昭和26(ラ)418 不動産競落許可決定に対する抗告事件

裁判年月日・裁判所
昭和27年1月22日 東京高等裁判所 棄却
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【DRY-RUN】主    文      本件抗告を棄却する。          理    由  本件抗告の要旨は、  (一) 原審は、神奈川県中郡a町bc番地において抗告人代表者代表取締役A に対し昭和二十六年十一月

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判決文本文3,605 文字)

主文 本件抗告を棄却する。 理由 本件抗告の要旨は、(一) 原審は、神奈川県中郡a町bc番地において抗告人代表者代表取締役Aに対し昭和二十六年十一月二十八日午前十時の本件競売期日の通知をなしたとして競売を実施しこれに基き木件競落許可決定を言い渡したが、抗告人の住所は東京都大田区de丁目f番地にあつて右通知の場所になく、又代表者Aも昭和二十六年八月から後は右場所に居住していない。前記通知は、同人の家族が同人の名において受け取つたもので、抗告人に対する適法な通知ということができない。 (二) 本件競売の目的たる建物については、昭和二十四年三月十七日からBにおいて賃借居住し、現に賃貸借関係があるのにかかわらず、本件競売期日の公告にこれを記載せず、却つて賃貸借なしと記載したのは違法である。 (三) 本件競落価額は、甚しく低廉で鑑定人の評価額の三分の一にも足らない。もつとも従前の競売期日において許すべき競売価額の申出がたかつたとの理由で当初の最低競売価額は再三低減せられた模様であるが、いやしくも財産権は憲法の保障しているものであるから、たとえ前例があるからといつてその実価以下に引き下げるということは所有権の侵害であつて、この点に関する原審の措置は、憲法に違反しかつ新憲法下における経済上及び事情変更の大原則を無視せるものであつて、ひつ竟民事訴訟法第六百五十五条により適法に最低競売価額を定めなかつたものというの外ない。しかも競落人Cは単なるロボットであつてその背後にあるDは抗告人代表者Aと特殊の事情あり感情上本件最低競売価額の再三の低減をまつて競落人をして競落せしめたるものの如く、正当なる競落による競売とは到底認められない。 (四) 競売物件中附属第二、三の物件は、現存しているのにかかわらず現存し 本件最低競売価額の再三の低減をまつて競落人をして競落せしめたるものの如く、正当なる競落による競売とは到底認められない。 (四) 競売物件中附属第二、三の物件は、現存しているのにかかわらず現存しないものとして競売を実施したのは違法である。 よつて「原決定を取り消す。本件競落を許さない。」との裁判を求める。 というにあつて、疏明として、登記薄抄本並びに住所寄留薄謄本を提出した。 しかしながら、(一) 記録編綴の郵便送達報告書によれば、昭和二十六年十一月二十八日午前十時の本件競売期日の通知は、抗告人代表者取締役A宛郵便に依る通知書の送達によりなされ、同人は、同年十一月六日神奈川県中郡c町bc番地において右送達を受けた事実が明らかであつて、抗告人は右Aは同年八月以降右送達場所に居住せず、右通知は同人の家族が受け取つたものであると主張するが、右事実を認むべき疏明方法がないばかりでなく、記録によれば、当初本件商売開始決定正本及び神奈川県中地方事務所長提出の配当要求副本を抗告人の登記簿上の本店所在地である東京都大田区de丁目f番地株式会社スタンダートコーポレーシヨン代表取締役A宛郵便により送達したところ、転居先不明の故を以て送達不能となつたので、あらためて神奈川県a町bc番地を送達の場所として送達し、その後屡次にわたる送達は、昭和二十六年八月以降の分もすべて同所において支障なくなされている事実が明らかであるから、仮りにたまたま本件通知書を受け取つたものが、Aの家族であつたとしても弁識能力を備えている限りその送達を無効とすることができず、抗告人の登記簿上の本店所在地が右送達の場所と異なることは、右送達を不適法ならしめるものでない。よつて抗告人の抗告理由(一)は理由がない。 (二) Bがその家族と共に本件家屋に居住していることは横浜地方裁判所小 簿上の本店所在地が右送達の場所と異なることは、右送達を不適法ならしめるものでない。よつて抗告人の抗告理由(一)は理由がない。 (二) Bがその家族と共に本件家屋に居住していることは横浜地方裁判所小田原支部執行吏Eの報告書により、又、同人が昭和二十四年三月十七日東京都大田区d町e丁目f番地から神奈川県中郡a町bc番地に転寄留したとして同日その旨の届出をなしたことは抗告人提出の住所寄留簿謄本により、それぞれ明らかであるが、同人を賃借人とする賃貸借関係の存在することは、これを認むべき疏防方法なく、却つて前記報告書によれば、同人はAの実弟であつて本件家屋に居住しているが、その間賃貸借関係のないことが明らかであるから、抗告人の抗告理由(二)は理由がない。 (三) 不動産競売手続において最低競売価額は絶対的な法定売却条件をなしており、従つてこれに達しない競売価額の申出は許されないし、誤つて競売が行われたとしてもこれに基く競落は許されない。これ競売の目的物件が不当に廉売されるとを防止せんことする趣旨であつて、不当に廉売することは、債権者債務者の利益は勿論、社会経済上も好ましくないからである。そしてこれがため法律は最低競売価額を定めるにつき愼重を期し予め鑑定人をして競売に付すべき不動産の評価をなさしめその評価額を以て最低競売価額とすることにしてい<要旨第一>る(民事訴訟法第六百五十五条、競売法第二十八条参照)。しかしながら最低競売価額で競買の申出がない場合</要旨第一>裁判所はその意見を以てこれを相当に低減し新競売を行うべきこともまた法律の規定するところであつて(民事訴訟法第六百七十条、競売法第三十一条参照)、なる程この間隙に乗じて競買人が相い謀つて低価に競落せんと企てる虞れは必ずしも絶無ではないであろうけれども、かかる事実が明白になつた時は、競 あつて(民事訴訟法第六百七十条、競売法第三十一条参照)、なる程この間隙に乗じて競買人が相い謀つて低価に競落せんと企てる虞れは必ずしも絶無ではないであろうけれども、かかる事実が明白になつた時は、競売の本質にたがうものとしてその競落を不許とすればよいのであつて、これがため、右法律の規定を憲法に反する無効のものということができない。 <要旨第二>今これを本件についてみるに、鑑定人Eの鑑定書によれば、本件競売の目的物件たる宅地建物の評価額</要旨第二>は、宅地金二十万円二千五百円、二階建本家金六十万円、附属第一号倉庫金十二万円であつて(附属第二号第三号の建物は現存しない。)、原裁判所は、これを以て最低競売価額と定め昭和二十五年七月二十六日午前十時の競売期日において競売を実施したところ、許すべき競売の申出がなかつたので、その意見を以て最低競売価額を低減し、宅地金十八万二千三百円、本家五十四万円、倉庫十万八千円と定めて同年九月六日午前十時の新競売期日において競売を実施したけれども、なお許すべき競買の申出がなかつたので、さらに最低競売価額を低減し、再三新競売を実施し、ついに本件昭和二十六年十一月二十八日午前十時の新競売期日において最低競売価額を宅地金四万六千八百円、本家十三万七千七百円、倉庫二万六千円と定めて競売を実施したところ、競買人Cは、宅地金十二万六千八百円、本家十三万七千七百円、倉庫三万五千五百円を以て競買の申出をなし、ことに漸く本件競落をみたことは、記録により明らかであつて、その競落価額は当初の評価額より格段に低廉でおることは争うことのできない事実であるけれども、競売開始より本件競落までの経過に徴するときは、原裁判所のなした最低競売価額の低減は特に不相当であるということができず、これがため法定の売却条件に違背するものということができない 実であるけれども、競売開始より本件競落までの経過に徴するときは、原裁判所のなした最低競売価額の低減は特に不相当であるということができず、これがため法定の売却条件に違背するものということができない。抗告人は、競落人Cは単なるロボットであつて真実の競落人はDであり、本件最低競売価額の再三の低減をまつて不当に廉価に競落したものの如く主張するもこれを認むべき疏明方法なくCのなした本件競買の申出を競売の本質に反するものということができない。従つて、原裁判所が同人に競落を許可したのは相当であつて、抗告人の抗告理由(三)は理由がない。 (四) 鑑定人Eの鑑定書によれば、本件競売の目的物件中附属第二号木造瓦葺平家居宅建坪十坪、附属第三号木造亜鉛葺平家茶室建坪三坪は現存しないことが明らかであるので、原裁判所がこしを現存しないものとして競売を実施したのは相当であつて、抗告人の抗告理由(四)は理由がない。 (五) その他記録を精査するも、本件競売手続には原決定取消の事由となすに足る違法の点を発見することができない。 よつて、抗告人の抗告を理由なしとし主文のとおり決定した。 (裁判長判事大江保直判事梅原松次郎判事猪俣幸一)

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