平成11(ワ)198 賃料確認等請求

裁判年月日・裁判所
平成14年2月26日 神戸地方裁判所
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判決文本文26,979 文字)

判決平成14年2月26日神戸地方裁判所平成11年(ワ)第198号賃料確認等請求事件 主文 一被告有限会社互陽産業及び被告株式会社中央洋行は原告に対し,連帯して,金546万9981円及びこれに対する,被告有限会社互陽産業につき平成11年9月7日から,被告株式会社中央洋行につき平成12年2月5日から,それぞれ支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 二被告有限会社互陽産業及び被告株式会社中央洋行は原告に対し,連帯して,金4000万円及びこれに対する,被告有限会社互陽産業につき平成12年2月2日から,被告株式会社中央洋行につき同月5日から,それぞれ支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 三被告らは原告に対し,連帯して,金606万4248円及びこれに対する,被告有限会社互陽産業につき平成12年2月2日から,被告株式会社中央洋行につき同月5日から,被告甲につき同月15日から,それぞれ支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 四原告のその余の請求を棄却する。 五訴訟費用は,これを3分し,その1を原告の負担とし,その余は被告らの負担とする。 六この判決は,原告勝訴部分に限り,仮に執行することができる。 事実及び争点第一申立一甲事件 1 被告有限会社互陽産業(以下,「被告互陽産業」という。)は原告に対し,金2000万円及びこれに対する平成11年2月7日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 2 仮執行の宣言二乙事件 1 被告互陽産業,被告株式会社中央洋行(以下,「被告中央洋行」という。)及び被告甲(以下,「被告甲」という。)は原告に対し,連帯して,金508万6372円及びこれに対する,被告互陽 二乙事件 1 被告互陽産業,被告株式会社中央洋行(以下,「被告中央洋行」という。)及び被告甲(以下,「被告甲」という。)は原告に対し,連帯して,金508万6372円及びこれに対する,被告互陽産業につき平成11年11月19日から,被告中央洋行につき同月20日から,被告甲につき同月30日から,それぞれ支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 2 仮執行の宣言三丙事件 1 被告互陽産業及び被告中央洋行は原告に対し,連帯して,金4000万円及びこれに対する,被告互陽産業につき平成12年2月2日から,被告中央洋行につき同月5日から,それぞれ支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 2 被告中央洋行は原告に対し,金2000万円及びこれに対する平成12年2月5日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 3 被告互陽産業,被告中央洋行及び被告甲は原告に対し,連帯して,金1539万2744円及びこれに対する,被告互陽産業につき平成12年2月2日から,被告中央洋行につき同月5日から,被告甲につき同月15日から,それぞれ支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 4 仮執行の宣言第二事案の概要本件は,原告が被告互陽産業及び被告中央洋行に対し,別紙物件目録二ないし四記載の各室の賃貸借(但し,賃貸借か否かについては争いがある。)保証金各金2000万円,合計6000万円の返還と訴状送達の翌日以降民法所定年5分の割合による遅延損害金の支払を求め(甲及び丙事件),被告らに対し,賃借権侵害に基づく損害賠償として,別紙物件目録四記載の502号室について508万6372円(乙事件)及び同目録二,三記載の701号室,702号室について1539万2744円(丙事件)と前同遅延損害金の支払を求めた事件が併合審理された事件で 録四記載の502号室について508万6372円(乙事件)及び同目録二,三記載の701号室,702号室について1539万2744円(丙事件)と前同遅延損害金の支払を求めた事件が併合審理された事件である。 一争いのない事実等(証拠を摘示しない事実は争いがない。) 1 被告互陽産業は不動産の売買,賃貸借及び管理等を目的とする会社であり,被告中央洋行は別紙物件目録一記載の建物(以下,「本件ビル」という。)を所有する会社である。被告甲は被告中央洋行の代表取締役であって,被告互陽産業の代表者陳照紅の夫である。 2 本件ビルは,JR三宮駅から北へ約数分の距離にある繁華街に所在し,飲食店,スナック等の店舗として利用されている。 3 本件ビルは,被告中央洋行が昭和51年6月に建築した。 4 原告と被告互陽産業は,平成3年4月21日付けで,被告互陽産業を委託者とし,原告を受託者として,別紙物件目録四記載の本件ビル502号室(以下,「502号室」という。)について,概略次のような内容の店舗運営業務委託契約書を取り交わした。同契約書には,被告中央洋行も物件所有者として記名捺印した。(乙1)(1) 被告互陽産業は原告に502号室を店舗として運営業務委託し,原告はこれを受託する。 (2) 原告は502号室を飲食業以外の目的に使用しない。 (3)(委託の期間)委託期間は平成3年4月12日より平成5年4月30日までとし,期間満了6か月前までにいずれかから書面による終了させる旨の通知がない限り,2か年延長し,以後も同様とする。 (4)(受託料)受託料は月額23万6975円(共益費3万6975円を含む)とし,毎月25日までに翌月分を原告は被告互陽産業に支払う。平成5年4月末からは25万6975円(共益費3万6 (4)(受託料)受託料は月額23万6975円(共益費3万6975円を含む)とし,毎月25日までに翌月分を原告は被告互陽産業に支払う。平成5年4月末からは25万6975円(共益費3万6975円を含む)とする。 (5)(費用の負担区分)被告中央洋行に対する家賃20万円及び共益費3万6975円は被告互陽産業の負担とする。ただし,家賃・共益費が変更のときは,差額分については原告の負担とする。 (5)以外のすべての経費並びにその他の諸費用と被告互陽産業所有の業務に対する公租公課,消費税,光熱費等は原告の負担とする。 (7)(受託料の保証金)原告は本契約に基づく原告の債務を担保するため2000万円の保証金を無利息で預託する。 保証金は,本契約が終了し,502号室の明渡しも完了し,かつ,被告互陽産業に対する一切の債務を完済した後に原告に返還する。 (8)(受託料の改訂)賃貸料の改定について被告互陽産業と原告の協議が整わない場合は,同被告の指定する不動産鑑定士の鑑定結果に従うものとする。 (9) 原告が受託料,共益費を期日に支払わなかった場合の遅延損害金は,日歩5銭の割合とする。 (10) (受託権の譲渡の禁止,営業報告義務)原告は営業報告書を作成し,被告互陽産業に提出報告する。 原告は店舗リース契約書又は営業委託契約書を添え,契約の都度被告互陽産業に報告する。 原告の店舗運営業務の目的以外に被告互陽産業の文書による承諾なしに受託権の全部又は一部の譲渡,受託物件の全部又は一部の転貸をしてはならない。 (11)(原状回復義務)本契約が終了したときは,原告は受託物件内の造作,間仕切,建具等の新設又は模様替並びに原告が施設し 一部の譲渡,受託物件の全部又は一部の転貸をしてはならない。 (11)(原状回復義務)本契約が終了したときは,原告は受託物件内の造作,間仕切,建具等の新設又は模様替並びに原告が施設した諸設備は撤去し,原状に回復して被告互陽産業に明け渡し返還しなければならない。 この場合,原告が遅滞なく原状回復の処置をとらなかったときは,被告互陽産業は原告の費用負担で原状回復の処置をとることができる。 5 原告と被告互陽産業は,平成3年6月20日,被告互陽産業を委託者とし,原告を受託者として,別紙物件目録二記載の本件ビル701号室(以下,「701号室」という。),同目録三記載の702号室(以下,「702号室」という。)及び同目録一記載の本件ビル内の501号室(以下,「501号室」という。)について,期間を平成3年7月1日から平成5年6月30日までとする点を除いては,概略4と同様の内容の店舗運営業務委託契約書を取り交わした。同契約書には,被告中央洋行も物件所有者として記名捺印した。なお,同契約書の受託物件の表示中「5階1号室(501号室)」は,501号室明渡し後「5階2号室(502号室)」に書き改められた。(甲16,18,乙1,弁論の全趣旨) 6 原告は,502号室,701号室及び702号室(以下,併せて「本件各店舗」という。)の保証金各2000万円,合計6000万円(以下,「本件保証金」という。)を預託した。一部は約束手形で支払ったが,利息も含め平成6年6月30日には支払を完了した。 被告中央洋行は原告に対し,本件保証金返還債務を連帯保証した。 7 原告は,被告互陽産業から,本件各店舗及び501号室の引渡しを受け,これを第三者に賃貸する方法で,使用収益してきた。(弁論の全趣旨) 8 被告互陽産業と原告は,平成4年 務を連帯保証した。 7 原告は,被告互陽産業から,本件各店舗及び501号室の引渡しを受け,これを第三者に賃貸する方法で,使用収益してきた。(弁論の全趣旨) 8 被告互陽産業と原告は,平成4年2月15日付けで,店舗運営業務委託使用料緊急是正確認書(以下,「確認書」という。)を取り交わした。その内容は以下のとおりである。(乙5)(1) 平成4年7月1日から平成5年6月30日までの本件各店舗及び501号室の使用料各20万円(消費税別)を27万5000円に値上げする。 (2) 原告は,平成5年7月1日以降平成6年6月30日までの各室の使用料を35万円(消費税別)として支払うものとする。 (3) 上記にかかわらず,当初両者の契約に際して口頭で行った約束に従って,原告の設備償却について営業報告に使用料の基本収支について報告を同被告に行い,使用経過中といえども原告は同被告の使用料の適正な値上げの協議に応じ,利益の再配分を行うものとする。 9 被告互陽産業は原告に対し,平成4年3月16日付けで,概略次のような文書を交付し,原告は文書の内容を確認の上記名捺印した。(乙6)(1) 本件各店舗及び501号室について,両者間の契約に基づき新営業委託店舗運営者を特定して報告書が提出されているが,同運営者との間の契約書が賃貸借契約書となっていることは,上記両者間の契約と相異していること(2) 原告の弁明では,風俗営業の許可の関係から書類上の形式を整える必要から賃貸借契約としたとのことなので,やむを得ないものとして,同被告は了承すること(3) 同被告と原告との契約では,内装設備を原告が行い,内装設備を含めて特定の者に限りリースで店舗を委託して運営営業せしめるというものであることを再度確認していただきたいこと10 と(3) 同被告と原告との契約では,内装設備を原告が行い,内装設備を含めて特定の者に限りリースで店舗を委託して運営営業せしめるというものであることを再度確認していただきたいこと 10 原告は被告互陽産業に対し,平成4年3月19日付けの「店舗運営業務委託契約の趣旨について」と題する書面を交付した。その内容の概略は以下のとおりである。(乙7)(1) 原告と各テナントとの契約が賃貸借契約となっており,原告と被告互陽産業間の契約の目的のとおり,商法245条1項2号の規定に基づく内装設備を施し原告が各テナントとの間で経営を委託管理させ設備の使用料を徴収することになっていないこと(2) 経営の収益については,各テナントで単独処理しており,経営管理権の一切の無断転貸であり,契約に従っていないこと(3) テナントとの契約更新時には必ず設備の使用料であることを明記すること(4) 万一違反があれば,原告において責任をもって処理すること 11 平成7年1月17日,阪神・淡路大震災が発生し,本件各店舗に電気,水道等の供給がなされず,本件各店舗で営業することはできない状態となったが,被告互陽産業は原告に対し,家賃及び共益費(受託料)を従来どおり請求した。原告は,平成7年2月分から5月分まではその支払をしなかった。 12 地価は平成3年をピークに急激な値下がり傾向を示した。原告は被告互陽産業に対し,平成9年10月15日到達の内容証明郵便により,本件各店舗の1店舗あたりの月額家賃(受託料)を17万7480円に減額するよう請求した。そして,平成10年1月19日には,神戸簡易裁判所に賃料確定の調停申立をした。 13 被告互陽産業は,平成7年6月分以前は「賃貸料・共益費」として原告に請求書を送付してきたが,同月分以降は「賃 。そして,平成10年1月19日には,神戸簡易裁判所に賃料確定の調停申立をした。 13 被告互陽産業は,平成7年6月分以前は「賃貸料・共益費」として原告に請求書を送付してきたが,同月分以降は「賃貸料」と印刷されている箇所に線を引き,「受託料」と訂正して請求書を送付するようになった。12の調停の際に,被告互陽産業は原告との契約は共同経営契約であると主張し始め,調停は平成10年5月12日不成立により終了した。 14 被告互陽産業と原告は,平成5年11月18日付けで,501号室明渡しに際して,覚書を取り交わしたが,これに添付された清算書には「家賃・共益費10月分264,684円」との記載がある。(甲16) 15 被告互陽産業は,平成10年5月20日,502号室の入口に,「入居される方へ。テナントの入居,使用は事前に被告互陽産業の承諾が必要です。原告より入退去の通知と承諾もありませんので,入居は一切認められません。」との貼り紙を出し,本件ビル1階の外側と内部の店舗案内の看板のうち502号室の部分に「オーナーの承諾を取って下さい」との貼り紙をした。(甲12,弁論の全趣旨) 16 被告互陽産業は原告に対し,平成10年6月1日到達の内容証明郵便で,同被告の再三の警告にもかかわらず,原告が502号室を「パールブリッチ」に無断転貸したことを理由に,本件各店舗に係る契約を解除するとの意思表示をした。 17 神戸地方裁判所は,平成10年6月17日,被告互陽産業の申立に基づき,原告に対し,502号室につき,占有移転禁止の仮処分決定を出した。(乙13) 18 被告互陽産業は原告に対し,平成11年6月26日到達の内容証明郵便で,本件各店舗の委託料等4199万円余りを同年7月5日までに支払うよう催告するとともに,支払がないときは本件各店舗に係る契約 18 被告互陽産業は原告に対し,平成11年6月26日到達の内容証明郵便で,本件各店舗の委託料等4199万円余りを同年7月5日までに支払うよう催告するとともに,支払がないときは本件各店舗に係る契約を解除する旨の意思表示をした。(乙14) 19 原告は被告互陽産業に対し,平成11年7月30日到達の内容証明郵便で,被告甲が701号室及び702号室の使用を妨害したことは被告互陽産業の債務不履行にあたることを理由に両室の契約を解除する旨の意思表示をした。(甲6) 20 被告互陽産業代理人のA弁護士は,原告代理人のB弁護士宛に,平成11年9月6日付けの701号室及び702号室の鍵の受領書を交付した。これにより,両室の明渡しが完了した。(乙39)二争点に関する当事者の主張 1 契約の性質等(原告の主張)(1) 本件各店舗についての原告と被告互陽産業間の契約(以下,「本件契約」という。)は,契約書の表題が「店舗運営業務委託契約書」とはされているが,契約条項からすれば,その実質は本件各店舗についての賃貸借契約である。運営利益を折半するとの合意はしていない。 上記事実は,被告互陽産業が原告に対し,毎月定額の賃貸料,共益費を請求し,原告がこれを支払ってきたことからも明らかである。 (2) 502号室の契約は,平成3年9月頃被告互陽産業と原告で締結されたものである。契約書(乙1)の日付が平成3年4月21日とされているのは,同被告の要望により遡らせた結果である。 (被告らの主張)(1) 被告互陽産業は,本件ビル所有者である被告中央洋行から本件ビルを一括して賃借し,その運営を行っていたところ,平成3年1月頃,それまで本件ビルの賃貸店舗からの賃料の徴収等の業務を委託していた原告から,当時空室となっていた502 者である被告中央洋行から本件ビルを一括して賃借し,その運営を行っていたところ,平成3年1月頃,それまで本件ビルの賃貸店舗からの賃料の徴収等の業務を委託していた原告から,当時空室となっていた502号室について店舗内装等のリース業を共同で経営することをもちかけられた。その内容は,原告が店舗内装費用を負担し,被告互陽産業は賃貸店舗を通常より安価で提供して,両者の共同経営で,家主である中央洋行に支払う家賃よりも高額で店舗と内装とを他にリースし,これによる利益を折半するというものであった。 被告互陽産業は原告の上記申入れを承諾し,平成3年4月21日,原告との間で,502号室につき店舗運営業務委託契約書(乙1)を取り交わし,共同経営契約を締結した。更に,同年6月20日,501号室,701号室及び702号室につき同様に店舗運営業務委託契約書(乙2)を取り交わして共同経営契約を締結した。 (2) 上記利益折半の合意に基づき,原告は被告互陽産業に対し,別紙運営利益計算書記載のとおり,合計2819万0356円の運営利益を支払う義務がある。 2 契約終了原因及び明渡しの時期(原告の主張)(1) 原告は,平成10年5月頃,502号室をCに賃貸し,被告互陽産業にその旨通知した。Cは「パールブリッチ」の名称で開業しようとしたところ,被告らは,同月20日,502号室の正面ドアに「入居の承諾をしていないので入居は認められない」との貼り紙を出して方の開店を妨害した。原告が貼り紙を取り除いても同被告は同様の貼り紙をし,更には,本件ビル1階入口の外側と内部に設置してある店舗案内図のうち「パールブリッチ」の看板を破棄し,その部分に「オーナーの承諾を取って下さい」との貼り紙を出した。 原告は本件ビル管理人の指示に基づき,ダイチコーポレ 側と内部に設置してある店舗案内図のうち「パールブリッチ」の看板を破棄し,その部分に「オーナーの承諾を取って下さい」との貼り紙を出した。 原告は本件ビル管理人の指示に基づき,ダイチコーポレーションのDと交渉して,同人に対し,同月末に502号室の契約を使用妨害を理由に解除すると通知した。その後,Dから原告に対し,解除に同意するとの返事があり,原告はCとの契約を解除した上,同年5月末日頃に502号室の鍵をDに引き渡して同室を明け渡した。 (2)  原告は,701号室を「スナック沿革」こと乙に,702号室を「スナック最上」こと丙に,それぞれ賃貸していたが,被告らは平成11年5月頃,乙及び丙に対し,賃料等を直接被告互陽産業に支払うよう強く要求し,これを拒絶されると,同年6月26日午後6時頃,配電室のスイッチを切り,両店舗に対する電気を同日午後8時頃まで止めた。乙及び丙は同日の営業を中止した。その後も,被告らは乙及び丙に対し,両店舗への電気を止め,営業できないようにすると脅した。その結果,乙及び丙は両店舗における営業継続を断念し,同年6月末,原告との間の賃貸借契約を解除した。 そこで,原告は被告互陽産業に対し,平成11年7月30日到達の書面で,同被告の債務不履行を理由に,701号室及び702号室の契約を解除すると通知した(前記争いのない事実等19)。 (3) 本件各店舗の被告互陽産業と原告間との契約において,予め包括的に転貸の承諾を得ていた。 (被告らの主張)(1) 原告は,平成10年5月20日頃,被告互陽産業の申入れを無視して,502号室を「パールブリッチ」に無断転貸した。そこで,同被告は原告に対し,同年6月1日到達の書面をもって,本件各店舗に関する契約を解除する旨の意思表示をした(前記争いのない事実 申入れを無視して,502号室を「パールブリッチ」に無断転貸した。そこで,同被告は原告に対し,同年6月1日到達の書面をもって,本件各店舗に関する契約を解除する旨の意思表示をした(前記争いのない事実等16)。 (2) 原告は,平成11年4月以降受託料のみならず,共益費,光熱費すら支払わなくなり,被告互陽産業の催告も無視し,被告甲の協議申入れにも応じなかった。そこで,被告甲は,このままでは原告と被告互陽産業間の契約が解除され,乙及び丙にも被害が及ぶと考え,賃料を直接互陽産業に支払うよう申し入れた。また,原告を話し合いの場に出てこさせるため,やむなく一時電気のスイッチを切った。被告互陽産業は,平成11年6月26日到達の書面をもって,未払受託料等の支払を催告するとともに,同年7月5日までに支払がないときは本件各店舗に係る契約を解除する旨の意思表示をした(前記争いのない事実等18)(3) 原告が501号室を被告互陽産業に明け渡したのは,平成5年10月である。また,502号室の明渡しは平成11年8月5日である。 3 賃料(受託料)額及び不払額(原告の主張)(1) 本件各店舗の平成5年7月1日以降の賃料は,1室あたり月額25万6975円(共益費3万6975円を含む。消費税は別。)であり,以後増額されたことはなかった。 (2) 確認書により,被告互陽産業と原告間に賃料増額の合意が成立したことは否認する。確認書は,被告甲の他のテナントに対する増額請求に使用したいとの要望により作成されたもので,真実このような合意をしたものではない。その証拠に,原告は一旦同被告の請求する賃料を支払ったが,数日後に同被告及び被告中央洋行から増額分に相当する金員の返還を受けた。 (3) 平成7年2月分から5月分までの賃料(受託料),共益費 。その証拠に,原告は一旦同被告の請求する賃料を支払ったが,数日後に同被告及び被告中央洋行から増額分に相当する金員の返還を受けた。 (3) 平成7年2月分から5月分までの賃料(受託料),共益費及び水道光熱費(合計19万4104円の基本料相当額)について,原告は被告互陽産業に対する支払義務はない。すなわち,震災により電気,水道,ガスが供給停止の状態であったのに,被告互陽産業は供給再開のための業者の手配もせず,この間本件各店舗を使用収益させる義務を履行しなかった。 (4) 原告は決められた賃料等を支払ってきたもので,その都度被告互陽産業との間で精算しており,不払はない。 (被告らの主張)(1) 平成4年2月15日,被告互陽産業と原告は,確認書により,前記争いのない事実等8のとおり,受託料値上げの合意をした。 したがって,原告が被告互陽産業に支払うべき受託料は,次のとおりである(いずれも,消費税別。)。但し,同被告は原告に対し,平成5年10月から平成8年8月分までは,1室あたり月額22万円で請求し,残額は支払を猶予してきた。 ① 平成3年4月1日から同年6月30日まで月額20万円(502室)② 平成3年7月1日から平成4年6月30日まで月額80万円(本件各店舗及び501号室)③ 平成4年7月1日から平成5年6月30日まで月額110万円(同上)④ 平成5年7月1日から同年10月30日まで月額140万円(同上)⑤ 平成5年11月1日以降月額105万円(本件各店舗)(2) 原告の被告互陽産業に対する受託料等の支払状況は別紙支払関係明細書記載のとおりであり,平成12年6月25日現在の不払は以下のとおり,合計5296万1334円である。 ① 使用料(受託料),共益費 の被告互陽産業に対する受託料等の支払状況は別紙支払関係明細書記載のとおりであり,平成12年6月25日現在の不払は以下のとおり,合計5296万1334円である。 ① 使用料(受託料),共益費,光熱費及び消費税合計3901万0997円② 未入金遅延損害金711万9464円③ 入金遅延損害金90万1208円④ 未入金3901万0997円に対する平成11年8月26日から平成12年6月25日までの間の遅延損害金592万9665円(3) 震災による本件ビルの損傷は比較的軽く,使用可能な状態であった。受託料等減額について,原告と被告互陽産業との間に何ら合意はできていない。 なお,原告の主張(3)は,時機に遅れたもので,認められない。 4 原状回復義務(被告らの主張)原告は,被告互陽産業に対し,本件各店舗の原状回復義務を負担している(前記争いのない事実等5及び4の(11))ところ,その義務を履行していない。同被告は,本件各店舗の原状回復をするために,1室あたり内装解体工事費用56万7000円,内装工事費用399万円を必要とし,原告は合計1367万1000円を負担すべきである。 (原告の主張)(1) 被告互陽産業は原告に対し,本件各店舗の原状回復を求めず,現状による明渡しを容認した。 (2) 502号室については,原告は内装工事をしておらず,店舗内の原告所有物件はすべて搬出済みであり,原状回復義務は履行した。 5 被告互陽産業による相殺被告互陽産業は原告に対し,本訴において,前記3の受託料等支払請求権,前記1の運営利益支払請求権,前記4の原状回復義務負担金請求権の順序で,原告の6000万円の保証金返還請求権と対当額で相殺する旨の意思表示をした。 し,本訴において,前記3の受託料等支払請求権,前記1の運営利益支払請求権,前記4の原状回復義務負担金請求権の順序で,原告の6000万円の保証金返還請求権と対当額で相殺する旨の意思表示をした。 6賃借権侵害(原告の主張)(1)① 原告は,平成10年5月,502号室について,Cとの間で,Cに対し月額賃料40万円で賃貸するとの賃貸借契約を締結した。 ② 被告らは共同して,被告甲において,前記2(1)のとおりの妨害行為をし,その結果,Cは開店することができず,原告はCとの間の賃貸借契約を解除した上,被告互陽産業との間の契約を解除し,502号室を明け渡した。 ③ 被告らの違法な妨害行為により,原告は502号室の賃借権を失い,次の合計508万6372円の損害を被った。 ア得べかりし利益の喪失としての賃料差額(月額で13万0177円)の3年分468万6372円イ Cに支払った違約金40万円(2)① 原告は,701号室を乙に賃料月額51万5000円で,702号室を丙に賃料月額38万円で,それぞれ賃貸していた。 ② 被告らは共同して,被告甲において,前記2(2)のとおり,平成11年5月頃,乙及び丙に対し,賃料等を直接被告互陽産業に支払うよう強く要求し,これを拒絶されると,同年6月26日午後6時頃,配電室のスイッチを切り,両店舗に対する電気を止めた。被告甲は,同日午後8時頃,スイッチを入れ,両店舗への通電を再開した。乙及び丙は同日の営業を中止した。その後も,被告甲は乙及び丙に対し,両店舗への電気を止め,営業できないようにすると脅した。その結果,乙及び丙は両店舗における営業継続を断念し,同年6月末,原告との間の賃貸借契約を解除した。 ③ 原告は被告互陽産業に対し,平成11年7月30日到 め,営業できないようにすると脅した。その結果,乙及び丙は両店舗における営業継続を断念し,同年6月末,原告との間の賃貸借契約を解除した。 ③ 原告は被告互陽産業に対し,平成11年7月30日到達の書面で,同被告の債務不履行を理由に,701号室及び702号室の契約を解除すると通知した(前記争いのない事実等19)。 ④ 被告らの違法な妨害行為により,原告は701号室及び702号室の賃借権を失い,次の合計1539万2744円の損害を被った。 ア得べかりし利益の喪失としての賃料差額(701号室につき月額で24万5177円,702号室につき月額で11万0177円)の3年分1279万2744円イ乙に支払った店舗移転費用20万円ウ丙に支払った違約金240万円(被告らの主張)前記2(1)(2)のとおりである。 理由 第一保証金返還請求(甲及び丙事件)について一保証金返還請求については,被告互陽産業の相殺の抗弁が問題となる。 二本件各店舗及び501号室に係る契約の性質について本件各店舗及び501号室に関する被告互陽産業と原告との間の契約の性質について,原告は賃貸借契約であると主張し,被告らは共同経営契約であると主張するが,要は,被告らが主張するように,両者間で利益を折半する特約がなされていたか否かが問題なのであって,受託料(賃料)等は,契約の性質にかかわらず,契約に従い,原告が被告互陽産業に支払うべきものである。 なお,契約の性質について若干触れると,各対象物件を原告が使用し,その対価が支払われていたことは否定できず,この点に着目すれば賃貸借契約であるということができる。一方,被告ら主張の利益折半という特約の下に,各物件における営業 触れると,各対象物件を原告が使用し,その対価が支払われていたことは否定できず,この点に着目すれば賃貸借契約であるということができる。一方,被告ら主張の利益折半という特約の下に,各物件における営業を,原告と被告互陽産業が協力して,第三者に店舗と内装をリースする形態で委ねることとしたという点に着目すれば,すなわち,各物件における営業委託により生じる利益の分配の点に着目すれば,共同経営契約であるということを妨げないと解される。しかし,結局,上記特約の有無が問題である。 三受託料(賃料。以下,便宜上「受託料」という。)等について 1 502号室の使用開始時期(1) 前記争いのない事実等4のとおり,502号室について,平成3年4月21日付け契約書が存在し,同契約書によれば,契約期間の始期は同月12日とされている。 (2) 原告は,被告互陽産業の要望で契約書の日付を遡らせたもので,真実は,同年9月から502号室につき契約して,その使用を開始したと主張し,原告本人も同様の供述をしている。 しかし,契約期間の始期まで遡らせる理由についての説明はない。 (3) 乙32と弁論の全趣旨によれば,原告から被告互陽産業に対し,平成3年4月21日付けで,前記争いのない事実4(10)に基づき,502号室の営業委託店舗運営者がEに決定したことを報告するとの文書を交付し,同被告が承諾したことが認められる。 (4) 以上に,日付を遡らせた点について,これを認めるに足りる的確な証拠もないことを総合すれば,原告の主張は採用できず,502号室の原告による使用開始は,契約書の契約期間の始期どおりであると認めるのが相当である。 2 各室の明渡時期(1) 前記争いのない事実等20のとおり,701号室及び702号室の明渡時期は,平成11 による使用開始は,契約書の契約期間の始期どおりであると認めるのが相当である。 2 各室の明渡時期(1) 前記争いのない事実等20のとおり,701号室及び702号室の明渡時期は,平成11年9月6日である。 (2) 501号室の明渡時期については,平成5年10月との被告らの主張を,原告が明らかに争わないと認められるので,これを認めたものとみなす。 (3) 502号室の明渡時期原告本人(甲18の陳述書を含む。以下同じ。)は,原告の主張に沿って,平成10年5月末日頃に502号室の鍵を緒方に引き渡して,同室の明渡しを完了したと供述しているが,これを裏付ける的確な証拠がない上,Dに同室の管理権限があったこと及び同室の内部の原告所有物件の撤去等も含めて同日に明渡しを終えたことを認めるに足りる証拠もない。乙29によれば,被告互陽産業は原告に対し,平成10年5月以降も本件各店舗3室分の受託料等を請求していることが認められる。 したがって,同室の明渡しは,被告らが認める平成11年8月5日のことであると認定するほかない。 3 受託料等の不払について(1) 確認書による増額合意について前記争いのない事実等8記載の確認書によれば,原告と被告互陽産業間で,平成4年2月15日,本件各店舗及び501号室の受託料を,月額で,平成4年7月1日以降各27万5000円(消費税別)に,平成5年7月1日以降平成6年6月30日までは各35万円(消費税別)に,それぞれ値上げする合意が,少なくとも形式上成立したことが認められる。 ところで,証拠(甲15)と弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 ① 原告は被告互陽産業に対し,平成4年11月10日,本件各店舗及び501号室の4室分の受託料,共益費,光熱 ところで,証拠(甲15)と弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 ① 原告は被告互陽産業に対し,平成4年11月10日,本件各店舗及び501号室の4室分の受託料,共益費,光熱費(以下,併せて「受託料等」という。)として143万6286円を送金し,同月13日,同被告及び被告中央洋行から各金15万4500円の送金を受けた。 ② 以後,平成4年11月30日,同年12月14日,平成5年1月20日,同年2月15日,同年3月12日,同年4月13日,同年5月21日,同年6月21日に,被告互陽産業及び被告中央洋行から同様の送金が原告になされた。 ③ 平成5年7月27日,同年8月19日には,上記両被告から原告に,各金8万7550円の送金がされた。 そして,原告は,上記各金15万4500円,合計30万9000円の送金は,確認書による平成4年7月以降の値上げ分,すなわち1室あたりの受託料20万円(共益費3万6975円を除いたもの)から27万5000円への値上げ分の4室分に消費税を加えたものに合致し,これが,確認書による値上げ合意が仮装であることの根拠であると主張している。 しかし,以下の認定,説示によれば,確認書による合意が仮装であると認めることはできない。 ① 乙29によれば,被告互陽産業は原告に対し,平成4年7月分以降の受託料として,月額合計113万3000円(消費税を含む)を請求していることが認められ,1室あたりの消費税を除く受託料は月額27万5000円となり,確認書どおりとなる。 ② 乙23によれば,原告は被告互陽産業宛に,平成4年10月19日付けで,「702号室廃業に係る使用料の措置についてのお願い」と題する書面を交付し,その中で,「家賃の値上げに関しても当社は貴社の要望に応えて 3によれば,原告は被告互陽産業宛に,平成4年10月19日付けで,「702号室廃業に係る使用料の措置についてのお願い」と題する書面を交付し,その中で,「家賃の値上げに関しても当社は貴社の要望に応えて値上げにも応じてきたのでありますが,空室が余り長期に及ぶ場合には賃料共益費の御猶予をお願い申し上げたく宜敷く御考慮御協力賜り度く宜敷くお取り計らい願います。御猶予の支払いについては後日金利を含めて御清算申し上げることを含めて御検討をお願い申し上げます。」と記載したことが認められる。これによれば,原告は受託料値上げに承諾したことを認めている。 ③ 乙24,29によれば,原告は被告互陽産業に対し,平成5年6月19日付け書面で,702号室のテナント廃業後新規テナントが決まらないことから,同室の受託料35万円の支払の猶予を申し入れ,同被告は,同月26日,これを了承したこと,この合意に基づき,同被告は原告に対し,平成5年7月分以降の受託料の請求は,702号室を除く3室分の合計108万1500円(消費税を含む)にとどめたことが認められる。 ④ 乙25,28によれば,原告は被告互陽産業に対し,平成4年10月19日,同年7月分から10月分の受託料未払額92万7000円を送金して支払ったことが認められる。 この点に関して,原告は,被告中央洋行から現金30万9000円と金額61万8000円の同被告振出に係る小切手(甲19)を受領し,その合計額を被告互陽産業に送金したものであると主張し,原告本人もこれに沿う供述をしているが,採用できない。甲19によれば,上記小切手は翌20日に交換決済されていることが認められるが,何故現金と小切手に分けて,このような迂遠な取扱いをする必要があったかについて,原告本人は合理的な説明ができていない。また,乙 よれば,上記小切手は翌20日に交換決済されていることが認められるが,何故現金と小切手に分けて,このような迂遠な取扱いをする必要があったかについて,原告本人は合理的な説明ができていない。また,乙31によれば,被告中央洋行は,上記小切手金について,原告に対する手数料として支払ったとの会計処理をしていることが認められ,上記原告による92万7000円の支払とは無関係であることが窺える。 ⑤ 乙29によれば,被告互陽産業は,平成5年11月分から原告に対する受託料の請求を月額合計90万6400円としたが,被告甲本人によれば,これは,原告から更なる減額を要請され,1室あたり22万円(消費税別)として請求したというものであり,確認書による受託料増額と必ずしも矛盾するものではない。 ⑥ 甲16によれば,501号室の契約の解約の際に原告と被告互陽産業との間で取り交わされた平成5年11月18日付け覚書に添付された清算書中には,家賃,共益費10月分26万4684円との記載があり,消費税及び月額3万6975円の共益費を除くと,受託料月額は22万円(消費税別)となることが認められる。これも,⑤の説示によれば,確認書による増額合意と矛盾するとまではいえない。 以上によれば,確認書による合意は,受託料増額の合意としての効力を有するということができる。 (2) 原告に対する受託料請求の経緯甲3,4,乙29と弁論の全趣旨によれば,被告互陽産業は原告に対し,以下のとおり受託料等について,毎月請求書を交付してきたことが認められる。 ① 前記のとおり,平成4年7月分以降,受託料は113万3000円(消費税を含む)として請求しており,1室あたり27万5000円(消費税別)となる。 ② 前記のとおり,平成5年7月分以降,受 ① 前記のとおり,平成4年7月分以降,受託料は113万3000円(消費税を含む)として請求しており,1室あたり27万5000円(消費税別)となる。 ② 前記のとおり,平成5年7月分以降,受託料は108万1500円(消費税を含む)として請求しており,702号室を除く3室分の請求にとどめている。 ③ 前記のとおり,同年11月分以降の受託料の請求は90万6400円(消費税を含む)であり,1室あたり22万円(消費税別)となるが,前記のとおり,同年10月に原告が501号室を明け渡したこととの関係は不明である。 ④ 請求書中には未払分債務確認書の項目があり,損害金の欄も設けられているが,平成5年11月分の請求書に未払として同年10月分37万7032円が掲げられるまでは,未払の記載はなかった。 ⑤ 平成6年1月分以降の受託料の請求は67万9800円(消費税を含む)であり,1室あたり22万円(消費税別)として本件各店舗3室分の受託料にあたる。同月分の請求書には未払の記載はない。 ⑥ 平成6年3月分の請求書には,同年2月分未払87万7561円及び日歩5銭の割合による遅延損害金1万3602円の記載があり,以後,その内容に変化はあるが,未払分の記載が継続してなされている。 ⑦ 平成7年1月20日付けの同年2月分の請求書では,未払分として遅延損害金10万5085円の記載がなされていたが,同年3月分の請求書には同年2月分の受託料67万9800円全額の未払が記載され,同年6月分以降の請求書には,同年2ないし5月分の受託料,共益費未払合計277万9182円及び同年1ないし4月の水道,光熱費未払合計19万4104円並びにその遅延損害金が継続して記載されている。 ⑧ 平成8年8月20日付け同年9月分の請求書には,各店舗 未払合計277万9182円及び同年1ないし4月の水道,光熱費未払合計19万4104円並びにその遅延損害金が継続して記載されている。 ⑧ 平成8年8月20日付け同年9月分の請求書には,各店舗の営業許可書の写しや営業報告書の提出がないこと,提出のない場合は確認書に従いやむを得ず未払使用料を請求し清算することになるとの文書を,被告互陽産業は添付した。 ⑨ 平成8年10月分以降の請求書では,受託料116万0412円(消費税を含む)とされており,1室あたり37万5538円(消費税別)となるが,これは,受託料35万円と震災負担金2万5538円の合計になる(被告互陽産業は本訴では震災負担金の支払義務が原告にあるとの主張はしていない。)。また,この請求書には,未払分として,いずれも消費税別で,平成5年7,8月分各35万円,9,10月分各52万円(13万円の4室分),11月分84万円(35万円と13万円の3室分),12月分から平成7年12月分まで各39万円,平成8年1月分以降は値上げにより48万0612円(16万0204円の3室分)の未払があると記載され,併せて,損害金についても別途請求すると記載された。以後,同様の考え方で請求及び未払分の記載がなされた。 (3) 受託料の推移及び不払① (1)のとおり,確認書による受託料増額の効力はあると認められるが,これは,その後の当事者間の合意により変更可能であることはいうまでもない。 そして,(2)の請求の推移を見ると,被告互陽産業は,平成4年7月分以降確認書に従い1室あたり月額27万5000円で請求したが,原告の702号室の受託料の支払猶予の申入れを承認して,平成5年7月分以降は3室分のみ,但し確認書に従い1室あたり月額35万円で請求したものである。この際には,被告互陽 7万5000円で請求したが,原告の702号室の受託料の支払猶予の申入れを承認して,平成5年7月分以降は3室分のみ,但し確認書に従い1室あたり月額35万円で請求したものである。この際には,被告互陽産業は乙24の書面を原告から徴求している。ところが,被告互陽産業は,平成5年11月分以降は平成8年9月分まで,1室あたり22万円の請求を,格別の留保もなく,また別途乙24のような書面を徴求することもなく続けてきた。更に,501号室の契約解約の際の精算でも,受託料月額22万円を前提に何ら留保なく計算している。この事実経過によれば,確認書により一旦増額が合意されはしたものの,平成5年11月分以降は,1室あたり月額22万円に減額する合意ができ,これを前提として同被告は原告に請求してきたものと推認される。 被告らは,本件保証金という担保もあるので,後日精算するつもりであったと主張し,被告甲本人もこれに沿う供述をするが,乙24のような書面を徴求し,平成5年11月頃からは請求書に未払分の記載を怠ってこなかったこと等から用心深いと考えられる被告互陽産業が,請求書その他の書面上の留保なく,以上のような請求を続けてきたのは,減額合意があったからであると推認するのが相当である。 ② 平成7年2ないし5月分の受託料,共益費未払合計277万9182円及び光熱費(基本料相当額)19万4104円について,原告には支払義務はないとの原告の主張は,本件口頭弁論再開後の平成13年11月に初めてなされたものであるところ,被告らは時機に遅れているのでこの主張は許されるべきではないと主張している。 しかしながら,原告は本訴の当初の頃から上記期間中の受託料等を支払っていないことを主張しており,この主張は,支払義務があるにもかかわらず支払っていないという趣 ではないと主張している。 しかしながら,原告は本訴の当初の頃から上記期間中の受託料等を支払っていないことを主張しており,この主張は,支払義務があるにもかかわらず支払っていないという趣旨の主張ではなく,震災のために電気等が使用できなかったので,支払う必要がないと考えて支払っていなかったという趣旨のものであったと解されるから,時機に遅れた主張であるということはできない。 前記争いのない事実等11と甲31ないし33によれば,上記期間中本件各店舗の電気,水道及びガスは,震災の影響により使用できなかったこと,原告はこれを理由に上記未払金につき支払う必要はないと被告互陽産業に通知していたことが認められる。 この事実によれば,本件各店舗の使用目的(飲食店等の営業用店舗)からして上記期間中本件各店舗の使用収益は不可抗力により客観的に不可能であったと認められ,民法611条の規定により,原告には受託料の支払義務はないと解するのが相当である。しかし,共益費は本件ビル全体の管理のための費用であると解され,また電気等の基本料は通電再開等のためにも受益者側が支払うべきものであるから,その支払義務がないということはできない。 よって,共益費の3室,4か月分45万7008円と光熱費(基本料19万4104円)は不払であると認められる。 ③ 前記争いのない事実等12のとおり,原告は平成9年10月15日に受託料減額の意思表示をしているが,この時期における相当賃料等の立証がないから,減額の効果が発生したと認めることはできない。また,1室あたり22万円(消費税別)とされた後に,受託料増額の合意が成立したことを認めるに足りる証拠もない。 ④ 被告は,別紙支払関係明細書記載のとおりの不払があると主張するが,まず,前記の ,1室あたり22万円(消費税別)とされた後に,受託料増額の合意が成立したことを認めるに足りる証拠もない。 ④ 被告は,別紙支払関係明細書記載のとおりの不払があると主張するが,まず,前記のとおり,平成5年11月分以降の受託料は1室あたり月額22万円(消費税別)であったと認められる。 また,同明細書,前記(2)④及び乙29によれば,平成5年6月までは不払はなかったものと推認される。 平成5年7月から11月分の受託料については,前記(2)⑨と同明細書によれば,7,8月分各36万0500円(消費税を含む),9,10月分各53万5600円(同)及び702号室の11月分22万6600円(同)の受託料不払があったと推認される。当時の請求書(甲3,乙29)中に未払の記載はないが,確認書及び前記平成5年6月19日付け書面を被告互陽産業は原告から徴求していることからすれば,請求書に記載がなくとも,この未払分は請求できると考えていたと推認でき,請求書に記載がないことは上記認定を覆すものではない。 平成5年12月以降については,甲3によれば,まず,平成6年3月分の請求書の未払分債務確認書において,同年2月分受託料等未払87万7561円との記載があり,同年1月26日から2月5日までの間の日歩5銭の割合による遅延損害金1万3602円の記載があるが,翌4月分の請求書には,受託料等の未払の記載はなく,遅延損害金のみが加算された記載となっており,以後も同様であることが認められる。この事実によれば,2月分の受託料等の未払は原告が支払って解消されたと推認できるところ,この解消の時期は証拠上明らかでないので,遅延損害金1万3602円の未払のみを認めることとする。未払元本の明らかでないものについての遅延損害金の加算は認められない。同じ 解消されたと推認できるところ,この解消の時期は証拠上明らかでないので,遅延損害金1万3602円の未払のみを認めることとする。未払元本の明らかでないものについての遅延損害金の加算は認められない。同じく甲3によれば,平成6年6月ないし8月分の請求書に同年5月ないし7月分の受託料等の未払の記載があり,併せて同年2月以降の遅延損害金の記載もあるが,同年9月分以降の請求書には元本未払の記載はなく,遅延損害金のみが加算されていっていることが認められる。この事実によれば,上記未払は原告の支払により解消されたことが推認されるが,解消の時期は証拠上明らかでない。したがって,遅延損害金の金額を確定することはできない。以後の遅延損害金の加算が認められないのは前記と同様である。 次に,乙29によれば,平成11年5月20日付け及び同年6月20日付けの請求書には,平成10年6月から11年5月までの間の受託料,共益費(平成11年3,4月分の光熱費未払を含む)未払分638万5188円の記載があり,平成11年3,4月分の光熱費は,5万2545円と6万7869円の合計12万0414円であり,受託料,共益費の未払は626万4774円となるところ,この未払期間中被告互陽産業は月額受託料118万2945円,同共益費11万6469円(いずれも消費税を含む)で請求しており,前記認定によれば,受託料は合計69万3000円しか請求できないから,月額で48万9945円の,総額で587万9340円の過大請求となることが認められる。したがって,光熱費を含めて50万5848円の未払があったことが認められ,遅延損害金については,光熱費については各月26日から発生すると認められるが,受託料,共益費については,未払の内訳が明確でないことから,平成11年4月26日以降の範囲で認めること たことが認められ,遅延損害金については,光熱費については各月26日から発生すると認められるが,受託料,共益費については,未払の内訳が明確でないことから,平成11年4月26日以降の範囲で認めることとする。また,上記2通の請求書によれば,平成11年6月分の未払はなかったものと推認される。 更に,別紙支払関係明細書,乙29及び弁論の全趣旨を総合すると,原告は平成11年7月分以降の受託料等を全く支払っていないことが認められる。 ⑤ 以上によれば,原告の不払は以下のとおりである。 ア平成7年1月ないし4月の各月25日が弁済期の共益費と光熱費(基本料)各金16万2778円とその遅延損害金イ平成5年6,7月の各月25日が弁済期の受託料各金36万0500円とその遅延損害金ウ同年8,9月の各月25日が弁済期の受託料各53万5600円とその遅延損害金エ同年10月25日が弁済期の受託料22万6000円とその遅延損害金オ平成6年2月分受託料等未払分に対する遅延損害金1万3602円カ平成11年3月25日が弁済期の光熱費5万2545円とその遅延損害金キ平成11年4月25日が弁済期の光熱費6万7869円とその遅延損害金ク平成11年4月25日が弁済期の受託料,共益費38万5434円とその遅延損害金ケ平成11年6月25日が弁済期の受託料,共益費80万9471円とその遅延損害金コ平成11年7月25日が弁済期の受託料,共益費58万3167円とその遅延損害金(502号室は8月5日までの分の日割計算)サ平成11年8月25日が弁済期の受託料,共益費10万7929円とその遅延損害金(9月6日までの日割計算)四運営利 67円とその遅延損害金(502号室は8月5日までの分の日割計算)サ平成11年8月25日が弁済期の受託料,共益費10万7929円とその遅延損害金(9月6日までの日割計算)四運営利益支払請求権について被告らは原告と被告互陽産業との間で,本件各店舗及び501号室について,共同経営契約を締結し,利益折半の特約をしたと主張し,被告甲もこれに沿う供述をしているが,乙1,2の各契約書にこのような条項はなく,採用できない。 同契約書は,弁護士が立会人となり同弁護士により条項が練られたものと推認できるところ,法律専門家が作成した契約条項で非常に詳細な内容を含んだ条項となっていることを考慮すると,条項中に記載のない事項について特約が締結されたと認めるのは困難であり,他に被告ら主張の特約を認めるに足りる的確な証拠もない。 前記確認書の内容(前記争いのない事実等8(3))からも,むしろ利益の分配の調整は受託料の増減により図ることとされていたと考えられる。 五原状回復義務について 1 前記争いのない事実等4,5によれば,原告に本件各店舗の原状回復義務があることが認められる。 2 原告は,被告互陽産業が原状回復を原告に求めず,現状による明渡しを容認したと主張するが,この事実を認めるに足りる的確な証拠はない。現状による明渡しがなされたことは弁論の全趣旨により明らかであるが,これだけでこうした明渡方法を同被告が容認したことにはならない。 3 502号室について,原告が内装工事を施工したことを認めるに足りる証拠はないから,同室の内装解体工事費用を原告が負担すべきであると認めることはできない。また,内装解体を前提とする内装工事費用を原告が負担すべきであるとも認められない。 4 乙22によれば,内装解体工事に1室あたり56万70 工事費用を原告が負担すべきであると認めることはできない。また,内装解体を前提とする内装工事費用を原告が負担すべきであるとも認められない。 4 乙22によれば,内装解体工事に1室あたり56万7000円を必要とすることが認められ,701号室及び702号室の同工事に合計113万4000円が必要であり,原告がこれを負担すべきであると認められる。 5 乙21(見積書)によれば,本件ビル6階住宅内装工事に399万円を必要とすることが認められる。しかし,この見積書は701号室ないしは702号室の見積であるとは認められず,他の部屋の見積を流用するのが相当か否か判断できる資料もない。そこで,1室あたりの内装工事費用を控え目に見て300万円と認定し,合計600万円の範囲で原告が負担すべきであると認めることとする。 六相殺 1 以上の認定によれば,被告互陽産業の平成11年8月5日(502号室明渡時点)における反対債権は次のとおりである。 (1) 前記三3(3)⑤のア 16万2778円の4か月分65万1112円と遅延損害金(日歩5銭の割合)合計52万3493円(2) 同イ 36万0500円の2か月分72万1000円と遅延損害金合計79万9228円(3) 同ウ 53万5600円の2か月分107万1200円と遅延損害金合計115万4485円(4) 同エ 22万6000円と遅延損害金23万8430円(5) 同オ 1万3602円(6) 同カ 5万2545円と遅延損害金3494円(7) 同キ 6万7869円と遅延損害金3461円(8) 同ク 38万5434円と遅延損害金1万9657円(9) 同ケ 80万9471円と遅延損害金1万6594円(10) 同コ 58万3167円と遅延損害金3207円 3461円(8) 同ク 38万5434円と遅延損害金1万9657円(9) 同ケ 80万9471円と遅延損害金1万6594円(10) 同コ 58万3167円と遅延損害金3207円(11) 以上合計734万3449円したがって,同日経過時点での金2000万円の保証金(甲及び丙事件請求分)の残金は1265万6551円となる。 2 その後前記三3(3)⑤のサの反対債権が平成11年8月25日に発生したが,同日までの上記保証金残金に対する年5分の割合による遅延損害金は3万4675円であるから,10万7929円と差引計算すると,保証金残金は1258万3297円となる。 3 その後,平成11年9月6日に前記五の合計713万4000円の反対債権が発生したが,同日までの上記保証金残金に対する遅延損害金は2万0684円であるから,差引計算すると,保証金残金は546万9981円となる。 4 よって,502号室の保証金残金546万9981円とこれに対する平成11年9月7日(但し,被告中央洋行については,平成12年2月5日)から支払済みまで年5分の割合による遅延損害金の支払義務が,被告互陽産業及び同中央洋行にある。また,701号室及び702号室の保証金請求(丙事件)については,遅延損害金の起算日が明渡後であるから,すべて理由がある。 なお,契約終了原因については,第二で認定のとおりである。 第二損害賠償請求(乙及び丙事件)について一契約終了原因 1 無断転貸について弁論の全趣旨によれば,平成10年5月20日頃,原告が502号室について,Cとの間で賃貸借契約を締結したことが認められる。 ところで,同室の原告と被告互陽産業間の契約書によれば,前記争いのない事実4,5のとおり,転貸については同 0日頃,原告が502号室について,Cとの間で賃貸借契約を締結したことが認められる。 ところで,同室の原告と被告互陽産業間の契約書によれば,前記争いのない事実4,5のとおり,転貸については同被告の文書による承諾が必要とされていたところ,乙8ないし11,16ないし19,26と弁論の全趣旨によれば,原告は転貸先を同被告に文書で報告し,転貸借契約書の写し等を同被告に交付するなどして同被告の承諾を得ていたが,文書による承諾までは得ていなかったことが認められる。したがって,文書による承諾までは得る必要はないとの取扱いが定着していたものといえる。 原告は,転貸については予め包括的に同被告の承諾を得ていたと主張しているが,これを認めるに足りる的確な証拠はない。また,方に対する転貸について,同被告に報告してその承諾を得たことを認めるに足りる証拠もない。 2 無断転貸による解除争いのない事実等16のとおり,被告互陽産業は方に対する無断転貸を理由に502号室に係る契約を解除したが,弁論の全趣旨によれば,結局方は同室に入居しなかったものであり,その原因は被告甲の行為にあったといえることを考慮すると,信頼関係を破壊しないと認めるに足りる特段の事情があると認められ,この解除は無効であるというべきである。 一方,原告は平成10年5月末に緒方との間で502号室に係る契約を解除する合意ができたと主張するが,緒方に同室の管理権限があったとは認められないことは,前記第一の三2(3)のとおりである。 3 受託料不払を理由とする解除争いのない事実等18のとおり,被告互陽産業は受託料等不払を理由に本件各店舗に係る契約を解除したが,その前提である4199万円余りの支払催告は,前記認定によれば,明らかに過大催告であるから,この解除も無効 ない事実等18のとおり,被告互陽産業は受託料等不払を理由に本件各店舗に係る契約を解除したが,その前提である4199万円余りの支払催告は,前記認定によれば,明らかに過大催告であるから,この解除も無効であるというべきである。 4 争いのない事実等19のとおり,原告は701号室,702号室に係る契約を被告互陽産業の債務不履行を理由に解除したが,両室の使用妨害に関する後記認定及び前記第一の三3で認定のとおりこの解除以前から受託料の不払が発生していることを考慮すれば,この解除は信義則に反するものといえるから,無効である。 5 以上によれば,結局本件各店舗に係る契約は,双方の信頼が喪失し,契約終了という点では双方の意思が合致した結果,明渡により終了したものと認めるほかない。 二被告らの不法行為 1 502号室関係(1) 被告互陽産業は,平成10年5月20日,前記争いのない事実等15のとおり,502号室の入口等に入居についてオーナーの承諾が必要である旨の文書を貼りだした。 (2) 前記一1のとおり,原告が方への転貸について被告互陽産業の承諾を得た事実は認められず,同被告が方の入居に抗議することは当然許されるが,502号室の入口等に貼り紙を出すなどの行為は社会的に許される相当な範囲を逸脱する疑いがある。 (3) しかし,第一の三2(3)で認定のとおり,502号室を原告が明け渡したのは平成11年8月5日のことであり,また一のとおり明渡しにより契約が終了したものと認められるところ,原告が平成10年5月以降も502号室を使用することは可能であり,転貸も被告互陽産業の承諾を得れば可能だったのであるから,原告が(1)の被告互陽産業の行為により502号室の賃借権を失ったということはできない。 更に,原告が方に対する転貸に は可能であり,転貸も被告互陽産業の承諾を得れば可能だったのであるから,原告が(1)の被告互陽産業の行為により502号室の賃借権を失ったということはできない。 更に,原告が方に対する転貸について被告互陽産業の承諾を得ていなかった以上,原告主張の損害を同被告らに主張できないことも明らかである。 2 701号室及び702号室関係(1) 乙11,17,19と弁論の全趣旨によれば,原告は平成3年10月9日,原告は乙との間で,701号室につき賃料月額65万円で転貸借契約を締結し,乙は同室に入居したこと,その後賃料は月額51万5000円に改められたこと,原告は平成5年11月12日,丙との間で,702号室につき受託料月額37万円で経営委託契約を締結し,丙は同室に入居したこと,この各契約について被告互陽産業は承諾していたことが認められる。 (2) 甲18,乙28,29,原告本人,被告本人と弁論の全趣旨によれば,原告は平成11年6月頃,被告互陽産業に対する受託料等の支払が滞っている状況であったが,同被告との協議に応じる姿勢がなかったこと,被告甲は,乙及び丙に対し,直接被告互陽産業に使用料を支払うよう話したが,同人らは応じなかったこと,被告甲は,同月26日夕方,1時間以上701号室及び702号室への電気の供給を停止したこと,同日,原告と同被告が話し合う機会がもてたことが認められる。 (3) 被告甲本人(乙28を含む)は,乙及び丙に迷惑をかけることになりかねないので同人らに直接支払の話をしたとか,原告と話し合う機会をもつために電気を止めたと弁解するが採用できない。法的手続によらないで乙及び丙に直接支払を求める行為は相当ではないし,電気を止める行為は明らかな営業妨害行為であり,乙及び丙の営業妨害をすることにより,原告と同人らとの間 たと弁解するが採用できない。法的手続によらないで乙及び丙に直接支払を求める行為は相当ではないし,電気を止める行為は明らかな営業妨害行為であり,乙及び丙の営業妨害をすることにより,原告と同人らとの間の契約関係に深刻な影響を与えるであろうことも,被告甲には当然予測できたはずであり,同被告の行為が違法であることは明らかである。 そして,被告互陽産業の取締役で(弁論の全趣旨),同被告の代表者の夫であり,かつ,本件ビル所有者の被告中央洋行の代表者である被告甲のこの行為は,被告互陽産業及び同中央洋行の職務との関連でなされたことが明らかであり,同被告らも,商法261条3項,78条2項,民法44条1項,709条,715条の規定により,被告甲の違法行為により原告に生じた損害を賠償する責任がある。 (4) 甲8,9及び原告本人によれば,乙及び丙は平成11年6月30日,被告甲の違法行為により営業継続困難となったことを理由に原告との間の転貸借契約の解除を申し入れて,原告はこれを受け入れざるをえなかったこと,同年7月6日,原告は丙に240万円の営業妨害による損害賠償金を支払ったことが認められる。原告本人は乙にも20万円支払ったと供述するが,裏付けがないので採用できない。 (5) 上記各解除により,原告は平成10年7月から701号室及び702号室を明け渡した平成11年9月6日までの15か月間乙及び丙から賃料等の収入を得ることができず,損害を被ったものと認められる。 乙関係では,原告主張の損害の15か月分367万7655円の,丙関係では,丙からの受託料収入が月額38万円であったと認めるに足りる証拠はないから,差額の月額は10万0177円となり,その15か月分150万2655円の,各損害発生を認めることができる。 (6) 過失相殺 らの受託料収入が月額38万円であったと認めるに足りる証拠はないから,差額の月額は10万0177円となり,その15か月分150万2655円の,各損害発生を認めることができる。 (6) 過失相殺前記のとおり,被告甲の行為は違法であるが,原告において受託料支払を怠ったことや被告互陽産業との協議に応じなかったことが同被告の行為を誘発したものといえ,原告にも一端の責任があるから,損害額から2割を過失相殺するのが相当である。 (7) (4)と(5)の損害合計758万0310円から2割を減じると,606万4248円となる。 よって,被告らは原告に対し,上記金員及びこれに対する,被告互陽産業につき平成12年2月2日から,被告中央洋行につき同月5日から,被告甲につき同月15日からそれぞれ支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金を支払うべきである。 第三結論以上の次第で,主文のとおり判決することとする。 神戸地方裁判所第5民事部裁判官前坂光雄物件目録一所在神戸市中央区ab丁目c番地d家屋番号  8番10種類店舗・共同住宅構造鉄筋コンクリート造陸屋根地下1階付10階建床面積  1ないし4階  134.40㎡5ないし7階  138.09㎡8階 113.06㎡9階 14.36㎡10階 11.24㎡地下1階 134.40㎡二一の建物のうち,7階701号室48.80㎡ 14.36㎡10階 11.24㎡地下1階 134.40㎡二一の建物のうち,7階701号室48.80㎡三一の建物のうち,7階702号室48.89㎡四一の建物のうち,5階502号室48.80㎡

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