【DRY-RUN】主 文 原決定を取り消す。 相手方は、相手方を原告とし、抗告人を被告とする東京地方裁判所昭和五五年 (行ウ)第二五号行政処分取消請求事件の判決確定に至るまで、茨城地方労働委員 会が茨労委昭和五一
主文 原決定を取り消す。 相手方は、相手方を原告とし、抗告人を被告とする東京地方裁判所昭和五五年(行ウ)第二五号行政処分取消請求事件の判決確定に至るまで、茨城地方労働委員会が茨労委昭和五一年(不)第四号不当労働行為救済申立事件につき昭和五二年一二月二四日付をもつて発した命令の主文第一項(抗告人が中労委昭和五三年(不再)第一号事件につき昭和五四年一二月一九日付をもつて発した命令により一部変更されて別紙記載のとおりに維持するものとされている。)に従わなければならない。 本件手続費用(参加によつて生じた費用を含む。)は、原審及び当審を通じて、相手方の負担とする。 理由 (抗告の理由)別紙抗告理由書記載のとおりである。 (当裁判所の判断)本判決主文第二項に掲げる不当労働行為救済命令は、行政庁である茨城県地方労働委員会及び中央労働委員会による公権力の行使たる行政処分であるから、その行政行為に重大かつ明白な瑕疵があることにより無効とされる場合を除いて、適式に取消、変更されるまでは何人もその効力を否定することができない(行政行為の公定力)。したがつて、相手方を原告とし、抗告人を被告として、本件救済命令の取消しを求める東京地方裁判所昭和五五年(行ウ)第二五号行政処分取消請求訴訟の係属とはかかわりなく、本件救済命令は一応適法かつ有効とみるべきものである。 そして、記録によると、相手方は、本件救済命令に従わないことにより、その事業場である土浦事業所における企業内労働組合で、本件救済命令にかかる総評全国金属労働組合茨城地方本部オリエンタル土浦分会との間においては、団体交渉を一切持たないこととし、相対峙する緊張関係を続けて既に四年を超えるに至つていることが認められるから、本件救済命令の必要性及び緊急性があるものといわなければ ンタル土浦分会との間においては、団体交渉を一切持たないこととし、相対峙する緊張関係を続けて既に四年を超えるに至つていることが認められるから、本件救済命令の必要性及び緊急性があるものといわなければならない。 以上の理由によれば、抗告人による緊急命令の申立は理由があるから認容すべきである。右申立を却下した原決定は取消しを免れず、本件抗告は理由がある。 よつて、原決定を不当として取り消し、相手方に対して、本件救済命令に従うべき旨を命じることとし、手続費用の負担につき行訴法七条、民訴法九六条、八九条、九四条に従い、主文のとおり決定する。 (裁判官中川幹郎真榮田哲木下重康)(別紙)中労委昭和五三年(不再)第一号事件命令により変更後の茨労委昭和五一年(不)第四号事件命令主文第一項オリエンタルモーター株式会社は、総評全国金属労働組合茨城地方本部オリエンタルモーター土浦分会と、同分会組合事務所貸与の件に関して、速かに誠意ある団体交渉を行わなければならない。 (別紙)抗告の理由一原決定は、抗告人委員会が昭和五四年一二月一九日付でなした本件救済命令について、「本件救済命令は、その主要な論拠部分において極めて大きな疑義があり、現時点において、それを維持することは疑わしい」と判断して、緊急命令申立を却下したものである。 しかしながら、原決定は、以下に述べるとおり、重大な事実の誤認を犯し、それに基づいて法律上の判断を誤つたものである。 1 原決定は、支部の規約には、支部の従たる事務所は各分会におくと規定され、また、会社の昭和五一年三月一八日付回答書添付の組合事務所等使用貸借協定書に借主が支部になつていることから、交渉当事者は支部であつたことが明らかであるとしている。(原決定書理由四の(二)七丁の表ないし裏)しかしながら、被抗告人会社( 書添付の組合事務所等使用貸借協定書に借主が支部になつていることから、交渉当事者は支部であつたことが明らかであるとしている。(原決定書理由四の(二)七丁の表ないし裏)しかしながら、被抗告人会社(以下「会社」という。)が提示した最終案添付の協定書(正確には協定書案)なるものは、訴外総評全国金属労働組合茨城地方本部オリエンタル土浦分会(以下「分会」という。)が未だ正式に結成されていなかつた当時の訴外総評全国金属労働組合千葉地方本部オリエンタル支部(以下「支部」という。)との団体交渉、すなわち、昭和五〇年五月二八日の第三回団体交渉の際、提示されたものと同一の内容のものであつて分会の正式発足後は、借主を支部、分会のいずれにするかの問題については、あらためて話し合いは行われておらず、いずれ協定書の正式調印するまでには、その点あらためて双方が確認すべきものである。 仮に、支部が借主となることについて組合側の態度に変りがないものとしても、分会組合事務所の設置場所と広さの問題についての交渉当事者が、支部でなければならない理由はない。それ故、組合事務所の使用につき直接の利害関係をもつ分会が団体交渉権の主体として、後述するように従来の交渉当事者である支部に代つて交渉の表面に現われてくるのは別段不自然ではなく、むしろ、交渉経過として当然の成りゆきというべきであり、本件救済命令がこの趣旨を現わしている(命令書一一頁)のにかかわらず、原決定は、この点に誤解があると推測される。 2 原決定は、分会が単独で団体交渉の申し入れをした昭和五一年二月六日以後も、支部は従来と同様の議題で団交申入れをしており、同年三月一八日の会社最終案に対して、土浦事務所の広さの再考を求めるなど支部、会社間で実質的な交渉が行われてきたと認定している。(原決定書理由四の(二)八丁表ないし裏 様の議題で団交申入れをしており、同年三月一八日の会社最終案に対して、土浦事務所の広さの再考を求めるなど支部、会社間で実質的な交渉が行われてきたと認定している。(原決定書理由四の(二)八丁表ないし裏)しかしながら、この点も事実誤認もはなはだしいものである。すなわち、会社が提示した最終案は、支部が申立人となつて千葉地労委に申し立てている不当労働行為事件に関連してなされた同地労委の勧告にもとづいて提示されたものである。したがつて、同最終案に対して申立人である支部が見解を示すのは当然である。(命令書一二頁)また分会組合事務所の設置場所と広さの問題については、双方から要求と回答の文書が取り交わされているにすぎず、支部との間でも実質的な交渉は何ら行われていないのである。(命令書一一頁及び一二頁) 3 原決定は、分会が正式に組合として発足するまでは、土浦事業所における支部の連絡的機能を担当するに過ぎず、発足後も会社、支部間の交渉経過、上部団体の変更等に照らすと、分会の性格は会社にとつて不明確なものであつたとしている。 (原決定書理由四の(二)八丁の裏ないし九丁の表)しかしながら、このような認定は社会通念に甚だしく反するものである。すなわち、もともと、分会は会社土浦事業所の従業員をもつて構成されている組織であり、上部団体の変更といつても、同じ全国金属労働組合の中にあつてその所属する地方本部を、地域割を原則とする全国金属労働組合の組織原則に従い、千葉から茨城に変更したにすぎないものであり、その性格が変るようなものでないことは自明の理である。 さらに、分会が昭和五〇年一一月の分会結成通知により、企業別組合である支部の下部組織として発足していることも明らかである。それにもかかわらず、原決定が分会の性格は会社にとつて不明確なものであつたと認定していること 昭和五〇年一一月の分会結成通知により、企業別組合である支部の下部組織として発足していることも明らかである。それにもかかわらず、原決定が分会の性格は会社にとつて不明確なものであつたと認定していることは理解に苦しむものである。また、原決定は、分会発足後の会社、支部間の交渉経過からしても、分会の性格は会社にとつて不明確なものであつたとしているが、この点に関しては、前記(2)に述べたとおり支部、会社間で実質的交渉が行われていたという誤つた事実の認識の上に立つてなされた判断であるとしかいいようがない。 4 原決定は、分会の単独の団交申入れは、従来の支部、会社間の交渉経過があるので、その趣旨を明確にすべき信義則上の義務があるのに、何ら説明もなく、唐突の申入れで会社としてその趣旨の推測が不可能な状態だつたから、分会の申入れに会社が直ちに応じなかつたとしても無理からぬとしており(原決定書理由四の(二)九丁の裏ないし一〇丁表)、また、分会の申入れが二重申入れにあたるかどうかまで質すべき義務を会社に負わせるのは妥当でないとしている。(原決定書理由四の(三)一一丁の裏ないし一二丁の表)たしかに、分会の申入れが適切なものであつたとはいい難いことは抗告人委員会の命令においても認めているところである。しかし、この点については、本件救済命令一一頁二行目以下に述べているとおり、(なお、一一頁二行目の「前記第1の2の7認定のとおり、」とあるのは、「前記第1の2の(7)及び(11)認定のとおり、」と訂正する。)支部から会社に対して昭和五〇年八月一二日付書面及びその後の団体交渉において、土浦の組合事務所の設置場所に関する爾後の折衝は、土浦事業所の現地組合員と交渉されたいとの趣旨を明らかに示しており、(命令書四頁)さらに、分会は、同年九月一六日付及び同年一〇月九日付文書に において、土浦の組合事務所の設置場所に関する爾後の折衝は、土浦事業所の現地組合員と交渉されたいとの趣旨を明らかに示しており、(命令書四頁)さらに、分会は、同年九月一六日付及び同年一〇月九日付文書により分会代表者又は分会執行委員長名により、支部執行委員長と連名で団体交渉を申し入れていること、同年一一月一一日の支部との団体交渉においても、あらためて事業所ごとの交渉の件に関する話し合いが行われていること(命令書四、五ないし六頁)等の経過からみれば、分会の申入れが必ずしも唐突なものであるといえないことは極めて明らかである。それ故、原決定が、会社して分会の申入れの趣旨が推測不可能な状態であつたというのは全くの独断といわざるをえない。そして会社はただ事業所長には交渉権限がない、支部に回答済である等文書回答するのみであつて、分会と会つて、申入れの趣旨を聞いたうえで、二重交渉か否かを判断してみようとする常識的な態度は全くなく、分会が申入れの趣旨を説明しようにも、会社はその機会すら与えなかつたものである。かかる会社の態度こそは、分会の存在を嫌悪し、その団体交渉権を否認する態度そのものであるといわざるをえない。にもかかわらず原決定は、本件の分会単独での団交申入れは、それが如何なる趣旨の申入れであるかを明確にすべき信義則上の義務があるというのであるが、かかる事情の下にあつて、分会にのみ義務を課すのは到底妥当な見解とはいえない。かかる義務が労使いずれにあるかはともかく、団体交渉はもともと相手方の協力なくしてはなしえないものであることもまた明らかなのである。 5 原決定は、昭和五二年七月五日及び同月七日の支部との団交で、会社は分会の申入れの趣旨を質したが、支部も分会も、分会の申入れの趣旨を明示したとの疎明なく、会社が分会の申入れに応じないことをもつて、直ちに不 定は、昭和五二年七月五日及び同月七日の支部との団交で、会社は分会の申入れの趣旨を質したが、支部も分会も、分会の申入れの趣旨を明示したとの疎明なく、会社が分会の申入れに応じないことをもつて、直ちに不当労働行為と判断することは極めて疑問があるとしている。(原決定書理由四の(二)一〇丁裏ないし一一丁表)しかしながら、会社が分会の申入れの趣旨を質したと原決定が認定する支部との団体交渉は、本件不当労働行為申立ての一年三カ月も後のことであり、かつ、この事実は、会社が本件不当労働行為審査手続の中で主張、立証していないものである。 原決定は、これを緊急命令決定手続における救済命令適否審査の重要な判断資料として取り上げているにもかかわらず、この疎明資料なるものを抗告人委員会にも示さず、かつ、反論の機会も与えていないのである。したがつて、抗告人委員会は、昭和五二年七月五日及び七日の団体交渉なるものにおいて、支部及び分会がいかなる態度を示したのか不知である。しかるに原決定は、かかる本件初審、再審の審査を通じて会社が主張立証していない新たな事実、しかも、会社が団体交渉を拒否し、そのことについて救済申立てをなして一年以上も経過してからの事実をもつて、緊急命令決定のための救済命令適否審査の資料としたことは、緊急命令決定手続における救済命令適否審査の限界を逸脱した違法なものといわざるをえない。 6 原決定は、支部の事業所毎の交渉に委ねたいとの申出は、未だ分会が独立していない時点でなされたもので、今後は分会の独自の交渉に委ねたとした趣旨であるとは認められないとしている。(原決定書理由四の(三)一一丁表ないし裏)しかしながら、原決定は、分会の正式発足後になされた昭和五〇年一一月一一日の支部との団体交渉の席上でも、同様の交渉が行われていること(命令書六頁)、分会 (原決定書理由四の(三)一一丁表ないし裏)しかしながら、原決定は、分会の正式発足後になされた昭和五〇年一一月一一日の支部との団体交渉の席上でも、同様の交渉が行われていること(命令書六頁)、分会が同年九月三〇日に正式に発足した旨会社に結成通知がなされていることの二点を見落しており、これまた、事実誤認といわざるをえない。また、支部の申出が、分会が独立して活動していない時点でなされたものであるからといつて、事実上、組合の組織として存在していたことは、既に分会が支部と連名で団体交渉の申入れをしている事実から会社にも明らかであり、かつ、その後間もなく正式の結成通知がなされているのに、分会が独立していない時点でなされたことのみを理由に、今後は分会の交渉に委ねたとした趣旨であるとは認められないと速断する原決定は軽卒のそしりを免れない。 7 原決定は、会社は分会組合事務所の場所と広さについての交渉を、支部交渉とするか分会交渉とするか、についての交渉権限の配分を、支部もしくは分会と協議すべきであつたとの抗告人委員会の判断に対して、このようなことは分会の申入れが、従来の支部、会社間の交渉を前提とした場合に考え得ることで、本件の如く、分会の申入れの趣旨が全く不明の場合には妥当しないとしている。(原決定書理由四の(三)一二丁表ないし裏)しかしながら、分会の申入れの内容は、その交渉議題として、分会組合事務所の設置場所の問題であることを明示し(命令書八頁)、かつ、支部はその交渉を分会に任す旨述べているのであるから、従来の支部、会社間交渉の経過をふまえ、それを前提としていることが明らかであることは、本件救済命令理由に詳述するとおりである。にもかかわらず、原決定は、前記(5)の昭和五二年七月五日及び七日の団体交渉における事実を論拠にして、申入れの趣旨が不明であ していることが明らかであることは、本件救済命令理由に詳述するとおりである。にもかかわらず、原決定は、前記(5)の昭和五二年七月五日及び七日の団体交渉における事実を論拠にして、申入れの趣旨が不明であるとしているが、それが事実に反し、かつ、違法であることは前記(5)のとおりである。 二抗告人委員会は、緊急命令決定に際し、受訴裁判所が救済命令の適否を審査するについては、制度の趣旨からみて、救済命令に明白、かつ、重大な瑕疵がある場合はともかく、即時救済の必要性の有無を重点としてなさるべきであり、不当労働行為の成否に関する判断は、本案取消訴訟における当事者の主張、立証をまつてなされるべきものと思料する。 本件緊急命令申立については、受訴裁判所が不当労働行為の成立に疑義を有するというのであれば、取消訴訟において、本件不当労働行為事件審査記録の提出を求め、疑義を有する点について当事者の主張、立証をうながし、しかるのちに決定することもできるのである。 しかるに本件では、抗告人委員会が、乙号証として提出を予定していた本件審査記録を全く調べずに、会社側提出の若干の疎明資料を主要な根拠に、本件救済命令はその重要な論拠部分に極めて大きな疑義があるとして緊急命令申立を却下しているのである。したがつて、原決定は手続に違法がある。 以上のとおり、原決定は、手続に違法があり、かつ、事実を誤認し、判断を誤つた違法があるので、すみやかに取り消さるべきである。 以上別表(省略)
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