昭和54(行コ)42 裁決取消請求控訴事件

裁判年月日・裁判所
昭和55年2月14日 東京高等裁判所 公用負担・公用収用など
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【DRY-RUN】○ 主文 本件控訴を棄却する。 控訴費用は、控訴人の負担とする。 ○ 事実 控訴人は、「原判決を取り消す。被控訴人が控訴人に対し昭和五三年四月一九日付 でした裁決を取り消す。訴訟費用は、第一、二審とも

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判決文本文4,150 文字)

○ 主文本件控訴を棄却する。 控訴費用は、控訴人の負担とする。 ○ 事実控訴人は、「原判決を取り消す。被控訴人が控訴人に対し昭和五三年四月一九日付でした裁決を取り消す。訴訟費用は、第一、二審とも被控訴人の負担とする。」との判決を求め、被控訴人は、主文同旨の判決を求めた。 当事者双方の事実上及び法律上の主張並びに証拠関係は、次のとおり附加するほかは、原判決事実摘示と同一であるから、これを引用する。 一控訴人の主張換地処分の告知行為は、各権利者別にされる通知と全権利者に対してされる公告との二段階からなり、この段階的に連続する告知行為の完了によつて換地処分の効力が生ずる。このことは、通知後公告までの間に権利関係の変動があつたときは公告時の権利関係に即して換地処分の効力を生ずることからも(土地区画整理法一〇七条三項参照)、明らかである。そして、換地処分は、このように、公告があるまでは効力を生じないのであるから、公告前に、まだ効力を生じていないのに審査請求期間を進行させ、ときにはその効力を生ずる以前にこれを不可争的なものとする必要が行政庁側に特に存するとは思われない。また、換地処分は公告があるまでは効力を生じないのであり、換地処分自体にはなんらその理由が示されていないのであるから、処分の相手方が公告をまつて不服申立てをすべきかどうかを検討しようとすることには理由があろう。更に換地処分をその通知後変更する必要が生ずるなどして結局公告されないで終わることもあろうし、あるいは、公告自体に瑕疵があつて当然無効とされることもあるが、このような場合、効力を生じてはいないが内容が不可争的である換地処分を認める必要があるであろうか。したがつて、換地処分に対する審査請求期間は、公告があつた日を基準としてその翌日から起算すべきである。 二被控訴人の主張1 はいないが内容が不可争的である換地処分を認める必要があるであろうか。したがつて、換地処分に対する審査請求期間は、公告があつた日を基準としてその翌日から起算すべきである。 二被控訴人の主張 1 換地処分の通知によつて、換地の位置、範囲又は換地を定めないことが確定され、換地処分はその通知の相手方である関係権利者に対する処分として効力を生ずるのであり、換地処分の公告は、既に通知によつて効力を生じた換地処分の存在を関係権利者以外の者に対しても知らせるとともに、換地処分に伴う権利関係の変動の全体的統一的実現のために処分の実体的効果の発生をかからしめるための制度である。また、換地処分の通知後公告までの間に権利の移転があつた場合には、換地処分は公告の時点での新たな権利関係に即して効力を生ずるが、これは、土地区画整理法一二九条の規定に基づき当然に換地処分の通知の効力が新たに権利を取得した者に対して及ぶこととされていることによるものであつて、換地処分の公告による効果ではない。それゆえ、換地処分の告知行為としては通知と公告との二段階を必要とし、通知だけでは告知行為として不十分であり、換地処分としての効力を生じないとする控訴人の主張は失当である。 2 審査請求期間をどのように定めるかは、原則として立法政策上の問題であるから、その期間が著しく不合理で実質上審査請求の拒否に等しいものとならなければなんら問題はない。行政不服審査法一四条一項は、審査請求期間を原則として六〇日としており、本件においても、換地処分の通知の際、控訴人に対し、換地処分に対する審査請求期間は右通知後六〇日間である旨の教示がされているのであるから、控訴人には実際に審査請求期間として六〇日の期間が与えられたのである。控訴人は、換地処分の通知後公告が行われない場合があると主張するが、通常そのよ 知後六〇日間である旨の教示がされているのであるから、控訴人には実際に審査請求期間として六〇日の期間が与えられたのである。控訴人は、換地処分の通知後公告が行われない場合があると主張するが、通常そのような場合は考えられない。 ○ 理由一当裁判所も、控訴人の本訴請求を失当と判断するものであり、その理由は、次のとおり附加するほかは、原判決理由説示と同一であるから、これを引用する。 1 土地区画整理法一〇三条一項の規定に基づいて換地処分の通知が関係権利者に対してされたときは、これにより、換地処分は、当該関係権利者に対する関係において、(イ)その者が有していた従前の宅地又はその宅地について存する権利の目的である宅地若しくはその部分(以下「従前の宅地等」という。)に代えて換地又は換地について右権利の目的となるべき宅地若しくはその部分(以下「換地等」という。)を定め、又は定めないこと及び換地等を定めたときはその位置及び地積、(ロ)右換地等を定め、又は定めないことによつて生ずる不均衡を清算するための清算金を交付するか否か及びこれを交付するときはその金額等が一応最終的に確定するという効力を生ずるのであり、同法一〇四条一、二項が、換地等は同法一〇三条四項の公告があつた日の翌日から従前の宅地等とみなし、換地等を定められなかつた従前の宅地等に存する権利は右公告があつた日の終了した時において消滅するものとすると定め、また、同法一〇四条七項が、清算金は右公告があつた日の翌日に確定すると定め、これらの効果の発生を右公告にかからしめているのは、右公告自体は本来換地処分のあつたことを一般に周知させるための手段であるが、換地処分に伴う権利関係の変動の全体的統一的実現の必要から、すなわち、相関連して同時に実現するのでなければ錯綜混乱するおそれのある多数の権利関係の変動を同 たことを一般に周知させるための手段であるが、換地処分に伴う権利関係の変動の全体的統一的実現の必要から、すなわち、相関連して同時に実現するのでなければ錯綜混乱するおそれのある多数の権利関係の変動を同一時点で一挙に実現する技術的方法として、換地処分の通知がされたことにより前示のとおり換地等を定め、又は定めないことが確定され、あるいは、清算金を交付することが確定されたことに伴う従前の宅地等に存した権利の換地等への移動又は消滅、あるいは、清算金交付請求権の発生といつた換地処分の効果の発生の時期を、各関係権利者に共通の時点である公告があつた日の翌日の初め(公告があつた日の終了した時)としたにすぎないものであり、換地処分は通知及び公告という二段階の告知行為がされてはじめてその効力を生ずるとする控訴人の主張は、独自の見解であつて、採用することができない。控訴人は、換地処分の通知後公告までの間に権利関係の変動があつたときは公告時の権利関係に即して換地処分の効力が生ずるとしてこれを右主張の一論拠とするが、換地処分の通知後公告までの間に従前の宅地等について権利者の変更があつた場合には、同法一二九条の規定により、従前の権利者に対してされた通知は新たに権利者となつた者に対してされたものとみなされ、その結果、換地処分の通知によつて生ずる前示の効力は新権利者との関係で生じたものとみなされることになるのであつて、換地処分の公告は、右のように新権利者との関係で既に効力を生じたものとみなされた換地処分につき前示の効果を発生させるにすぎないのである。なお、土地区画整理事業によつて整備改善される公共施設(土地区画整理法二条一項参照)の用に供する土地が換地処分の公告があつた日の翌日に国又は関係地方公共団体に帰属することとされ(同法一〇五条)、同事業によつて設置された公共施 て整備改善される公共施設(土地区画整理法二条一項参照)の用に供する土地が換地処分の公告があつた日の翌日に国又は関係地方公共団体に帰属することとされ(同法一〇五条)、同事業によつて設置された公共施設が同日に地元市町村の管理に属することとされている(同法一〇六条)のも、軌を一にするものといえよう。 2 控訴人は、また、換地処分は公告があるまでは効力を生じないから、公告前に審査請求期間を進行させなければならない理由はないと主張する。しかしながら、換地処分は、それが関係権利者に通知されることによつて前示のような効力を生ずるのであるから、この法律関係を早期に不動のものとするため、公告がされるのを待たず、、右通知のあつた日を基準として審査請求期間を起算することはなんら不合理とはいえず、また、換地処分の通知によつて処分の内容は既に明らかとなつているのであり、公告を待つてみても、それ以上に処分内容が具体化又は明細化されるわけではなく、また、処分理由が開示されるわけでもないのであるから、通知のあつた日を基準として審査請求期間を起算することにしても、処分の相手方である関係権利者が審査請求をするについて特段の不利益があるものとも認められない。 もつとも、右のように通知のあつた日を基準として審査請求期間を起算することにすると、審査請求期間の経過により換地処分が不可争的となつたのに、いまだ公告がされず、あるいは、公告に固有の瑕疵があつて取り消され又は当然無効とされるなどのため、換地処分の前示の効果がなお発生しないというような場合がときとして起こりえないでもないが、このことは、換地処分の効力を早期に不動のものとするため通知のあつた日を基準として審査請求期間を起算すべき必要性と合理性を少しも損うものではなく、また、処分の相手方である関係権利者が通知のあつた日を基準 とは、換地処分の効力を早期に不動のものとするため通知のあつた日を基準として審査請求期間を起算すべき必要性と合理性を少しも損うものではなく、また、処分の相手方である関係権利者が通知のあつた日を基準として起算される審査請求期間内に審査請求をするについてなんら妨げとなるものでもない。 二よつて、原判決は相当であり、本件控訴は理由がないのでこれを棄却し、控訴費用の負担については行政事件訴訟法七条の規定に基づき民事訴訟法九五条、八九条の例により、主文のとおり判決する。 (裁判官林信一高野耕一石井健吾)

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