平成30(行コ)71 銃砲所持許可申請許可処分の義務付け等請求控 訴事件

裁判年月日・裁判所
平成31年4月18日 名古屋高等裁判所
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判決文本文3,255 文字)

- 1 -平成31年4月18日判決言渡平成30年(行コ)第71号銃砲所持許可申請許可処分の義務付け等請求控訴事件(原審・名古屋地方裁判所平成29年(行ウ)第118号) 主文 1 本件控訴を棄却する。 2 控訴費用は控訴人の負担とする。 事実 及び理由第1 控訴の趣旨 1 原判決を取り消す。 2 愛知県公安委員会が平成29年9月22日付けで控訴人に対してした銃砲所持許可申請不許可処分を取り消す。 3 愛知県公安委員会は,控訴人が平成29年6月20日にした銃砲所持許可申請に対する許可処分をせよ。 第2 事案の概要 1 本件は,控訴人が,愛知県公安委員会に対し,平成29年6月20日に,銃砲所持許可申請(以下「本件申請」という。)をしたところ,同年9月22日付けで,本件申請につき,銃砲刀剣類所持等取締法(平成29年法律第52号による改正前のもの。以下「銃刀法」という。)5条1項18号所定の欠格事由(以下「本件欠格事由」という。)に該当することを理由に不許可とする処分(以下「本件不許可処分」という。)を受けたため,その取消しを求めるとともに,本件申請に対する許可処分の義務付けを求める事案である。 原判決が,本件訴えのうち許可処分の義務付けを求める部分を却下し,その余の請求(本件不許可処分の取消し請求)を棄却したため,控訴人が控訴した。 2 関係法令の定め,前提事実,争点及び争点に関する当事者の主張の要- 2 -旨は,原判決「事実及び理由」第2の1ないし3に記載のとおりであるから,これを引用する。ただし,原判決7頁12行目の「同条」を「同法5条」に改める。 第3 当裁判所の判断 1 当裁判所も,本件訴えのうち,本 事実及び理由」第2の1ないし3に記載のとおりであるから,これを引用する。ただし,原判決7頁12行目の「同条」を「同法5条」に改める。 第3 当裁判所の判断 1 当裁判所も,本件訴えのうち,本件申請に対する許可処分の義務付けを求める部分は不適法であり,控訴人のその余の請求(本件不許可処分の取消し請求)は理由がないものと判断する。その理由は,次のとおり補正し,後記2のとおり付加するほかは,原判決「事実及び理由」第3に記載のとおりであるから,これを引用する。 (1) 原判決10頁16行目及び18行目の各「病院」をいずれも「医院」に改め,20行目の「あったことから」の次に「,同じ頃」を加える。 (2) 同11頁4行目及び12頁5行目の各「乙5」をいずれも「乙4,5」に,同頁17行目の「乙14の1」を「乙4,7,14の1」にそれぞれ改める。 (3) 同12頁22行目の「同様の事実」を「本件暴力的言動2及び4の一部と同旨の事実」に改める。 (4) 同14頁3行目の「1年以上」の次に「(当審口頭弁論終結時点では約1年9か月)」を加え,6行目の「証拠をなるよう」を「証拠となるよう」に改める。 (5) 同16頁20行目末尾の次に,改行の上,次のように加える。 「 この点に関し,控訴人は,Aは,結婚して間もない頃控訴人から暴力を受け隣家に逃げ込んだことがあったが,その際,隣人から,控訴人の前妻も控訴人から暴力を受けて隣家に逃げ込んだことがあり,隣人は前妻を名鉄津島線の「B駅」まで送って行ったと聞いた旨述べているところ,控訴人が平成30年4月22日午前6時3分頃に隣家を訪問して,隣人と約7分間面談したところ,隣人はそ- 3 -のような事実はないと語っていたとして,その会話記録(録音データ及び反訳書。甲4の1・2)を提出し,Aの証言等には 前6時3分頃に隣家を訪問して,隣人と約7分間面談したところ,隣人はそ- 3 -のような事実はないと語っていたとして,その会話記録(録音データ及び反訳書。甲4の1・2)を提出し,Aの証言等には虚偽がある旨主張する。 しかしながら,上記会話記録は,控訴人が早朝に唐突に隣家を訪れ,応対した85歳の女性に対し,約40年前の出来事を問い質した際のやり取りを記録化したものであり,会話の内容も大半は控訴人が話しているものであって,上記会話記録における隣人の発言が真意に基づくものであるか及び発言内容の正確性には疑問が残るところであり,これをもってAの証言等が虚偽であるとか,その信用性が損なわれたなどということはできない。」 2 控訴人は,銃刀法5条1項18号所定の欠格事由(本件欠格事由)にいう「おそれ」とは,将来における危害が発生する抽象的な可能性が存在することをもって足りるとし,その判断に当たっては10年より前の事実を根拠とすることも許されるとした原判決の法律解釈は,論理的に不合理で誤ったものであり,また,客観的資料でない本件各メモ帳・聞取書や,反対尋問において極めて不誠実な対応であったAの証言の証拠価値が低いにもかかわらず,原判決が控訴人の暴力的言動を認定したことは,論理則・経験則に反する誤ったものである旨主張する。 しかしながら,銃砲等による危害の重大性に鑑み,銃砲等から国民の生命・身体等に危害が生じることの予防を重視した銃刀法の趣旨や,同法5条1項1号から17号までの欠格事由が危害発生の抽象的な可能性の存在を示すものにとどまることなどからすれば,同項18号にいう,他人の生命,身体若しくは財産又は公共の安全を害する「おそれ」に,具体的,現実的な発生の可能性を要求すべきではなく,抽象的な可能性の存在をもって足りると解す ることなどからすれば,同項18号にいう,他人の生命,身体若しくは財産又は公共の安全を害する「おそれ」に,具体的,現実的な発生の可能性を要求すべきではなく,抽象的な可能性の存在をもって足りると解すべきこと,同条1項18号に,その該当性判断において10年以上前の事実を根拠とすることを否定する文言はな- 4 -く,同法5条の2第2項2号及び3号は,同法5条1項18号とは申請者の行為の位置付けを異にするから,これをもって同号の判断根拠となる事実を10年以内のものに限定する理由にはならないこと,銃砲所持許可申請書の付属書類の書式も同号の判断において10年以上前の事実を根拠とすることを否定する趣旨のものとはいえないことは,前記1で原判決を引用して詳細に説示したとおりである。 また,Aの述べる本件各暴力的言動を含む控訴人の暴力的言動は相当程度に具体的なものであるところ,本件メモ帳1は,控訴人が銃の所持の許可を取得する意向を有していることを聞く以前にAが記載したものと認められること,Aにおいて,本件メモ帳1に虚偽ないし誇張した事実を記載する動機があるとも認められないことなどからすれば,Aの証言等(聞取書及び陳述書を含む。)及び本件各メモ帳の証拠価値は高く,これらの証拠によって,本件各暴力的言動を含む控訴人の暴力的言動を認定することができるというべきであって,このことも,前記1で原判決を引用して詳細に説示したとおりである(なお,控訴人は,Aが反対尋問において極めて不誠実な対応であったとも主張するが,Aは,控訴人に対する畏怖を訴えつつも,必ずしも適切とはいえない控訴人の質問に対し可能な限り答えようとしたものと認められ,不誠実な証言態度であったとはいえない。)。 したがって,控訴人の前記主張は採用することができず,その他控訴人が当 適切とはいえない控訴人の質問に対し可能な限り答えようとしたものと認められ,不誠実な証言態度であったとはいえない。)。 したがって,控訴人の前記主張は採用することができず,その他控訴人が当審において種々主張するところを踏まえても,前記1の認定判断は左右されない。 3 よって,原判決は相当であり,本件控訴は理由がないから棄却することとして,主文のとおり判決する。 名古屋高等裁判所民事第4部 - 5 -裁判長裁判官戸田久 裁判官朝日貴浩 裁判官髙橋信幸

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