平成17(ワ)4749 地位確認等請求事件(通称 関西金属工業解雇)

裁判年月日・裁判所
平成18年9月6日 大阪地方裁判所
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判決文本文26,593 文字)

主文 原告A,原告B,原告C,原告D,原告E,原告F,原告G,原告H及び原告Iが,被告に対し,雇用契約上の権利を有する地位にあることを確認する。 被告は,原告A,原告B,原告C,原告D,原告E,原告F,原告G,原告H及び原告Iに対し,平成16年6月から本判決確定の日まで毎月26日限り,別紙賃金目録記載の各金員及びこれに対する各支払期日の翌日から支払済みまで年6分の割合による金員を支払え。 被告は,原告Jに対し,次の金員を支払え。 (1) 平成16年6月から平成17年4月まで毎月26日限り,各52万7210円及びこれに対する各支払期日の翌日から支払済みまで年6分の割合による金員(2) 43万9342円及びこれに対する平成17年5月27日から支払済みまで年6分の割合による金員 原告Jのその余の請求を棄却する。 訴訟費用は被告の負担とする。 この判決は,第2項及び第3項に限り,仮に執行することができる。 事実及び理由 第1当事者の求めた裁判 原告ら(1) 主文第1項に同旨(2) 被告は,原告A,原告B,原告C,原告D,原告E,原告F,原告G,原告H及び原告Iに対し,平成16年6月から本判決確定の日まで,原告Jに対し,同月から平成17年5月まで,毎月26日限り,別紙賃金目録 記載の各金員及びこれに対する各支払期日の翌日から支払済みまで年6分の割合による金員を支払え。 (3) 訴訟費用は,被告の負担とする。 (4) (2)につき仮執行宣言 被告(1) 原告らの請求をいずれも棄却する。 (2) 訴訟費用は,原告らの負担とする。 第2事案の概要 前提事実(証拠等の掲記のない事実は当事者間に争いがない)。 (1) 当事者等ア被告は,昭和26年に設立された株式会社であって,鈑金及び金属の加工を業とする者で 担とする。 第2事案の概要 前提事実(証拠等の掲記のない事実は当事者間に争いがない)。 (1) 当事者等ア被告は,昭和26年に設立された株式会社であって,鈑金及び金属の加工を業とする者であり,工事用照明器具,電撃殺虫器等の製造及び販売を行っている。 被告の現在の資本金は3600万円であり,大阪市<以下略>に本社社屋(本社工場を含む,組立工場,金属工場及び第2工場を有して。)いる。 平成16年3月の時点において,被告の取締役数は3名,被告の全従業員数(管理職,パート,嘱託を含む)は約51名,被告の正社員の。 数(原告らを含む)は32名であった(乙9,52。 。 )イ原告らは,いずれも昭和36年から昭和52年までの間に被告に入社し,それ以来,正社員として勤続してきた者である。 ウ原告らは,いずれも全日本金属情報機器労働組合全大阪金属支部(以下「本件組合」という)の組合員であり,その関西金属工業分会(以。 下「本件分会」という)に所属している。本件分会の構成員は,原告。 ら10名を含めて合計12名である。 エ昭和55年10月4日,本件分会(当時の名称は「全大阪金属産業労 働組合関西金属工業分会」であった)は,被告との間で協定を締結し。 (以下「本件協定」という,その際「今後労働条件に関する変更に。),ついては,会社・組合の交渉で協議決定し,会社は一方的に行わない。 また,労使が合意した事項は書面に記し,双方誠意をもってこれを遵守する。ただし,労働条件については,労働基準法にいう一般的な範囲とする」旨が合意された(甲2。以下,この合意条項を「本件条項」と。 いう。 。)また,本件分会の組合員であったKの配転の件についての紛争に関して,平成15年3月6日,同人と被告との間において和解協定が成立し,,「,。」 ,この合意条項を「本件条項」と。 いう。 。)また,本件分会の組合員であったKの配転の件についての紛争に関して,平成15年3月6日,同人と被告との間において和解協定が成立し,,「,。」()。 たがその際被告は本件協定を遵守する旨が約された甲3(2) 原告らが解雇された経緯ア松下電工株式会社(以下「松下電工」という)との取引の解消等。 被告は,長年にわたって,松下電工と取引を行ってきたが,平成4年をピークに取引量が縮小し,平成14年11月30日には,松下電工との取引が完全に解消された(乙48,49。このため,被告の売上高)が減少した。 このような動きの中,被告は,同年10月22日,勤続1年以上の従業員全員を対象として,20名の希望退職者を募ったところ,これに対,,(,しては26名の従業員が退職に応募し応募者全員が退職した以下この希望退職者の募集を「第1次希望退職者募集」という。乙70。 )イ被告による新たな人員整理の提案(本件計画)被告は,平成16年3月22日,本件組合に対し,新たな人員整理の方針及び計画を示し同月23日全従業員に対しこれを発表した甲,,,(4~7。以下,被告において策定されたこの人員整理の計画を「本件計画」という。 。)この際に被告から示された本件計画の概要は次のとおりである甲,,( 4~7。 )(ア) 勤続30年以上の全従業員に対して,募集人員を6名として,希望退職者を募集する(以下,この希望退職者募集を「第2次希望退職者募集」という。 。)募集期間は,第1期を平成16年4月1日から同月7日まで,第2期を4月8日から同月14日まで,第3期を4月15日から同月20日までとする。 応募者については,通常の退職金に特別退職金を加算して支給することとし 第1期を平成16年4月1日から同月7日まで,第2期を4月8日から同月14日まで,第3期を4月15日から同月20日までとする。 応募者については,通常の退職金に特別退職金を加算して支給することとし,特別加算金の支給額は,第1期に応募した者を最大とし,第2期以降は漸減することとする。 退職日は,平成16年4月30日とする。 (イ) また,変更解約(解雇)告知(第1期として平成16年4月21日から同月30日まで,第2期として5月1日から同月7日まで,第3期として5月8日から同月14日まで)を行い,その後,整理解雇を平成16年5月20日に行うこととする。 ウ対象者に対する被告の説明被告のL代表取締役(以下「L社長」という)及びM常取締役(以。 下「M」という)は,平成16年3月26日,本件計画による人員整。 理の対象者に対し,3名ずつに分けて面談を行い,資料(甲9~12)を示しながら本件計画の内容等を説明した。このとき,被告は,対象者に対して「選定(残留)基準について」と題したアンケート用紙を配,布し,それを選定を行うための資料として利用する旨を説明した(甲11,乙86,87。 )なお,この際,原告Jを除く原告ら9名が面談を拒否したので,被告は,この9名に対して同資料を郵送したが,その後いずれも被告に返却された。 この際に被告から示された本件計画の内容は,次のとおりである(甲9~12。 )(ア) 変更解約(解雇)告知(平成16年4月15日予定)については,勤続25年以上の全従業員(希望退職者を除く)を平成16年5月。 20日に解雇し,他方で,解雇対象者全員について新規の採用条件での採用を募集することとする。 なお,新規募集期間は,第1期として平成16年4月21日から同月30日まで,第2期として5月1日から同月7日まで,第3期とし 方で,解雇対象者全員について新規の採用条件での採用を募集することとする。 なお,新規募集期間は,第1期として平成16年4月21日から同月30日まで,第2期として5月1日から同月7日まで,第3期として5月8日から同月14日までとし,採用日は同月21日とする。 (イ) 希望退職者の募集に応募しなかった者並びに変更解約告知に同意しなかった者及び変更解約告知に同意し,採用願を提出しても採用決定通知を発行されなかった(選考にもれた)者は,整理解雇を平成16年5月20日付けで行うこととする。 エ希望退職者の募集被告は,平成16年4月1日,本件計画のとおり,募集期限を同月20日として希望退職者の募集を行った(第2次希望退職者募集。 )しかし,同日までに希望退職に応じた者はいなかった。 オ本件変更解約告知の申入れ等被告は,平成16年4月15日,本件組合に対し,本件計画の実施についての申入れを改めて行い(甲23,また,同月16日,対象とな)る従業員に対して,資料(甲24~26)を配布した。 この配布した資料の中には,後述する変更解約告知の通知(以下「本件変更解約告知」という)が含まれており,被告は,同日,本件変更。 解約告知がされ,また,これをもって解雇の通告(解雇日は同年5月20日であり,以下,本件変更解約告知による前記解雇を「本件解雇」という)がされたと主張する。 。 この際に被告から示された本件計画の実施内容は,次のとおりである(甲23~26。 )(ア) 変更解約(解雇)告知については,勤続25年以上の全従業員(希望退職者を除く)を同年5月20日に解雇し,他方で,解雇対象者。 について新規の採用条件(後記(イ)参照)での採用を募集することとする。 なお,新規募集期間は,第1期として同年5月1日から同月7日まで,第2期として同月8日か 0日に解雇し,他方で,解雇対象者。 について新規の採用条件(後記(イ)参照)での採用を募集することとする。 なお,新規募集期間は,第1期として同年5月1日から同月7日まで,第2期として同月8日から14日までとし,採用日は同月21日とする。 (イ) 新規の採用条件の内容は,次のとおりである。 a勤続42年以上の者は,嘱託として採用することとし,支給する給与額は,第1期に応募した者については月額28万円,第2期に応募した者については月額26万円b勤続25年以上41年以下の者は,基本給及び技能手当については,第1期に応募した者については退職時の70%を,第2期に応募した者については退職時の65%を,それぞれ支給する。 c新規採用者については,理由の如何にかかわらず,退職金の適用はない(すなわち,再度の退職金の支給はない。 。)(ウ) 希望退職者の募集に応募しなかった者並びに変更解約告知に同意しなかった者及び変更解約告知に同意し,採用願を提出しても採用決定通知を発行されなかった(選考にもれた)者に対しては,被告の就業規則62条4号に基づき,同月20日付けで整理解雇を行うこととする。 カ希望退職者の追加募集被告は,平成16年5月12日,本件組合に対し,募集期間を同月13日及び14日として希望退職者を追加募集した(甲32,33。以下 「本件希望退職者追加募集」という。なお,本件希望退職者追加募。)集は,同月12日の時点で変更解約(解雇)告知についての採用願(前記オ(ア)参照)の未提出者が原告ら10名であったことから,その全員が応募することを条件として行われており,すなわち,1名でも欠けた場合には,この希望退職者の追加募集はなかったものとして扱うこととされていた(甲32。 )キ本件希望退職者追加募集の期間の終了平成16年 ることを条件として行われており,すなわち,1名でも欠けた場合には,この希望退職者の追加募集はなかったものとして扱うこととされていた(甲32。 )キ本件希望退職者追加募集の期間の終了平成16年5月14日,本件希望退職者追加募集の期間が満了したが(前記カ参照,原告ら10名はいずれも応募しなかった。 )ク原告らに対する解雇の通知被告は,平成16年5月17日,原告らに対し,同月20日付けで解雇する旨を書面で通知し,この通知は同月18日ころ原告らに到達した(以下「本件通知」という。 。)同書面には,解雇の理由として,①第2次希望退職者募集に応募しなかったこと,及び②変更解約告知に同意しなかったことの2点が記載されていた(甲1の1~10。 )ケ被告の就業規則の内容被告の就業規則には,次のような規定が置かれている(乙72。 )「第62条(解雇規準)正社員が次の各号の1に該当するに至ったときは解雇する。 1~3(略) 事業の縮小,閉鎖,設備の変更等により剰員となったとき5,6(略」)(3) 原告Jの地位原告Jについては,解雇がされなかった場合には,平成17年5月15日に定年退職により被告との間の労働契約関係は終了したことになる弁,( 論の全趣旨。 )(4) 原告らの賃金原告らの本件通知の直前の賃金月額は,別紙賃金目録記載のとおりであった。 また,被告においては,賃金は,毎月20日締め,同月26日払いとされている。 (5) 本件についての仮処分申立事件本件訴訟の提起に先立って,原告らは,被告を債務者として,①原告らが被告らに対し雇用契約上の権利を有する地位にあることを仮に定めるとともに,②被告が原告らに対し平成16年6月から本案判決確定に至るまでの賃金の仮払いを求める仮処分命令の申立てをし(当庁平成16年(ヨ)第 に対し雇用契約上の権利を有する地位にあることを仮に定めるとともに,②被告が原告らに対し平成16年6月から本案判決確定に至るまでの賃金の仮払いを求める仮処分命令の申立てをし(当庁平成16年(ヨ)第10036号地位保全等仮処分申立事件。以下「本件仮処分申立事件」という,平成17年3月30日,これらの申立てのうち,賃金仮。)払いの一部を認容する決定が出された(甲59。 ) 原告らの請求の内容(1) 原告J以外の原告らについてア被告に対する雇用契約上の権利を有する地位にあることの確認イ平成16年6月支払分以降の賃金,及びその各弁済期(毎月26日)の翌日から支払済みまで商事法定利率年6分の割合による遅延損害金の支払(2) 原告Jについて平成16年6月支払分から平成17年5月15日(定年退職日)までの賃金,及びその各弁済期(毎月26日)の翌日から支払済みまで商事法定利率年6分の割合による遅延損害金の支払 争点 本件における争点は,本件解雇の適法性である。 第3争点に関する当事者の主張 被告の主張(1) 本件計画の内容等ア本件計画の内容本件計画は,全体として見れば,変更解約告知と整理解雇とを組み合わせたものであるが,それぞれは単体として独立したものである。 すなわち,本件計画は,第1段階として変更解約告知を実施し,変更解約告知によって予定した人件費削減を達成できない場合に,第2段階として整理解雇を実施するというものである。被告は,変更解約告知に同意しなかった従業員(変更解約告知により解雇される従業員)の人数が6名を下回る場合には,6名から不同意者を差し引いた人数の人員について整理解雇を行うことを予定していた。 イ原告らに対する解雇,(),被告は第1段階である変更解約告知本件変更解約告知において原告ら1 場合には,6名から不同意者を差し引いた人数の人員について整理解雇を行うことを予定していた。 イ原告らに対する解雇,(),被告は第1段階である変更解約告知本件変更解約告知において原告ら10名が変更解約告知に応じなかったために,原告ら全員を解雇した。なお,第2段階の整理解雇は発動されていない。 被告が本件計画において行った本件変更解約告知は,被告従業員のうち,勤続25年以上,41年以下の者を対象として,これらの者の基本給・技能手当を平成16年5月20日時点の65%ないし70%と変更する旨の労働条件変更の申込みを行い,同月14日までにこの申込みに応じなかった者を解雇することを内容とするものである(前提事実(2)オ参照。 )被告は原告らに対し平成16年4月15日付け変更解約告知解,,「(雇)についてのお知らせ(甲25)の配布により,本件変更解約告知」の意思表示を行った(前提事実(2)オ参照。なお,本件通知(前提事)実(2)ク参照)は,本件変更解約告知の結果を再確認するために送付し たものである。 ウ本件解雇の適法性についての判断基準本件解雇は,本件変更解約告知による解雇であるので,いわゆる整理解雇の法理がそのまま適用されるものではない。ただし,本件変更解約告知による解雇が整理解雇の一環として行われたことまで否定するものではなく,本件解雇については修正された整理解雇の法理が適用されると解するべきである。 すなわち,本件解雇が解雇権の濫用に当たるかは,①人員削減の必,,,要性②解雇回避努力の程度③労働組合又は労働者との協議の程度④労働条件の変更が必要不可欠であり(変更解約告知の対象者設定の妥当性も含む,かつ,労働条件の変更による労働者の受ける不利益。)を上回ることを,総合考慮して判断すべきであって 働者との協議の程度④労働条件の変更が必要不可欠であり(変更解約告知の対象者設定の妥当性も含む,かつ,労働条件の変更による労働者の受ける不利益。)を上回ることを,総合考慮して判断すべきであって,厳密な意味での被解雇者の人数に相当する人員削減の必要性及び具体的な被解雇者の選定基準は考慮要素とはされないと考えるべきである。なぜなら,変更解約告知による解雇の場合,変更解約告知を受け入れるか否かのイニシアティブは労働者の側にあるからである。 (2) 本件解雇の適法性ア人件費削減の必要性(ア) 被告は,松下電工の専属下請として売上げの95%を松下電工に依存して事業を営んできたが,被告の松下電工に対する売上げは減少を,()。 続け平成14年11月には取引が解消された前提事実(2)ア参照,,,,被告は同月経営数値3カ年計画を策定して営業努力を尽くし売上げ増加の努力を行ったが,売上げの減少に歯止めがかからなかった。平成15年度決算(同年9月末)においては,売上げが約2億円に減少し(10年前の20分の1以下,前年度比で約5分の1,営)業損失が約2億7000万円となった。 また,現預金が,平成15年度決算期には約7億7200万円(過去6年間で約45%減少,平成16年2月末(本件変更解約告知の)ころ)には約6億3800万円と減少し,早晩,営業損失を吸収しきれずに資金が枯渇することは明らかであった。しかも,この現預金のうちの3億円は本件変更解約告知に伴う退職金の支払に充当する予定であったし,約7500万円の設備投資を行うことを予定しており,実際に赤字を吸収しうる資金はこれらを控除した残額にすぎなかった。 (イ) 被告所有の不動産及び機械は,賃貸モータープール及び社員寮を除き,いずれも営業に必要な物件であり,処分して資金に充 ており,実際に赤字を吸収しうる資金はこれらを控除した残額にすぎなかった。 (イ) 被告所有の不動産及び機械は,賃貸モータープール及び社員寮を除き,いずれも営業に必要な物件であり,処分して資金に充てることは不可能であったし,賃貸モータープール及び社員寮についても,土地価格の動向からすると有利な処分は困難であった。 また,賃貸モータープールの固定資産税評価額は約4800万円,社員寮のそれは約3300万円であり,これらが同評価額で売却可能であったとしても,月額1500万円もの赤字が発生している被告の,。 状況からすると被告の経営状態を改善するに至るものではなかった賃貸モータープールについては,年間80万円以上の利益を上げており,収益物件として所有を継続する方が良い。 なお,原告らは,第2工場を売却すべしと主張するが,同工場は,被告の業務のために必要な物件である。 (ウ) 本件解雇より前における人件費を維持したまま営業損益を均衡させるには,月商4000万円以上が必要であったが,その実現可能性は極めて低かった。さらなる営業努力により売上高を1.5倍の月額3150万円まで増やすことを前提として,一般経費削減を更に進め,内作化を進めて外注費を削減するなどしても,人件費を約600万円削減して初めて損益が均衡する状況であった。 そこで,被告は,人件費を月額600万円削減することとし,このうち100万円を役員報酬3名分のカットなどで吸収し,その余の500万円を従業員の希望退職及び賃金切下げにより削減することとした。しかし,希望退職者がいなかったことから,希望退職相当分の人件費を削減するため,本件変更解約告知を行った。 イ解雇回避努力被告は,本件解雇に至るまでに,営業努力や変動費及び一般経費削減の努力を行うほか,平成14年5月から7月までにか ,希望退職相当分の人件費を削減するため,本件変更解約告知を行った。 イ解雇回避努力被告は,本件解雇に至るまでに,営業努力や変動費及び一般経費削減の努力を行うほか,平成14年5月から7月までにかけて嘱託者の雇止めを行い,第1次希望退職者募集及び第2次希望退職者募集を行った。 しかし,これらによって抜本的な実をあげるまでには至らず,さらに本件希望退職者追加募集(前提事実(2)カ,キ参照)についても応募者がいなかったため,本件変更解約告知を行った。 ウ労働条件の変更の必要性(本件変更解約告知の対象者設定の妥当性を含む)など。 (ア) 被告は,人件費削減の方策として従業員の賃金の一律カットを検討したが,①まず,勤続25年未満(被告には,勤続20年以上25年未満の従業員は存在しない)の従業員も含めて一律に賃金カット。 を行うとすると,約40%の賃金カットが必要となり,勤続25年未満の従業員(その平均賃金は月額約21万円であった)の賃金カッ。 ト後の平均賃金が月額約13万円となって過酷な状況となること,②また,勤続25年未満の従業員を人員削減の対象としても,人件費削減の効果があまり上がらないことから,勤続25年未満の従業員の賃金カットや人員削減は,現実的な選択ではなかった。 そのため,被告は,勤続25年以上の従業員を対象とした人件費削減が必要であると判断した。 また,勤続25年以上の従業員を対象とした場合でも,①人員削 減の方法のみで人件費削減を行うと,対象者が多人数にのぼり妥当でないこと,②賃金カットのみを行うこととすると,約47%の賃金カットが必要となり,勤続25年以上の従業員(その平均賃金は月額約43万円であった)の賃金カット後の平均賃金が月額約23万円。 となって過酷な条件となることから,勤続25年以上の従業員全員の賃金の2 ットが必要となり,勤続25年以上の従業員(その平均賃金は月額約43万円であった)の賃金カット後の平均賃金が月額約23万円。 となって過酷な条件となることから,勤続25年以上の従業員全員の賃金の22%をカットする(これにより1か月に約240万円の人件費の削減となる)とともに,勤続30年以上の従業員(その平均賃。 金は月額約44万円であった)を対象とした第2次希望退職者募集。 (前提事実(2)イ,エ参照)を行うこととした(6名の希望退職により1か月に約265万円の人件費の削減となり,少なくとも6名の退職者が必要であった。 。)しかし,結果的に第2次希望退職者募集に応募した者がいなかったため,被告は,勤続25年以上の従業員を対象とする賃金カット及び人員削減を行わざるを得なかった。 なお,退職金や賞与といった一時金を切り下げても,毎月赤字を計上している状況を解消することはできない。 (イ) 被告は,将来,従業員に対して確実に退職金を支払うことができるかどうか定かではなかった上,賃金カットや人員整理の対象となる従業員の不利益を軽減する目的から,本件計画を実施した時点で,特別加算を加えた退職金を支払うこととし,従前の退職金の精算と労働条件の変更(賃金カット)とともに,人員削減が必要不可欠であると考えた。 特別加算を加えた退職金を支給することにより,労働者の不利益は小さいものとなり,労働条件の変更(賃金カット)と人員削減の必要性は,労働者の不利益を上回ったものである。 (ウ) 本件変更解約告知の対象者は,勤続25年以上の従業員であり,本 ,,件解雇は本件解約告知に応じなかった者に対して行ったものであり人選について何ら恣意はない。 本件変更解約告知に応じなかった者が6名に満たなかった場合に,応じた者のうち誰を整理解雇(前記(1)記載の第 件解雇は本件解約告知に応じなかった者に対して行ったものであり人選について何ら恣意はない。 本件変更解約告知に応じなかった者が6名に満たなかった場合に,応じた者のうち誰を整理解雇(前記(1)記載の第2段階としての整理解雇)の対象とするかについては,過去の人事考課及び会社再建に対する意欲・能力から判断する予定であり,この人選基準は合理的かつ公正なものであった。 エ労働者又は労働組合との協議,,。 被告は次のとおり本件組合や労働者と誠意をもって協議を行った,,,なお本件協定中の本件条項は被告が労働条件に関する変更について本件組合又は労働者に対して納得を得るための説明を行い,本件組合と誠意をもって協議を行うことを定めているものと解される。 (ア) 平成16年3月22日,本件組合と団体交渉を行い,本件計画を開示した(前提事実(2)イ参照。 )(イ) 3月23日,第2次希望退職者募集の対象者に対する説明会を行った。 (ウ) 3月25日,本件組合と団体交渉を行った。この際,被告は,本件計画の具体的内容を説明し,代替案があれば提示してほしい旨を伝えた。なお,経営状況に関する資料の提出を求められたが,被告は,原告A,原告J及び原告Dが被告の株主であり,株主総会資料として貸借対照表,損益計算書を含む決算書を所持しており,再度の提示は必要ない旨伝えた。 (エ) 3月26日,本件変更解約告知の対象者に対して,3名ずつ面談を行おうとしたが,原告ら9名(原告Jを除く)は面談を拒否したた。 め,同原告らには資料を郵送した。 (オ) 3月29日,本件組合と団体交渉を行った。この際,本件組合は, 「会社の現状は分かる。今(解雇を)しなければの状況も分かる」。 という旨の発言をし,被告の経営状況に一定の理解を示した。 (カ) 3月31日,本件組合と団体 交渉を行った。この際,本件組合は, 「会社の現状は分かる。今(解雇を)しなければの状況も分かる」。 という旨の発言をし,被告の経営状況に一定の理解を示した。 (カ) 3月31日,本件組合と団体交渉を行った。この際,被告は,本件組合からの代替案の提示がないので,本件計画を遂行するしかないと判断し,本件計画についての説明をして,理解を求めた。 ,,。 (キ) 4月5日本件組合と団体交渉を行い組合からの質問に回答した,,。 (ク) 4月8日本件組合と団体交渉を行い組合からの質問に回答した(ケ) 4月9日,被告は,本件組合に対して「3カ年収支計画書」の一部を開示した。 (コ) 4月14日,被告は,本件組合と団体交渉を行い,本件計画につき協議をした。 (サ) 4月16日,被告は,本件変更解約告知についての資料を従業員に配布し,対象者25名に対して説明を行った。なお,同月15日,被告は,本件組合に対し,本件計画を日程どおりに行うことを申し入れた。 (シ) 4月21日,被告は,本件組合と団体交渉を行った。この際,本件組合から,初めて,代替案が示された。 (ス) 4月27日,被告は,本件組合と団体交渉を行った。この際,被告は,本件組合作成の代替案では会社再建に必要な人件費削減が不可能であることについて,具体的数字を挙げて説明した。 (セ) 5月6日,被告は,本件組合と団体交渉を行った。この際,本件組合は,被告が解雇撤回を表明しない以上全ての交渉を拒否する旨の発言を行った。 (ソ) 5月12日,被告は,本件組合と団体交渉を行った。この際,被告は,本件希望退職者追加募集の説明をした。 (タ) 5月18日,被告は,本件組合と団体交渉を行った。 (3) 不当労働行為に該当しないこと(後記原告の主張(3)に対する反論)本件計画の発表の当時,勤続3 希望退職者追加募集の説明をした。 (タ) 5月18日,被告は,本件組合と団体交渉を行った。 (3) 不当労働行為に該当しないこと(後記原告の主張(3)に対する反論)本件計画の発表の当時,勤続30年以上の従業員23名のうち本件組合の組合員は13名であり,勤続25年以上の従業員25名のうち本件組合の組合員は15名であり,本件組合員であったN,O,P,Q及びRは,本件解雇の対象となっていない。 このように,第2次希望退職者募集の対象者を勤続30年以上と設定したことや,本件変更解約告知の対象を勤続25年以上と設定したことに組合つぶしをねらう意図はなく,結果的に本件組合の組合員が本件解雇の対象となったのは,本件変更解約告知に応じなかったのが本件組合の組合員だったという結果にすぎない。 原告の主張(1) 本件計画における解雇の位置づけ(被告の主張(1)について)ア被告の従前の主張被告は,本件仮処分申立事件においては,原告らに対する解雇については整理解雇に準じて判断されるものである旨主張しており,変更解約告知による解雇である旨の主張はしていなかった。 被告が,本件訴訟においてこのような方針転換を行ったのは,本件解雇が整理解雇としての厳格な有効要件を充たす旨を説明することが困難であり,特に,6名ではなく10名を解雇する必要性や,10名を解雇した人選基準を説明することが不可能であると判断したものと考えざるを得ない。 イ本件変更解約告知の特殊性いわゆる変更解約告知とは,新規契約(新たな労働条件による雇用契約)締結の申込みを伴った従来の雇用契約の解約であって,労働条件の変更に応じれば必ず再雇用されるという内容のものである。 しかし,本件計画では,労働条件の切下げに応じて解雇を受け容れて 新規募集に応募した者であっても,新規に採用されるか 約であって,労働条件の変更に応じれば必ず再雇用されるという内容のものである。 しかし,本件計画では,労働条件の切下げに応じて解雇を受け容れて 新規募集に応募した者であっても,新規に採用されるかどうかは被告の判断に委ねられているのであるから(前提事実(2)ウ(イ),オ(ウ)のとおり,平成16年5月20日付けで6名は整理解雇されることが予定されており,新規契約については,申込みの誘引がされているにすぎない,労働者側にイニシアティブはなく,いわゆる変更解約告知には。)該当しない。しかも,新規募集に応募した従業員に対する合理的で客観的な採用選定基準も存在せず,被告の選定(残留)基準は抽象的で主観的な内容となっており,被告の恣意的な判断により評価できるようになっていた。 また,第1段階であるという本件変更解約告知と第2段階であるという整理解雇の通知は不可分一体となっており,前者のみを切り離してその有効性を論じることはできないと言うべきである。 このように,本件計画は,解雇,新規募集及び恣意的採用が組み合わされたものであって,変更解約告知という名称を僭称しているにすぎない。 ウ本件変更解約告知による本件解雇の有効要件本件解雇の実態は整理解雇であるとしか言いようがなく,その有効性は,整理解雇の有効要件を充足するかどうかで判断されるべきであり,本件解雇が変更解約告知として有効であるとか,その有効要件として緩和(修正)された整理解雇の法理が適用されるという被告の主張は,誤りである。 なお,仮に被告の主張する変更解約告知の有効要件に従って判断したとしても,本件においては,従前の雇用契約において職務や勤務場所が特定されているわけではなく,また,本件変更解約告知の内容は労働者,。 にとって苛酷でありその不利益を上回る必要性があったとは言えない しても,本件においては,従前の雇用契約において職務や勤務場所が特定されているわけではなく,また,本件変更解約告知の内容は労働者,。 にとって苛酷でありその不利益を上回る必要性があったとは言えない,,そもそも本件組合も賃金カットについては同意していたのであるから わざわざ変更解約告知を行う必要性に乏しいことなどから,本件変更解約告知は無効である。 (2) 本件解雇の違法性本件解雇は,次のとおり,整理解雇の有効要件を充たさない。 ア整理解雇の必要性がないこと(ア) 被告は,完全な無借金経営であった。 また,被告には,過去の利潤に基づく内部留保が現預金又は含み資産という形で残っており,本件解雇当時において,現預金が6億38,。 ,00万円含み資産が数億円程度あった被告の有する不動産のうちα寮,モータープール及び第2工場は処分可能であった(実際に,被告は,平成18年,α寮を約5500万円で売却している。 。)(イ) 本件計画の基礎とされた被告の売上高予測の数値は,非常に低く見積もられている。すなわち,本件解雇直前の6か月間の売上高の平均は約3343万円であり,また,平成16年10月から平成17年9月までの売上高は月額平均3000万円を超えていた。しかるに,本件解雇後の売上高予測は2300万円ないし2500万円と見積もられていた。 なお,被告は,本件解雇の当時,設備投資を計画しており,これを。 ,人員削減の必要性のひとつに挙げているそのこと自体疑問であるが設備投資は計画どおりに実施されておらず,その計画の根拠も不明確である。 (ウ) 被告は,1か月当たり600万円の人件費削減が必要であった旨主張する(被告の主張(2)ア(ウ)参照)が,その根拠は判然としない。 また,本件解雇当時,その1年ないし2年後に定年を迎える予定の労 ウ) 被告は,1か月当たり600万円の人件費削減が必要であった旨主張する(被告の主張(2)ア(ウ)参照)が,その根拠は判然としない。 また,本件解雇当時,その1年ないし2年後に定年を迎える予定の労働者の賃金を合計すると,月額256万円に上るが,本件計画においてはこの自然減が考慮されていない。 (エ) 被告は,本件解雇の後,新たに合計11名の従業員を採用し,現在でも9名が稼働している。 (オ) 被告は,松下電工の子会社である明治ナショナル工業株式会社(以下「明治ナショナル」という)からの申し出を断り,受注しなかっ。 た。このような経営判断は誤りである。 イ解雇回避努力がされていないこと(ア) 前記ア(ア)記載のとおり,被告は,遊休不動産の処分を検討していない。 (イ) 被告は,役員報酬を削減していない。すなわち,被告は,①平成14年4月ないし6月ころ,及び,②平成16年6月に,役員報酬のカットを行っているが,このうち,①においては十分な削減が行われていないし,②は本件解雇の後に行われたものであり,解雇回避努力とはいえないものである。 (ウ) 被告は,人件費削減を従業員全体で公平に負担するような賃金カットについて検討していない。被告は,本件組合が賃金カットには応じる姿勢を示してその旨を提案したにもかかわらず,真剣に取り合わなかった。 (エ) 人件費削減が必要である場合,正社員よりも企業と結びつきの弱いパートタイム従業員や嘱託従業員の人件費削減を検討すべきであるが,被告は,これを検討せず,パートタイム従業員や嘱託従業員を整理解雇の対象から外し,かえって新たな雇入れを行っている。 (オ) 平成14年10月に行われた第1次希望退職者募集では,20人の募集に対して26人が応じており,その時点で人員削減の必要性は消滅しており,第1次希望退職 し,かえって新たな雇入れを行っている。 (オ) 平成14年10月に行われた第1次希望退職者募集では,20人の募集に対して26人が応じており,その時点で人員削減の必要性は消滅しており,第1次希望退職者募集は本件解雇についての回避努力とは評価できない。 また,パートタイム従業員及び嘱託従業員の雇止めは同年5月から 7月にかけて行われたものであるし,一時帰休も同年7月から10月までの間に行われたものであるが,これらの当時の人員削減の必要性は第1次希望退職者募集によって消滅しており,これらも本件解雇についての回避努力とは評価できない。 ウ人選基準の不合理性本件変更解約告知の対象者は勤続25年以上の従業員とされているが,これらの者が対象とされた場合には,家族を養う負担が大きく再就職も厳しいことから,その受ける経済的打撃が大きいし,これらの者は,。 企業貢献度が高いのであるからこのような人選基準には合理性がない,,,また勤続25年以上の正社員は正社員32名中の25人に当たり,,これらの者を解雇の対象とすることは極めて規模の大きな解雇となりそのこと自体が合理性を疑わせるものである。 さらには,被告には入社後間もない若年層もおり,このような者が希望退職に応じる可能性が十分にあるにもかかわらず,被告は,若年層を希望退職者募集の対象から外している。 エ手続の相当性を欠くこと,,,(ア) 本件組合が決算書製造原価明細書販売費及び一般管理費明細書合計残高計算表等の提出を求めたにもかかわらず,被告は,これらの経営資料等を提示しないなど,本件解雇の必要性等について,労働者及び本件組合に対して納得を得る説明を全く行わず,いきなり本件解雇を強行した。 (イ) 被告は,本件組合の団体交渉の申入れに対して,形式的には交渉の席に着くものの,誠 解雇の必要性等について,労働者及び本件組合に対して納得を得る説明を全く行わず,いきなり本件解雇を強行した。 (イ) 被告は,本件組合の団体交渉の申入れに対して,形式的には交渉の席に着くものの,誠実な協議を一切しようとしなかった。 すなわち,本件組合は,誠実な団体交渉を求め,その協議が進むまで本件計画の実施を延期するように申し入れたが,被告はこれを拒否し,また,本件組合は,団体交渉に出席していたMらに交渉を行う能 力が欠けていたため,L社長の出席を求め続けたが,L社長は1度しか団体交渉に出席せず,一方的に本件計画を実行する意思を表明するなど,不誠実な態度に終始した。 また,被告は,会社の経営状況や解雇以外に採る方法の有無,本件解雇の根拠,再雇用の基準,希望退職者募集や本件変更解約告知の対象者の範囲を設定した理由などについて,何ら説明を行っていない。 さらには,本件組合が,正社員全員を対象として賃金の5%ないし15%の範囲内で賃金カットを行うという提案をしたが,被告は,この提案に対して何ら返答せず,本件解雇を強行した。 (ウ) 被告は,本件条項にかかわらず,何らの事前協議もせず,平成16年3月23日,本件計画を会社の決定事項として伝えた。本件組合が知らされたのはその前日であり,被告は本件組合と協議を行うつもりが全くなかったものである。 (3) 不当労働行為L社長が被告の社長となり,原告Aが本件分会の分会長となって以降,被告は,本件組合に対し,支配介入行為や組合員に対する不利益取扱いを繰り返しており,被告の本件組合に対する嫌悪の意思は根深いものがあった。 被告は,本件条項を無視して本件計画を一方的に実施し,第2次希望退職者募集の対象者として勤続30年以上の従業員,本件変更解約告知の対象者として勤続25年以上の従業員と定め,本件組合員の があった。 被告は,本件条項を無視して本件計画を一方的に実施し,第2次希望退職者募集の対象者として勤続30年以上の従業員,本件変更解約告知の対象者として勤続25年以上の従業員と定め,本件組合員の比率が高い層を設定している。これは,本件組合を壊滅させようと意図したものに他ならない。 第4当裁判所の判断 本件紛争を巡る経緯(認定事実)前提事実,後掲各証拠及び弁論の全趣旨によれば,次の各事実が認められ る。 (1) 松下電工との取引の解消と売上高の減少ア被告は,従来から松下電工を主要な取引先としており,最盛期であった平成4年当時は約50億円の売上高を上げ,その95%以上が松下電(,,,)。 工との取引によるものであった乙1の1乙7787被告代表者その後,松下電工の方針により,被告に発注される商品が順次縮小されるようになり,平成13年9月期(被告では,毎年9月30日を決算期としている)の決算当時には,被告の売上高は約18億円と減少し。 た。もっとも,その売上高のうち松下電工との間の取引によるものは依然として約95%であった(乙1の1・3,乙87,被告代表者。 )このような売上高の減少のため,被告では,平成10年9月期の決算のころから,赤字経営になるようになった(甲4,乙2~6,87,被告代表者。 )イ被告は,平成13年5月,松下電工から,被告との取引を縮小し,最終的には取引を解消することを予定している旨を告げられた(乙78,87,被告代表者。 )これに対して,被告は,取引継続を要請したが,結局,平成14年11月30日,被告と松下電工との間の取引が解消され,被告の売上高は更に減少するに至った(前提事実(2)ア参照。乙79,87。 )ウなお,原告らは,前記取引の解消は,被告代表者が,松下電工との契,(「」 被告と松下電工との間の取引が解消され,被告の売上高は更に減少するに至った(前提事実(2)ア参照。乙79,87。 )ウなお,原告らは,前記取引の解消は,被告代表者が,松下電工との契,(「」。)約に違反し競業相手であるコクヨ株式会社以下コクヨというとの取引を開始したからであるからと主張するが,コクヨとの取引が開,,始される前から取引解消の方針は定まっていたことがうかがえること新聞報道でも,松下電工は,被告の契約違反と契約解消との関連を否定し契約解消は被告の事情であると説明していることが認められる甲,,(41。また,仮に,コクヨとの取引開始が,早期の関係解消につなが) ったとしても,取引解消の前記方針に変わりなく,また,そのことによって,人件費削減の必要性が否定されるわけでもない。 (2) 松下電工との取引の解消後の経営の状況等,,,ア被告は平成13年9月から新規にコクヨとの取引を開始するほか平成14年5月ころから,取引先を開拓するために営業に回るなど,営業努力を行った(甲62~64,乙74の1~33,乙87。 )なお,松下電工から被告が受注していた商品が明治ナショナル(松下電工の子会社)に移管されることとなっていたことから,被告は,一時期,松下電工の二次請負となって,明治ナショナルと取引することを期待したが,採算の取れない内容であったことなどから,断念するに至った(甲80の1・2,乙66,67,73,75,76,87,被告代表者。 )イ被告は,平成9年以来,一般経費の削減に努め,平成13年9月期には約4600万円であった一般経費が,平成14年9月期には約4000万円,平成15年9月期には約3100万円に抑制された(乙7,87。 )ウ被告は,平成14年1月から7月までにかけて,パートタ は約4600万円であった一般経費が,平成14年9月期には約4000万円,平成15年9月期には約3100万円に抑制された(乙7,87。 )ウ被告は,平成14年1月から7月までにかけて,パートタイム従業員や嘱託従業員等合計22名について雇止めを行った(乙87,被告代表者。 )また,被告は,同年7月,8月及び10月には,全従業員の一時帰休を行った(乙87,被告代表者。 )さらには,被告は,平成10年以降,年間賞与支給額を減少させたほか,平成14年及び平成15年については昇給を行わないこととし,平成14年4月からは役員報酬を引き下げ,同年6月からは管理職全員に対して賃金を引き下げた(乙50,87,被告代表者。すなわち,同)年4月からL社長の役員報酬は10%,他の取締役の役員報酬はそれぞ れ7%ずつ引き下げられ,同年9月からは引下率がそれぞれ20%及び15%とされた。また,同年6月から,管理職全員の賃金がそれぞれ5%ずつ引き下げられた(乙50,87,被告代表者。 )エ被告は,平成14年10月22日,勤続1年以上の従業員全員を対象として,20名の希望退職者を募ったところ,26名の従業員が退職に応募し,応募者全員が退職した(第1次希望退職者募集。前提事実(2)ア参照。 )オ被告は,以上のような経緯の後,平成14年11月「経営数値三カ,年計画(以下「本件平成14年計画」という)において,今後の数」。 値目標を定めた(乙29。 )本件平成14年計画においては,売上高の目標として,平成14年12月から平成15年9月までの間は月額2700万円,同年10月から平成16年9月までの間は月額3000万円を,それぞれ目指すこととしてわずかでも営業利益が計上できるように計画が立てられていた乙,(29,87,被告代表者。 )カ平 00万円,同年10月から平成16年9月までの間は月額3000万円を,それぞれ目指すこととしてわずかでも営業利益が計上できるように計画が立てられていた乙,(29,87,被告代表者。 )カ平成10年以降における被告の営業実績等は,次のとおりである。 (ア) 平成11年9月期から平成17年9月期までの被告の営業実績(い,。 ,ずれも単位は100万円でありそれ未満を切り捨てたもの甲3658,73,乙2~6)売上高営業利益当期未処分利益平成11年9月期1,928- -49平成12年9月期1,806-56-93平成13年9月期1,809- -132平成14年9月期 -182-310平成15年9月期 -273-668平成16年9月期 -161-1,141 平成17年9月期 -102-1,236(イ) 平成15年4月から平成16年2月までの各月の営業実績及び人件費(いずれも単位は千円であり,それ未満を切り捨てたもの。乙1の1)売上高粗利益人件費営業利益平成15年4月23,0136,67619,796-17,8945月17,5635,56519,451-18,5806月23,5658,30819,917-14,7627月19,8476,69521,994-20,5168月16,3571,04120,586-23,6799月27,35324,41019,025 10月31,2034,79819,509-18,71411月35,3881,48121,328-23,57612月52,71333,17422,8222,968平成16年1月21,5267,43319,029-16 8,71411月35,3881,48121,328-23,57612月52,71333,17422,8222,968平成16年1月21,5267,43319,029-16,5882月26,3008,45619,426-14,436(3) 被告の本件解雇の当時の状況ア被告の営業の状況前記(2)カ(イ)記載のとおり,被告においては,本件平成14年計画の目標売上高(前記(2)オ参照)が達成されない月があり,平成15年9月期には営業損失が約2億7300万円に上る結果となり,また,平成16年2月までほぼ毎月営業損失を計上するに至っていた。 イ被告の資産の状況(ア) 被告においては,現預金が,平成14年9月期には約11億790 0万円計上されていたが,平成15年9月期には約7億7200万円に減少し,さらに平成16年2月末当時には約6億3800万円に減少してきていたが,そのうち約3億円については,従業員の退職金のために確保しておく必要があり,実際に費消可能な現預金は約3億円強であった(甲58,乙2,3,55,87,被告代表者。 )(イ) 被告は,平成15年9月期には,固定資産として約2億9959万円の固定資産を計上し,別紙不動産目録1(土地)及び別紙不動産目録2(建物)記載の不動産を所有していたところ,これらの簿価及び固定資産税評価額は,同別紙に記載のとおりであり,担保権が設定されている不動産はなかった(乙10~27,32~45。 )これらの不動産のうち,尼崎市所在の社員寮(α寮)については,本件解雇当時には利用されておらず,平成18年1月に5500万円で売却された(乙84,87,被告代表者。なお,売却されたのは土地のみで,建物については撤去されたものと思われる。 。)また,西宮市所在の賃貸モー は利用されておらず,平成18年1月に5500万円で売却された(乙84,87,被告代表者。なお,売却されたのは土地のみで,建物については撤去されたものと思われる。 。)また,西宮市所在の賃貸モータープールについては,実際に駐車場として利用され,年間に約150万円の売上高を上げており,収益物件として活用されていた(乙28。 ),,,さらには大阪市<以下略>所在の第2工場については組立部品材料,仕掛品の置場等として使用されていた(乙87。なお,本件解雇の当時に第2工場が遊休資産となっていたと認めるに足りる証拠はない。 。),,(,(ウ) 被告は本件解雇の当時借入金債務を負っていなかった甲58乙2。 )ウ被告の人件費の状況本件解雇の当時,被告においては,前記(2)カ(イ)記載のとおり,毎月約2000万円程度の人件費が支出されており,その売上高に対する 比率は,平成15年4月から同年9月までの平均では95%,同年10月から平成16年2月までの平均では61%であって,相当に高率であった(乙1の1。 )(4) 実施された本件計画の内容,,(),被告は次のとおりまず希望退職者を募集し第2次希望退職者募集さらに本件変更解約告知を行って,これらにより人員削減と賃金の切下げを実現させようとした(甲4~6,24~26,32,33,乙87,被告代表者。 )ア第2次希望退職者募集(前提事実(2)エ参照)被告は,対象者を勤続30年以上の全社員とし,募集人員を6名として,希望退職者を募集した。 募集の期間については,①第1期として平成16年4月1日から同月7日まで,②第2期として4月8日から同月14日まで,③第3期として4月15日から同月20日までとし,また,希望退職者には,本来の退職金(自己都合によるもの)に加え として平成16年4月1日から同月7日まで,②第2期として4月8日から同月14日まで,③第3期として4月15日から同月20日までとし,また,希望退職者には,本来の退職金(自己都合によるもの)に加えて,次のとおり,優遇措置として勤続年数に応じた特別退職金を支払うこととするが,退職を申し出る期間ごとに特別退職金の額は異なることとされた。 ①第1期に退職を申し出た者の特別退職金勤続30年から35年まで60万円勤続36年から40年まで75万円勤続41年以上90万円②第2期に退職を申し出た者の特別退職金勤続30年から35年まで50万円勤続36年から40年まで65万円勤続41年以上80万円③第3期に退職を申し出た者の特別退職金 勤続30年から35年まで40万円勤続36年から40年まで55万円勤続41年以上70万円しかし,この第2次希望退職者募集に応募した従業員はいなかった。 イ本件変更解約告知(前提事実(2)オ参照)(ア) 被告は,平成16年4月16日(第2次希望退職者募集の期間中である,本件変更解約告知の通知を行った。 。)この本件変更解約告知の内容は,勤続25年以上の全従業員(希望退職者を除く)を同年5月20日付けで解雇し,他方で,解雇対象。 。 ,者について新規の条件での採用を募集するというものであったなお新規募集期間は,①第1期として同年5月1日から同月7日まで,②第2期として同月8日から14日までとし,採用日は同月21日とされていた。 (イ) しかし,被告は,対象とされた従業員が本件変更解約告知に応じて新規採用に応募した場合であっても,採用されない場合があることを明示していた。 すなわち被告作成の本件変更解約告知の通知文書においては採,,「用決定通知を発行されなかった(選考にもれた じて新規採用に応募した場合であっても,採用されない場合があることを明示していた。 すなわち被告作成の本件変更解約告知の通知文書においては採,,「用決定通知を発行されなかった(選考にもれた)者に対しては,被告の就業規則62条4号に基づき,5月20日付け(この日は,本件変更解約告知により解雇される日と同一であり,新規採用された場合における採用日の前日である)で整理解雇を行う」旨が明記されてい。 た(甲24,25。前提事実(2)オ(ウ)参照。 )(ウ) 本件変更解約告知による解雇については,募集期間内に応募して採用が決定された者には,本来の退職金(自己都合によるもの)に加えて,次のとおり,優遇措置として勤続年数に応じた特別退職金を支払うこととするが,募集期間ごとに特別退職金の額は異なることとされ た。 ①第1期に本件変更解約告知に応じて新規採用に応募した者の特別退職金勤続25年から41年まで30万円勤続42年以上60万円②第2期に本件変更解約告知に応じて新規採用に応募した者の特別退職金勤続25年から41年まで25万円勤続42年以上50万円(エ) 新規の採用条件の内容については,前提事実(2)オ(イ)記載のとお,,,りであって勤続25年以上41年以下の者については基本給等を第1期に応募した者については従前の70%,第2期に応募した者については従前の65%とすることとされていた。 ウ本件希望退職者追加募集(前提事実(2)カ,キ参照)被告は,平成16年5月12日,本件変更解約告知に応じない対象者が原告ら10名のみであったことから,同月14日を募集期限とする本件希望退職者追加募集を行った。 しかし,原告ら10名はいずれも,同日までに希望退職の応募をしなかった。 エ本件通知(前提事実(2)ク参照)原告 のみであったことから,同月14日を募集期限とする本件希望退職者追加募集を行った。 しかし,原告ら10名はいずれも,同日までに希望退職の応募をしなかった。 エ本件通知(前提事実(2)ク参照)原告ら10名は,本件変更解約告知に応じなかったが,原告ら10名以外の本件変更解約告知の対象者は全てこれに応じ,その全員が新規採用された。 被告は,平成16年5月17日,原告らに対し,同月20日付けで解雇する旨を通知した(前提事実(2)ク。 )(5) 本件計画を実施するに当たっての被告の説明 被告は,本件組合や従業員に対し,本件計画の内容について,平成16年3月23日における第2次希望退職者募集の対象者に対する説明会や,同年4月5日開催の本件組合との団体交渉などの場で,次のとおり説明していた(乙55,乙87,被告代表者。 )ア被告は,第2次希望退職者募集における希望退職者が6名に達しなかったときには,6名に達するまでの人員を削減することを予定していることイ6名分の人員削減の理由について,次の点(ア) その当時,毎月1500万円から2000万円の営業損失が生じているという実情から,毎月の人件費を600万円削減させることにより,被告の再建を図りたいこと(イ) 前記(ア)記載の600万円の人件費削減のうちの500万円分につ,,いては本件計画における賃金の切下げ及び人員削減により実現させその余の100万円分については,役員報酬の切下げにより実現させる計画であること(ウ) 前記(イ)記載の500万円のうちの260万円分については,本件変更解約告知による賃金の切下げにより実現させ,240万円分については第2次希望退職者募集などによる人員削減により実現させる計画であること(エ) 前記(ウ)記載の240万円分に係る人員削減のためには,勤続2 知による賃金の切下げにより実現させ,240万円分については第2次希望退職者募集などによる人員削減により実現させる計画であること(エ) 前記(ウ)記載の240万円分に係る人員削減のためには,勤続25年以上の正社員の平均賃金が44万円であるために,6名分の人員削減が必要であること 本件解雇の有効性(1) 本件変更解約告知とその後予定されていた整理解雇との関係前記1(4)イ(イ)のとおり,被告は,本件変更解約告知の行使に当たって,その対象とされた従業員が本件変更解約告知に応じて新規採用に応募 した場合であっても,採用されない場合があることを明示していたことが認められる。 この点について,被告は,本件計画は本件変更解約告知と整理解雇を組み合わせたものではあるものの,それぞれは単体として独立したものであり,本件解雇は,第1段階としての本件変更解約告知に応じなかったために行われたものであって,第2段階としての整理解雇は発動されていない旨主張する。また,被告代表者は,後にやむをえず整理解雇がされる場合がありうることはともかくとして,本件変更解約告知に応じて新規採用に応募した者は,一旦は全員採用される予定であった旨供述し(乙87,被告代表者,この供述は,この被告の主張に沿うものと考えられる。 )しかし,前記1(4)イ(イ)で認定したとおり,被告作成の本件変更解約告知の通知文書においては,本件変更解約告知により解雇される日(平成16年5月20日)と同一の日において整理解雇がされることが予定されており,このような整理解雇が行われることによって新規採用の応募に対する採用決定がされないことがありうる旨が明記されていた。また,被告は,平成16年3月26日,本件変更解約告知の対象者に対して「選定,(残留)基準について」と題したアンケート用紙を配 用の応募に対する採用決定がされないことがありうる旨が明記されていた。また,被告は,平成16年3月26日,本件変更解約告知の対象者に対して「選定,(残留)基準について」と題したアンケート用紙を配布し,同アンケートの記載内容により選定を行うことを説明していた(前提事実(2)ウ参照。 )これらの事情によれば,整理解雇が,本件変更解約告知とは独立したものとして予定されていたと認めることはできない。 そして,前記1(5)の事実及び弁論の全趣旨によれば,本件変更解約告知の対象者の全員がこれに応じて新規採用に応募した場合であっても,被告は,そのうちの6名については採用しないことを予定していたことが認められる。 (2) 人員整理の必要性アところで,労働契約を解約(解雇)するとともに新たな労働条件での ()(),雇用契約の締結再雇用を募集することいわゆる変更解約告知が適法な使用者の措置として許される場合はあろうが,本件のように,それが労働条件の変更のみならず人員の削減を目的として行われ,一定の人員については再雇用しないことが予定されている場合には,整理解雇と同様の機能を有することとなるから,整理解雇の場合と同様に,その変更解約告知において再雇用されないことが予定された人員に見合った人員整理の必要性が存在することが必要となると考えられる。 すなわち,人員の削減を目的として本件のような変更解約告知が行われた場合に,変更解約告知に応じない者が多数生じたからといって,人員整理の必要性により本来許容されるべき限度を超えて解雇が行われることは許されないというべきである。 なお,この点について,被告は,変更解約告知による解雇の場合,変更解約告知を受け入れるか否かのイニシアティブは労働者の側にあるから,厳密な意味での被解雇者の人数に相当す 許されないというべきである。 なお,この点について,被告は,変更解約告知による解雇の場合,変更解約告知を受け入れるか否かのイニシアティブは労働者の側にあるから,厳密な意味での被解雇者の人数に相当する人員削減の必要性は考慮要素とされるべきでない旨主張する。しかし,本件変更解約告知のように,これに応じて新規採用に応募した場合であっても採用されないことが予定されていたときには,労働者の側に被告主張のようなイニシアティブがあったとは認めがたいから,この被告の主張を認めることはできない。 イ前記1(1)ないし(3)のとおり,本件解雇の当時の被告の経営状態は,相当額の営業損失が計上されており,売上高に対する人件費率も高率であって,現預金を減少させながら営業を維持させていた状況であったことが認められる。 したがって,被告がその当時に借入金債務を負担しておらず,固定資産として約3億円を計上しており,遊休資産として社員寮があったことや,費消可能な現預金が約3億円強あったこと(前記1(3)イ,また,) 被告においては,本件解雇後に新たに9名の人員の補充がされていたこと(甲55,74,原告A,被告代表者)を考慮しても,前記のような営業損失の規模や人件費率の状況からすると,本件解雇の当時には,被告においては人件費を削減する必要性が高かったものと認められる。 ウしかしながら,仮に被告の主張する事実関係を前提にした場合であっても,本件解雇の当時において人員削減の必要性が認められるのは,6人を超えない限度であって,本件解雇のように10名を削減する必要性があったことについての主張立証はされていない。 すなわち,被告は,従業員の人件費を500万円削減するために,賃金の切下げの他に,人員を6名削減する必要があった旨を主張するのみである(被告の主張(1)ア,同 ことについての主張立証はされていない。 すなわち,被告は,従業員の人件費を500万円削減するために,賃金の切下げの他に,人員を6名削減する必要があった旨を主張するのみである(被告の主張(1)ア,同(2)ア,ウ参照。 )そうすると,本件解雇においては,本件変更解約告知において削減された人員に見合った人員整理の必要性があったとは認めることができないこととなる。 (3) 手続の相当性また,前記1(5)記載の事実によれば,被告は,本件計画の説明に当たって,6名の人員を削減する必要性があることを説明したにとどまるのであって,その説明した人員削減の必要性の範囲を超えて,原告ら10名について本件解雇を行うことは,労使間の手続の相当性の点においても合理性を欠くと考えられる。 (4) 以上によれば,その余の点について判断するまでもなく,本件解雇は無効であると認められる。 なお,仮に6名までの人員整理の必要性が認められたとしても,原告らに対する本件解雇は同一の理由に基づいて同一の機会に行われており,特定の6名を選定する作業が実際に行われていない以上,本件解雇全てを無効と認めるしかないというべきであり,特定の6名の解雇を有効とし,残 りの4名の解雇だけを無効とすることはできない。 また,前記(2)ウのとおり,一定程度の人員整理の必要性が認められるものの,実際に何名までの人員整理の必要性があったかについては,前記,。 の結論を左右するものではないのでそれ以上の検討はしないこととする第4 結論 このように,本件解雇は無効であるから,原告J以外の原告らは,被告に対し雇用契約上の権利を有する地位にあることとなり,また,前提事実(4)記載の事実により,平成16年6月支払分以降の賃金債権(賃金月額は別紙賃金目録記載のとおり)を有することとなる。 また,原告 に対し雇用契約上の権利を有する地位にあることとなり,また,前提事実(4)記載の事実により,平成16年6月支払分以降の賃金債権(賃金月額は別紙賃金目録記載のとおり)を有することとなる。 また,原告Jについては,平成16年6月支払分から平成17年5月15日(定年退職日)までの賃金債権(賃金月額は別紙賃金目録記載のとおり52万7210円)を有することとなるが,平成17年4月21日から同年5月15日までの25日分(同年5月26日支払分)は,日割計算をすると,次の計算式のとおり,43万9342円となる。 527,210÷30×25=439,342(小数第1位において四捨五入),(,, 以上のとおり本件請求は理由があるからただし原告Jの請求のうち平成17年5月26日支払分については43万9342円及びそれに対する遅延損害金の範囲内に限る,主文のとおり判決する。 。)大阪地方裁判所第5民事部裁判長裁判官山田陽三裁判官川畑正文 裁判官細川二朗 別紙賃金目録名前賃金額 476,820A¥ 394,180B¥ 272,670C¥ 487,900D¥ 364,440E¥ 527,210J¥ 351,560F¥ 340,060G¥ 311,070H¥ 272,670I¥

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