平成12(行ケ)242

裁判年月日・裁判所
平成13年4月24日 東京高等裁判所
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判決文本文2,664 文字)

平成12年(行ケ)第242号特許取消決定取消請求事件口頭弁論終結日平成13年4月24日判決原告シチズン時計株式会社訴訟代理人弁理士高宗寛暁被告特許庁長官及川耕造指定代理人豊岡静男同東森秀朋同山口由木同大橋良三 主文 特許庁が平成11年異議第72849号事件について平成12年5月23日にした決定を取り消す。 訴訟費用は原告の負担とする。 事実及び理由 1 原告の請求特許庁が平成11年異議第72849号事件について平成12年5月23日にした決定を取り消す。 訴訟費用は被告の負担とする。 2 当事者間に争いのない事実(1) 特許庁における手続の経緯原告は,発明の名称を「2端子型アクティブマトリクス液晶表示装置の駆動方法」とする特許2851314号の特許(平成元年8月15日出願,平成10年11月13日設定登録,以下「本件特許」といい,その発明を「本件発明」という。)の特許権者である。 本件特許のうちその特許請求の範囲請求項1及び2に係る部分につき,平成11年7月27日,特許異議の申立てがなされ,特許庁は,これを平成11年異議第72849号事件として審理した結 ある。 本件特許のうちその特許請求の範囲請求項1及び2に係る部分につき,平成11年7月27日,特許異議の申立てがなされ,特許庁は,これを平成11年異議第72849号事件として審理した結果,平成12年5月23日,「特許第2851314号の請求項1ないし2に係る特許を取り消す。」との決定をし,同年6月12日に,その謄本を原告に送達した。 (2) 決定の理由決定の理由は,要するに,請求項1及び2に係る特許は,特許法29条2項の規定に違反して登録されたものであるから,取り消されるべきである,とするものである。 (3) 原告は,本訴が係属中の平成13年1月22日,本件特許の出願の願書に添付された明細書の訂正をすることについて審判を請求し,特許庁は,これを訂正2001-39008号事件として審理した結果,平成13年2月27日に上記訂正をすることを認める旨の審決(以下「訂正審決」という。)をし,これが確定した。 (4) 訂正審決による訂正の内容(ア) 訂正審決による訂正前の特許請求の範囲請求項1,2(請求項1)「マトリクス配置されたデータ線及び走査線と,該データ線及び走査線の交点に対応して設けられた液晶表示画素と少なくとも1つの2端子型スイッチング素子とを有し,前記走査線に印加される走査信号と前記データ線に印加されるデータ信号により液晶表示画素が駆動される2端子型アクティブマトリクス液晶表示装置の駆動方法に於て,2端子型スイッチング素子は非線形抵抗素子であり,該走査信号は正負の書き込み電圧をとる書き込み区間を有し,該書き込み区間の前には該書き込み電圧とは逆極性で且つ前記書き込み電圧の絶対値と等しいか前記書き込み電圧以上の大きさの絶対値の電圧のリセット区間を有する事を特徴とする2端 圧をとる書き込み区間を有し,該書き込み区間の前には該書き込み電圧とは逆極性で且つ前記書き込み電圧の絶対値と等しいか前記書き込み電圧以上の大きさの絶対値の電圧のリセット区間を有する事を特徴とする2端子型アクティブマトリクス液晶表示装置の駆動方法。」(請求項2)「2端子型スイッチング素子はMIM素子である事を特徴とする請求項1記載の2端子型アクティブマトリクス液晶表示装置の駆動方法。」(イ) 訂正審決による訂正後の特許請求の範囲請求項1,2(下線部が訂正された箇所である。)(請求項1)「マトリクス配置されたデータ線及び走査線と,該データ線及び走査線の交点に対応して設けられた正負の電圧で駆動される液晶表示画素要領CLCを有する液晶表示画素と該液晶表示画素に正負の電圧を書き込む少なくとも1つの2端子型スイッチング素子容量CSWを有する2端子型スイッチング素子とを有し,前記走査線に印加される走査信号と前記データ線に印加されるデータ信号により液晶表示画素が駆動される2端子型アクティブマトリクス液晶表示装置の駆動方法に於て,2端子型スイッチング素子は非線形抵抗素子であり,行毎反転法による駆動回路の動作電圧を走査信号の書き込み電圧の極性に応じて変動する最大電圧と最小電圧の差に設定して動作させ前記駆動回路の該走査信号は正負の書き込み電圧をとる正負の書き込み区間を有し,該走査信号の書き込み区間の前には該書き込み電圧とは逆極性で且つ前記書き込み電圧の絶対値と等しいか前記書き込み電圧以上の大きさの絶対値の電圧のリセット区間を有し前記走査信号のリセット区間の電圧と前記書き込み区間の電圧の変動分に対し前記液晶表示画素容量と前記2端子型スイッチング素子容量の間の点における書き込み区間の最初の電圧はリセッ 電圧のリセット区間を有し前記走査信号のリセット区間の電圧と前記書き込み区間の電圧の変動分に対し前記液晶表示画素容量と前記2端子型スイッチング素子容量の間の点における書き込み区間の最初の電圧はリセット区間の最終電圧から前記液晶表示画素容量と前記2端子型スイッチング素子容量の容量比の割合に応じて変化する電圧とし,前記書き込み区間の2端子型スイッチング素子に印加される電圧を大きくしたことを特徴とする2端子型アクティブマトリクス液晶表示装置の駆動方法。」(請求項2)「2端子型スイッチング素子はMIM素子である事を特徴とする請求項1記載の2端子型アクティブマトリクス液晶表示装置の駆動方法。」 3 当裁判所の判断上記当事者間に争いのない事実によれば,本件特許の請求項1,2については,特許法29条2項の規定に違反して登録された特許であることを理由に特許を取り消した決定の取消しを求める訴訟の係属中に,当該特許に係る特許請求の範囲の減縮を含む訂正の審決が確定したということになり,決定は,結果として,判断の対象となるべき発明の要旨の認定を誤ったものとなる。この誤りが決定の結論に影響を及ぼすことは明らかである。したがって,決定は取消しを免れない。 4 以上によれば,本訴請求は理由がある。そこで,これを認容し,訴訟費用の負担については,原告に負担させるのを相当と認め,行政事件訴訟法7条,民事訴訟法62条を適用して,主文のとおり判決する。 東京高等裁判所第6民事部 裁判長裁判官山下和明 裁判官設楽 長裁判官山下和明 裁判官設楽隆一 裁判官阿部正幸

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