- 1 - 平成30年3月15日判決言渡平成29年(行コ)第269号 α区議会幹事長会出席権及び発言権確認等,α区議会各派代表者会出席権及び発言権確認等請求控訴事件(原審・東京地方裁判所平成27年(行ウ)第236号,同第279号) 主文 1 本件控訴を棄却する。 2 控訴費用は控訴人の負担とする。 事実及び理由 第1 控訴の趣旨 1 原判決を取り消す。 2(1)ア控訴人がα区議会幹事長会に出席する権利及び同会において発言する権利を有することを確認する。 イ α 区議会幹事長会運営規程が控訴人にα 区議会幹事長会に出席する権利及び同会において発言する権利を認めていない点において違法であることを確認する。 ウ被控訴人は,控訴人に対し,220万円及びこれに対する平成27年4月14日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 (2)ア控訴人がα区議会各派代表者会に出席する権利及び同会において発言する権利を有することを確認する。 イ α 区議会各派代表者会運営規程が控訴人にα 区議会各派代表者会に出席する権利及び同会において発言する権利を認めていない点において違法であることを確認する。 ウ被控訴人は,控訴人に対し,220万円及びこれに対する平成27年4月14日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 第2 事案の概要 1 本件は,α区議会の会派に属さない議員(以下「無所属議員」という。)で - 2 - ある控訴人(原告)が,同議会の幹事長会及び各派代表者会(以下「本件各会議」という。)への出席権並びに本件各会議における発言権(以下,これらを併せて「出席権等」という。)が認められていないなどと主張して,① 当事 )が,同議会の幹事長会及び各派代表者会(以下「本件各会議」という。)への出席権並びに本件各会議における発言権(以下,これらを併せて「出席権等」という。)が認められていないなどと主張して,① 当事者訴訟として,控訴人が本件各会議について出席権等を有することの確認並びに幹事長会について規定するα 区議会幹事長会運営規程(平成27年α区議会訓令甲第2号。以下「本件幹事長会運営規程」という。)及び各派代表者会について規定するα 区議会各派代表者会運営規程(同第4号。以下「本件各派代表者会運営規程」といい,本件幹事長会運営規程と併せて「本件各規程」という。)において控訴人に出席権等が認められていないことの違法確認(以下これらを併せて「本件各違法確認の訴え」という。)を求めるとともに,②上記のとおり控訴人に出席権等が認められていないこと及び幹事長会において議長から控訴人の発言権を制限する発言を受けたことにより精神的苦痛を被ったとして,被控訴人(被告)に対し,国家賠償法(国賠法)1条1項に基づき,慰謝料及び弁護士費用相当損害金並びにこれらに対する幹事長会においてα区議会訓令甲第5号による改正前のα区議会幹事長会運営規程(以下「旧幹事長会運営規程」という。)及び同第6号による改正前のα区議会各派代表者会運営規程(以下「旧各派代表者会運営規程」といい,旧幹事長会運営規程と併せて「旧各規程」といい,上記各改正を併せて「本件改正」という。)が了承された日である平成27年4月14日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求めた(以下「本件国賠請求」という。)事案である。 原審が本件訴えのうち,本件各違法確認の訴えをいずれも却下し,その余の請求をいずれも棄却したところ,控訴人がこれを不服として控訴した。 2 関係法令等の定め,前提事 請求」という。)事案である。 原審が本件訴えのうち,本件各違法確認の訴えをいずれも却下し,その余の請求をいずれも棄却したところ,控訴人がこれを不服として控訴した。 2 関係法令等の定め,前提事実,争点及び争点に対する当事者の主張は,次のとおり改めるほかは,原判決の「事実及び理由」欄の「第2 事案の概要」の1から4までに記載のとおりであるから,これを引用する。 - 3 - 原判決5頁4行目の「同月」を「同年5月」と改める。 第3 当裁判所の判断 1 当裁判所も,本件訴えのうち,本件各違法確認の訴えはいずれも不適法であり,控訴人のその余の請求はいずれも理由がないと判断する。その理由は,次のとおり改め,2に控訴理由に鑑み判断を付加するほかは,原判決の「事実及び理由」欄の「第3 当裁判所の判断」の1及び2に記載のとおりであるから,これを引用する。 (1) 原判決15頁16行目の「仮に,」から同19行目の「認められる場合には,」までを「仮に,無所属議員に本件各会議における協議に関与する機会が与えられないことが上記のような本会議又は委員会における議員活動の中核となる重要な活動を行う機会を剥奪するものと認められる場合には,」と改める。 (2) 原判決16頁17行目の冒頭から18頁15行目末尾までを以下のとおりに改める。 「 そして,一件記録を精査しても,本件において上記特段の事情は認められない。 イ以上によれば,無所属議員に本件各会議における協議に関与する機会が与えられないことが直ちに本会議又は委員会における議員活動の中核となる重要な活動を行う機会を剥奪するものとは認められない。したがって,控訴人に本件各会議において出席権等が認められているかどうか,これが認められるべきであるかどうかは,一般市民法秩序と直接の関係を有 る重要な活動を行う機会を剥奪するものとは認められない。したがって,控訴人に本件各会議において出席権等が認められているかどうか,これが認められるべきであるかどうかは,一般市民法秩序と直接の関係を有しないから「法律上の争訟」に当たらず,司法審査の対象とはならないというべきである。したがって,本件各違法確認の訴えは,不適法である。」(3) 原判決21頁2行目の「直接訪ねられれば」を「直接尋ねられれば」と改める。 - 4 - 2 控訴人の主張について(1) 控訴人は,本件各違法確認の訴えに司法審査が及ぶか否かにつき,現実には本件各会議において,無所属議員をオブザーバーとして出席権等を認めないという運用がなされているから,特段の事情がある旨主張する。 しかし,控訴人は,本件各会議において無所属議員をオブザーバーとして出席権等を認めないという運用が,本会議又は委員会における議員活動の中核となる重要な活動を行う機会にどのような影響を及ぼすかについて具体的に明らかにしないから,主張自体失当である。 (2) 控訴人は,A議長の発言が,幹事長会においてA議長の意に沿う発言を控訴人に強制するものに他ならず,本会議場における控訴人の発言を否定するものであるから違法である旨主張する。 しかし,引用に係る原判決第3の2(3)のとおり,A議長の本会議場において控訴人を指名しないとの発言は,それ自体,控訴人の本会議場での発言を直接禁止する意図ではなく,議会の自律権の範囲内で,議員とα区職員とのやり取りは議長を通すべきであるという議会の運営方法ないし議員の在り方についてのA議長の見解を説明する中での例えとして発言されたものである。また,A議長の「何が納得できませんだ。黙ってろ。」との発言は,α区総務部長からの事実確認に対し,どのように対 いし議員の在り方についてのA議長の見解を説明する中での例えとして発言されたものである。また,A議長の「何が納得できませんだ。黙ってろ。」との発言は,α区総務部長からの事実確認に対し,どのように対応するかについて,A議長と控訴人との間で議論の応酬を繰り返した末に,A議長の意見について控訴人が納得できないと発言したことを踏まえて,それ以上の発言を制止したものであって,A議長のいずれの発言も幹事長会においてA議長の意に沿う発言を控訴人に強制するものとも,本会議場における控訴人の発言を否定するものともいえない。 (3) 控訴人は,その他に原審口頭弁論終結までに主張立証することが不可能であった事実として,同終結後に開催された幹事長会の状況をるる主張するが,これらの事実が本会議又は委員会における議員活動の中核となる重 - 5 - 要な活動を行う機会にどのような影響を及ぼすかについて具体的に明らかにしないから,主張自体失当である。 (4) したがって,控訴人の主張はいずれも採用することができない。 3 そうすると,本件訴えのうち,本件各違法確認の訴えをいずれも却下し,控訴人のその余の請求をいずれも棄却した原判決は相当であって,本件控訴は理由がないから,これを棄却することとして,主文のとおり判決する。 東京高等裁判所第2民事部 裁判長裁判官白石史子 裁判官大垣貴靖 裁判官鈴木義和 鈴木義和
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