ア)に加えて、消防の見分及びスモークマシンを用いた試験によっても、上記腐食箇所の穴以外には、LPガスの漏えいを疑うべ き箇所は確認されていないこと(前記1(8)ア~ウ、甲7、8、12、17、18)にも照らすと、本件事故の原因となったLPガスが本件ガス管部分の腐食箇所の亀裂又は穴から漏えいしたことについての前記消防の判断は十分に合理的であって、LPガスの漏えい個所については、その判断のとおりに認定することができる。 イまた、F意見書では、本件建物で異臭が感知された令和2年7月29日午後3時から本件事故発生の同月30日午前8時57分までの約18時間、LPガスが一定流量で流出して、59.1㎥(前記1(3))が漏えいしたと仮定すると、時間当たりの流出量は、3.2㎥/時間(53L/分)の流出となること、この流出量は、SBメーター(SBA6-1)のガス遮断 機能の設定100L/分を下回るため、ガス遮断機能が働かないこと、上 記流出量を元に、LPガスの供給圧を0.03kg/c㎡Gとして粘性流円筒管モデルにより流出孔の径を算出すると、径1.47mmとなること(したがって、本件事故後の見分で指摘された穴は、本件事故の衝撃で拡大した可能性が大きいこと)、換気状況を「建物の気密性を用いた換気量の簡易計算法」により「密閉性の高い通常の建物」と同等と仮定して方程式 を立て、漏えい開始から18時間経過後の残留LPガスの濃度を算出すると4.2vol%となるが、これは、理論的に最も効率の良い最高エネルギーを発揮する爆発反応(LPガスの場合、空気中で約4vol%)に合致し、理論的にも最大効率の爆発が発生したと分かること、建屋内でLP 4.2vol%となるが、これは、理論的に最も効率の良い最高エネルギーを発揮する爆発反応(LPガスの場合、空気中で約4vol%)に合致し、理論的にも最大効率の爆発が発生したと分かること、建屋内でLPガスの漏えいが始まってから人が異臭を感じる濃度に達するまでの時間が、 最少で4分12秒、最大で7分12秒と推算されることがそれぞれ指摘されている(乙F12・2~3、5、7頁)。なお、LPガスの爆発限界(爆発が起こる可能性がある空気中のガスの割合の範囲。燃焼範囲)は、2. 1~9.5vol%とされる(甲12・42頁、乙F2・18頁、乙F5)。 また、本件事故報告書では、ガスメーターの増加流量遮断の設定値が4㎥ /時間であり、合計流量遮断の設定値が7.5㎥/時間であるとされているが(乙D1)、F意見書で試算された時間当たり流出量(3.2㎥/時間)は、これらの値を下回る。 F意見書等のこれらの知見を踏まえて、本件事故前日の令和2年7月29日午後3時頃から、本件建物で本件改修工事に携わっていたCが、それ までとは異なる強い異臭を感じ始めたこと(前記1(5))、ガス漏えいがあるにもかかわらず本件建物に設置されたガスメーターの遮断機能が働かなかったこと(前記1(8)ア)、本件事故日である同月30日午前8時57分には本件建物にLPガスが充満しており、発火源による着火によって爆発を起こしたと考えられること(前記1(6)ア、(8)イ、ウ)を考慮すると、 本件事故前のガスの漏えいの経過について、本件ガス管部分に著しい腐食 及び錆が進行しており、特に立ち上がり部分でその腐食と減肉が著しかったところ、同月29日午後3時前後に、本件ガス管部分の立ち上がり部分の腐食箇所に小さな亀裂又は穴が生じ(したがって、本件事故後に見分された穴は、本件 り、特に立ち上がり部分でその腐食と減肉が著しかったところ、同月29日午後3時前後に、本件ガス管部分の立ち上がり部分の腐食箇所に小さな亀裂又は穴が生じ(したがって、本件事故後に見分された穴は、本件事故時の爆発の衝撃により大きくなったものであり、本件事故前には見分時と同じ大きさの穴が存在したわけではないと認められ る。)、そこからLPガスが漏出し始め、同月30日午前8時57分までに、漏出したLPガスが本件建物内に充満し、その濃度が爆発限界に達していたことで、同時刻の大規模なガス爆発(本件事故)に至ったものと、合理的に推認することができる。 (2) 発火源につき 火災原因判定書及び技術支援結果報告書は、本件事故の発火源について、種々の可能性を検討した上で、火災原因判定書では、換気扇、エアコン又は照明器具のスイッチを入れたことで通電引火した可能性が高いと判断され、技術支援結果報告書でも、エアコン、照明、換気扇等の電気機器の何らかのスイッチを押下したことによるスパークの可能性があると判断された(前記 1(8)イ、ウ)。 これらの消防の判断に加えて、Bの遺体が本件店舗の北側部分のレジ付近で発見され、そのレジのすぐ脇には、店内全ての照明のスイッチ、店内の換気扇のスイッチ及びエアコンのスイッチがあること(前記1(6)ウ)、本件建物に入ったBが、まず店内の照明やエアコンを付けようとしたり、ガス臭を 感じて換気扇を付けようとすることは、想定される自然な行動といえることも考慮すると、Bがこれらの電気機器のスイッチを押下したことによって、当該電気機器のスパークが生じ、これがLPガスに引火したと考えるのが最も自然であり、合理的というべきである。なお、技術支援結果報告書は、ライターやマッチの裸火も可能性の一つとして挙げるも によって、当該電気機器のスパークが生じ、これがLPガスに引火したと考えるのが最も自然であり、合理的というべきである。なお、技術支援結果報告書は、ライターやマッチの裸火も可能性の一つとして挙げるものの、店内にLPガス が充満し、臭気に気づくにもかかわらず裸火を使用する可能性は低いと考え られるとしており、また、電気機器の配線内のショートによるスパークも可能性の一つとして挙げるが、その物的証拠はないとしており(前記1(8)ウ)、このほか、Bが本件建物に入ってからガス爆発が起こるまではごく短時間であった(前記1(6)ア)ところ、そのわずかな間に、Bの行為によらず、偶然に電気機器の配線内のショートによるスパークが生じたという可能性は極め て低いと考えられることからしても、これらが発火源となったことは否定される。 以上によれば、本件事故の発火源は、本件建物に入ったBが換気扇、エアコン又は照明器具のスイッチを入れたことによる電気機器のスパークであり、これがLPガスに引火したことでガス爆発が起きたと推認することができる。 3 争点1(被告高島屋商店の責任原因)について(1) 原告と被告高島屋商店との間では、本件建物の厨房内のガス管が、ガスボンベからガス機器までガスを供給するために設置されていた屋内配管設備であるから、民法717条所定の土地の工作物に該当すること、ガス管が被告高島屋商店の運営する本件店舗に設置されて、実際にガス台や給湯器を利用 するために供用されてきたから、被告高島屋商店が民法717条の「占有者」に該当することについて、争いがない。 (2) 被告高島屋商店は、LPガスの漏出の原因は、経年によって劣化していたガス管に本件改修工事に伴う何らかの外力が加わって損傷が生じたことであり、本件事故以前 該当することについて、争いがない。 (2) 被告高島屋商店は、LPガスの漏出の原因は、経年によって劣化していたガス管に本件改修工事に伴う何らかの外力が加わって損傷が生じたことであり、本件事故以前にはガス管に腐食を原因とする穴や亀裂は存在しなかった のであるから、ガス管に設置・保存の瑕疵は存在しないと主張する。 しかし、土地の工作物の設置又は保存の瑕疵とは、当該工作物が通常有すべき安全性を欠いていることをいうと解される(最高裁平成22年(受)第1163号、同年(オ)第946号同25年7月12日第二小法廷判決・裁判集民事244号1頁)ところ、前記1(8)及び2(1)のとおり、本件ガス管 部分は全体に腐食による錆が見られ、赤褐色に変色しており、一部に剥離も あった上、その立ち上がり部分は顕著に腐食し、今にも崩れてしまいそうな状態であり、配管の厚みも著しく減肉していたと認められ、さらに、そこに穴又は亀裂が生じてLPガスを漏えいするに至ったのであるから、本件事故当時、本件ガス管部分が、店舗厨房内に設置されるガス管として通常有すべき安全性を欠いていたことは明らかというべきである。 この点、本件ガス管部分からのガスの漏えいは令和2年7月29日午後3時前後から始まったものと認められるが(前記2(1)イ)、本件改修工事には、ガス設備に関する工事は含まれていないのである(前記1(5))から、同日の作業で、本件店舗内の配管等のガス設備が作業の対象となったことはないと認められる。もっとも、同日午後2時30分頃から同日午後4時30分頃ま で、厨房内でコンセント移設工事の打合せや移設作業がされていたこと(前記1(5))からすると、同工事の際に、ガス台又はそこに置かれた業務用ガスコンロやガス炊飯器に人為的な力が加わり、それ ま で、厨房内でコンセント移設工事の打合せや移設作業がされていたこと(前記1(5))からすると、同工事の際に、ガス台又はそこに置かれた業務用ガスコンロやガス炊飯器に人為的な力が加わり、それが業務用ガスコンロ及び炊飯器と接続されたガス管(本件流し台とガス台の間に鉛直に立ち上がった配管)に伝わり、さらに本件流し台の下の本件ガス管部分にも影響を与えた結 果、そこに穴又は亀裂が生じたという可能性は、完全には否定されない(なお、火災原因判定書及び技術支援結果報告書においては、本件ガス管部分の腐食により穴が開いた、配管の腐食孔、亀裂箇所からLPガスが漏えいしたなどと判断されているが(前記1(8)イ、ウ)、その穴(孔)が腐食の進行により自然に開いたものであるか、進行した腐食箇所に何らかの力が加わって 開いたものであるかについては、明確な言及はない。甲7、12)。 しかしながら、飲食店の厨房内でガス台等の厨房機器に人の力が加わることは通常想定されるものであり、厨房内に敷設されたガス管がその程度の外力で損傷することは許されず、かかる外力によっても損傷しないことが通常有すべき安全性であるというべきであるから、そのような通常想定される程 度の外力によってガス管が損傷したのであれば、そのこと自体をもって、当 該ガス管が通常有すべき安全性を欠くものと評価されるべきことになる。 この点、本件ガス管部分の著しい腐食及び錆の状況(前記1(8)ア)に照らすと、ごく小さな力であって腐食箇所に穴や亀裂が生じることが考えられるが、一方、前記コンセント移設工事に伴う作業の際に、飲食店の厨房内の一般的な作業で通常想定される程度の力を超える強い力が、厨房機器やガス管 に加えられたことは全くうかがわれない上、本件ガス管部分に開いた穴又は亀裂が ト移設工事に伴う作業の際に、飲食店の厨房内の一般的な作業で通常想定される程度の力を超える強い力が、厨房機器やガス管 に加えられたことは全くうかがわれない上、本件ガス管部分に開いた穴又は亀裂が小さいものであったこと(前記2(1)イ)からしても、管自体の変形や圧損を来すような大きな力が本件ガス管部分に加わったことは考え難い。 そうすると、仮にコンセント移設工事に伴う作業の際に厨房機器等に人為的な力が加わり、それがきっかけとなって、著しい腐食及び錆が進行してい た本件ガス管部分に穴又は亀裂が生じたとしても、それを理由に、本件ガス管部分が、飲食店厨房内のガス管として通常有すべき安全性を欠いていたことが否定されることはないというべきである。 (3) 被告高島屋商店は、保安機関という専門業者に配管の安全確認を任せ、その調査を受けてきたものの異常は確認されず、また、通常の営業活動内にお いても設備確認を実施して異常は認められなかったのであるから、ガス消費者たる被告高島屋商店においては、消費者として要求される損害の発生を防止するために必要な注意(民法717条1項ただし書)を尽くしていたと主張する。 しかし、本件店舗内のガス管は金属製の配管であり、特に水が掛かるよう な環境においては、錆や腐食が生じやすいことは、専門的知見がなくとも認識可能というべきである。にもかかわらず、被告高島屋商店は、厨房内の床の清掃の際、本件ガス管部分が設置されていた本件流し台の下に水を撒き、水切りをせずに放置して、本件ガス管部分を水の影響下に置き(前記1(4)イ)、これによって、本件ガス管部分の腐食及び錆を進行させたものである(前記 2(1)ア)。 また、確かに保安機関である被告保安管理センターは、配管の異常を指摘 (前記1(4)イ)、これによって、本件ガス管部分の腐食及び錆を進行させたものである(前記 2(1)ア)。 また、確かに保安機関である被告保安管理センターは、配管の異常を指摘していないが(前記1(2)ア)、客観的には、本件事故前から本件ガス管部分に著しい腐食及び錆が存在し(前記2(1)ア)、しかも、その腐食及び錆の状態は、全体が赤褐色になり、一部剥離も認められるなど、目視により、容易に異常を認識できるものであったと認められる(前記1(8)ア、甲17・写真 154~157、甲18)。 この点、本件店舗の店長であるEは、消防による事情聴取に対し、ガス配管が本件建物内のどこを通っているかは知らず、配管の状態まで把握できなかったと述べているが(甲10)、Eは、本件流し台とガス台の間で立ち上がった配管がガスコンロ及びガス炊飯器に接続されていることを認識し、その 配管に付いているガス栓を操作していたのである(前記1(1)イ、甲10)ところ、本件ガス管部分は、その立ち上がった配管の下にエルボにより接続されているのである(前記1(1)イ)から、Eにおいて、本件流し台の下にガス管が設置されていることも容易に認識し得たといえる。 そして、本件ガス管部分は、本件流し台の下にあるが、本件流し台の下で は、本件流し台の排水管接続口を避けるように、内壁から離れて、クランク状に設置されているため(前記1(1)イ)、本件流し台の前(厨房内側)から比較的見やすい位置にあり(甲17・写真156、178)、本件流し台の足の部分には台が設けられているものの、その台はすのこ状であるため、すのこの板と板の間から下のガス管を視認することができ、また、その台と床と の間に十分なすき間があるため、台の下をのぞき込んでガス 部分には台が設けられているものの、その台はすのこ状であるため、すのこの板と板の間から下のガス管を視認することができ、また、その台と床と の間に十分なすき間があるため、台の下をのぞき込んでガス管を確認することも困難ではなかったと認められる(前記1(4)ア、甲17・写真178、乙F6の2、乙F26)。 これらに加えて、被告高島屋商店は飲食店を運営する株式会社であり、その業として、本件店舗内のガス設備を用いていたこと(前提事実(1)イ、前記 1(1))、被告伊東石油が業務用にLPガスを使用する事業者に対して交付し ている「業務用周知文書」には、消費設備の日頃の安全点検を消費者が行うべきことが記載されていること(乙E3)をも考慮すれば、被告高島屋商店がガス消費者であること等、被告高島屋商店が主張する事情を斟酌しても、被告高島屋商店が、本件ガス管部分の著しい腐食及び錆を認識せず、修理交換の依頼等の適切な措置をとらなかったことについて、本件建物のガス管の 占有者に求められる、損害の発生を防止するために必要な注意(民法717条1項ただし書)を十分に尽くしていたということはできない。 (4) よって、被告高島屋商店は、民法717条1項本文に基づき、本件事故によって損害を受けた被害者らに対し、損害賠償責任を負うと認められる。 4 争点2(被告伊東石油の責任原因)について (1) 前記1(1)のとおり、本件建物には、LPガスのガス設備として、ガス容器(ガスボンベ)のほか、調整器、ガスメーター、高圧ホース、供給管(調整器出口からガスメーターまで)、配管(ガスメーター出口以降のガス配管)及びガス栓が設置されており、ガスメーター出口以降の配管は建物東面基礎に支持金具で固定され、東面基礎に沿うように配された後、三又に分 出口からガスメーターまで)、配管(ガスメーター出口以降のガス配管)及びガス栓が設置されており、ガスメーター出口以降の配管は建物東面基礎に支持金具で固定され、東面基礎に沿うように配された後、三又に分岐し、う ち1本が厨房南東部分から本件建物内に入り、建物内では、厨房の東側内壁に沿って、コンクリートの床に直に設置されており、本件建物におけるLPガスの使用のために供されていたのであるから、本件建物のガス配管(その一部である本件ガス管部分を含む。)は、他のガス設備と一体として、土地の工作物(民法717条1項)に当たると認められる。 (2) 被告伊東石油は、本件建物にガス設備を自ら設置し、その際、厨房内の配管については、SGP白鋼管を用いて、これをコンクリート床の上に直に置いて敷設した上(前記1(1))、被告高島屋商店と本件ガス販売契約を締結し、契約に関する通知書(乙E1)の中で、ガスメーター出口以降のガス配管の所有権が被告伊東石油に帰属し、これを被告高島屋商店に貸し付けることを 明示するととともに、ガスメーター出口から燃焼機器までの消費設備につい て、その維持管理は被告高島屋商店の責任となるものの、法定の調査は被告伊東石油又はその委託した保安機関が実施することを示していた(前記1(1)ア)。また、被告伊東石油は、本件ガス販売契約の締結以降、配管を含むガス設備を利用して本件建物にLPガスを供給し、販売しており(前記1(1)ア)、そこでは、LPガス販売事業者として、液石法上、供給設備及び消費設備に ついて保安業務を行う責任を負い(前記1(9)ア)、毎月、本件建物において検針及びガスボンベの交換をする際には、供給設備について自ら点検を実施するとともに(前記1(2)イ)、消費設備についても、LPガス販売事業者として本 を負い(前記1(9)ア)、毎月、本件建物において検針及びガスボンベの交換をする際には、供給設備について自ら点検を実施するとともに(前記1(2)イ)、消費設備についても、LPガス販売事業者として本来的に保安業務を行う責務を負うが、その業務の一部を保安機関である被告保安管理センターに委託することを選択し、被告保安管理センターを して消費設備の調査を行わせることで、配管を含む消費設備の管理を行いながら、自らも検針時にガスメーターの表示を確認し、LPガスの消費量やガス漏れ等の異常の有無を確認していた(前記1(2))。 以上の事実に照らせば、被告伊東石油は、本件建物の配管を含むガス設備の保守・管理及びそれによる安全性の確保に関して、具体的な管理及び支配 を及ぼしていたということができるから、ガス配管に起因する災害の被害者に対する関係では、被告高島屋商店だけでなく、被告伊東石油も、本件ガス管部分を含む配管の「占有者」(民法717条1項)に該当するというべきである。 これに対し、被告伊東石油は、ガス管が本件建物に付合しているから、被 告伊東石油はその所有者ではないこと、所有権の帰属に関する通知書の記載は便宜上、慣習上の記載にすぎないことを主張する。 しかし、被告伊東石油は、本件建物を賃借(転借)して、本件店舗を運営しようとする被告高島屋商店のために、本件建物にガス設備を設置したのである(前記1(1)ア)から、そのガス設備が当然に本件建物に付合して、その 所有権が建物所有者に帰属したということはできない(民法242条ただし 書)。また、被告伊東石油が被告高島屋商店に交付した通知書は、液石法14条及び液石法施行規則13条に基づき消費者に交付される書面であり(乙E1)、ガス設備の所有関係は法定の記載事項 条ただし 書)。また、被告伊東石油が被告高島屋商店に交付した通知書は、液石法14条及び液石法施行規則13条に基づき消費者に交付される書面であり(乙E1)、ガス設備の所有関係は法定の記載事項(液石法14条1項6号、液石法施行規則13条1項6号)であるから、これが便宜上、慣習上の記載であるとの被告伊東石油の主張は採用できない。 さらに、仮にガス設備の物権法上の所有者が被告伊東石油でないとしても、前記のとおり、被告伊東石油が配管を含むガス設備について具体的な管理及び支配を及ぼしていたと認められる以上、被告伊東石油が、配管について、民法717条1項の「占有者」に該当することが否定されることはないといえる。 (3) 土地の工作物の設置又は保存の瑕疵とは、当該工作物が通常有すべき安全性を欠いていることをいうところ、前記3(2)のとおり、本件ガス管部分は全体に腐食による錆が見られ、赤褐色に変色しており、一部に剥離もあった上、その立ち上がり部分は顕著に腐食し、今にも崩れてしまいそうな状態であり、配管の厚みも著しく減肉していたこと及びそこに穴又は亀裂が生じ、LPガ スを漏えいするに至ったことからすれば、本件事故当時、本件ガス管部分が通常有すべき安全性を欠いていたことは明らかであり、本件ガス管部分には瑕疵があったと認められる。 これに対し、被告伊東石油は、ガス管の日頃の点検や安全管理は、被告高島屋商店が行うこととされていたから、被告伊東石油がガス管を含む消費設 備を点検する義務はなかったこと、4年に1回の義務調査については、被告伊東石油から委託を受けた被告保安管理センターが適切に実施しており、被告伊東石油は、毎月の検針時に供給設備の点検やマイコンメーターの警告表示の点検も行っていたが、何ら異常は確 務調査については、被告伊東石油から委託を受けた被告保安管理センターが適切に実施しており、被告伊東石油は、毎月の検針時に供給設備の点検やマイコンメーターの警告表示の点検も行っていたが、何ら異常は確認されなかったことなどを挙げて、被告伊東石油には、ガス管についての保存の瑕疵は認められないと主張する。 しかしながら、本件ガス管部分が客観的に通常有すべき安全性を欠いてい たと認められることは前記のとおりであるから、被告伊東石油の上記主張は首肯し得ない。 また、日頃の点検を被告高島屋商店が行うとされていても、液石法上、消費設備の安全管理を、消費者のみが実施することとはされておらず、被告伊東石油は、LPガス販売事業者として、自ら配管等の消費設備の調査を行い、 あるいは、保安機関に委託をしてその調査をさせるべき責務を負うものである(液石法27条)ところ、被告伊東石油が被告保安管理センターに委託してさせた令和元年12月2日の定期点検調査については、後記6のとおり、これが適切に実施されたとはいえない。 そうすると、被告伊東石油が、ガス管の占有者に求められる注意を十分に 尽くしたということもできないから、ガス管に瑕疵がなく本件事故の責任を負わないとする被告伊東石油の主張は採用することができない。 (4) よって、被告伊東石油は、民法717条1項本文に基づき、本件事故によって損害を受けた被害者らに対し、損害賠償責任を負うと認められる。 5 争点3(被告小西造型の責任原因)について (1) 前記2(2)のとおり、本件事故は、本件建物に入ったBが換気扇、エアコン又は照明器具のスイッチを入れたことによって、本件建物内に充満していたLPガスに通電引火し、爆発したものであると認められる。 2(2)のとおり、本件事故は、本件建物に入ったBが換気扇、エアコン又は照明器具のスイッチを入れたことによって、本件建物内に充満していたLPガスに通電引火し、爆発したものであると認められる。 この点に関し、被告小西造型は、発火源は特定されていないからBに責任を負わせることはできないと主張するところ、確かに、消防による火災原因 判定書及び技術支援結果報告書では、いずれも発火源が特定できないとされているが、それは、確実な物的証拠がないことやBの証言が得られないことから発火源を断定することができないというにすぎず(前記1(8)イ、ウ)、火災原因判定書及び技術支援結果報告書の判断内容や本件事故の見分結果等を踏まえれば、本件事故の発火源が、Bが換気扇、エアコン又は照明器具の スイッチを押下したことによる電気機器のスパークであると合理的に推認で きることは、前記2(2)のとおりである。 (2) Bは、本件改修工事の現場管理者として、本件建物に出入りしていたのであるから、本件建物内でLPガスが漏出していることを認識し、又はこれを認識し得た場合には、漏出したLPガスが発火源により着火してガス爆発に至ることを防ぐために、本件建物内で発火源をもたらす行為を控えるべき注 意義務を負っていたといえる。 令和2年7月29日、本件建物内で被告小西造型の下請けとして塗装工事をしていたCは、午後3時頃から、本件建物内で、それまでの野菜を煮たような飲食店であることによる臭いとは明らかに異なる、食材を腐らせたような強い異臭を感じるようになり、これを現場管理者であるBに相談している が(前記1(5))、本件建物内のLPガスの漏えいは、同日午後3時前後に始まったと認められ(前記2(1)イ)、LPガスには、人が臭いを感知できる になり、これを現場管理者であるBに相談している が(前記1(5))、本件建物内のLPガスの漏えいは、同日午後3時前後に始まったと認められ(前記2(1)イ)、LPガスには、人が臭いを感知できるようにあえて着臭がされていること(乙F2・18頁)に照らすと、Cが同日午後3時頃から感じるようになった強い異臭は、本件ガス管部分から漏えいしたLPガスの臭いであったと認められる。 この点、Cは、その陳述書(乙C4)では、令和2年7月29日午後3時頃に感じた異臭は、何か食品が腐ったような不快な臭いであったものの、自分が経験上認識しているガスの臭いとは異なるものであって、ガスの臭いではなかったと陳述するが、食品の腐ったような臭いであることは、それがLPガスの臭いであることを否定する根拠にはならないと考えられること、C が同日に感知した異臭は、それ以前に感じていた飲食店特有の臭いとは明らかに違うものであったこと(前記1(5))、C自身、臭いの元を確かめようとして、屋外に出てガスボンベの破損等の有無を確認していること(乙C4)からすると、Cの上記陳述によっても、Cが感知した異臭がLPガスの臭いでなかったということはできず、むしろ、同日午後3時前後に本件建物内で LPガスの漏えいが始まっていたこと(前記2(1)イ)からすれば、Cの主観 的な認識は措くとして、少なくとも客観的には、Cが感知した異臭は、前記のとおり、LPガスの臭いであったと認めるのが相当である。 また、仮にC自身は、何らかの根拠からこれをLPガスの臭いでないと認識したとしても、Cは、Bに対し、店内の異臭について、2回相談し、その際、「なんの臭いですかね。」、「この臭いがしたままでオープンして大丈夫で すかね。」と声をかけたのであり(前記1(5)、乙C4,8 としても、Cは、Bに対し、店内の異臭について、2回相談し、その際、「なんの臭いですかね。」、「この臭いがしたままでオープンして大丈夫で すかね。」と声をかけたのであり(前記1(5)、乙C4,8)、それがLPガスの臭いでないことを伝えたわけではないのであるから、Cから2回にわたり、異臭がする旨の相談を受けたBとしては、この時点で客観的にはLPガスの臭いがしており、その異変を覚知した者がいた以上、それがLPガスの臭いであることを疑うことができたといえる。そして、本件改修工事の現場管理 者であったBとしては、工事現場の安全を確保するため、これを疑った上で、その臭いの原因を自ら確認したり、LPガス販売事業者等に通報して確認すべきであったといえ、そのようにしていれば、LPガスの漏出を認識することができたと認められる。 Bは、本件事故の前日に異臭がする旨の報告を受け、それがLPガスの臭 いであることを疑うことができ、その臭いの原因を確認することでLPガスの漏出を認識できたにもかかわらず、そのような確認をすることなく、本件事故当日、本件建物内に入り、換気扇、エアコン又は照明器具のスイッチを入れて、これによりガス爆発を惹起したのであるから、Bには、本件事故の発生について注意義務違反があるといわざるを得ない。 (3) これに対し、被告小西造型は、本件事故当日、客室側へのガスの漏出は少なかったと思われること、前日からの食材を腐らせたような強い臭いや下水のような臭いがひどかったためガスの臭いは分からなかったこと、ガス警報器も鳴っていなかったことから、Bはガス漏れを認識できなかったと主張する。 しかし、LPガスには、空気中0.1vol%の濃度で臭いを感知できる ように着臭がされている(乙F2・18頁)ところ、本件事 ったことから、Bはガス漏れを認識できなかったと主張する。 しかし、LPガスには、空気中0.1vol%の濃度で臭いを感知できる ように着臭がされている(乙F2・18頁)ところ、本件事故当時、本件建物内のLPガスの濃度は爆発限界の下限(2.1vol%)を上回っていたこと(F意見書では、4.2vol%と試算されている。前記2(1)イ)、厨房内のLPガスの漏出は、本件事故まで18時間程度継続しており(前記2(1)イ)、厨房と客席の間は完全には仕切られていない(前記1(1)イ)ため、 客席側にもLPガスが充満していたと考えられること、前日に感知された異臭は、客観的にはガス臭であったと認められること(前記(2))、仮にガス警報器が鳴っていないとしても、それがガス臭を感知できない理由とはならないことからすれば、Bがガス漏れを認識できなかったとの被告小西造型の前記主張は採用することができない。 また、被告小西造型は、仮にBがガスの臭いを多少感じたとしても、原因究明や対策のために照明の電源を入れたり、換気を試みるのは自然な行動であり、過失には該当しないと主張する。 しかし、本件事故当時、本件建物内には人が優に感知できる濃度のLPガスが充満していたものである(前記)ところ、被告小西造型は、店舗建設、 設計施工を業とする株式会社であって(前提事実(1)エ)、その事業として本件改修工事を請け負っており、Bは、被告小西造型の従業員であって、本件改修工事の現場管理者として本件建物に出入りしていた(前記1(5))のである以上、LPガスの漏出を認識し、又は認識し得た場合には、通電引火を防止するために電気機器の使用を控えるべき注意義務を負っていたというべき であるから、通電引火の危険を看過して、電気機器のスイッチを押下したこ の漏出を認識し、又は認識し得た場合には、通電引火を防止するために電気機器の使用を控えるべき注意義務を負っていたというべき であるから、通電引火の危険を看過して、電気機器のスイッチを押下したことについて、過失を否定することはできない。 (4) 本件改修工事は被告小西造型が請け負った工事であり、Bはその従業員としてこれに従事していたのであるから、使用者である被告小西造型は、民法715条1項に基づき、本件事故によって損害を受けた被害者らに対し、損 害賠償責任を負うと認められる。 6 争点4(被告保安管理センターの責任原因)について(1) 被告保安管理センターは、LPガス販売事業者である被告伊東石油から委託を受けた保安機関として、本件建物のガス設備の定期点検調査を行っていた(前記1(2)ア)のであるから、本件建物のLPガス消費設備の一部である配管を調査する際には、配管に使用上支障のある腐しょく、割れ等の欠陥が ないこと及び配管に腐しょくを防止する措置が講じられていること等を確認し、これらに適合しないと認めるときは、遅滞なく、とるべき措置等を配管の所有者又は占有者に通知しなければならなかった(前記1(9)ア)。 しかるに、被告保安管理センターの従業員であるDは、令和元年12月2日に定期点検調査を実施した際、その当時既に本件ガス管部分に著しい腐食 及び錆が生じていた(前記2(1)ア)にもかかわらず、パッと見て異常を発見しなかったとして、ガス配管についての検査結果を「良」とし(前記1(2)ア)、本件ガス管部分の著しい腐食を見落としたと認められるから、かかる調査は、保安機関がなすべき調査として不十分なものであったといわざるを得ない。 なお、Dは、本件流し台とガス台の間に鉛直に立ち上がってい 管部分の著しい腐食を見落としたと認められるから、かかる調査は、保安機関がなすべき調査として不十分なものであったといわざるを得ない。 なお、Dは、本件流し台とガス台の間に鉛直に立ち上がっているガス管に ある2つのガス栓についても調査をしたのである(前記1(2)ア)から、そのガス管の下部にエルボで接続されている本件ガス管部分の存在を認識し、それを目視することは容易であったといえ(前記3(3))、本件ガス管部分を確認していれば、本件ガス管部分がコンクリート床の上に直に設置されていることやそこに著しい腐食や錆があることを発見することができたと認められ る。 したがって、令和元年12月2日の定期消費設備調査を担当したDには、本件事故の発生に繋がる注意義務違反があるといえる。 (2) これに対し、被告保安管理センターは、ガス爆発の原因は、配管に想定外の外力が加わって亀裂が生じたことであり、その亀裂は、本件改修工事の際 に工事業者が本件流し台やその横のガス台を動かすなどして生じた可能性が 高いと主張する。 しかしながら、本件改修工事で本件流し台やガス台を移動するような作業が行われたことはうかがわれない。また、前記3(2)のとおり、本件事故前日のコンセント移設工事の際に、ガス台又はそこに置かれた業務用ガスコンロや炊飯器に人為的な力が加わり、それが本件ガス管部分にも影響を与えて、 穴又は亀裂が生じたという可能性は完全には否定されないが、そうであるとしても、その力が、飲食店の厨房内の一般的な作業で通常想定される程度を超える強いものであったことはうかがわれないから、上記可能性をもって、配管に想定外の力が加わったとの被告保安管理センターの主張を採用することはできない。 また、F意 定される程度を超える強いものであったことはうかがわれないから、上記可能性をもって、配管に想定外の力が加わったとの被告保安管理センターの主張を採用することはできない。 また、F意見書では、SGP白鋼管25Aの肉厚が0.49mmである場合に、通常のガス供給圧力(約0.03kg/c㎡G)でガスが漏えいすることはないとして、その肉厚でも圧力保持に問題はなかったと指摘するが(乙F12・3、6頁)、本件ガス管部分の穴は、本件事故の爆発の衝撃で大きくなったものと認められ(前記2(1)イ)、0.49mmの肉厚は、爆発により 拡大した穴の周囲に残存した管の厚みであって(前記1(8)ア)、本件事故前日に開いた穴の部分又はその周囲の管の肉厚を示すものではないから、上記指摘によっても、本件事故前の時点で本件ガス管部分の最も減肉していた部分がガス供給圧力に耐え得る状態であったかは明らかでなく、ましてや、ガス管として通常有すべき強度、すなわち、通常想定される外力にも耐える程 度の強度を備えていたことが裏付けられることはないというべきである。 このほか、F意見書には、0.49mmの板厚とJIS規格のSGP白鋼管の強度を基にすると1.47mmのサイズの穴を開けるためには53.5Kgfの抜き加工力が必要であり、1つの推理として、電工用マイナスドライバーと結束バンドを使用し、ドライバー(先端から4分の1の部分)に結 束バンドで梃子の支点となる接点を作れば、先端の抜き加工力が3倍に増幅 されて、17.8Kgf程度の外力で穴が開くことから、本件事故の原因となった配管の穴は、何らかの鋭く硬い物体による強い衝撃を受けて発生した損傷と考えるのが妥当であるとの記載がある(乙F12・6、11頁)が、本件改修工事には、ガス設備に関する工事は 、本件事故の原因となった配管の穴は、何らかの鋭く硬い物体による強い衝撃を受けて発生した損傷と考えるのが妥当であるとの記載がある(乙F12・6、11頁)が、本件改修工事には、ガス設備に関する工事は含まれていないから(前記1(5))、工具でガス管に直接に外力を加えるような作業がされたことは想定されず、 まして、F意見書で推理されるようなマイナスドライバーと結束バンドを用いて梃子の原理を利用した外力を加えるといった作業がされたことを想定する余地はない。しかも、本件ガス管部分は、本件流し台の下の配管であり、その上にはすのこ状の台もあったこと(前記1(4)ア)からすれば、本件改修工事の際に、その配管に鋭く硬い物体による強い衝撃が加わったことも想定 し難いというべきである。加えて、0.49mmの肉厚は、爆発により拡大した穴の周囲に残存した管の厚みであり、本件事故前日に開いた穴の部分又はその周囲の厚みではないこと(前記)、穴の部分には著しい錆及び腐食があったこと(前記1(8)ア)からすると、本件ガス管部分に穴を開けるために、0.49mmの板厚とJIS規格の管の強度を基に算出された抜き加工力に 相当するほどの強い外力を要したとも認められない。 以上によれば、配管に想定外の外力が加わったことで穴又は亀裂が生じたものとは認められず、LPガスの漏えいは、本件ガス管部分の著しい腐食及び錆の進行に起因して生じたものであり、被告保安管理センターが定期点検調査でその著しい腐食及び錆を見落としたことが、本件事故の発生に繋がっ たということができる。 (3) このほか、被告保安管理センターは、①「使用上支障のある腐食」(液石法施行規則44条1号イ)及び「著しい腐食」(保安業務ガイド)についての判定基準が定められていないこと、②白管をコン (3) このほか、被告保安管理センターは、①「使用上支障のある腐食」(液石法施行規則44条1号イ)及び「著しい腐食」(保安業務ガイド)についての判定基準が定められていないこと、②白管をコンクリート面に直接設置した場合は埋設管として点検調査を行うこととされており、埋設管の漏えい試験に ついては、被告伊東石油が毎月ガスメーターの警報表示で確認し、被告保安 管理センターも令和元年12月2日の漏えい検査でもガス漏れがないことを確認したこと、③厨房のコンクリート面に直接設置されている白管が例示基準に違反していても、点検調査結果を「否」にしたり、撤去を求めたりすることはできないこと、④被告伊東石油、被告高島屋商店や工事業者、本件建物の責任者等にも本件事故についての責任があることなどを主張する。 しかしながら、前記①の点について、本件ガス管部分は全体に腐食による錆が見られ、赤褐色に変色しており、一部に剥離もあった上、実際に、著しく減肉し、今にも崩れてしまいそうな状態になっており(前記1(8)ア)、令和元年12月2日の定期点検調査時にも大きく変わらない程度の腐食及び錆があったと認められ、その腐食箇所に生じた亀裂又は穴からLPガスが漏え いしたのである(前記2(1)ア)から、判定基準が具体的に定められていないとしても、保安機関において、これを使用上支障のある腐食又は著しい腐食に当たると判断すべきであったことは当然というべきである。 前記②の点について、確かに、LPガス保安技術者向けWebサイトに掲載されている「埋設管維持管理の手引き」には、埋設管とは、埋設部に設置 されている供給管、配管と床下地下及び地表面の開口部のない構内の供給管、配管のことをいうとした上で、「腐食のおそれがある供給管、配管として、地 持管理の手引き」には、埋設管とは、埋設部に設置 されている供給管、配管と床下地下及び地表面の開口部のない構内の供給管、配管のことをいうとした上で、「腐食のおそれがある供給管、配管として、地面やコンクリート、地中または水面や水中に接触している管がありここでは、これらの管を含めて埋設管といいます。」と記載されているが(乙F7)、「ここでは」との文言があるように、これは、あくまで同手引きにおいて、コン クリート等に接触している管を、腐食のおそれがあるものとして、埋設管と同等に取り扱う旨を記載したものにすぎないから、同記載をもって、コンクリート上に直接設置された白管が、法令上の埋設管、すなわち、「亜鉛めっきを施した配管(防しょくテープを施したものを含み、機能を損なうおそれのある腐しょくが生じないものを除く。)であって地盤面下に埋設したもの」 (液石法施行規則37条1号イ(1))に当たると解することはできない。そし て、このほかにも、液石法、液石法施行規則その他の法令において、コンクリート上に直接設置された白管については、埋設管としての漏えい試験(液石法施行規則37条1号イ(1)、44条1号ヘ)のみを行えば足り、配管の腐食・割れ等や腐食防止の措置に関する調査(液石法施行規則37条1号イ(2)、44条1号イ、ロ)を要しないとする旨の規定があるとは認められない(な お、前記1(2)アのとおり、被告保安管理センター自身も、令和元年12月2日の定期点検調査では、本件建物の配管について、腐食、割れ、漏れ、腐食防止措置等を検査基準とする調査を行い、その良否の判定をしている。)。したがって、本件建物の配管について、漏えい試験について法令や例示基準に基づく試験が実施されていたとしても、それだけで、配管についての定期調 査が る調査を行い、その良否の判定をしている。)。したがって、本件建物の配管について、漏えい試験について法令や例示基準に基づく試験が実施されていたとしても、それだけで、配管についての定期調 査が適切に実施されたということはできない。 前記③の点について、消費設備の調査事項である、配管に腐しょくを防止する措置を講ずること(液石法施行規則37条1号イ(2)、44条1号ロ)に関し、例示基準は、白管等を室内等に設置する場合は地盤面、コンクリート面等の導電性の支持面に直接触れないように設置すると規定している(例示 基準28節の2(1)①(ⅱ))ところ、確かに例示基準は、液石法施行規則に定める技術的要件を例示したものであり、例示基準に合致する場合に同規則の基準に適合するものとされるにすぎず、例示基準に合致しないからといって、直ちに同規則の技術的要件に適合しないと判断されるものではないが(前記1(9)イ)、本件建物の厨房内のコンクリート上に直接設置された配管(白管) について、例示基準の上記規定には合致しないものの、他に腐食を防止するための適切な措置が講じられていたことについて、被告保安管理センターからも主張はなく、その措置が講じられていたことは何らうかがわれない。そうである以上、その配管は「腐しょくを防止する措置を講ずる」との技術上の基準(液石法施行規則44条1号ロ)に適合していなかったと認められる から、被告保安管理センターとしては、判定を「否」とし、これを消費設備 の所有者又は占有者に通知すべきであったといえる(液石法27条1項2号)。 前記④の点について、本件事故に関し、仮に被告伊東石油、被告高島屋商店、工事業者等がそれぞれの理由に基づいて賠償責任を負うことになるとしても、そのことから直ちに、被告保安管理センター 1項2号)。 前記④の点について、本件事故に関し、仮に被告伊東石油、被告高島屋商店、工事業者等がそれぞれの理由に基づいて賠償責任を負うことになるとしても、そのことから直ちに、被告保安管理センターが賠償責任を免れることになるわけではないから、上記の点は被告保安管理センターの責任を否定す る根拠にはならない。 (4) 以上によれば、Dの使用者である被告保安管理センターは、民法715条1項に基づき、本件事故によって損害を受けた被害者らに対し、損害賠償責任を負うと認められる。 7 争点5(被告レインズの責任原因)について (1) 原告は、被告レインズが被告高島屋商店に対して「しゃぶしゃぶ温野菜」の商号使用を許諾し、継続的に経営指導、技術支援を行っていたこと等を理由として、被告レインズが使用者責任を負うと主張する。 しかし、被告レインズと被告高島屋商店との関係は、フランチャイズ契約におけるフランチャイジーとフランチャイザーの関係にすぎず(前提事実(1) ウ)、被告レインズが、フランチャイズ契約に従って、被告高島屋商店に対し、「しゃぶしゃぶ温野菜」の商号の使用を許諾し、継続的に経営指導、技術支援を行っていたことは認められるが(弁論の全趣旨)、被告レインズが、被告高島屋商店に対し、本件店舗のガス設備の設置やその管理について、具体的な指示を行っていたことを認めるに足る証拠はない。また、上記フランチャ イズ契約に係る「店舗運営に関する規約」(乙B6の1)においては、一般的な防火管理等に関する指導やガス漏れがあった場合の報告義務の定め(第15条)等があるが、ガス設備の設置や管理についての具体的な定めはなく、上記フランチャイズ契約に基づいて、被告レインズが被告高島屋商店に対し、ガス管の設置や管理について指導 場合の報告義務の定め(第15条)等があるが、ガス設備の設置や管理についての具体的な定めはなく、上記フランチャイズ契約に基づいて、被告レインズが被告高島屋商店に対し、ガス管の設置や管理について指導すべき義務を負っていたとは認められない。 なお、証拠(甲10)によれば、令和2年4月からの本件店舗の休業に当 たり、被告レインズが被告高島屋商店に対し、ガスの元栓を閉めるよう指示をしたことが認められるが、これは、防火管理のための一般的な注意喚起にすぎないと考えられるから、同指示があったことをもって、被告レインズが、被告高島屋商店のするガス設備の管理について指揮・監督をすべき立場にあったということはできない。そして、このほかにも、被告レインズと被告高 島屋商店との間に雇用に類する従属関係があったことや、被告レインズが被告高島屋商店又はその従業員に対してした指導・支援の内容を踏まえて、被告レインズが本件店舗におけるガス設備の設置・管理に関して具体的な指揮・監督を及ぼしていたことを認めるに足る事情は見いだせない。 (2) よって、本件事故について、被告レインズが、民法715条1項に基づく 損害賠償責任を負うとは認められない。 8 争点6(被告芙蓉総合リースの責任原因)について原告の被告芙蓉総合リースに対する請求は、土地工作物であるガス管の所有者としての責任に基づくものであるところ、前記4(2)のとおり、ガス管が本件建物に付合し、その所有権が被告芙蓉総合リースに帰属したとは認められず、 また、この点を措くとしても、前記3及び4のとおり、被告高島屋商店及び被告伊東石油にガス管の占有者としての責任が認められる以上、被告芙蓉総合リースが、民法717条1項ただし書に基づく損害賠償責任を負う余地はない。 よって、原告 記3及び4のとおり、被告高島屋商店及び被告伊東石油にガス管の占有者としての責任が認められる以上、被告芙蓉総合リースが、民法717条1項ただし書に基づく損害賠償責任を負う余地はない。 よって、原告の被告芙蓉総合リースに対する請求は、理由がない。 9 争点7(Aの損害額及び原告の保険代位)について (1) Aの損害額ア車両損害本件事故の爆風及び飛来物によって本件自動車にはリアガラスの割れ、車体の変形、外装の損傷等が生じたと認められる(前記1(7)ア)ところ、証拠(甲2)によれば、これにより本件自動車は全損となり、Aは、車両 時価額である137万5000円の損害を被ったと認められる。 この点に関し、被告保安管理センターは、本件自動車の時価額が101万4500円を上回らないと主張し、インターネット上の同車種、同等車両の中古車販売価格の検索結果(乙F25)を提出するが、同検索結果はごく限られた台数の資料であり、しかも、本件事故から4年以上後の時点での販売価格に関するものであるから、その検索結果に基づく価格が、い わゆるレッドブックに基づいて算定された価格(137万5000円。甲2)よりも的確なものであるとはいえない。 イレッカー費用証拠(甲3)によれば、本件自動車のレッカー費用として、1万3200円を要したことが認められる。 (2) 原告による保険代位原告は、本件保険契約に基づき、Aのために、令和2年8月14日までに、車両保険金(買替諸費用を含む。)181万5000円及びレッカー費用1万3200円を支払い(前記1(7)イ)、これにより、前記(1)の損害(合計138万8200円)について、Aに代位して、その損害賠償請求権を取得した む。)181万5000円及びレッカー費用1万3200円を支払い(前記1(7)イ)、これにより、前記(1)の損害(合計138万8200円)について、Aに代位して、その損害賠償請求権を取得した ものと認められる(保険法25条1項)。 (3) 結論よって、原告は、被告高島屋商店、被告伊東石油、被告小西造型及び被告保安管理センターに対し、138万8200円及びこれに対する代位の翌日である令和2年8月15日から支払済みまで年3分の割合による遅延損害金 の連帯支払を求めることができる。 第4 結語以上によれば、原告の被告高島屋商店、被告伊東石油、被告小西造型及び被告保安管理センターに対する請求はいずれも理由があるからこれを認容し、被告レインズ及び被告芙蓉総合リースに対する請求はいずれも理由がないからこれを棄 却し、被告小西造型及び被告保安管理センターが求める仮執行免脱宣言について は、相当でないからこれを付さないこととして、主文のとおり判決する。 福島地方裁判所郡山支部 裁判長裁判官足立拓人 裁判官百瀨玲 裁判官髙田優
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