【DRY-RUN】主 文 原判決を破棄し、第一審判決を取り消す。 本件を横浜地方裁判所に差し戻す。 理 由 上告代理人増本一彦の上告理由について。 論旨は、要するに
主文 原判決を破棄し、第一審判決を取り消す。 本件を横浜地方裁判所に差し戻す。 理由 上告代理人増本一彦の上告理由について。 論旨は、要するに、本件訴えの利益を否定した原判決は、法令の解釈、適用を誤つたものである、というのである。 本件は、被上告人が上告人に対してした昭和三七年分所得税更正処分に対する上告人の異議申立てを棄却する旨の昭和三九年七月一一日付決定につき、理由附記に不備があると主張してその取消しを求める訴訟であるが、原審の確定するところによれば、上告人が右更正処分につき東京国税局長に対して異議申立てと同旨の不服事由をあげて審査請求をしたところ、同国税局長は、昭和四〇年一〇月八日付をもつて、右不服事由に対しかなり詳しい理由を附記して審査請求を棄却する旨の裁決をした、というのであり、原審は、右裁決の理由附記は法の要求を充たす程度のものと認められるとしている。 案ずるに、異議決定を経たのちの原処分に対して審査請求がされ、これに対して原処分を維持する裁決があり、これに適法な理由附記があつても、それによつて理由附記の不備を理由とする異議申立棄却決定の取消しを求める訴えの利益が失われるものではないと解すべきこと、及び、右の異議申立ては、一たんこれについて決定がされその取消訴訟が提起された場合には、その取消判決が確定した時当初の異議申立てからすでに三月を経過していても、昭和四五年法律第八号による改正前の国税通則法八〇条一項一号の規定により当然に審査請求に移行するものではないと解すべきことは、当裁判所判例(昭和四二年(行ツ)第七号同四九年七月一九日第二小法廷判決)の示すところである。 - 1 -したがつて、本件異議棄却決定の取消しを求める訴えはなおその利益があるものというべく、これ 当裁判所判例(昭和四二年(行ツ)第七号同四九年七月一九日第二小法廷判決)の示すところである。 - 1 -したがつて、本件異議棄却決定の取消しを求める訴えはなおその利益があるものというべく、これを否定した原判決は法律の解釈を誤つたものであり、その違法は判決の結論に影響を及ぼすことが明らかであるから、原判決を破棄すべく、また、本件訴えを利益なしとして却下した第一審判決も違法であるので、これを取り消し、本件を横浜地方裁判所に差し戻すのが相当である。 よつて、行政事件訴訟法七条、民訴法四〇八条、三九六条、三八六条、三八八条に従い、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。 最高裁判所第一小法廷裁判長裁判官岸盛一裁判官大隅健一郎裁判官藤林益三裁判官下田武三- 2 -
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