令和2(行コ)97 消費税更正処分等取消請求控訴事件

裁判年月日・裁判所
令和2年11月27日 大阪高等裁判所
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判決文本文5,374 文字)

1令和2年11月27日判決言渡し令和2年(行コ)第97号 消費税更正処分等取消請求控訴事件(原審・大阪地方裁判所平成30年(行ウ)第149号) 主 文51 本件控訴を棄却する。 2 控訴費用は控訴人の負担とする。 事実及び理由第1 控訴の趣旨1 原判決を取り消す。 102 処分行政庁が控訴人に対して平成29年3月30日付けでした平成26年3月7日から同年4月30日までの課税期間分の消費税及び地方消費税の更正処分(ただし,平成29年6月27日付けの再更正処分による変更後のもの)のうち,消費税の納付すべき税額につきマイナス1733万2076円を超える部分及び地方消費税の納付すべき税額につきマイナス467万6508円を超15える部分をいずれも取り消す。 3 処分行政庁が控訴人に対して平成29年3月30日付けでした平成26年3月7日から同年4月30日までの課税期間分の消費税及び地方消費税の過少申告加算税の賦課決定処分(ただし,平成29年6月27日付けの変更決定処分による変更後のもの)をいずれも取り消す。 204 処分行政庁が控訴人に対して平成29年3月30日付けでした平成26年3月7日から同年4月30日までの事業年度分の法人税の更正処分のうち,所得金額につきマイナス64万1864円を超える部分及び翌期に繰り越す欠損金64万1864円を下回る部分をいずれも取り消す。 5 処分行政庁が控訴人に対して平成29年3月30日付けでした平成26年525月1日から平成27年4月30日までの事業年度分の法人税の更正処分のうち,2所得金額につき36万4155円を超える部分をいずれも取り消す。 第2 事案の概要1 本件は,不動産賃貸業等を営む控訴人が,建物を取 年4月30日までの事業年度分の法人税の更正処分のうち,2所得金額につき36万4155円を超える部分をいずれも取り消す。 第2 事案の概要1 本件は,不動産賃貸業等を営む控訴人が,建物を取得したこと及び当該取得に関して司法書士から登記申請に係る役務の提供を受けたことをそれぞれ課税仕入れとし,同建物及びその敷地である土地の売買契約の締結日である平成256年4月30日がこれらの課税仕入れを行った日であるとして,同建物取得の対価及び上記司法書士に対する報酬の額を,同年3月7日から同年4月30日までの課税期間(以下「本件課税期間」という。)の課税仕入れに係る支払対価の額に含めて消費税及び地方消費税(以下「消費税等」という。)の確定申告をし,また,同年3月7日から同年4月30日までの事業年度(以下「平成1026年4月期」という。)及び同年5月1日から平成27年4月30日までの事業年度(以下「平成27年4月期」という。)の各法人税の確定申告をしたところ,処分行政庁から,平成29年3月30日付けで,課税仕入れを行った日は建物の引渡しがあった平成26年5月26日であり,本件課税期間における課税仕入れではないため,仕入税額控除をすることができないなどとして,15本件課税期間の消費税等の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分(平成29年6月27日付けの再更正処分又は変更決定処分によりそれぞれの一部が取り消された後のもの。以下,それぞれ「本件消費税等更正処分」「本件賦課決定処分」といい,これらを併せて「本件消費税等更正処分等」という。)並びに平成26年4月期及び平成27年4月期の各法人税の更正処分(以下「本20件各法人税更正処分」という。)を受けたため,上記各処分はいずれも違法であると主張して,上記各処分(そのうち上記各更正処分 に平成26年4月期及び平成27年4月期の各法人税の更正処分(以下「本20件各法人税更正処分」という。)を受けたため,上記各処分はいずれも違法であると主張して,上記各処分(そのうち上記各更正処分については,申告額より控訴人に不利な部分に限る。)の取消しを求める事案である。 原審は,控訴人が主張する課税仕入れを行った日は平成26年5月26日であって,本件課税期間に属するとは認められないとして,控訴人の請求をいず25れも棄却した。そこで,控訴人がこれを不服として控訴した。 32 関係法令等の定め,前提事実,本件の争点及び争点に関する当事者の主張の要旨は,次のとおり補正するほかは,原判決の「事実及び理由」の「第2 事案の概要」の2及び3,「第3 本件の争点」並びに「第4 争点に関する当事者の主張の要旨」(原判決3頁7行目~24頁16行目,39~46頁)に記載のとおりであるから,これを引用する。 5 原判決3頁11行目の「当裁判所に」を削る。 原判決4頁21行目の「同土地上の建物( 」の次に「鉄筋コンクリート造陸屋根5階建の共同住宅。」を,同頁24行目の「甲2」の次に「,3」をそれぞれ加える。 原判決5頁20行目の「相手科目」を「相手方科目」に改める。 10 原判決9頁5行目の「資産の譲渡」から6行目の「同法」までを「課税資産の譲渡等は,消費税の納税義務が成立する事由である(国税通則法15条2項7号)。そして,消費税法」に改める。 原判決10頁24行目の「課税資産」から26行目の「であり」までを「課税資産の譲渡等の時期(課税仕入れを行った日)を決するに当たっては,15いずれかの経理処理を継続的に選択する場合との限定を付した上で,これを引渡しの日ではなく契約の効力発生日とす り」までを「課税資産の譲渡等の時期(課税仕入れを行った日)を決するに当たっては,15いずれかの経理処理を継続的に選択する場合との限定を付した上で,これを引渡しの日ではなく契約の効力発生日とすることが可能であり」に改める。 原判決11頁10行目の「原告の」から13行目末尾までを次のとおり改める。 「控訴人の上記主張は,最高裁判所平成5年11月25日第一小法廷判決20(民集47巻9号5278頁。以下「最高裁平成5年判決」という。)が,権利の実現が未確定であるにもかかわらずこれを収益に計上するなどの会計処理は一般に公正妥当と認められる会計処理の基準に適合しないとしていることに照らしても,その主張に係る経理処理をもって一般に公正妥当と認められる会計処理の基準に適合するものということができず,誤った前提に立25つものである。」4 原判決12頁8行目から9行目にかけての「引渡日及び契約の効力発生日の双方」を「引渡日あるいは契約の効力発生日のいずれか」に改める。 原判決12頁12行目から14行目にかけての「最高裁平成5年11月25日第一小法廷判決・民集47巻9号5278頁(以下「最高裁平成5年判決」という。)」を「最高裁平成5年判決」に改める。 5原判決13頁6行目の「①引渡し」から8行目末尾までを「①引渡しがあった日,あるいは②当該建物の譲渡に関する契約の効力発生の日のいずれかであって,納税者は,そのいずれかの経理処理を継続的に選択する場合との限定を付した上で,本件通達ただし書に沿って後者を選択することが許容されているものと解される。」に改める。 10原判決21頁11行目の「また,」の次に「本件通達は,」を加える。 原判決23頁21行目の「定めているから」から22行目末尾までを次のと が許容されているものと解される。」に改める。 10原判決21頁11行目の「また,」の次に「本件通達は,」を加える。 原判決23頁21行目の「定めているから」から22行目末尾までを次のとおり改める。 「定めている上,他方で,停止条件や経理処理といった要件のほかには,その適用場面を限定すべきであるとの解釈を示す刊行物は存在していなかった15から,本件確定申告当時,控訴人がその適用が限定されることを把握できる事情は一切存在しなかった。」 原判決24頁4行目冒頭から14行目末尾までを次のとおり改める。 「 国税通則法65条4項にいう「正当な理由」があるといえるためには,納税者側の信頼又は判断を客観的にも正当化することができるだけの事情があ20ることを要すると解すべきである。 本件通達ただし書は,建物等の譲渡に関する契約の効力発生日において課税資産の譲渡等による対価を収受する権利が客観的に見て実現可能な状態になっていない場合についてまで,その日を譲渡人が課税資産の譲渡等をした日とすることを認める趣旨であると解することはできない。この点に関し,25本件通達ただし書が契約の効力発生日をもって課税資産の譲渡等をした日と5することを許容しているかのように読める文献も存在するものの,これらはあくまで,建物等の譲渡に関する契約の効力発生日が建物等を譲渡した日と認められる場合もあるということを示しているにすぎない。そうすると,控訴人が本件訴訟で主張している見解に基づき本件確定申告をしていたとしても,当該判断を客観的に正当化することができるだけの事情があるとはいえ5ない。」第3 当裁判所の判断1 当裁判所も,控訴人の請求はいずれも理由がないと判断する。その理由は,次のとおり補正するほかは,原判決の 正当化することができるだけの事情があるとはいえ5ない。」第3 当裁判所の判断1 当裁判所も,控訴人の請求はいずれも理由がないと判断する。その理由は,次のとおり補正するほかは,原判決の「事実及び理由」の「第5 当裁判所の判断」(原判決24頁18行目~36頁16行目)に記載のとおりであるから,10これを引用する。 原判決25頁25行目の「譲受側」を「譲受人の側」に改める。 原判決26頁2行目の「否か」を削る。 原判決26頁25行目の「合理的な基準として,」の次に「最高裁平成5年判決に基づき,建物の譲渡(課税仕入れ)の時期を引渡しの日ではなく契15約の効力発生日とする経理処理を継続的に選択している限り,」を加え,同行目の「無条件の」を削る。 原判決27頁12行目の「無条件に,」を削り,同頁16行目の「無条件に」を「建物の譲渡の時期を契約の効力発生日とする経理処理を継続的に選択してさえいれば」に改める。 20原判決27頁19行目の「最高裁平成5年判決においても,」の次に「継続的な経理処理がされている限り」を加える。 原判決27頁25行目の「納税者が」の次に「いずれかの経理処理を継続的に行っている限り,」を加える。 原判決29頁10行目の「管理業務契約」を「管理委託契約」に改める。 25原判決30頁2行目の「締結日の時点では」の次に「本件売主には」を加6える。 原判決30頁18行目の「前記前提事実」を「前記前提事実,」に改める。 原判決32頁21行目の「本件通達ただし書は」から24行目の「解されない。」までを「本件通達ただし書が,一定の経理処理が継続的に行われて5さえいれば,権利の実現が未確定な場合においてまで契約の効力発生日をもって「課税仕入れを行っ し書は」から24行目の「解されない。」までを「本件通達ただし書が,一定の経理処理が継続的に行われて5さえいれば,権利の実現が未確定な場合においてまで契約の効力発生日をもって「課税仕入れを行った日」であるとすることを許容する趣旨のものであるとは解されない。」に改める。 原判決32頁25行目の「にしても,」の次に「消費税法の定めやその制度趣旨を総合的に考慮すれば,「課税仕入れを行った日」につき控訴人が主10張するような解釈を採ることができないことは明らかというべきである。」を加える。 原判決32頁26行目の「されておらず,」の次に「加えて,本件売買契約において,手付による解除の期日が平成26年5月2日とされており(甲2),この日までは解除権が留保されていたことに照らしても,」を加える。 15原判決34頁2行目の「本件売買代金」を「本件売買契約に係る代金」に改める。 原判決36頁4行目の「本件通達ただし書は」から6行目から7行目にかけての「解されない。」までを「本件通達ただし書が,一定の経理処理が継続的に行われてさえいれば,権利の実現が未確定な場合においてまで契約の20効力発生日をもって「課税仕入れを行った日」であるとすることを許容する趣旨のものであるとは解されない。」に改める。 原判決36頁7行目の「前記」の次に「3」を加える。 2 以上によれば,控訴人の請求をいずれも棄却した原判決は相当であって,本件控訴は理由がないから棄却すべきである。 25よって,主文のとおり判決する。 7大阪高等裁判所第12民事部 裁判長裁判官 石井寛明 5裁判官 西 森 み ゆ き 裁判官西岡繁靖は, 12民事部 裁判長裁判官 石井寛明 5裁判官 西 森 み ゆ き 裁判官西岡繁靖は,転補のため署名押印することができない。 10 裁判長裁判官 石井寛明

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